公企業会計の現状と問題点
龍 家 勇 一 郎
同口
一︑はしがき
二︑公企業会計と私企業会計三︑地方公営企業会計の現状
四︑地方公営企業経営悪佑の原因と問題点
五
︑ 結 語
次
一
、
はしがき 公企業は私企業と異なり︑国又は地方公共団体の出資にもとやついているが︑企業体である以上︑私企業と共通し
た企業的性格をもっている︒すなわち公企業会計には消費経済の計理に適した官庁会計ではなく︑企業に対しては
一般に認められた企業会計原則及び準則が適用されねばならないことである︒
わが国では昭和二十二年四月に国有鉄道及び電気通信事業に複式簿記が︑はじめて採用されたが︑
昭 和 十 四 年 月の日本国有鉄道法及び日本専売公社法により︑同事業が公共企業体として改組されるとともに︑両国営事業の
会計に企業会計制度が確立された︒
ついで昭和二十七年八月地方公営企業法により︑地方公共団体の営む水道︑都市交通︑電気︑ガス事業等の会計
に同じく企業会計原則が適用され︑また周年二月成立の日本電信電話公社にも︑他の公共企業と同じく企業会計制
公企業会計の現状と問題点
ぃ肢が採用されるに至った︒
又わが国の地方公営企業は︑交通︑水道︑病院︑電気︑ガス等︑地方住民の日常生活と直結した領域で活動をつ
Yけている︒そしてその経営規模は国有企業ほどではないが︑事業数は五︑
五六
(昭和三十八年度)におよび各
府県市町村は︑大なり小なり地方公営企業を経営しているといっても過言ではない︒
ところがその経営状態をみると最近の新聞紙上を賑はしているように︑公共料金の一ヶ年値上ストップの関係も
あり︑全体の四割が赤字経営をつ
J Y
け︑企業としての存立自体があやぶまれる状態である︒本稿では公企業と私企三七 一
三七二 業会計の比較を述べ︑ついで地方公営企業会計を中心としてその現状経営悪佑の原因とその問題点を検討し︑最後
にその問題解決の万途を若干考察してみたい︒
二︑公企業会計と私企業会計の比較
営利を目的とする資本の所有体を企業(開ロ芯弓ユ
S E
E 2
ロ各自
己ロ
m )
という︒その主体が個人であれば個人企
業となり︑組合であれば組合企業となり︑会社であれば会社企業となる︒ときとして国家又は地方公共団体であれ ば国営企業又は地方公営企業となるのである︒企業会計はこのような意味における企業においてみられる会計をい
うのである︒
しかしながら︑同じ企業会計といっても国営企業又は地方公営企業と私企業(特に株式会社)とでは︑全く同じ ではない︒国営企業又は地方公営企業のような公企業は︑その一般的特質として︑その目的は公共の福祉を増進す
るを第一次とし︑私企業のように営利性を主たる目的としないのである︒又私企業の場合と異なり︑公企業の主た
る利害関係者は公的出資者としての国家又は地方公共団体であるので︑公企業の作成する財務諸表は︑公共企業体
の場合には会計検査院︑地方公営企業の場合は地方公共団体の監査委員の監査を受け︑その監査報告書と財務諸表
は公共企業体の場合には︑国会へ︑地方公営企業の場合には︑地方公共団体の議会へ提出され︑その承認を経なけ
ればならない︒
更に今一つの特質は︑公企業は国家又は地方公共団体から独立した︑自主的経営体として︑独立採算制をとって
公企業会計の現状と問題点
項 目 公 企 業 会 計 私 企 業 会 計
付)資本の所有関係
l
国家文は地方公共団体(ロ)企業債 発行認む
1 2 !
?す経営の目的 公営共利性性・・・…第第一一次次な 一 一 一 一 一
‑ ‑
4
ニ)純利益の処分 内部留保のみ る占 体)独占と競争 独占 並見d地乙 争
付報告対象 国の家議会又は地方公共団体 株日主刊総新会聞紙 (ト)監査人 地国家方公一一共会団計体検一一査院監査委員 監公査認役会計又士は 土伺!埜企品三業償る層体こ部、一と経面営一体軒で 同 じ 同 じ
グ //
同 1.決算報告書 1.営業報告書
2 .
損益計算書2 .
グり財務諸表の体系
3 .
剰余金計算書3 . / /
じ
4 .
剰余金処分計算書4 .
//5 .
貸借対照表5 .
Jグ6 .
決算附属明細書6 .
//1.真実性原則 グ
2 .
正規の受託の原則2 .
グL
ニ)企系業…会…計一般原則原則の体3 .
剰余金の原則3 .
グ4 .
継続性の原則4 .
グ5 .
明瞭性の原則5 .
ふ'6 .
保守性の原則6 .
//7 .
なし7 .
単一性の原則I ~… 2 .
