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裁判員裁判が捜査手続に及ぼす影響: 最終講義のた めに

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Academic year: 2021

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裁判員裁判が捜査手続に及ぼす影響: 最終講義のた めに

著者 中山 博善

ページ 1‑39

発行年 2013‑03‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/34270

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裁 判 員 裁 判 が 捜 査 手 続 に 及 ぼ す 影 響

― 最 終 講 義 の た め に ―

刑 事 訴 訟 法 担 当 教 授

第 1 序 文

第 2 公 判 審 理 の 在 り 方 集 中 審 理 と 書 証 の 取 調 べ 直 接 口 頭 主 義 と 書 証 の 取 調 べ 第 3 公 判 審 理 が 捜 査 手 続 に 及 ぼ す 影 響

供 述 調 書 検 証 調 書 鑑 定 書

第 4 供 述 調 書 の 在 り 方 供 述 調 書 の 必 要 性 供 述 調 書 の 内 容 及 び 方 式

2 号 書 面 の 要 件 及 び 自 白 調 書 の 任 意 性 の 立 証 第 5 公 判 審 理 及 び 供 述 調 書 の 現 状 と 今 後 の 課 題

公 判 審 理 全 般 供 述 調 書 の 必 要 性 供 述 調 書 の 内 容 及 び 方 式

2 号 書 面 の 要 件 及 び 自 白 調 書 の 任 意 性 の 立 証 第 6 結 語

第 1 序 文

裁 判 員 制 度 が 捜 査 手 続 に 及 ぼ す 影 響 に つ い て は 、 平 成 2 1 年 5 月 2 1 日 に 裁 判 員 の 参 加 す る 刑 事 裁 判 に 関 す る 法 律 ( 以 下 「 裁 判 員 法 」 と い う ) が 施 行 さ れ る 以 前 に お い て 、 主 と し て 裁 判 員 裁 判 に お け る 書 証 の 取 調 べ の 在 り 方 と い う 観 点 か ら 、 法 曹 三 者 に お い て 検 討 さ れ て き た 。

裁 判 所 に お い て は 、事 柄 が 具 体 的 事 案 に 応 じ た 実 践 的 な 課 題 で あ る と こ ろ か ら 、 統 一 見 解 的 な も の は 出 さ れ て い な い が 、 最 高 裁 判 所 事 務 総 局 刑 事 局 が 、 各 地 の 模 擬 裁 判 の 結 果 を 踏 ま え 、 司 法 研 修 所 の 研 究 会 に お い て 多 数 を 占 め た 意 見 を 集 約 し て 、 平 成 2 1 年 1 月 7 日 に 「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題

- 裁 判 員 裁 判 に お け る 公 判 前 整 理 手 続 、 審 理 、 評 議 及 び 判 決 並 び に 裁 判 員 選 任 手 続 の 在 り 方 ― 」( 以 下 「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題 」 と い う ) を 公 表 し

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て い る 1。 ま た 、 検 察 庁 に お い て は 、 最 高 検 察 庁 が 平 成 2 1 年 2 月 に 「 裁 判 員 裁 判 に お け る 検 察 の 基 本 方 針 」( 以 下 「 検 察 の 基 本 方 針 」 と い う ) を 公 表 し て い る 2。 更 に 、 弁 護 士 会 に お い て は 、 こ れ も 統 一 的 な 見 解 で は な い が 、 日 本 弁 護 士 連 合 会 ( 以 下 「 日 弁 連 」 と い う ) 裁 判 員 制 度 実 施 本 部 が 平 成 1 8 年 6 月 1 9 日 に 「 裁 判 員 裁 判 に お け る 審 理 の 在 り 方 に つ い て の 提 言 案 ( 討 議 資 料 ) - 証 拠 調 べ の 在 り 方 を 中 心 に ― 」( 以 下 「 日 弁 連 提 言 案 」 と い う ) を 公 表 し 3、 そ の 後 の 平 成 1 9 年 8 月 2 4 日 に 討 議 資 料 「 裁 判 員 裁 判 に お け る 証 拠 調 べ の あ り 方 と 留 意 点( 案 )」( 以 下「 討 議 資 料 」と い う ) を 会 員 に 配 布 し て い る 4

裁 判 員 制 度 は 、裁 判 員 法 が 施 行 さ れ て か ら 満 三 年 を 経 過 し 、各 界 に お い て 同 法 附 則 第 9 条 に 基 づ く 見 直 し 論 議 が 始 ま り 、 日 本 弁 護 士 連 合 会 は 、 本 年 3 月 1 5 日 法 務 大 臣 に 対 し 、「 裁 判 員 法 施 行 3 年 後 の 検 証 を 踏 ま え た 裁 判 員 裁 判 に 関 す る 改 革 提 案 」 を 提 出 し て い る が 、 当 然 の こ と な が ら 、 い ず れ も 裁 判 員 制 度 そ の も の の 改 革 に と ど ま っ て い て 、 裁 判 員 制 度 が 捜 査 手 続

1 そ れ 以 前 に は 、 今 崎 幸 彦 ( 裁 判 官 ・ 司 法 研 修 所 教 官 )「『 裁 判 員 制 度 の 導 入 と 刑 事 裁 判 』 の 概 要 」 判 例 タ イ ム ズ №1188 号 (2005.1115) が 司 法 研 修 所 に お け る 研 究 会 の 議 論 の 状 況 を 紹 介 し て い る 。

ま た 、そ の 後 、裁 判 員 裁 判 に 臨 む 法 曹 三 者 の 方 針 を 紹 介 す る た め 、「 裁 判 員 裁 判 の 実 務 」 法 律 の ひ ろ ば 別 冊 ( H21.9.30) が 発 行 さ れ ( た だ し 、 弁 護 士 会 の 方 針 紹 介 は な い )、 そ の 中 に 最 高 裁 事 務 総 局 刑 事 局 第 2 課 長 河 本 雅 也 氏 に よ る 「 裁 判 員 制 度 実 施 に 向 け た 取 組 の 概 要 」が 掲 載 さ れ て い る が 、「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題 」の 内「 研 究 会 等 で の 議 論 の 状 況 」 を ほ ぼ 転 載 し た も の と 見 受 け ら れ る の で 、本 項 で は 、「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題 」に 基 づ い て 論 を 進 め る こ と に す る 。

2 「 検 察 の 基 本 方 針 」 は 、 そ れ 以 前 の 平 成 1 8 年 3 月 に 「 裁 判 員 裁 判 の 下 に お け る 捜 査 ・ 公 判 遂 行 の 在 り 方 に 関 す る 試 案 」( 検 察 試 案 )を 公 表 し た 後 、い か な る 主 張 立 証 活 動 を な す べ き か に つ い て 試 行 を 重 ね 、 裁 判 員 裁 判 の 下 に お け る 捜 査 ・ 公 判 活 動 や 体 制 整 備 の 在 り 方 全 般 に つ い て 、 取 り ま と め て 公 表 さ れ た も の で あ る (「 検 察 の 基 本 方 針 」 1 頁 )。

な お 、 前 掲 注 1 法 律 の ひ ろ ば 別 冊 「 裁 判 員 裁 判 の 実 務 」 に 「 検 察 の 基 本 方 針 」 の 考 え 方 の 概 要 を 説 明 し た 最 高 検 察 庁 裁 判 員 公 判 部 検 事 稲 葉 一 生 氏 に よ る 「 裁 判 員 裁 判 に お け る 検 察 の 基 本 方 針 に つ い て 」 が 掲 載 さ れ て い る 。

3 「 日 弁 連 提 言 案 」 は 、 具 体 的 事 案 に 応 じ た 実 践 的 な 課 題 で あ る と こ ろ か ら 、「 日 弁 連 の 提 言 」 と し て 発 表 さ れ る に は 至 ら ず 、 討 議 資 料 に 止 ま っ て い る 。

4 「 討 議 資 料 」 は 、 検 察 官 請 求 書 証 へ の 対 応 に 力 点 を 置 い て い る も の と 見 受 け ら れ 、 書 証 の 証 拠 調 べ の 在 り 方 と し て は 、「 日 弁 連 提 言 案 」の 方 が 具 体 的 か つ 詳 細 な の で 、本 稿 で は 、 こ れ を 基 に 論 じ 、 必 要 に 応 じ 「 討 議 資 料 」 を 引 用 す る こ と に す る 。 な お 、 日 弁 連 編

「 裁 判 員 裁 判 に お け る 弁 護 活 動 - そ の 思 想 と 戦 略 - 」 日 本 評 論 社 ( 2 0 0 9 ) に 日 弁 連 裁 判 員 裁 判 制 度 実 施 本 部 事 務 局 次 長 岡 慎 一 弁 護 士 に よ る「 討 議 資 料 」の 解 説「 検 察 官『 書 証 』 へ の 対 応 」 が 掲 載 さ れ て い る 。

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に 及 ぼ す 影 響 に つ い て 検 証 し 、 提 言 を 行 う ま で に は 至 っ て お ら ず 、 そ の こ と に 関 す る 法 曹 三 者 の 考 え 方 が 統 一 的 に 明 ら か に さ れ た も の と し て は 、 前 記 の 裁 判 員 法 施 行 前 に 発 表 さ れ た 資 料 に 止 ま っ て い る よ う で あ る 。

