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校 内支援体制が学級担任 に果たす役割 と効果 に関す る研究

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三重大学教育学部研究紀要 第61巻 教育科学 (2010) 145‑ 154貢

校 内支援体制が学級担任 に果たす役割 と効果 に関す る研究

‑A小学校特別支援教育の取 り組みからの考察一

今 村 真 也 *・姉 崎 弘**

A studyon roleand effectthatthesupportsyste‑

in an ele‑ entaryschoolcarryouttoclassteachers ShinyaIMAMURA,HiroshiANEZAKI

要 旨

2005年に中央教育審議会によって示された 「発達障害」 とされる児童生徒の通常学級在籍率は6.3%と示さ れたが、一万、2007年度のB市立A小学校では医師による 「発達障害」の診断を受けている児童の通常学級 在籍率は0.3%であった。 このことは、現在特別支援教育の対象としている 「発達障害」を有する児童のほと んどが、医師による診断を受けていない可能性があることを示 している。 こうした現在の学校現場の状況下に おいても、効果的 ・恒常的に特別支援教育を進めていくための視点を検討 し、今後の特別支援教育を支える校 内支援体制のあり方について考察する。

1. は じめに

学校教育法等の一部 を改正す る法律の施行 に伴 い、

2007年4月 よ り特別支援教育 の取組 が、 各学校 園 に おいて本格 的 に実施 されている。特別支援教育で は, 従来 の特殊教育が対象 としてきた障害種 に加 え、新 た に「LD ・ADHD・高機能 自閉症等 (以下、発達障害)」

が加 え られた。発達障害 を有す る児童生徒 は、主 に通 常学級 に在籍 しているとされてお り、特別支援教育 は、

上記 の障害 を有す る小 中学校 の児童生徒及 び 「就学前 の幼児 や高等学校 に在籍す る生徒で何 らかの障害 を有 す る者 について」 を対象者 としてい る (中央教育審議 会,2005)1)。

で は、実 際の学校現 場 において、 「一人一人 のニー ズに応 じた適切な指導及 び必要 な支援 を行 う 『特別支 援教育』 (中央 教育審議会, 2005)2)」 の実践 が直 ちに 始 ま っているのであろ うか。 そ こには、 困難 な課題 に 直面 している学校現場 の姿 が予想 され る。

医師 による 「発達障害」 の診断を受 けてい る児童生 徒 は、 実 際 には多 くはな い。 A小 学校 において は、

2006年度 の全児 童 に対 して 「発達 障害」 の診 断 を受 けてい る児童 の通常学級在籍率 は0.3%であ った。‑

方、 「特別支援教育 を推進す るための制度 の在 り方 に つ いて」 (中央 教育審議会, 2005)3)による と、 「発達 障害」 とされ る児童生 徒 の通常学級在籍率 は6.3%で あ った。 つ ま り、A小 学校 において は、現 在特別支 援教育の対象 としてい る 「発達 障害」 を有す る児童の ほとん どが、医師 による診断を受 けていない状況 なの であ る。

しか し学校現場 では、生活上、学習上何 らかの困難 さを示 してい る児童生徒 を眼前 に して、 障害 の診断が な され るまで対応 を待つ とい うことはで きない。 そ こ で学級担任 は、児童生徒が示す困難 さの状況 を保護者 に伝 え ることか ら保護者 との相談 を始 めるのであるが、

こう した状況 を教師 と保護者 で共有 してい くことは容 易 な ことで はな い。 これ につ いて金子 (1992)4)は、

「学校 と家庭 との間 に子 どもの とらえ方 を巡 って 『ず れ』 が生 じた り、子 どもの問題行動の原 因が保護者 の 養育態度 が原 因であ るかのよ うに教師が指摘す ること で、保護者 が教師 に対 して不信感 を抱 いた りす ること が往 々に してみ られ る」 としてお り、上村 ら (2000)5) は 「学校 か らの援助 や助言 が、意 図す る通 りに保護者 に受 け止 め られない可能性 がある」 と指摘 している。

実際、学校現場で は、学級担任 か ら保護者 に対 して行

*四日市市立内部小学校

**三重大学教育学研究科

145

(2)

う 「生活上、学習上のつまずき」 についての相談 に関 して、保護者 の理解を得 られず、保護者 との連携が進 まない事例が生 じている。 また、新年度 を迎えること による環境の変化 によって、それまでに構築 された子 どもへの支援や保護者 との信頼関係の引き継 ぎが うま くいかないケース も見 られ る。

これ らの困難 さを生 じさせている要因は様 々である が、ケースによっては学級担任 と保護者 間の信頼関係 が崩壊す ることもある。 こうした状況下で、疲労感 を 感 じている教員 も少な くない。特別支援教育 は 「一人 一人 のニーズに応 じた適切 な指導及 び支援 を行 う」

