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て か ら体 調 が 増 悪 して い く子 ど も を看 続 け た 母 親 の 判 断 一

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全文

(1)

別 紙 様 式1(修 士 申 請 者 用)

修 士 学 位 論 文

医療 的 ケ ア を必 要 とす る子 ど もの 体 調 の 変 化 に初 め て 直 面 した 母 親 の判 断 に 関す る研 究

一 生 命 の 危 機 か ら子 ど も を 守 る た め 、ア レお か しい と気 づ い

て か ら体 調 が 増 悪 して い く子 ど も を看 続 け た 母 親 の 判 断 一

(西暦)2015年12月17日 提 出

首都 大 学 東 京 大 学 院

人 間健 康 科 学研 究 科 博 士 前 期 課 程 人 間健 康 科 学 専 攻 看 護 科 学域 学 修 番 号:14894607

氏 名:田 中 道 子

(指 導 教 員 名:河 原 加 代 子 教 授

)

(2)

要 旨

本 研 究 の 目的 は 、 医 療 的 ケ ア を必 要 とす る子 ど もの 体 調 の 変 化 に 初 め て 直 面 した 母 親 が 、 そ の 時 の 状 況 を どの よ うに判 断 を して い る か を 明 らか に す る こ とで あ る。

方 法 は 、NICUに 入 院 中 か ら在 宅 に お い て も 医 療 的 ケ ア を 必 要 とす る 超 重 症 児 と準 超 重 症 児 を 養 育 す る 母 親3名 を 対 象 と し、 質 的 研 究 デ ザ イ ン を 用 い た 。

結 果 と して 、 母 親 が̀ア レお か しい'と 気 づ い て か らみ る み る うち に体 調 が 増 悪 す る子 ど も を 看 続 け た 母 親 の 判 断 は 、7個 の カ テ ゴ リー と22個 の サ ブ カ テ ゴ リー 、 体 調 の 変 化 が 重 篤 な 状 況 の 母 親 の 判 断 は6個 の カ テ ゴ リー と14個 の サ ブ カ テ ゴ リー が 抽 出 され た 。

母 親 は 自 らの 五 感 を 使 っ て 子 ど も の 体 調 の 変 化 に す ぐ さ ま気 づ い て い る こ と、 母 親 は 子 ど もが 入 院 中 、 看 護 師 か ら の 指 導 を 断 片 的 に捉 え て い る こ とや 、 母 親 が そ の 子 ど も の き ょ うだ い を 育 て た 経 験 か ら健 常 児 の 場 合 と同 様 に 判 断 し、 子 ど も の 生 命 の 危 機 を 予 測 す る の を 困 難 に して い る こ とが 明 らか に な っ た 。

よ っ て 、 母 親 の これ ま で の 経 験 が 統 合 され 、 今 後 の 子 ど も の 安 全 と安 楽 を 守 る判 断 に活 かせ る よ う退 院 前 か ら支 援 す る こ と が 必 要 で あ る。

キ ー ワ ー ド:医 療 的 ケ ア の あ る 子 ど も 、 母 親 、 判 断 、 経 験 、 訪 問 看 護 師

(3)

Abstract

Thepurposeofthisstudywastoclarifyhowmothers,inthefaceoftheirchildren requiringmedicalcareforthefirsttime,madejudgmentsduringthesesituations.

Thisstudyusedaqualitativedescriptivedesigntothreemotherswhoraised childrenwithseveremotorandintellectualdisabilitiesandmedicalcare dependentgroups(SMID‑MCDG)andtheassociateSMID‑MCDGthatthe NICUrequiredmedicalcareasforbeingathomefromalloverthe hospitalization.

AsaresuItatotaIofsevencategoriesand22subcategorieswereidentifiedfor judgmentsofmotherswhocontinuedtotakecareoftheirchildasthechild's

healthconditionquicklydeterioratedafterthemothernoticedsomethingstrange andsixcategoriesand14subcategorieswereidentifiedforjudgmentsof motherswhosechildhadaseriouschangeinhealthcondition.

Thefindingsshowedthatmothersquicklynoticedchangesintheirchild'shealth conditionbyusingtheirfivesenses,folIowedonlypartsoftheguidancethey

receivedfromnursesduringthechild'shospitalization,andhaddif「icultymaking judgmentsinthesamewayasforhealthychildrenbasedontheirexperience

raisingthechild'ssibling(s),andpredictingthreatstotheirchild'ssurvival.

ltisthereforenecessarytoprovidesupportfromthepre‑dischargeperiodfor integratingthemother'spreviousexperiencesandapPlyingthemtojudgments forprotectingthesafetyandcomfortofthechildinthefuture.

Keywords=childrenrequiringmedicalcare,mother,judgments,experience, homevisitingnurse

(4)

目次

1.は じ め に ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

ll.用 語 の 定 義 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

皿.研 究 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

1.研 究 デ ザ イ ン ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

2.研 究 対 象 者 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

3.デ ー タ の 収 集 期 間 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

4.デ ー タ の 収 集 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

5.デ ー タ の 分 析 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

6.倫 理 的 配 慮 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

IV.結 果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

1.対 象 者 の 概 要 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

2.分 析 の 結 果A氏 とC氏 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

3.分 析 の 結 果 重 篤 な 状 況B氏 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

V.考 察 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

1.生 命 の 危 機 の 予 測 を 難 し く し た 母 親 の 経 験 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

2.超 重 症 児 、 準 超 重 症 児 の 生 命 を 守 る た め の 母 親 の 観 察 ・ ・ ・ ・ ・ …

3.看 護 へ の 示 唆 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

VI.研 究 の 限 界 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

『皿

.結 論 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

謝 辞 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

文 献 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …

資 料

123334122223333334899111111

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1.は じ め に

重 症 心 身 障 害 児 や 超 低 出生 体重 児 等 は 呼 吸や 摂 食 に 障 害 が あ る こ とが 多 く、 そ の 中 には 常 時 医療 的 ケ ア を必 要 とす る子 ど もた ち が い る。 彼 らは身 体 の恒 常 性 を保 ち に く く、 感 染 症 な ど二 次 的 に起 こ った 体 調 の 変 化 が 生 命 の危 機 に直 結 し易 い(東 京 都 福 祉 保 健 局,2013)。

母 親 は 常 に 子 ど もの 体 調 の 変 化 に気 を配 り、 体 調 の 変 化 に早 期 に気 づ き、 的確 な判 断 が求 め られ る こ とに な る。 今 日、 医 療 的 ケ ア を必 要 とす る子 ど もの 母親 は 、入 院 中病 院 に お い て 医療 的 ケ ア の技 術 や 子 ど もの 体調 に 対 す る判 断 の 仕 方 に つ い て 多 くの 指 導 を受 け て い る。 退 院 支 援 に お い て は 、退 院 後 に予 測 され る こ とを見 越 した支 援(廣 田,村 嶋,永 田,戸 村,2010)や 、 子 ど もの捉 え方 を 医療 者 と共 有 す る こ と(奈 良 間 ら,2010)が 重 要 で あ り、退 院 前 か ら細 や か な 支 援 が行 われ て い る。 母 親 は退 院 後 、幾 度 とな く子 ども の体 調 の変 化 を経 験 して い る。 と りわ け、在 宅 にお い て 子 ども の生 命 の危 機 が予 測 され る よ うな体 調 の変 化 に初 め て直 面 した 母 親 は 、 戸 惑 い や 不 安 が 大 き な も ので あ る と推 測 され る。 こ の よ うな状 況 の 中、 母 親 は子 ど もの 体調 の 変 化 が 初 めて で あっ て も、 母 親 な りに子 ども の生 命 が 危機 的 状 態 で な い か 否 か の判 断 を して い るが 、 時 に は看 護 師 の 訪 問 時 にす で に子 ど もの 体 調 が 重 度 化 して い る場 合 も あ る。 よっ て母 親 が 初 めて 子 ど もの 体調 の 変 化 に 対 し判 断 を行 う時 、 そ れ に伴 う迷 い や 不 安 を軽 減 で き る よ うな 支 援 が 必 要 で あ る。

退 院 後 に母 親 が初 め て 直 面 す る子 ど もの 体調 の 変化 は 、 医療 者 の い な い 自宅 にお い て初 め て 経 験 す る こ とで あ る。 人 は経 験 した こ との な い 新 しい状 況 下 に お かれ た 時 に は試 行 錯 誤 に よ り それ を解 決 す る こ とは 困難 で あ る。 そ して 人 は そ の 問題 を解 決 し よ うとす る とき、 置 かれ た状 況 を把 握 し、過 去 の 記 憶 を利 用 しな が ら解 釈 を して い る(重 野 純,2012)。 経 験 は、 時 間軸 にお い て連 続 性 が あ り、 未 来 の行 動 に影 響 を及 ぼす こ とか ら(J・ デ ュー イ/市 村 訳,2004)、 問 題 解 決 す る こ とが難 しい と思 われ る初 め て の経 験 は 、そ れ 以 降 の行 動 に影 響 を及 ぼす 重 要 な場 面 で あ る とい え る。 す な わ ち在 宅 にお い て 、母 親 が初 め て子 ど もの体 調 の変 化 を判 断 し対 処 す る 経 験 は、 そ の 後 の 在 宅 生 活 をお くる子 ど もの安 全 と安 楽 に重 要 な影 響 を及 ぼす と考 え られ る。

