編 集 後 記
中国の武漢で新しいウィルスが発生したという小さなニュースがあって数か月ののちにこ れほどまでに人々の生活が変わることを予想できた人は少なかったと思います。大学におい ても,リモート授業が取り入れられ,学生も教員も対応に追われました。様々な研究活動も 制約を受けるようになり,学会,研究会等は軒並み中止を余儀なくされたり,一部がリモー トによって開催されるようになりました。社会福祉の現場においても,ソーシャルディスタ ンスが,人と人との距離を遠ざけることとなり,ソーシャルワークにおいて新たな人と人と のつながりをいかに構築していくのかその課題に直面しています。
このような中,「社会福祉研究所年報」をまとめることができました。社会福祉学は,人に 関わるあらゆる学問を総合した学際的な研究であると思います。そして,人々のウェルビー イングを実現する実践科学だと思われます。研究所には,これらの科学を実現する多彩な分 野の所員が参集しています。社会福祉学,社会学,教育学,心理学などなどの専門分野は,
それぞれの専門分野における研究にとどまらず,それらの学際的研究の重なる部分,つなが りがどこにあるのかを見つけ出すことで,社会福祉の新たな地平が見えてくることにつなが るのかもしれません。多彩な人材を有する研究所の役割はそんなところにあるのかもしれま せん。
今号も多くの論文の投稿をいただきました。そして,細やかな査読がなされ,論文が掲載 されることとなりました。それぞれの論文の語り掛けるものと共に,異なる切り口の論文の 重なり合うところ,つながりを読み解いていただければ幸いです。
ところで,今年から,梅澤前所長からバトンを引き継ぎ,村尾所長による新しい体制で運 営がスタートしました。今年は,これまでに経験したことがないような状況の中で,研究所 活動が始まりました。なれないリモートでの会議が多くはなりますが,社会福祉実践が新た な人と人のつながりを創造しているように,私たちの研究所活動も新たな時代の活動を模索 していくことになります。新たな時代の始まりにおいて,社会福祉研究所として何が求めら れるのかを常に問いかけながら活動を進めていきたいと思います。研究所員の意見を真摯に うけとめ,研究所活動を進めてまいります。不慣れな点もあり,ご迷惑をおかけすることも ありますが何卒よろしくお願い申し上げます。
(鈴木)