(中央教育審議会, 2005)6)ことをその理念 としている が、子 どもを直接指導 ・支援す るという意味において、

そうした理念 を最 も直接的に実践 してい く立場 にある のは、学級担任である。その学級担任を支援 してい く

「校 内支援体制 の構築」 は、特別支援教育 を推進す る 上で非常 に重要性の高 い課題であるといえよう。

2.問題 と目的

特別支援教育の在 り方の基本 的な考 え方の一つ とし て、「校 内外の人材の活用 と連携」が挙 げ られる。2003 年 に各都道府県 にモデル地域を指定 して行 った 「特別 支援教育推進体制モデル事業」 においては、校 内委員 会を中心 とした実態把握及 び指導の連携や、巡回相談 員や専門家チームによる相談 ・指導 ・助言等を もとに した推進体制が示 されてお り (姉崎, 2007)7)、 これ ら は特別支援教育の推進 にあた って重要な役割を持つ も の として位置づ けられている (文部科学省, 2004B) ;

中央教育審議会,20059り。それ らの実践が進む中で、

既 にい くつかの成果が報告 されているが、その一方で、

「教職員数の不足、人的配置の限界」「校務の多忙化 ・ 時間的問題」等の学校教育活動の運営 に関わる深刻な 課題 も報告 されてきている。 (武井, 2006)10)

しか しこうした課題があ りなが らも、学級担任はニー ズを持つ子 どもの支援の構築 に向けて取 り組みを続 け ていかなければな らない。 したが って、 これ らの課題 を補 うためには、 その整備拡充 を待つだけでな く、現 在ある特別支援教育の推進体制 を各校 においてよ り有 効的に活用す る取組 も必要である。 その有効活用 を検 討す るには、 これ らの資源 を最 も直接活用す る立場 に あ り、子 どもを直接指導 ・支援す る立場 にある 「学級 担任」の視点 に立 った校 内支援体制の構築が必要であ る。 そのためには、校 内外の様 々な人的 ・物 的資源が 果たす ことのできる 「役割」 と、それ らが与 えること のできる支援の 「効果」 について明 らかにす る試 みが 必要 と思われ る。

そ こで研究 1で はA小学校 を事例 に、 2005年度 か

ら2007年度 までの3年 間、学級担任 と保護者、校 内 コーディネーターを中心 に継続 して行 ってきた相談事 例 について、学級担任が援助資源 として求めた支援の 内容 と、 それ らの支援 によって得 られた効果 について の調査 を行 う。それ らを通 して、校 内支援体制が担任 に果たす支援の 「役割」 と 「効果」 についての支援モ デルを提示 し、 「巡回相談 による教育実践への支援 モ デル」 (浜谷,2006)ll)との比較検討 によ り、校 内支援 体制 による教育実践への支援モデルの特徴 について考 察す る。

研究2で は、 2007年度 のA小学校 にお ける59例 の教育相談事例 よ り、教育相談 を行 う際に学級担任が どの援助資源 を 「連携者」 として求 め、 そこにどのよ うな 「役割」 を求 めているのか とい う点 について、調 査 を行い分析す る。 また、各 々の援助資源か らの支援 を得た結果、学級担任 はどのような 「効果」が得 られ たのかについて も調査 を行 う。 これ らの調査結果 より、

各 々の援助資源 に求め られた役割 と果た した効果 につ いての比較検討 を行い、今後校 内支援体制を構築す る 上で各 々の援助資源が果た しうる支援機能 についての 考察 を行 う。

上述の研究 1、研究2よ り、現在の学校現場の状況 下 において も効果的 ・恒常的に特別支援教育 を進 めて い くにはどのような視点が必要 とされているのかにつ いて分析 し、全体考察 において、今後の特別支援教育 を支える校 内支援体制のあ り方 について考察す る。

3.

方法

(1)研究1

1)調査時期 2008年7月〜8月 2)調査対象

B市立A小学校 (以下、 A小学校) において、

学級担任、保護者、校 内コーディネーターを中心 と して、相談児童の校 内支援体制の構築 に向けて取 り 組 まれた事例 (2005‑2007年)

3)調査 内容

学級担任の立場か ら、求めた 「連携者」 は誰であ り、その際求めた 「支援 内容」 は何であったのか、

それ らの結果 どのような 「効果」が得 られたのかに ついて、取 り組んできた主な教育相談事例 を時系列 に振 り返 り、聞き取 り調査 を行 った。

4)調査方法

2008年3月 にA小学校 の該 当児童のケース会議 において、学級担任、保護者、校内コーディネーター へ調査 に関す る説 明 と依頼 を行 った。 2005年度 か ら2007年度 における該 当児童 の各 々の教育相談 に ついて、各年度 の該 当学級担任 に、ア ンケー ト及 び

(3)

聞 き取 り調査 を行 った。

校 内支援体制 が学級担任 に果たす役割 と効果 に関す る研究

まで に構築 された教育実践 が引 き継 がれたため、長期 にわた る支援 モデルを提示 できることが挙 げ られ る。

(2)研究2 1)調査 時期

2008年2月27日〜2008年3月25日 2)調査対象

A小学校 において、2007年度 「特別支援委員会」

に報告,相談のあ った児童の事例。

3)調査 内容

該 当児童 の各 々の相談 に関 して、学級担任が求 め た 「連携者」 は誰であ り、その際求 めた 「支援 内容」

は何 であ ったのか、それ らの結果 どのような 「効果」

が得 られたのか につ いてア ンケー トを行 った。

4)調査方法

2008年2月、A小学校 の 「職員会議」 において、

ア ンケー トに関す る説 明 と依 頼 を行 い、 2007年度 A小学校 「特別支援委員会」 に相談及 び報告のあ っ た59事例 につ いて,該 当児童 の学級担任20名 にア

ンケー トによる調査 を行 った。

4.