母 親 は子 どもの 体 調 の急 な変 化 や 病 状 に対 して退 院 後 も不 安 を抱 え てお り、 そ の 体 調 の 変 化 に 対 して 母 親 は 自分 の 判 断 に不 確 か さや 不 慣 れ さを感 じて い る(廣 田 ら,2010;沢 口,2013)と い う現 実 が あ る。 さ らに、 母 親 が 子 どもの 命 を守 る こ と に試 行 錯 誤 して い る時 、 医 療者 か らの 適 切 な 指 導 は重 要 な 指標 とな って い る(平 林,2007)。 しか しな が ら退 院 後 、母親 が初 め て 子 ど

もの 体調 の 変化 に 直 面 した 場 面 に 着 目 した 報 告 は み あ た らな い 。

以 上 の こ とか ら、本 研 究 は在 宅 に お い て 、 子 ど もの 生命 の 危機 が 予 測 され る よ うな 体調 の変 化 に初 め て直 面 した母 親 が 、 そ の 時 の状 況 を どの よ うに判 断 して い るか を 明 らか にす る こ とを

目的 と した。

■.用 語 の 定 義

・判 断

判 断 と は 、 い く つ か の 概 念 ま た は 表 象 間 の 関 係 を 肯 定 し た り否 定 した りす る 作 用 で あ り、

見 極 め る こ と 、 本 質 を は っ き り さ せ る こ と 、 真 偽 を 鑑 定 す る こ と で あ る(広 辞 苑)。 医 療 的

(6)

ケ ア を必 要 とす る子 ど もに対 し、母親 は 子 ど もの 安 全 が 確 保 され て い るか に つ い て 常 に気 を 配 っ てお り、 なお か つ 、 子 ど もが 安 楽 な様 子 で あ るか を観 察 して い る。 これ らは在 宅療 養 を 判 断 す る うえで 必 要 な視 点 で あ る とい わ れ て い る(奈 良間 ら,2012;沢 口,2013)。 本 研 究 に お け る 「 判 断 」 とは 、子 ど もの体 調 に 関 して子 ど もが安 全 ・安 楽 で あ る か否 か を見 極 め よ う

とす る母親 が 、 状 況 を把 握 し、解 釈 し変化 に 対応 して い る こ と も含 む こ と と した。

・医 療 的 ケ ア

経 管 栄養 、 吸 引 な どの 日常 生 活 に 必 要 な 医 学 的 な 生 活 援 助 行 動

(日本 小児 神 経 学 会社 会活 動 委 員 会,2007)

・準超 重 症 児 ・超 重症 児

重 症 度 ス コア(超 重 症 児 ・準 超 重 症 児 の判 定 基 準)

10点 以 上 を準 超 重 症 児 、25点 以 上 を超 重 症 児 と して い る

(日本 小児 神 経 学 会社 会活 動 委 員 会,2007)

皿.研 究 方 法

1.質 的 記 述 的研 究 デ ザ イ ン

2.研 究 対 象 者

在 宅 にお い て 医療 的 ケ ア を必 要 とす る超 重 症 児 ・準 超 重 症 児(重 症 度 ス コ ア10点 以 上)の 子 ども を養 育 す る母 親 と した 。 子 どもはNICUに 入 院 し、 引 き続 き医 療 的 ケ ア を必 要 と した 子 ども と した 。 そ の 理 由 と して 、NICU入 院 児 はそ の 未 熟 さゆ え変 化 も多 く体 調 に関 す る判 断 が よ り必 要 な 状 態 で あ るか らで あ る。 養 育 す る母 親 は 退 院 後 、概 ね3か 月 ま で の 期 間 を過 ぎ、

一 定 の 生 活 リズ ム が で きて い る状 態 で あ る者 と した

。 ま た 、 プ ロセ ス の語 りを収集 にす るに あ た り記 憶 が よ り鮮 明 で あ り、詳 細 を把 握 す る た め に有 効 で あ る と思 われ る在 宅 療 養 期 間 が1年 以 内 の者 と した。

23区 内 で 小 児 の訪 問看 護 を提 供 して い る訪 問看 護 ス テ ー シ ョ ンの 管理 者 に研 究 協 力 を依 頼 し、対 象 とな る利 用 者 の母 親 の紹 介 を受 け た。 研 究 の 主 旨を説 明 し承 諾 を得 られ た利 用 者 の母 親 を対 象 と した。 一 般 的 に 、研 究 対 象 者 が 存 在 す る訪 問看 護 ス テー シ ョン が少 な い こ とが予 測 され た。 研 究 者 自身 が勤 務 す る訪 問 看 護 ス テ ー シ ョン の利 用 者 にお い て は18歳 未 満 の利 用 者 の 半 数 が 準 超 重 症 児 ・超 重 症 児 で あ り研 究 対 象 者 とな る利 用 者 が存 在 して い た た め、 研 究 者 自 身 が 勤 務 す る訪 問 看 護 ステ ー シ ョンの利 用 者 の 母 親 を研 究 対 象 者 に含 む こ と と した 。 研 究 対 象 者 には 強 制 力 が か か らない よ う研 究 者 自身 が 定 期 的 に訪 問 して い る利 用 者 で な い こ と を条 件 と

した 。

3.デ ー タ 収 集 期 間

2015年1月 か ら6月 と し た 。

4.デ ー タ の収 集 方 法

対 象 者 に半 構 成 的 面 接 を行 い、 面 接 時 間 は1名 に対 し1時 間 か ら1時 間 半 と し、 対 象 者 に許

2

(7)

可 を 得 てICレ コ ー ダ ー に 録 音 を した 。 イ ン タ ビ ュ ー は イ ン タ ビ ュ ー ガ イ ドを 用 い 、 母 親 が 退 院 後 初 め て 子 ど も の 体 調 の 変 化 に 直 面 した 時 の 経 験 を語 っ て も ら っ た 。 そ の 際 、 母 親 が 感 じ て い た 感 情 に つ い て も合 わ せ て 聞 い た 。

5.デ ー タ の分 析 方 法

母 親 のイ ン タ ビュー の内 容 をICレ コー ダー か ら逐 語 録 を作 成 した 。 逐 語 録 の 中か ら母親 が 子 ど もの 体 調 の 変 化 の 状 況 を 把 握 し、解 釈 して い る部分 とそ の 後 とっ て い る行 動 の 部 分 を抽 出 し、一 文 ず つ に断 片化 し コー ド化 した。コー ド化 した もの を言 葉 の 意 味 を吟 味 しな が ら命 名 し、

最 終 的 な命 名 を 最終 コー ドと した。 最 終 コー ドの意 味 を吟 味 しグル ー プ に ま とめ 、 サ ブ カテ ゴ リー 化 した。 さ らに抽 象 度 を高 めカ テ ゴ リー 化 した。 カ テ ゴ リー 化 に際 して は指 導 教 員 や 在 宅 看 護 領 域 ゼ ミで検 討 を繰 り返 し行 い 、 助 言 を得 る こ とで 内容 の妥 当性 を高 め た。

6.倫 理 的 配 慮

訪 問 看 護 ス テ ー シ ョンの 管 理者 と研 究 対 象者 に研 究 の 主 旨 と具 体 的 な 方 法 を説 明 し、 同 意 を 得 た。 研 究 対 象者 に は 事 前 に イ ンタ ビュ ー 内容 をICレ コー ダ ー に 記録 す る こ と、研 究 の参 加 は任 意 で あ る こ と、研 究 へ の 参加 に 同意 しな くて も、不 利 益 を受 け る こ とは な く、 同意 した後 で も、途 中辞 退 す る権 利 を有 す る こ とを説 明 した。 個 人 の プ ライ バ シ ー と匿名 性 の保 護 につ い て も書 面 に て説 明 した。 研 究 終 了後 は速 や か にデ ー タ を消 去 、 破 棄 す る こ と と した。 なお 、 本 研 究 は首 都 大 学 東 京 荒 川 キ ャ ンパ ス研 究 安 全 倫 理 委 員 会 の 承 認 を得 た(承 認 番 号14073)。

V.結 果

1.対 象 者 の概 要

在 宅 に お い て 医療 的 ケ ア の あ る超 重 症 児 、準超 重症 児(重 症 度 ス コア10点 以 上)で あ っ て 、 NICU退 院 後1年 未 満 の子 ど もを養 育す る母 親3人 か ら協 力 が得 られ た。3人 の母 親 の うちA 児 は声 門狭 窄 症 に よ り気 管 カ ニ ュー レを挿 入 し吸 入 、 吸 引 を必 要 とす る状 態 で あ っ た。C児 は 慢 性 肺 疾 患 の あ る超 低 出生 体 重 児 で あ り、 酸 素 療 法 に加 え、 吸 入 と吸 引 を必 要 とす る状 態 で あ った 。B児 は13ト リソ ミー で あ り、 注 入 ポ ンプ を利 用 した 経 管 栄 養 法 と酸 素 療 法 に加 え、 吸 入 、 吸 引 を必 要 とす る状 態 で あ った 。 更 に、 呼 吸 停 止 時 は ア ン ビ ュー バ ックで の蘇 生 を必 要 と す るた め 、 ア ン ビュー バ ック を 常備 して い た。 重 症 度 分 類 は、A児 とC児 は 準超 重症 児 、B児

は超 重 症 児 で あ った。

母 親 は3人 とも年 齢 は30歳 代 で あ り、 子 ども は第2子 で あ っ た。 子 ど もの 生命 の危 機 が 予 測 され る よ うな体 調 の変 化 が あ っ た時 期 は 、A児 は退 院 後2か 月 目で 子 どもの 月 齢 は 生 後8か 月 で あ っ た。B児 は退 院 後1週 間 目で 生 後2か 月 で あ っ た。C児 は退 院 後2か 月 目で 生 後6か 月 で あ っ た(表1)。 体 調 の 変 化 の 内 容 は 、A児 は喀 た ん に よ る気 管 カ ニ ュー レ閉 塞 、B児 は呼 吸 停 止 で あ った 。C児 は突 然 の 高熱 後 気 管支 炎 を併 発 し1か 月 の 治 療 期 間 を要 した 状 態 で あ っ た。 超 重 症 児 の 母親 で あ るB氏 は 呼 吸 停 止 が 起 こ った 際 、 瞬 時 に救命 に近 い 対 応 を して お り、