一般原則中( 7
)の原則、地方公営企業会計にはなし。三七三
三七四
いることである︒独立採算制は自らの支出を自らの収入でまかない︑国民経済ないし地域経済の発展に応じた自己
発展の財源を自力で調達ないし蓄積し︑それに報償制度を併用しながら︑経営の能率佑をはかつてゆく制度であ
る︒このような独立採算制が公企業を単んなる公共事業と相違せしめる点であり︑私企業が当然もっている営利性
とも違った主要な特質である︒
しかも地方公営企業は特別会計をもって経理されるもので(全法第十七条)あるから︑地方公共団体が地方公営
企業の建設︑改良等に要する資金に充てるため企業債を発行で︑さることである︒企業債は独立採算的企業の企業的
信用に基づいて発行されるのであって︑一般の地万債とは本質的に異なっている︒企業債は借入資本として会計処
理さ
れ︑
企業債発行差金(額面価額と発行価額の差額)は繰延資産に計上し︑償還期限までに均等償却することが
できる︒従って私企業の社債の会計処理と同様であるが︑しかし企業債は地方公営企業の貸借対照表では負債勘定
として処理されるのではなく︑資本金勘定で処理されることである︒
更らに公企業会計(特に地方公営企業会計)と私企業(特に株式会社会計)との異同を総括的に表示すれば︑つ
ぎの如くである︒
一二︑地方公営企業会計の現状
近年︑地万公営企業は都市人口の明大︑国民生活水準の向上︑生活環境の整備等︑四囲の強い要請を背景に年々
めざましい発展をみせている︒
五%の増︑決算規模では六︑
一八
O億円から七︑一二三三億円へと一八︑ 地方公営企業の事業数では第一表でわかる通り昭和三十七年度の五︑三七一から昭和三十八年度五︑
で は
七%の増加︑設備投資(建設改良費) 五六一と
八%の増加(第二表︑第三表参照)という大きな拡大をみせている︒二︑九九五億円から三︑四六八億円へと一五︑
公企業会計の現状と
I L I J
!t1:i点企
営 企
つYいて水道事業の一︑
一三
七︑
業
準 公
第一表にて明らかなように事業数では簡易水道の一︑九一八がもっとも多く︑
病院事業の七九四︑と畜場の四七九︑宅地造成事業の二四人︑
支出
交通事業の一六四となっている︒職員数では一位は
三七五
七六 病院事業の九一︑一O三人︑二位は交通事業の七三︑四コ二人︑三位は水道事業の五O︑四一七人で︑これら三事 業で九割近くを占めている︒地方公共企業が地方公共団体の行政において占める地位はこ︑二一︑一年急速に高まり
決算規模においては第二表でわかるとおり明大しているが普通会計純決算規模に比べて二二︑
二︐
%に
達し
︑職
員数
についてみても︑普通会計職員を一
O Oとした場合︑公営企業従業員数の比率は約三割に達している︒
又昭和三十八年度において︑新たに地方公営企業法を適用し︑従来の官公庁会計方式から企業会計方式へと切り
替えを行なった事業数は︑前年度の八二六から九一二六へと約二二︑必の増加をみせ︑総事業数に占める比率にお
いても前年度の一五︑四M
汚か
ら一
六︑
八%へと増大した︒昭和三十五年度の法適用企業数四O二事業に比べると僅
か三ヶ年間で二倍半に増加した乙とになり︑公営企業の経理体制が近年急速に整備されてきた乙とがみられる︒
(第
四表
参照
)
出品⁝附時国迫伶神津S韮昔話詣
一 一
M
二M
∞ 一
M ω
一
ωo
一ω
二 一
一 忠 岡 市
思 議 沖 一
5
一三 一
一 副
一 言
∞ 一
M M O
一M g
一︹防
︺忌
司ゆ
時砂
川間
相時
(宣
世
ω∞
刊同
)HYA
∞ ・
4
者河
ι , . ,
M
ι ρ
巳ムコ N
c . o
0:コ a
CJ..:) ..t.. Eムコ ..t..
~I 巳心 ..t.. 仁Jl Cコ
ト~I
仁ム2 0")
巳ムコ 0:コ ー斗 トJ Cヲ
巳 , . ,
0:コ t工コ CJ..:)
~I
E心 00 、 ¥巳
, . , σ
ヲ ‑.Jι
Jl地方公営企業は住民の福祉を目的とすることは当然であるが︑同時に企業としての経済性を発揮することが必要
であり︑乙のためには地方公営企業法を適用して︑その経営成績及び財政状態を表はす︑損益計算書︑貸借対照表
を作成し︑それらの明示を要求されるのである︒しかしこのような地方公営企業のめざましい拡充発展の反面︑そ
の経営状態は悪化の傾向をたどっている︑赤字事業数は昭和三十八年度において全体の四割︑その赤字額は単年度
千J
1
<ヰミ題aAJ"ffi者海J い 111
‑tJ1
く古屋a!:d.細心"11
士盟加料話相8 1
~コミ史上~..w肖へとやニl'Q0 (滋同~\1tl奇怪)第五表法適用企業の事業別累年損益収支の状況(単位百万円)
在︑司一豆心誤認 Q 治相判明伺 Q
事?ととご耐土立
i
昭和均年度l
昭和お年度sBfD36
町昭朝日戸│町野度I (B)
ーは)(13
1)3
,680 (164) 4
,491 (420) 1
,329 (439) 146
ム1
,163
水業道一事純利益(1 17) 3
,840 (143) 4
,1321 (24
0)5
,315 (28
0)3
,442 (29
1)3
,596 (1
1)147
純損失(14) 160 1
~~~~(74) 824 (133) 2
,113 (143) 3
,450 (10) 1
,337
工水業業道事用j
損純益収利支差益引 ←(2
0)185 (20 232 (23)
b.36 (28) 243 279
公一
(16) 224 (1
1)397 (13) 240 (16) 544 (3) 304
純損失(4) 39
(7)165 (8) 276 (9) 301
(1)25 (64) 795 (69) ム~ '~~~i :~:: 5
,324 (9
0)ム8
,192 (9
0)ム12
,777
交業通事純利益(3
7)1
,078 (2
1)1
,283] (24) 683 (24) 116 (24) 356 240
営純損失(2
7)283 (28) 2