そ こ で 、 本 稿 に お い て は 、 裁 判 員 裁 判 の 公 判 審 理 の 在 り 方 を 整 理 し た う え 、 前 記 の 法 曹 三 者 が 公 表 し た 資 料 の 内 容 を 比 較 検 討 し て 、 そ の 在 り 方 が 捜 査 手 続 、 中 で も 供 述 調 書 の 作 成 方 法 等 に 及 ぼ す 影 響 を 明 ら か に し た 後 、 裁 判 員 裁 判 が 施 行 さ れ た 3 年 間 の 実 情 を 踏 ま え 、 そ の 間 に 出 さ れ た 論 考 を 参 照 し な が ら 、 供 述 調 書 の 在 り 方 を 中 心 と し て 、 あ る べ き 捜 査 手 続 を 考 え て み た い 。

第 2 公 判 審 理 の 在 り 方

裁 判 員 裁 判 の 特 質 は 、 い う ま で も な く 、 一 般 国 民 が 裁 判 員 と し て 刑 事 裁 判 に 参 加 し 、 犯 罪 事 実 の 認 定 、 法 令 の 適 用 及 び 量 刑 に つ い て 、 裁 判 官 と 同 等 の 権 限 を 持 っ て 審 理 判 断 す る こ と に あ る 。 そ し て 、 裁 判 員 は 法 曹 経 験 者 等 の 法 律 専 門 職 を 除 い た 一 般 国 民 か ら 選 任 さ れ ( 裁 判 員 法 1 5 条 4 ~ 1 6 号 )、 職 業 裁 判 官 と は 違 っ て 、 刑 事 裁 判 に 関 わ る の は 初 め て の 経 験 で あ る か ら 、 刑 事 裁 判 に 関 す る 経 験 や 専 門 的 知 識 が 十 分 で は な く 、 し か も 、 他 の 職 業 に 従 事 す る な ど 刑 事 裁 判 と は 関 わ り の な い 生 活 を 営 み 、 当 該 裁 判 員 裁 判 が 終 結 す れ ば そ の 生 活 に 戻 ら な け れ ば な ら な い の で 、 裁 判 員 裁 判 に よ り 長 期 間 拘 束 さ れ る こ と に は 耐 え ら れ な い の が 実 情 で あ る 。

そ の よ う な 特 質 か ら 、 裁 判 員 裁 判 に お い て は 、 必 然 的 に 集 中 審 理 及 び 直 接 口 頭 主 義 に よ る 迅 速 で 的 確 な 分 か り や す い 証 拠 調 べ に よ り 、 公 判 廷 に お い て 心 証 を 形 成 す る こ と が 要 請 さ れ る こ と に な る 。 こ の よ う な 裁 判 員 裁 判 の 特 質 及 び 公 判 審 理 の 在 り 方 に つ い て は 、 法 曹 三 者 共 、 基 本 的 認 識 を 共 通 に し て い る 5

5「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題 」 1 、 2 頁 は 、 裁 判 員 裁 判 の 特 質 を 前 提 と し て 、 裁 判 員 裁 判 の 在 り 方 を 規 定 す る 基 本 的 な 考 慮 要 素 と し て 、 ① 裁 判 員 と し て 参 加 す る 国 民 が 審 理 の 内 容 を 理 解 し 、 意 見 を 述 べ る こ と が で き る こ と 、 ② 合 理 的 期 間 内 に 審 理 を 終 え 、 参 加 す る 国 民 の 生 活 ・ 経 済 面 、精 神 面 で の 負 担 を で き る だ け 少 な い も の に す る こ と を 挙 げ 、「 そ の 両 方 の 要 請 を 受 け て 、 模 擬 裁 判 で は 、 連 日 開 廷 、 公 判 中 心 主 義 、 直 接 主 義 、 口 頭 主 義 の 審

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以 下 、 集 中 審 理 及 び 直 接 口 頭 主 義 に よ る 迅 速 で 的 確 な 分 か り や す い 証 拠 調 べ が 求 め ら れ る ゆ え ん と 捜 査 機 関 が 作 成 す る 書 証 と の 関 係 を 整 理 し て お く 。

な お 、 裁 判 員 裁 判 に お い て 求 め ら れ る 「 分 か り や す い 」 証 拠 調 べ と 刑 事 訴 訟 法 ( 以 下 、 単 に 「 法 」 と い う ) 3 2 0 条 の 伝 聞 法 則 と の 間 に 直 接 の 関 係 は な い 。 な ぜ な ら ば 、 伝 聞 法 則 に よ り 捜 査 機 関 が 作 成 す る 書 証 の 証 拠 能 力 を 否 定 す る 根 拠 は 、 反 対 尋 問 を 経 な い 供 述 は 知 覚 、 記 憶 、 表 現 ・ 叙 述 の 過 程 に 誤 り が 生 じ て 類 型 的 な 信 用 性 ( 法 律 的 関 連 性 と も い う ) に 欠 け る か ら で あ っ て 、「 分 か り 易 さ 」 と は 関 係 が な く 、 実 際 問 題 と し て 、 捜 査 機 関 が 作 成 す る 書 証 で あ っ て も 、 作 成 方 法 及 び 内 容 如 何 に よ っ て は 、 準 備 不 足 に よ る と り と め の な い 証 人 尋 問 よ り 分 か り や す い 場 合 も 考 え ら れ る か ら で あ る 。 も っ と も 、 伝 聞 法 則 の 本 旨 に 立 ち 返 り 、 従 前 の 裁 判 官 の み に よ る 刑 事 裁 判 ( 以 下 「 裁 判 官 裁 判 」 と い う ) 以 上 に 、 裁 判 員 裁 判 に お い て は 、 類 型 的 信 用 性 を 欠 く 書 証 を 裁 判 員 に 読 み 聞 か せ る べ き で は な く 、 証 人 尋 問 に よ り 直 接 信 用 性 を 吟 味 す る こ と を 指 向 す べ き で あ る と い う 観 点 か ら は 、 裁 判 員 裁 判 と 関 係 す る の で 、 第 4 、 5 に お い て 、 必 要 に 応 じ て 触 れ る こ と と す る 6

ま た 、 直 接 主 義 に は 、 裁 判 所 が 公 判 廷 に お い て 直 接 証 拠 を 取 調 べ る と い

議 が 追 及 さ れ 、 ま た そ れ を 可 能 に す る た め の 公 判 前 整 理 が 行 わ れ て き た と こ ろ で あ る 。」

と し て い る 。

「 検 察 の 基 本 方 針 」 1 , 2 頁 は 、「 裁 判 員 裁 判 に お い て は 、 刑 事 裁 判 に 従 事 し た 経 験 の な い 一 般 国 民 か ら 選 任 さ れ た 裁 判 員 が 、 裁 判 官 と 協 働 し て 、 裁 判 官 と 同 等 の 権 限 に 基 づ き 、 公 判 審 理 と 評 議 に 参 加 し て 判 決 を 下 す こ と に な る の で あ る か ら 、 … 検 察 官 は 、 裁 判 員 が 審 理 の 内 容 を 十 分 に 理 解 し 、 容 易 に 心 証 を 形 成 で き る よ う な 公 判 活 動 を 行 い 、 裁 判 員 の 良 識 と 感 覚 が 裁 判 の 内 容 に 反 映 さ れ る よ う に し な け れ ば な ら な い 。 … ま た 、 日 常 生 活 の 一 部 を 割 い て 職 務 を 行 う 裁 判 員 の 負 担 を 考 慮 す れ ば 、 で き る 限 り 連 日 的 開 廷 に よ る 集 中 審 理 が 要 請 さ れ 、 検 察 官 に よ り 主 張 ・ 立 証 も 、 迅 速 、 効 率 的 な も の で な け れ ば な ら な い 。」 と し て い る 。

「 日 弁 連 提 言 案 」 1 頁 は 、「 裁 判 員 裁 判 で は 、 事 実 認 定 と 量 刑 判 断 に 一 般 の 市 民 で あ る 裁 判 員 が 加 わ る 。 そ こ で は 、 法 律 知 識 や 裁 判 経 験 が な く て も 理 解 で き る 審 理 が 行 わ れ な け れ ば な ら な い 。 ま た 、 社 会 生 活 を 中 断 し て 事 件 を 担 当 す る 裁 判 員 の 立 場 を 考 慮 し 、 審 理 は で き る 限 り 集 中 し て 行 わ れ な け れ ば な ら な い 。」 と し て い る 。

6

裁 判 員 裁 判 と 伝 聞 法 則 と の 関 係 に つ い て は 、 松 田 岳 士 ( 大 阪 大 学 大 学 院 準 教 授 )「 伝 聞 法 則 の 適 用 」 刑 法 雑 誌 5 1 巻 3 号 ( 2 0 1 2 ) 3 9 頁 以 下 を 参 照 さ れ た い 。