A氏 やC氏 状 況 とは 大 き く異 な っ て い た た め 分析 を分 け て お こな っ た。

(8)

2.ア レお か しい と気 づ い て か らみ る み る う ち に 体 調 が 増 悪 す る 子 ど も を看 続 け た 母 親 の 判 断(A氏 とC氏)

ア レお か しい と気 づ い た 母 親 は 子 ど も の 状 態 を 観 察 した が 、 そ の 時 点 で は 生 命 の 危 機 を 予 測 す る こ と は 難 し く 、 大 丈 夫 だ と 判 断 し て い た 。 そ し て 、1日 半 や3日 と い う短 い 期 間 で 子 ど も の 体 調 は 増 悪 し て い っ た 。 母 親 は 体 調 の 増 悪 の 兆 し に 気 づ い て い た が 、 生 命 の 危 機 が 予 測 され る よ うな 状 態 に 至 っ て い る ほ ど の 増 悪 だ と は 判 断 で き な か っ た 。 そ の 間 の 母 親 が 、 子 ど も を 看 続 け な が ら ど の よ うな 判 断 し て い た か を 以 下 に 示 す 。

得 られ た デ ー タ を 分 析 した 結 果 、22の サ ブ カ テ ゴ リー を抽 出 し 、7の カ テ ゴ リV・ 一 一Lが 抽 出 さ れ た(表2)。 カ テ ゴ リー は 【 】 、 サ ブ カ テ ゴ リー は 〈 〉、 最 終 コ ー ドは 「 」、 語 りは 『』 で 示 す 。

1)【 ア レお か しい と気 づ い た と き 、 子 ど も の 状 況 を 観 て 、 聴 い て 、 触 れ る 】

こ の カ テ ゴ リー は,母 親 が な に か 変 だ と 察 知 し た と き に な に を し た か が 具 体 的 に 語 られ た 。 サ ブ カ テ ゴ リー は 、 〈 ア レ お か しい と気 づ い た と き の 子 ど も の 顔 つ き や 動 き を 観 る 〉 〈 ア レお か し い と気 づ い た と き の 子 ど も の 感 触 を 肌 で 感 じ る 〉〈 ア レお か し い と気 づ い た と き の 呼 吸 と と も に 聞 こ え る音 を 聴 く〉 〈 ア レ お か し い と気 づ い た と き の 疾 の 状 態 を 観 る 〉 〈 ア レお か し い と気 づ い た と き の サ チ ュ レー シ ョ ン や 体 温 を 測 定 して 観 る 〉〈 ア レお か しい と気 づ い た と き どれ だ け 飲 め て 排 せ つ され て い る か 観 る 〉 の6つ か ら構 成 され た 。

母 親 が 子 ど も の 体 調 が い つ も と違 う と気 づ い た と き 、 ア レお か しい と思 い 、 瞬 時 に 様 々 な 子 ど も の 様 子 を 観 察 し て い る 。 常 に 母 親 は 子 ど も を観 て 、 触 れ て 、 子 ど も の 発 す る音 に 耳 を傾 け て い る 。母 親 は 子 ど も を 見 た と き 「 子 ど も の 表 情 は 特 に 苦 し そ うで な か っ た 」 「 子 ど も の 身 体 の 動 き は 普 通 だ っ た 」 「 子 ど も の 顔 色 は そ ん な に 悪 く な か っ た 」 と 一 目 で 解 る 子 ど も の 全 身 の 姿 を 観 察 して い た 。

同 時 に 母 親 は 、 子 ど も を 抱 き な が ら 「 子 ど も に 触 れ た 感 触 は 熱 か っ た 」 と触 れ た 子 ど も の 感 触 を 皮 膚 か ら感 じ 取 り、 〈 ア レお か しい と気 づ い た と き の 子 ど も の 感 触 を 肌 で 感 じ る 〉 と し て 示 され た 。 更 に 子 ど も が 発 す る 音 に 耳 を傾 け て お り、 「 疾 の ゼ コ ゼ コ す る 音 の 変 化 を 聴 い た 」 と子 ど も の 呼 吸 の 音 に も 耳 を 傾 け 聴 き と っ て い た 。 母 親 は 、 喀 た ん の 状 態 に つ い て も 注 意 深 く観 て お り、 「 疾 の 形 が 粒 粒 し て い た 」 と 、 そ の 形 状 や 「 疾 が 吸 引 チ ュ ー ブ に 入 っ て こ な か っ た 」 と 、 疾 の 引 け 方 も確 認 し て い た 。 ま た 呼 吸 に 関 連 し た 観 察 と し て 、 数 値 を 測 定 して 客 観 的 に 観 て お

り 「 脈 拍 や サ チ ュ レー シ ョ ン の 数 値 を 確 認 した 」 と 語 られ た 。

母 親 の 注 意 は 、 ま っ 先 に 呼 吸 に 関 連 す る 状 態 の 観 察 が 優 先 さ れ て い た が 、 子 ど も の 全 身 状 態 の 観 察 と して 子 ど も の 生 命 維 持 に 必 要 な 栄 養 と排 せ つ を も観 て い た 。「 お っ ぱ い の 飲 み は 普 通 だ っ た 」 「 お し っ こ の 量 は 普 通 だ っ た 」 と 、感 覚 的 に お っ ぱ い が どれ だ け 飲 め 、排 尿 が ど れ だ け あ る か 観 て お り 〈 ア レ お か しい と 気 づ い た と き 、 ど れ だ け 飲 め て 排 せ つ され て い る か 観 る 〉 と し て 示 され た 。

以 上 の こ と か ら 、 母 親 は 子 ど も の 体 調 の 変 化 に 初 め て 直 面 し た と し て も 、 何 か お か し い と気 づ く こ と が で き て い た 。 そ し て 、 真 っ 先 に 呼 吸 と い う生 命 に 直 結 す る こ と に 目 を 向 け て い た 。 こ れ ら の 観 察 は 、 母 親 自身 の 五 感 を 使 い 、 子 ど も の 一 部 だ け で な く全 体 の 状 態 を 捉 え よ う と し て い る こ と が 示 され た 。

2)【 普 段 の 状 態 を 観 て き た 経 験 か ら 大 き な 違 い が な い か 探 る 】

こ の カ テ ゴ リー は 母 親 が こ れ ま で 観 続 け て き た 子 ど も の 普 段 の 状 態 は ど の よ うな 状 態 で あ っ

(9)

たか が 語 られ た。 そ して 、母 親 が ア レお か しい と気 づ い た時 の 子 どもの 状 態 は普 段 と どの よ う な違 い で あ った かが 詳 し く語 られ た 。 サ ブ カ テ ゴ リー は 〈 普 段 の機 嫌 や 身 体 の 動 き との違 い が な い か 気 にか け た〉 〈 普 段 触 れ た ときの感 触 と違 うこ とに 気 づ い た 〉 〈 普段 の サ チ ュ レー シ ョ ン の 数値 を は っ き りと解 って い るか らモ ニ タ ー の数 値 を気 に した〉〈 普 段 の 呼 吸 の しか たや 疾 の状 態 との違 い に気 づ い た 〉 の4つ か ら構 成 され た 。

母 親 はNICUか らこ の子 の体 調 を観 続 けて きた 経 験 が あ り、こ の子 の普 段 は どの よ うな 状 態 で あ るか 知 っ て い た。 この子 の普 段 の状 態 は元 気 な とき は機 嫌 が 良 い こ と、 い つ も は動 い て い る こ とで あ る と、 こ の子 な りの機 嫌 や 身 体 の動 か し方 を知 って い た。 そ の た め 、 い つ もの様 子 と違 い な い か 探 って お り 〈 普 段 の機 嫌 や 身 体 の 動 き との 違 い が な い か気 に か け た〉 と して示 さ れ た。 母 親 は 子 ども を抱 きな が らあ や した り、授 乳 を しな が ら 「 抱 っ こす る と熱 が あ る か な い か わ か る 」 や 「 咳 を し始 め た ら背 中 に手 を 当 て る と呼 吸す るだ け で波 打 つ 感 じが わ か る」 とい っ た 、ぬ くも りや 振 動 を肌 で 感 じ、知 っ て い た。そ のた め触 れ た と きに 違 い が あ った こ と を 〈 普 段 の触 れ た とき の感 触 と違 うこ とに気 づ い た〉 と して示 され た。

母 親 は 、子 ど もがNICUに 入 院 中 か らモ ニ タ ー を装 着 して い た経 験 か ら、そ こ に示 され る数 値 の 変 化 を観 て き た こ とで 「 普 段 のサ チ ュ レー シ ョン は大 体 この く らい 、 泣 く とこれ くらい っ て わ か って い る」 「 普 段 は酸 素 つ けて もつ けな くて もサ チ ュ レー シ ョンは98と か99に な る」

と状 況 に よ る数 値 の 変 化 や 具 体 的 な数 値 を解 って い た 。 そ の た め、 サ チ ュ レー シ ョンの値 が保 た れ て い るの か に気 にか けて お り 〈この 子 の 普 段 の サ チ ュ レー シ ョンの数 値 をは っ き りと解 っ て い るか らモ ニ ター の 数 値 を気 に した〉 と して 示 され た。

