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教育移動の 日米比較分析

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(1)

教育移動の 日米比較分析

一SSM調査とOCG調査の比較一

小 島 秀 夫

(1984年11.月5日受理)

問題と諸命題

問題 イギリスでグラースを中心とする研究グループが,それ以後世界各国でなされる研究の模範と なるべき社会移動の研究を開始してから,30年以上が経過した。グラースらの研究以後今日にいたるま でに・全国規模の社会移動の調査は,現在確認されているだけでも世界36ケ国におし・てなされてお61 国際比較のためのデータが蓄積されてきている。

一方,これまでの社会移動の研究をふりかえることによって明らかにされるのは,社会移動の研究は 統計学における新しい方法の発展とともに研究が精緻化されてきているということである。たとえば,

1960年代にはパス解析が社会移動の研究に導入されることによって,社会移動の研究は飛躍的な発展を みたし,70年代に入ってからはログリニア・モデルが社会移動研究に応用されることによって,社会移 動の研究は新たな段階をむかえているのである。したがって,今日において社会移動のデータを扱う場 合には,これまでとは異なる新しい方法論が使用されなければならない。

しかしながら,社会移動のデータの蓄積がなされてきている一方では,それらのデータを使用した社 会移動の国際比較研究はあまりなされていないし,比較研究によって明らかにされていることもあまり ないというのが現状である。それ以上に,国際比較のためのテストされるべき命題も十分に整備されて

いないといえる。

本稿の目的は,日本の1975年SSM(社会階層と社会移動)調査とアメリカの1973年OCG(Occu pational Changes in a Generation)調査の再分析をつうじて,これまで社会移動の国際比較研 究において注目されることのなかった,父親と子どもの教育移動に焦点をあてて,これらについての新 たな命題を立てることである。すなわち,本稿において立てられる新たな命題は,「父親と子どもの教 育移動のパターンは,教育構造の変動を除去した場合に,一定である」というものである。

次に,本稿の位置づけを明らかにする目的で,社会移動の国際比較研究において,これまでにどのよ うな命題が立てられてきているのかを示しておこう。

トライマンの諸命題 社会移動の国際比較研究において,現在のところ最も体系的で包括的な命題を 立てているのはトライマンであろう。それらの命題は,パス・モデルを設定し,社会の産業化の程度に

よって,そのパス・モデル内のパラメータの数値がどのように異なるのかを比較することによって立て られたものである。以下では,トライマンによって立てられている命題を簡単に要約しておこ夷

(1)社会が産業化されればされるほど,子どもの職業に対する父職の直接効果は,より小さくなる。

(2)社会が産業化されればされるほど,職業達成に対する教育の直接効果は,より大きくなる。

③ 社会が産業化されればされるほど,教育達成に対する親の地位の影響は小さくなる。

(4)社会が産業化されればされるほど,純粋移動率は高くなる。

(2)

⑤ 社会が産業化されればされるほど,収入に対する職業の直接効果は,より大きくなる。

㈲ 社会が産業化されればされるほど,収入に対する教育の直接効果は,より小さくなる。

(7)社会が産業化されればされるほど,教育と収入の相関は小さくなる。

これらの命題は・実際にはより多くの下位の命題よ備成されているが・産業化と社会移動1忌閨心を 持つ研究者は,これらの諸命題をいろいろな社会のデータを使用して検証することを試みている。

@      1 データと方法

データ 本稿において使用されるデータについて説明しておこう。分析に使用されるのは,1975年の SSM調査(N=2,724)と1{刀3年のOCG調査(N=33.613)データである。 SSM調査は,1975年に日

本で実施されたものであるが,20〜69才の日本の成人男子を母集団に,多段層化抽出法によって選ばれ       4)

スサンプルに対し個別面接調査を実施したものである。これに対して,1㎝3年のOCG調査は1962年の 第1回OCG調査の反復調査(replicate study)として,20〜65才のアメリカの成人男子を母集団に し,アメリカ政府によって定期的になされているCPS(Current Population Survey)調査と一緒に なされたものであ♂調査法については,次の点でSSM調査とは異っている。すなわち, OCG調査で