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う 意 味 の 直 接 審 理 主 義 ( 形 式 的 直 接 主 義 ) と 、 直 接 的 な 原 資 料 を 取 調 べ る こ と 、 す な わ ち 供 述 証 拠 で い え ば 証 人 尋 問 を 行 う こ と を 意 味 す る 直 接 証 拠 主 義 ( 実 質 的 直 接 主 義 ) が あ る が 、 裁 判 員 裁 判 に お い て 求 め ら れ る 分 か り や す い 審 理 と 直 接 関 係 す る の は 、 前 者 の 直 接 審 理 主 義 で あ る か ら 、 本 稿 に お い て は 、特 に 断 ら な い 限 り 、直 接 主 義 を 前 者 の 意 味 に 用 い る こ と と す る 。 も っ と も 、 後 者 の 直 接 証 拠 主 義 は 、 伝 聞 法 則 の 根 拠 の 一 つ で あ り 、 伝 聞 法 則 と 同 様 の 意 味 に お い て 裁 判 員 裁 判 と 関 係 す る 7

集 中 審 理 と 書 証 の 取 調 べ

従 前 の 裁 判 官 裁 判 に お い て 行 わ れ て い た 約 一 箇 月 置 き に 開 廷 す る 五 月 雨 式 裁 判 は 、裁 判 関 係 者 を 長 期 間 拘 束 す る こ と に な る の で 、裁 判 員 裁 判 で は 、 連 日 開 廷 に よ る 集 中 審 理 を 実 現 し 、 迅 速 か つ 的 確 な 証 拠 調 べ に よ り 、 裁 判 員 が 裁 判 に 拘 束 さ れ る 負 担 を で き る だ け 少 な く す る 必 要 が あ る 。

そ の た め の 制 度 的 方 策 と し て 、 裁 判 員 裁 判 が 創 設 さ れ る に 当 た り 、 公 判 開 始 前 に 争 点 及 び 証 拠 を 整 理 し 、 公 判 の 審 理 計 画 を 策 定 す る 公 判 前 整 理 手 続 が 創 設 さ れ た ( 法 3 1 6 条 の 2 か ら 同 条 の 3 2 )。 こ れ に よ り 、 裁 判 員 が 関 与 す る 第 1 回 公 判 か ら 判 決 ま で の 実 審 理 期 間 に お い て 、 連 日 開 廷 に よ る 集 中 審 理 の 実 現 が 可 能 と な り 、 後 記 第 5 に お い て も 述 べ る と お り 、 実 際 に も そ の 目 的 は ほ ぼ 達 せ ら れ て い る よ う で あ る 。 し か し な が ら 、 そ の 実 審 理 の 対 象 と な る 証 拠 調 べ が 迅 速 性 や 適 格 性 を 欠 く よ う な も の で あ れ ば 、 裁 判 員 の 負 担 が 増 し 、 実 審 理 期 間 も 長 く な ら ざ る を 得 な い の で 、 迅 速 か つ 適 正 な 集 中 審 理 の 実 現 の た め に は 、 証 人 尋 問 等 の 審 理 方 法 の 改 善 と 合 わ せ 、 公 判 に お い て 取 調 べ ら れ る 捜 査 機 関 が 作 成 す る 供 述 調 書 等 の 書 証 を 裁 判 員 に と っ て 理 解 し 易 い 簡 に し て 要 を 得 た も の と す る 必 要 が あ る 。

直 接 口 頭 主 義 と 書 証 の 取 調 べ

従 前 の 裁 判 官 裁 判 で は 、 五 月 雨 式 裁 判 に 連 動 し て 、 法 廷 に お い て 形 成 し

7

伝 聞 法 則 と 直 接 主 義 の 関 係 に つ い て は 、 拙 著 「 判 例 刑 事 手 続 法 ( 補 訂 版 )」 金 沢 電 子 出 版 1 8 8 、 2 7 8 頁 を 参 照 さ れ た い 。

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た 心 証 を 長 期 間 持 続 す る こ と は 困 難 で あ る た め 、 法 廷 に お け る 捜 査 機 関 作 成 の 供 述 調 書 等 の 書 証 の 取 調 べ は 、 朗 読 ( 法 3 0 5 条 ) で は な く 、 要 旨 の 告 知 ( 法 規 則 2 0 3 条 の 2 ) で 済 ま せ 、 後 日 そ の 書 証 や 証 人 尋 問 の 速 記 録 を 裁 判 官 室 で 熟 読 し て 心 証 を 形 成 す る こ と に な り 、 直 接 口 頭 主 義 に 反 す る 調 書 裁 判 が 日 常 化 し て い た 。 ま た 、 そ の よ う な 調 書 裁 判 が 五 月 雨 式 裁 判 を 可 能 に し 、 か つ 、 犯 行 の 動 機 、 経 過 、 態 様 等 を 詳 細 に 証 明 し よ う と す る 精 密 司 法 を 可 能 に し て き た の で あ る 。 そ し て 、 供 述 調 書 等 の 書 証 に よ る 精 密 司 法 は 、 い や が う え に も 、 供 述 調 書 に 動 機 、 経 過 、 態 様 等 の 犯 罪 に 係 る 事 項 ば か り で は な く 、 そ の 証 拠 能 力 の 要 件 で あ る 特 信 性 や 任 意 性 あ る い は 信 用 性 を 高 め る た め の 事 情 の 記 載 を 要 請 す る よ う に な っ て い た 。

し か し な が ら 、 精 密 な 供 述 調 書 等 の 書 証 を 読 込 む よ う な 専 門 的 な 訓 練 を 受 け て い な い 裁 判 員 に 後 日 法 廷 外 で 読 み 直 す よ う な 負 担 を 負 わ す こ と は 、 時 間 的 に も 能 力 的 に も で き な い の で 、 直 接 口 頭 主 義 を 実 現 し 、 法 廷 に お け る 核 心 を つ い た 分 か り や す い 証 拠 調 べ の み に よ り 心 証 を 形 成 す る こ と が で き る よ う に す る 必 要 が あ る 。 そ し て 、 捜 査 機 関 が 作 成 し た 供 述 調 書 等 を 取 調 べ る 場 合 に も 、 要 旨 の 告 知 で は 、 そ の 内 容 を 全 て 理 解 で き な い こ と に な る の で 、形 式 的 な 事 項 は 別 に し て 、全 文 朗 読 が 要 請 さ れ る 。し た が っ て 、 そ の 供 述 調 書 等 の 内 容 を 裁 判 員 に 分 か り や す い 犯 罪 事 実 及 び 重 要 な 量 刑 事 実 に 絞 っ た も の に し 、 法 廷 に お け る 朗 読 を 聞 く だ け で 理 解 で き る も の に し て お く 必 要 が あ る 。

第 3 公 判 審 理 が 捜 査 手 続 に 及 ぼ す 影 響

捜 査 手 続 が 公 判 手 続 と 関 連 す る の は 、 捜 査 手 続 に お い て 収 集 さ れ た 証 拠 の 取 調 べ で あ り 、 そ の 証 拠 を 証 拠 調 べ の 方 式 に よ り 分 類 す る と 、 そ の 記 載 内 容 が 事 実 認 定 の 資 料 と な る 証 拠 書 類 ( 法 3 0 5 条 ) と そ の 存 在 及 び 形 状 を 事 実 認 定 の 資 料 と す る 証 拠 物 ( 法 3 0 6 条 )、 及 び 証 拠 物 た る 証 拠 書 類

( 法 3 0 7 条 - 犯 行 計 画 メ モ 等 ) と な る 。 そ の う ち 、 証 拠 物 及 び 証 拠 物 た る 証 拠 書 類 の 証 拠 物 面 に つ い て は 、 関 連 性 が あ る 限 り 証 拠 能 力 の 要 件 の 中

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の 一 般 的 信 用 性 が 問 題 と な る こ と は な い し 、 証 拠 調 べ の 方 法 も 呈 示 に よ る の で 、 裁 判 員 裁 判 に 要 請 さ れ る 集 中 審 理 及 び 直 接 口 頭 主 義 に 影 響 さ れ る と こ ろ は な く 、 そ も そ も 、 証 拠 物 た る 証 拠 書 類 の 証 拠 書 類 面 も 含 め 、 捜 査 機 関 が 作 成 す る 種 類 の も の で は な い の で 、 裁 判 員 裁 判 の 公 判 審 理 の 在 り 方 が 捜 査 手 続 の 在 り 方 に 影 響 を 及 ぼ す 余 地 も な い 。

し か し 、 証 拠 書 類 の う ち 、 捜 査 機 関 が 作 成 し あ る い は 作 成 に 関 与 す る 伝 聞 証 拠 、 す な わ ち 、 第 三 者 及 び 被 疑 者 の 供 述 調 書 ( 法 3 2 1 条 1 項 2 , 3 号 、3 2 2 条 1 項 )、実 況 見 分 調 書 、写 真 撮 影 報 告 書 等 を 含 む 検 証 調 書( 法 3 2 1 条 3 項 ) 及 び 鑑 定 書 ( 法 3 2 1 条 4 項 ) に つ い て は 、 裁 判 員 裁 判 に お け る 集 中 審 理 及 び 直 接 口 頭 主 義 に よ る 分 か り や す い 証 拠 調 べ の 要 請 に 応 じ て 、 影 響 を 受 け る こ と が 想 定 さ れ る 。