,547 (6
0)6
,007 (65) 8
,308 (66) 13
,133
(1)4
,825 (24)
1,118 (28) 1
,259 (3
1)1
,663 (33) 1
,523 (34) 2
,013 490
円実主主メ三印百了純利益
(2
1)1
,165 (28) 1
,259 (29)
1,714 (3D 1
,548 (34) 2
,013 (3) 465
企純損失(3) 47
一(2) 51
(1)25
一(ム1)ム25 (2
0) ム76 (32) 72i (38) 941 (42) 157 (48) 130
ム27 ガス市
計純利益(1
0)371 (18) 126 (2
0)153 (25) 200 (32) 172
(7) ム28
業 業純損失(1
0)113 (14) 541 (18) 591 (17) 431 (16) 421C
ム1)b.1 (239) 5
,517 (313) 4
,297 (496)
1,1561(608) b.5,239:(639) b.10,245 ム5
,006
小計純利益(185) ι12 日日出 (226) 8
,2621(373) 5
,5261(39
7)6
,681 (24)
1.155
純損失(54) 603! (8
7)2
,7271(16
1)7
,1061 (224) 10
,765; (234) 16
,926 (1
0)6
,161
111
‑¥J‑¥J111
‑'tJ<5 0
5I C注)1.かっこ内は、事業数である。たた手し、事業数の累年比較上損益収支差引には建設中の事業数を、純利益及び純損失には損益零の事業数及ぴ建設中の事業数を含まない。
2.
資料:地方分室企業年鑑(昭和38
年度)飾帯*~~tとt-Q--V結同制下J♀みのベJ~心P泣~K><用~~~~耗j現81111鼎料五二千尋...o~g叶恒三6~0μニい~~-v~
1~f.脅さ~~罰~1窓越さ~gr~~今~~型包111話8.料:副長ト~~心~
*'
8Eì者~+長bド邸士~1(><~晋11同平~æ(叶E忠IT~~話相8111~~
1
次)~今~1型fく同也æ(ug:<~ 11~)保温1Hく~æ(~<~11
次)~~ゃい~~~叶1世話~まミYいFニ千尋...01
く罰 言、扇町同年度l
昭和3
附aBfIJ36
州問1ZF
皮l
噌;眠卜B) ー ω
(26) 70 (49) ~ 2371 (6
7)~ 123 (115) ~ 3271(165) 企 300 2
病業院事純利益(19) 901 (2
0)70: (38) 206 (62) 3301 (98) 633 (36) 30
浩
組損失(7)20 (29) 307 (29) 329 (52) 657 (66) 933 (14) 27
公水斗フR悟共道下事H純c~益収利支差ヨ益l(1
0)80 (1
1)71 (16) 141 (17)
ム378 (18) ~ 877
ム49
公
(6) 154
(7)1131 (2) 235 (3) 5 (4) 61
(1)純損失
(4) 74 (4) 221 (8) 383 (9) 883
(1)50
半仁~営のそ準企の公業也
I
損純益収利支差益引(13) 181 (25) 4131 (44) 668 (62) 1.387 (83) 1.670 28 (1
1)182 (19) 464i (33) 733 (43) 1
・吻82
側 1.吋24) 29
企 純損失
(2) (6) 511 (9) 65 (17) 1151 (23) 1231(14) (49) 131 (85) 183
1(12
7)559 (194) 682i(266) 493
ム18
業小計純利益
(36)
28569244958 6581 1
!!(46)
昨3) 1
・1741(1m)1m7(162)2
,432 (54) 59
純損失
(13) (39) 464[ (46) 615! (77)
1.1551 (98)
1.939 (2
1)78 (288) 5
,848(398) 4.480: (623)
1.715: (802)
ム4.5571(905) ~9. 752
ム5.19
合計純利益
(221) 6
,546: (272) 7.671 i (39
7) (78) 1.75
純損失
(6
7)(126) 3.1911(20
7)7.7211 (30
1)1
1.920: (332) 18.865 (3
1)6.94
nHU
unHUn 円ベ
同dFhJV
v
じ
ブL
公企業会計の現状と問題点
第
6
表事業別にみた法適用企業の決算状況(そのー) (単位百万円)両¥」子│水道│問│交通│電気│ガス│病院│下水道 ω ! 他 │
計 純 利 益jta(11i(iiidifi( 存 itil(9i191i fI1i
純 損 失
3 ( 1
,4 4 5 3 ) 0 3 ( 9 0 ) 1 1 3 (
,6 1 6 3 ) 3
ー( 1 4 6 ) 2 ( 6 9 6 3 ) 3 8 ( 9 8 ) 3 ( 2 1 2 3 ) 3 1 8 ( 3
,8 3 2 6 ) 5
累 積 赤 字 額
6
,4 6 3 1 7 0 1 1 2 5
,7 4 9 1 4 6 1 2 2 6 1 2
,6 2 1 1
1. 50 3 1 2 5 9 1 3 7
,5 6 8
赤字事業数の割合
3
1.9 3 2 . 1 7 3 . 3 ‑ 1 3 3 . 3 4 0 . 0 5 0 . 0 2 7 . 7 3 6 . 7
2
訳祭也f
収語若益手対字総2 Z Z
即Z F
き日比収i1 ∞ M 8 2 2
1 7 . 7 3 9 . 1 1 0 . 3 7 . 3 8 . 2 1 2 8 . 2 2 0 . 0 1 8 . 9 1 4 . 2 6 7 . 5 1 7 . 1 0 3 . 4 8 4 . 5 1 1 1 3 . 2 1 0 1 . 1 9 9 . 1 1 9 0 . 0 1 1 4
.49 6 .