研究

1

(

1

) 目的

三 重県 B市 は、 2005年度 よ り 「地域特別支援教育 コーデ ィネーター」及 び 「巡回相談員」 を設置 し、市 内の小 中学校 へ の巡 回相 談事 業 を開始 した。 またA 小学校 で は、 同 じく2005年度 よ り 「校 内委 員会」 を 中心 とした校 内支援体制の運営が実質的に始 め られた。

この ような校 内支援体制 に関 して、効果 的な校 内支援 体制 の構築 と、質 の高 い支援のあ り方 を論 じるために は、様 々な人 的 ・物 的資源 を活用 した校 内支援体制の 構造 と機能 を、学級担任 を支援す る 「支援 モデル」 と して示す ことも必要であると考 え られ る。 そ こで、筆 者 が校 内の特別支援教育 コーデ ィネーターを務 めた事 例 を もとに、校 内支援体制 を活 か した教育実践への支 援 モデル を提示す る。

この事例 を分析 す る理 由 としては、①対象児 が学習 上、生活上 に困難 さを抱え る状況 にある中で、専 門機 関等 との相談歴がない こと、②学級担任 は、対象児 の 状況 を保護者 と共有す ることが困難 であ った こと、③ 学級担任 が、対象児 の 日々の指導 について大 きな悩み を抱 え、今後 の教育方針の見通 しを持つ ことが困難 で あ った こと (以上① ・② ・③ につ いて は、 A小 学校 で相談 と して挙 げ られ るケースに も数多 く見 られ るこ

とか ら典型 的な相談事 例 であ る こと)、④様 々な援助 資源 を活用す ることで、学級担任が相談 の効果 を高 く 評価 した成功例であ り、支援の効果 の分析 に適 してい る、⑤対象児 の進級 に伴 い学級担任 が交代 したがそれ

(2)本事例 の相談経過

A小 学校 の特別支援委 員会 が、 個 別 の ケー ス に対 応 で きる校 内支援体制 を持 っていない中、C児 につい て は、就学前、1年次、 2年次 と専 門機 関等 による相 談歴 はなか った。

2005年度 のA小学校特別支援委員会 で は、 まず学 習面 ・行動面 で 「気 にな る子」 の理解 と把握 を 目指 し て取 り組みを始 めた。 B市特別支援教育 において は、

2004年度 よ り 「第 1次特別支援教育推進計画」 が示 されてお り、 そ こで整備 された教育相談 システムを活 用 しなが ら、C児 (当時3年生) の教育相談 を推進 し てい くことにな った。

(3)結果

本事例 で も、滝川 (1998)12)や田中 (1999)13)、浜谷 (2006)14)が報告 したように、学級担任 に安心感 を与え、

児童 に細 やかな対応 が行 われ るように支援 ができた。

そ う した支援 が どの ように実現 されたのかを整理 す る ために、 「小学校 通常学級 における巡 回相 談 による発 達障害児等の教育実践への支援 モデル」 (浜谷2006) 15)

において示 された ものを、校 内支援体制 を生 か した教 育実践への支援 として置 き換 えて使用 し、校 内外の援 助資源 の活用 による教育実践への支援 を簡 略 に図式化 した ものを、 「校 内支援体 制 が担任 に果 たす役割 と効 果の支援 モデル」 としてFig.1‑1及 びFig.1‑2に示す。

なお、 「第 1次支援」 とは、学級担任 が援助資源 か ら 最初 に受 けた支援 を意味 し、 それ に続 く支援 を 「第2 次支援」「第3次支援」「第4次支援」 と呼ぶ ことにす

る。 またFig.2に 「巡 回相談 による教育実践への支援 モデル」 を浜谷 モデル として示す。

(4)考察

1)Fig.1‑1と浜谷 モデルの比較

まず、浜谷 モデルで提示 された支援機能 では、障 害 な どの理解等 が 「第 1次支援」 として示 され、続 いて教職員の協力関係の形成等の 「第2次支援」へ、

そ して心理 的安定 と教育実践意欲 の 「第3次支援」

へ と進 んでい くことが示 されてい る。本事例Fig.1‑ 1と浜谷 モデル との違 いが生 じた背景 の一 つ として は、支援初期 に至 るまでの対象児 の相談歴 の違 いが 考 え られ る。浜谷 モデル における対象児 は 「乳児期 か ら発達 に心配 があ り、専門機 関で 自閉傾 向 と診断 され療育 を受 けて いた」「3年生 か らは週 に一 日通 級指導教室 に通 って い る」「保護者 は学習 を進 め、

