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厚生労働科学研究費補助金(健康安全・危機管理対策総合研究事業)
災害対策における地域保健活動推進のための実務担当保健師の能力向上に係わる研修ガイドラインの作成と検証
分担研究報告書
研究題目 実務保健師に求められる災害時の役割とコンピテンシー、その遂行に求められる知識・
技術・態度−デルファイ法による災害対応経験のある自治体実務保健師等への意見調査
研究分担者 宮﨑 美砂子(千葉大学大学院看護学研究科・教授)
研究分担者 奥田 博子 (国立保健医療科学院健康危機管理研究部・上席主任研究官)
研究分担者 春山 早苗 (自治医科大学看護学部・教授)
研究分担者 石川 麻衣 (群馬大学大学院保健学研究科・准教授)
研究分担者 金谷 泰宏 (国立保健医療科学院健康危機管理研究部・部長)
研究分担者 金 吉晴 (国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所・所長)
研究分担者 植村 直子 (東京家政大学健康科学部・講師)
研究要旨
自治体の実務保健師の災害対応力を高めるための研修ガイドライン作成に向けて、検討資料を 得るために、実務保健師に求められる災害時の役割とコンピテンシー(実践能力) 、その遂行のた めに必要とされる知識・技術・態度について、災害対応経験のある実務保健師及び統括保健師等 リーダー保健師を対象に、デルファイ法による意見調査を行った。文献検討及び災害対応経験の ある実務保健師・統括保健師へのヒアリング調査に基づき、実務保健師に求められる災害時の役 割とコンピテンシー、知識・技術・態度の内容を確定し、質問紙を作成した。調査対象は、過去 1年以上前に発生した甚大な自然災害時に被災地としての対応経験をもつ自治体保健師とした。
候補とした
16県の市町村の実務保健師及び統括保健師、保健所保健師、県庁の人材育成担当保 健師に対して
3回の紙面調査を実施した。
回答者は、第1回調査
238人、第
2回調査
175人、第3回調査
132人であった。第
3回調査 の結果、実務保健師に求められる役割・コンピテンシーの
81項目について、極めて高い同意(90%
以上)は
16(19.8%)、高い同意(80〜89.9%)は
38(46・9%)、中程度の同意(70〜79.9%)
は
21(25.9%)、低い同意(51〜 69.9%)は
6(7.4%)、同意無(51%未満)は
0であった。ま た実務保健師に必要な知識・技術・態度の
100の内容について、極めて高い同意(90%以上)は
16(16.0%) 、高い同意(80〜89.9%)は
55(55.0%) 、中程度の同意(70〜79.9%)は
20(20.0%) 、 低い同意(51〜 69.9%)は
8(8.0%)、同意無(51%未満)は
1(1.0%)0であった。
災害時における実務保健師の役割・コンピテンシー、知識・技術・態度として、発災直後の超 急性期、急性期及び亜急性期に、同意の程度の高い項目内容が多かった。これらの時期には、実 務保健師の役割として組織内外に明示できる、具体的な対応行動があり、その実施にあたり必要 な知識・技術・態度が求められていると考えられる。一方で、慢性期、静穏期においては、中程 度の同意の項目内容の占める割合が超急性期、急性期・亜急性期に比べて多かった。これらの時 期は、活動の進行管理や支援の調整等のマネジメントが多くなり、実務保健師の役割行動として 自他ともに認識されにくく、それ故に、本調査にて提示した項目内容への回答が中程度の合意に 留まった可能性があると推察された。
(研究協力者)
霜越 多麻美(千葉大学大学院看護学研究科・特任研究員)
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A . 研 究 目 的
自 治 体 の 実 務 保 健 師 の 災 害 対 応 力 を 高 め る た め の 研 修 ガ イ ド ラ イ ン 作 成 に 向 け て 、 検 討 資 料 を 得 る た め に 、 実 務 保 健 師 に 求 め ら れ る 災 害 時 の 役 割 と コ ン ピ テ ン シ ー( 実 践 能 力 )、そ の 遂 行 の た め に 必 要 と さ れ る 知 識・技 術・態 度 に つ い て 、災 害 対 応 経 験 の あ る 実 務 保 健 師 及 び 統 括 保 健 師 等 リ ー ダ ー 保 健 師 を 対 象 に 、 デ ル フ ァ イ 法 に よ る 意 見 調 査 を 行 っ た 。
デ ル フ ァ イ 法 と は 、 こ れ ま で 合 意 の 得 ら れ て い な い 課 題 に 対 し て 、 専 門 家 集 団 に 対 す る 複 数 回 の 質 問 紙 調 査 を 通 し て 意 見 を 収 束 さ せ て 合 意 を 得 る 方 法 で あ る
1 )。
本 調 査 に て 提 示 す る 「 実 務 保 健 師 に 求 め ら れ る 災 害 時 の 役 割 と コ ン ピ テ ン シ ー の 項 目 」 及 び 「 そ れ ら の 遂 行 の た め に 必 要 と さ れ る 知 識・技 術・態 度 の 内 容 」は 、 文 献 検 討 及 び 保 健 師 へ の ヒ ア リ ン グ 調 査 に 基 づ き 作 成 す る 。
な お 本 調 査 の 結 果 は 、 本 研 究 班 に お け る 他 の 分 担 研 究 の 結 果 な ら び に 先 行 研 究 で 示 し た 災 害 時 の 統 括 保 健 師 の コ ン ピ テ ン シ ー の 内 容
2 )を 踏 ま え 、実 務 保 健 師 に 特 徴 的 な 災 害 時 の コ ン ピ テ ン シ ー と 役 割 、 そ の 遂 行 の た め に 必 要 な 知 識 ・技 術 ・態 度 、 そ れ ら 修 得 の た め に 有 効 な 研 修 方 法 を 検 討 す る 資 料 と し て 用 い 、 研 修 ガ イ ド ラ イ ン の 記 載 内 容 の 明 確 化 に 役 立 て る 。
< リ サ ー チ ・ ク エ ス チ ョ ン >
① 災 害 時 に お い て 被 災 地 の 保 健 師 と し て 、 実 務 保 健 師 の 立 場 で 、 期 待 さ れ る 役 割 、 求 め ら れ る コ ン ピ テ ン シ ー と は 何 か ?
② 災 害 時 に 実 務 保 健 師 が コ ン ピ テ ン シ ー を 発 揮 し 役 割 遂 行 す る う え で 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 の 内 容 と は 何 か ?
③ 災 害 時 の 実 務 保 健 師 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー に お い て 、 統 括 保 健 師 ( リ ー ダ ー 保 健 師 ) と 異 な る 点 は 何 か ?
【 用 語 の 定 義 】
実 務 保 健 師 : 管 理 的 立 場 及 び 統 括 的 立 場 の 保 健 師 を 除 く 保 健 師 を 実 務 保 健 師 と す
る 。す な わ ち 、新 任 期 、中 堅 期 に あ る 保 健 師 で 、 「 保 健 師 に 係 る 研 修 の あ り 方 等 に 関 す る 検 討 会 最 終 と り ま と め( 厚 生 労 働 省 、 平 成
28年
3月 )」 で 示 す キ ャ リ ア レ ベ ル
A-1〜
A-4段 階 に あ る 保 健 師 と す る 。
B . 研 究 方 法 1 . 調 査 対 象 1 ) 選 定 条 件
デ ル フ ァ イ 法 に お け る 調 査 対 象 者 と し て 、 質 問 紙 へ の 回 答 に 対 し て 、 経 験 則 か ら 意 見 、 判 断 を 提 供 で き る 専 門 家 集 団 を 選 定 す る こ と が 重 要 で あ る
3 )。
過 去 1 年 以 上 前 に 、 甚 大 な 地 震 又 は 水 害 等 の 自 然 災 害 が 発 生 し 、 被 災 地 と し て 被 災 者 及 び 被 災 地 域 へ の 対 応 経 験 の あ る 自 治 体 保 健 師 を 調 査 対 象 と す る こ と と し 、
① 市 町 村 ( 保 健 所 設 置 市 を 含 む ) の 実 務 保 健 師 、 ② 市 町 村 の 統 括 保 健 師 等 リ ー ダ ー 保 健 師( 以 下 、統 括 保 健 師 )、③ 管 轄 市 町 村 が 被 災 し た 際 の 市 町 村 支 援 の 経 験 を も つ 県 型 保 健 所 の 保 健 師 、 ④ 被 災 都 道 府 県 と し て 被 災 地 支 援 の 対 応 経 験 の あ る 自 治 体 本 庁 の 人 材 育 成 担 当 の 保 健 師 を 含 む 、 と し た 。
2 ) 選 定 手 順
( 1 ) 候 補 都 道 府 県 の 選 定
過 去 1 年 以 上 前 に 、 甚 大 な 地 震 又 は 水 害 等 の 自 然 災 害 が 発 生 し 、 被 災 地 と し て 被 災 者 及 び 被 災 地 域 へ の 対 応 経 験 の あ る 都 道 府 県( 以 下 県 )と し て
16県 を 研 究 班 に て リ ス ト ア ッ プ し た 。
( 2 ) 調 査 対 象 候 補 の 市 町 村 及 び 保 健 所 保 健 師 の 推 薦
上 記
(1)の 16県 の 本 庁 の 人 材 育 成 担 当 保 健 師 か ら 、当 該 県 内 に お い て 、1 )に 示 す 選 定 条 件 を 充 た す 市 町 村 複 数 か 所 、さ ら に 保 健 所 保 健 師 複 数 人 の 推 挙 を 得 て 、
58市 町 村 、
61人 の 保 健 所 保 健 師 、
16県 庁 の 人 材 育 成 担 当 保 健 師 ( 以 下 、 県 庁 保 健 師 ) に 調 査 へ の 協 力 依 頼 を 行 っ た 。
な お 市 町 村 に お い て 調 査 対 象 と す る 実
務 保 健 師 は 、被 災 当 時 、新 任 期 、中 堅 期 の
い ず れ で あ っ て も よ い こ と 、 1 つ の 市 町
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村 内 に お い て 回 答 協 力 可 能 な 実 務 保 健 師 の 人 数 は 限 定 し な い こ と 、 ま た 市 町 村 の 統 括 保 健 師 は 、 被 災 当 時 、 統 括 保 健 師 等 リ ー ダ ー で な く て も よ い 、 と し た 。