〔注
J(
)内は事業数を示す。 t:';.'し、建設中の事業は含まない。昭和3 8
年度、地万公営企業年鑑
p . 7
(その二)累積赤字額の 事業別内訳とその推移
総額 3 7 6 f . i J 円
A28 億円( 7.3%) (その他)""ろ 126 億円 ( 7 . 0 % )
% 4 0
(病院 )~ÆW65 f.û円 (7.3%)
3 0
総 額 250m 円
総額 6 0 億円
、 r
3 5 3 6 3 7
度
年
度年
度年
(その三)営業収益に対する 累積赤字の割合
3 9 . 1
3 5 3 6 3 7 3 8 年
度
年
度年
度年
度/¥
O
乃至七割の増加を示している︒乙の結果︑総収益対総費用比率も︑交通(八四︑五%)病院(九九︑一%)は前年
度にひきつY
いて
︑
六表参照) 一OOMの線を下廻り︑水道(一00︑二%)は辛ろじて一00%の線を維持している︒
また︑資本的収支においては︑最近の地方公営企業の急速な伸展を背景として︑
よ
¥ J ? │ 3 7
年度金 制13 8
年度l‑ 3 7年度( 3 8
年度百万円)3 8 / 3 7
建 設 改 良 質
1 6 7
,1 7 9 2 1 2
,9 4 6 8 5
.48 4 . 9 2 7
.4本 支資的出
企 業 債 償 還 金
1 7
,8 5 0 2 4
,7 0 7 9 . 1 9 . 9 3 8
.4そ の 他
1 0
,6 4 8 1 3
,0 3 3 ! 5 . 5 5 . 2 2 2
.4計
1 9 5
,6 7 7 2 5 0
,6 8 6 2 8 . 1 1
内 部 資 金3 7
,3 4 7 3
,6 1 6 1 9 . 1 1 7
.4 一1 6 . 8
上2
外 部 資 金1 4 8
,5 8 1 1 9 5
,6 2 6 7 6 . 7 7 8 . 0 3
1.7
(企業E債 分 )
1 1 5
,5 0 1 1 5 4
,6 6 1 5 8 . 8 6
1.7 3 3 . 9
記 (他会計出資金)
1
,6 7 5 7
,3 7 4 0 . 9 2 . 9 3 4 0 . 2
財 ( グ 借 入 金 )
6
,0 2 8 5
,5 4 1 2 . 2
.6.8 . 1
( グ 補 助 金 )
3
,9 7 9 2
,5 7 1 2 . 0
1.0
.6.3 5 . 4
源
3
資 金 不 足9
,7 4 8 1
1.4 4 1 4 . 2 4 . 6 1 7
.41 9 5
,6 7 6 2 5 0
,6 8 6 1 0 0 . 0 1 0 0 . 0 2 8 . 1
法適用企業の資本的収支の状況(単位 第
7
表資料:地方公営企業年鑑(昭和
3 8
年度)p . 8
〔注〕
昭和三十八年度は建設改良資及
法適用企業資本的収支における資金不足の状況
事\業\\\\\項~-目 I 資金O不)足額 I 資本(的
b )
支出I
資a
金/b
不x
足1 0
率0
水
1
、g・
百3
万.49
円5 3 9 . 6 7
工 業 用 水 道
4 1 2 3 1
,2 1 5
1.3
タ と
通5
,1 7 3 3 7
,4 5 8 1 3 . 8
氾 気
3 2 2 5
,8 8 8 0 . 1
ガ ス 9 0 1
,5 7 8 5 . 7 1
病 院
8 2 7 6
,6 8 5 2
.4公 共 下 水 道
1 0 6 2 0
,9 0 8 0 . 5
そ の 他
1
,3 0 6 3
1.7 8 7 4 . 1
言
十
1
1.4 4 1 2 5 0
,6 8 0 4 . 6
第
8
表( 第 資料:地方公営企業年鑑(昭和
3 8
年度)p . 9
E注〕
公企業会計の現状と問題点
第10表企業白現在高の借入先別内訳
7 . 1 % ( 6 8 2 憶円)
第9表企業白現在日の事業別内訳ぴ企業債償還金が大巾に増加したが︑反面その財源の面では損益収支の悪佑の
忍山
山由
浦ゆ
ための内部資金比率(│1Ill‑)ま︑さらこ臣下し︑このため財源不足一一崎U
寸
B U
何E l ' v {
四億円を生じたのである︒これは一時借入金等の短期資金によって措置された
ものであるが︑前年度の九七億円に比べてもさらに増加しており︑資本的収支
資料:いづれも地方公営企業年鑑(昭和
3 8
年)p . 9
が不健全化の万向へ一層進んだといえる︒特に交通︑五二億円︑水道事業三五