は多段層化抽出法で選はれた調査対象者に対して,OCG調査用の調査票を送り,それを対象者に記入 して返送してもらうという方法がとられた。したがって,OCG調査の情報は, OCGとCPS調査から 得られた情報より成り立っている。これら二つのデータは,日本とアメリカの社会移動の現時点で最も 信頼できるデータであるといえる。

これら二つの調査は,社会階層と移動の解明を目的とするものであり,二つの調査には比較可能な変 数が多く含まれているが,本研究で分析に使用されるのは父親の学歴と本人の学歴のクロス表である。

対象者の年齢幅はSSM調査の方がやや大きいが,ここでの分析対象者の年齢はOCG調査にあわせて

.20〜65才とした。したがって,分析の対象とされるのは1910年代生まれの人から1950年代生まれの人で ある。二つの調査の時点に2年の差はあるが,この差はほとんど無視してもよいほどのものであり,日 米とも同じ時期に出生した人を対象としていると考えてよいであろう。

方法 本稿で使用される分析方法について説明しておこう。ここで使用される分析方法は,ログリニ

ア分析である。すでに,このログリニア・モデルは職業移動表に対して使用されており,これまでとは       6}

ルなる研究成果が出されている。

ここで,父学歴を行に,本人(子ども)の学歴を列にとった教育移動表が年齢別にとられていると仮 定しよう。すなわち,父学歴×本人の学歴x年齢の三重クロス表があるとしよう。父学歴のカテゴリー

F(Z=1,2,… 。・。1),本人の学歴のカテゴリーS(ゴ=1,2,……」),年齢のカテゴリーA(ん=1,2,…・・K)

がある場合,飽和モデル(saturated model)は乗法モデルでは,

物ん一η・ぢ・夢・鴛・駕・鷺・多£・魏   (1)

と表わされる.(1)式において,隔は励番目のセルの期待麟であり・ηは総平均である・τ写・・}・・£は,隔に対する父学歴本人の学歴年齢の効果を示している・囎と・3珍は・それぞれ隔に対する年齢別の父学歴,本人の学歴の効果を示している・能と撰とカ・一緒になった場合には・

サれは年齢別の教育髄の変動を除去することを意味している・・号夢は激育儲の変動を除去した 鼾№ノ,父学歴と本人の学歴の交互作肋糀劇こ与える効果を示す・・辮は・父学歴と本人の学歴

(3)

のコンスタントな交互作用が年齢によって異なることが,呪励に対する効果を示している。このモデ ルは,モデル表記では〔FSA〕と表わされる。(1)式が〔FS且〕と表わされることからも明らかなように,

高次のレベルでの相互作用に含まれている変数は,かならず下位のレベルにおいても存在しているとい うことを意味している。

(1)式で示される飽和モデルは,期待度数と実測度数が一致するため分析的な意味はない。われわれの ここでの関心は,飽和モデルよりもより単純なモデルが成立するかどうかということである。したがっ てわれわれは,飽和モデルにかわって,次のモデルをテストしてみることとする。そのモデルは,

視ボη・写・夢・鴛・鷺づ津    (2)

で表現されるモデルである・(2)式と(1)式は・・写夢一・魏一1であるという点が異なる.(2)式は,モ デルの表記として〔17A〕〔s幻と表わされる。②式で示されるモデルの仮説は,父学歴と本人の学歴は 年齢とともに変化するが,父学歴と本人の学歴間にはなんの関連もみられないというものであり,どの 年齢層においても完全移動がみられるというものである。ログリニア分析においては,こうしたモデル の適合度が問題とされる。モデルの適合度は尤度比統計量G2(likelihood−ratio statistics)7)を求め ることと,自由度を求めることによって測られる。

次に,われわれは②式に父学歴と本人の学歴間のコンスタントな交互作用を加えて,③式で示される モデルを考えることができる。

物〔・写・∫・£・写夢・鵬・舞   (3)

このモデルは,〔FA〕〔8幻〔FA〕と表わされる。(3)式で示される仮説は次のようなものである。父学 歴と本人の学歴は年齢とともに変化する魁父親と本人の教育構造の変動をコントロールした場合,父 学歴と本人の学歴間にコンスタントな交互作用が存在するというものである。このモデルが成立しない

場合には飽和モデルのみが適合するモデルである。

ここで{2)式と(3)式を比較することは興味のあることである。なぜならば,(3)式で示されるモデルは(2)