友達 との関係 をよ くす るために、個別 に先生 がつい

147

(4)

第

1

次支援 第2次支援 第3次

支 援

第 4 次 支 援

(活用した 援助安濃)

注)cDは、コーディネ‑ターを表す。FI芭.1‑2も同乱 Fig.1‑1 A小学校の校内支援体制が学級担任に果たす

役割と効果の支援モデル (模索期)

第2次支鐘 第3次支援

Fト9.ト 2

A 小 学 校 の 校 内 支 援 体 制 が 学

級

担 任 に 果 た

す

役割と効果の支援モデル (安定期)

て指導 してほ しいと希望 していた」等の状況にあ り、

それを経 て3年生 の 1月 に相談 を依頼 している。つ ま り相談初期 の段階 において、学級担任 ・保護者 ・ 学校 間で 「実態把握 と状況 の共有」「今後 の教育方 針の検討」 が行 え る状況 にあ った と予想 され る。一 方、本事例 においては、3年次 に至 るまで (就学前 を含む)専 門機 関等 による相談歴 がな く、 また学校 全体 での相談体制 も整 っていなか った。 つ ま り相談 初期 の段 階 で は、 学級 担任 ・保護者 ・学校 間で は

「実態把握や状況の共有」「教育方針の検討」 を行 う ことが困難 な状況 にあ った。 このため、担任 は専門 機関等 との連携 を行 うとき、保護者 との連携 に大 き

巡回相談の支援機能

第1次支援 第2次支援 第3次支援

発達臨床に関する

専門性 対人援助の専門性

巡回相談の専門性

Fig.2巡回相談による教育実践への支援モデル (浜谷,2006)16)

な心理 的負担が生 じていた。 この ことについて、学 級担任 は巡 回相談 の実施 に対す る保護者 の同意 を依 頼 す る際 に、 「担任 と して、保護者 との信頼 関係が まだ構築 されていない時期 に、 また担任 (学級担任) 自身が巡 回相談員の方 を知 らない状況であ ったため に、保護者 に専門機関 との相談のことを伝えに くか っ た」 と、 また 「『専 門家 チーム会議』 につ いて も、

『専門家』 という言葉 に 『特別な もの』を、『チーム』

とい う言葉 に、 その 『専門家』 が何人 か いるとい う 意味合 いを感 じ、保護者 に伝え るときに言 い出 しに くか った」 と振 り返 っている。学級担任 の こう した 心理 的な負担 や 「すべて に漠然 と した状況」「どう すればいいのか分か らない」 ことによる学級担任 の 不安感 を軽減す るために も、 まず は第 1次支援 と し て 「心理 的安定」 が必要 とな ったのである。 これを 経 て、 「専 門機 関や教職員、保護者 との連携」 (第2 次支援) を活用 し、第3次支援 の 「理解 と実践」 に つなが った。 そ して、 その ことが第4次支援の担任 の 「教育実践意欲」 の向上 を生 み出 し、 「心理 的安 定」 を さらに深めてい ったのである。

(5)

校 内支援体制が学級担任 に果たす役割 と効果 に関す る研究

2) Fig.1‑2と浜谷 モデルの比較

両者 の支援モデル は、基本 的に同様の支援機能を 示 しているといえる。異 なるのは、浜谷の示 した第 3次支援 における 「心理 的安定」の支援機能が、本 事例では第 1次支援か ら第3次支援 まで引き続 き機 能 した という点である。 この ことは、学級担任が4, 5年次の

「 2

年間を通 して、『心理的に安定す ること』

を感 じてきた」 と評価 していることに示 されている。

このFig.1‑2が、浜谷 (2006)17)の支援 モデル と同様 の支援機能 を示 し、 Fig.1‑1とは異 な る支援機能 を 示 した背景 は、やは り対象児 の相談歴の違 いが挙 げ られ る。3年次 (Fig.1‑1) は対象児 に関す る相談歴 がなか ったの に対 し、 4, 5年次 (Fig.1‑2)には3 年次 に校 内外の援助資源 との間で行われた多 くの相 談歴があった。 そのため4年次の相談の初期段階か ら、定期的に保護者 との 「実態把握 と状況の共有」

が図 られ、保護者 と共 に 「教育方針の検討」を行 う ことがで きた。 その結果、保護者 と共 にC児 の学 習や生活上の困難 さに対する理解や教育実践の評価、

方針 について検討す ることができた。 その ことが、

教職員や専門機 関等、保護者 との さらなる円滑 な連 携の効果 (第2次支援) を生 み、 それによって学級 担任の教育実践意欲が高 まるとい う第3次支援へ と つなが っていった と考え られ る。

3) Fig.1‑1とFig.1‑2の共通点

また、Fig.1‑1とFig.1‑2に共通す る結果の一つ と して重要なのは、いずれのモデル において も学級担 任 が求 めた連 携者 に保 護 者 を挙 げた点 で あ る。

Fig.1‑1で は、地域 コーデ ィネーターが初 めて同席 せずに行われた保護者 との教育相談 において、学級 担任 は保護者 を連携者 として評価 した。 またFig.1‑ 2においては、 2度 目の保護者 との教育相談 で評価