億円︑病院八億円︑ガス事業九千万円と資金不足が著しく目立っている︒
( 第
七表︑第八表参照)
つぎに借入資本金(企業債現在高)をみるに︑昭和三十八年度末の地方債現
在高は九︑五五一億円であり︑前年度末右︑五二二億円に対して一︑O二九億
円二六︑五%の増︑前々年度の五︑九六七億円に対しては六O︑一%の増であ
る︒これを事業別にみると︑三十八年度末では水道が最も多くて︑二︑九九五
億円(全体のゴ二︑四%)︑つづいて港湾整備一︑四七四億円(同一五︑四%
)電気一︑四三O億円(同一五︑︒%)交通九八二億円(同一O︑三%)とな
っている︒又借入先別では︑政府資金が全体の約半ば四︑八六五億円(五O︑
〔注〕
(うち︑資金運用部三O︑八%簡保二ハ︑七%)
九%
)を
占め
︑
つづいて市場
公募債一︑五四六億円三六︑二%)公営企業金融公庫一︑O四六億円(一
一︑O%)となっている口(第九表︑第十表参照)
/¥
自己資本構成比率( 自己資本 }の推移
1
資本+負債l
L
よ¥ J T T │
加 i二 件 4 i f & [ 3 5
時│初年中7
年438
開水 道
73% . 1 62% . 7 58% . 4 54% . 6 49% . 3 38% . 0
工 業 用 水 道 一
‑ 1 2 6 . 8 3 0 . 3 3 0 . 6
会 ζ
通7
1.9 5
1.6 4 3 . 7 3 3
.42 3 . 0 1 9 . 0
電 気
2 7 . 2 1 3 . 2 1 2 . 6 1 2 . 5 1 2 . 0 8 . 7
ガ
「 ス 5 2 . 5 1 6 . 8 1 4 . 7 1 7 . 2 1 8 . 0 1 8 . 9
ヨi 院
4 2 . 8 3 3 . 5 3 0 . 7 2 6 . 5 2 8 . 1 2 9 . 1
公 共 下 水 道
8 9 . 3 7 2 . 8 6 5 . 6 6 0 . 1 5 6 . 5 4 3 . 5
そ の 他
1 5 . 8 6
.46
.44 . 9 5 . 0 5 . 9
全
ヨ
I 業6 7 . 9 4 6 . 6 4 2
.43 6 . 3 3
1.9
/ ¥ .
このような借入金の増大の結果昭和三十八年度末の貸借
対照表では︑法適用企業にあっては︑借入資本金は総資産
の半ば以上(五五︑二形)に達し︑自己資本金は約四分の
(二四︑八%)となっている︒この結果自己資本構成比率E日減社
( l i l i ‑
‑ )
は昭和三十年度の六七︑九%から三七年度油部+蹴持三一︑九%︑一二八年度二八︑八%とここ数年間急カl
ブで
低減している︒(第十一表参照)
第
1 1
表一時借入金の増大を反映して︑資金ぐりも苦しく
部盟浦岡その支払能力の状況をあらわす流動比率
(1 11 11 )
も
割 問
白
m
m
交通及び病院は企業経営上てゐその限界と考えられるとこ
また
︑
ろの一00%の線を大きく割り︑それぞれ三二︑
一%
六
二︑四%と低率であり︑水道事業も一
OOM
の線を一応維持しているとはいうものの三五年度の二00%台から一二八
年度には一一四︑八
固定資産対長期資本比率
E
消滅関 M m へと急激に低下してきている︒また( 1 1 1 1 1 )
も交通及び病院はいづれも一00%を上廻ってそれぞれ一一七︑白山崎対+国尚油田二%及び一二ハ︑三%となっており︑このことは固定資産の一部が一時借入金等の短期資金の回転によってまかな
われていることを示している︒(第十二表参照)
流 動 比 率
1 1 4 . 8
% 法適用企業の資金繰りの状況‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑ 比率l固 定 資 産 対l
事業 1 ¥一一l長期資本比率│
9 8 . 9 %
第
1 2
去:、~ttl
' k
v
︐
J1 5 5 . 1 9 6 . 1
工業用水道
3 2 . 1 1 1 7 . 2
通
ク 〈 こ
2 0 6 . 8 9 7 . 2
円三, 気
t
日47 8 . 2 1 0 3 . 3
ガ ス
6 2
.41 1 6 . 3
病 院
1 5 4 . 9 9 6 . 7
公共下水道
2 2 8 . 6 1 2 4 . 8
このような経営悪化に対応して︑累積赤字解消のた
4 3 . 0
I } 6 . S
I資料:地万公常企業年鑑 (昭和