2 . 質 問 紙 の 作 成 と 調 査 の 実 施 方 法 1 ) 第
1回 調 査
(1)
質 問 紙 の 作 成
質 問 紙 に て 提 示 す る 「 実 務 保 健 師 に 求 め ら れ る 災 害 時 の 役 割 と コ ン ピ テ ン シ ー の 項 目 」 及 び 「 そ れ ら の 遂 行 の た め に 必 要 と さ れ る 知 識・技 術・態 度 の 内 容 」は 、 以 下 に 示 す 手 順 で 検 討 し た 。
① 文 献 検 討
公 表 さ れ て い る 災 害 時 の 保 健 師 の 活 動 記 録 か ら 、 災 害 時 の 実 務 保 健 師 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て
19項 目
102の 内 容 、88 の 知 識・技 術・ 態 度 の 内 容 を 導 出 し 、 素 案 と し た 。 概 要 を 以 下 に 示 す 。
【 素 案 の 概 要 】
● 時 期 Ⅰ : 超 急 性 期 は 、 発 災 直 後 か ら
72時 間 で あ る 。た と え ば 、Ⅰ −1 の 被 災 者 へ の 応 急 対 応 で は 、被 災 者・避 難 者 の 中 か ら 要 医 療 、 要 支 援 者 を 把 握 し て 、救 急 医 療 、福 祉 避 難 所 へ の 移 送 を す る 。 こ の 実 践 能 力 に 必 要 な 知 識・技 術 と し て 、要 支 援 者 を 把 握 す る た め の 知 識 、 ト リ ア ー ジ な ど が あ る 。 研 修 方 法 は 、 集 合 対 面 や オ ン ラ イ ン 研 修 を 行 う と い っ た こ と が 考 え ら れ る 。ま た 、こ れ に 関 連 し た 内 容 で 、対 応 す る の に 必 要 な 人 員 を 判 断 し 、統 括 保 健 師 へ 報 告 す る と い っ た 能 力 も 必 要 で あ り 、研 修 方 法 で は シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 演 習 な ど が 考 え ら れ る 。
● 時 期 Ⅱ:急 性 期・亜 急 性 期 は 、中 長 期 的 な 時 期 で あ る 。Ⅱ −
1の 持 続 的 な 健 康 管 理 体 制 、 安 心・安 全 な 環 境 づ く り に 取 り 組 む 必 要 が あ る 。た と え ば 、避 難 者 の 健 康 状 態 の ア セ ス メ ン ト 、環 境 づ く り に 取 り 組 む と い っ た 実 践 能 力 で あ る 。ま た 、子 供 や 女 性 な ど 、発 達 段 階 や ジ ェ ン ダ ー な ど の 知 識 等 が 必 要 と な る 。Ⅱ
−2 の 避 難 所 の 衛 生 管 理 の 体 制 づ く り で は 、 食 中 毒 予 防 、感 染 症 予 防 の 衛 生 管 理 、ト イ レ・
ご み の 管 理 、生 活 支 援 物 資( 特 に 医 薬 品 )の 管 理 、支 援 者 の 算 定 な ど が 必 要 で あ る 。ま た 、
自 身 や 同 僚 の 健 康 管 理 も 重 要 で あ る 。過 酷 な 状 況 で の 活 動 で あ り 、自 身 や 職 場 の 健 康 管 理 が 重 要 で あ る 。
● 時 期 Ⅲ : 慢 性 期 は 、 復 旧 ・ 復 興 期 で あ る 。 外 部 支 援 者 は 短 期 間 で 入 れ 替 わ る こ と 、ま た 外 部 支 援 者 が 撤 退 し た 後 の 継 続 性 の 点 か ら 、 課 題 や 支 援 の 視 覚 化 、見 え る 化 を 行 い 、継 続 し た 活 動 を 担 保 す る 必 要 が あ る 。福 祉 避 難 所 も 本 格 化 し 、助 言・支 援 が 求 め ら れ る 。自 宅 滞 在 者 へ の 支 援 、健 康 調 査 の 企 画 と 実 施 が 入 り 、そ の た め に 必 要 な 人 員 の 確 保 、マ ネ ジ メ ン ト を す る 実 践 能 力 が 必 要 と な る 。保 健 事 業 の 持 続 、ま た は 再 開 に つ い て の 判 断 、場 や 人 員 の 確 保 が 求 め ら れ る 。
● 時 期 Ⅳ : 静 穏 期 は 平 時 の 備 え の 時 期 で あ る 。外 部 支 援 者 撤 退 後 の 体 制 づ く り 、地 元 の マ ン パ ワ ー 、関 係 機 関 の 活 動 状 況 、新 た な 人 材 の 養 成 、先 を 見 越 し た マ ネ ジ メ ン ト が 必 要 で あ る 。生 活 再 建 や コ ミ ュ ニ テ ィ の 支 援 と し て 、そ の 地 域 の 文 化 や 特 徴 を 踏 ま え た 活 動 に 取 り 組 む 。コ ミ ュ ニ テ ィ づ く り の た め に 、交 流 の 場 を 確 保 す る と い っ た 内 容 や 、 地 域 診 断 、地 区 組 織 活 動 の ス キ ル が 必 要 と な る 。持 続 的 に 、か つ タ イ ミ ン グ を と ら え え て 、生 活 調 査 を 行 う こ と 。ま た 、地 域 住 民 と の 協 働 に よ る 防 災 や 減 災 の 取 り 組 み 、地 域 住 民 の 力 が 求 め ら れ る 。自 分 た ち の 地 域 の 脆 弱 性 の ア セ ス メ ン ト 、協 力 者 と な り う る 支 援 者 と の 関 係 づ く り 、要 配 慮 者 の 災 害 へ の 備 え へ の 関 心 を 高 め る 訓 練 の 企 画 、要 配 慮 者 へ の 対 応 計 画 と 地 域 防 災 計 画 へ の 反 映 、地 域 防 災 計 画 へ の 保 健 師 の 位 置 づ け を 理 解 す る 。 地 域 防 災 計 画 、 所 属 組 織 の 災 害 時 活 動 マ ニ ュ ア ル の 整 合 性 を は か る 。要 配 慮 者 に 対 す る マ ニ ュ ア ル 等 の 作 成 、組 織 と し て の 対 応 計 画 の 立 案 に か か わ る 。平 常 時 か ら 関 係 す る 支 援 者 と の 連 携 、災 害 支 援 活 動 に お け る 保 健 師 活 動 の 伝 承 、そ の た め の 資 料 収 集 、研 修 会 の 企 画 実 施 へ の 参 画 が あ る 。 自 身 や 家 族 の 災 害 へ の 備 え も 示 し た 。
② 災 害 対 応 経 験 の あ る 自 治 体 の 実 務 保 健
師・統 括 等 リ ー ダ ー 保 健 師
12名( 市 町 村
保 健 師
9名 、 保 健 所 保 健 師
3名 ) へ の ヒ
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ア リ ン グ 調 査
コ ン ピ テ ン シ ー 等 の 項 目 内 容 の 素 案 に 対 し て 、 実 務 保 健 師 に 求 め る 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー 、知 識・技 術・態 度 、研 修 方 法 に つ い て 、 災 害 対 応 経 験 の あ る 自 治 体 の 実 務 保 健 師 ・ 統 括 等 リ ー ダ ー 保 健 師 に 意 見 を 求 め た 。
【 市 町 村 保 健 師 か ら の 意 見 】
〇( ト リ ア ー ジ )発 災 初 期 の 避 難 所 に お け る 医 療 的・保 健 的 な ト リ ア ー ジ は 必 要 。ト リ ア ー ジ は 複 数 回 訓 練 し な い と 動 け な い 。福 祉 避 難 所 が 開 設 し な い 初 期 に は 避 難 所 内 に 福 祉 避 難 所 的 な エ リ ア を 設 け る 対 応 力 も 必 要 。
〇( 環 境 整 備 )水・ 食 料・ ト イ レ の 確 保 な ど の 生 き る た め の 環 境 整 備 の 力 も 必 須 。
〇( 情 報 収 集 )津 波 被 害 で は 指 定 避 難 所 に 住 民 が 来 所 す る こ と は 困 難 で あ る 。
DMAT等 の 支 援 チ ー ム と 行 動 を 共 に し な が ら 住 民 の 避 難 先 を 探 索 す る こ と が 求 め ら れ た 。要 配 慮 者 を 探 索 す る 場 合 、民 生 委 員 等 の 地 域 と の 協 働
( 情 報 を も ら う )が 大 事 で あ る 。被 災 地 域 全 体 を 見 て 動 く 視 点 、活 動 の イ メ ー ジ が 必 要 で あ る 。
〇( 要 配 慮 者 対 応 )避 難 所 に 来 所 で き る 人 は あ る 程 度 自 立 し て い る 。在 宅 被 災 者 の 支 援 が 重 要 で あ る 。発 災 後 の 経 過 に 伴 い 要 配 慮 者 の 居 場 所 、状 況 も 変 化 す る 。地 域 の 要 配 慮 者 を 保 健 師 が 日 頃 か ら 把 握 、平 時 か ら の 関 係 者 と の 連 携 が 基 本 で あ る が 、い ざ と い う 時 に 連 携 す る マ ネ ジ メ ン ト 力 も 必 要 。
〇( 感 染 症 対 策 )災 害 時 の 感 染 症 予 防 や 生 活 衛 生・環 境 整 備 の 知 識 と 実 行 力 が 必 要 で 、住 民 リ ー ダ ー に 健 康 教 育 や 普 及 啓 発 の で き る 技 術 が 必 要 で あ る 。
〇( 外 部 支 援 者 と の 協 働 )外 部 支 援 者 の 短 期 交 代 に 対 し て オ リ エ ン テ ー シ ョ ン の 調 整 役 が 必 要 。エ リ ア 担 当 の 保 健 師 が ミ ー テ ィ ン グ 運 営 や 支 援 者 へ の 指 示 が 出 せ る と よ い 。現 地 の 保 健 活 動 に 負 荷 を か け る よ う な 外 部 支 援 に 対 し て は 意 見 が 言 え る 力 が 必 要 。
〇( 保 健 事 業 の 再 開 )被 災 者 同 士 の 交 流 の 意 味 を 持 た せ る こ と が 大 事 で あ る 。
〇( 健 康 管 理 )保 健 師 も 家 族 の 事 情 を 上 司 に 言 え る こ と は 重 要 。外 部 支 援 者 は 休 日 も 稼 働
す る 中 で 、オ リ エ ン テ ー シ ョ ン や ミ ー テ ィ ン グ へ 対 応 を 含 め 現 地 保 健 師 が 休 め る 体 制 づ く り は 重 要 。