ま た 、母 親 は 呼 吸 状 態 を心 配 に 思 う時 は 、 鼻 の 動 きや胸 の動 き を観 て普 段 の 呼吸 状 態 と違 い が な い か気 に か け て い た。 そ して入 院 中 か ら引 き続 い て 吸 引 を 実施 して い る こ とで 「 普 段 は疾 を とれ ばゼ コゼ コ音 は 消 え る」 と吸 引前 後 の疾 が絡 む音 の変 化 を知 っ て い た。 そ の た め 、吸 引 した後 で もゼ コゼ コ音 が 取れ な か っ た り、 疾 の形 状 が粒 粒 と して い た こ とで、 疾 の状 態 がい つ も と違 うこ とに気 づ き 〈 普 段 の 呼 吸 の しか たや 疾 の状 態 との違 い に気 づ い た〉と して示 され た 。 以 上 の こ とか ら、母親 はNICUに 入 院 して い る時 か ら初 めて 子 どもの 体 調 に変 化 に直 面 す る ま で の 間 に、こ の子 を観 続 け て き た経 験 に よ り、こ の子 の普 段 の状 態 を わか って い る と 自覚 し、

そ の 経 験 を手 掛 か りに今 五 感 で捉 えた 子 ど もの 状 態 は、 普 段 の 状 態 と大 き な違 い が ない か を探 っ て い た 。

3)【 入 院 中 に指 導 され た経 験 か ら危 機 的状 況 で な い か 探 る】

この カ テ ゴ リー は 入 院 中、 母親 が 医療 者 に 子 ど もの 体 調 に 関す る指 導 を受 け た 内容 は どの よ うな 内容 で あ っ た か が語 られ た。 そ して 、 ア レお か しい と気 づ い た 時 どの よ うな こ とを一 番 気 に か け て い た か が語 られ た。 サ ブ カ テ ゴ リー は 〈 入 院 中 に 医師 か ら子 ど もの 呼吸 の不 安 定 さが 続 くこ とを説 明 され て い た か ら呼吸 につ い て気 に か け た〉〈 入 院 中 に サ チ ュ レー シ ョン の値 が重 要 だ と教 わ り、数値 が 低 くな って い な い か確 認 した 〉〈 入 院 中 に疾 が詰 ま った 時 の対 処 方 法 を教 わ り、 疾 が詰 ま る こ とを気 に した〉 の3つ か ら構 成 され た。

母親 は 入 院 中、医 療 者 か ら医療 的 ケア 方 法 の 指 導 や 子 ども の体 調 の 見 方 の 説 明 を受 けて い た 。 中 で も呼 吸 に関 す る説 明 は重 点 的 に受 けて い た 。「 入 院 中 、医 師 に退 院 後 も酸 素 は 必 要 だ と言 わ れ た 」「 入 院 中 、医 師 に この 子 は 呼 吸 が しづ らい 状 態 だ と言 われ た 」な ど医 師 か らは 退 院 後 も呼 吸 に 関 して は 十 分 な 注 意 が 必 要 だ と説 明 され て い た 。 母親 自身 も子 ど もの 呼 吸 状態 は退 院 後 も 変 化 す る 可 能性 が あ り、 呼 吸 の 変化 は危 険 だ と解 っ て い るた め 、子 ど もの寝 息や 咳漱 を よ く聴

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い てお り 〈 入 院 中 、 医師 か ら子 ども の呼 吸 の不 安 定 さが 続 くこ とを説 明 され て い た か ら呼 吸 に つ い て 気 にか けた 〉 と して示 され た。 しか し、 出産 直 後 に挿 管 され 最 も悪 い 状 態 か ら抜 管 に い た り、徐 々 に 呼吸 が 良 くな っ て い っ た経 過 しか見 てお らず 、『呼 吸 が お か し くな っ て 、どす 黒 く な っ た こ とは な か った 』 と語 って い た。

母 親 は 、子 ど もの 呼 吸 状 態 を観 察 す る重 要 な 指標 と して 、 主 に サ チ ュ レー シ ョン の数 値 につ い て指 導 を受 け て い た。 何 か あ っ た らまず サ チ ュ レー シ ョンを測 る こ とや 疾 や サ チ ュ レー シ ョ ン の変 化 が あ っ た らお か しい と思 うよ うに指 導 され 、サ チ ュ レー シ ョン の数 値 は 、子 どもの 体 調 を観 察 す る上 で 、 ま っ先 に確 認 す る こ とだ と解 っ てお り 〈 入 院 中 にサ チ ュ レー シ ョンの値 が 重 要 だ と教 わ り、数 値 が低 くな って い な い か確 認 した〉 と して 示 され た 。 また 呼 吸 に関 す る重 要 な指 導 の1っ と して 、疾 に よる窒 息 につ い て も指 導 を受 け てお り、 入 院 中、 疾 が 詰 ま っ た 時 の 対 処 の 方 法 を教 わ り解 って い る こ とか ら、 疾 に よ る窒 息 の 可 能性 は 知 っ て い た。 そ の た め 、 疾 の詰 ま りに つ い て は気 にか けて お り 〈 入 院 中 に疾 が 詰 ま っ た 時 の 対 処方 法 を教 わ り、疾 が詰 ま る こ とを気 に した 〉 と して 示 され た。 しか し これ ま で に 疾 で 窒 息 した とい う経 験 は な く、言 葉 や 書 面 な どの指 導 を受 けた とい う経 験 に と どま っ て い るた め 『どん な疾 が硬 い の か は わ か ら

な か っ た』 と母 親 は語 っ て い た。

以 上 の こ とか ら、母 親 は子 ど もの 呼 吸 に対 して は退 院 後 も十 分 な注 意 が 必 要 で あ る と自覚 し て い た。 そ して 、 それ を観 察す る た め に は サ チ ュ レー シ ョン の値 が最 も大 切 で あ る とい う指 導

を受 けた 経 験 か ら、子 ど もの 呼吸 の変 調 を把 握 す る とき は必 ず サ チ ュ レー シ ョンの 値 を観 察 す る こ とを解 って い た。母 親 は入 院 中経 験 した指 導 や 母 親 が子 ども を観 て きた こ とを手 掛 か りに 、 今 五 感 で 捉 えた 子 ども の状 態 は、 危 機 的 な状 況 で ない か を探 って い た 。 一 方 で 入 院 中に説 明 の み で 受 けた 指 導 にお い て は疾 の形 状 の 違 い を、 実 際 に は見 た こ とが な く、 確 実 な 知 覚 と して捉 え られ な い ま ま 退 院 して い た こ とも明 らか に な った 。

4)【 き ょ うだ い を育 て て き た経 験 か ら健 常児 と同 じ部 分 を探 る】

この カ テ ゴ リー は 母 親 が これ ま で この 子 の き ょ うだ い を育 て きた 中 で 、 子 ど もが病 気 に 罹 患 した 時 に 対処 した 経 験 が 詳 し く語 られ た。 そ して 、 ア レお か しい と気 づ い た 時 の子 ど もの状 態 と健 常 な き ょ うだ い が病 気 に 罹 患 した 時 の 状 態 とで 、 同様 に 思 う点 が語 られ た。 サ ブ カテ ゴ リ ー は 〈 赤 ちゃ ん の 体 調 の 見 方 は 解 って い るか ら、発熱 くらい普通 にある と思 う〉〈 赤 ち ゃ ん の風 邪 が 治 癒 してい く過 程 を解 っ て い る か ら今 は どの段 階 か 見 当 をつ け て い る〉 の2つ か ら構 成 さ れ た 。

医 療 的 ケ ア を必 要 とす る子 が第 一 子 で ない 場 合 、母 親 は これ ま で こ の子 の き ょ うだ い を育 て て きた 経 験 の 中 に、 子 ども が病 気 に罹 患 した 時 、対 処 して き た経 験 が あ る。 赤 ち ゃん の体 調 を 観 る際 は 「 赤 ち ゃん は熱 感 や 呼 吸 の 早 さ ぐ らい で しか体 調 の 良 し悪 しがわ か らない 」 とい う乳 児 の 体 調 の 見 方 の 難 し さを知 って い た 。一 方 で 、「1歳 半 く らい に な る と ミル クの 飲 み や機 嫌 で 体 調 の 良 し悪 しが わ か りや す い 」 と語 り、 月 齢 に よ って 、 体 調 の 良 し悪 しの 判 断 が 異 な る こ と を解 っ て い た。 「 赤 ち ゃ ん な ら熱 だ け 出 る こ とも あ る」 と語 灰 発 熱 自体 は赤 ち ゃん の 体 調 の 変 化 の重 要 な指 標 とは捉 え て お らず 、〈 赤 ちゃ ん の 体 調 の 見 方 は解 っ て い るか ら熱 く らい 普 通 に あ る と思 う〉 と して 示 され た 。ま た風 邪 な どに罹 患 した 時 、「 赤 ちゃ ん は 自分 の カ で熱 を 直 した方 が 良 い と思 って い る 」 とい う子 ど もに備 わ っ た 自己治 癒 力 で 疾 病 か ら回復 した とい う経 験 や 、

「 疾 が 黄 色 く変 化 す る と治 癒 の 兆候 だ と知 っ て い る」 と治癒 に 向 か う時 の 疾 の 状態 の変 化 を観 た とい う経 験 も あ り、今 は どの 段 階 な の か 見 当 をつ けて お り、〈 赤 ち ゃ ん の風 邪 が治 癒 して い く

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過 程 を解 って い るか ら今 は どの段 階 か 見 当 をつ け て い る〉 と して 示 され た。