3 8
年)p . 1 1
めの一般会計からの補助金ならびに負担区分の適正化
の観点による一般会計からの負担金山資金
(と
くに
病
山凶
︐
41t業
院事業)が増化し︑損益収支に対しては︑前年度の三
の
事
一億円から四七億円に資本収支に対しては前年度の
一七億円から一五五億円へと︑
いや
つれ
も増
加を
みせ
て
ユ 二
丹、〔注〕
ーる
最後に公営企業と本邦主要企業との各種の財務比率 口
の比
較す
るに
︑
総括的にみて公営企業が本邦主要企業そ
にくらべて劣っているように思われる口特に固定資産
公企業会計の現状と問題点
十三表参照) 構成比率及び固定比率がかなり高いという特質と総資本利益率が︑きわめて低いという特質があらわれている口
( 第
四︑地方公営企業経営悪化の原因と問題点
諸点をあげている︒ このような経営悪佑の原因を︑自治省の作成した﹁地万公営企業年鑑(昭和三八)
は
一般的傾向としてつぎの
j '
、公営企業と本邦主要企業の財務比較
よ
¥ T l
臨 時 劇 院 内 勤 比 率 同 盟 諸 皇 室 隣 諸 草 全事業8 6
.42 8 . 8 3 0 0 . 2 1 2 4 . 8 0 . 2 4 1 6 0 . 0 0 9 6 . 0
水道業
9 3 . 1 3 8 . 0 2 4 5
.41 1 4 . 8 0 . 1 9 0 . 0 0 1 0 0 . 2
公 工水業道用
8 9 . 9 3 0 . 6 2 9 4 . 3 1 5 5 . 1 0 . 0 6 0 . 0 0 1 0 3 . 4
営 交通業
9 2 . 9 1 9 . 0 4 8 9 . 2 3 2 . 1 0
.46
ム0 . 0 8 8 4 . 5
電気業
9 4 . 7 1 2 . 2 7 7 9 . 0 2 0 6 . 8 0 . 1 1 0 . 0 1 1 1 3 . 2
企 ガス業
8 9 . 0 1 8 . 9 4 6 9 . 5 7 8 . 2 0
.42 0 . 0 2 1 0 1 . 1
業 病 院
8
1.0 2 9 . 1 2 7 8 . 2 6 2
.4 1.0 3 企 0 . 0 1 9 9 . 1
下 水
9
1.1 5 2 . 0 1 7 5 . 1 1 5 4 . 9 0 . 0 6 β 0 . 0 1 9 0 . 0
その{也
2 9 . 8 5 . 9 5 0 4 . 2 2 2 8 . 6 0 . 9 4 0 . 0 4 1 1 4
.4全事業
4 9 . 0 1 2 7 . 4 3 1 8 8 . 1 6 1 0 5 . 7 3
1.8 6 4 . 4 2
木
言E 出みE『
1 v
旦h却元を三4 4 . 6 0 2 8 . 7 2 1 5 5 . 1 8 1 1 4 . 6 8
1.5 8 5 . 3 9
主 鉄道業
7 3 . 7 7 2 6 . 5 0 2 7 8 . 2 6 7 9 . 7 6 0
.40 3 . 1 8 1 0 8 . 3 5
要 道路運送
5 3 . 4 8 3 8 . 7 0 1 3 8 . 2 2 1 1 8
.48
1.5 8 5 . 9 5 1 0 6
.48
i人L
業 円I.Q今,主J主<~
9 2 . 7 8 3 2 . 4 7 2 8 5 . 2 4 5 5 . 6 6 0 . 2 1 3 . 5 0 1 1 2
.44
ガ ス
7 8 . 0 2 4 3 . 4 0 1 7 9 . 7 4 9 7 . 2 8 0 . 3 8 6 . 9 7 1 1 3 . 3 1
第
1 3
表資料出所:地方公営企業年鑑
( 3 8
年度)本邦主要企業は日銀
( 3 8
年下期分)の資料ji、
四
ト)
給与改訂による人件費
の増加︑材料費︑物件費の騰
貴等コスト上昇が前年度にひ
ぎつ
J Y
き著しきこと︒職員給与は前年度に比べて二三︑
%増加し︑賀用中に占める剖
合も前年度の四
O
︑五M汚か
ら
四
O
︑七%に哨大し︑三十五年度以降の仰ぴ率においても
費用の中では支払利息と説ん
で八
七︑
五%という高い伸び
をみせている︒(第十四表参
ωこれに対応して経営の合 照
理佑が各企業において︑ある
程度進められたが︑まだ十分
でな
いこ
と︒
公企業会計の現状と問題点
法適用企業における究用問成の推移
よ!?i 叫 36i~:& 1
3 7
年度│吋JJ
よ職員給与D1.
