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SER no.058; あとがき

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Academic year: 2021

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SER no.058; あとがき

著者 和田 正平, 江口 一久

雑誌名 国立民族学博物館調査報告

巻 58

ページ 113‑113

発行年 2005‑12‑26

URL http://hdl.handle.net/10502/1857

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あとがき

 この調査がJICAの日本・ガーナ医療協力プロジェクトの一環としておこなわれたこと は,すでに冒頭で述べたとおりだが,調査の実施,成果の取まとめ,報告書の作成,出 版等がこれほどまでの困難に遭遇するとは当初ほとんど考えが及ばなかった。つまり,

国内の共同調査≧は異なり,諸外国の研究機関(とりわけアフリカ諸国の場合,すべてで はないにしろ)との共同の調査研究は様々な面で勝手が違い,面喰うことが多く,「どう

して,こんなことに時間がかかるのか」という苛立ちを痛感した。

 しかし,調査終了後,なんとか調査票をもち帰り,民族誌諸資料,写真,フィールド ノート等を整理し,報告書作成の準備にとりかかった。集計費用は当時の∬CA医療協力 部が予算を組んでくれ,幸いにしてアンケート調査の集計作業は6か月ほどで終了した。

問題は報告書の作成,出版であった。編集及び著作権で意見の調整が必要なうえ,報告 書はガーナ側は当然英文出版を主張すると考えられるため,この段階で報告書作成は頓

挫した。

 しかし,調査結果は公表する責務が昂り,いっか機会に恵まれれば出版したいと考え ていた。時間が経過していったが,同時に調査当初の著作権等の諸問題も自然に消滅し ていった。また,調査時点の1981年頃のガーナは国家財政が破綻状態に瀕していたが,

90年代以降は経済は復興に向い,社会も安定的になり,学術研究も進展するようになっ た。われわれの調査から4半世紀,今調査資料は歴史のカテゴリーに入るのかもしれない が,それでは,アコラボ村の人びとの生活とりわけ医療と食生活はどのように変化した のであろうか。提示したデータが変化の様相を知るための指針として多少とも役立つな

らば誠に幸甚である。

 さいごに,本報告書は,長年共同調査で寝食を伴にすることが多かった江ロー久下が 民博:を停年退任し名誉教授となるのに合せて出版しようと計画したが,残念ながら私が アフリカ調査に出発し校正が遅れ,紅葉の季節を迎えてしまった。欲をいえば,まだ不 備な箇所を承知しており,完全にしたいという思いはあるが,とにかく叱正を受けても 筐底に埋れていた民族誌諸資料のひとつをかたちにできてわたしは,今はすがすがしい 気分である。本報告の出版を承認して下さった研究出版委員会の杉本良男委員長及び委 員の方々に厚く御礼申しあげるしだいである。同時に,校正に手間どりながら,わたし の無理な注文にも辛抱強く対応してくれた編集室の畑田昌香さんにも心からの謝意を表

しておきたい。

       2005年10月28日        豊中の寓居にて       和田正平

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