供 述 調 書

供 述 調 書 に は 、 自 白 調 書 の 外 、 法 3 2 1 条 1 項 2 号 の 検 察 官 調 書 ( 2 号 書 面 ) と 同 条 1 項 3 号 ( 3 号 書 面 ) の そ の 他 の 警 察 官 調 書 等 の 書 面 が あ る が 、 3 号 書 面 は 、 供 述 不 能 の 場 合 を 除 き 、 被 告 人 の 同 意 が な け れ ば 証 拠 能 力 を 付 与 さ れ る 余 地 は な い の で 、 以 下 に お い て は 、 相 反 性 と 特 信 性 を 備 え れ ば 証 拠 能 力 を 付 与 さ れ る 余 地 が あ り 、 現 実 に 裁 判 官 裁 判 に お け る 調 書 裁 判 の 中 核 と な っ て い る 2 号 書 面 及 び 自 白 調 書 を 念 頭 に 論 じ る こ と と す る 。

供 述 調 書 に つ い て は 、 第 1 に 、 主 と し て 公 判 廷 に お け る 取 調 べ の 必 要 性 の 有 無 ・ 程 度 が 問 題 と な る 。 第 2 に 、 そ れ が 取 調 べ ら れ る 場 合 に も 、 裁 判 員 裁 判 に 要 請 さ れ る 口 頭 主 義 の 影 響 を 受 け 、 従 来 の 五 月 雨 式 書 面 裁 判 と は 異 な り 、 集 中 審 理 下 の 朗 読 に よ る 心 証 形 成 を す る 外 な い こ と に な る と 考 え ら れ る の で 、 朗 読 に よ り 裁 判 員 が 理 解 し 的 確 な 心 証 を 得 ら れ る よ う な 形 式 内 容 を 備 え る こ と が 求 め ら れ る 。 第 3 に 、 供 述 調 書 の 証 拠 能 力 に 関 す る 取 調 べ の 在 り 方 に つ い て も 、 従 来 の よ う な 取 調 官 の 証 人 尋 問 と 被 告 人 質 問 に よ る 水 か け 論 に な り が ち な 立 証 方 法 で は 、 到 底 、 迅 速 で 的 確 な 分 か り や す い 審 理 は 実 現 で き な い の で 、 そ の 立 証 の た め の 捜 査 方 法 も 変 革 を 迫 ら れ る

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こ と に な る 。

以 上 の 点 に つ い て は 、 問 題 が 大 き く 、 詳 細 な 検 討 を 要 す る の で 、 項 を 改 め 、「 第 4 裁 判 員 裁 判 下 に お け る 供 述 調 書 の 在 り 方 」 と し て 論 じ る こ と に す る 。

検 証 調 書

検 証 調 書 と は 検 証 の 結 果 を 記 載 し た 書 面 で あ り 、 検 証 と は 、 場 所 、 物 又 は 人 の 存 在 、 内 容 、 状 態 及 び 性 質 等 を 五 感 の 作 用 に よ り 認 識 す る 強 制 処 分 で あ る が 、 こ こ に い う 検 証 調 書 と は 、 法 3 2 1 条 3 項 に 規 定 す る 検 証 調 書 を い う 。 同 条 の 検 証 調 書 は 捜 査 機 関 が 作 成 す る も の で あ る が 、 捜 査 機 関 が 任 意 処 分 と し て 行 う 実 況 見 分 の 結 果 を 記 載 し た 実 証 見 分 調 書 や 写 真 撮 影 報 告 書 と 称 さ れ る も の も 同 様 の 性 格 を 有 す る の で 、 こ れ ら も 含 め て 、 法 3 2 1 条 3 項 が 適 用 さ れ る 。

検 証 調 書 は 、 こ の よ う な 性 格 を 要 す る と こ ろ か ら 、 写 真 や 図 面 を 添 付 し て 、 こ れ ら に 対 す る 立 会 人 等 の 指 示 説 明 を 付 記 す る 形 式 が と ら れ る の で 、 全 文 朗 読 に よ る 証 拠 調 べ に 適 せ ず 、 写 真 や 図 面 を ス ク リ ー ン に 投 影 し な が ら 、 主 と し て 立 会 人 の 指 示 説 明 内 容 を 記 載 し た 部 分 の み を 朗 読 す る 形 式 の 証 拠 調 べ を す る こ と に な る 。

ま た 、 検 証 調 書 は 、 事 件 発 生 当 初 に 作 成 さ れ る こ と が 多 い と こ ろ か ら 、 公 判 前 整 理 手 続 の 過 程 で 争 点 が 整 理 さ れ た 段 階 で は 、 立 証 の 必 要 性 の な い 部 分 が 出 て く る の で 、 裁 判 員 の 目 に 触 れ さ せ て 無 用 な 混 乱 を 生 じ さ せ な い よ う 、 必 要 な 部 分 を 抄 本 化 し て 証 拠 調 べ を す る 必 要 が あ る 。

以 上 は 、「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題 」 及 び 「 検 察 の 基 本 方 針 」 が 提 唱 し 8 現 に 行 わ れ て い る 取 調 べ 方 法 で あ る 9

「 日 弁 連 提 言 案 」は 、「 口 頭 主 義 ・ 直 接 主 義 の 実 質 化 の 見 地 か ら は 、検 証 結 果 の 立 証 方 法 と し て は 、 検 証 実 施 者 の 証 人 尋 問 が 適 切 で あ り 、 証 言 を 補

8 「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題 」 3 7 頁 、「 検 察 の 基 本 方 針 」 3 5 , 3 6 、 5 6 頁

9 横 井 朗 ( 慶 應 義 塾 大 学 法 科 大 学 院 教 授 ・ 検 事 )「 裁 判 員 裁 判 の 実 施 状 況 と 検 察 の 取 組 み 」 慶 應 法 学 第 2 2 号 ( 2 0 1 2 ・ 3 ) 1 9 頁

(10)

う も の と し て 、 検 証 調 書 等 に 含 ま れ る 図 面 ・ 写 真 等 を 中 心 と し た 客 観 的 部 分 を 書 証 と し て 利 用 す る 方 法 が 最 も 分 か り や す い と 考 え ら れ る 。」 旨 主 張 し て い る 10。し か し な が ら 、検 証 調 書 が 成 立 の 真 正 立 証 を 唯 一 の 要 件 と し て 証 拠 能 力 を 認 め ら れ て い る の は 、 検 証 実 施 者 が 認 識 し た 結 果 を 即 時 そ の ま ま 記 載 す る の で 、 知 覚 、 記 憶 、 表 現 ・ 叙 述 の 過 程 に 誤 り を 生 じ る お そ れ が な い と 考 え ら れ て い る か ら で あ っ て 、 そ の 趣 旨 に 反 し 、 後 日 検 証 結 果 を 証 言 さ せ よ う と す る の は 、 却 っ て 、 そ れ ら の 過 程 に 誤 り を 生 じ さ せ る お そ れ が あ る の で 、 賛 同 で き な い 。

と も あ れ 、 こ の よ う な 裁 判 員 裁 判 の 特 質 に 応 じ た 検 証 調 書 の 証 拠 調 べ 方 法 の 改 変 に 伴 い 、 将 来 抄 本 に す る こ と が 容 易 に な る よ う な 工 夫 が 求 め ら れ る 。 ま た 、 裁 判 員 の 予 断 排 除 の 観 点 か ら 、 従 来 や や も す れ ば 、 被 疑 者 又 は 目 撃 者 で あ る 立 会 人 の 指 示 説 明 に 基 づ く 実 況 見 分 と 称 し な が ら 、 そ の 指 示 説 明 内 容 が 現 場 に お け る 自 白 あ る い は 目 撃 供 述 を 記 載 し た の と 同 様 の も の が 散 見 さ れ る と こ ろ 、 そ の よ う な 供 述 部 分 は 、 そ も そ も 他 の 要 件 を 検 討 す る ま で も な く 、 法 3 2 1 条 1 項 本 文 の 署 名 押 印 を 欠 く た め 証 拠 能 力 が な い の で 、そ の こ と を 明 確 に 意 識 し た 記 載 が 求 め ら れ る 11。そ し て 、そ の よ う な 記 載 が な さ れ て い た 場 合 に は 、 単 に 証 拠 能 力 が な い こ と を 明 ら か に す る に と ど ま ら ず 、 裁 判 員 の 目 に 触 れ な い よ う に 削 除 さ せ る べ き で あ る 。 鑑 定 書

鑑 定 書 と は 、 鑑 定 の 結 果 を 記 載 し た 書 面 で あ り 、 鑑 定 と は 、 学 識 ・ 経 験 に 基 づ く 判 断 の 表 明 で あ る 。 捜 査 機 関 が 嘱 託 し た 鑑 定 書 に つ い て は 、 法 3 2 1 条 4 項 に よ り 、 鑑 定 人 が そ の 成 立 の 真 正 を 証 言 す る こ と を 要 件 と し て 証 拠 能 力 が 認 め ら れ る 。

鑑 定 書 の 証 拠 調 べ の 方 法 に つ い て 、「 検 察 の 基 本 方 針 」は 、真 に 必 要 な 部 分 に 限 っ た 抄 本 や 鑑 定 要 旨 等 に よ る 立 証 が 行 わ れ る こ と を 前 提 と し て 、 専

10 「 日 弁 連 提 言 案 」 1 1 頁

11 「 検 察 の 基 本 方 針 」 1 8 頁 も こ の 点 の 注 意 を 喚 起 し て い る 。

(11)