式で示されるモデルのパラメータをすべて含み,さらに父学歴と本人の学歴のコンスタントな交互作用 を示すパラメータも含んでいるためである。したがって,(2)式と(3)式のG2の差と自由度の差を比較す ることによって,教育構造の変動をコントロールした場合に,父学歴と本人の学歴の間にコンスタント な交互作用が存在しない,という帰無仮説をテストすることができる。

(3)式で示されるモデルのインプリケーションを明らかにするために,(3)式を優比(odds ratio)の形 で表現することが適切であろう。たとえば,次のようにある年齢んにおける父学歴の対と本人の学歴の 対がある場合に,

父学歴  本人の学歴

@     1    2

@ 1   コじ11南  コ腰12た

2  の21な 勉翫

優比は次のような形で示される。

@11陀/コβ12ん) @11ん/劣21あ) 劣11ん勉北

=       =      (4)

@21ん/劣22左) @12乃/劣22ん) の12なコ521ん

(4)

(4}式で示される優比は,たとえ1よ父親の学歴が高校卒である場合に,その子どもが大学卒であるより も高校卒であるという確率の変化が,父親の学歴が大学卒である子どもが大学卒よりも高校卒であると いう確率の変化に等しい,ということを意味している。③式で示されるモデルは,優比の値がすべての 年齢層で等しいということを意味している。さらに③式は,この優比の値が父学歴と本人の学歴のどの ような組合せにおいても等しいことを意味している。    

ここでのわれわれの分析において重要なのは,②式および③式によって示されるモデルであるが,そ れらのモデル以外にも,モデル〔F〕〔8A〕と〔8〕〔F4〕もテストする。

ログリニア・モデルによる比較

SSM調査の分析表1には, S SM調査で得られた父学歴x本人学歴×年齢の三重クロス表に対して,

それぞれのモデルをあてはめた場合の結果が示されている。変数のカテゴリーは学歴がそれぞれ4カテ      8}ゴリー,年齢が5カテゴリーである。

表中の△は非類似指数(index of dissimilarity)である。△は実測度数と期待度数の乖離を示す ものであり,別のモデルによって適切なセルに配分されるべきケースの比率を示すものである。ここで はモデルの適合度の良さを示す指標の一つとして使用される。たとえば,表1のパネルAに示されてい るモデル〔F〕〔8A〕において△は23.5であるが,これは全ケースの2a5%がこのモデルのもとでは不 適切なセルに配分されているということを示している。

G聾/Gちは,基本モデルのもとで求      表1 ログリニァ分析結果(SSM)

められたG2の値を100%とした場合に,       N=2・398

それぞれのモデルによって説明される モデル  G・ 4∫ α △ぴ%

説明力を示すものである。αは有意水

準を示すものである。ログリニア分析 A.周辺分布の変化

の場合モデルが適合しているかどう  エ〔,F 〕〔S幻    93778 57 α00 2a5  一

       2 〔8〕〔F且〕         601.04     57    α00    15.3     一

ゥをみるためにα=0.05が通常とられ

3. 〔F∠4〕〔84〕        53α47    45    0.00    148   10α0%

る。αの値がα05より大きい場合には       4AI VS. A3    407.31   12  α00   8.7   一

モデルを採用し,反対にαが0.05より  5A2VSA3   7α57 12 α00  α5  _      ●

小さければモデルは棄却される。   B.全マトリックス

パネルAに示されたモデル〔F〕〔S五〕  1・〔FA〕〔sA〕〔∬s〕 4121 36  α25  25  7.8

は,本人の学歴は年齢とともに変化す  2A3 VS・B1  4紛26  9 α00 123 922

      C.主対角線ブロックるが,父学歴は変化しないし,かつ父

1. 〔FA〕〔SA〕        109.45     25    0.00     43    2α6 学歴と本人の学歴の交互作用は存在し       2  〔FA〕〔s.4〕〔Fs〕    2577     20    0.17     1.6     49

