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佐賀県及び熊本県天草地方に於ける秋季レプトス

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(1)

長崎医学会雑誌第31巻第11号76フープ79茸      767

佐賀県及び熊本県天草地方に於ける秋季レプトス ピラ病及び肺吸虫症其の他二、三の疾患に就いて

長崎大学風土病研究所臨林部(指導 兼任所員 横田教授〕

長崎大学医学部内科学第一教室〔主任      横田教授)

吉田静磨 田中徳郎 西田公一 田崎弘

土L.だしすま す二 なか巳くろう にL だきるかす ナニ さき ひろL

(本論文の要旨は第30回長崎医学会臆会笹於いて発表した)

緒        呂

我が国に於ける所謂風土病乃至地方病とし て報薯されているものは数多く,叉多地方に 亘って其の存在が知られている.例えば北海 道礼文島のEchin0coc⊂uS,青森,岩手両県下 にみられる首1ごり病,東北地方にみられる志 虫病及びくる病,福島県の野兎病,静岡県の 秋疫,岡山県の日本脳炎,山梨県,広島県及 び福岡県築後川流域にみられる日本任血吸虫 症などほその著名なるものである.而してか ゝる疾患は気象的,:鞄三哩的,人文的な而も未 だ未知の何等かの条件が備った地域に浸淫を

示すものであり,特に文化的に立ちおくれた 山村や漁村に不可解な流行がみられるとい ふ.九州地方にみられる風土病として従来知 られているものほ第1表に示す通り,ワイル 氏病,秋季レプトスピラ病(七日熱,了ッケ 熱,波佐見熱,伊万里熱),若菜病(肥まけ),

日本任血吸虫柄(肥かぶれ,土かぶれ),皮 膚顎口虫症,フィラリア症(くさ,くさふる い,せんき),胸せき,阿蘇火山病,鏡熱,日 向軌 流行性肝炎,発疹軌 マラリア等であ る・これ等の疾病ほ気候,教士,生活状件そ

某1表  九州地方に於ける風土病(秋本国男調査〕

福岡県 佐賀.県

長崎一県 熊本県

(   ンン       トントン

大分県 宮崎県

トーンンンンンンンントンン        ((  ント  ンン

鹿児島県

ワイル氏柄〔熱性竜疫)J秋季レプトスピラ病〔七日疫J七日熱,地丼,八日燕〕,フィラリ ア(くさふるい),若菜病〔肥まけ),日本住血吸轟病

地方病性皮膚限局性浮腫(皮膚顎口晶症,長江浮腫〕,ワイル氏病,秋季レプトスピラ柄

〔七日熱),日本住血現品病(肥かぶれ,土かぶれ〕,フィラリア

ワイル氏病,秋季レプトスピラ柄(なぬかやみ,七日勲,波佐見熱〕,若菜病(こやしまけ,

こえ轟症,糞轟がのどにつく)かぶれ〕,フィラリア(くさ,くさふるい,せんき),対席…

…胞せき

ワイル氏病,秋季レプトスピラ病〔七日勲〕,フィラリア(くさふるい,かさふるい〕阿蘇 山……火山病ク鏡町附近……鏡勲

秋季レブナスピラ病(アツケ病,7ツケ熱〕,フィラリア

日向勲,流行性肝炎,ワ(イル氏病タ フィラリア

発疹熱(二週間熱I不明熱),ワイル氏病,フィラリア(ふるい,せんきすくさふるい,く びふるい)飯島……ふんとく,ふうとく,ほた,やいめん†でんご,ふるい,ちよか,せん き 獅子島……せんき,せんしやく,一升ぎんたまJ小便づまり,でんご 種子島……ふる いJめしぐさ,ぐさ,かたぐさぉ くびぐさ,うつぼJうつつ

(2)

吉田・田中.西田・田崎

. 768

の他の社会状態によって影響せられることほ 前述した通りにて,第二次世界大戦中遊びに 終戦操に於ける食料事情の逼迫,化学肥料の 不足などによる家庭菜園の発達が農村といわ ず都会にまで蜘虫症,鈎虫症など腸管寄生虫 症の増加を来したことは未だ記憶に新Lい事 実である.今次大戦後に放ける我が国未曾有 の社会的混乱,衣食住の不足,外地引揚者に よる疾病の移入などにより終戦後に於いて以 上の疾病の発生状況に変動を来Lたであろう

ことほ容易に想像せられるところである.

私共は九州地方に於ける秋季レプトスピラ 調  査 秋季レプトスピラ病,ワイル氏柄,肺吸虫症(節 ヂスT、‑症〕∫ フィラ1)7症Jマラ!>T,発疹熱, 流行性肝炎(カタル性萄痘l及び日本脳炎に就いて 年度別に患者数を記入出来るように一覧表を作製しJ

病及び肺吸虫症患者の発生状況調香の一環と して轟に長崎県下に於ける本病の発生状況を 他のニ,三の疾患と共に調蚕報普Lたのであ るが,脚こ佐賀媒及び熊本県天草地方に於け る秋季レプトスピラ病,ワイル氏病,肺吸虫 症, 7イラ.)了症,でラl)了,発疹熱流行 性肝炎及び日本脳炎に就いて,終戦後昭和20 年より昭和28年に至る9年間の発生状況を詞 賓したので哉に報告する.佐賀県下にみられ る皮膚顎口虫症及び日本仕血吸虫症の発生状 況に就いて調薬し得なかったのほ残念である.

方  法

往復,、ガキを用いて佐賀県医師会名震度び熊本県医 師会名笛に基き,佐賀県下及び熊本県天草地方の病 院勤務医師及び開業医の方々に其の発生状況を問い 合せた.

調査成績放びに考案

「■・.■・

問い合せの発信数ほ佐賀県了39通J天草地方129通 にして回答を得たものは第2蓑及び鰐3衷にみる如 く,佐賀県204通27・6%,天草地方50通38・8プ左であ る.