〇( 組 織 の 理 解・法 律 の 理 解 )市 町 村 地 域 防 災 計 画 上 の 組 織 の 理 解 、災 害 対 策 本 部 と の つ な が り 、保 健 福 祉 部 門 の 位 置 づ け 、災 害 救 助 法 の 理 解 は 重 要 。
【 保 健 所 保 健 師 か ら の 意 見 】
〇( 情 報 の 活 用 )災 害 対 策 本 部 か ら の 情 報 収 集 と 現 場 の 情 報 提 供 は ス タ ッ フ で あ っ て も 必 要 。災 害 対 策 本 部 と の 情 報 の 上 り 下 り を 意 識 し た 情 報 活 用 の 力 が 必 要 。課 題 を 統 括 保 健 師 に 伝 え ら れ る 力 が 必 要 。
〇( 組 織 の 理 解 )市 町 村 の 組 織 的 な 対 応 体 制 の 理 解 が 平 時 か ら 必 要 。
〇( 受 援 要 請 )受 援 要 請 の 判 断 を 統 括 に 任 せ る だ け で な く 現 場 サ イ ド か ら も 判 断 で き る こ と が 重 要 。
〇( 全 体 と 目 前 の 両 者 へ の 対 応 視 点 )ア セ ス メ ン ト で 全 体 を 捉 え る 力 と 同 時 に 被 災 者 へ の 応 急 対 応 力 が 期 待 さ れ て い る 。次 の 段 階 を 想 像 し 必 要 な 情 報 を 把 握 し て 統 括 に 繋 げ ら れ る 力 が 必 要 。
〇( 災 害 支 援 ツ ー ル の 理 解 )EMIS な ど 災 害 支 援 ツ ー ル を 知 っ て お く 必 要 が あ る 。
〇( 外 部 支 援 者 と の 連 携・マ ネ ジ メ ン ト )外 部 支 援 チ ー ム の 役 割 と 連 携 の 有 益 性 を 知 っ て お く こ と が 必 要 。外 部 支 援 者 に 支 援 を 丸 投 げ す る の で は な く 、保 健 師 が 課 題 を マ ネ ジ メ ン ト し た 上 で 協 働 す る こ と が 大 事 で あ る 。マ ネ ジ メ ン ト が で き る と コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が で き る の で 外 部 支 援 者 が 来 て も 混 乱 が な い 。受 け 身 で は な く こ こ を 依 頼 す る 側 の 主 体 性 が 必 要
〇( 被 災 者 に 対 す る ア セ ス メ ン ト と 地 域 の マ
ネ ジ メ ン ト )居 住 先 が 定 ま っ て か ら の 住 民 の
健 康 管 理 の 支 援 力 が 重 要 。健 康 の 維 持 、二 次
被 害 や 災 害 関 連 死 の 防 止 の ア セ ス メ ン ト 力
と 共 に 、外 部 支 援 者 に 委 ね ら れ る 部 分 が 何 か
の マ ネ ジ メ ン ト 力 が 必 要 。そ の 判 断 を 統 括 保
健 師 に 挙 げ て い く こ と が 重 要 。復 旧 復 興 期 の
支 援 は ま ち づ く り に 変 化 し て い く の で 課 題
を 整 理 す る マ ネ ジ メ ン ト 力 が 必 要 。事 業 の 再
71
開 が 被 災 者 へ の ケ ア に な る と い う 理 解 が で き る と よ い 。
〇( 研 修 )災 害 時 に 必 要 な 知 識 と 先 を 見 通 し た マ ネ ジ メ ン ト 力 、市 町 村 と し て 目 指 す こ と を 多 様 な 立 場 の 人 か ら 把 握 す る た め の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 力 を 養 う こ と が 大 事 。
〇( 研 修 )日 常 で 身 に 付 け る こ と が で き な い 部 分 は 研 修 が 必 要 。知 識 面 、先 を 見 通 し た マ ネ ジ メ ン ト 力 、互 い を 知 り 学 び あ え る 場 、を 考 え る と 研 修 は 保 健 所 単 位 が 望 ま し い 。市 町 村 と 保 健 所 は チ ー ム を 組 ん で 動 く と い う 意 識 を 育 む 。
〇( 研 修 )実 務 者 は 保 健 所 、統 括 者 は 都 道 府 県 が 主 導 し な が ら 研 修 の 実 施 が で き る と よ い 。
ヒ ア リ ン グ か ら 、 災 害 に 対 す る 実 務 保 健 師 の 研 修 の あ り 方 に つ い て 以 下 を 確 認 し た 。
・ 知 識 面 、 訓 練 に よ る ス キ ル 修 得 、 考 え る 力 ( マ ネ ジ メ ン ト 力 ) の 育 成 の 部 分 が あ る 。
・ 個 人 の 力 量 、 連 携 、 外 部 支 援 者 と の 関 わ り な ど 複 数 の チ ャ ン ネ ル で 能 力 育 成 を 考 え る 必 要 が あ る 。
・研 修 が 実 務 者 個 人 の 能 力 開 発 、連 携 力 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 力 の 開 発 に 役 立 つ と よ い 。
・ 研 修 会 参 加 者 が 相 互 に 学 び 合 い 、 そ の 学 び 合 い が 災 害 時 の 実 践 に 連 動 す る 基 盤 と な る と よ い 。
・ 実 務 者 は 保 健 所 、 統 括 者 は 都 道 府 県 が 主 導 し な が ら 研 修 の 企 画 ・ 実 施 が で き る と よ い 。
・ 他 の 関 連 研 修 と の 関 連 ・ 位 置 づ け を 明 確 に す る 必 要 が あ る 。
ヒ ア リ ン グ を 踏 ま え 、 コ ン ピ テ ン シ ー 等 の 項 目 内 容 の 素 案 を 精 錬 さ せ て 質 問 紙
( 案 ) を 作 成 し た 。 研 究 班 で の 複 数 回 の 討 議 を 経 て 、 災 害 時 に お い て 実 務 保 健 師 に 求 め ら れ る 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 、時 期 Ⅰ:超 急 性 期 、時 期 Ⅱ:急 性 期 及 び 亜 急 性 期 、時 期 Ⅲ:慢 性 期 、時 期 Ⅳ:静 穏 期 毎 に 、 合 計
27項 目 ・
81の コ ン ピ テ
ン シ ー 、
94の 知 識・技 術・態 度 の 内 容 を 確 定 し 、 第 1 回 調 査 の 質 問 紙 の 調 査 項 目 内 容 と し た ( 表 1 )。
(2)
調 査 の 実 施 方 法
『 災 害 発 生 時 に 、 被 災 地 の 保 健 師 と し て 、 発 災 直 後 か ら 復 旧 復 興 、 平 時 に 至 る ま で 、 被 災 者 や 地 域 へ の 健 康 支 援 を 実 際 に 担 っ て き た 自 身 の 体 験 に 照 ら し た と き に 、 以 下 の 災 害 サ イ ク ル の 各 期 ( 超 急 性 期 、急 性 期・亜 急 性 期 、慢 性 期 、静 穏 期 ) に 示 す 、「 実 務 保 健 師 に 求 め ら れ る 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー の 項 目 」 及 び そ の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー を 発 揮 す る 上 で 「 必 要 な 知 識・技 術・態 度 の 内 容 」の そ れ ぞ れ の 重 要 性 に つ い て 、ど の 程 度 、合 意 で き る か 』 に つ い て 、項 目 内 容 毎 に 、4「 極 め て 重 要 で あ る 」、3「 非 常 に 重 要 で あ る 」、2「 あ る 程 度 重 要 で あ る 」、 1 「 あ ま り 重 要 で は な い 」 の
4段 階 で 回 答 を 求 め た 。 ま た 提 示 し た 以 外 の 項 目 や 内 容 で 必 要 と 思 う 事 柄 に つ い て 自 由 記 載 に よ る 意 見 を 求 め た 。
2 ) 第 2 回 調 査
(1)
質 問 紙 の 作 成 ( 表 2 )
第
1回 調 査 の 回 答 か ら 得 ら れ た 自 由 記 載 の 内 容 を 検 討 し 、表 2 に 示 す よ う に 、1 つ の コ ン ピ テ ン シ ー 、6 つ の 知 識・技 術・
態 度 の 項 目 内 容 に つ い て 追 加 あ る い は 表 現 修 正 を 行 っ た 。
(2)
調 査 の 実 施 方 法
第
1回 調 査 結 果 の 資 料 ( 各 項 目 内 容 の 集 計 及 び 自 由 記 載 の 概 要 ) を 質 問 紙 に 同 封 し 、 第
2回 調 査 は 第
1回 調 査 結 果 を 参 考 に 回 答 願 い た い こ と 、 ま た 本 調 査 の 目 的 が 、 実 務 保 健 師 に 求 め ら れ る 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー を 明 確 に す る こ と で あ り 、 回 答 の 際 は 、 統 括 保 健 師 や 管 理 者 等 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と の 識 別 に 焦 点 を あ て て 欲 し い こ と を 調 査 依 頼 書 に 記 載 し た 。
ま た 第
2回 調 査 に お い て 回 答 依 頼 す る 項 目 内 容 を 以 下 の よ う に 焦 点 化 し た 。
①「 極 め て 重 要 で あ る 」ま た は「 非 常 に 重
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要 で あ る 」と 回 答 者 の
80% 以 上 が 同 意し た 項 目 に つ い て は 合 意 が 得 ら れ た 項 目 内 容 と し 、 第
2回 調 査 で は 扱 わ な い こ と と し た ( 質 問 紙 で は 該 当 す る 項 目 内 容 を グ レ ー 文 字 で 表 示 し た )。
② 第
2回 調 査 で は 、 同 意 率 が
80%未 満 の項 目 に つ い て 、 再 度 、 意 見 を 尋 ね る 項 目 内 容 と し た 。
③ 追 加 ま た は 表 現 修 正 し た 項 目 内 容 を 明 示 し 意 見 を 尋 ね た 。