以 上 の こ とか ら、母 親 が この子 の き ょ うだ い を これ ま で育 て て き た経 験 は 、健 常 な子 ども の 体調 を観 た り、対 処 した経 験 で あ り、 それ は母 親 に赤 ち ゃ ん とは こ うい うもの だ とい う個 別 の 認 識 を持 たせ て い た。 母 親 は これ らの経 験 を 手掛 か りに 、今 五 感 を使 っ て捉 えた 子 どもの 体 調 の変 化 と健 常 な子 ども の体 調 の変 化 との共 通 点 を探 って い た 。

5)【 近 親 者 に 自分 の観 察 が 間違 っ て い な い か 確認 す る】

この カ テ ゴ リー は 母 親 が 子 ど もの 体 調 の 変 化 に初 めて 直 面 した 時 、 誰 に どの よ うな こ とを相 談 した の か が 詳 し く語 られ た。 サ ブ カ テ ゴ リー は 〈 祖 父 母 に 一 緒 に観 て も らい な が ら疾 の状 態 を確 認 した〉 の1つ か ら構 成 され た。

母 親 に は 日頃 、 この子 を一 緒 に看 て い る親 族 が い る。 この子 の 体調 に変 化 が あ っ た時 、 自分 だ け で判 断 す る の で は な く、入 院 中 か ら引 き続 い て この子 を一 緒 に看 て い る祖 父 母 に疾 の引 け な さを祖 父 母 に一 緒 に観 て も らい 、 自分 の観 方 に 間違 い が ない か を確 認 してい た。

以 上 の こ とか ら、 母 親 は子 ど も の体 調 の変 化 に初 めて 直 面 した時 、 一 緒 にそ の 場 で この 子 を 誰 か に観 て も ら うこ とを求 めて お り、 そ の 対 象 者 は 日頃 か らこ の子 を看 て い る親 族 で あ っ た こ

とが 明 らか に な った。

6)【 危機 的 な変 化 だ とは考 え な い 】

この カ テ ゴ リー は母 親 が子 ど もの 体調 の 変化 に 初 め て 直 面 した 時 、 子 ど もの 体調 を 大丈 夫 だ と判 断 した とき の状 況 が詳 し く語 られ た。 サ ブ カ テ ゴ リー は 〈 子 ど もの 体調 の変 化 に危 機 を感 じな か っ た〉 〈 主治 医 の診 察 が必 要 だ とは感 じな か っ た〉 の2つ か ら構 成 され た 。

母 親 は 「 サ チ ュ レー シ ョン に は変 化 が な く、 で もな ん か変 だ な あ く らい に思 っ て い た」 と語 り、 ア レお か しい と気 づ い て い る も の のサ チ ュ レー シ ョン が下 が っ て い な い とい う理 由で 危 機 感 は感 じてい なか った 。「 熱 だ けな らお っぱ い を飲 ん で い れ ば 大 丈 夫 だ と思 っ た 」とお っぱ い の 飲 み を判 断 の 基 準 にお き、 大 丈 夫 だ と判 断 してい た。 こ う した 判 断 は 〈 子 どもの 体 調 に危機 を 感 じなか った 〉 と して 示 され た 。

さ らに 子 ど もの 体 調 の 変 化 に対 して危 機 を感 じて い な い こ と もあ り、 「37.5度 あっ て もお し っ こが 出 て いれ ば病 院 に行 か な くて も よい と思 った 」 や 「 あ れ れ って 思 った が(訪 問診 療 医 に は)す ぐに連 絡 しよ うとは 思 わ なか った 」 と受 療 が必 要 とい う判 断 に は至 っ てお らず 、 〈 主治 医 の診 察 が必 要 だ とは感 じな か っ た〉 と して 示 され た。

以 上 の こ とか ら、初 め て子 ど もの体 調 の 変化 に 直 面 し、 ア レお か しい と気 づ い た と して も 、 危 機 的 な変 化 と して は判 断 が難 し く、結 果 と して受 療 が必 要 だ とい う判 断 に はつ な が らな か っ た こ とが 明 らか とな っ た。

7)【 体 調 を観 続 け な が らみ る み る うち に訪 れ た 増 悪 の 兆 しに気 づ く】

この カ テ ゴ リー は子 ど もの 体 調 は大 丈 夫 だ と判 断 した 以 後 、1日 半 や3日 で み るみ る うち に 体 調 が 増 悪 して い く過 程 で 、 母 親 が 何 を観 て どの よ うに感 じて い た のか が 語 られ た 。 サ ブ カ テ ゴ リー は 〈 み るみ る うち に 、子 どもの顔 つきに辛 さがあ らわれ始 めた〉〈み るみ る うちに、子 ど もの 呼 吸 状 態 の 悪 さが あ らわ れ 始 め た 〉〈 サ チ ュ レー シ ョン の値 は 、子 どもの 見 た 目と乖離 が あ っ た〉 〈 在 宅 の 医療 者 との捉 え 方 の 違 い を 聞 い て 納 得 した 〉 の4つ か ら構 成 され た。

母 親 は 大丈 夫 だ と判 断 し、 治癒 して い くで あ ろ うと予 測 して い た子 ど もの 体調 が み るみ る う ち に増 悪 して い く様 子 を観 続 け て い た。 一 目で観 察 で き る子 ど もの顔 つ き を 「3日後 、咳 がひ ど くな り咳 き込 ん で 苦 しそ うな子 ど もの様 子 を観 た」 こ とで子 ど もが 明 らか に辛 そ うな顔 つ き

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〆 へ・

へ と変 化 して い く様 子 を観 て お り、〈み るみ る うちに、子 どもの顔つ きに辛 さがあ らわれ 始めた〉

と して 示 され た 。 さ らに、 呼 吸 の状 態 が 明 らか に 良 くな い こ と を示す 呼 吸 回数 の増 加 や 疲 の状 態 が 量 も色 も大 き く変化 して い る様 子 を観 て 〈 み るみ る うち に 、子 ど もの 呼 吸状 態 の悪 さが あ

らわ れ始 め た〉 と して示 され た。

サ チ ュ レー シ ョ ンの値 は重 要 で あ る と知 っ て い る こ とか ら継 続 してサ チ ュ レー シ ョン の値 を 観 て い る が 、「3日後 、寝 て い る時 は サ チ ュ レs・ 一 …シ ョン は低 下 して い た が、起 き て る とき は97 あ った 」 こ とや 「1日 半 後 、 サ チ ュ レー シ ョン を測 る と意 外 と下 が って な か った 」 こ とは 、 母 親 の 一 目で わ か る子 ど もの 辛 そ うな様 子 と乖 離 が あ っ た。

母親 は訪 問看 護 師 の 訪 問 時 に 「 す ぐに 主 治 医 に 診 て も らっ た方 が い い 」 とい われ 、子 ど もの 受 診 を決 め て い た。 母 親 は 自分 が と らえ た増 悪 の 兆 しは 自身 が と らえ て い た状 態 よ り危 機 的 な 変 化 を遂 げ て い た。 母 親 は訪 問看 護 師 の説 明 に よ り早 急 な治 療 が必 要 で あ る こ とを知 り 〈 在 宅

の医 療 者 の捉 え方 の違 い を 聞 い て納 得 した 〉 と示 され た 。

以 上 の こ とか ら、子 ど もの 体 調 は 母親 が ア レお か しい と気 づ い て か ら1日 半や3日 で み るみ る うちに 変 化 して お り、 そ の 時 、 子 ど もの顔 つ きの 変化 や 一 目で わ か る呼 吸状 態 の 変化 を 増 悪 の 兆 し と して 気 づ い て い た。 そ して サ チ ュ レー シ ョンの数 値 が少 ししか 下 が っ て い な い と して も、 これ か ら子 ど もの 体調 が増 悪 して い くの で は な い か と捉 え て い た。 しか し、子 ど もの状 態 は母 親 が 思 うよ り生 命 の危 機 的 な変 化 を遂 げ て い た。 そ して 、母 親 は子 ど もの体 調 は増 悪 ど こ ろ で は な く、 生 命 の危 機 で あ る とい う新 た な判 断 を在 宅 の 医療 者 の説 明 に よ っ て得 て いた 。

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3.ア レお か しい と気 づ い て か らみ るみ る うち に体 調 が増 悪 す る子 ど もを看 続 け た 母 親 の判 断(重 篤 な状 況B氏)

ア レお か しい と気 づ い た母 親 は 、子 ど ものサ チ ュ レー シ ョン と脈 拍 の急 激 な低 下 を観 た瞬 間 に 、救 命 に近 い対 処 を行 っ て い た。 緊 迫 したそ の間 の母 親 の判 断 は 、す べ て を は っ き り と思 い 出す こ とは難 しか った が、 そ の語 りを以 下 に分 析 す る。

得 られ た デ ー タ を分 析 した 結 果 、14の サ ブ カ テ ゴ リー を抽 出 し、6の カ テ ゴ リー が 抽 出 され た(表3)。 カ テ ゴ リー は 【 】、 サ ブ カ テ ゴ リー は 〈 〉、 最 終 コー ドは 「 」、語 りは 『』 で示 す 。6の カ テ ゴ リー うち 、A氏 とC氏 の 子 ど もの体 調 の 変化 に初 め て 直 面 した 母親 の判 断 と明

らか に相 違 の あ る2つ の カテ ゴ リー につ い て示 す 。

【 子 ど もの様 子 は よ く覚 え て い な い]

こ のカ テ ゴ リー は子 どもの 生 命 維 持 が 困 難 な重 篤 な状 態 と判 断 した 時 、母親が何 を観 ていた か が 詳 しく語 られ た 。 サ ブ カ テ ゴ リー は 〈 サ チ ュ レー シ ョンが50に 下 が った 時 、 サ チ ュ レー シ ョン と脈 拍 の 値 だ け を観 続 け た 〉 〈 サ チ ュ レー シ ョンが50に 下 が っ た時 、子 どもの表 情の こ とは は っ き り覚 え て い な い〉 〈 サ チ ュ レー シ ョンが50に 下 が った 時 、熱 や 呼 吸 の 状態 は観 て い な か っ た〉 の3つ か ら構 成 され た 。