佐賀県の市郡別に就いてみるにJ開い合せ数の最 も多い地区,即ち第一長泉の宋地医家の最も多いのは 杵島郡の115名,次いで佐賀市の111名でありJ最も 少いのは神崎郡の37名である.然るに回答の最も多 い地区は佐賀市の36名'次いで杵島郡の30名であ

第2表 佐賀県下に放ける医師回答数 部 間合数 回答数 回答率(潔) 杵 島 部

佐 賀 市 佐 賀 郡

東榎浦郡 酉 槙浦郡

藤 津 郡 /l、 城 郡 唐 津 市 三 蓉 基 郡 神 崎 郡

115 111 83 80 フ7 フ2 59 55 50 37

30 36 18 22 22 20 15 20 12 9

26.1 32.4 21.7 27.5 28.6 27.8 25.4 40.0 24.0 24.3

m フ39 204 27.6

第3表 天草地方に放ける医師回答数 市 郡 間合数回答数l回答率(形)

本 渡 市 牛 深 市 上 天 草 下 天 草

26 20 42 41

12 6 17 15

46.2 30・0 40.5 36.6

討     129    50

り,最も少い地区ほ神晦郡の9名である.回答率よ り成案すれば唐津市が40.05」にして最も多く,次い で佐賀市32.4^7西槙浦郡28・6プ左'藤津郡21.S^}

東榎蒲郡27.55^の順となり,最も少い地区は佐賀郡 の21.7^である・

天草地方に就いてみるに問い合せ数の最も多いの は上天草の42名・でありJ次いで下天草41名,本渡市 26名,牛深市20名となっている.回答数よりみるに 問い合せ数に平行して上天草が最も多く17名J下天 草15名,本渡市12名l牛深市6名であるが,回答率 よりみれば本頂市が46.2^にて最も多くJ次に上天 草の40.5^,下天草の36.6^でありJ牛深市が30・0

%にして最も少い・

このように矯べての医師より回答に壊したわけで はなく,翌.市郡によって其の回答率に相違があるの

(3)

佐賀県展び熊本県天草相方に放ける秋季レブナスピラ親裁び肺吸虫症其の他二・三の疾患に就いて 769

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等4表 佐賀県下に放けるワイノ1氏病

で朝告せられて来た患者の発生数ほ箕数よ り少く,又市郡別に発生状況を比較する場 令,医師よりの回答率を考膚に入れる必襲 があるわけである.各疾患別に分けて其の 発生状況を観察すれば次の如くである・

I.ウ イ ル氏病

1886年Weilが脚陸,蔑症,腎抵炎を主 徴候とする急性伝染病を他の疾患と区別 し)一種の独丑せる疾患なりと記載して以 来lかゝる疾患に氏の革を冠してワイル氏 病七弥したのは闇知のところである.当時 其の病原体は不明のまゝであったが,大正 3年稲田及び井戸により黄軽軌血性レプ トスピラが其の病原体であることが判明 し,疾患名も苛痘Uf血性レブトスピラ病と 称されたのであるが,此処では一般に戟L まれているワイル氏柄なる呼称をそのまゝ用いるこ とにする・ワイル氏病の発生が注意されたのは佐賀 県に於いて明治13年一15年頃からときれ'福岡県J 熊本県でほ明治22年…こ本病の報告がある.殊に大正 初期にほ福岡県展び佐賀県の炭坑にて高い発生率を 示しl極めて重要な地方病として注目されていた が,都連がワgチ、Jを応弔してから,急激にその発 生を滅ずるに至ったと謂われている・

佐賀県及び天草地方に放ける発生状況は第4表J 第5表にみる如く,佐賀県に於いてほ毎年12宰乃至 26名の本病患者の発生をみておりJ昭和24年に精々 多発し其の壊漸次減少の傾向が認められるがク ー般 に年度により愚者の発生数1C著明の差は認められな

橋懐洋書20 21 22  23  24  25 26  27  28 推定患者掩:敬 杵島郡

佐賀市 佐賀郡 贋榎浦郡 西槙涌郡 藤津郡 小城郡 蓉津市 三養基郡

神崎郡

1 2 3 1 4 0 0 2 5 0

1   2 5   1 1   0

oZきo:

≡j重

3 4 1 1 0 1 0 1 3

2 4 1 0 0 0 6 4 2

5 5 3 0 0 0 0 4 3 2

4 3 4 0 0 0 0 5 1 1

2 4 4 0 0 0 I 5 0 0

28(18.67) 27(40.30〕

222(18.9フ) oS卜言、……3.0 3.7

4.3 1.O o.7 7.5 0.。三言

107 ( 71.33) 83 (123.88) 90 (フフ.59) 15 〔 1ユ.28) 14 〔 13・08) 14 ( 15.22) 4( 4.35) 105 (201.92〕

92 (115・00〕

45 ( 81.82)

i

18 16 1フ  21 26  22 18  15 12

括弧内は人口10万に対する患者数を京す

165 (17.37) 569 ( 59.89)

(4)

770 吉田・田中・西田・田崎 弟5表  天草地方に放けるワイル民病

千手≡三二 21  22  23  24  25  26 27  28 推毘患者総数 ∫

本躍市 牛深市 上天草 下天草

2   5   0 0   0   0   0   0

0   0      2   0   0 0   0   0   0   0

3       2       0   0

14 (35.00) 0    0

7 ( 7.37) 0    0

21 ( 8.08)

30 〔64.95) 0 1了(17.89〕

0

4フ(1日.08〕

括弧内は人口10万に対する患者数を京す い.昭和20年より28年に至る9年間の患者組数は 165名にして,人口10万に対する発生率ほ17.3フ名で ある.其の中佐賀市27名J唐津市42名にして,郡市 に患者の発生が多く,叉佐賀市周辺の佐賀郡,神崎 郡J三養基郡及び稗々離れて杵島郡に多発の憤向が 認められる.天草地方に放けるワイル氏病は昭和25 年に他の年度に比して多く発生し了名にして,其の 後2年間一人の患者もみられず, 28年に至って4名 と散発している・而して本渡碕及び上天草にのみ本 病の発生があり,牛深市及び下天草にてほ1名の発 生もみられないことほ疫学上興味あるところであ ち.一般に天草地方に於いてほ佐賀県に比してワイ )i,氏病患者少く, 9年間の患者臨数は21名にして, 人口10万に対して8.08名の発生である.