し、4,5年次 の2年 間 にわた り学級担任 は保護者 を連携者 として評価 している。

保護者 との連携 については、子 どもの問題が多様 化 し、学校現場では発達障害、不登校、い じめ等の さまざまな問題への対応 が求 め られているが、 こう した問題 に対 し 「学校 内で教師が指導 や援助を展開 す るだけでは限界があるとい う視点か ら、保護者や 関係機 関 との連携 に基づ くチーム援助が注 目されて きている」 (上村 ・石隈,2007) 1B)として、 その重要 性が指摘 されている。本事例 における3年次及 び4, 5年次の学級担任が、 いずれ も保護者 を 「連携者」

と評価 した ことは、本事例 が上村 ・石 隈 (2007)19) が指摘す る 「保護者面談で教師 と保護者が共通理解 を図るプロセスは、保護者の理解や方針を取 り入れ なが ら教師が 自分 白身の理解や方針を修正す るプロ セスであ り、保護者 との連携構築 にはこのような教

師の変容が鍵 になる」 という 「連携構築 プロセス」

に必要な要素 を持つ ものであ った可能性がある。今 回示 した 「支援 モデル」 は、校 内支援体制が学級担 任 に対 して果たす役割 と効果 についての検討であ り、

学級担任 と保護者 との連携 について どのような役割 と効果 を持つのかについての詳細な調査 は行 ってお らず、今後の検討課題 としたい。

5.

研究

2

(1) 目的

研究 1で、 A小学校 の校 内支援体制 が学級担任 に 果たす役割 と効果 についてその特徴 を示 し、教育実践 への支援 モデルを提示 した。 この支援モデル は一事例 か ら抽出 した ものであるため、 その支援が どの程度一 般的であるか という点については疑問の余地があるが、

少な くとも一定の条件 があれば、かな り支援効果が大 きい ことを示 した もの と考 える。

しか し、実際の校 内支援体制 を構築す るには様 々な 要件 があ り、 どの事例 において も研究 1の事例のよう に、校 内外の援助資源 が場面 に応 じて活用 され、 また コーディネー ト及 びコンサルタ ン トされた上で、校 内 支援体制の支援機能が発揮 され、支援の効果が得 られ るとは限 らないのである。

そ こで、 2007年度A小学校 における複数の事例 に 関す る援助資源の評価 か ら、校 内外の各 々の援助資源 が持つ支援機能 と支援効果 について分析す る。それを もとに、各 々の援助資源が期待 され る支援内容 と支援 の効果の重な りや相違か ら、実効的な校 内支援体制の 構築 に有効な視点や校 内支援体制が運営 され る上での 課題 を考察す る。

(2)結果

1)求めた連携者 について

「間 1.求めた連携者 (相談者)はだれで したか?」

について、学級担任が求 めた連携者別 に事例数の結 果 を集計 した ものを)Fig.3に示 した。

4332211OLJ'OLL)O

LJ'

OLL'0 40 35

15

■

‑

7

88

Fig.3 学級担任が求めた連携者

149

(6)

2)支援 内容 と援助資源 について

次 に、 「間 2.連 携者 (相 談者 ) に求 めた支 援 (相 談) 内容 は何 です か?」 につ いて、 学級担任 が 求 めた 「支援 内容」 と援助資源 の関係 よ り、 Aか

らFの6つの群 に分類 (Tablel) した。

Tablel 学級担任が求めた 「支援内容」と 援助資源群について

群 求められた支援内容 期待された援助資源

A 「相談児童の実態把握と 校内委員会、管理職、同

状況の共有」 学年の教員、養護教諭、機関、地域 コーディネーその他の校内職員、専門ター

B 「今後の教育方針の検討」 校内委員会、管理職「校内の協力体制の構築」

C 「発達障害等に関する専 専門機関、地域コ‑デイ 門的知識の伝達」 ネ一夕‑

D 「指導上の助言」 校内委員会、管理職、同学年の教員、専門機関、地域 コーディネーター

E 「保護者との相談、助言」 管理職、専門機関、地域コーディネーター

F 相談児童への直接的対応導,かかわり 等)(授業,休み時間等の指 養護教諭、同学年の教員

3)得 られた効果 について

次 に、「間 3.連携者 (相談者)か らの支援 によっ て、得 られた効果 は何 ですか?」 につ いて、支援 を 得 た結果 と して学級担任 が得 られた効果 と援助資源 の関係 をTable2に示 した。各援助資源 の事例数 の 過半数 を超 えて得 られた支援 の効果 については、 そ の項 目をグ レー色で示 した。尚、「地域 コーデ ィネー ター」 (地域CD)及 び 「その他の専 門職」 は、 「専 門機 関」の内訳 として、各 々の結果を示 した。 また、