母 親 はモ ニ ター に映 し出 され るサ チ ュ レー シ ョン と脈 拍 の値 の変 化 を注 意 深 く観 て い た 。 し か しそ れ 以 外 の こ とは あま りよ く覚 えて お らず 、『子 ど もは お そ ら く ・・。泣 きか けだ った よ う な』 と思 い 出 しなが ら語 るが 記 憶 が は っ き り しな い様 子 で あ った 。 ま た 「 呼 吸 を して い るか は 確 認 で きな か っ た 」「 熱 は観 て い なか った 」 と語 り、モ ニ ター に 示 され るサ チ ュ レー シ ョン と脈 拍 以外 の数 値 を測 定 して み る余 裕 もな か っ た。

以 上 の こ とか ら、子 ども の生 命 維 持 が 困難 な重 篤 な状 態 と判 断 した 母 親 は 目の前 に あ るサ チ

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ユ レー シ ョ ン と脈 拍 の 数 値 を 観 る こ と で 精 い っ ぱ い で あ る と と も に 、 そ の 時 の 子 ど も の 様 子 も あ ま り よ く覚 え て い な い 状 況 で あ っ た こ と が 明 ら か に な っ た 。

【呼 吸 の 確 保 を 最 優 先 した 】

こ の カ テ ゴ リー は 子 ど も の 生 命 維 持 が 困 難 な 重 篤 な 状 態 と判 断 した 時 、 母 親 が ど の よ う な 対 処 を お こ な っ た か が 語 られ た 。 サ ブ カ テ ゴ リー は 〈 サ チ ュ レー シ ョ ン が50に 下 が っ た 時 、 気 道 の 確 保 を お こ な っ た 〉 〈 サ チ ュ レ ー シ ョ ン が50に 下 が っ た 時 、 酸 素 投 与 を し た 〉 の2っ か ら 構 成 され た 。

サ チ ュ レー シ ョ ン が50に 下 が り子 ど も の 生 命 維 持 が 困 難 に な っ て い る と判 断 し た 時 、 母 親 は 、 モ ニ タ ー に 映 し出 さ れ る サ チ ュ レ ー シ ョ ン と脈 拍 の 値 を 観 な が ら 、 吸 引 し 、 酸 素 の 投 与 を し 、 ア ン ビ ュ ー バ ッ ク で 人 工 呼 吸 を 行 っ て い た 。 し か し そ の 時 の 母 親 は 『ど う し よ う ど う し よ うっ て 、 息 し て な い の か な っ て 、(サ チ ュ レー シ ョ ン と脈 拍 が)上 が っ て こ な い 、(心 臓)マ ッ サ ー ジ か な ん か し な い と 、マ ッサ ー ジ じ ゃ な い ア ン ビ ュ ー だ 』と 、手 順 に 戸 惑 う様 子 で あ っ た 。 そ れ で も 、 母 親 は 戸 惑 い の 中 で 呼 吸 の 確 保 を 最 優 先 して 対 処 して い た 。

以 上 の こ とか ら、 子 ど も の 生 命 維 持 が 困 難 な 重 篤 な 状 態 と判 断 し た 母 親 は 、 真 っ 先 に 呼 吸 の 確 保 を 行 う こ とが で き て い た 。 しか し 、 そ の 時 母 親 は 何 か ら先 に す べ き か 、 頭 の 中 で 混 乱 し な が ら、 行 っ て い る こ と が 明 ら か に な っ た 。

V.考 察

本 研 究 結 果 か ら、母 親 は子 ど もの体 調 の 変 化 に初 め て直 面 した とき、 そ れ が初 め てで あ って も ア レお か しい と気 づ くこ とが で きて い た 。 母 親 は 自 らの 五 感 のす べ て を使 い 、 そ れ まで の 多 くの経 験 を手 掛 か りに、 子 どもの 体 調 の 判 断 を行 って い た。 そ の 結 果 、 母 親 は大 丈 夫 だ と判 断 して い た が 、 子 どもの 体 調 の 変 化 は 生命 の 危機 を予 測 され る よ うな 変 化 の 始 ま りで あ り、 さ ら に そ れ は 速 い ス ピー ドで 増 悪 し、 そ の 時 の 辛 そ うな 子 ど もの様 子 を 目の 当 た りに して い た こ と が示 され た。 母 親 は 体調 の増 悪 に気 づ い て い た が 、想 像 以 上 に危 機 的 な 状 態 で あ っ た こ とを 、 在 宅 の 医療 者 の 説 明 に よっ て気 づ き 、生 命 の危 機 とい う判 断 に 至 っ て い た。

子 ど もの疾 病 が よ り重 度 で 、 そ の変 化 が生 命 の維 持 が 困難 な状 態 で あ る場 合 、母 親 は五 感 で 捉 え る 間 もな く、す ぐ さま救 命 に近 い対 処 を行 っ て い た。 そ の時 の母 親 は子 ど もの顔 を観 る余 裕 す らな く、そ の時 の子 ども の様 子 を よ く覚 え て い ない ほ どの状 況 で あ っ た こ とが示 され た。

この こ とか ら、 考 察 で は、1.生 命 の危機 の 予 測 を難 し く した 母 親 の 経 験 につ い て 、2.超 重 症 児 、 準 超 重 症 児 の生 命 を守 るた めの 母親 の観 察 につ い て 、 最 後 に、 看 護 へ の示 唆 につ い て 述 べ る。

1.生 命 の 危機 の 予 測 を難 し く した 母 親 の経 験

3名 の母 親 は それ ぞれ 、退 院 前 に病 院 で 医療 的 ケ ア の技 術 を指 導 され 、 吸 引 や 吸入 、経 管栄 養 の注 入 な どの 手技 は 自立 し、安 全 に 医療 的 ケ ア を行 え る状 況 で あ っ た。 しか し、退 院 後 比 較 的 早 い 時 期 に起 こっ た子 ども の体 調 の変 化 に初 め て直 面 した時 、生 命 の危 機 を予 測 す る判 断 は 困 難 で あ っ た。 生 命 の危 機 を予 測 す る判 断 を難 し く してい た経 験 に は子 ど もの き ょ うだ い を育 て て きた 経 験 や 入 院 中 の母 親 の 経 験 が あ った 。

母 親 の 、 この 子 の き ょ うだ い を育 て た 経 験 は 、 これ ま で 子 ど もの 成 長 を促 し、 病 気 を した と

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きは 対 処 し、 安 全 を守 り、 現 在 も健 や か に 育 っ て い る とい う、 母親 役 割 の達 成 を した経 験 で あ った(ア ン ・マ リナ ー ・ トメイ,マ ー サ ・レイ ラ ・ア リグ ッ ド,2002/都 留信 子訳 ,2004)。 そ こに は そ れ ぞれ の 母親 に 赤 ちゃ ん とは こ うい う もの 、 とい う個 別 の考 え を もた ら して い た 。 そ して 、 そ の経 験 を 手掛 か りに子 ど もの体 調 の変 化 を 【き ょ うだ い を育 て て きた 経 験 か ら健 常 児 と同 じ部 分 を探 る 】 こ とで捉 え よ う と して い た 。 しか し、 時 と して 、C氏 の よ うに 「 赤 ち ゃ ん は熱 は 自分 で 直 した方 が 良い 」 と認 識 し、 障 害 の あ る子 ど もの 体 調 の 変化 に お い て も健 常児 と 同 じ様 に 捉 えて しま うこ とが あ った 。母 親 は 障 害 の あ る子 ど もで も兄弟 や 健 常児 と同 じ普 通 の 子 育 て を願 っ て お り(野 口,上 田,鈴 木,2007)、 子 ど もの体 調 と健 常児 の体 調 の 同 じ部 分 を見 い だ し、子 ど もの 体調 の 安 全 を肯 定 した い とい う想 い もあ っ た の で は な いか と考 え られ る。

さ らに子 の入 院 中 の母 親 の経 験 と して は、 入 院 中 の医 療 的 ケ ア の方 法 や 体 調 の 見 方 に関 す る 指 導 にお い て、 目で見 て わ か る よ うに行 わ れ た 指 導 と説 明 の み の で 行 わ れ た 指 導 が あ る。 目で 見 て わか る よ うに され た 指 導 にお い て は 、 数値 を優 先 した 判 断 を順 守 す る とい う認 識 を もた ら し、 説 明 の み で 受 けた 指 導 で は見 た こ との な い 不 明確 な 内 容 が あ った とい う認 識 を もた ら して い た 。 初 めて 子 ど もの 生命 の 危機 を予測 され る よ うな 体調 の 変化 に 直 面 した の は 、3事 例 と も 退 院 後2か 月 以 内 で あ っ た。退 院 後 の生 活 が 概 ね 安 定 す るの は 退 院 後3か 月 が経 過 す る頃 ま で とい われ て お り(日 本 看 護 協 会,2007)、 退 院 後2か 月 以 内 の母 親 は 家事 や こ の子 の き ょ うだ い の子 育 て と並 行 しな が ら、未 だ安 定 してい な い生 活 の 中 で あ っ た こ とが予 測 され る。 よ っ て、

この時 期 は 、子 ども の体 調 の 変化 を判 断 す る上 で、 母 親 の知 識 は、 入 院 中 に病 院 で 受 けた 指 導 の経 験 に頼 らざ る を得 な い状 況 で あ った と言 え る。