2.秋季レプトスピラ病

本病ほ8月, 9月, 10月頃の所謂秋季の院に発生 する地方病にして,其の症状ほワイル氏病に酷似し

ているが,それより精々軽く,数回の悪寒を伴って 発耕し,烈しい頭痛,全身倦怠,食欲不揖J眼球結 膜充血,肝匝脹,蛋白尿J時に茸痘が認められJ 1 週間前後にて下熱するものにしてl故が国にては静 岡県の秋疫J天龍熱及び用水病l岡山県の作州燕, 福岡県の七日勲,・大分県のアツケ病,長崎県の波佐 見勲等がある・最近田中ほ佐賀県西槙浦郡槙浦地方

に本稿の多発するを知り,伊万里燕と称した・

佐賀県下に放ける発生状況は第6表にみる如くJ 戦後逐年増加の憤向が認められ, 24年90名にして最

も多くJ其の後次第に減少したのであるがJ 28年irこ 94名に増加している.これほ調査年度であるだ桝こ 報告せられた医師の記憶が確かであることも原因し

ているものと思われる・ 9年間に放ける患者組数ほ 621名にして,人口10万に対して65.37名である.之 ほ多く臨床的診断に依るものにしてタ 免疫血清学的 に決定されたものでなく,他の熱性疾患も混入して 第6表  佐賀県下に於ける秋季レブT、スピラ病

嗣冠層=巴眉 20 21 22ぎ23.24 25 26 27 28

推急患者総数 枠島郡

佐賀市 佐賀郡 東榎浦郡 酉槙浦郡 藤津郡 /J、城郡 唐津市

三養基郡

神崎郡

3 0 0 16 13 4 0 3 0 0

05 00 o!

15!1喜 1 14 211 oio 3≡4 00 00

8  15  11

1

12

…三三≡三三

0   0

!

5   5   5 3   3   3 1   0   1

8 4 6 1 22 22 3 4 1 0

2   4 フ   8 3   1 5   42 15  11 18  15 2   2 7   9 3   2 2   0

56 〔 37.33) 35 ( 52.22) 28 ( 24.14〕

128 ( 96.24) 137 (128,04) 164 (177.17) 9( 9.78) 45 〔 86.54) 15 〔 18.74〕

4( 7.27)

215 (143.33〕

108 U61・19)

129 (111・21〕

465 (349.62〕

4フ9 (44フ.66) 590 (641.30) 35 ( 38.04) 113 (217,31〕

63 〔 78.75〕

16 ( 29.09J

E

39 37 62 89 90 75 71 ∫ 64 94

括弧内ほ人口10万に対する患者数を示す

621 〔 65.37〕 2213 (232.95)

(5)

佐賀県及び熊本県天草地方に放ける秋季レプ.トスビラ.病原び肺吸虫症其の他二・三の察.患に就いて nl

第1轟 j天草地方に放ける秋季レブトスfc‑'ラ病

ニー子三 20  21  22  23  24 I 25  26  27 28 推琵患者組数

本渡市 牛深市 上天草 下天草

7 0 10 12

17 0 15 15

22 0 20 13

24 0 18 18

m

31 0 23 15

31 0 30 12

32 0 22 13

30 0 20 ll

3P 2 18

224 (560.00〕 485 (1212.50) 2( 5.74)  〔 20.00) 176 (185.26) 435 ( 457.89〕

9 118 (138.82) 322(378・82)

29  47  与5  60  69  73  67  61  59

括弧内は人口10方に対する患者数を示す

・L、るものと思われる.田中ほ佐賀県下忙て56例の患 者中43例が血清反応陽性であったと述べている.市 部別にみれば藤津郡モrこ最も多く164名にしてJ ^口 10万に対して177.17名であり,次に西槙滞郡の137 名,東榎浦郡の128名にしてJ他の地方に比して著

しく本病の発生をみている・

天草地方に於ける発生状況は第了表にみる如く年 度別の発生は佐賀県下t・C放けるものと殆んど同一傾 向を示し'昭和25年に最も多く73名にして' 9年間 の患者総数は520名,人口10万に対して200名であ る.牛深市を除いて多発L)其の中でも本渡市郎最 も多く224名'^口10万に対して560名の多き特達,し ている・佐賀県下に放ける本病の推定患者組数ほ 2213名,人口10万に対して232.95名であるがJ天草 地方に放けるものは1249名, 478・73名でありJ天草 地方にては佐賀県に比して人口の割に本病患者が可 成り多発しているようである.

第8表  佐賀県下に放ける肺吸虫症

520 (200.00) 1249 ( 478.73)

3.肺 吸 虫.症

.本症は我が国に於いては広く・授産し,福島県以南 の全県下の山間にみられ,以前ほ血疾を吐く不思誘 な風土病として,長く気味悪がられていたものであ りJ肺結核と混同されていた症例も多いものと思まっ れる.この病原虫は最初Ringer (1979〕 ‑が台湾に て見出したものであるが,その直後我が国でも清野 等〔1881〕が岡山県の患者の解剖例で発見してい る・其の後中川草庵ナ更に横川琵によって其の感染 源である第二中間宿主が淡水直のカニ類であること が明らかにされたのは周知のところである・文武藤 昌知の研究によりブ 第一中間宿主がカワニナといふ 淡水見であることが明らかにされ,肺吸虫の発育史 の概要が判明した.我が国に於ける肺吸虫ほウェス テルマ、/肺吸虫の外に大平肺吸虫, /l、塾大平肺吸虫 の三種があるが,医学上最も問題になるのほウェス テルマ、/肺吸虫である・其の感染源はモクズガニと

三=̲f・ ラ 20  21 22  23  24  25 26  27  28 、推毘患者級数

喜rl三言旨卜旨賢一旨..旨l吾

1 〔0.67) 0 0 12 ( 9.22〕

1 〔 0.93) 0 1 〔 1.09) 9 (17.31) 1 (1.25〕

0

25 ( 2.63)

4 ( 2.67〕

0 0 56 (42.11〕

3(2.」 〕 0 4 〔 4.35) 28 〔53.85) 4 ( 5・00) 0

99 (10.42)

杵島郡.