門 的 知 見 に 基 づ く 意 見 と し て の 性 質 上 、 基 本 的 に は 、 朗 読 又 は こ れ に 近 い 要 旨 の 告 知 に よ る べ き で あ る と し 、 加 え て 、 鑑 定 書 に は 、 図 面 や 写 真 が 添 付 さ れ て い る こ と が 多 い の で 、 検 証 調 書 と 同 様 の 取 調 べ 方 法 が 必 要 で あ る と し て お り 12、 現 に 実 施 さ れ て い る 13

こ れ に 対 し 、「 日 弁 連 提 言 案 」 は 、 検 証 調 書 と 同 様 に 、「 口 頭 主 義 ・ 直 接 主 義 の 観 点 か ら は 、 鑑 定 書 に 含 ま れ る 客 観 的 資 料 を 利 用 し た う え で 、 鑑 定 人 尋 問 を 行 う の が 、最 も 適 切 で あ る と い う こ と に な る 。」と 主 張 し て い る 14 し か し な が ら 、 鑑 定 書 が 成 立 の 真 正 立 証 を 唯 一 の 要 件 と し て 証 拠 能 力 を 認 め ら れ て い る の は 、 鑑 定 人 の 記 憶 で は な く 専 門 的 知 識 を 事 案 に 即 し て 解 説 す る も の で あ る か ら 、 知 覚 、 記 憶 、 表 現 ・ 叙 述 の 過 程 に 誤 り を 生 じ る 余 地 が な い と 考 え ら れ て い る か ら で あ っ て 、 一 問 一 答 式 の 証 人 尋 問 だ け に よ り 鑑 定 の 内 容 を 明 ら か に す る の は 、 伝 聞 法 則 の 例 外 と し て 作 成 の 真 正 立 証 の み を 要 件 と し て 証 拠 能 力 を 認 め た 法 の 趣 旨 に 反 す る ば か り か 、 裁 判 員 に 分 か り 難 く さ せ る だ け の こ と で あ る か ら 、 賛 同 で き な い 。 も し 、 鑑 定 書 の 信 用 性 を 争 う の で あ れ ば 、 証 拠 能 力 が 認 め ら れ た 鑑 定 書 を 基 に 反 対 尋 問 を し た 方 が は る か に 分 か り や す く 、 か つ 、 そ れ で 足 り る と 思 料 す る 。

と も あ れ 、 こ の よ う な 裁 判 員 裁 判 の 特 質 に 応 じ た 鑑 定 書 の 証 拠 調 べ 方 法 の 改 変 に 伴 い 、 将 来 立 証 に 適 し た 抄 本 を 作 り や す い よ う な 体 裁 ・ 内 容 の 鑑 定 書 の 作 成 が 求 め ら れ 、 そ の 具 体 的 な 方 策 と し て 、 例 え ば 、 鑑 定 主 文 と そ の 直 接 的 な 説 明 の 部 分 の み を 簡 潔 な 記 述 の も の に 取 り ま と め ( 主 要 部 分 )、

主 要 部 分 中 で は 鑑 定 書 の そ の 他 の 部 分 か ら の 引 用 を で き る だ け 避 け る 一 方 、 そ の 説 明 に 必 要 な 最 小 限 の 図 面 や 写 真 を 取 り 込 む と い う よ う に 、 公 判 提 出 用 の 「 鑑 定 要 旨 」 に 相 当 す る 部 分 を あ ら か じ め 独 立 さ せ て お く と い う

12 「 検 察 の 基 本 方 針 」 5 7 、 5 8 頁 。 な お 、「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題 」 に は 、 こ れ に 触 れ る と こ ろ が な い 。

13 前 掲 ( 注 9 ) 横 井 朗 : 1 9 、 2 0 頁

14 「 日 弁 連 提 言 案 」 1 2 頁

(12)

方 法 が 提 唱 さ れ て い る 15。ま た 、鑑 定 書 特 有 の 問 題 と し て 、専 門 用 語 が 多 用 さ れ る の で 、 日 本 法 医 学 会 作 成 に 係 る 法 医 用 例 集 を 使 用 す る な ど し て 、 裁 判 員 に 理 解 さ れ る よ う 、 言 い 換 え を 行 う 必 要 が あ る こ と が 指 摘 さ れ て い 16。こ れ ら の 方 策 に つ い て は 、朗 読 に よ る 証 拠 調 べ が 実 施 さ れ る こ と を 前 提 に す れ ば 、 特 に 異 論 の な い と こ ろ で あ ろ う 。

第 4 供 述 調 書 の 在 り 方 供 述 調 書 の 必 要 性

裁 判 員 に と っ て 、 分 か り や す い も の と す る た め 、 公 判 廷 に お い て 朗 読 に よ り 取 調 べ ら れ る 供 述 調 書 が 簡 潔 に し て 要 を 得 た も の で な け れ ば な ら な い こ と に つ い て は 、 法 曹 三 者 の 認 識 は 共 通 し て い る が 、 そ も そ も 、 供 述 調 書 を 公 判 廷 で 取 調 べ る こ と の 必 要 性 に つ い て は 、 各 界 に お い て 考 え 方 が 異 な る 。

以 下 、 法 曹 三 者 の 見 解 を 紹 介 し た う え 、 そ の 是 非 を 検 討 す る 。

( 1 )「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題 」

「 研 究 会 等 で は 、『「 調 書 裁 判 」か ら の 脱 却 の た め に は 、他 の 関 係 証 拠 で は 立 証 が 不 十 分 で あ る か を 十 分 検 討 し 、 2 号 書 面 や 自 白 調 書 が な け れ ば 裁 判 の 結 論 が 大 き く 異 な る 場 合 に 限 定 し て こ れ ら の 書 面 等 を 採 用 す べ き で あ る 。 公 判 に お け る 供 述 内 容 が 、 こ れ ら の 書 面 等 に 録 取 さ れ て 供 述 内 容 に 比 し て 、 相 当 後 退 し た り 、 あ い ま い な も の で あ っ て も 、 大 筋 に お い て 異 な ら な い と 判 断 で き る の で あ れ ば 、 こ れ ら の 書 面 等 に つ い て は 必 要 性 が な い も の と し て 、証 拠 調 べ 請 求 を 却 下 す べ き で あ る 。』と の 考 え 方 も あ る の で は な い か と の 見 解 も 述 べ ら れ た 。 し か し な が ら 、 ① た と え 、 2 号 書 面 や 自 白 調 書 を 除 い た 他 の 証 拠 で も 心 証 形 成 で き る こ と が 中 間 評 議 等 の 機 会 で 確 認 さ れ た と し て も 、 中 間 評 議 と 最 終 評 議 で は 結 論 が 変 わ る 場 合 も あ り 得 る こ と で あ る し 、 ② 証 拠 の 必 要 性 判 断 に つ い て は 裁 判 官 の

15 「 検 察 の 基 本 方 針 」2 1 頁 。他 に 解 説 図 等 の 活 用 な ど も 提 唱 さ れ て い る が 、省 略 す る 。

16 「 検 察 の 基 本 方 針 」 2 2 、 2 3 , 5 7 , 5 8 頁

(13)

専 権 で あ る と は い え 、 そ の 判 断 は 、 最 終 的 な 心 証 形 成 に 照 ら し て 当 劾 証 拠 が 必 要 で な い と い う 判 断 で あ り 、 裁 判 員 の 心 証 を 抜 き に し て 必 要 性 な し と の 判 断 を す る こ と は 困 難 と い え る 。 ま た 、 ③ 裁 判 員 の 分 か り や す さ の 観 点 か ら は 、 2 号 書 面 等 を 用 い て 、 よ り 確 実 な 心 証 形 成 を 追 及 す べ き 場 面 も あ ろ う 。 こ う し た 点 を 考 慮 す れ ば 、 2 号 書 面 や 自 白 調 書 を 必 要 性 な し と し て 却 下 す る か ど う か は 、 基 本 的 に は 最 終 評 議 の 結 果 次 第 と い う べ き で あ っ て 、 そ の 判 断 は 慎 重 に 行 う べ き で あ ろ う と い う の が 大 方 の 意 見 で あ っ た 。」 17と し て 、 基 本 的 に は 、 従 来 通 り 伝 聞 証 拠 の 例 外 と し て 供 述 調 書 を 取 り 調 べ る こ と の 必 要 性 を 認 め て い る

( 2 )「 検 察 の 基 本 方 針 」

「 裁 判 員 裁 判 の も と で も 、供 述 に よ っ て 立 証 す べ き 事 項 に つ い て は 、供 述 調 書 が 引 き 続 き 重 要 な 役 割 を 果 た す べ き で あ る こ と に 変 わ り は な い 。」