ないというものである。〔S〕〔FA〕は  aCIVS.C2   8368  5  α00  27  158

〔F〕〔SA〕とは反対に,父学歴は年齢  4BI VS.C2   1544 16 ≧5  αg  2g とともに変化するが,本人の学歴は変

       F:父学歴  S:本人学歴  A:年齢化しないというものである。これら二

つのモデルの自由度とG2の値を比較することによって,これら二つのモデルは,うまくデータに適合 していないことが明らかにされる。この二つのモデルはそれぞれ父および本人の教育構造が不変である ということを仮定しているという点で非現実的であるか,モデル〔FA〕〔SA〕と比較することによって

(5)

別の情報を得ることができる。

モデル〔FA〕〔SA〕は,ここでの分析では基本モデルの役割をはたしている。このモデルは父学歴と 本人の学歴は年齢とともに変化するが,父親と本人の学歴間には交互作用は存在しない,というもので ある。このモデルの自由度は45であるのに対し,G2は530.47であり,モデルは成立していない。また,

このモデルでは全ケースの14B%が不適切なセルに配分されていることが,△をみることによって明ら かにされる。

この基本モデルと,モデル〔F)〔SA〕,〔S〕〔FA〕とを比較することによって,それぞれ父および本人 の教育構造はコンスタントであるという帰無仮説がテストされる。モデル〔F〕〔84〕と基本モデルの自 由度の差は12であるのに対し,G2の差は407.31であり,統計的に有意である。 したがって,父親の教 育構造はコンスタントであるという帰無仮説は棄却される。同様に,モデル〔8〕〔FA〕と基本モデルを 比較することによって,本人の教育構造もコンスタントでないことが明らかにされる。

パネルBに示されているモデル〔〃〕〔S4〕〔FS〕は,父学歴も本人の学歴も年齢とともに変化するが,

教育構造の変動をコントロールした場合に,(4)式で示されるような意味で,父学歴と本人の学歴間にコ ンスタントな交互作用が存在するというものである。このモデルでは,基本モデルの7.8%が説明される べき結合として残されており,全ケースの2.5%しか不適切なセルに配分されていないことが明らかと

なる。このモデルの自由度は36であるのに対し,G2は41.21であり,α=0.25となり,明らかにこのモ デルを採用することができる。すなわち,本稿の目的である,教育構造の変動を除去した場合にみられ る教育移動のパターンは同じである,という仮説は一応支持されたことになる。

このことをさらに明らかにするために,モデル〔FA〕〔8A〕と〔FA〕〔SA〕〔F8〕とを比較してみるこ ととする。この二つのモデルを比較する際に立てられる帰無仮説は,父学歴と本人の学歴間にコンスタ ントな交互作用は存在しない,というものである。ここで自由度は9であるのに対し,G2は489.26で あるから明らかに統計的に有意であり,この帰無仮説は棄却される。つまり,父学歴と本人の学歴間に は,コンスタントな交互作用が存在しているのである。また,このモデルでは基本モデルの結合の92.2

%が説明され,全ケースの12.3%が適切なセルに再配分されていることからも明らかなように,父学歴 と本人の学歴間のコンスタントな交互作用は教育の世代間移動において重要な要因であることが理解さ

れる。

しかしながら,移動表全体においてこうしたことがいえたとしても移動表を分割した場合,すなわち それぞれのモデルをもっと狭く限定した場合に,同じ事実が確認できるかどうか明らかではない。した がって,われわれは以下の分析において,移動した者にっいても,同じ事実が確認できるかどうかを解 明することとする。以下では,主対角線上のすべてのセルが実測度数をとるような制約を課した場合に

ついてみてみよう。       91パネルCには,主対角線上のセルをブロック(block)した場合の結果が示されている。主対角線

上のセル以外に対して,モデル〔F.4〕〔8A〕をあてはめた場合に,このモデルは明らかに適合していない ことが理解される。しかしながら,このモデルとモデルA3を比較した場合に,主対角線上のセルが基 本モデルの結合の80%を説明していることが明らかとなる。ついでモデル〔FA〕〔SA〕〔F8〕について みると,基本モデルの結合の49%が説明されるべき結合として残され,全ケースの1.6%しか不適切 なセルに配分されておらず,自由度が20であるのに対し,G2は25.77であり,このモデルは成立してい る。したがって,主対角線上のセル以外においても,父学歴と本人の学歴のコンスタントな交互作用が 存在しているのである。

(6)