42% . 3 41% . 5 40% . 5 40% . 7 2 3 . 2 8 7 . 5
支 払 利 息
1 2 . 9 1 3 . 9 1 3 . 9 1 4 . 0 2 3 . 1 1 1
1.7
減価償却究
1
1.7 1
1.8 1
1.6 1 0 . 9 1 5 . 6 8
1.5
そ の 他
3 3 . 1 3 2 . 8 3 4 . 0 3 4
.42 4 . 8 1 0 4 . 2
計
1 0 0 . 0 1 1 0 0 . 0 1 0 0 . 0 2 2 . 9 9 5
.4ω施設の急速な拡充︑発展に対応して企業債の元利償還が企業経営に大
第
1 4
表きな負担となっていること︒これは特に水道︑下水道︑地下鉄についてこ
の傾向が強いこと︒ωこのような原価の高騰に対応して︑料金改訂を必要とされる段階にき
E
注〕資料:地万公営企業年鑑(昭和3 8
年)p . 1 3
た企業にあっても︑種々の事情から︑乙の改訂が見送られたこと︒ωこのような経営悪佑を反映して︑
不良
債務
︑
一時借入金の額が急増し
乙れの利子負担が企業経営に重圧となり︑赤字を生むことになったこと︒
以上述べられていることは︑地方公営企業経営悪犯の原因としても当然
のことと思われるが︑われわれは特にこのうちから問題点として取りあげ
たいと思うのはつぎの二つである口
付地方公営企業の公共性と営利性(企業性)の問題
口経営合理化の不充分な点である︒
先づ第一の問題点である地方公営企業の公共性と営利性の問題であるが
乙の問題は公営企業を考える︑どの識者も一様に考えさせられる問題であ
る︒地方公営企業が周知のように永年の赤字にもか﹀わらず料金改訂が見
送られ︑更らに昭和三十九年になって︑なお一年間公共料金のストップ令が出された︒これは名目的には一般物価
上昇が公共の利益に反するものであり︑公共料金の引上げが物価上昇をもたらす以上︑公共の利益に反するという
八五
ー ︑ ﹂ ︑
F/↑ノ
理由であった︒いわば公共の福祉の増進といった公企業の一般目的に照らして︑公営企業料金のストップ令が出さ
れ︑その結果として︑公営企業が赤字を年々累積し︑営利性乃至企業性を侵害されることとなってきたことはいう
までもない︒端的にいわば公共性が営利性(企業性)を侵害したことである︒
こうした事実をまえにして︑われわれは︑地方公営企業がその企業性を佼害してまで︑公営企業料金を永年抑制
きれなければならないかどうか考える必要がある︒地方公営企業は地方住民の福祉を目的とすることは勿論である が︑同時に企業としての経済性を発揮することが必要である︒このため地万公営企業法を適用して︑その経営成績 と財政状態を明らかにすることが先づ要求されるところであり︑その会計処理手続きも︑大体企業会計原則の定め た通り行われるのである︒すなわちこのことは︑地方公営企業の独立採算制を前提として考えられていることであ
こ﹀にいう独立採算制とは経済的意味のものであって︑財政的怠味のものではないのである︒経済︑経営︑会計 る ︒
の理論と技術を基盤としている経済計算の上に立っているのであって︑
( 注 1
)
と遊離したものでない︒ 財政的志味の独立採算制のCとく経済計算
公営企業が独立採算制をとる場合︑自分の経費を収入でまかなうものであるが︑本来公営企業は︑国民経済ない
し地域経済の発展に応じた自己発展の財源を自力で調達し︑又は苔積して行かなければならないので︑それを実現
するためには損益計算的収支の均衡のみでは不充分であって︑拡大再生産のための適正利潤を考えた収支均衡が必
要であると思われる︒
ただこの若干の利潤の獲得を認める場合︑乙れは公共料金の改訂を通して行われるものであるが︑その額︑内容
手段︑時期等の検討が必要である口公営企業料金をできるだけ安くすべきであるとの主張はもっともであるが︑
公
営企業の企業としての存立︑維持を危くし︑営利性(企業性)を無視してまでも︑
公営企業料金の抑制を主張する
( 注 2
)
のは︑意思表示の正確性と科学性を欠くものといわざるを得ないと論ずる学者すらある程である︒
政府もやっと昭和四十年春から公共料金のストップ令を解除し︑国鉄等の値上げを考えるようになったのは止む唱
を得ない迎切な処置といわ︑ざるを得ない︒
つぎに釘二の経営合理佑の不充分という問題であるが︑
地万公営企業は﹁常に企業の経済性を発揮する﹂ことを
法第三条によって義務づけられているが︑経営者の合理化への努力が充分とはいえないことである︒
乙れは各県の監査委員の地方議会に対する監査報告書の意見書のうちに︑
しばしばみられることで︑各委員とも
今後一一回経営合理化の面に検討を加え︑
企業の健全化に特別の努力を望んでいることでもわかるのである︒このこ
とは前述の地万公営企業と本邦主要企業の財務率比較表でも判明するように︑
総資本利益率が全事業平均を地万公 営企業が
O
0
0
なるに
︑ 本邦主要企業が四・四二%であること及び各種公益事業と比較しても各段と劣っている 公企業会計の現状と問題点
のでみる口このことは制度上の問題がないわけではない︒
その一つは公営企業の独立採算制の概念が自主性と責任
を背宗とした財務管理方式として理解されていない点である口その上経営者(又は管理者)の任期が短かく︑且つ