「その他の校 内職員」 は、「専科教員 ・過去 の学級担

Table2得られた支援効果と援助資源の関係 校 管 同 秦 そ 専 也 そ

内 壁 学 護 の 門 域 の

香 職 年 敬 他 倭 C 他

会負 蛋負 請 校響負の内 関 D 専倭の門関

第支援1次 56% 45% 38% SO知 38% 62% 69% 53%

第支援2次 38% 37% 23% 28% 25% 37% 37% 38%

第支援3次 58% 56% 61% 56% 34% 45% 56% 33%

任 ・その他 の教員 ・心 の相 談員」 を、 「その他 の専 門職」 は、 「通級指導教室 ・市巡 回相談 ・市相談支 援 セ ンター ・医療機 関 ・特別支援学校」 をそれぞれ 示す。

(3)考察

全59事 例 に関す るア ンケ ー トか ら得 られ た結 果 (Fig.3、Tablel及 びTable2)を もとに、各 々の援助 資源 が持つ 「支援 の役割 と効果」 について考察す る。

① 「校 内委員会」

「校 内委員会」 は、担任 に とって 日常的な連携者 (相談者) として機能 している ものではないが、「校 内の協力体制の構築」 と 「今後の指導方針 の検討」

について、他の援助資源 に比べてその支援機能 が大 き く期待 されて い る。A小学校 「校 内委 員会」 は、

学級担任、管理職、校 内 コーデ ィネーター、学年 の 特別支援委員 を基本 的な構成員 と しているが、必要 に応 じて 「地域 コーデ ィネーター」や 「養護教諭」

等 の他 の援助資源 も複合 的に参加 している。 そのた め 「指導上 の助言」 や 「相談児童 の実態把握 と状況 の共有」 をは じめ と して、他 の援助資源 と比べて支 援機能への期待が全体 的に高水準の ものが多か った。

また 「地域 コーデ ィネーター」や 「専 門機 関等 の助 言」等 の援助 を得 ることで、 「校 内委員会」 と して の 「障害な どの理解」等 の支援効果が高 め られてい た。 この ことは、校 内委員会 が コ ンサルテー シ ョン (異 な る専 門家 同士 が集 ま り協 同で クライエ ン トの 援助 にあた る)力 を発揮 した時、学級担任 を援助す る資源 としての支援機能全体 が さ らに高 め られ る可 能性 を示 してい るといえ る。

② 「管理職」

36事 例 (61%)で、 学級担任 は 「管理 職」 を連 携者 (相談者) として求 めていた。 これは 「同学年 の教員」 に次 いでお り、学級担任 にとって 「管理職」

は最 も身近 な連携者 (相談者) の一人 であ ることが 示 された。 また、他 の援助資源 に比べて 「指導上の 助言」 と 「保護者 との相談、助言」 についての期待 値 が高 く、 「得 られた効果」 につ いて も 「それ まで の指導 を振 り返 り、評価 す ること」 に関 して高 い評 価 を得 てい る。 これ らの ことよ り 「管理職」 は、学 級担任 が指導上及 び教育相談上何 らかの困難 な状況 にあるときに、最 も身近 な連携者 (相談者) の一人 であ り、他 の援助資源 に比べて 「指導上の助言」 と

「保護者 との相談、助言」 の支援機 能 に特 に高 い期 待 と効果がみ られ る援助資源 であ るといえ る。

③ 「同学年 の教員」

40事例 (68%)で、学級担任 は連携者 (相談者) と して 「同学年 の教員」 を求 めてお り、すべての援

(7)

校 内支援体制が学級担任 に果たす役割 と効果 に関す る研究

助資源 の中で最 も高 い値 を示 した。「同学年 の教員」

は、学級担任 にとって 日々の教育活動 に関す る指導 や計画等を共 に検討す る立場 にある教員であ り、学 級担任 にとってはまさに 日々の連携者 (相談者)で ある。 そうした 日々最 も身近な立場 にある 「同学年 の教員」 は、学習上及 び生活上何 らかの困難 さを示 す子 どもの指導 について、学級担任が最 も多 く連携、

相談す る機会のある援助資源 であるといえ る。 そう した関係のなかで、最 も求め られた支援内容が 「相 談児童の実態把握 と状況の共有」であ り、 その結果

「学級担任が心理 的に安定す ること」 に関す る項 目 で40事例中32事例 (80%)の支援効果を得ている。

これ らの ことか ら、学級担任 は 日々の教育活動 に 共 に取 り組む 「同学年の教員」を最 も身近な連携者 (相談者) とし、「相談児童の実態把握 と状況の共有」

をその支援 内容 に求 めることで、 日々の 「心理 的な 安定」を得 る様子が推測 される。 この役割 と効果は、

校 内支援体制の 日常的、恒常的機能を検討す る上で 重要な要素 であると思われる。

④ 「養護教諭」

「養護教諭」 に連携 (相談) を求 めた事例 (13 事例) は、すべての事例が 「相談児童の実態把握 と 状況の共有」を支援 内容 として求 めていた。 また、

「得 られた効果」 について も12事例が 「学級担任が 心理的に安定す ること」 を評価 している。 これは、

「同学年 の教員」 で示 された役割 と効果 との重な り を示 している。 同様 に 「相談児童の直接的対応 (授 業,休 み時間等の指導,かかわ り等)」 において も、