主対角線上のセル以外においても,父学歴と本人の学歴間にコンスタントな交互作用が存在している ことを確認するために,パネルBの場合と同様に,モデルC1とC2を比較してみた。その結果,自由 度が5であるのに対し,G2は8a68であり,統計的に有意であり,父学歴と本人の学歴間にコンスタン

トな交互作用が存在していることが確認される。

さらに,モデルB1とC2を比較することは興味のあることである。モデルB1とC2の差は,後者の モデルにおいて主対角線上のセルは実測度数をとるように制約が課せられていることである。,これら二 つのモデルを比較することによって,コンスタントな学歴世襲のパターンが存在する,という帰無仮説 をテストすることができる。これら二つのモデルのG2の差は1544であり,自由度は16であるから統計 的に有意でなく,明らかにモデルは成立する。したがって,コンスタントな学歴世襲が主対角線上のセ ルに認められるのである。

ここで,これまでの分析結果について要約しておくことが適切であろう。第1に,父および本人の教 育構造が年齢とともに大きく変動していることが明らかにされた。第2に,移動表全体をみた場合,父 学歴と本人の学歴間にコンスタントな交互作用が存在していることが明らかにされた。第3に,父学歴 と本人の学歴間のコンスタントな交互作用の存在は,移動者についても確認された。

日本のように教育構造が大きく変動した社会でも,構造変動を除去した場合に,父学歴と本人の学歴 間にコンスタントな交互作用が存在しているという事実の発見は,次の点で重要である。すなわち,教 育の構造変動によって教育機会は拡大したが,学歴の高い父親をもつ人は,そうでない人と比較して,

より高い学歴をもつよづになるというパターンには変化はみられないのである。

では,アメリカの場合についてはど       表2 ログリニア分析結果(OCG)

うであろうか。OCGデータについて検      N臨2a634

討してみよう。      モ デ ル   G2  4∫  α  △ ぴ物丁 OCG調査の分析 表2には, OCG

.調査で得られた父学歴×本人学歴×年 へ周辺分布の変化

齢の三重クロス表に対して,それぞれ  L〔F〕〔8幻    646581 57 α00 2α6  『

       2  〔S〕〔Fノ匡〕         601470    57     α00    220     一

フモデルをあてはめた場合の結果が示

3. 〔FA〕〔SA〕       372α74    45    0。00    13.3    10α0%

されている。モデルの解釈は,表1の       4AI VS. A3    2745。07  12  α00   73   一

場合と同じであるから,ここでは結果  5A2 VS A3  22gag6 12 α00  87  _      ●

を簡単にみてみることにする。    B.全マトリックス

OCG調査の場合でも,モデル〔F〕  1・〔F4〕〔s4〕〔F8〕 3687 36 α47  α9  1・0

〔SA〕,〔8〕〔〃〕は成立していない。  2A3 VS・B1  368a87 9 α00 1a4 990

      C.主対角線ブロック基本モデル〔FA〕〔8A〕も統計的に有

1。 〔FA〕〔sゑ〕         950L75    25     0.00     4.8     256

意であり・成立していないことが明ら  2〔FA〕〔s幻〔FS〕 2α59 20 α15  α6  α7

かにされる。このモデルでは,全ケー  aCIVSC2   92↓16  5 α00  42 248      ●

スの133%が不適切なセルに配分され  4Bl VS.C2   1αlg 16 )㌔5  α3  α3

ている。モデル〔F〕〔SA〕,〔S〕〔FA〕

と基本モデルをそれぞれ比較すること  F:父学歴  S:本人学歴  A:年齢

によって,父および本人の教育構造が大きく変動していることが明らかにされる。ここでモデル〔F〕

〔SA〕と〔∬A〕〔SA〕を比較した場合のG2は27婚07と大きく,父の教育構造の変動は日本よりもアメリ カの方が大きいという印象を受けるかもしれないが,これはOCG調査のサンプル数が大きいためであ

(7)

      10}

驍アとに注意する必要がある。このことは,本人の教育構造の変動の場合についてもいえる。

モデル〔FA〕〔8A〕〔FS〕では,わずかに全ケースのα9%しか不適切なセルに配分されておらず,自 由度36であるのに対し,G2は36.87となり,うまくデータに適合していることがわかる。OCG調査のサ ンプル数が大きいことを考えれば,いかにこのモデルがうまくデータに適合しているかが理解されるで あろう。基本モデルと〔FA〕〔SA〕〔FS〕を比較することによって,父学歴と本人の学歴のコンスタント な交互作用か,基本モデルの結合の99%を説明していることが明らかにされる。