佐賀市 佐賀郡 東榎浦郡 西槙嘩郡 藤津郡 /J、城郡 蓉津市 三襲基郡

神崎郡1

I

括弧内は人口10万に対する患者数を示す

(6)

ブコ2      吉田.田中.西田・田崎 サワガニであってJ其の中東も重要なものほモクズ.

ガニでありJ之には濃厚に且つ広範囲に亘ってメタ セルカリアが胃壁Lている.このように肺攻虫の感 染は普通モクスガニとの関係が深く,これの生食に よる場合'生食しなくとも調理中にカニから離れた 幼虫が手指や食器などを介してのみこまれるためと 思われる.又昔から生水の飲用による感染もとなえ

られている.長崎県附近にてはカニをすり潰して味 噌汁の申に入れ'半煮えを賞味するところがあり, 之も感染の機会となることが多いと思われる.

終戦鎮佐賀鼎に於ける本症の発生状況は第8蓑に みる如く'昭和20年1各其の後2年間1名の発生 も無く'23年より毎年1名乃至了名の発生をみてい ち. 9年間の患者組数は25名,人口10万に対して 2・63名の発生である.唐津市9名,東榎浦郡12名に て'殆んど玄海灘に面する地区にのみ発生してお り・之に連る長崎県の北槙浦郡にも本症患者の多発

弟9表 天草地方忙放ける肺吸虫症

している事実と照合して疫学上興味ある事実であ

る・

天草地方にてほ第9表にみる如く,昭和20年には 1名の発生もみられないが,其の後毎年発生しJ 9 年間の患者数は35名,人口10万に対して13.46名で ありJ牛深市を除く全域に其の発生がみられてい る.推定患者総数は佐賀県99名,天草地方87名に て'人R IO万に対する患者数をま佐賀県10.42名,天 草地方33・46名にして,天草地方にて本症は相当に 浸摩しているものと,思、われる.

4.フィラリア症

象皮柄,乳廉(血〕尿J精釆湘巴管炎l陰垂水 陸,湘巴陰垂l糸状虫性熱発作,湘巴膿及び湘巴管 の陪席を症候群とするフィラ1)ア症は全世界の熱帯 及び亜熱帯忙広く分布し,北緯35度から南緯30度の 問で地球を回る所謂firalial bellでみられるもので ある・我が国も概ねこのfiralialbeltにかiり,大

志でr 20 21  22  23  24  25 26  27  28 拒毘患者紐数 本渡市42

芸≡蓋oo o1

。。…7zo言≡≡zo…

討o1425648

1 0 2 2

13 (32.50) 0

6 (6.32) 16 (18.82)

28 〔70・00〕

0 15 〔15・フ9) 44 (51.76)

括弧内は人口10万に対する患者数を示す

第10表 佐賀県下に於けるフィラリア症

5  35 〔13.46) 87 (33.46)

手套

\\

202122232425262728

I m

了C 4.69〕

14 ( 20.90〕

0

17 ( 12.フ8) 15 ( 14.02〕

14 ( 15.22) 2( 2.17) 59 (113.46) 1( 1・25) 1〔 1.82〕

130 ( 13・68〕

推定患者紙数

27 ( 18.00) 43 ( 64・18〕

0

62 ( 46.62〕

52 ( 48.60) 50 〔 54.35) 8( 8・70) 148 (284.62〕

4( 5.00〕

4( 7.27)

398 ( 41.89)

o 2 o3 1 2

6i言 00 00

3 1 0 2 0 2 0 8 0 0 0   3 0   0 0   0 0   0 2   2 2   0 0  1 8   6 0   o 0 o

杵島 佐賀 佐賀 東榎靖 国槙浦 藤津 小城 唐津

三養基

神崎

0 0 0 2 0 1 0 6 0 0

0 0 0 0 1 0 0 6 0 0

0 4 0 1 2 5 1 3 1 1

0 5 0 7 2 2 0 7 0 0

12 12 16        18 14 19  23

括弧内は人口10万に対する患者数を示す

i

(7)

佐賀県及び熊本県天草地方に於ける秋季レブT、スピラ病魔び肺吸虫症其の他二.三の疾患に就いて 773 正10年以来各地に於いて調査報告が行われ,その成

蹟によれぱ北は青森県から南ほ鹿児島県,沖縄に至 るまで広い範囲に浸理がみられる.全国的に其の分 布をみると21 3の例外はあるがク ー般に気温)堤 度が高く,寒暖の差の少い所謂海洋性'沿海性の気 候の地方にその率が高く,文部市よりも文化生酒に 恵まれない農村僻地に多いと謂われている・殊に九 州地方は最も濃厚に流行している地方とされlその

中交通不便な離島や辺都な農漁村に多く,鹿児島児 及びその附近と鹿児島県下に属する多くの離島' 五島,天草,島原など流行地として特に著明であ

る・

佐賀県下に於ける終戦後の発生状況は第10宗に示 す通り,毎年了名乃至23名の患者がみられ,年度別 の発生に有意の差は余り認められない. 9年間の患 者総数は130名,人口10万に対して13.68名である.