提 示 し た 「 実 務 保 健 師 に 求 め ら れ る 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー の 項 目 」 及 び そ の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー を 発 揮 す る 上 で 「 必 要 な 知 識・技 術・態 度 の 内 容 」の そ れ ぞ れ の 重 要 性 に つ い て 、 ど の 程 度 、 合 意 で き る か 、に つ い て 、4「 極 め て 重 要 で あ る 」、
3「 非 常 に 重 要 で あ る 」、2「 あ る 程 度 重 要 で あ る 」、1「 あ ま り 重 要 で は な い 」の
4段 階 で 回 答 を 求 め た 。 ま た 提 示 し た 以 外 の 項 目 や 内 容 で 必 要 と 思 う 事 柄 に つ い て 自 由 記 載 に よ る 意 見 を 求 め た 。
3 ) 第 3 回 調 査
(1)
質 問 紙 の 作 成 ( 表 2 )
第
2回 調 査 の 回 答 か ら 得 ら れ た 自 由 記 載 の 内 容 を 検 討 し 、表 2 に 示 す よ う に 、
1つ の コ ン ピ テ ン シ ー 、5 つ の 知 識・技 術・
態 度 の 項 目 内 容 に つ い て 追 加 あ る い は 表 現 修 正 を 行 っ た 。
(2)
調 査 の 実 施 方 法
第
2回 調 査 結 果 の 資 料 ( 各 項 目 内 容 の 集 計 及 び 自 由 記 載 の 概 要 ) を 質 問 紙 に 同 封 し 、 第
3回 調 査 は 第
2回 調 査 結 果 を 参 考 に 回 答 願 い た い こ と を 調 査 依 頼 書 に 記 載 し た 。
ま た 第
3回 調 査 に お い て 回 答 依 頼 す る 項 目 内 容 を 以 下 の よ う に 焦 点 化 し た 。
① 第
1回 及 び 第
2回 の 調 査 に お い て 、 実 務 保 健 師 に 求 め ら れ る 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー 、必 要 な 知 識・技 術・態 度 の 同 意 率 が そ れ ぞ れ
69.9%以 下 で あ っ た 項 目内 容 は 、 第
3回 調 査 で は 扱 わ な い こ と と し た ( 質 問 紙 で は 該 当 す る 項 目 内 容
を グ レ ー 文 字 で 表 示 し た )。
② 第
2回 調 査 に お い て 同 意 率 が
80%以 上の 項 目 は 、 第
3回 調 査 に お い て も 、 扱 わ な い こ と と し た ( 質 問 紙 で は 該 当 す る 項 目 内 容 を グ レ ー 文 字 で 表 示 し た )。
③ 追 加 ま た は 表 現 修 正 し た 項 目 内 容 を 明 示 し 意 見 を 尋 ね た 。
④ 第
2回 調 査 に お い て 同 意 率 が 中 程 度
(
70%〜79.9%)の 項 目 の う ち 、第 1回 と 第
2回 の 調 査 結 果 に お い て 同 意 の 程 度 に 変 化 の あ っ た 項 目(( 例 )中 程 度 か ら 高 い 同 意 に 回 答 が 変 化 )、 に つ い て 、 再 度 、 意 見 を 尋 ね る こ と と し た 。 な お 回 答 者 の 立 場 ( 市 町 村 実 務 保 健 師 、 市 町 村 統 括 保 健 師 、 保 健 所 保 健 師 、 都 道 府 県 本 庁 保 健 師 ) に よ っ て 、 第
1回 と 第
2回 の 調 査 結 果 に お い て 同 意 の 程 度 に 変 化 の あ っ た 項 目 に つ い て も 、再 度 、 意 見 を 尋 ね る こ と と し た 。
⑤ 第
3回 調 査 に お い て 追 加 ま た は 表 現 修 正 し た 項 目 内 容 は 明 示 し 意 見 を 尋 ね る と 共 に 、 第
2回 調 査 で 追 加 ま た は 表 現 修 正 し た 項 目 に つ い て も 再 度 意 見 を 尋 ね る こ と と し た 。
提 示 し た 「 実 務 保 健 師 に 求 め ら れ る 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー の 項 目 」 及 び そ の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー を 発 揮 す る 上 で 「 必 要 な 知 識・技 術・態 度 の 内 容 」の そ れ ぞ れ の 重 要 性 に つ い て 、 ど の 程 度 、 合 意 で き る か 、に つ い て 、4「 極 め て 重 要 で あ る 」、
3「 非 常 に 重 要 で あ る 」、2「 あ る 程 度 重 要 で あ る 」、1「 あ ま り 重 要 で は な い 」の
4段 階 で 回 答 を 求 め た 。 ま た 提 示 し た 以 外 の 項 目 や 内 容 で 必 要 と 思 う 事 柄 に つ い て 自 由 記 載 に よ る 意 見 を 求 め た 。
4 ) 調 査 期 間 : 平 成
30年
12月 中 旬 か ら 平 成
31年
3月 上 旬
3 . 分 析 方 法
デ ル フ ァ イ 法 に お い て 、 合 意 が 得 ら れ た と す る 同 意 率 の 算 出 方 法 及 び そ の 判 断 基 準 は 、先 行 研 究 に よ っ て 様 々 で あ る
4 )。
本 調 査 は 、 自 治 体 の 実 務 保 健 師 の 災 害
対 応 力 を 高 め る た め の 研 修 ガ イ ド ラ イ ン
73
作 成 に 向 け て の 検 討 資 料 を 得 る こ と が 目 的 で あ る 。 し た が っ て 、 提 示 し た 実 務 保 健 師 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー 、 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 の 内 容 に 対 す る 、 合 意 の 程 度 の 実 態 を 知 る こ と が 大 事 と な る 。
先 行 研 究 を 参 考 に
5 )、 同 意 率 の 程 度 を 定 め 、 そ の 実 態 を 把 握 す る こ と と す る 。 す な わ ち 、本 調 査 で は 、同 意 率 を「 極 め て 重 要 で あ る 」 「 非 常 に 重 要 で あ る 」と 回 答 し た 者 の 合 計
%で 示 し 、80%以 上 を 高 い同 意 (
90%以 上 は 特 に 高 い 同 意 )、
70〜
79.9% を 中 程 度 の 同 意 、51〜69.9% を 低 い 同 意 、
51% 未 満 を 同 意 無 、 と し た 。4 . 倫 理 的 配 慮
調 査 の 対 象 と す る 市 町 村 、 保 健 所 保 健 師 を 県 庁 保 健 師 よ り 推 挙 を 得 て 候 補 者 と し て 調 査 票 を 送 付 し た と こ ろ で あ る が 、 調 査 協 力 の 諾 否 に 関 わ る 最 終 判 断 は 回 答 者 個 人 の 自 由 意 思 に よ る こ と を 調 査 依 頼 書 に 明 記 し た 。質 問 紙 の 回 答 は 無 記 名 で 、 別 紙 の 同 意 書 と 同 一 の 返 信 用 封 筒 に て 回 答 者 個 人 の 投 函 に よ り 返 送 し て も ら い 、 受 理 後 は 別 々 に 管 理 し た 。付 与 し た
ID番 号 は 第
2回 及 び 第
3回 の 質 問 紙 の 送 付 時 の み に 用 い た 。
な お 、 第
1回 調 査 の 質 問 紙 の 作 成 過 程 で 行 っ た 、 災 害 対 応 経 験 の あ る 自 治 体 実 務 保 健 師 等 へ の ヒ ア リ ン グ 調 査 、 そ の 後 の デ ル フ ァ イ 調 査 に つ い て は 、 研 究 代 表 者 の 所 属 機 関 の 倫 理 審 査 委 員 会 に て 承 認 を 得 て 実 施 し た ( ヒ ア リ ン グ 調 査 の 承 認 番 号 :
30-38及 び デ ル フ ァ イ 調 査 の 承 認 番 号 :
30-69)。C . 研 究 結 果
1 . 回 答 者 の 概 要 ( 表 3 )
第
1回 調 査 で は 、 実 務 保 健 師
128人 、 統 括 保 健 師
28人 、 保 健 所 保 健 師
64人 、 県 庁 保 健 師
18人 の 合 計
238人 か ら 回 答 が 得 ら れ た 。
第
2回 調 査 で は 、実 務 保 健 師
89人 、統 括 保 健 師
22人 、 保 健 所 保 健 師
48人 、 県 庁 保 健 師
16人 の 合 計
175人 か ら 回 答 が
得 ら れ た 。
第
3回 調 査 で は 、実 務 保 健 師
64人 、統 括 保 健 師
10人 、 保 健 所 保 健 師
43人 、 県 庁 保 健 師
15人 の 合 計
132人 か ら 回 答 が 得 ら れ た 。
2 .コ ン ピ テ ン シ ー 項 目 及 び 知 識・技 術・
態 度 の 内 容 に 対 す る 合 意 状 況( 表 3 〜 5 ) 第
3回 調 査 の 質 問 紙 の 構 成 及 び 回 答 者
132名 の 各 項 目 内 容 に 対 す る 同 意 の 概 要 を 表
4に 、 項 目 内 容 毎 の 集 計 結 果 を 表 5 に 、 立 場 別 の 回 答 状 況 を 表 6 に 示 す 。 1 ) 全 体 の 傾 向 ( 表 4 )
集 計 結 果 を 概 観 す る と 、 実 務 保 健 師 に 求 め ら れ る 役 割・コ ン ピ テ ン シ ー の
81項 目 に つ い て 、極 め て 高 い 同 意(
90%以 上 )は
16(19.8%)、 高 い 同 意 (80〜89.9% )は
38(46・9% )、 中 程 度 の 同 意 (
70〜
79.9% )は 21(25.9% )、低 い 同 意(
51〜69.9%)は 6
(
7.4% )、同 意 無(51% 未 満 )は
0で あ っ た 。
ま た 実 務 保 健 師 に 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 の
100の 内 容 に つ い て 、 極 め て 高 い 同 意(
90%以 上 )は 16(16.0%)、高 い 同意(