本 研 究 結 果 か ら、A氏 は入 院 中 に 「 何 か あ った ら酸 素 飽 和 度 を測 る よ うに言 わ れ た 」 経 験 か ら 「 疾 の ゼ コ付 きが 取 れ な くて もサ チ ュ レー シ ョンが 下 が って い な い か ら大 丈 夫 だ と思 っ た 」 と語 って お り、 サ チ ュ レー シ ョンの 値 を優 先 す る とい う指 導 を 順 守 す るが あ ま り、気 管 カ ニ ュ ー レの 閉 塞 とい う判 断 には 至 って い な か っ た。 さらに、ア レおか しい と思った とき、疾 の形状 が粒 粒 に な っ て い た こ とに 気 づ い て い た が 、 実 際 に は 『疾 が硬 い っ て ど うい う状 態 か観 た こ と が な く知 らな か っ た』 と語 っ て い る。 入 院 中 、母 親 は疾 が丸 くな っ た ら硬 くな っ て い る と指 導 を受 け て い た。 しか し、硬 い 疾 を 見 た経 験 の な い母 親 に とっ て は 、普 段 の疾 は ドロ ッ と して い る こ とは経 験 上 よ く解 っ て い るが 、粒 粒 の疾 が 、硬 い とは判 断 で き な か っ た。 そ のた め、 母 親 に とっ て こ の疾 の変 化 が気 管 カ ニ ュー レの 閉塞 につ なが る と予 測 は で き なか った と考 え られ る。

小 児 在 宅 ケア にお い て 子 ども の状 態 や 治 療 ・ケ ア につ い て の捉 え方 を医 療 者 が 共 有 す る こ と は 重 要 な ケ アの 視 点 で あ る と言 われ て い るが(奈 良 間 ら,2012)、 入 院 中 の指 導 を共 に経 験 して い るの は ご く限 られ た 近 親 者 と入 院 中の 医 療者 で あ る。 よ って 、 この よ うな 入 院 中の 経 験 を家 に 持 ち帰 るの は概 ね 母 親 に委 ね られ て お り、母 親 は 自分 の 経 験 の 中の 記 憶 を頼 りに 子 ど もの 体 調 を判 断 す る しか な か っ た と考 え られ る。 か ろ うじて そ の 経験 を共 有 して い るの は親 族 で あ る が 、子 ど もの 体調 が ア レお か しい と気 づ い た とき 、誰 よ りも よ く子 ど もを観 て き て い る母 親 以 上 の判 断 をす る こ とは親 族 に は難 しか っ た と考 え られ る。

以 上 の こ とか ら、在 宅 に お い て初 め て体 調 の変 化 に直 面 した とき は 、 これ ま で こ の子 の き ょ うだい を育 て て き た経 験 か ら、子 ど もの体 調 の安 全 を肯 定 した い想 い が影 響 し、 健 常 な上 の子 の 体 調 の変 化 と同様 に捉 え 、生 命 の危 機 を予 測 しづ ら く してい る こ とが考 え られ る。 さ らに入 院 中に 目で 見 て わ か る よ うに され た指 導 で あ って も、 説 明 のみ の指 導 で あ って も母 親 は 指 導 を 断 片 的 に捉 え られ て お り、 一 つ 一 つ の 指 導 が 統 合 され な い ま ま 、 病 院 か ら在 宅 へ と移 行 して い

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った と考 え られ る。 そ して 、 断 片 的 に捉 えた 指 導 を母親 の み が 自宅 に持 ち 帰 る こ とに よ り、結 果 と して 初 め て 起 こ った 子 どもの 体 調 の 変 化 の 場 面 にお い て 、 母親 は子 ど もの生 命 の危 機 を想 定 す る こ とが難 しか った と考 え る。

2.超 重症 児 、 準 超 重 症 児 の生 命 を守 る た め の母 親 の観 察

子 ど もの 体調 は 、 母親 が ア レお か しい と気 づ い て か らみ るみ る うち に変 化 して い た 。 超 重 症 児 や 準 超 重 症 児 は易 感 染 や 恒 常性 の維 持 が難 し く体 調 が増 悪 して い くス ピー ドが 速 い とい う特 徴 が あ り(東 京 都 福 祉 保 健 局,2013)、A氏 、C氏 も1日 半 や3日 とい う短 期 間 の うち に子 ども の体 調 が 増 悪 してい く様 を 目の 当た りに して い た。 超 重 症 児 や 準 超 重 症 児 の 体 調 の 変 化 は ア レ お か しい と気 づ い た そ の時 か ら早 期 に対 処 を行 うこ とが 増 悪 を予 防 す る こ とに つ な が る。ま た 、 生命 の維 持 が 困 難 な 重 篤 な変 化 が 起 こ る こ と も あ り、 そ の と きは 瞬 時 に観 察 し、判 断 と対 処 が 必 要 とな る。

本 研 究結 果 か ら、A氏 、C氏 と もに ア レお か しい と気 づ い た 時 、在 宅 の 医療 者 に 自 ら連 絡 を して お らず 、『訪 問 診 療 医 に連 絡 す る ほ どだ とは 思 わ なか った 』 と語 り、定期 訪 問 に来 た 医療 者 に子 ど もの体 調 の 生命 の危 機 が予 測 され る よ うな説 明 を され て い た。「 す ぐに 、主 治 医 のい る病 院 に受 診 した ほ うが 良 い 」「も う少 し遅 か っ た ら危 な い と ころ だ っ た 」と医療 者 に 説 明 され 、母 親 の予 想 を超 え 、生 命 の危 機 につ な が る状 況 で あ る と改 め て認 識 し、 新 しい 判 断 を得 て い た 。 初 めて の体 調 の変 化 の場 面 で母 親 は うま く判 断 で きず 、子 ども の体 調 は増 悪 し、 生命 の 危 機 に 移 行 す る ほ どの状 況 に な っ て いた 。 しか し、 医 療 者 が 側 にい ない 在 宅 にお い て 子 ど もの 体 調 の 変 化 に 一 番 初 め に ア レお か しい と気 づ くの は母 親 で あ り、 そ の 気 づ きが な けれ ば 子 ど もの 体調 の 安 全 は 守 る こ とが で き ない 。 超 重 症 児 や 準 超 重 症 児 の 体 調 の 変 化 に気 づ くた め に は 、 非 常 に 多 くの観 察 の視 点 が 必 要 とされ る。 母親 は そ の 多 くの観 察 の 視 点 を獲 得 して い るの で あ る。 よ っ て 、母 親 が ア レお か しい とい う気 づ きを持 て る こ とは 在 宅 で 重度 の 障 害 を持 つ 子 ど もを看 る 上 で重 要 で あ る と と も に、 そ の 気付 き が あ っ て こそ成 り立 つ在 宅療 養 で あ る こ とを忘 れ て は な

らな い。

一 方 で

、B児 の よ うに 疾病 が重 度 で あ る場 合 、 生命 の維 持 が 困難 な状 態 ほ ど重 篤 な変 化 に直 面 す る場 合 が あ る。B氏 は 、子 ど もの呼 吸 停 止 に 直 面 した 時 、 医療 者 に相 談 して 、 訪 問後 に対 処 す る とい う時 間 の猶 予 は な く、瞬 時 の判 断 と対 処 を行 っ て い た。

B氏 は、 「 呼 吸 が止 ま っ た り、サ チ ュ レー シ ョン が 下 が っ た時 は まず 吸 引 して 、 と教 わ った 」 と入 院 中か ら呼 吸 停 止 の可 能 性 を見 越 した 指 導 が行 われ てい た。 しか し、 実 際 には 「 吸 引 や ア ン ビ ュー バ ッ ク の使 用 方 法 は言 葉 で しか 教 わ らな か った 」 と語 って い た 。 家 族 に よ る医 療 的 ケ ア の 習 得 に関 して は 段 階 的 な丁 寧 な 指 導 が 必 要 と され て い るが(宮 谷,小 宮 山,鈴 木,2002)救 命 に近 い 対 処 を 言 葉 で 説 明 され た の み で 、 実 践 す るの は 困 難 で あ る と考 え られ る。

本 研 究結 果 で は 、 母 親 は 在 宅 にお い て 呼 吸停 止 が 起 こ って 、 初 めて ア ン ビ ューバ ッ クで蘇 生 を試 み て い た。 【呼 吸 の確 保 を最 優 先 した 】が 『ど う しよ うど う しよ うって 、息 して な い の か な っ て 、上 が っ て こ な い 、(心臓)マ ッサ ー ジ か なん か しない と、マ ッサ ー ジ じや な い ア ン ビ ュー だ 』 と語 り、 そ の 時 、 手順 が判 らな くな り混乱 して い る様 子 が示 され て い た。 さ らに 〈 子 ど も の 表 情 の こ とは は っ き り覚 え て い な い〉と語 り、そ の 時 の記 憶 が 不 明瞭 な こ と も示 され て い た。

在 宅 にお い て重 症 な子 ど もを養 育す る親 は 、子 ど もの病 状 が急 変 す る恐 怖 感 を残 した ま ま退 院 して 来 て い る(廣 田 ら,2010)と い われ て い る が 、 そ の恐 怖 は 実 際 に母 親 の 目の前 で起 こ り、

怖 い とい う気 持 ち の ま ま救 命 に近 い対 処 を行 っ て い た。 人 は不 愉 快 な体 験 をす る とそ の 記 憶 を

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抑圧 し、 意識 か ら取 り除 い て しま う(重 野,1994)と い わ れ て い るが 、 母親 に とっ て 呼吸 停 止 の 場 面 は 、 は っ き りと覚 えて い な い ほ ど恐 怖 に満 ち 、 自身 の記 憶 を抑圧 して しま うよ うな 出来 事 で あ っ た と考 え られ る。