概ね寓槙浦郡l西槙浦郡及び藤津郡F̲比較的仁多く 発生し,他君即こは余りみられない・佐賀市及び唐津 市に於ける患者数も多いが)之は本症が慢性i‑r経過 する疾患だけに,他の地方にて感染したものが両市 に診察に来ることも考慮に入れなければならぬ.

天草地方は在来から濃厚な浸理鞄として冒されて 来た所で,明治45年吉永の研究以来培んど全域に亘 る調査報告があり,非常に高い定理のあることが知 られている・終戦後に於ける発生状況は第11表にみ る如く,終戦直壊に比較的少いがJ 22年以降多発 し) 9年間の患者総数は609名J人口10万…こ対して 234.23名である・天草全域に亘って其の多発がみら れるがl上天草は他地区に比して綿々少いようであ る・佐賀県のものに比して比較にならぬほど多数の 患者発生がみられるのほ,従来天草が本症の流行地 とLて知られているだけに諾けられる.

5・マ ラ リ ア

我が国ぼ気候的に‑ラリアが土着し得る条件を備

え,古来殖なる字源が問いられ,明治年間各地に於 いて本病は通常の疾患視せられている・特に琵琶 潤,印蕗沿附近に多く,三日熱だけが発生しJ四日 熱度び熱帯熱はみられなかった・戦争にマラ1) 7ほ つきもので第一次大戦の初期には欧州本土の軍隊間 に甚だしいマラリ7の流行はなかったが,末期近く になるにつれて漸次蔓延し,戦後は復員と共irこ従来 でラl)アのみられなかった地方虹までもこれをみる ようになりl遂には一時的でほあるが大流行となっ てl交戦各国ともその処置に悩まされた.今次の大 戦に於いて我が軍旺濃厚なマラリア薩摩地帯である

南方や,遠か北方の華北,寒中,華南の地でマラリ アに悩まされたのであるが,戦後これらの地域から マラリアに曜思した多数の復員及び引揚者があつ て,乏らが感染源となり全国各地に大/l、のマラl)ア 流行を来して問題となった.叉三日熱のみでなく四 日熱,熱帯マラ、)7の流行も報告せられている・沢 田等の調査によれば昭和20年の秋から翌21年の春に かけて引揚げて来た乗数584万の外地帰還者の中で 約95フラが外地でのマラリアの既往着でありJその半 数に近い約43万が内地での再発者I叉それからの内 地新感染者はこの2年間に凡そ1・3万と推定される

と述べている・

元来佐賀県南部地方にはマラリ7が土着している のが知られている・私共の調査でほ外地引揚宕の再 発か叉それよりの内地新感染者か'或は文士着のマ ラ.}アi・Cよる感染か不明であるが,佐賀県に放ける 終戦後の患者数ほ第12表にみる如く'昭和20年168 名にて21年295名に増加し最も多く, 22年に精々減 少しているが226名であり, 23年にも未だ134名の発 生をみている.その後逐年減少の憤向がみられる が, 28年に於いても備24名の発生が認められる.更 にその後の推移を観察することは興味あることであ り,今後の研究に侯たねばならない. 9年間の患者 第11表 天草地方に於けるフィラ1)ア症

推毘患者組数

238 〔595.00〕

253 C722.86〕

348 (366.32) フヮo (905.88)

110 (2フ5.00〕

76 (217.14〕

141 (148.42) 282 (331・76〕

主‑‑ f=、子 22  23  24  25  26

木津市l 5 年探市! 0 上天草  2 下天草  5

7 0 6 6

8 5 8 22

ll 16 ll 38

16 9 15 31

i

15 15 23 36

15 14 23 47

14 10 22 60

19 7 31 37

609 (234.23) 1609 (618.85}

討   12  19  43  76  71 89 括弧内ほ人mo万に対する患者数を京す

99 106  94

(8)

774       吉田・田中・西m.一田崎 弟l2轟  佐賀県下に於けるマラ1)ア

招Tn萬20 21 22  23  24  25 26  27  28 推定患者総数●

杵島郡 佐賀市 佐賀郡 東榎浦郡 西槙満都 藤津郡 小城郡 庸津市 三養基郡 神崎郡

1032 36 19 45 1020 931 38 1320 2842 1312

20 48 14 33 10 21 30 23 19 8

6 34 6 22 0 20 12 21 9 4

00 3530 3‑01 3l l3 14≡1 19至6 183 81 30

0 18

0 0 1 1 2 7 0 0

0   2 14  11 0   2 3   1 0   1 0   1 3   2 5   2 3   2 0   0

70 〔 46.67) 231 〔344.78) 71 〔 61・21) 153 〔115.04) 46 〔 42.99) 88 ι 95.65〕

110 (119.57〕

102 〔196.15) 112 (140.00) 40 ( 72.73)

268 ( 178・67) 713 (1064.18) 327 ( 281・90) 556 〔 418.05〕

161 ( 150.47) 317 〔 354.57〕

433 ( 470.65) 255 ( 490.38〕

46フ( 583.75) 165 ( 300.00) m 168  295  226 1 34  74  45  29   日  24

括弧内は人口10万に対する患者数を京す

第13東 天草地万年放ける‑ラ、}ア

1023 (107.68)

千言一:二≡

20   21 ″ 22   23   24   25 26  27  28 推昆患者臨数

本渡市  5

1

年深市l 2 上天草 19 下天草 13

14  12  10 1‑

26  15  12 28  38

4 0 6 3

3 0 3 3

9

3   3 0   0 4   3 0   3

62 (155・00〕

4 ( ll.43〕

94 〔 98・95) 9フ(114.12〕

134 (335.00〕

13 ( 37・14) 232 (244.21〕

265 〔311.76)

39  69  66  31 14  13

括弧内は人口10万に対する患者数を読す 総数ぱ1023名で串.り'人口10万年対して107.68名・の 発生である・其野中でも佐賀市J東榎浦郡' /l、城 郡'唐津市'三養基郡年於いて多く奉ら・れるようで ある.

