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1F-1101-ii 5) では コンジョイント分析やヘドニック アプローチなどの既存手法を検討し 生態系パラメータのマップ情報を活用した新たな指標化と評価ツールの開発を行う より汎用性のある手法とするため 自然度の高さや土地利用転換の状況が異なる複数のテストサイトを設けて研究を実施する ( 釧路川

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Academic year: 2021

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課 題 代 表 者 名 伊 藤 昭 彦 (独 立 行 政 法 人 国 立 環 境 研 究 所 地 球 環 境 研 究 センター物 質 循 環 モデリング ・解 析 研 究 室 主 任 研 究 員 ) 研 究 実 施 期 間 平 成 23~25年 度 累 計 予 算 額 166,464千 円 (うち25年 度 49,419千 円 ) 予 算 額 は、間 接 経 費 を含 む。 本 研 究 のキー ワード 地 球 温 暖 化 、生 物 多 様 性 、気 候 変 動 緩 和 策 、生 態 系 サービス、生 態 系 機 能 、トレードオ フ、地 理 情 報 システム、高 分 解 能 マッピング 研 究 体 制 (1)生 態 系 機 能 を定 量 化 するためのデータ解 析 とモデル開 発 に関 する研 究 ((独 )国 立 環 境 研 究 所 ) (2)生 態 系 機 能 の広 域 把 握 のための観 測 ネットワークとデータベースに関 する研 究 ((独 )国 立 環 境 研 究 所 ) (3)生 態 系 機 能 の広 域 評 価 のための衛 星 リモートセンシングに関 する研 究 ((独 )海 洋 研 究 開 発 機 構 ) (4)生 態 系 サービス統 合 評 価 手 法 の研 究 ((独 )(独 )国 立 環 境 研 究 所 ) (5)生 態 系 サービス統 合 評 価 システムの開 発 と事 例 検 証 ((株 )三 菱 総 合 研 究 所 ) 研 究 概 要 1.はじめに(研 究 背 景 等 ) 気 候 変 動 と生 物 多 様 性 の喪 失 は、持 続 可 能 性 の限 界 を超 えつつあると言 われる喫 緊 の環 境 問 題 であり、そ れぞれ気 候 変 動 枠 組 条 約 および生 物 多 様 性 条 約 に沿 った国 際 的 な対 策 および各 国 ・自 治 体 ・民 間 レベルの対 策 が進 められている。しかし、各 問 題 への対 策 は必 ずしも調 和 的 に進 められているわけでは無 く、例 えば炭 素 吸 収 目 的 の造 林 ・植 林 のように、対 策 間 のトレードオフが生 じる場 合 も考 えられる。このようなトレードオフは、気 候 変 動 に対 する低 炭 素 社 会 、および生 物 多 様 性 に対 する自 然 共 生 社 会 の実 現 に向 けても、早 急 に解 消 すべき課 題 と考 えられる。 生 態 系 は多 面 的 な機 能 を通 じて、人 間 社 会 に恩 恵 をもたらしており「生 態 系 サービス」と総 称 されるのが一 般 的 になっている。生 態 系 サービスを構 成 する諸 要 因 を解 明 して活 用 していくことは、上 記 の対 策 間 トレードオフに つながるだけでなく、人 間 社 会 の持 続 可 能 性 を担 保 する上 で必 須 の課 題 である。しかし、生 態 系 サービスに関 す る研 究 は、生 態 学 に代 表 される自 然 科 学 的 アプローチと、環 境 経 済 学 的 アプローチとで別 個 に進 められてきた 経 緯 があり、双 方 の長 所 を活 かした総 合 的 研 究 が求 められていた。自 然 科 学 的 研 究 は機 能 面 を詳 細 に把 握 す るが実 際 の管 理 への応 用 が難 しく、反 面 、環 境 経 済 学 的 研 究 では現 場 に近 いものの生 態 系 の複 雑 性 や多 様 性 が十 分 に考 慮 されていなかった。 生 態 系 サービスに関 する研 究 は近 年 、長 足 の進 歩 を遂 げつつあり、その1つが空 間 詳 細 な生 態 系 サービスの マッピングである。環 境 経 済 学 的 アプローチで用 いられる統 計 値 に基 づく解 析 や聞 き取 り調 査 は、従 来 は面 的 展 開 が困 難 であったが、地 理 情 報 システム(GIS)さらにはリモートセンシングデータの活 用 が始 まっている。GIS上 で 使 用 できる組 込 ツール(InVEST、MIMESなど)が開 発 され、生 態 系 サービスの供 給 源 と受 益 者 の相 互 関 係 をより 明 示 的 に解 析 する試 みが進 展 している。このような研 究 の進 展 を受 け、生 態 系 サービスに対 する温 暖 化 や土 地 利 用 改 変 の影 響 はIPCCやIPBESの報 告 書 にも取 り入 れられようとしている。そのような国 際 的 動 向 を踏 まえ、我 が国 で先 端 的 な生 態 系 サービス評 価 研 究 を実 施 していく必 要 がある。 2.研 究 開 発 目 的 気 候 変 動 対 策 と生 物 多 様 性 保 全 との対 策 間 トレードオフを解 消 し、より効 果 的 な施 策 への意 志 決 定 を支 援 す るため、生 態 系 のもつ多 面 的 な機 能 を総 称 した生 態 系 サービスの評 価 システムを開 発 することを目 的 とする。 そ こでは自 然 科 学 的 アプローチと社 会 経 済 的 アプローチとの融 合 を図 り、 最 近 の研 究 ツールや手 法 を取 り入 れた 新 しい統 合 的 な指 標 を目 指 す。自 然 科 学 的 アプローチ(サブテーマ1、2、3)では、気 候 変 動 および生 物 多 様 性 に関 係 する生 態 系 パラメータを各 種 手 法 で詳 細 に把 握 しマッピングを行 う。社 会 科 学 的 アプローチ(サブテーマ4、