80〜89.9% )は 55(
55.0% )、中 程 度の 同 意(
70〜79.9% )は 20(
20.0% )、低い 同 意 (
51〜 69.9%) は 8(8.0% )、 同意 無 (
51% 未 満 ) は 1(1.0% )0で あ っ た 。
実 務 保 健 師 に 求 め ら れ る 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー の 内 容 、 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 の 内 容 の い ず れ に お い て も 、 時 期 Ⅰ : 超 急 性 期 、 時 期 Ⅱ : 急 性 期 及 び 亜 急 性 期 、 時 期 Ⅲ : 慢 性 期 、 時 期 Ⅳ : 静 穏 期 の 順 で 、「 極 め て 高 い 同 意 (
90% 以 上 )」「 高 い 同 意 (
80〜89.9% )」 の 占 め る 割合 ( % ) が 高 い 傾 向 に あ っ た 。
2 ) 極 め て 高 い 同 意 を 示 し た 項 目 内 容
( 表 5 )
(1)
時 期 Ⅰ : 超 急 性 期
Ⅰ
-1被 災 者 へ の 応 急 対 応 の 役 割 ・ コ ン
ピ テ ン シ ー と し て 「 避 難 者 の 健 康 観 察 、
避 難 環 境 の 整 備 に よ り 、 二 次 的 な 健 康 被
74
害 の 発 生 を 予 防 す る ( 同 意 率
95.4% )」「 保 健 福 祉 事 業 実 施 中 の 場 合 は 、 事 業 参 加 者 の 安 全 を 確 保 し 住 民 の 不 安 が 最 小 限 と な る よ う 統 括 保 健 師 と 連 携 の 下 、 住 民 に 情 報 提 供 を 行 う ( 同 意 率
94.7% )」、「 被 災 者 ・ 避 難 者 の 中 か ら 重 症 傷 病 者 等 の 救 急 医 療 の 必 要 な 人 、 持 続 的 な 医 療 や ケ ア が 必 要 な 人 、 配 慮 の 必 要 な 人 を 特 定 し 、 緊 急 搬 送 、 福 祉 避 難 所 へ の 移 送 、 別 室 等 で の 対 応 を 行 う 。 ま た 緊 急 で は な い 要 医 療 者 の 手 当 て 、 要 配 慮 者 へ の 継 続 的 な 見 守 り を 行 う ( 同 意 率
90.2% )」、「 必要 な 応 援 内 容 と 人 員 を 判 断 し 、 統 括 保 健 師 へ 報 告 す る (
90.9% )」、 Ⅰ-2救 急 医 療 の 体 制 づ く り と し て の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 診 療 可 能 な 病 院 、 医 療 の 確 保 を 必 要 と す る 被 災 者 に 関 す る 情 報 収 集 を 行 う ( 同 意 率
93.9% )」、「 医 療 を 必 要と す る 被 災 者 へ の 医 療 提 供 体 制 づ く り に つ い て 統 括 保 健 師 を 補 佐 し 協 働 す る
(同意 率
90.2%)」、 Ⅰ
-3要 配 慮 者 の 安 否 確 認 と 避 難 へ の 支 援 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 平 時 か ら 把 握 し て い る 要 配 慮 者 の う ち 早 急 に 安 否 確 認 の 必 要 な 対 象 者 を 判 断 す る ( 同 意 率
92.4% )」、「 安 否 確認 の 体 制 づ く り を 行 う ( 同 意 率
91.7% )」、 Ⅰ-4
被 災 地 域 の ア セ ス メ ン ト と 受 援 ニ ー ズ の 明 確 化 ( 迅 速 評 価 ) の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 避 難 所 等 巡 回 、 関 係 者 及 び 災 害 対 策 本 部 等 か ら の 情 報 を 活 用 し て 、 被 災 者 の ヘ ル ス ニ ー ズ の 概 要 を 迅 速 に 把 握 し 、 優 先 度 を 高 く し て 対 応 す べ き 地 域 の 課 題 と 対 象 を 明 確 に す る ( 同 意 率
91.6% )」 に お い て 90% を 超え る 極 め て 高 い 同 意 率 を 示 し た 。
実 務 保 健 師 に 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 で は 、 Ⅰ
-1被 災 者 へ の 応 急 対 応 と し て
「 災 害 時 の 二 次 的 健 康 被 害 の 理 解 」「 避 難 環 境 の ア セ ス メ ン ト 」、「 保 健 福 祉 事 業 中 の 災 害 発 生 に 対 す る 住 民 の 安 全 確 保 と 対 応 方 法 の 理 解 」、「 避 難 先 で の 被 災 者 の 健 康 状 態 の 把 握 」、「 感 染 症 予 防 対 策 の 実 施 」、「 自 身 の 安 全 確 保 と 組 織 活 動 を 意 識 し た 行 動 の 実 施 」、「 保 健 福 祉 的 視 点 か ら
の ト リ ア ー ジ 」、「 指 示 命 令 系 統 の 理 解 」、 Ⅰ
-2救 急 医 療 の 体 制 づ く り と し て
「 医 療 依 存 度 の 高 い 被 災 者 に 関 す る 情 報 収 集 」、 Ⅰ
-4被 災 地 域 の ア セ ス メ ン ト と 受 援 ニ ー ズ の 明 確 化 ( 迅 速 評 価 ) と し て
「 優 先 度 の 高 い 課 題 と 対 象 の リ ス ト ア ッ プ 」 に お い て 同 意 率
90% 以 上 を 示 した 。
(2)
時 期 Ⅱ : 急 性 期 及 び 亜 急 性 期
Ⅱ
-1持 続 的 な 健 康 管 理 の 体 制 づ く り の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 二 次 的 健 康 障 害 を 未 然 に 予 防 す る た め の 対 策 を 講 じ る ( 同 意 率
93.1% )」、「 関 連 死 の リ スク 兆 候 を 早 期 に 把 握 し 必 要 な 個 別 対 応 と 予 防 対 策 を 講 じ る ( 同 意 率
93.1% )」、「 被 災 者 ・ 避 難 者 の 心 身 の 健 康 状 態 を ア セ ス メ ン ト し 、 セ ル フ ケ ア の た め に 必 要 な 情 報 や 仕 組 み を 判 断 す る ( 同 意 率
92.3% )」、 Ⅱ-5要 配 慮 者 へ の 継 続 的 な 支 援 体 制 づ く り の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 避 難 所 の 生 活 環 境 を 要 配 慮 者 の 視 点 か ら ア セ ス メ ン ト し 調 整 の 必 要 な 事 項 に つ い て 避 難 所 運 営 管 理 者 に 助 言 す る 。 ま た 必 要 に 応 じ て 地 域 住 民 の 理 解 促 進 を 助 け る ( 同 意 率
90.8% )」、 Ⅱ-7保 健 福 祉 の 通 常 業 務 の 持 続 ・ 再 開 及 び 新 規 事 業 の 創 出 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て
「 保 健 事 業 の 再 開 を 通 し て 、 被 災 者 の ヘ ル ス ニ ー ズ を 把 握 す る 方 策 を 持 つ と 共 に 、 要 配 慮 者 を 把 握 し 適 切 な 支 援 に つ な げ る ( 同 意 率
90.8% )」、 Ⅱ-8自 身 ・ 同 僚 の 健 康 管 理 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 自 身 ・ 同 僚 の ス ト レ ス ・ 健 康 状 態 の 把 握 と 休 息 の 必 要 性 に つ い て 判 断 す る
( 同 意 率
90.2%)」 に お い て 90% を 超 える 極 め て 高 い 同 意 が あ っ た 。
実 務 保 健 師 に 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度
で は 、 Ⅱ
-1持 続 的 な 健 康 管 理 の 体 制 づ く
り と し て 「 亜 急 性 期 の 被 災 者 の 心 理 的 反
応 と こ こ ろ の ケ ア に 関 す る 知 識 」、「 廃 用
性 症 候 群 の 理 解 と 防 止 策 の 実 施 」、 Ⅱ
- 2. 避 難 所 の 衛 生 管 理 及 び 安 心 ・ 安 全 な生 活 環 境 の 体 制 づ く り と し て 「 感 染 症 予
防 ・ 食 中 毒 予 防 に 関 す る 技 術 」、 Ⅱ
-6.75
自 宅 滞 在 者 等 へ の 支 援 と し て 「 地 域 の 多 様 な 場 に お い て 支 援 の 必 要 性 の あ る 個 人 ・ 家 族 の 把 握 と 対 応 」 に お い て 同 意 率
90% 以 上 を 示 し た 。(3)
時 期 Ⅲ : 慢 性 期
90% 以 上 の 極 め て 高 い 同 意 を 示 し た 、
役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー 、 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 は な か っ た 。
高 い 同 意 (
80〜89.9% ) の う ち 85%以 上 の 同 意 を 示 し た も の を 挙 げ る と 以 下 の と お り で あ る 。
Ⅲ
-2被 災 地 域 の ア セ ス メ ン ト と 重 点 的 に 対 応 す べ き ヘ ル ス ニ ー ズ の 把 握 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 き め 細 か く 対 応 す べ き ヘ ル ス ニ ー ズ を 検 討 し 、 活 動 の 在 り 方 を 判 断 す る ( 同 意 率
87.6% )」、「 定 期 的 な 健 康 生 活 調 査 等 に
基 づ き 、 被 災 者 の 健 康 課 題 の 明 確 化 を 図 り 、 対 策 に つ な げ る ( 同 意 率
87.6% )」、「 仮 設 住 宅 単 位 、 地 区 単 位