と し た う え で 、「 裁 判 員 裁 判 で も 多 数 を 占 め る で あ ろ う 自 白 事 件 に お い て は 、 分 か り や す く 迅 速 な 審 理 を 実 現 す る た め に も 、 ま た 、 証 人 の 負 担 へ の 配 慮 の 観 点 か ら も 、 簡 に し て 要 を 得 た 参 考 人 や 被 告 人 の 供 述 調 書 が 同 意 書 証 と し て 取 り 調 べ ら れ る こ と が 適 切 で あ る 場 合 が 多 い と 考 え ら れ る 。 ま た 、 否 認 事 件 に お い て は 、 参 考 人 の 供 述 調 書 が 不 同 意 と さ れ て 証 人 尋 問 が 実 施 さ れ 、 罪 体 に 関 す る 被 告 人 質 問 が 実 施 さ れ る が 、 検 察 官 が 公 判 廷 に お い て 参 考 人 か ら 真 実 の 証 言 を 得 る た め に 種 々 の 努 力 を 傾 注 し て も 、 真 実 を 語 ら せ る こ と が で き な い 場 合 が あ り 得 る と こ ろ で あ り 、 被 告 人 の 公 判 供 述 は 、 一 般 的 に 、 自 己 の 罪 責 を 免 れ 、 あ る い は 軽 減 し た い と い う 心 理 の た め 、 真 実 か ら 後 退 し た 内 容 と な り が ち で あ る か ら 、 今 後 と も 、 捜 査 段 階 で の 供 述 を 適 正 か つ 正 確 に 調 書 化 し 、 相 反 供 述 に 係 る 事 実 等 の 立 証 に 用 い る こ と が 必 要 で あ る こ と に 変 わ り は な い と い う べ き で あ る 。」

18と し て 、信 用 性 の 高 い 供 述 調 書 に よ る 犯 罪 事 実 の 立 証 を 目 指 し て い る 。

17 「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題 」 4 7 頁

18 「 検 察 の 基 本 方 針 」 2 6 、 2 7 頁

(14)

( 3 )「 日 弁 連 提 言 案 」

「 裁 判 員 裁 判 で は 、直 接 主 義 の 実 質 化 を 徹 底 し 、人 証 中 心 の 証 拠 調 べ に 基 本 的 な 転 換 を 図 る 必 要 が あ る 。 … た だ 、 直 接 主 義 が 強 く 求 め ら れ る の は『 争 点 』に つ い て の 判 断 に お い て で あ る 。『 争 い の な い 事 実 』に つ い て は 、 法 規 則 1 9 8 条 の 2 が 定 め る よ う に 『 誘 導 尋 問 、 法 3 2 6 条 1 項 の 書 面 又 は 供 述 及 び 法 3 2 7 条 の 書 面 の 活 用 』 な ど 『 当 劾 事 実 及 び 証 拠 の 内 容 及 び 性 質 に 応 じ た 適 切 な 証 拠 調 べ 』 が 行 わ れ る こ と が 、 争 点 中 心 の 充 実 し た 審 理 の た め に 必 要 と い え る 。 書 証 の 利 用 は 、 こ の よ う な 観 点 か ら 、『 争 い の な い 事 実 』の 立 証 方 法 の 一 つ と し て 、人 証 中 心 の 審 理 を 補 完 す る も の と し て 位 置 づ け ら れ る べ き で あ る 。」と し て 、争 い の な い 事 実 に つ い て は 、 書 証 の 利 用 を 認 め つ つ も 、 争 い の あ る 事 実 に つ い て は 、 供 述 調 書 等 の 書 証 の 必 要 性 を 認 め な い 19

そ し て 、現 状 の 捜 査 手 続 で 作 成 さ れ る 供 述 調 書 に つ い て は 、争 い の な い 事 実 に つ い て も 、「 供 述 調 書 は 、現 在 作 成 さ れ て い る も の の 多 く は 、朗 読 さ れ て 分 か り や す い と 考 え ら れ な い こ と に 加 え 、 取 調 官 に よ る 要 約 過 程 が 介 在 す る な ど の た め 、『 争 い の な い 事 実 』の 確 定 方 法 と し て 供 述 調 書 の 同 意 が 適 さ な い 場 合 も あ る 。そ こ で 、『 争 い の な い 事 実 』の 立 証 に 書 証 を 利 用 す る 場 合 で も 、 … 合 意 書 面 を 作 成 す る な ど の 工 夫 が 行 わ れ る べ き こ と が 多 い と 思 わ れ る 。」20と し て 、供 述 調 書 に よ る 立 証 に 否 定 的 見 解 を 示 し て い る 。

( 4 ) 考 察

裁 判 員 裁 判 に お け る 供 述 調 書 の 必 要 性 を 考 え る 前 提 と し て 、 そ も そ も 、 裁 判 員 に と っ て 、 証 言 な い し 被 告 人 質 問 と 供 述 調 書 の 朗 読 の ど ち ら が 分

19 「 日 弁 連 提 言 案 」 5 頁

20 「 日 弁 連 提 言 案 」 6 頁 。 な お 、 日 弁 連 「 討 議 資 料 」 は 、 こ れ よ り 一 歩 踏 み 込 み 、「 供 述 調 書 の 朗 読 よ り も 供 述 者 に 証 言 し て も ら う 方 が 、 多 く の 場 合 分 か り や す く 、 頭 に 入 り や す い と い え る 。 そ こ で 、 裁 判 員 裁 判 に お い て は 、 争 い の な い 事 実 で あ っ て も 、 分 か り や す さ の 観 点 か ら 、 書 証 を 用 い る の で は な く 、 証 人 尋 問 が 適 切 で は な い か と い う ア プ ロ ー チ か ら の 検 討 も 必 要 で あ る 。」 と し て い る 。

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か り や す い か と い う 問 題 が あ る 。 証 言 な い し 被 告 人 質 問 の 方 が 分 か り 易 け れ ば 、 少 な く と も 裁 判 員 に と っ て 分 か り や す い 証 拠 調 べ を 指 向 す る 裁 判 員 裁 判 に お い て は 、 伝 聞 法 則 を 厳 格 に 適 用 し 、 そ の 例 外 と し て の 供 述 調 書 の 採 用 は 抑 制 す べ き で あ る と い う こ と に な る で あ ろ う し 、 供 述 調 書 の 朗 読 の 方 が 分 か り や す け れ ば 、 伝 聞 法 則 の 適 用 そ の も の は 、 基 本 的 に 従 前 通 り で よ い と い う こ と に な ろ う 。 こ の 点 に つ い て は 、 日 弁 連 関 係 者 は 概 ね 前 者 の 見 方 を と り 、検 察 関 係 者 は 後 者 の 見 方 を し て い る が 21、証 言 な い し 被 告 人 質 問 も と り と め の な い 質 問 を す れ ば 分 か り に く く な り 、 供 述 調 書 も 従 前 の 精 密 司 法 を 指 向 し た 長 大 か つ 詳 細 な も の で あ れ ば 、 朗 読 さ れ て も 理 解 不 能 に な る こ と は 自 明 の こ と で あ る か ら 、 ど ち ら が 分 か り や す い か を 一 概 に 断 じ る こ と に さ ほ ど の 意 味 は な い 。 も っ と も 、 伝 聞 法 則 ( 法 3 2 0 条 ) の 本 旨 か ら は 、 裁 判 員 が 供 述 の 信 用 性 を 直 接 見 分 で き る 証 人 尋 問 を 原 則 と す べ き で あ り 、 供 述 調 書 は 、 伝 聞 法 則 の 例 外 要 件 に 該 当 し 、 か つ 、 必 要 性 が あ る 場 合 に 採 用 さ れ る べ き こ と は も ち ろ ん で あ る 。

2 号 書 面 に つ い て

「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題 」 は 、 法 3 2 1 条 1 項 2 号 の 要 件 ( 特 に 特 信 性 )が 認 め ら れ る 場 合 に お い て 、他 の 証 拠 と の 関 係 に お い て 有 罪 の 立 証 に 不 可 欠 で は な い 場 合 に は 、必 要 性 な し と し て 却 下 す べ き で あ る か 否

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前 者 の 見 方 を す る も の と し て 、 日 弁 連 「 討 議 資 料 」、 弁 護 士 神 山 啓 史 ・ 同 岡 慎 一 「 模 擬 裁 判 か ら み た 審 理 の 課 題 」 法 律 時 報 8 1 巻 1 号 ( 2 0 0 9 ) 8 頁 等 、 後 者 の 見 方 を す る も の と し て 、共 同 研 究( 座 談 会 )「 裁 判 員 裁 判 に お け る 審 理 等 の 在 り 方( 第 2 回 ) - 証 拠 調 べ の 在 り 方 を め ぐ っ て -( そ の 1 書 証 の 取 調 べ )」ジ ュ リ ス ト № 1 3 2 3( 2 0 0 6 . 1 1 . 1 5 ) 中 の 検 事 小 島 吉 晴 の 発 言 ( 1 0 3 頁 )。

な お 、 前 者 の 見 方 を す る 裁 判 官 と し て 、 同 共 同 研 究 ( 座 談 会 )「 裁 判 員 裁 判 に お け る 審 理 等 の 在 り 方 ( 第 2 回 )」 中 の 河 本 雅 也 の 発 言 ( 1 0 2 頁 )。

ま た 、裁 判 員 裁 判 3 年 目 の 経 験 上 か ら 、後 者 の 見 方 を す る 裁 判 官 と し て 、杉 田 宗 久「 裁 判 員 裁 判 の 理 論 と 実 践 」 3 9 3 頁 ( 2 0 1 2 、 成 文 堂 ) に よ れ ば 、「 国 民 性 の 相 違 ( 我 が 国 の 裁 判 員 は 書 面 を 厭 わ な い 傾 向 が 窺 わ れ る 。) 等 も 視 野 に 入 れ 、 … 以 前 か ら 、『 書 証 の 朗 読 は 分 か り に く い 』 と い う よ う な こ と が 紋 切 り 型 に 語 ら れ て い る が 、 実 際 の 裁 判 員 裁 判 に お い て 書 証 の 朗 読 を 公 判 廷 で 多 数 回 に わ た り 聞 い た 経 験 か ら す る と 、 こ れ は や や 一 面 的 な 評 価 で あ る よ う に 思 わ れ る 。書 証 の 内 容 面 の 工 夫 、( 書 証 の ) 取 調 べ 方 法 の 工 夫 や 裁 判 長 の 訴 訟 指 揮 次 第 で は 、 公 判 廷 で 十 分 に 心 証 形 成 可 能 で 、 か つ 、 記 憶 に 残 る も の と な る の で は な か ろ う か 。」 と 評 価 し て い る 。