天草地卦与於いても第13表旺み亭東口く'昭和20年 39名であるが'昭和21年69名にて最も多く.'・昭和孝2 年にも66名にて未だ多いが,其の後漸減している.

最近ほ毎年了名乃至9名の発生がみられる. 9年間 の患者総数は257名, ^口10万に対して98.85名にし て'佐賀県下に於ける発生より精々少い・牛萬市に 余りみられないのみにて,本渡市及び上'下天草に て殆んど周一程度の患者数である.

6・発  疹  熱

発疹熱ま鼠の蛋の媒介によって嘩染す串ものであ り'従って其の流行ほ環頃衛生の如何に左右され争 ものと思われる・本病ほBrill氏病J満州チフス, 台湾二週間燕J発疹性熱性柄J地方性散発性発疹

7 9 】257(98.叫644〔247.69〕

熱J廿日熱などとも呼喋れてお・り,'我が国各地方に 広く分布していて'その報告は枚挙にい阜ま‑ないほ どでみ亭が'北陸'萬北及び北海道申請地方にはな いとされてい早∫暢チフスの発生が殆んどみられな いこの頃で旺熱性疾患として実地医家を悩す疾畢の

‑?である.

佐賀県下に於ける発生状況ほ第14表に示す通り, 終戦後毎年.15名乃至53名の唇者がみられ'年度によ ってその発生に有意の差ほ認められない.而して私 共の調べた長崎県下のものに比較して其の発生ほ稗 々少いようである.. 9年間の患者組数ほ350名にて, 人口10万に対して36・84名である.地区別には藤津 郡に最も多くJ小城'唐津,三蚕基,神崎の各市郡 に精々多い憤向が認められる.

天草地方に於いても第15表にみる如く,毎年の発 生状況に有意の差はなく, 9名乃至34名の発生がみ られ, 9年間の組数は201名にして,人口10万に対

(9)

佐賀県及び貫目本県天草地方に放ける秋季レブトスピラ病及び肺吸虫症其の他二・三の疾患に就いて 775

第14轟  佐賀県下旺放ける発疹熱

¥、‑ ‑≡≡ 20  21  22  23  24  25  26  27  28 推毘患者総数 枠島部

佐賀市 佐賀郡 東榎浦郡 西砲浦郡 藤津郡 小城郡 唐津市

≡養基郡 神崎郡

0 0 0 0 0 10 0 5 0 0

0 0 0 0 2 10 12 21 0 1

2 10 5 0 1 13 10 3 8 1

18 7 0 0 1 4 5 3 6 6

9   9 0   0 2   5 1   0 1  1 5   9 5   1 3   0 6   5 8   6

4 0 4 2 3 10

0 1 3 2

2 0 14 6 1 15 4 0 4 2

44 (29・33) 17 (25・37) 34 (29.31〕

・… l喜喜蓋≡ミ

28 (50.91)

169 (112・67〕

52 〔 77.61) 157 (135.34〕

55 ( 41.35〕

42 ( 39.25) 317 (344・57〕

154 (167.39〕

90 〔173.08〕

154 (192.50) 115 (209.09)

15王46 53 50 40 36 29 48 33 350(

括弧内は人口10万に対する慮者数を京す

第15表  天草地方に放ける発疹熱

36.84) 1305 〔137.37)

こミ≒‑享≡

20  21  22  23  24  25 26  27  28

本渡市 1 牛深市  0

吉≡芸i o8

0 0 16 0

3   6 0   0 21  18 0   0

7 0 17

0 6 0 10 0

8 2 24 0

ll 0 13

0

m 推急患老組数

9 0 21 0

51 〔127・50〕

2( 5・71〕

14日(155.フ9〕

0

110.(275.00〕

7 〔 20.00) 365 (384.21〕

0

9 16  24  24  24 16  34  24  30 201 ( 77.31〕

括弧内ほ人口10方位対する患者数を戻す して77.31名でありJ佐賀児に比してその発生が多 いようである.其の中殆んどが本渡市及び上天草 に於いて発生しJ下天草T 1名の発生もみなれな い.

7.流行性肝炎

流行性肝炎は初めViTchow (1864)が胃及び胆道 に放ける粘隈の炎症性粒子が'Vater氏乳頭を閉塞し て胆汁密積を来し,二次的KL茸痘を起すものとして カタル性苛痘と命名した.その後Eppinger (1922) 旺これほ胆汁密積によるものでなく,葬液性肝炎な る概念を導入して肝宋質の障碍によるものであるこ とを明にし,単純性竜痘又は所謂カタル性竜痘と呼 んだ.第二次大戦時に放ける流行の経験旺その病原 がど‑ルスであることを確認して,之を伝染性肝炎 或旺流行性肝炎の名が用いられた.本病は世界の至 る所にみられJその流行に年次的動揺のあることは 周知のことであるが,概して戦乱や困窮生活時に流

482 〔135.38〕

行し易くJ一区域についてみると本病の流行は数ヶ 月乃至数年を一流行期として消長しJやがて乏を他 の地域で繰返す憤向がみられJ叉流行的に多発する ものの外に,年中散発的に発生するものもあると謂 われている・九州地方に於いては福岡J大分J宮崎J 長崎J鹿児島等の各県紅/J‑、地域的な流行報告例があ

ち.長崎県にてほ日鉄矢岳鉱に於いて昭和26年8月 頃より大流行を来しク全人口に対する羅患率は11.1

%であり,叉≡菱崎戸鉱業所の密集した従業員社宅 住宅地区に於いて,昭和25年4月より翌年2月に至 る聞に286名にのばる患者の発生をみている・終戦 後佐賀県及び天草地方に放ける流行性肝炎の発生状 況は第16象及び第17表にみる如く,..逐年増加の憧向 が認められる.而して佐賀県下全域に亘って其の発 生がみられるがJ特に唐津J東榎滞,佐賀, ≡養基 の市部に多くJ杵島郡及び東榎浦郡(JC於いては昭和 27‑2日年に多発している・天草地方にては如何なる