に 、 地 域 住 民 の ヘ ル ス ニ ー ズ を 持 続 的 に 把 握 す る 方 法 を 構 築 す る と 共 に 、 仮 設 住 宅 等 移 動 後 に 生 じ る ヘ ル ス ニ ー ズ の 変 化 を 明 ら か に す る ( 同 意 率
86.4% )」、「 未対 応 の ニ ー ズ 、 潜 在 化 し て い る ニ ー ズ を 明 ら か に す る ( 同 意 率
85.3% )」、 Ⅲ-3.被 災 地 域 住 民 へ の 長 期 的 な 健 康 管 理 の 体 制 づ く り の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て
「 配 慮 者 の 応 急 仮 設 住 宅 等 へ の 移 動 後 の 生 活 状 況 と ヘ ル ス ニ ー ズ を 把 握 す る ( 同 意 率
87.7% )」 が あ っ た 。実 務 保 健 師 に 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 で は 、 Ⅲ
-2. 被 災 地 域 の ア セ ス メ ン ト と重 点 的 に 対 応 す べ き ヘ ル ス ニ ー ズ の 把 握 と し て 「 復 旧 ・ 復 興 期 に 生 じ 易 い 被 災 者 の 健 康 問 題 及 び 生 活 上 の 問 題 の 理 解 」
「 ヘ ル ス ニ ー ズ の 変 化 、 未 対 応 の ニ ー ズ 及 び 潜 在 化 し て い る ニ ー ズ の 検 討 」、 Ⅲ
- 3. 被 災 地 域 住 民 へ の 長 期 的 な 健 康 管 理の 体 制 づ く り と し て 「 関 係 者 と の 連 携 に よ る 持 続 的 な 支 援 体 制 づ く り 」、「 住 民 の 長 期 的 な 健 康 管 理 に 活 用 で き る 情 報 源 及 び 地 域 資 源 の 理 解 」 が あ っ た 。
(4)
時 期 Ⅳ : 静 穏 期
Ⅳ
-2. 災 害 時 の 保 健 活 動 の 地 域 防 災 計画 、 マ ニ ュ ア ル 、 仕 組 み へ の 反 映 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 地 域 防 災 計 画 か ら 、 災 害 時 の 保 健 師 の 位 置 づ け を 確 認 す る ( 同 意 率 9 0 . 9 % )」 の 内 容 に お い て
90% を 超 え る 極 め て 高 い 同 意 があ っ た 。
実 務 保 健 師 に 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 で は 、 Ⅳ
-5. 自 身 及 び 家 族 の 災 害 へ の 備え と し て 「 家 族 間 の 安 否 の 確 認 ・ 連 絡 方 法 に 対 す る 理 解 ( 同 意 率
90.2% )」 に おい て 極 め て 高 い 同 意 が あ っ た 。
85% 以 上 の 同 意 を 示 し た も の を 挙 げ る
と 以 下 の と お り で あ る 。
Ⅳ
-1. 地 域 住 民 や 関 係 者 と の 協 働 に よる 防 災 ・ 減 災 の 取 り 組 み の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 平 常 時 の か か わ り を 通 じ て 、 災 害 時 の 健 康 支 援 へ の 協 力 者 と な り う る 地 域 住 民 や 地 元 の 関 係 者 と 保 健 師 の 信 頼 関 係 を 構 築 す る ( 同 意 率
87.7% )」、 Ⅳ-2
. 災 害 時 の 保 健 活 動 の 地 域 防 災 計 画 、 マ ニ ュ ア ル 、 仕 組 み へ の 反 映 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 地 域 防 災 計 画 と 災 害 時 保 健 活 動 マ ニ ュ ア ル 等 の 実 施 計 画 と の 関 連 及 び 整 合 性 を 図 る
( 同 意 率
88.5% )」、 Ⅳ-4. 災 害 支 援 活 動を 通 じ た 保 健 師 の 専 門 性 の 明 確 化 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 災 害 時 の 活 動 経 験 を 人 材 育 成 に 活 か す (
87.1% )」、「 災 害 時 の 活 動 経 過 を 検 証 す る た め に 記 録 や 資 料 を 整 理 す る ( 同 意 率
86.4% )」、「 災 害 時 の 対 応 経 験 を 振 り 返
り 意 味 づ け を 行 う こ と を 通 し て 学 び と 教 訓 を 得 る ( 同 意 率
85.6% )」、 Ⅳ-5. 自 身及 び 家 族 の 災 害 へ の 備 え の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 災 害 発 生 時 の 家 族 間 の 安 否 確 認 方 法 、 居 住 地 の 避 難 所 及 び 避 難 経 路 等 を 確 認 し て お く ( 同 意 率
87.9% )」、「 勤 務 中 に 災 害 が 発 生 し た 時
の 対 応 に つ い て あ ら か じ め 家 族 間 で 話 し 合 っ て お く ( 同 意 率
86.4% )」 が あ った 。
実 務 保 健 師 に 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度
で は 、 Ⅳ
-2. 災 害 時 の 保 健 活 動 の 地 域 防76
災 計 画 、 マ ニ ュ ア ル 、 仕 組 み へ の 反 映 と し て 「 所 属 自 治 体 に お け る 所 属 組 織 の 分 掌 と 指 示 命 令 系 統 の 理 解 」、 Ⅳ
-5. 自 身及 び 家 族 の 災 害 へ の 備 え と し て 「 災 害 発 生 時 に 自 身 や 家 族 に 起 こ り う る 状 況 の 理 解 」「 個 人 の 安 全 ・ 健 康 維 持 に 必 要 な 物 品 の 理 解 」 が あ っ た 。
3 ) 低 い 同 意 を 示 し た 項 目 内 容 ( 表 5 及 び 表 6 )
(1)
時 期 Ⅰ : 超 急 性 期
Ⅰ
-3要 配 慮 者 の 安 否 確 認 と 避 難 へ の 支 援 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 安 否 確 認 の も れ 、 不 明 者 の 確 認 に 対 す る 持 続 的 な 管 理 を 行 う 」 は 同 意 率
69.7% で あっ た 。 立 場 別 の 回 答 状 況 を み る と 、 市 町 村 統 括 保 健 師 の 同 意 率 は
80.0% で あ った の に 対 し て 市 町 村 保 健 師 、 保 健 所 保 健 師 、 県 庁 保 健 師 の 同 意 率 は そ れ ぞ れ 、
68.8% 、67.4% 、73,3% で あ っ た 。実 務 保 健 師 に 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 で は 、 Ⅰ
-1被 災 者 へ の 応 急 対 応 と し て
「 応 急 手 当 の 実 施 」 の 同 意 率 は
42.4%と 提 示 し た 内 容 の 中 で 最 も 低 く 、 そ の 回 答 傾 向 は 立 場 別 の 状 況 を 見 て も 共 通 し て い た 。
Ⅰ
-2. 救 急 医 療 の 体 制 づ く り と し て「 地 域 医 療 の 稼 働 や 緊 急 受 入 に 関 す る 情 報 収 集 」 は 同 意 率
65.2% で あ っ た 。 これ に つ い て 立 場 別 の 回 答 状 況 を み る と 、 市 町 村 保 健 師 及 び 市 町 村 統 括 保 健 師 の 同 意 率 は そ れ ぞ れ
71.9% 、70.0% で あ る 一方 で 、 保 健 所 保 健 師 及 び 県 庁 保 健 師 の 回 答 は そ れ ぞ れ
55.8% 、60.0% で あ っ た 。Ⅰ
-4被 災 地 域 の ア セ ス メ ン ト と 受 援 ニ ー ズ の 明 確 化 ( 迅 速 評 価 ) で は 「 数 量 デ ー タ に よ る 、 健 康 課 題 の 根 拠 の 提 示 」 は 同 意 率
63.1% で あ っ た 。 こ れ に つ い て立 場 別 の 回 答 状 況 を み る と 、 保 健 所 保 健 師 の 同 意 率 は
70.7% で あ る の に 対 して 、 市 町 村 保 健 師 、 市 町 村 統 括 保 健 師 、 県 庁 保 健 師 の 回 答 は 、 そ れ ぞ れ
62.5% 、60.0% 、46.7% で あ っ た 。 (2)
時 期 Ⅱ : 急 性 期 及 び 亜 急 性 期
Ⅱ
-3. 被 災 地 域 の ア セ ス メ ン ト と 重 点的 に 対 応 す べ き ヘ ル ス ニ ー ズ の 把 握 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 災 害 対 策 本 部 に 求 め る 対 応 の 根 拠 を 作 成 す る 」 は 同 意 率
59.5% で あ っ た 。 こ れ に つ い て 立場 別 の 回 答 状 況 を み る と 同 様 の 傾 向 が あ り 、 そ れ ぞ れ の 同 意 率 は 、 市 町 村 保 健 師
60.9% 、 市 町 村 統 括 保 健 師 60.0% 、 保 健所 保 健 師
54.8% 、 県 庁 保 健 師 66.7% であ っ た 。
Ⅱ
-7. 保 健 福 祉 の 通 常 業 務 の 持 続 ・ 再開 及 び 新 規 事 業 の 創 出 の 把 握 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 既 存 事 業 の 工 夫 に 加 え 、 新 規 事 業 の 創 出 の 必 要 性 に つ い て 検 討 し 提 言 す る 」 の 同 意 率 は
62.6% であ っ た 。 こ れ に つ い て 立 場 別 の 回 答 状 況 を み る と 、 市 町 村 統 括 保 健 師 の 同 意 率 が 他 と 比 べ て や や 高 く 、 各 同 意 率 は 、 市 町 村 保 健 師
64.1% 、 市 町 村 統 括 保 健 師 70.0% 、 保 健 所 保 健 師 57.1% 、 県 庁 保 健師