この事実が移動者についてもあてはまるかどうかをみてみよう。パネルCに示された移動者について の分析結果をみても,モデル〔FA〕〔SA〕は成立せず,モデル〔FA〕〔S幻〔FS〕が成立している。また モデルC1とC2を比較することによって,主対角線以外のセルにおいても,父学歴と本人学歴のコン

ンタントな交互作用が存在していることが理解される。したがって,OCGのデータにおいても,教育 構造の変動をコントロールした場合,父学歴と本人の学歴の間にコンスタントな交互作用が存在するこ

とが確認された。

これまでみたように,OCG調査で得られた教育移動表に対してログリニア分析を実施した結果は,

SSM調査の結果と同じものであることが確認された。

要約と結論

本稿の目的は,日本のSSM調査とアメリカのOCG調査の再分析をつうじて,これまでの社会移動の 国際比較研究において立てられてきた命題に新たな命題を加えることであった。二つのデータを分析し た結果,次のようなことが明らかにされた。

ログリニア分析を使用して,いくつかのモデルをあてはめてみた結果,日米ともにモデル〔.FiA〕〔S幻

〔FS〕がデータにうまく適合していることが明らかにされた。

したがって,日本とアメリカを比較した場合に,移動率などには差異が認められるが,教育構造の変 動を除去した場合には,二つの社会における教育移動のパターンは同じであるということが確認された ことになる。現在のところ,こうした事実が日米以外のデータを使用した場合にも確認できるかどうか 明らかではないが,日本のように教育構造が大きく変動した社会において確認できたということは,本稿 において提出された新たな命題の妥当性を示すものと考えられよう。したがって,日米以外のデータに よってこの命題を検証することが今後の課題である。

      注

P) L.Broom and P. McDonne1L Current research on 60cial mobility:an inventory ,Cπγrθ撹 800づo og〃  22(1974), pp.353−391.

2)この点については,D.Treiman., Industrialization and social stratification in Laumann, E.0.

(ed.), Soc盛α♂S6γα孟 ガ臨づoπ,(Indianapolis, Bobbs−MerriU,1970), pp.207−234を参照せよ。な澄 TreimanはNIMHへのresearch proposa1において,より詳しい命題を立てている。 D. Tre童man and

J.Kelley.,ノ1 00呪pαγαε勿θ sε%{諺〃o∫s如伽sα材αゼπ糀θπ診(1974).

3)たとえば,ウィスコンシン大学のA.0.ハラー教授はブラジルのデータで,これらの命題の検証を試みている ということである。(個人的対話による)。

4)SSM調査については,富永健一編『日本の階層構造』東京大学出版会,1979年を参照せよ。

(8)

5)OCG調査については, D.L.Featherman and R.M.Hauser.,Oppoγ施π吻α掘Cん㈱gθ,(New York,

Academic Press,1978)を参照せよ。

6)たとえば,R.M.Hauser et a1.,璽曜Temporal change in occupational mobility A那θ弼cαπSo伽♂o碗α♂

Bθ面θ20 40(1975), pp.279−297.

SSM調査に適用したものとしては,小島秀夫・浜名篤「職業移動の傾向分析」『茨城大学教育学部紀要(人文・

社会科学,芸術)」33号,1984,17−32頁がある。

7)G2昌2Σ切Zog@/全)と定義される。ここで劣は実測度数,全は期待度数である。      一 8)学歴は,日本については,旧制高小・新制中学,旧制中学・新制高校,旧制高校・新制短大,旧制大学・新制

大学の4カテゴリーが使用され,アメリカについては比較が可能なように,教育年数を日本の学歴にあわせて 4カテゴリーに分類した。年齢区分は,20代・30代・40代・50代・60代の5カテゴリーである。

9)セルを無視することを意味する。

10)こうした場合,G2を正規化することが提言されている。このG2を正規化した場合は,116.15となる。 G2の正 規化は,G2×1000/Nでなされる。ここでNはサンプル数である。

  付記:本研究は,(財)三島海雲からの研究助成を受けたものである。三島海雲に感謝したい。

9

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