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用 転 換 の状 況 が異 なる複 数 のテストサイトを設 けて研 究 を実 施 する (釧 路 川 流 域 圏 、横 浜 市 緑 地 、マレーシア・ ボルネオ島 サイト)。気 候 変 動 対 策 と生 物 多 様 性 保 全 について、将 来 の管 理 シナリオを作 成 して生 態 系 サービス の得 失 を検 討 し、最 適 な管 理 オプションを提 示 する。これらの事 例 研 究 の成 果 を、テストサイトの自 治 体 ・民 間 関 係 者 (ステークホルダー)に提 示 して意 見 をいただき、研 究 に反 映 させる。 3.研 究 開 発 の方 法 (1)生 態 系 機 能 を定 量 化 するためのデータ解 析 とモデル開 発 に関 する研 究 生 態 系 サービスの高 精 度 な把 握 を可 能 とするため、生 態 系 機 能 を多 面 的 に扱 えるモデルを 開 発 した。陸 域 生 態 系 モデルVISIT(Vegetation Integrative SImulator for Trace gase s)は、水 、炭 素 、窒 素 の循 環 をシミュレート し、それによって一 次 生 産 、バイオマス蓄 積 、温 室 効 果 ガス交 換 、水 資 源 供 給 、土 壌 生 成 、栄 養 塩 循 環 といった 生 態 系 の基 盤 ・供 給 ・調 整 サービスに関 係 する生 態 系 パラメータの推 定 を可 能 にする。 当 モデルはサブテーマ2 などが提 供 する観 測 データを用 いて検 証 が行 われた。空 間 詳 細 な入 力 データ(植 生 、土 壌 、気 象 )を用 いて各 格 子 点 においてモデルを実 行 させることで、生 態 系 の機 能 パラメータに関 するマッピングを実 施 した。 テストサイトを 対 象 として、空 間 分 解 能 1kmのマッピングを行 い、生 産 力 や炭 素 ストックなどの空 間 分 布 を検 討 した。これらのデ ータはサブテーマ4および5の生 態 系 サービス評 価 の基 礎 データとして作 成 された。 (2)生 態 系 機 能 の広 域 把 握 のための観 測 ネットワークとデータベースに関 する研 究 生 態 系 サービスの広 域 把 握 に必 要 不 可 欠 な気 候 調 整 サービス、供 給 サービス、およびそれらを規 定 する生 態 系 の構 造 ・機 能 のデータを、近 年 アジア太 平 洋 域 において構 築 の進 んでいる各 種 陸 域 観 測 ネットワークのデータ、 各 種 研 究 プロジェクトや事 業 により収 集 されたデータ、既 存 文 献 データなどを活 用 して収 集 し、他 のサブテーマへ 提 供 した。特 に広 域 評 価 に必 要 不 可 欠 な情 報 である標 高 や土 地 被 覆 などの基 盤 データ( GISデータ)、衛 星 観 測 や地 上 計 測 による樹 高 や森 林 バイオマスデータ、アジア各 地 における渦 相 関 法 による熱 ・水 ・二 酸 化 炭 素 フラッ クスデータを集 中 的 に収 集 ・整 理 した。基 盤 データとフラックスデータについては、既 存 のデータベースや文 献 など の公 開 情 報 から収 集 すると同 時 に、データ保 有 者 に対 し本 研 究 へデータ提 供 を個 別 に依 頼 するなどの方 法 で収 集 ・整 備 した。さらに地 上 検 証 用 の森 林 バイオマス・樹 高 データについては、テストサイトにおいて実 測 し、航 空 機 や衛 星 データを利 用 した推 定 結 果 の精 度 検 証 のために使 用 した。 (3)生 態 系 機 能 の広 域 評 価 のための衛 星 リモートセンシングに関 する研 究 生 態 系 機 能 の広 域 評 価 のための衛 星 リモートセンシング手 法 の開 発 を目 的 とし、その中 で、オイル パームプラ ンテーションの抽 出 を含 む土 地 利 用 の改 変 のモニタリング手 法 の開 発 、森 林 の地 上 部 バイオマスの評 価 手 法 の 開 発 、森 林 の炭 素 吸 収 能 評 価 のための重 要 な生 態 系 パラータである葉 面 積 指 数 に着 目 し調 査 ・研 究 を実 施 し た。熱 帯 地 域 に属 するマレーシアのサラワク州 では、被 雲 率 が高 く光 学 センサの観 測 頻 度 に制 約 がある ため、従 来 の光 学 センサを用 いた土 地 被 覆 改 変 のモニタリングに加 えて、能 動 型 マイクロ波 センサ(合 成 開 口 レーダー , SAR)の有 効 利 用 が必 要 不 可 欠 である。本 研 究 ではセンサの複 合 利 用 によるオイルパームプランテーションの抽 出 とその生 育 ステージの推 定 、及 び今 後 開 発 が進 む山 岳 地 域 における地 形 の影 響 を低 減 させたオイルパーム プランテーション抽 出 手 法 の開 発 を行 った。また釧 路 川 流 域 圏 では、主 に上 ・中 流 域 における森 林 分 布 の変 容 の評 価 、木 材 資 源 (バイオマス)の定 量 化 や炭 素 吸 収 機 能 評 価 の為 の生 態 系 パラメータ推 定 を研 究 目 的 とした。 神 奈 川 県 横 浜 市 では生 態 系 機 能 評 価 の指 標 となり得 る生 態 系 パラメータとして緑 地 の樹 高 分 布 に着 目 し、航 空 機 LiDARデータによる横 浜 市 の緑 地 の高 精 度 な樹 高 分 布 評 価 及 び 検 証 のための現 場 データの収 集 を行 った。 収 集 されたデータはサブテーマ2へ提 供 し、航 空 機 LiDARデータによる樹 高 推 定 に利 用 した。 (4)生 態 系 サービス統 合 評 価 手 法 の研 究 生 態 系 からの供 給 プロセスに着 目 した時 空 間 評 価 を実 施 するとともに、これまで主 に経 済 学 の分 野 で開 発 が 進 められてきた経 済 評 価 手 法 に生 態 系 情 報 を導 入 し、価 値 推 定 の精 度 向 上 を図 ることを目 的 とした。1)国 内 テ ストサイトにおいて生 物 多 様 性 保 全 と気 候 変 動 緩 和 シナリオに基 づいた将 来 の土 地 被 覆 変 化 を推 定 し、複 数 の 生 態 系 サービス指 標 を算 出 した。2)生 態 系 サービス経 済 評 価 手 法 の開 発 として、顕 示 選 好 法 ・表 明 選 好 法 に おいて生 態 系 情 報 に基 づいた社 会 価 値 評 価 を行 った。 (5)生 態 系 サービス統 合 評 価 システムの開 発 と事 例 検 証 他 の研 究 課 題 との連 携 による1)土 地 利 用 シナリオの開 発 、2)生 態 系 サービス統 合 評 価 ツールの開 発 および3) デモンストレーションの実 施 と有 効 性 検 証 を行 った。地 域 レベルでの合 意 形 成 に主 眼 をおいた生 態 系 サービス統