「養護教諭」 に次 いで 「同学年 の教員」 の期待値 は 高 い値 を示 してお り、 ここに も 「養護教諭」 と 「同 学年の教員」の両者 の役割の重な りが伺われる。

一方で、「校 内の協力体制 の構築」 の支援 内容 に ついては、「養護教諭」 は 「同学年 の教員」 に比べ て期待値が高い。その要因の一つ として考 え られる のは、学校全体 における 「養護教諭」 と 「同学年の 教員」 の立場の違 いであ る。「同学年 の教員」 は担 任 にとって 「同 じ学年の教員」であって、 その連携 や相談 は通常 「学年」 という組織単位で行われ るも のである。 ここでの相談が、直 ちに学校全体での連 携や相談 にな るもので はない。一方、「養護教諭」

は学校全体の児童生徒 と直接関わる立場 にあるため、

必然的に学校全体 に関わ る立場 となる。 ここでの相 談や連携 は、通常学校全体の組織単位の中で行われ ているもの と考 える。 こうした立場の違いを要因 と して、「養護教諭」 と 「同学年 の教員」間には、「校 内の協力体制の構築」 に関す る期待値の差が生 じて いるのではないか と推察 され る。

そ うした仮説 を もとにす ると、 「養護教諭」 は、

「同学年の教員」 と同質の 「身近な連携者 (相談者)」

としての役割 と効果 を持 ちなが ら、「養護教諭」 と して学校全体 に関わ る立場を活用す ることで、学級 担任 との連携、相談 を 「校 内の協力体制の構築」 に つないでい くことができる可能性 を持つ援助資源で あるといえ る。

⑤ 「その他の校 内職員」

「専科教員」 について、Tablelの 「求 めた支援 内容」 では、「相談児童の実態把握 と状況の共有」

に次 いで 「相談児童への直接的対応 (授業,休 み時 間等 の指導, かかわ り等)」 が多 く、 またTable2 の 「得 られた効果」 では、「相談児童の授業指導 や 休 み時間 ・放課後 の指導」「学校 の職員 との協力連 携」が多 くな っている。相談児童 に関 して、学級担 任 と 「専科教員」 との間で直接関与 している要素 と

して は、「専科教員」 が週 ごとに数時間担 当 してい る教科指導 の場面が挙 げ られ る。つま り、前述 した

「専科教員」 に対す る 「求 めた支援 内容」 と 「得 ら れた効果」 の内容 は、 「専科教員」 白身が相談児童 に 「直接かつ定期的に授業で関わ ること」で行われ てい る支援である可能性が高 い。「専科教員」 は、

この 「直接かつ、定期的に授業で関わ る」 とい う立 場 を活用 して、相談児童 に対 して継続 的な支援 を行 うことが期待 され、効果 を果たす ことのできる援助 資源であるといえる。

次 に 「過去 の学級担任」 であるが、「学級担任が 求 めた連携者」 (Fig.3)は15事例 (25%)であ る が、 これに 1年生の事例 にある 「保育園」 と 「外国 語 の教員」、転入児童の事例である 「特別支援学校」

という連携者 を、実質的な相談児童の 「過去の担任」

と して検討 に加 え ると、 19事例 (32%)とな る。

これ は、「校 内の援助資源」 においては 「同学年 の 教員」「管理職」 に次 ぐ連携者 の事例数である。「求 めた支援 内容」(Tablel) をみ ると、 「相談児童の 実態把握 と状況の共有」 に次 いで、「指導上の助言」

が、 また 「得 られた効果」(Table2) では 「学級担 任が心理 的 に安定 す ること」「相談児童の授業指導 や休 み時間 ・放課後 の指導」 が多 くな ってい る。

「過去 の学級担任」 は、過去 に相談児童 について学 習上及 び生活上の困難 さを把握 し、教育活動上何 ら かの試 みを実際に行 ってきた教員である。現在の学 級担任が抱えている悩みを、過去 に同 じように持 っ ていた教員 がいることもあ る。つ ま り担任 は、「過 去 の学級担任」 に 「相談児童の実態把握 と状況の共 有」を求めることで、学級担任が現在抱えている悩 みや困難 さに対 しての 「心理 的な安定」を得た り、

「過去 の学級担任」 が これまで に取 り組んだ教育実 践等を 「指導上の助言」 として求 めた りす ることで

151

(8)

「相談児童の授業指導や休み時間 ・放課後の指導」

に関す る効果を得た りしている姿が推測 される。 こ れは、相談児童 に対 して取 り組んできた教育実践や 支援内容を、学校全体 として年度 を越えて積み重ね てい く上で非常 に重要な要素 であ り、 この点に 「過 去 の学級担任」が持つ援助資源 としての役割 と効果