以 上 の こ とか ら、超 重 症 児 、準 超 重 症 児 の体 調 を観 続 け て い る母 親 は た とえ初 めて の 体 調 の 変 化 で あ っ て も、 ア レお か しい と気 づ くこ とが で き る。 そ の気 づ き は た とえ理 由が わ か らな く とも、 ま た どん な小 さな変 化 で あ って もそ の後 に 引 き続 く増 悪 を予 防 す る大 切 な き っ か けで あ る と考 え る。 そ して 、 母 親 は在 宅 の 医 療 者 と子 ども を一 緒 に観 なが ら、 増 悪 して い る体調 が今 後 ど うな るか 、 ま た は 現 在 どの よ うな 状 態 で あ るか を説 明 され る こ と に よ り、増 悪 の 兆 しの気 づ きを 生命 の危 機 と認 識 し直 し、新 しい判 断 を獲 得 して い く こ とが で きた と考 え られ る。

ま た 、 重篤 な 体調 の変 化 の場 面 に お い て は 、母 親 は子 ど もの命 を 守 るた め に、 記 憶 を抑 圧 し て しま うほ どの恐 怖 心 を持 ち な が ら対 処 して い る。 恐 怖 と混 乱 の 中 で行 う対 処 は、 対 処 に のみ 追 われ 子 ども の観 察 が で き な くな っ て しま うこ とが考 え られ る。 どん な に 日常 の 医 療 的 ケ アが 確 実 にで き、 観 察 は で き てい た と して も、 言 葉 で指 導 され た だ け の知 識 で救 命 に 近 い 対 処 を行 うこ とは難 し く、 子 ども の観 察 が 不 十 分 に な っ た り、 恐 ろ しか っ た とい う記 憶 の み が あ と に残 され て しま う と考 え られ る。

3.看 護 へ の 示 唆

本 研 究 に お い て 、超 重症 児 、 準超 重 症児 を ケ ア す る母 親 は 、 自 らの 多 くの経 験 を手 掛 か りに 子 ど もの 体調 の変 化 に ア レお か しい と気 づ く こ とが で き て い る こ とが 明 らか に な っ た。

しか しな が ら、 初 め て の体 調 の変 化 の場 合 、 時 と して障 害 の あ る子 ど も も健 常 児 と同 じ様 に 判 断 して しまい 、生 命 の危 機 を予 測 す る こ とに遅 れ を生 じ させ て しま うこ とが 明 らか に な った 。

さ らに子 の入 院 中、 病 院 で の指 導 を断 片 的 に捉 え た ま ま退 院 す る こ とに よって 、 子 ど もの 体 調 を総 合 的 に判 断 す る こ と を難 し く して い る こ とが明 らか とな っ た。 ま た 、子 どもの 生命 の 維 持 が 困 難 な 変 化 に対 し、母 親 は 対 処 の具 体 的 なイ メー ジ もで き な い ま ま、救 命 に近 い 対 処 を行 い 、 そ の 時 に は 強 い 恐怖 心 を持 ちな が ら行 って い た こ とが 明 らか に な った 。

よっ て訪 問看 護 師 は 、 退 院 に 向 けて の 支援 に お い て 、在 宅 で想 定 され る子 ど もの体 調 の変 化 を具 体 的 に提 示 し、 どの よ うに判 断 す るか シ ミュ レー シ ョン した り、 入 院 中に母 親 が受 け る退 院 指 導 を共 に聴 き 、 わ か らな い こ とを 明 らか にす る こ とな ど病 院 の看 護 師 と協 働 しな が ら三 者 が 同 じ時 間 を共 有 し考 え る時 間 を持 つ こ とが必 要 で あ る と考 え る。 ま た 第 一子 を育 て て き た経 験 を もつ 母 親 につ い て はそ の育 児 経 験 を把 握 し、母 親 の子 育 て に対 す る想 いや 考 え方 を知 って お くこ とも必 要 で あ る。 これ らを退 院 前 か ら支 援 す る こ とに よ り、母 親 は退 院 後 も訪 問 看 護 師 と共 有 で き る経 験 を持 って い る と 自覚 で き、 子 ども の安 全 を望 む 母 親 が抱 え る、 退 院 後 も引 き 続 く不 安感 は 軽 減 で き る と考 え る。

ま た 、母 親 は うま く判 断 で きな か った 経 験 や 怖 い と思 って 対 処 した 経 験 を持 っ て い る。 人 の 経 験 は そ の 質 に よ り未 来 に 、 よ り望 ま しい 経 験 を もた らせ るか ど うか に影 響 して い る こ とか ら (J.デュー イ/市 村 訳,2004)、 そ れ らの経 験 が以 降 の経 験 に 良 い影 響 を与 え られ る よ う、対 処 後 の母 親 へ の ね ぎ らいや 、怖 か っ た 気持 ち へ の 共感 、 さ らに今 後 の 対 策 に つ い て と もに考 え る

こ とが 重 要 で あ る と考 え る。

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VI.研 究 の 限界

本 研 究 の 対 象 者 の 子 どもは 超 重 症 児 、 準 超 重 症 児 で あ り、 子 ど もの 体 調 の 変 化 の 内 容 は 生命 に危機 が 予 測 され る よ うな状 況 で あ った り、生命 の 維 持 が 困 難 と思 わ れ る よ うな 状 況 で あ っ た。

在 宅 で 子 ど もを養 育 す る 中で 起 こ る体調 の 変化 は この よ うな状 況 ば か りで は な い た め 、 医療 的 ケ ア を必 要 とす る子 ど もの 体調 を 見極 め る母 親 の判 断 と して 限 界 が あ る。

ま た本 研 究 で対 象 とな っ た母 親 と子 ど もの家 族 成 員 全 員 が在 宅 で子 ど も と と もに生 活 す る こ とを望 み 、家 族 の支 援 体 制 に問 題 が な か っ た。 在 宅 療 養 にお い て は家 族 の ケ ア能 力 の高 さ は生 活 の質 に大 き く影 響 す る た め、 母 親 自身 や 家 族 成 員 に何 らか 問 題 の あ る場 合 につ い て も研 究 の 限 界 が あ る。

WI.結 論

医療 的 ケ ア を必 要 とす る子 ど もの体 調 の変 化 に初 め て 直 面 した母 親 の判 断 と して 、 ア レお か しい と気 づ い て か らみ るみ る うち に体 調 が増 悪 す る子 ど もを看 続 け た母 親 の観 察(A氏 とC氏) の場 面 にお い て は22の サ ブ カ テ ゴ リー と7の カテ ゴ リー が 抽 出 され た。 さ らに(重 篤 な状 況 B氏)で は14の サ ブ カ テ ゴ リー と6の カ テ ゴ リー が抽 出 され た。

母 親 は 自 ら の五 感 を 使 っ て 子 ど も の 体 調 の 変 化 にす ぐ さ ま 気 づ い て い る こ と、 母 親 は子 ど もが 入 院 中 、 看 護 師 か らの 指 導 を 断 片 的 に 捉 え て い る こ とや 、 母 親 が そ の 子 ど も の き ょ

うだ い を 育 て た 経 験 か ら健 常 児 の 場 合 と同 様 に 判 断 し、 子 ど もの 生 命 の 危 機 を予 測 す る の を 困難 に して い る こ とが 明 ら か に な っ た。

以 上 の こ とか ら、母親 が在 宅 にお い て 子 ど も の 安 全 と安 楽 を 守 る 判 断 をす る た め に は 、入 院 中看 護 師 か ら受 け た指 導 や 母 親 が 入 院 中か ら子 ども を看 続 けて き た経 験 、 そ して 子 育 て の経 験 が 統 合 され て い る こ とが 必 要 で あ る 。 そ の た め に は 、 退 院 支 援 の 早 期 か ら、 病 院 の 看 護 師 と訪 問 看 護 師 が 協 働 し、 母 親 と と も に 退 院 後 想 定 され る子 ど もの 体 調 の 変 化 を具 体 的 に 考 え る こ とが 重 要 で あ る。

謝 辞

本研 究 に ご協 力 い た だ い た 対 象 者 の 皆 さま 、 及 び 研 究 対 象 者 を ご紹 介 い た だ い た 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョンの 皆 様 に感 謝 申 し上 げ ま す。ま た 、 在 宅看 護 の ゼ ミに お け るデ ィス カ ッ シ ョン、

小児 看 護 の研 究者 を招 い て の 意 見 交 換 等 、ご助 言 い た だ きま した 先 生 方 、最 後 に な りま した が 、 指 導教 員 で あ る河 原 加 代 子 教 授 に は 心 か ら感 謝 申 し上 げ ます 。

文 献

ア ン ・マ リナ ー ・ トメ イ,マ ー サ ・レ イ ラ ・ア リグ ッ ド(2002)/都 留 伸 子 監 訳(2004) .看 護 理 論 家 と そ の 業 績 第3版.医 学 書 院,東 京.

平 林 優 子(2007).在 宅 療 養iを行 う子 ど も の 家 族 の 生 活 の 落 ち 着 き ま で の 過 程.日 本 小 児 看 護 学

会 誌,16(2),41‑48.

表 目次 1 2表表 表3 対 象 者 の 概 要 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …1ア レ お か し い と 気 づ い て か ら み る み る う ち に 体 調 が 増 悪 す る 子 ど も を看 続 け た 母 親 の 判 断A氏とC氏・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ …2ア レ お か し い と 気 づ い て か ら み る み る う ち に 体 調 が 増 悪 す る 子 ど

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