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Academic year: 2021

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はじめに

西 山 雄 二

 2015年7月、ジャック・デリダの動物論研究の第一人者Patrick Lloredパトリッ ク・ロレッド氏(リヨン第三大学)を招聘して、連続セミナー「デリダの動物哲学  La philosophie animale de Derrida」が各地で開催された。首都大学東京・傾斜的 研究費「日本における「フレンチ・セオリー」の受容と展開」による招聘である。

 ロレッド氏はリヨン第三大学講師で、ジャック・デリダの動物論研究の第一人者 である。著書に、『ジャック・デリダ──動物性の政治と倫理』( Jacques Derrida : Politique et éthique de l’animalité, Sils Maria, 2013)があり、博士論文「動物性 のポリティックス──ジャック・デリダの哲学における主権、動物性、脱構築」が 刊行予定である。アングロ・サクソン圏と比べるとフランスでは動物倫理の研究は 遅れているが、ロレッドはピーター・シンガーやトム・レーガン、ダナ・ハラウェ イらの議論を考慮しつつ、デリダの動物論を考察できる点で貴重な存在となってい る。

 2014年、日本ではちょうど『動物を追う、ゆえに私は(動物で)ある』『獣と主 権者』の日本語訳が刊行されたが、ロレッド氏とともに、デリダの動物論の可能性 をめぐって、ベンヤミン、ドゥルーズ、レヴィナスとの比較を通じて、政治、哲 学、倫理といった分野で議論することができた。連続講演の詳細は以下の通りであ る。

2015年7月7日 早稲田大学

「供犠、暴力、正義の可能性――デリダがベンヤミンに負うもの」

司会=藤本一勇(早稲田大学) コメント=鵜飼哲(一橋大学)

主催=早稲田大学文学学術院 表象・メディア論系、脱構築研究会

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2015年7月8日 首都大学東京

「死、動物そして触覚──デリダによるハイデガーの動物の脱構築」

司会=西山雄二(首都大学東京)主催=首都大学東京・傾斜的研究費「日本におけ る「フレンチ・セオリー」の受容と展開」

2015年7月9日 大阪大学(吹田)

「動物は人間のように愚かであることができるか──デリダとドゥルーズをめぐる

「超越論的愚かさ」について」

司会=檜垣立哉(大阪大学)主催=科研費(基盤B)「ドゥルーズ研究の国際拠点 の形成」

2015年7月10日 立命館大学

「人間の倫理は供犠的か――倫理の脱構築をめぐるデリダとレヴィナスの論争」

司会=加國尚志(立命館大学)、亀井大輔(立命館大学)

主催=科研費(基盤C)「遺稿調査にもとづくジャック・デリダの脱構築思想の生 成史の解明」、立命館大学間文化現象学研究センター

 なお、早稲田大学での講演原稿は、吉松覚訳で『思想』2015年12月号に掲載され、

大阪大学の講演原稿は、西山雄二・小川歩人訳で『ドゥルーズ 没後20年新たなる 転回』、河出書房新社、2015年に掲載された。

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