(10)

7.7 6 一書田・田中・西EB・田崎 帯16表 佐賀県下に於ける流行性肝炎

志で 21  22  23  24  25  26

1

fii 推毘患者総数 枠島郡

佐賀市 佐賀郡 東榎浦郡 西槙満都 藤津郡 小城郡 唐津市

三菱基郡 神崎郡

4 1 4 21 8 5 5 24

4 2

3 6 13 27 9 13 33 16 5 6

11 15  18  28

…≡ 42:喜i……Ii≡…

:‑n 71 72 142 32 32 25 42 62 22

日日 70 94 250 54 61 38 49 73 33

134 67 64 251 52 7 5 4 7 2 4

3 7 1 8

:二

342 (228.00〕

370 〔552.24〕

369 (318.10) 864 (649.62〕

244 (228.04〕

279 (303.26) 277 〔301.09〕

265 〔509.62〕

437 〔546.25) 129 (234・55〕

1310 〔 873.33) 1142 〔1704.48〕

1700 (1465.52) 3142 (2362.41) 783 (フ31.フ8) 1036 〔1126.09) 1091 (1185.87) 663 (1275.00〕

1821 〔2276.25) 531 ( 965.45〕

m ブ  131 211 269  318  フ  541 810  841

括弧内は人口10万に対する患者数を戻す 第17表  天草地方に於ける流行性肝炎

井76 (376.42)卜3219(1391.47〕

丁、二≡ 20  21  22  23  24  25  26 27   28 m

53  フ2 10フ  22

三言三喜盲1≡0: ;≡

107 167  345  48

推定患者絶数

≡525 6…13三諾1136 2。…2840.00) 57.14)

3403(424.21)995〔1047・37) 7446(524.フ1)1219〔1434.12〕

11380(530.77)3347(1287.31) 本渡市

牛深市 上天草 下天草

17 0 5 2

18 0 23 7

109 3冒o 32 3035

ll 0 34 16

24  48  71  76  61

括弧内は人口10万に対する居着数を示す

l

第18表  佐賀県下に放ける日本脳炎

≡三

20  21  22  23  24  25 26  27  28

杵島郡 佐賀市 佐賀郡 東榎浦郡 西槙浦郡 藤津郡 jJ、域郡 蓉津市 三蓉基部 神崎郡

≡L冒I‑51 33 o。

‑Q

000 000

0 7 1 2 0 0 2 8 0 0

I

1   0 7   8 1   3 2   0 0   2 0   2 0   1 2 I 5 2  ‑ 0 0   0

2 8 4 3 0 5 2 0 17 1

m

5   0 28   21 2   2 0   3 4   3 2   0 1  1 1    5 41   4

2

13      12  20  15  21  42  86

括弧内は人口10万に対する患者数を京す

8〔 5.33〕

96 (143.28〕

18 ( 15.52) 15 ( ll.2日) 15 ( 14・02〕

9( 9.22〕

フ〔 7・61〕

21 ( 40.38) 64 ( 80.00) 5( 9.09〕

31 ( 20.67〕

296.(441. 79〕

・83 ( 71.55) 55 ( 41・35) 52

32

( 48・60〕

〔 34・78)

28 ( 30.43) 53 (101.92〕

267 〔333.75〕

21 〔 38.18〕

258 (.27.16) 91日C 96.63)

(11)

佐賀県&、び熊本県天草地方に放ける秋季レブ・ト不ピテ病原び肺吸虫症其の他二.三の疾患に就いて 777

第19未  天草地方に放ける日本脳炎

關j詔塵=配転

20  21 22  23  24  25  26  27  28

禾渡市

0 0 0 0

0

!

推定患者総数

二‡‡二三三三

4

1 0 1 2

6 (15.00)

1 (2・86) 6 〔6.32〕

4 (4.71〕

113 '(32.50) 3 〔 8.57〕

15 〔15.79) ll (12.94〕

4

17 (‑6.54) 42( 16.15)

括弧内ほ人plO万に対する患者数を戻す 原因によるか不明であるが,牛深市に少く'其の他 の地区では殆んど同程度に発生し,昭和28年本渡市 に其の多発が認められる・

8.日 本 脳 炎

日本脳炎が何時頃からE[本にあったか判然としな いが明治4, 5年頃京都に流行があり'脳炎として 問題にされたのは大正8年の流行の暗からである・

而して大正13年岡山鞄方の大流行以来本邦に特有な 独立性疾患として注目され'終戦後法定伝染病忙指 琵されている.我が国忙放ける木桶の流行の中心地 は従来瀬戸内海を囲む中国及び近畿地方であった が,昭和10年には中心が関賓虹移りク其の後戦時中 本症は殆んど、f、萬失したかにみえたが'終戦後関東に

l

於け右流行が‑更目立って来ている.本症は夏期脳 炎とも呼ばれるよう旺l大体7月中旬から9月下旬 に亘って流行しI流行がなくとも散在性に其の発生

がみられる.

佐賀県下に於ける終戦後の発生状況は第18蓑にみ る如く,毎年其の発生がみられるのであるが'26年 以降精々増加し,昭和27年佐賀市及び三養基郡に夫 々28名, 41名の流行があり,佐賀市にてほ翌28年に も21名の発生をみている.J一般に佐賀市及び摩津市 の如く都市に多発する傾向がみられる.