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証 した。 4.結 果 及 び考 察 (1)生 態 系 機 能 を定 量 化 するためのデータ解 析 とモデル開 発 に関 する研 究 1)観 測 データを用 いたモデル検 証 生 態 系 の機 能 パラメータについて、VISITモデルの結 果 と観 測 ネットワークのデータ(サブテーマ2)を比 較 検 証 した。観 測 された大 気 と陸 域 生 態 系 との間 のガス交 換 フラックスを、VISITモデルは妥 当 に表 現 できることが確 認 された。既 往 研 究 による一 次 生 産 や水 利 用 に関 する検 証 と併 せてモデルの信 頼 性 が確 認 された。 2)テストサイトを含 む地 域 スケールのマッピング 釧 路 川 流 域 圏 、横 浜 市 緑 地 、ランビル(ボルネオ島 )の各 テストサイトにおいて、周 辺 域 を含 む 数 千 km2の範 囲 にわたり詳 細 な生 態 系 機 能 パラメータのマッピングが行 われた。環 境 条 件 や土 地 利 用 の不 均 質 性 を反 映 して、 生 産 力 や炭 素 ストックといった生 態 系 サービスの供 給 源 が同 じ植 生 タイプ内 でも一 様 に分 布 しているわけでは無 いことが明 らかにされた。 3)土 地 利 用 影 響 に関 するモデル高 度 化 衛 星 観 測 による土 地 利 用 (森 林 率 )の時 系 列 データを用 いて、 過 去 の土 地 利 用 転 換 が生 態 系 機 能 の分 布 に 与 えた影 響 を明 らかにした。そこでは、衛 星 観 測 データで問 題 になる雲 影 響 による不 自 然 な推 定 結 果 を軽 減 す るため、簡 単 な仮 定 に基 づくアルゴリズムを適 用 し、推 定 信 頼 度 の向 上 を図 った。 4)気 候 調 整 サービスの評 価 手 法 に関 する考 察 生 態 系 が周 囲 の気 候 条 件 を安 定 化 させる気 候 調 整 サービスは、従 来 は蒸 発 散 もしくは二 酸 化 炭 素 吸 収 量 の どちらかのみで評 価 されることが多 かった。近 年 の研 究 動 向 を踏 まえ、正 味 のエ ネルギー収 支 変 化 に基 づく生 物 物 理 的 効 果 と、メタンや亜 酸 化 窒 素 を含 む生 物 地 球 化 学 的 効 果 を両 方 考 慮 する評 価 法 を検 討 した。また、それ を生 態 系 モデルによる推 定 と組 み合 わせて適 用 する可 能 性 と利 点 について考 察 を行 った。 (2)生 態 系 機 能 の広 域 把 握 のための観 測 ネットワークとデータベースに関 する研 究 1)各 種 データの収 集 整 理 の結 果 生 態 系 サービスの広 域 把 握 に必 要 不 可 欠 な気 候 調 整 サービス、供 給 サービス、およびそれらを規 定 する生 態 系 の構 造 ・機 能 のデータについて、基 盤 データ(GISデータ)、森 林 バイオマス計 測 用 データ(リモートセンシングや 地 上 での森 林 バイオマスの測 定 結 果 )、フラックスデータ(渦 相 関 法 により計 測 された熱 ・水 ・二 酸 化 炭 素 に関 す る大 気 と地 表 面 との間 の輸 送 量 )の3つに分 類 して整 備 した。ここでフラックスデータについては、気 候 調 整 サー ビスの一 つの指 標 として重 要 な役 割 を果 たす温 室 効 果 ガスの吸 収 ・放 出 の季 節 変 化 パターンが、 亜 寒 帯 から熱 帯 に至 るアジア各 地 の植 生 タイプや気 候 帯 によって異 なる様 子 をよく表 す観 測 データを従 来 にない規 模 で整 備 し た。 2)森 林 の地 上 バイオマスの実 測 釧 路 川 流 域 圏 の森 林 において、ビッターリッヒ法 に基 づき 、代 表 的 な樹 種 をカバーするよう43ヶ所 で実 測 調 査 を行 った。実 測 調 査 の結 果 、釧 路 川 流 域 では幹 材 積 が100 - 250 m3 ha-1、地 上 バイオマスが40 - 140 t ha- 1 範 囲 の蓄 積 量 を有 する森 林 が多 いことを確 認 した。本 調 査 により、釧 路 川 流 域 圏 の森 林 をほぼ代 表 すると思 わ れる地 点 で、地 上 検 証 のためのバイオマス実 測 データを収 集 することができた。 3)テストサイト・横 浜 市 を含 む首 都 圏 におけるデータの整 備 首 都 圏 にある横 浜 市 では、市 街 地 、住 宅 地 、公 園 等 の緑 地 、そして横 浜 市 が保 全 する森 林 などが複 雑 に配 置 されており、こうした都 市 のバイオマスや樹 高 を広 域 で正 確 に評 価 するには、航 空 機 LiDARによる高 空 間 分 解 能 での樹 高 測 定 と地 上 検 証 を組 み合 わせることが有 効 である。そこで、まず航 空 機 LiDARデータから横 浜 市 の 樹 高 地 図 を作 成 し、その結 果 を現 地 調 査 データと比 較 して精 度 検 証 を行 った。次 に樹 高 のデータを現 地 調 査 か ら作 成 したアロメトリ式 に基 づいて幹 材 積 地 図 を求 め、最 後 にバイオマス拡 大 係 数 を乗 じることで 地 上 バイオマス へ換 算 した。以 上 の検 討 の結 果 、市 街 地 およびその周 辺 などに複 雑 に点 在 する樹 木 をも測 定 対 象 とした横 浜 市 全 体 の樹 高 と地 上 バイオマスを、航 空 機 LiDARを用 いて高 精 度 に評 価 することができた。 4)テストサイト・釧 路 川 流 域 圏 を含 む北 海 道 のデータの整 備 釧 路 川 流 域 圏 では、まず空 中 写 真 の解 析 に基 づき、地 物 の標 高 を示 す地 図 であるDSMを作 成 した。次 に、航 空 機 LiDARデータを用 いて樹 高 さを求 めたところ、二 乗 平 均 平 方 根 誤 差 (RMS誤 差 )は2.8 mであり、当 地 域 にお ける生 態 系 サービス評 価 を行 う上 で十 分 な精 度 の標 高 と樹 高 データを整 備 するこ とができた。続 いて、釧 路 川 流 域 圏 テストサイトとその周 辺 部 を含 み、さらに広 域 の北 海 道 全 体 を対 象 とする生 態 系 サービス評 価 にも利 用 でき るよう、衛 星 LiDARを利 用 した樹 高 とバイオマスの推 定 データも収 集 した。 最 後 に、北 海 道 域 の生 態 系 サービス