66.7% で あ っ た 。実 務 保 健 師 に 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 に お い て は 低 い 同 意 に 該 当 す る 内 容 は な か っ た 。
(3)
時 期 Ⅲ : 慢 性 期
Ⅲ
-4. 生 活 再 建 ・ コ ミ ュ ニ テ ィ へ の 支援 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 地 域 の 文 化 、 地 域 住 民 の 気 質 ・ 価 値 観 な ど の 尊 重 と 配 慮 に つ い て 支 援 者 間 で 共 有 を 図 る 」 の 同 意 率 は
64.6% で あ っ た 。 こ れに つ い て 立 場 別 の 回 答 状 況 を み る と 、 そ れ ぞ れ 立 場 で 同 意 率 が 異 な る 傾 向 が あ り 、 市 町 村 保 健 師
67.2% 、 市 町 村 統 括保 健 師
50.0% 、 保 健 所 保 健 師 61.0% 、県 庁 保 健 師
73.3% で あ っ た 。実 務 保 健 師 に 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度
で は 、 Ⅲ
-1. 外 部 支 援 撤 退 時 期 の 判 断 と撤 退 後 の 活 動 に 向 け た 体 制 づ く り に つ い
て 「 復 旧 ・ 復 興 期 に お け る 活 動 計 画 及 び
人 的 ・ 物 的 ・ 財 政 的 な 資 源 確 保 の 方 策 立
案 ( 同 意 率
69.5% )」、「 外 部 支 援 者 の 撤退 時 期 の 判 断 と 引 継 ぎ 計 画 の 立 案 ( 同 意
率
68.7% )」 で あ っ た 。 こ れ ら に つ い て立 場 別 の 状 況 を み る と 、 保 健 所 保 健 師 の
77
同 意 率 が 他 に 比 べ て 低 い 傾 向 が あ り 、 各 同 意 率 は 、 そ れ ぞ れ 、 市 町 村 保 健 師
71.9% 、73.4% 、 市 町 村 統 括 保 健 師 70.0% 、70.0% 、 保 健 所 保 健 師 64.3%、61.9% 、 県 庁 保 健 師 73.3% 、66.7% で あ
っ た 。
(4)
時 期 Ⅳ : 静 穏 期
Ⅳ
-1. 地 域 住 民 や 関 係 者 と の 協 働 に よる 防 災 ・ 減 災 の 取 り 組 み の 支 援 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 ア セ ス メ ン ト 結 果 に 基 づ き 、 住 民 や 関 係 者 と の 協 働 に よ る 防 災 ・ 減 災 に 対 す る 取 組 計 画 を 策 定 す る 」 の 同 意 率 は
63.8% で あ っ た 。 こ れに つ い て 立 場 別 の 回 答 状 況 を み る と 、 県 庁 保 健 師 の 同 意 率 が
80.0% で あ っ た のに 対 し て 、 市 町 村 保 健 師
60.9% 、 市 町村 統 括 保 健 師
60.0% 、 保 健 所 保 健 師 63.4% で あ っ た 。Ⅳ
-2. 災 害 時 の 保 健 活 動 の 地 域 防 災 計画 、 マ ニ ュ ア ル 、 仕 組 み へ の 反 映 の 支 援 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー と し て 「 応 援 ・ 受 援 に 関 す る 計 画 を 立 案 し 組 織 で 共 有 す る 」 の 同 意 率 は
68.5% で あ っ た 。 こ れに つ い て 立 場 別 の 回 答 状 況 を み る と 、 市 町 村 保 健 師
65.6% 、 市 町 村 統 括 保 健 師 70.0% 、 保 健 所 保 健 師 68.3% 、 県 庁 保 健師
80.0% で あ っ た 。実 務 保 健 師 に 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 で は 、 Ⅳ
-1. 地 域 住 民 や 関 係 者 と の 協 働に よ る 防 災 ・ 減 災 の 取 り 組 み と し て 「 災 害 時 の 共 助 に つ い て 住 民 及 び 関 係 者 と 共 に 考 え る 場 の 企 画 ・ 実 施 ・ 評 価 」 の 同 意 率 が
69.2% で あ り 、 こ れ に つ い て 立 場別 の 回 答 状 況 を み る と 、 市 町 村 保 健 師 の 同 意 率 が 他 に 比 べ て 低 い 傾 向 に あ り 、 各 同 意 率 は 、 市 町 村 保 健 師
64.1% 、 市 町村 統 括 保 健 師
70.0% 、 保 健 所 保 健 師 70.7% 、 県 庁 保 健 師 86.7% で あ っ た 。Ⅳ
-3. 要 配 慮 者 へ の 災 害 時 の 支 援 計 画立 案 と 関 係 者 と の 連 携 の 促 進 に つ い て
「 要 配 慮 者 の 個 別 の 災 害 時 支 援 計 画 の 立 案 ( 同 意 率
64.6% )」「 要 配 慮 者 の 個 別支 援 計 画 等 の 実 効 性 を 高 め る た め の 訓 練 等 の 方 策 の 企 画 ・ 実 施 ・ 評 価 ( 同 意 率
68.7% )」「 災 害 サ イ ク ル を 通 じ て 要 配 慮
者 に 必 要 と さ れ る 支 援 に つ い て の 関 係 者 間 の 共 通 認 識 の 促 し と 場 の 設 定 ( 同 意 率
68.8% )」 で あ り 、 立 場 別 の 回 答 状 況 をみ る と 、 そ れ ぞ れ の 同 意 率 は 、 市 町 村 保 健 師
57.1%、68.3% 、
65.1% 、 市 町 村 統括 保 健 師
70.0%、40.0% 、70.0% 、 保 健所 保 健 師
70.0% 、69.8% 、70.0% 、 県 庁保 健 師
78.6% 、86.7% 、80.0% で あ り 立場 に よ り 異 な る 傾 向 が あ っ た 。
D . 考 察
1 . デ ル フ ァ イ 調 査 か ら 捉 え ら れ た 災 害 時 の 実 務 保 健 師 に 求 め ら れ る 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー 、 必 要 と さ れ る 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度
災 害 時 に お け る 実 務 保 健 師 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー 、 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 と し て 、 発 災 直 後 の 超 急 性 期 、 そ の 後 の 急 性 期 及 び 亜 急 性 期 に 、 同 意 の 程 度 の 高 い 項 目 内 容 が 多 か っ た 。 こ れ ら の 時 期 に お い て 実 務 保 健 師 の 役 割 が 期 待 さ れ て い る こ と が 推 察 さ れ る 。 そ の 背 景 に は 、 こ れ ら の 時 期 に は 、 実 務 保 健 師 の 役 割 と し て 組 織 内 外 に 明 示 で き る 、 具 体 的 な 期 待 さ れ る 対 応 行 動 が あ り 、 そ の 実 施 に あ た り 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 が 求 め ら れ て い る と 考 え ら れ る 。
一 方 で 、 慢 性 期 、 静 穏 期 に お い て は 、 中 程 度 の 同 意 の 項 目 内 容 の 占 め る 割 合 が 超 急 性 期 、 急 性 期 ・ 亜 急 性 期 に 比 べ て 多 か っ た 。 慢 性 期 及 び 静 穏 期 は 、 地 域 の 復 旧 ・ 復 興 の 進 展 具 合 、 元 来 の 地 域 性 、 所 属 組 織 の 体 制 等 、 様 々 な 要 因 が 被 災 現 地 の 保 健 師 の 活 動 に 影 響 を 及 ぼ す 状 況 が あ っ た と 考 え ら れ る 。 ま た 慢 性 期 及 び 静 穏 期 は 、 活 動 の 進 行 管 理 や 支 援 の 調 整 等 の マ ネ ジ メ ン ト が 多 く な り 、 実 務 保 健 師 の 役 割 行 動 と し て 自 他 と も に 認 識 さ れ に く く 、 そ れ 故 に 、 本 調 査 に て 提 示 し た 項 目 内 容 へ の 回 答 が 中 程 度 の 合 意 に 留 ま っ た 可 能 性 が あ る と 推 察 す る 。
ま た 同 意 率 の 低 い 項 目 に つ い て は 、 実
務 者 で は な く 統 括 者 ・ 管 理 者 の 役 割 と し
78
て 判 断 さ れ た も の 、 時 期 と し て 優 先 順 位 が 低 い と 判 断 さ れ た も の 、 知 識 レ ベ ル で 分 か っ て い れ ば よ い と 判 断 さ れ た も の が あ る よ う に 思 わ れ る 。
ま た 同 意 の 程 度 が 低 い 項 目 に つ い て 、 立 場 の 違 い に よ る 回 答 を 確 認 し た 結 果 、 異 な る 傾 向 を 示 し て い た 項 目 が 複 数 あ っ た 。 立 場 に よ る 認 識 の 違 い が 何 に 由 来 す る の か 、 そ の 違 い を 相 互 に 確 認 し 合 う 機 会 が 必 要 で あ る 。
ま た 、 超 急 性 期 に お け る 「 応 急 手 当 の 実 施 」 の よ う に 低 い 同 意 率 と な っ た 内 容 の 中 に は 、 基 本 的 な 技 術 と し て 解 釈 さ れ 、 同 意 率 が 低 く な っ た 可 能 性 も あ る と 推 察 す る 。 災 害 時 に お け る 実 務 保 健 師 と し て の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー 、 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 の 検 討 に お い て は 、 保 健 師 と し て の 基 本 的 な 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー 、 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 と の 関 係 性 を 踏 ま え 吟 味 が 必 要 で あ る 。