を示す ことができる。

⑥ 「専門機関」

A小学校 が連携 を行 った 「専 門機 関」 は、 26事 例 (44%)であ った。 これは、全援助資源 中 「同学 年 の教員 (40事例)」「管理職 (5事例)」 に次 いで お り、 その役割の大 きさが伺 われ る。「求 めた支援 内容」 (Tablel) で は、 「相談児童 の実態把握 と状 況の共有」「指導上の助言」「発達障害等 に関す る専 門的知識の伝達」が、 また 「得 られた効果」 (Table 2)としては 「障害 ・発達 ・教育な どに関す る専門 的な観点か らの知識 を得 ること」「保護者 との協力 連携」 が多 く挙 げ られている。「専門機 関」 は校外 の援助資源 であるため、 日常的な教育場面や生活場 面 において、学級担任 と 「専門機 関」 とがその役割 や立場 を共有す ることは基本 的にはあ りえない。つ ま り学級担任 にとって 「専門機 関」 は、「校 内の援 助資源」 に比べて客観的な立場 にある援助資源 とい うことがで きる。「専門機 関」 に連携 を求 めた学級 担任の多 くが、「相談児童の実態把握 と状況の共有」

や 「指導上の助言」「発達障害等 に関す る専門的知 識 の伝達」 を求 め、 「障害 ・発達 ・教育な どに関す る専門的な観点か らの知識 を得 ること」 について効 果 を得た という結果か らは、学習上及 び生活上何 ら かの困難 さを示す子 どもに関す る支援 について、学 級担任が客観的な視点か らの助言 を求 め、重要視 し てい るとい う姿が推測 され る。「保護者 との連携協 力」 の効果が高 い結果 について も、「専 門機 関」 が 学級担任 (学校) と保護者の客観 的な第三者的立場 で支援の役割を果た した結果 と考 え られる。

⑦ 「地域 コーディネーター」

「学級担任 が求 めた連携者」 (Fig.3)で は、 「同 学年 の教員」「管理職」 に次 ぐ相談事例であ り、A 小学校 においては 「専門機関」の中で最 も多 く求め

られた連携者であった。

「地域 コーデ ィネーター」 は、 B市特別支援教育 の取 り組みの一つ として設置 されたシステムであ り、

現職の小学校教員が務めている。 この 「地域 コーディ ネーター」 は学級担任 との教育相談を行 う際、相談 児童 に関す るプロフィール等の聞き取 りや提出され た相談依頼書 による分析 を行 い、 その後の児童観察 を経て学級担任 との教育相談 を行 っている。 これは 巡回相談 における実務的な手順の一段階であ り (演

谷, 2006)20)、学級担任 にとっての 「地域 コーデ ィ ネーター」の役割 は巡回相談員のそれ とほぼ同等 と い うことができる。現職の小学校教員が巡回相談員 の役割を果たす という点で、「地域 コーディネーター」

は 「専門機関」に関与する人材のなかで も特異なケー ス といえる。

実 際、 学級担任 が 「地域 コーデ ィネーター」 に

「求 めた支援 内容」 (Tablel) と 「得 られた効果」

(Table2)は他の援助資源 とは異 な った傾 向が伺え る。「求めた支援内容」 については、「相談児童の実 態把握 と状況の共有」「指導上の助言」「発達障害等 に関す る専 門的知識 の伝達」「保護者 との相談、助 言」で過半数を超え る期待値 を集 めている。 これに ついては、「相談児童の実態把握 と状況の共有」「指 導上 の助言」「保護者 との相談、助言」 の期待値が 高 いという点で 「管理職」がやや似た傾 向を示 して いるが、「発達障害等 に関す る専 門的知識 の伝達」

の期待値が高い点で 「管理職」 とは大 き く異な って いる。

また、「得 られた効果」については、「障害 ・発達 ・ 教育な どに関す る専門的な観点か らの知識 を得 るこ

と」「相談児童の授業指導 や休 み時間 ・放課後の指 導」「担任が心理的に安定す ること」「保護者 との協 力連携」「担任が意欲 を もって教育 を行 うこと」 で 過半数 を超える効果 を得ている。 これについては、

「相談児童の授業指導 や休 み時間 ・放課後 の指導」

と 「学級担任が心理 的に安定す ること」の支援効果 が高い ことか ら、「同学年 の教員」や 「管理職」「校 内委員会」「養護教諭」等多 くの 「校 内の援助資源」

が持つ効果 との重な りが見 られ る。一方で、「地域 コーデ ィネーター」の持つ 「障害 ・発達 ・教育な ど に関す る専門的な観点か らの知識 を得 ること」 に対 す る効果 は、 これ らの 「校 内の援助資源」 に比べて 極 めて高 くな っている。以上の ことか ら、「地域 コー デ ィネーター」 は、「校 内の援助資源」 と 「校外の 援助資源」が持つ役割 と効果 を併せ持つ援助資源で あることを示 しているといえよう。

なお、「その他の教員」「通級教室 ・市巡回相談 ・ 市相談支援セ ンター ・医療機 関 ・特別支援学校」 に ついては、 いずれ も相談事例数が少な く、今回のア

ンケー ト結果か らの考察 は割愛す ることとす る。

7.

全体考察

(1)学校内の 「同僚性」を活用 した校内委員会の運営 について

本研究では、校 内委員会 を 「管理職」「同学年 の教 員」「専 門機 関」等の援助資源 と並列 して、 その役割

参照

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