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するためのデータを整 備 した。 5)テストサイト・ボルネオ島 のデータの整 備 従 来 の衛 星 リモートセンシングでは、バイオマスの大 きい熱 帯 林 においてはバイオマスの正 確 な推 定 が困 難 で あったため、森 林 ・非 森 林 の判 別 と森 林 面 積 の推 定 に主 眼 がおかれてきた 。本 研 究 では、最 近 進 展 している衛 星 LiDARを利 用 した方 法 により、バイオマスの大 きい森 林 で生 じる問 題 を改 善 し、ボルネオ全 島 のバイオマスの 空 間 分 布 の特 徴 を現 実 的 に表 す、これまでにない質 ・量 のデータを整 備 した。これらのデータは、気 候 調 整 サー ビスに関 わる機 能 として森 林 の二 酸 化 炭 素 吸 排 出 量 の推 定 をより高 精 度 で行 う 上 できわめて有 効 である。 (3)生 態 系 機 能 の広 域 評 価 のための衛 星 リモートセンシングに関 する研 究 1)ボルネオ島 での土 地 利 用 変 化 検 出 熱 帯 地 域 の様 々なSAR画 像 の比 較 により、ALOS/PALSARのHV偏 波 を用 いることでオイルパームプランテー ションの分 布 とその林 齢 を3段 階 (young, medium, old)で大 まかに評 価 することが可 能 となった。また、今 後 、増 加 が予 想 される山 岳 地 域 のプランテーション開 発 に対 応 して、急 峻 な地 形 におけるオイルパームプランテーション の抽 出 手 法 についても検 討 を行 い、PALSARデータを用 いて適 切 な閾 値 を組 み合 わせることで、プランテーション 地 域 の抽 出 が可 能 であることが明 らかとなった。 2)釧 路 川 流 域 圏 での土 地 被 覆 分 類 および葉 面 積 指 数 の観 測 釧 路 川 流 域 圏 では山 岳 地 域 を含 む複 雑 地 形 が混 在 するが、衛 星 データのみから高 精 度 な土 地 被 覆 図 を作 成 することができた。山 岳 地 域 では、衛 星 データから作 成 したデジタル標 高 モデル(DEM)を用 いることで、複 雑 地 形 において広 葉 樹 ・針 葉 樹 の分 離 が可 能 であることがわかった。また森 林 の地 上 部 バイオマス、葉 面 積 指 数 が 推 定 できた。これらの手 法 は最 低 限 の現 地 調 査 データで作 成 されており、現 場 データの収 集 が容 易 ではない地 域 においても、同 様 のアプローチでの調 査 が展 開 できると期 待 できる。 (4)生 態 系 サービス統 合 評 価 手 法 の研 究 1)土 地 利 用 シナリオに基 づいた生 態 系 サービスの時 空 間 評 価 釧 路 川 流 域 を対 象 として①生 息 地 の改 善 を目 的 として流 域 内 の自 然 林 、湿 原 の面 積 を1970年 代 の状 態 に戻 す生 物 多 様 性 保 全 シナリオと②人 口 減 少 によって将 来 発 生 すると予 測 される未 利 用 地 を炭 素 吸 収 および林 業 生 産 を目 的 とした生 産 林 として活 用 する気 候 変 動 対 策 シナリオを設 定 した。 土 地 利 用 モデルを用 いて2060年 までの土 地 被 覆 変 化 を推 定 した。主 に保 護 区 域 外 である中 流 域 を中 心 に推 定 される土 地 被 覆 変 化 は流 域 全 体 の生 態 系 サービスに影 響 することが示 唆 された。複 数 の生 態 系 サービス指 標 を用 いることでサービス間 トレード オフを空 間 的 に明 示 した。 2)生 態 系 サービス経 済 評 価 手 法 の検 討 a 顕 示 選 好 法 における手 法 の検 討 顕 示 選 好 法 であるヘドニック・アプローチを用 いて横 浜 市 中 心 部 の都 市 緑 地 の価 値 評 価 を行 った。分 位 点 回 帰 モデルの結 果 から、森 林 の集 塊 性 は高 額 な戸 別 マンションにのみ有 意 な正 の効 果 があり、草 地 の集 塊 性 は 低 額 な戸 別 マンションに負 の効 果 があることが示 唆 された。さらに高 分 解 能 衛 星 画 像 からの植 生 タイプごとの植 生 量 データやDSMから取 得 する樹 高 データ、ASTERからの地 表 面 温 度 データなどを組 み合 わせた指 標 を開 発 し た。顕 示 選 好 法 における分 析 では衛 星 ・地 上 観 測 データから算 出 した 都 市 緑 地 の量 と視 認 可 能 量 を指 標 として 解 析 した結 果 、いずれも不 動 産 価 格 に対 する有 意 な影 響 がみられた。 b 表 明 選 好 法 における手 法 の検 討 i 一 般 市 民 の選 好 評 価 表 明 選 好 法 であるコンジョイント分 析 によって釧 路 川 流 域 の森 林 -湿 原 -農 地 生 態 系 の生 態 系 サービス評 価 を行 った。一 般 市 民 を対 象 とした選 択 実 験 を実 施 し、各 シナリオの指 標 には生 息 地 、炭 素 吸 収 量 、農 地 生 産 性 を設 定 した。条 件 付 きロジットモデルによる解 析 を行 った結 果 、各 土 地 利 用 属 性 の限 界 支 払 意 志 額 は湿 原 、農 地 、自 然 林 、生 産 林 の順 に高 く、平 均 的 には生 物 多 様 性 保 全 に対 する 選 好 が有 意 に認 められた。さらに選 好 に 影 響 する個 人 特 性 を検 証 した結 果 、生 態 系 サービスに対 する認 識 および居 住 地 による影 響 がみられた。 ii 地 域 住 民 の選 好 評 価 地 域 住 民 の生 態 系 サービスに対 する選 好 を分 析 した結 果 、平 均 的 には供 給 サービス、基 盤 サービス、文 化 サ ービスの順 に高 く評 価 された。また生 態 系 サービスに対 する主 観 的 価 値 の空 間 分 布 を平 均 最 近 距 離 によって評 価 した結 果 、供 給 サービス、文 化 サービスにおいて空 間 的 異 質 性 が認 められた。価 値 分 布 は環 境 条 件 や集 落 構 造 によって説 明 され、また職 業 や居 住 年 数 等 の個 人 属 性 が選 好 に影 響 していることから受 益 者 間 トレードオフ が示 唆 された。