2 . 時 期 毎 に 特 徴 的 な 項 目 内 容
同 意 の 程 度 の 回 答 結 果 か ら 、 時 期 毎 に 重 要 な 事 項 と し て 以 下 を 得 た 。
〇 超 急 性 期
被 災 者 へ の 応 急 対 応 ・ 要 配 慮 者 へ の 対 応 と い っ た 直 接 的 支 援 と 共 に 、 活 動 推 進 に 役 立 て る た め の ア セ ス メ ン ト 力 と 統 括 者 に 進 言 で き る 力 が 必 要 で あ る 。
〇 急 性 期 及 び 亜 急 性 期
二 次 的 な 健 康 被 害 の 防 止 、 災 害 関 連 死 の 発 生 を 予 防 す る た め の ア セ ス メ ン ト 力 と 共 に 活 動 推 進 の 体 制 づ く り に 向 け た 活 動 の 計 画 力 ・ マ ネ ジ メ ン ト 力 が 必 要 で あ る 。
〇 慢 性 期
ヘ ル ス ニ ー ズ の 変 化 、 未 対 応 ・ 潜 在 化 し て い る ニ ー ズ の ア セ ス メ ン ト と 対 応 力 、 資 源 を 活 用 し た 持 続 的 な 健 康 管 理 の 体 制 づ く り の 力 が 必 要 で あ る 。
〇 静 穏 期
住 民 や 関 係 者 と 平 時 か ら つ な が り 災 害 対 応 を 包 含 し た 地 域 の 健 康 づ く り の 力 や 活 動 を 組 織 の 上 位 計 画 と 関 連 づ け な が ら
取 組 む 力 が 必 要 で あ る 。
3 . 研 修 ガ イ ド ラ イ ン の 作 成 に 向 け た 示 唆
質 問 紙 の 作 成 過 程 で 行 っ た 文 献 検 討 、 保 健 師 へ の ヒ ア リ ン グ 、 デ ル フ ァ イ 調 査 の 結 果 か ら 、 今 後 、 実 務 保 健 師 の 災 害 時 の コ ン ピ テ ン シ ー 、 修 得 す べ き 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 を 考 え て い く 上 で 、 以 下 の 示 唆 を 得 た 。
〇 災 害 発 生 後 の い ず れ の 時 期 に お い て も 、 被 災 者 個 人 を 対 象 に 働 き か け る 側 面 と 集 団 ・ 地 域 を 対 象 に 働 き か け る 側 面 を 相 互 に 関 連 性 を 持 た せ な が ら 同 時 に 扱 う 力 が 必 要 で あ る 。 個 人 へ の 働 き か け 、 集 団 ・ 地 域 に 対 す る 働 き か け の い ず れ に お い て も 、 基 本 は 、 情 報 収 集 、 ア セ ス メ ン ト 、 ニ ー ズ 把 握 、 対 応 計 画 の 立 案 ・ 提 案 と 体 制 づ く り 、 実 行 と 調 整 、 評 価 の 枠 組 み で あ る 。
〇 実 務 保 健 師 と し て 必 要 と さ れ る 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 は 、 知 識 ( 理 解 ) レ ベ ル で 良 い も の 、 ス キ ル と し て 確 実 に 行 動 で き る レ ベ ル で 修 得 す べ き も の 、 思 考 や 判 断 ・ 創 造 力 が 求 め ら れ る も の 、 に 大 別 で き る 。
〇 個 人 で 学 習 で き る も の 、 対 面 形 式 の ワ ー ク に よ っ て 学 習 で き る も の が あ る 。
〇 集 中 型 で 短 期 に 修 得 可 能 な も の 、 経 年 的 な 蓄 積 型 で 修 得 し て い く も の が あ る 。
〇 平 時 の 活 動 か ら 修 得 可 能 な も の 、 平 時 の 経 験 か ら で は 修 得 困 難 な も の が あ る 。
E . 結 論
自 治 体 の 実 務 保 健 師 の 災 害 対 応 力 を 高
め る た め の 研 修 ガ イ ド ラ イ ン 作 成 に 向 け
て 、 検 討 資 料 を 得 る た め に 、 実 務 保 健 師
に 求 め ら れ る 災 害 時 の 役 割 と コ ン ピ テ ン
シ ー( 実 践 能 力 )、そ の 遂 行 の た め に 必 要
と さ れ る 知 識・技 術・態 度 に つ い て 、災 害
対 応 経 験 の あ る 実 務 保 健 師 及 び 統 括 保 健
師 等 リ ー ダ ー 保 健 師 を 対 象 に 、 デ ル フ ァ
79
イ 法 に よ る 意 見 調 査 を 行 っ た 。 文 献 検 討 及 び 災 害 対 応 経 験 の あ る 実 務 保 健 師 ・ 統 括 保 健 師 へ の ヒ ア リ ン グ 調 査 に 基 づ き 、 実 務 保 健 師 に 求 め ら れ る 災 害 時 の 役 割 と コ ン ピ テ ン シ ー 、知 識・技 術・態 度 の 内 容 を 確 定 し 、 質 問 紙 を 作 成 し た 。 調 査 対 象 は 、 過 去 1 年 以 上 前 に 発 生 し た 甚 大 な 自 然 災 害 時 に 被 災 地 と し て の 対 応 経 験 を も つ 自 治 体 保 健 師 と し た 。候 補 と し た
16県 の 市 町 村 の 実 務 保 健 師 及 び 統 括 保 健 師 、 保 健 所 保 健 師 、 県 庁 の 人 材 育 成 担 当 保 健 師 に 対 し て
3回 の 紙 面 調 査 を 実 施 し た 。 回 答 者 は 、 第 1 回 調 査
238人 、 第
2回 調 査
175人 、 第 3 回 調 査
132人 で あ っ た 。 第
3回 調 査 の 結 果 、 実 務 保 健 師 に 求 め ら れ る 役 割・コ ン ピ テ ン シ ー の
81項 目 に つ い て 、 極 め て 高 い 同 意 (
90%以 上 ) は 16(
19.8%)、高 い 同 意(80〜89.9% )は 38(
46・9% )、中 程 度 の 同 意(70〜79.9% )は
21(25.9% )、低 い 同 意(
51〜 69.9%)は
6(
7.4% )、同 意 無(51% 未 満 )は 0で あ っ た 。 ま た 実 務 保 健 師 に 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 の
100の 内 容 に つ い て 、 極 め て 高 い 同 意 (
90%以 上 ) は 16(16.0%)、高 い 同 意(
80〜89.9% )は 55(
55.0% )、中 程 度 の 同 意 (
70〜
79.9% ) は
20(
20.0% )、低 い 同 意(51〜 69.9%)は 8(
8.0% )、同 意 無(51% 未 満 )は 1(
1.0% ) 0で あ っ た 。
災 害 時 に お け る 実 務 保 健 師 の 役 割 ・ コ ン ピ テ ン シ ー 、知 識・技 術・態 度 と し て 、発 災 直 後 の 超 急 性 期 、 急 性 期 及 び 亜 急 性 期 に 、 同 意 の 程 度 の 高 い 項 目 内 容 が 多 か っ た 。 こ れ ら の 時 期 に は 、 実 務 保 健 師 の 役 割 と し て 組 織 内 外 に 明 示 で き る 、 具 体 的 な 対 応 行 動 が あ り 、 そ の 実 施 に あ た り 必 要 な 知 識 ・ 技 術 ・ 態 度 が 求 め ら れ て い る と 考 え ら れ る 。一 方 で 、慢 性 期 、静 穏 期 に お い て は 、 中 程 度 の 同 意 の 項 目 内 容 の 占 め る 割 合 が 超 急 性 期 、 急 性 期 ・ 亜 急 性 期 に 比 べ て 多 か っ た 。 こ れ ら の 時 期 は 、 活 動 の 進 行 管 理 や 支 援 の 調 整 等 の マ ネ ジ メ ン ト が 多 く な り 、 実 務 保 健 師 の 役 割 行 動 と し て 自 他 と も に 認 識 さ れ に く く 、 そ れ
故 に 、 本 調 査 に て 提 示 し た 項 目 内 容 へ の 回 答 が 中 程 度 の 合 意 に 留 ま っ た 可 能 性 が あ る と 推 察 さ れ た 。
F . 健 康 危 険 情 報 な し
G . 研 究 発 表
1.論 文 発 表 な し
2.
学 会 発 表
な し
H . 知 的 財 産 権 の 出 願 ・ 登 録 状 況 な し
< 引 用 文 献 >
1) Keeney S.,Hasson F.,McKenna H.:
The Delphi Technique in Nursing and Health Research.Wiley-Blackwell,p3- 4,2011.
2)
宮 﨑 美 砂 子 , 奥 田 博 子 , 春 山 早 苗 , 金 谷 泰 宏 , 吉 富 望 , 井 口 紗 織 : 災 害 対 策 に お け る 地 域 保 健 活 動 推 進 の た め の 管 理 実 践 マ ニ ュ ア ル 実 用 化 研 究 . 厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 健 康 安 全 ・ 危 機 管 理 対 策 総 合 研 究 事 業 平 成
28年 度 総 括 ・ 分 担 研 究 報 告 書 ( 研 究 代 表 者 宮 﨑 美 砂 子 ),
1-140,2017.3)Polit D.F.,Beck C.T.
( 近 藤 潤 子 監 訳 ):
看 護 研 究
-原 理 と 方 法( 第 2版 )
.医 学 書院 、
2010.4)藤 田 優 一 、植 木 慎 吾 、北 尾 美 香 、前 田 由
紀 、 藤 原 千 恵 子 : 看 護 師 を 対 象 と す る デ ル フ ァ イ 法 を 用 い た 国 内 文 献 の 研 究 手 順 の 実 態
.武 庫 川 女 子 大 学 看 護 学 ジ ャ ー ナ ル
,Vol.03,35-42,2018.5)加 藤 広 美 、 山 内 豊 明 : デ ル フ ァ イ 法 に
よ る 脳 卒 中 患 者 に 必 要 な フ ィ ジ カ ル ア セ ス メ ン ト の 検 討 ( 第
2報 )
-12脳 神 経 を 除 く 全 身 に 焦 点 を あ て て . 日 本 看 護 科 学 学 会 誌
.37,234-243,2017.DOI:10.5630/jans.37.237