適任者が少ないためともいわれるが︑このような乙とが一層経営を困難ならしめている︒
さらに第三の問題点として指摘し得るのは︑
自己資本の不足及びこれを補うため企業債の増加があげられる︒す
でに述べたように最近の地万公営企業の発展を背景として建設改良資や企業債償還金が大巾にふえた反面︑
その財
源では損括収支の思化のための資本的支出に占める内部資産の比率︑
すなわち内部資金比率は︑昭和三七年で一九
/¥
七
1¥
l i
、‑一%︑昭和三八年で一七・四%へ落ち︑したがって不足分は借入金の増大となり自己資本構成比率も昭和三七年
で一三・九%︑昭和三八年で二八・八%と悪化している︒その原因の一つは累積する赤字経営にもとめられるが︑
他の一つは地方公共団体の公営企業に対する出資不足があげられる︒一般に公企業の資本金(地方公営企業にあっ
ては自己資本金)は私企業のそれのように利潤を目的とするものでなく︑公共目的を達成するためのものであるが
それが過度に少ないということは︑企業としての基礎をあやうくするものといわねばならない︒
つぎにこの自己資本金の不足を補うために企業債が年々増加していることである︒これもすでに述べた辺りであ
るが︑昭和三八年度末の企業債の現在高は九︑五五一億円で昭和三八年度末の貸借対照表では︑法適用企業にあっ
ては借入資本金は総資産の半ば以上(五五・二%)に達している︒これは昭和三六年度五︑
九六
七億
円︑
昭和三七
年度
末七
︑ 五五二億円に対し︑それぞれ六0・一%及び二六・五%の増加となっている︒このように借入資木の泊
加は支払利息の増加となって赤字経営に益々拍車をかけることになる︒
第四の問題点として考えられるのは︑一般会計と地方公営企業会計との負担区分の明確化が必要であることであ
サ ︒ ︒
すなわち地方公営企業が地方議会や地方行政機関との結びつきが強いため︑その影響下にあって︑完全な独立採
算制がとり入れ難い点である︒地万公営企業の基本計画が地万一議会によって定められ︑経営者(管理者)があると
はいえ︑執行総限をもっ最高責任者は︑地方公共団体の長である乙とである︒
乙の最もよい適例として筆者の調査した︑ある県の公営企業において︑本来ならばその県の一般会計から支出す
べき金額を︑寄付金の名称をもって︑その公営企業が赤字経営なるに拘らず︑その額を公営企業に負担させ︑その
地方議会で問題化したとと︑きである︒
( 注 1
)
公企
業料
金の
可及
的低
廉化
をめ
ぐっ
て︑
竹中
龍堆
稿
N産
業経
理
d第二五巻一号
2 ( 注
)
同上
五︑結
三五
日ロ以上によって地万公営企業会計の現状︑その経営悪化の原因と問題点について論及したが最後にそれらの問題点
の解決策(乃
. E )
改善策について探究してみたい︒
さきに自治相の諮問機関である地万公営企業制度調査会は昭和四十年十月十二日の総会で︑地方公営企業の制度
および巡常の改善と財政の再建策について︑自治相に答申した︒その答申の重なる内容はつぎの通りである︒
一︑地方公営企業は独立採算制に徹し︑公共の福祉増進の見地から運営すべきで︑そのさい一般会計との負担区 公企業会計の現状と問題点
分を明確にすべきである︒
二︑企業の適正な規模と配置を確保するため︑広域経営方式を積極的に採用すべきである︒大都市交通は将来バ
ス︑路面電車︑地下鉄をふくめ︑一元的経営が望ましい︒
三︑地万公営企業は原則として地方公共団体の直接経営が望ましいが︑大規模企業では地方公共企業方式(間接
経営)を考慮すべきである︒
四︑料金は原価主義を原則とし︑合理的な料金決定をすべきである︒国による料金の許認可は廃止し︑国は物価
一八 九
三九O
政策の立場から合理的な料金改定を抑制すべきではない︒
五︑地方公営企業は少数精鋭主義の徹底︑不合理な手当ての廃止︑年令構成の合理佑︑人件費の節減など経営の
合理化を徹底させなければならない︒
六︑赤字企業は財政再建計画を策定し︑国はその実行を条件として財政再建債の許可︑利子補給などの措置を講
ずる︒財政再建をしない企業には︑国は援助を与えないようにする︒
乙の答申に基づいて自治省は昭和四十年十一月二十日﹁地方公営企業健全佑対策﹂を発表した︒乙れはさきの地
方公営企業制度調査会の答申にそったもので︑赤字に悩む地方公営企業の赤字解消を図るとともに︑その経営の他
全化を確立するための抜本的対策を示したもので︑その骨子とするものはつぎの通りである︒
一︑地万公営企業の経営基本原則に独立採算制を規定するなど︑地方公営企業法を根本的に改正する︒
二︑その資金を確保するため企業債を呈︑質の面で改善する︒
三︑膨大な建設資金を要する地下鉄︑上水道事業に対しては︑国が財政援助を行う口
四︑これまでの赤字をタナ上げするため再建債の発行を認めるなどの措置を詰ずるため︑地方公営企業再建特別
措置法を制定する︒
自治省はこれによって︑答申の趣旨がほY生かされるとみている︒
さきの地方公営企業調査会は地方公営企業のあり方として︑企業会計と一般会計などとの負担区分を明確にする
とともに︑特殊な場合における国の財政負担を認めながらも経営の合理化︑料金の適正化などの措置により独立採
算制の原則を貫くべきだとしている︒