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釧 路 湿 原 国 立 公 園 と阿 寒 国 立 公 園 を中 心 とした広 大 な自 然 を有 する釧 路 川 流 域 圏 に位 置 する鶴 居 村 を対 象 として、土 地 利 用 シナリオの開 発 を行 った。鶴 居 村 におけるワークショップおよび関 係 者 へのヒアリング結 果 等 を踏 まえ、鶴 居 村 及 びその流 域 圏 のおける森 林 や水 など自 然 資 源 の積 極 的 な活 用 を意 識 し、持 続 的 な生 態 系 サービスの活 用 を重 視 したシナリオとして、A)なりゆきシナリオ、B)温 暖 化 対 策 シナリオ、C)エコツーリズム推 進 シ ナリオ、の3つのシナリオを開 発 し各 シナリオに対 応 した土 地 利 用 図 を作 成 した。これらのシナリオは、将 来 に向 けた村 の持 続 的 な発 展 の方 向 性 の検 討 に資 するものとなった。 2)横 浜 市 におけるシナリオ開 発 複 数 の水 ・緑 環 境 づくりに関 する具 体 施 策 について、生 態 系 サービスの観 点 における実 施 効 果 を、数 値 モデ ルにより定 量 的 かつ客 観 的 に評 価 することを目 標 に、施 策 種 類 (樹 林 地 化 、公 園 設 置 、街 路 樹 設 置 、保 護 地 域 化 等 )、実 施 エリア・範 囲 による生 態 系 サービスの効 果 をマップ化 することを想 定 した評 価 モデルの構 築 を行 った。 本 研 究 課 題 では、今 後 の横 浜 市 の緑 地 保 全 計 画 に対 して寄 与 が可 能 な評 価 を行 うべく「森 林 面 積 の変 化 (量 的 変 化 )」及 び「森 林 バイオマスの変 化 (質 的 変 化 )」に着 眼 した4つのシナリオを開 発 し、各 シナリオに対 応 した 土 地 利 用 図 を作 成 した。 3)生 態 系 サービス統 合 評 価 ツールの開 発 生 態 系 サービス統 合 評 価 ツールの開 発 においては、1)地 域 施 策 やプロジェクト等 に基 づく土 地 利 用 変 化 に伴 い、影 響 を受 ける複 数 の生 態 系 サービスのトレードオフの評 価 に資 すること、2)地 方 自 治 体 や民 間 企 業 ・団 体 な どが簡 易 な操 作 かつ低 コストで利 用 可 能 であること、および3)地 域 施 策 やプロジェクト等 の影 響 に関 する地 域 的 なトレードオフを考 慮 するため、空 間 的 な生 態 系 サービス評 価 が可 能 であること、を要 求 条 件 として設 定 した。 InVEST及 び木 質 バイオマス評 価 モデルを基 盤 として開 発 したツールを用 い、釧 路 川 流 域 圏 (鶴 居 村 )及 び横 浜 市 における複 数 の土 地 利 用 シナリオに対 して生 息 域 提 供 (生 息 域 の好 適 性 )、炭 素 貯 留 、木 質 バイオマスエネ ルギー供 給 の3つの生 態 系 サービスを算 出 した。その結 果 を基 に、シナリオ間 のトレードオフについて考 察 した。 釧 路 川 流 域 圏 にて設 定 した各 シナリオによる評 価 の結 果 、シナリオA「成 り行 き」では、シナリオB「温 暖 化 対 策 推 進 」とシナリオC「エコツーリズム推 進 」の比 較 において、生 態 系 サービスの質 は低 下 することが示 された。また、シ ナリオB「温 暖 化 対 策 推 進 」では、林 業 施 業 で発 生 する残 材 利 用 とヤナギ栽 培 の導 入 により、地 域 の熱 需 要 に 相 当 する木 質 バイオマスを供 給 可 能 であることが判 明 した。一 方 で、生 息 域 の観 点 からは、 InVESTにて森 林 の 質 を十 分 に評 価 出 来 ていないことが課 題 として残 った。 また、横 浜 市 にて設 定 した各 シナリオによる評 価 の結 果 、緑 の10大 拠 点 が生 態 系 サービスにおいて重 要 な役 割 を示 していることが示 された。また、複 数 のシナリオを提 示 し比 較 検 討 することにより、森 林 面 積 の拡 大 ではな く、現 存 する森 林 の質 の向 上 、つまり低 バイオマスエリアに対 して適 切 な施 業 を行 うことで高 バイオマスへ転 換 す ることの有 効 性 が生 息 地 の好 適 性 の観 点 から示 された。 4)デモンストレーションの実 施 と有 効 性 検 証 地 方 自 治 体 等 による施 策 立 案 における生 態 系 サービス統 合 評 価 の有 効 性 を検 証 するため、鶴 居 村 において 計 3回 のワークショップを地 域 のステークホルダーを交 えて開 催 した。ワークショップでは、同 地 域 における将 来 の 土 地 利 用 シナリオと各 シナリオに基 づく生 態 系 サービス評 価 結 果 を提 示 した上 で、地 域 施 策 のあるべき方 向 性 について合 意 形 成 のアプローチを踏 まえ議 論 を行 った。ワークショップにおいては、地 域 の主 要 産 業 である酪 農 ・ 林 業 および観 光 業 を踏 まえた将 来 シナリオによる方 向 性 を示 したことにより、各 シナリ オへの賛 同 や懸 念 等 の活 発 な意 見 交 換 を実 現 することが出 来 た。生 態 系 サービス統 合 評 価 ツールを用 いた土 地 利 用 シナリオ評 価 が、村 の将 来 の方 向 性 を検 討 する上 で有 用 なツールになり得 ることが確 認 された。 5.本 研 究 により得 られた主 な成 果 (1)科 学 的 意 義 本 研 究 で実 施 した生 態 系 機 能 の広 域 評 価 に向 けたデータ整 備 により、主 として日 本 、加 えてアジアにおける 生 態 系 サービスの広 域 把 握 に必 要 不 可 欠 な気 候 調 整 サービス、供 給 サービス、およびそれらを規 定 する生 態 系 の構 造 ・機 能 のデータを、近 年 アジア太 平 洋 域 において構 築 の進 んでいる各 種 陸 域 観 測 ネットワークのデータ、 既 存 の研 究 プロジェクトや事 業 により収 集 されたデータ、文 献 データなどを活 用 して収 集 し、本 研 究 の終 了 後 も 将 来 にわたり、各 データの利 用 ポリシーに従 って利 用 者 に対 して使 用 の便 宜 を図 ることができるようにした。 プランテーションの抽 出 とその生 育 ステージの評 価 法 について 、現 場 の事 前 データなしで広 域 評 価 が可 能 な衛 星 データ利 用 法 を提 案 できた。今 回 の研 究 ではオイルパームプランテーションの林 齢 を3段 階 ( young, medium, old)で大 まかに評 価 したが、Shannonのエントロピー法 など画 像 情 報 の抽 出 法 をさらに検 討 することでより詳 細 な 林 齢 が評 価 できるようになる可 能 性 がある。また、釧 路 川 流 域 圏 の様 な山 岳 地 域 を含 む流 域 で、衛 星 データの みから高 精 度 な土 地 被 覆 図 を作 成 することができた。特 に、山 岳 地 域 では、衛 星 データから作 成 したデジタル標

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成 されており、現 場 データの収 集 が容 易 ではない地 域 においても、同 様 のアプローチでの調 査 が展 開 できると期 待 できる。 これまで生 態 系 サービスの社 会 価 値 評 価 は環 境 経 済 学 の分 野 でその手 法 開 発 が進 められてきたが、生 態 系 情 報 に基 づいた評 価 手 法 を開 発 することで価 値 推 定 の精 度 向 上 を行 った。 従 来 の研 究 における生 態 系 サービ スの評 価 手 法 を踏 まえ、地 域 レベルにおける持 続 的 な人 為 的 活 動 も踏 まえた生 態 系 管 理 に導 くための生 態 系 サービスの評 価 および合 意 形 成 のための手 法 を開 発 した。 (2)環 境 政 策 への貢 献 <行 政 が既 に活 用 した成 果 > 1)環 境 省 総 合 環 境 政 策 局 総 務 課 ・環 境 研 究 技 術 室 による「環 境 研 究 ・環 境 技 術 開 発 の推 進 戦 略 平 成 25年 度 中 間 フォローアップ結 果 」において、【重 点 課 題 15 国 土 ・水 ・自 然 資 源 の持 続 的 な保 全 と利 用 】、サブテー マ①「生 態 系 サービスの恩 恵 の解 明 」の研 究 ・技 術 開 発 の実 施 状 況 に具 体 例 を提 供 することで貢 献 を行 った (個 票 —85に示 されている)。 2)「生 物 多 様 性 国 家 戦 略 2012-2020 〜豊 かな自 然 共 生 社 会 の実 現 に向 けたロードマップ〜」において【科 学 的 基 盤 の強 化 3.1環 境 分 野 における調 査 研 究 】のうち、環 境 省 の具 体 的 施 策 として掲 載 された(p236に推 進 費 課 題 として掲 載 されている)。 3)環 境 省 「湿 地 の経 済 価 値 評 価 検 討 会 」において、気 候 変 動 緩 和 策 と生 物 多 様 性 保 全 の実 現 による効 果 と社 会 影 響 について研 究 成 果 の提 供 を通 じて貢 献 した。 <行 政 が活 用 することが見 込 まれる成 果 > テストサイトでのデモンストレーションおよび検 証 結 果 を踏 まえ、特 に社 会 ・経 済 状 況 の変 化 による土 地 利 用 の 変 化 が想 定 される地 域 における生 態 系 管 理 のための合 意 形 成 手 法 としての活 用 が期 待 される。 地 図 データは 生 態 系 サービスの評 価 モデルや炭 素 循 環 モデルに利 用 することで、土 地 利 用 のシ ナリオ予 測 などに利 用 するこ とが可 能 である。サブテーマ3で作 成 された釧 路 側 流 域 圏 の土 地 利 用 図 は、サブテーマ4に提 供 され InVestで土 地 利 用 シナリオ予 測 に活 用 された。行 政 でも同 様 の活 用 が期 待 できる。 地 上 観 測 、および航 空 機 ・衛 星 リモートセンシングに基 づく生 態 系 機 能 の広 域 評 価 に必 須 のデータを整 備 した ことにより、全 球 地 球 観 測 システム(GEOSS)の一 部 を担 うことで、森 林 炭 素 ・水 循 環 ・多 様 性 ・防 災 などの分 野 において広 域 的 な取 組 に貢 献 しうる。GEOのタスクである全 球 森 林 観 測 イニシアティブ( GEO GFOI: Global

