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卒業時の看護技術習得状況―実習体験状況と習 得状況の関連―

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Academic year: 2021

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卒業時の看護技術習得状況―実習体験状況と習 得状況の関連―

新潟医療福祉大学 看護学科・

袖山悦子,中山和美,坪川麻樹子,宇田優子

【背景】

今日の医療環境は入院日数の短縮、少子高齢社会に加え、

疾病構造・国民意識の変化があり,それに対応した医療提供体 制確保の構築の中で,看護師基礎教育においては充実した臨 地実習を行い,実践能力を培うことが求められている

1)

.

専門高度化した医療の現場では、資格のない学生が実習で 習得する看護技術の範囲が狭められ,就職後にリアリティシ ョックを受ける者や早期退職をする者もいることが指摘され、

看護技術の種類と卒業時の到達度が示された

2)

.A大学では 大項目 18 と中項目 118 の看護技術項目を抽出した.先行研究 では,学生の看護技術習得状況については,診療の補助に関す る項目は実習経験が少なく実施する自信も低い傾向がみられ ている.A大学の卒業生の実習体験状況と習得度の実態を調 査し,卒業時に習得することが期待されている看護技術の習 得に向けた示唆を得ることを目的とする.

【方法】

調査方法:平成 23 年度卒業見込みのA大学看護学科 4 年全員 に平成 24 年 2 月 28~3 月 14 日まで,A大学で検討した基礎 看護技術中項目 118 について,調査用紙を配布した.

調査内容: [看護技術の体験状況]は, 「一人で実施」 「指導者 と共に実施」 「見学」 「未経験」の 4 段階評定とした.[看護技 術の習得度]は, 「自信がある」 「まあまあ自信がある」 「あま り自信がない」 「自信がない」の 4 段階評定とした.

分析方法: [看護技術の体験状況]は, 「一人で実施」 「指導者 と共に実施」 「見学」 「未体験」で単純集計をした.[看護技術 の習得度]は「自信がある」 「まあまあ自信がある」を【自信 がある】 , 「あまり自信がない」 「自信がない」を【自信がない】

の 2 群に分けて割合を算出し,[看護技術の体験状況]と卒業 時の到達度Ⅰ・Ⅱを関連させて考察した.なお,卒業期到達度

Ⅰは,単独で実施できる,Ⅱは指導のもとで実施できるである.

中項目 118 のうち、卒業時到達度がⅠ・Ⅱの項目は 72 項目で ある.なお,体験割合,習得割合が 70%以上を高い,体験割合, 習得割合が 30%未満は低いとした.

倫理的配慮:研究の意図を文書と口頭で説明し,同意書にて 同意を得た.また,自由意志での参加であることを説明した.

【結果】

回収74 名のうち,同意の得られた学生63 名(85.13%),有効 回答率は 62 名(98.4%)だった.

1.看護技術の体験状況と卒業時到達度Ⅰ・Ⅱ

「一人で実施」 「指導者と共に実施」と回答した割合が高い看

護技術は,37 項目(51.4%)だった.「一人で実施」 「指導者 と共に実施」と回答した割合が低い看護技術は,14 項目 (19.48%)だった.そのうち,診療の補助技術は,<酸素吸入法

><経管栄養法><気道内加湿><点眼・点鼻・点耳><創傷処 置><心電図モニター><生体検査時の援助><無菌操作>

だった.

2.看護技術の習得度と卒業時到達度Ⅰ・Ⅱ

【自信がある】と回答した割合が高い看護技術は,21 項目 (29.2%)だった.【自信がない】と回答した割合が高い看護技 術は,23 項目(31.9%),そのうち診療の補助技術は<酸素吸 入法><経管栄養法><気道内加湿><創傷処置><心電図 モニター><生体検査時の援助><無菌操作>だった.

3.看護技術の体験と習得度

「一人で実施」 「指導者と共に実施」と回答した割合が 高い看護技術 37 項目のうち, 【自信がある】と回答した割 合が高い看護技術は 21 項目(56.8%)だった.<おむつ交換

>は,94%の学生が体験しているが,【自信がある】と回答 した学生は 5%だった.「一人で実施」 「指導者と共に実施」

と回答した割合が低い看護技術 14 項目のうち, 【自信がな い】と回答した割合が高い項目は,12 項目(85.7%)だった.

【考察】

看護技術体験状況では,体験割合の低い看護技術 14 項目の うち,診療の補助技術は 8 項目あった.これらは,卒業時に習 得することが期待されている項目であることから,臨地との 協力体制を強化していく必要性が示唆された。

看護技術体験割合の低い項目は,【自信がない】と回答した 割合が高かったことから,体験が自信につながるものと考え られる.だが, 排泄援助の中で<おむつ交換>を体験した割 合が高かったが,習得度に結びついていないことから,習得度 につながらない項目の背景を検討することも必要である.

看護技術の体験は実習場の特性もあり,体験しやすい項目 と体験の機会が少ない項目もある.これらのことも踏まえ,ど こで誰が何をどう指導するのかを明確にし,卒業時に習得を 期待した項目については責任を持ち,その結果を公表するこ とも必要かもしれない.そのためには, 学生の主観的評価に よらない大学としての評価方法の検討も今後の課題である.

【結論】

1.実習体験割合の高い看護技術は,学生の習得度に繋がって いる傾向がみられた.

2.実習体験割合の低い看護技術は,学生の習得度が低かった.

3.実習体験が習得度につながっていない看護技術があった.

【文献】

1) 厚生労働省:医療提供体制の確保に関する基本方針,平 成 19 年 3 月.2)厚生労働省:看護基礎教育の充実に関す る検討会報告書,平成 19 年 4 月.

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参照

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