(16)

か を 検 討 し て い る よ う で あ る が 、問 題 の 所 在 は 、法 3 2 1 条 1 項 2 号 要 件 の 解 釈 適 用 と 任 意 性 の 判 断 自 体 に あ る 。「 検 察 の 基 本 方 針 」 及 び 「 日 弁 連 提 言 案 」も 問 題 意 識 を 同 条 項 の 要 件 の 解 釈 適 用 に 置 い て お り 、た だ 、 供 述 調 書 の 採 用 を 制 限 す べ き か 否 に よ っ て 、そ の 解 釈 適 用 の 方 向 が 違 う だ け で あ る 。

2 号 書 面 の 必 要 性 自 体 は 、 伝 聞 法 則 の 例 外 と し て の 法 3 2 1 条 1 項 2 号 が 有 効 な も の と し て 存 在 す る 以 上 、否 定 し 難 い と こ ろ で あ る が 、従 来 の 裁 判 官 裁 判 に お い て 、同 条 項 の 要 件 の 適 用 を 緩 く す る こ と に よ る 原 則 的 か つ 広 範 な 採 用 傾 向 が い わ ゆ る「 調 書 裁 判 」を 常 態 化 し て い る こ と は 、否 み 難 い と こ ろ で あ り 、裁 判 員 裁 判 に お い て 、そ の よ う な「 調 書 裁 判 」が 通 用 し な い こ と は 、前 記 公 判 審 理 の 在 り 方 に お い て 述 べ た と お り で あ る 。し た が っ て 、法 3 2 1 条 1 項 2 号 の 要 件( 特 に 特 信 性 )の 解 釈 適 用 を 厳 格 に し て 、現 状 の 裁 判 官 裁 判 の 実 務 運 用 を 見 直 し 、2 号 書 面 の 採 用 を 抑 制 す べ き で あ る 。

こ の こ と に つ い て は 、後 記 第 4 の 3 に お い て 引 用 す る と お り 、「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題 」も「 検 察 の 基 本 方 針 」も 従 来 の 安 易 な 2 号 書 面 を 請 求 す る た め の 形 式 的 な 要 件 立 証 を 戒 め 、記 憶 喚 起 の た め の 誘 導 尋 問 や 的 確 な 弾 劾 尋 問 を 駆 使 す る こ と に よ っ て 、で き る 限 り 公 判 廷 で 真 相 を 明 ら か に す る よ う 求 め て お り 、基 本 的 に は 要 件 が 備 わ っ た 2 号 書 面 の 必 要 性 を 認 め な が ら も 、裁 判 員 裁 判 の 特 質 か ら 、で き る 限 り 、証 言 に よ る 立 証 を 目 指 し て い る 。そ し て 、そ れ は と り も な お さ ず 、従 来 の 裁 判 官 裁 判 で は 、形 式 的 な 要 件 立 証 す な わ ち 法 3 2 1 条 1 項 2 号 要 件 の 解 釈 適 用 が 緩 や か で あ っ た こ と を 自 認 し 、少 な く と も 裁 判 員 裁 判 に お い て は 、同 条 項 の 厳 格 な 解 釈 運 用 に よ る 採 用 の 抑 制 を 目 指 し て い る も の と い え る 。

と こ ろ で 、 裁 判 員 裁 判 に お け る 2 号 書 面 の 扱 い を め ぐ っ て は 、 法 曹 三 者 共 、自 白 事 件 を 中 心 と す る 争 い の な い 事 実 の 証 明 と 争 い の あ る 事 実 の 証 明 に 区 別 を つ け 、前 者 に つ い て は 、分 か り や す い 簡 に し て 要 を 得 た

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も の で あ る こ と を 前 提 と し て 、積 極 的 か 補 完 的 か の 姿 勢 の 点 は 別 に し て 、 同 意 書 面( 法 3 2 6 条 )と し て 取 調 べ る こ と を 容 認 し 、争 い の あ る 事 実 に つ い て は 、 裁 判 官 裁 判 以 上 に 証 人 尋 問 を 重 視 す べ き も の と し て い る

22

た だ し 、「 日 弁 連 提 言 案 」 は 、現 在 捜 査 手 続 に お い て 作 成 さ れ て い る 供 述 調 書 が 朗 読 さ れ て 分 か り や す い も の で は な い こ と に 加 え 、取 調 官 に よ る 要 約 過 程( 供 述 し た 言 葉 が そ の ま ま 記 載 さ れ る の で は な く 、取 調 官 が 聞 き 取 っ た 言 葉 を 取 調 官 の 文 章 と し て 要 約 し て い る )が 介 在 す る こ と に 対 す る 不 信 感 か ら 、争 い の な い 事 件 に つ い て も 必 要 性 に 否 定 的 で あ る 。

供 述 調 書 の 形 式 内 容 に つ い て 、「 日 弁 連 提 言 案 」が 指 摘 す る と こ ろ は も っ と も で あ る が 、後 記 第 4 の 2 項 に お い て 述 べ る と お り 、形 式 内 容 を 朗 読 に 耐 え る よ う な 簡 に し て 要 を 得 た も の に 改 善 す る こ と は 可 能 で あ る か ら 、何 ら か の 事 情 で 公 判 で は 真 実 を 供 述 で き な い 証 人 が 存 在 す る 以 上 は 、裁 判 員 裁 判 に お い て も 、2 号 書 面 の 必 要 性 を 否 定 す べ き 理 由 は な い と 思 料 す る 。

な お 、「 日 弁 連 提 言 案 」 の い う 「 直 接 主 義 の 実 質 化 」 と は 、 原 資 料 を 直 接 取 調 べ る こ と 、す な わ ち 、供 述 証 拠 で い え ば 証 人 尋 問 を 行 う 実 質 的 直 接 主 義 ( 直 接 証 拠 主 義 ) を 意 味 す る も の で あ る 。

自 白 調 書 に つ い て

「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題 」 は 、 任 意 性 が 認 め ら れ る 場 合 に お い て 、 他 の 証 拠 と の 関 係 に お い て 有 罪 の 立 証 に 不 可 欠 で は な い 場 合 に は 、必 要 性 な し と し て 却 下 す べ き で あ る と の 意 見 も 検 討 さ れ た も の の 、 結 局 は 、 従 前 の 裁 判 官 裁 判 と 同 様 の 必 要 性 を 認 め る こ と に 落 ち 着 い た よ う で あ り 、「 検 察 の 基 本 方 針 」 は 、 被 告 人 の 公 判 供 述 は 、 一 般 的 に 、 自 己 の 罪

22 こ の 点 に つ い て 、「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題 」 は 明 確 に し て い な い が 、 前 掲 ( 注 1 ) 今 崎 幸 彦 1 0 頁 に 司 法 研 修 所 に お け る 研 究 会 の 大 方 の 意 見 と し て 紹 介 さ れ て い る 。 元 裁 判 官 の 吉 丸 眞「 公 判 の 活 性 化 」松 尾 浩 也 外 編「 刑 事 訴 訟 法 の 争 点( 第 3 版 )」1 3 2 頁 も 同 旨 。 な お 、 同 旨 の 研 究 者 の 論 考 と し て 、 川 出 敏 裕 「 刑 事 裁 判 へ の 国 民 参 加 と 直 接 主 義 ・ 口 頭 主 義 」 研 修 第 6 4 9 号 ( 平 成 1 4 . 7 ) 4 ~ 8 頁

(18)

責 を 免 れ 或 い は 軽 減 し た い と い う 心 理 に よ り 、真 実 か ら 後 退 し が ち で あ る と し て 、 更 に 積 極 的 に 自 白 調 書 の 必 要 性 を 強 調 し て い る 。

「 日 弁 連 提 言 案 」 は 、 2 号 書 面 と 同 様 、 現 在 捜 査 手 続 に お い て 作 成 さ れ て い る 供 述 調 書 が 朗 読 さ れ て 分 か り や す い も の で は な い こ と に 加 え 、取 調 官 に よ る 要 約 過 程 が 介 在 す る こ と に 対 す る 不 信 感 か ら 、必 要 性 に 否 定 的 で あ る 。

供 述 調 書 の 内 容 形 式 に つ い て 、「 日 弁 連 提 言 案 」が 指 摘 す る と こ ろ は も っ と も で は あ る が 、後 記 第 4 の 2 項 に お い て 述 べ る と お り 、内 容 形 式 を 朗 読 に 耐 え る よ う な 簡 に し て 要 を 得 た も の に 改 善 す る こ と は 可 能 で あ る し 、後 記 第 4 の 3 項 に お い て 述 べ る と お り 、任 意 性 の 立 証 を 取 調 べ の 録 音 録 画 に よ り 客 観 化 す れ ば 、要 約 調 書 の 弊 害 を 除 去 す る こ と が で き る 。そ う す る と 、人 は 自 己 の 罪 責 を 免 れ あ る い は 軽 減 し た い と い う 心 理 に 陥 り が ち で あ る こ と が 真 理 で あ る 以 上 は 、裁 判 員 裁 判 に お い て も 、自 白 調 書 の 必 要 性 を 否 定 す べ き 理 由 は な い と 思 料 す る 。