Forest Observation Initiative)や、アジア太 平 洋 地 域 の生 物 多 様 性 モニタリング(GEO AP-BON)に貢 献 する。 陸 域 生 態 系 モデルは、大 気 と陸 域 生 態 系 の間 の温 室 効 果 ガス交 換 を総 合 的 に扱 うことが可 能 であり、他 の 複 数 の課 題 で活 用 されている。その成 果 はIPCC第 5次 報 告 書 にも多 数 引 用 されており、温 暖 化 政 策 の基 礎 情 報 として活 用 されることが見 込 まれる。ランビルサイトでのボルネオ島 全 域 を対 象 とした高 分 解 能 マッピングは、 高 い生 物 多 様 性 を持 つ熱 帯 地 域 における希 少 な試 みの一 つであり、今 後 、生 物 多 様 性 に配 慮 した REDDの検 討 と実 施 において活 用 されることが期 待 される。 6.研 究 成 果 の主 な発 表 状 況 (1)主 な誌 上 発 表 <査 読 付 き論 文 >

1) M. HAYASHI, N. SAIGUSA, H. OGUMA and Y. YAMAGATA: ISPRS Journal of Photogrammetry and Remote Sensing, 81, 12-18 (2013)

“Forest canopy height estimation using ICESat/GLAS data and error factor analysis in Hokkaido, Japan .” 2) N. SAIGUSA, S.-G. LI, H. KWON, K. TAKAGI, L.-M. ZHANG, R. IDE, M. UEYAMA, J. ASANUMA, Y. -J. CHOI,

J.-H. CHUN, S.-J. HAN, T. HIRANO, R. HIRATA, M. KANG, T. KATO, J. KIM, Y. -N. LI, T. MAEDA, A. MIYATA, Y. MIZOGUCHI, S. MURAYAMA, Y. NAKAI, T. OHTA, T.M. SAITOH, H. -M. WANG, G.-R. YU, Y.-P. ZHANG and F.-H. ZHAO: Journal of Forest Research, 18, 41 -48 (2013)

“Dataset of CarboEastAsia and uncertainties in the CO2 budget evaluation caused by different data processing.”

3) M. HAYASHI, Y. YAMAGATA, H. BORIGIN, H. BAGAN, R. SUZUKI and N. SAIGUSA: 写 真 測 量 とリモートセ ンシング, 52, 6,306-315 (2014)

“Forest biomass mapping with airborne LiDAR in Yokohama City .”

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5) R. AVTAR, R. SUZUKI, W. TAKEUCHI, H. SAWADA: PLoS ONE, 8, 10, e74807, 1-11 (2013)

“PALSAR 50m mosaic based national level biomass estimation for REDD+ policies implementation .” 6) K. SHOYAMA, S. MANAGI, Y. YAMAGATA: Land Use Policy, 34, 282 -293 (2013)

“Public preferences for biodiversity conservation and climate -change mitigation: a choice experiment using ecosystem services indicators.”

7) R. AVTAR, R. SUZUKI, H. SAWADA: PLoS ONE, 9, 1, e86121, 1-15 (2014)

“Natural forest biomass estimation based on plantation information using PALSAR data .”

8) K. SHOYAMA, Y. YAMAGATA: Ecosystem Services , doi.org/10.1016/j.ecoser.2014.02.004 (2014) “Predicting land-use change for biodiversity conservation and climate -change mitigation and its effect on ecosystem services in a watershed in northern Japan.”

<査 読 付 論 文 に準 ずる成 果 発 表 > (対 象 :社 会 ・政 策 研 究 の分 野 ) 特 に記 載 すべき事 項 はない。

(2)主 な口 頭 発 表 (学 会 等 )

1) N. SAIGUSA, S-G. LI, H. KWON, K. TAKAGI, J. HONG, R. IDE, M. KANG, Z. LEIMING, M. UEYAMA, J. ASANUMA, S.J. HAN, T. HIRANO, R. HIRATA, Y.N. LI, T. MAEDA, A. MIYATA, Y. MIZOGUCHI, S.

MURAYAMA, Y. NAKAI, T. OHTA, T.M. SAITOH, H.M. WANG, G.R. YU, Y.P. ZHANG and F.H. ZHAO: AsiaFlux Workshop 2011: Bridging Ecosystem Science to Services and Stewardship, Johor Bahru, Malaysia, 2011 “Spatial and temporal patterns of the carbon budget in Asia and the uncertainty caused by different gap

filling procedures”

2) H. KOBAYASHI, N, DELBART; R. SUZUKI, K. KUSHIDA, and A. ITO: AGU 2011 Fall Meeting, 2011

“Satellite estimation of leaf area index across the east Siberia and the northern Japan from 1998 to 2010” 3) A. ITO, M. ADACHI, Y YAMAGATA: International Symposium on Southeast Asian Tropical Forest Research

related with Climate Change and Biodiversity, Tokyo, 2012

“A model-based assessment of the impacts of land -use change in Southeast Asia for mitigation and adaptation.”