天草地方にては第19表にみる如く'終戦後23年ま で1名の発生もないが, 24年以後毎年2名乃至5名 の発生があり,本揮市に於いては他の地域に比して 多く発生している・一般虹天草地方虹於ける本病の 発生は散発性にて少かったようである.一郎ち終戦後 9年間甲佐賀県展び天草地方虹おける推急患者組数 は夫々918名, 42名であり)人口10万に対して夫々 333.75名, 16.15名にして,佐賀県の発生率が天草 地方の未虹比して遠かに多い・

総括放びに結語 私共は九州地方に放ける秋季レフoトスピラ

病及び肺吸虫症患者の発生状況調査の‑部と して,今回終戦後昭和20年より28年に至る9 年間の佐賀県及び熊本県天草地方に於ける其 の発生状況を調査したのであるが,其の外ワ イル氏病,フィラ.)了症, iラ.)ア,発疹 熱,流行性肝炎及び日本脳炎についても調査 した.調査方法として約900名の実地医豪に 往復‑ガキにて間ひ合わせた・共の成績は次 の通りである・

1.実地医家‑の問い合せに対する回答は 佐賀県739適中204適27.6^,天草地方129適 中50適38.8%であり,従って各疾患に就いて 報告せられた患者数ほ決Lて其の巽■態を表し

たものでほなく,現実に発病した患者は更に 多いものと思わねばならない・私共の得た成 績は年度別による発生の傾向及び患者数を夫 より推定するに過ぎない・

2・ワイル氏病畔唐津市,佐賀市の都会地 及び杵島郡など栄坑地に多くみられ, 9年間 に於ける患者数ほ佐賀県165恵天草地方21 名にして, 10万に対して前者は約17名,後者 は約8名の発生であり,佐賀県下に於ける発 生が遥かに多い.之は元来本病が都会地とか 栄坑に多くみられるこ阜より諾づけられると

ころである.

3・秋季レプトスピラ病は佐賀県下にてほ 藤津郡に最も多く発生し,次いで西拾摘郡,

(12)

778      吉田・田中.西田.田崎 東抵捕郡に多発Lているが,小城郡,神崎

那,三養基郡には極めて少い.天草地方にて は牛深市を除いて全域に多発しており,本病 がワイル病に反して都会地よりも寧ろ農村に 多くみられる疾患だけに佐賀県よりも多発す

るものと思われる.

4.肺吸虫症ほ佐賀県に於いてほ唐津市, 東椅捕郡の如く玄海灘に画する地区にのみ其

の発生がみられたことほ疫学上興味ある事実 にして,河川に棲息するモクズガニのメタセ ルカl)ア保有状況調査など今後の研究に慎た ねばならない.天草地方にては牛深市を除い て全域に多数の本症患者がみられる・

5.天草地方ほ在来からフィラ1)ア症の濃 厚な浸浬地として知られており,殊に昭和22 年以降相当多数に発生し, 9年間の患者級数 は909名,人口10万に対して234.23名の発生 である.佐賀具に於いても毎年少数の患者発 生がみられる.

6.マラリアほ戦争につきものにて,佐賀 県及び天草地方に於いても昭和20年より本症 患者が多発し, 22年に最も多く,其の後漸次 減少している. 24年より精々急激な減少が認 められるが, 28年に至るも侍患者の発生がみ られている.佐賀県南部地方及び天草地方に ほマラ1)アが以前より土着しており,今後其 の発生の推移を観察することほ興味あること と思われる・

7.発疹妻軸ま佐賀県及び天草地方共に毎年 同程度に其の発生がみられ,天草地方に於け る発生が佐賀異に比して多いようである・佐

賀県下にてほ藤津郡に最も多く,次いで唐津 市である.天草地方に於いてほ殆んど総べ ての患者が本渡市及び上天草に発生してい

ち.

8.流行性肝炎の発生ほ佐賀県及び天草地 方共に終戦後逐年増加の傾向が認められ,秩 に杵島郡,東松浦郡及び本渡市,下天草にて ほ昭和27‑28年に多発している・佐賀県下で は殆んど全域に亘って発生しているが,東松 浦郡に最も多く,佐賀市,三養基郡,庸津市 の順に減少している.天草地方に於ける本病 の発生は牛、I翌市に於いて極めて少いのである が,其の原因が郵辺にあるか不明である.

9.日本脳炎ほ佐賀県下全域に亘って戦後 毎年散発性に発生しるいるが,佐賀市及び三 養基郡に於いてほ昭和27年に流行がみられ, 佐賀市に於いては翌28年も他の年に比して多 発している・天草地方にてほ昭和24年以後散 発的に発生したにすぎない・

以上佐賀県及び熊本県天草地方に於ける秋 季レプトスピラ病及び肺吸虫症其の他ニ,≡

の疾患に就いて終戦後の発生状況を調査した のであるが,これらの殆んど総べてのものが 臨床的診断によるものであり,種々の検査に

より其の診断を確定し待たもののみではな い.叉前述せる如く一部の実地医家よりの報 普に基くものであるから真の患者数ほ不明で ある.只後日此の方面の研究者に対し何らか の参考になればと思い一応極めて報告Lたの である.

(構筆する虹当り御懇篤なる緋旨導並びに卸校閲を賜りたる恩師横田教授に深甚なる謝意を表する)

〔本調査旺昭和=8年度文部省科学試験研究費補助金の一部に依って行ったものである.戟に 記して謝意を表する)・

参  考 1〕佐々 学:田本の風土病・自然18(1〕 :36

‑44,昭30・  2〕秋本国男:番地の風土病を め(、)って・自然10 (1) ‥ 45‑4日,昭30.  3) 後藤正彦外2名:長崎県下の風土病概軌 長崎 医会誌. 28 (9) : 937‑944,昭28・  4)勝田 慕‑ :葛痘出血性レブトスピラ病・臨放と研究

文  献

苫1 (5〕 ‥ 471‑475,昭29.  5)横田真一軌 吉田静麿:秋季レプTlスピラ柄.臨淋と研究 31 (5) : 465‑471,昭29. 6)横田真一郎,吉田 静麿:秋季レブトスピラ病の臨揮.治療38(6) : 671‑677)昭31.  丁)田中義文:佐賀県伊 万里地方(槙浦村)く・・T―於ける秋季レブトスピラ柄の

参照

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