供 述 調 書 の 内 容 及 び 方 式

従 来 か ら の 供 述 調 書 、 特 に 被 疑 者 の 供 述 調 書 に あ っ て は 、 犯 罪 事 実 及 び 重 要 な 情 状 事 実 に 関 す る 供 述 内 容 だ け で は な く 、 供 述 の 任 意 性 及 び 信 用 性 を 担 保 す る た め 、 被 疑 者 を し て 任 意 に 供 述 が な さ れ た 状 況 を 語 ら し め 、 犯 人 し か 知 り え な い 事 実 を 録 取 す る な ど し て 信 用 性 を 確 保 す る 供 述 を 交 え て 、 犯 行 の 動 機 ・ 経 緯 及 び 犯 行 状 況 等 を 事 細 か に 録 取 し て い た 。 そ の た め 、 特 に 裁 判 員 裁 判 対 象 事 件 の よ う な 重 大 事 件 に あ っ て は 、 供 述 調 書 の 文 章 量 は 膨 大 な も の と な り 、 証 拠 書 類 の 原 則 的 な 取 調 べ 方 法 で あ る 朗 読 ( 法 3 0 5 条 ) を 行 う の は 長 時 間 を 要 す る う え 、 如 何 に 訓 練 さ れ た 裁 判 官 で も 、 法 廷 で こ れ を 聞 い て 記 憶 に 留 め 心 証 を 形 成 す る の は 困 難 で あ っ た 。し た が っ て 、 法 廷 で は 必 然 的 に 例 外 的 な 取 調 べ 方 法 で あ る 要 旨 の 告 知 ( 法 規 則 2 0 3 条 の 2 ) で 済 ま せ 、 心 証 形 成 は 裁 判 官 室 で 供 述 調 書 を 熟 読 し て す る の が 通 例 で あ っ た 。 し か し な が ら 、 裁 判 員 裁 判 に あ っ て は 、 口 頭 主 義 に よ り 法 廷 に

(19)

お け る 心 証 形 成 が 要 請 さ れ る の で 、要 旨 の 告 知 に よ る 証 拠 調 べ は 制 限 さ れ 、 さ り と て 、 裁 判 経 験 の な い 一 般 人 で あ る 裁 判 員 を し て 、 刑 事 裁 判 の 専 門 家 で あ る 裁 判 官 で も 難 し い 、 膨 大 な 量 の 供 述 調 書 の 朗 読 に よ り 心 証 形 成 を 強 い る こ と は で き な い の で 、 必 然 的 に 従 来 の 詳 細 な 供 述 調 書 の 作 成 方 法 に 変 革 を 迫 ら ざ る を 得 な く な る と 思 わ れ る 。

こ こ ま で は 、 法 曹 三 者 の 認 識 に 基 本 的 な 相 違 点 は 見 ら れ な い が 、 供 述 調 書 を 原 則 的 に 不 要 と す る 立 場 と 供 述 調 書 の 必 要 性 を 認 め る 立 場 に よ っ て 、 供 述 調 書 に 求 め る 内 容 及 び 方 式 に 相 違 点 が 生 じ る 。

以 下 、 前 同 様 、 法 曹 三 者 の 見 解 を 紹 介 し た う え 、 そ の 是 非 を 検 討 す る 。

( 1 )「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題 」

「 供 述 調 書 に つ い て は 、そ の 実 質 的 な 内 容 を す べ て 公 判 廷 に 顕 出 す る た め に は 、 基 本 的 に 、 全 文 朗 読 ま た は 限 り な く こ れ に 近 い 要 旨 の 告 知 ( 供 述 調 書 の 全 文 を 一 句 一 句 読 み あ げ る こ と ま で は 要 し な い と い っ た 程 度 の 要 旨 の 告 知 ) の 方 法 に よ る こ と に な ろ う 。 そ う し た 方 法 に よ り 、 裁 判 員 に 書 証 の 内 容 を 的 確 に 理 解 し て も ら う た め に は 、 書 証 の 内 容 自 体 が 犯 罪 事 実 と 重 要 な 情 状 事 実 に 即 し た 簡 に し て 要 を 得 た も の と な っ て い る こ と が 必 要 で あ る と と も に 、 朗 読 の 仕 方 に 工 夫 が 必 要 と な っ て こ よ う 。」 23

( 2 )「 検 察 の 基 本 方 針 」

検 察 官 調 書 に つ い て は 、「 供 述 調 書 は 、 こ れ を 裁 判 員 裁 判 の 下 で の 分 か り や す く 、 迅 速 か つ 的 確 な 立 証 に 適 し た も の と す る に は 、 裁 判 員 が 公 判 廷 に お け る 朗 読 を 聞 い て 適 切 に 心 証 形 成 で き る よ う 、 事 案 に 応 じ つ つ 、 簡 に し て 要 を 得 て い る と と も に 、 信 用 性 の 高 い 内 容 の も の で あ る こ と が 求 め ら れ る 。 概 し て 、 裁 判 員 に は 自 ら の 面 前 で な さ れ る 証 言 や 被 告 人 供 述 の 印 象 が 鮮 明 で あ る た め 、 捜 査 段 階 で の 供 述 が 軽 視 さ れ か ね な い の で は な い か と の 懸 念 が あ る 。 検 察 官 は こ の 点 を 特 に 意 識 し 、 捜 査 段 階 で 詳 細 か つ 網 羅 的 な 内 容 の 供 述 調 書 を 作 成 し て お き さ え す れ ば 公 判 立 証 に も

23 「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題 」 3 7 頁

(20)

何 ら の 問 題 が な い と い う 発 想 を 根 底 か ら 見 直 し 、 捜 査 段 階 に お い て 関 係 者 か ら 得 ら れ た 生 々 し い 供 述 内 容 を 公 判 廷 で 裁 判 員 に 正 確 に 伝 え 得 る 供 述 調 書 を 作 成 す る よ う 、 格 段 の 配 慮 を す べ き で あ る 。 そ の よ う な 供 述 調 書 を 作 成 す る に は 、 検 察 官 は 、 事 件 の 核 心 を 的 確 に 洞 察 し 、 周 辺 的 な 事 情 や 枝 葉 末 節 の 部 分 に と ら わ れ る こ と な く 、 供 述 調 書 に よ り 立 証 す べ き ポ イ ン ト と な る 事 項 を 中 心 に 、 メ リ ハ リ を 付 け つ つ 、 重 要 な 点 に は 手 厚 く 、 そ う で な い 点 は 簡 潔 に 、 信 用 性 の 高 い 内 容 の 供 述 を 録 取 す る こ と に 努 め る 必 要 が あ る 。」、「 な お 、検 察 官 調 書 は 、一 般 に 、供 述 者 が 検 察 官 の 多 様 な 観 点 か ら の 質 問 に 対 し て 答 え た 内 容 を 秩 序 立 て て 整 理 し 、 取 り ま と め た 形 式 で 作 成 さ れ て い る が 、 裁 判 員 の 理 解 に 資 す る と い う 観 点 か ら は 、 基 本 的 に は こ の 形 式 に よ り つ つ 、 必 要 に 応 じ て 問 答 式 に よ る の が 適 当 で あ ろ う 。」 24と し て い る 。

( 3 )「 日 弁 連 提 言 案 」

前 記 第 4 の 1 の( 3 )に 述 べ た と お り 、公 判 中 心 の 直 接 証 拠 主 義 に よ る 証 拠 調 べ へ の 転 換 を 主 張 し 、争 い の あ る 事 実 に つ い て は も ち ろ ん の こ と 、 争 い の な い 事 実 に つ い て も 、 基 本 的 に 捜 査 手 続 に お い て 作 成 さ れ た 供 述 調 書 は 証 拠 と し て 採 用 さ れ る べ き で は な い と い う 立 場 な の で 、 供 述 調 書 の 形 式 内 容 に つ い て 言 及 し て い る と こ ろ は な い 。

( 4 ) 考 察 内 容

先 ず 、 供 述 調 書 の 内 容 に つ い て 、 簡 に し て 要 を 得 た も の で な け れ ば な ら な い こ と に つ い て は 、「 模 擬 裁 判 の 成 果 と 課 題 」 及 び 「 検 察 の 基 本 方 針 」の 認 識 は 共 通 し て い る 。ま た 、供 述 調 書 自 体 の 必 要 性 を 認 め な い

「 日 弁 連 提 言 案 」は 、供 述 調 書 の 内 容 に 言 及 は し て い な い も の の 、必 要 性 を 否 定 す る 理 由 の 一 つ と し て 、従 前 の 供 述 調 書 が 朗 読 さ れ て 分 か り や す い と は 考 え ら れ な い こ と を 挙 げ て い る と こ ろ か ら す る と 、供 述 調 書 の

24 「 検 察 の 基 本 方 針 」 2 7 、 2 8 頁

参照

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