4) R. SUZUKI, M. HAYASHI, Y. KIM, R. ISHII, H. KOBAYASHI, K. SHOYAMA, M. ADACHI, A. TAKAHASHI, N. SAIGUSA, A. ITO: American Geophysical Union Fall Meeting, 2012

“Sensitivity of backscatter intensity of ALOS/PALSAR to above -ground biomass and other biophysical parameters of boreal forests in Alaska an d Japan”

5) 庄 山 紀 久 子 ・馬 奈 木 俊 介 ・楊 珏 ・山 形 与 志 樹 : 環 境 経 済 ・政 策 学 会 2012年 大 会 ,仙 台 , (2012) 「生 物 多 様 性 保 全 ・気 候 変 動 緩 和 策 に対 する選 好 評 価 :選 択 型 実 験 における生 態 系 サービス指 標 の導 入 」 6) 関 根 秀 真 : 第 60回 日 本 生 態 学 会 大 会 企 画 集 会 :生 態 系 サービスの総 合 的 な指 標 化 -気 候 変 動 対 策 と生 物 多 様 性 保 全 のトレードオフ解 消 に向 けて—, 静 岡 (2012) 「生 態 系 サービスの総 合 的 な指 標 化 にむけた土 地 利 用 シナリオの開 発 」 7) 庄 山 紀 久 子 ・山 形 与 志 樹 : 森 林 生 態 系 の生 物 指 標 と生 態 系 サービスの総 合 評 価 に関 するワークショップ, 名 古 屋 大 学 (2013) 「生 態 系 サービス指 標 を用 いた評 価 研 究 事 例 」 8) 伊 藤 昭 彦 、山 形 与 志 樹 、三 枝 信 子 、安 立 美 奈 子 、庄 山 紀 久 子 、鈴 木 力 英 、関 根 秀 真 : 2013年 度 第 2回 エコ トピア科 学 シンポジウム公 開 ワークショップ, 名 古 屋 (2013) 「気 候 変 動 対 策 と生 物 多 様 性 保 全 のトレードオフ解 消 を目 指 した生 態 系 サービス評 価 」 9) 三 枝 信 子 :第 60回 日 本 生 態 学 会 (2013) 「陸 域 の生 態 系 サービス(供 給 ・調 整 )のための基 盤 情 報 整 備 について」

10) M. HAYASHI, N. SAIGUSA, H. OGUMA, Y. YAMAO, Y. YAMAGATA and G. TAKAO: 2013 AGU Fall Meeting, San Francisco, USA, 2013

“Applying ICESat/GLAS data to estimate forest aboveground biomass on Hokkaido,

11) R. AVTAR, R. ISHII, H. KOBAYASHI, H. FADAEI, R. SUZUKI, S. HERATH: IGARSS-2013 IEEE, Melbourne, Australia, 2013

“Efficiency of multi-frequency、 multi-polarized SAR data to monitor growth stages of oilpalm plants in Sarawak, Malaysia”

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“Evaluation and mapping of ecosystem services to find better balance between climate change prevention and biodiversity conservation .”

13) K. SHOYAMA, Y. YAMAGATA: Second Global Lan d Project Open Science Meeting, Berlin, Germany, 2014 “Spatially explicit assessment and its’ effect on the stakeholders’ decisions for rural landscape planning

–A case study in Japan”

7.研 究 者 略 歴 課 題 代 表 者 :伊 藤 昭 彦 筑 波 大 学 生 物 科 学 研 究 科 卒 業 、博 士 (理 学 )、現 在 、国 立 環 境 研 究 所 地 球 環 境 研 究 センター 主 任 研 究 員 研 究 分 担 者 1) 伊 藤 昭 彦 (同 上 ) 2) 三 枝 信 子 東 北 大 学 理 学 部 卒 業 、現 在 、国 立 環 境 研 究 所 地 球 環 境 研 究 センター副 センター長 3) 鈴 木 力 英 筑 波 大 学 第 一 学 群 自 然 学 類 修 了 、現 在 、海 洋 研 究 開 発 機 構 地 球 表 層 物 質 循 環 分 野 分 野 長 4) 山 形 与 志 樹 東 京 大 学 教 養 学 部 卒 業 、現 在 、国 立 環 境 研 究 所 地 球 環 境 研 究 センター主 席 研 究 員 5) 関 根 秀 真 早 稲 田 大 学 理 工 学 部 卒 業 、現 在 、三 菱 総 合 研 究 所 主 席 研 究 員

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1F-1101 気 候変 動対策 と生 物多 様性 保全の 連携 を目 指し た生 態系サ ービ ス評 価手 法の 開発 (1)生態系機能を定量化するためのデータ解析とモデル開発に関する研究 (独)国立環境研究所 地球環境研究センター 物質循環モデリング・解析研究室 伊藤 昭彦 <その他の研究協力者> (独)国立環境研究所 地球環境研究センター 主席研究員室 安立 美奈子 平成23(開始年度)~25年度累計予算額:43,585千円 (うち、平成25年度予算額:12,940千円) 予算額は、間接経費を含む。 [要旨] 気候変動対策と生物多様性保全は、いずれも国際的な枠組み(気候変動枠組み条約および生物 多様性条約)の下で進められている喫緊の課題であるが、生態系機能を活用した対策を検討する 際のトレードオフ解消が問題となっている。従来のデフォルト値に基づく生態系サービス評価で は、地域スケールで一様な結果となり現場の状況を詳細に踏まえた対策や管理を講じることが難 しかった。そこで本課題では、気候変動対策と生物多様性保全を連携させて win-winの関係に導く ための意志決定を支援する、生態系サービス評価手法を開発するための研究を実施した。本サブ テーマの役割と目的は、課題全体の総括、および生態系モデルを用いた空間詳細な生態系機能マ ッピングの実施である。独自の陸域生態系モデルを開発・高度化し、それをテストサイトである 釧路川流域圏、横浜市緑地、ランビルサイトに適用して、高分解能メッシュで生産力や炭素スト ックなど生態系機能の空間分布の把握を行った。特徴として、1kmメッシュという同種の試みの 中でも非常に高い空間分解能を持つこと、地元住民が生態系サービスを受けていると考えられる 十分に広い範囲をカバーできること、複数の生態系機能を同時にシミュレート可能なこと、過去 の解析や将来シナリオ実験における数十年間の長期計算が可能なこと、地方や発展途上国への適 用を想定して可能な限り少数の入力データで実行可能なことが挙げられる。生態系モデルの推定 結果は、各テストサイトにおいて他サブテーマによる観測情報と比較することで精度検証が実施 され、人為的な撹乱影響の導入などにおいて高度化が図られており、サブテーマ4および5にお いて生態系サービス評価をTier3のレベルで実施するため基礎情報を与えるモデルを確立するこ とができた。 [キーワード] 一次生産力、生態系機能、物質循環、プロセスモデル、空間マッピング 1.はじめに 気候変動と生物多様性の喪失は急速に進んでおり、 Rockströmらによる検討1 )によれば、すで に地球の持続可能性を維持できる範囲を超えた人為的影響が及びつつあることが指摘されている。

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1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットを受けて、気候変動枠組条約と生物多様性 条約が作成されており、これらの課題への国際的な取り組みは進められつつある。一方で、新た な課題として浮上してきたのが、異なる環境問題に対する対策間のトレードオフであり、その典 型的な例として、気候変動対策としての炭素吸収を目的とした大規模植林と、原生林の生物多様 性の保全との間のトレードオフを挙げることができる(図(1)-1参照)。このような拮抗関係だけ でなく、地元の生活環境や産業との関係も加味すると非常に複雑な要因を考慮した意志決定が必 要とされる。ここで、本課題では生態系が人間社会にもたらす公益的機能(生態系サービス)を 扱うことで、上記のようなトレードオフ関係を含む意志決定を支援できる可能性に着目した。つ まり、生態系がもたらす調整サービス(気候変動対策)と基盤・文化サービス(生物多様性保全 ) を総合的に評価する手法を提供することで、最適な生態系管理の意志決定を支援することを目指 した。 図(1)-1 (上図)本課題で設定された取り組みと目的の説明。(下図)気候変動対策と生物多様 性保全のトレードオフ関係に関する概念の説明。

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2.研究開発目的 生態系サービス評価の試みが広く認知されるようになったのは、Costanzaらによるグローバル スケールの研究2 )以降と考えられ、各種の個別の評価手法が提案・試用さ れている段階にあり、 標準化された手法や手続きが確立されているわけではない。また、環境経済学的視点から行われ ている研究と、生態学をはじめとする自然科学的視点から行われている研究では、力点の置き方 だけで無く目的とするアウトプットにも違いがある。特に、自然科学的研究では、生態系の構造 や機能は詳細にデータ取得するものの、対象となる生態系の管理者やサービスの受益者(ステー クホルダー)にとって高い利便性を持つ情報へと翻訳できていなかった。 本課題では、生態系サービス評価を行うにあたって、自然科学的視点の研究者と社会経済 学的 視点の研究者が共同研究を行うことが大きな特色である。そうすることで、必ずしも知見と目的 の共有が十分で無かった異分野の研究者による学際的な取り組みが可能となった。それは、従来 の生態系サービスで問題となっていた別の課題の解決も目的としていた。前出のCostanzaらによ る研究に代表されるように、従来の生態系サービス評価では、代表的な地点・地域で行われた生 態系サービス評価結果を代表値(デフォルト値)として扱い、実際の生態系に見られる構造の複 雑性や不均質性を考慮できていなかった。それは、生態系サービスの供給源と受益者との空間的 な関係が無視されることを意味しており、効果的な生態系管理を行う上での障壁となると考えら れた。一方で、生態系の空間的把握は自然科学分野の研究者の得意とするところであり、その先 端的手法で得られたデータを環境経済学的な評価手法と組み合わせることで、従来に無い高精度 での生態系サービス評価が可能になると期待される(図(1)-2およびポンチ絵参照)。 図(1)-2 推進費1F-1101課題の全体構造の説明。自然科学的手法(サブテーマ1、2、3)と社 会経済学的手法(サブテーマ4、5)の連携スキーム。 本サブテーマの研究開発目的は、生態系の各種プロセスをシミュレートするモデルを開発し、 高い空間分解能で生態系機能のマッピングを実施することである。生態系のモデルは、観測(サ

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ブテーマ2および3)することが困難な生態系内部の動態を推定できるだけで無く、生態系サー ビス評価に必要とされる推定項目間の整合性や時間的な連続性を保証する上でも有用である。ま た、社会経済学的手法(サブテーマ4および5)で行われるシナリオ研究で必要な、数十年単位 の生態系変動を推定する唯一の手法として必要である。 3.研究開発方法 (1)生態系サービス評価のための課題設計 気候変動対策と生物多様性保全のトレードオフに焦点を絞ってもなお、生態系と人間社会の関 係性のあり方は多様であり、いくつかの典型的な状況について研究を進めることが有効かつ必要 と考えられた。本課題では以下3地点をテストサイトに設定して研究を進めた(図(1)-3)。 ❶釧路川流域圏(北海道鶴居村):釧路湿原(国立公園・ラムサール条約登録地)およびエゾマ ツ・トドマツを中心とする人工林、落葉広葉樹などで構成される二次林、牧草地、耕作地を含む。 周囲の生態系は自然度が高いが人口密度は低い。 ❷横浜市緑地(神奈川県横浜市):日本有数の都市域である横浜市に散在する緑地。残存する雑 木林と植樹林を含む。人口密度は高く(約8460人/km2)、ヒートアイランドなど都市域特有の環 境問題が生じている。 ❸ランビル(マレーシア・サラワク州):ボルネオ島東部の熱帯多雨林に設定されたランビルヒ ル国立公園およびその周囲。国立公園内は保護された生物多様性の高い原生林であるが、周囲で はアブラヤシなど商業作物のプランテーション転換が大規模に進んでいる。 図(1)-3 本課題の対象とした3テストサイトの説明と比較。 これらテストサイトは環境条件が異なるだけで無く、生態系サービスの主たる受益者である地元 住民の意識や価値観にも相応の差があると考えられるため、評価手法の一般性を確認することを 想定して決定された。

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各テストサイトにおいて図(1)-2に示されたサブテーマ単位で研究が実施された。サブテーマ間 の連携を促進するため、各サブテーマが扱う生態系サービスを表(1)-1および表(1)-2のように整 理を行った。 表(1)-1 本課題の各サブテーマが対象とする生態系サービスのまとめ。右矢印(→)は他サブ テーマへのデータ提供、左矢印(←)は他サブテーマからのデータ受け取りを示す。 基 盤サ ービ ス 供 給サ ービ ス 調 整サ ービ ス 文 化サ ービ ス そ の他 (保 全など ) サ ブテ ーマ ① 一 次生 産 ←② ③ 、→ ④ 土 壌形 成 ←② 栄 養塩 の循 環 ← ② 木 材 →④ 淡 水 →④ ( 食糧 と燃 料は 今 後の 課題 ) 気 候調 整 ←② ③ 、→ ④ ( 水質 につ いて 今 後の 課題 ) 植 生炭 素貯 留 ← ② ③ サ ブテ ーマ ② 一 次生 産 →① 土 壌形 成 →① 栄 養塩 の循 環 → ① 木 材 →③ ④ 気 候調 整 →① ( 水質 につ いて は 今後 の課 題) 洪 水制 御に 係わ る 基礎 デー タ→ ③ 審 美に 係わ る基 礎 デー タ(樹高 等 ) →④ 植 生炭 素貯 留 → ① ③ サ ブテ ーマ ③ 一 次生 産→ ① 炭 素隔 離→ ①④ 木 材お よび 繊維 → ④, ←② パ ーム オイ ル→ ④ 洪 水制 御→ ④, ← ② 審 美的 →⑤ レ クリ エー ショ ン →⑤ 植 生炭 素貯 留 → ① ④ ,← ② サ ブテ ーマ ④ 一 次生 産← ①③ → ⑤ 炭 素隔 離← ③ → ⑤ 生 物多 様性 維 持 ? 木 材お よび 繊維 ← ③、 →⑤ パ ーム オイ ル← ③ 、→ ⑤ 気 候調 整 ← ① 、→ ⑤ 洪 水制 御← ③、 → ⑤ レ クリ エー ショ ン (観 光) →⑤ 植 生炭 素貯 留 ← ① ③ 、→ ⑤ 生 物多 様性 維持? サ ブテ ーマ ⑤ 栄 養塩 の循 環← ① ② バ イオ マス 燃料 ← ②③ → ④ 木 材及 び繊 維← ④ パ ーム オイ ル← ④ 気 候調 節← ①② ③ → ④ 水 質浄 化← ① 洪 水制 御← ④ レ クリ エー ショ ン (観 光) ←⑤ ( 審美 的価 値は 今 後の 課題 ) 生 息域 提供 ←①② ③ ( 植生 炭素 貯留は 気 候 調節 に含 まれる と 想 定) 表(1)-2 本課題で扱う生態系サービスをサブテーマ間のデータ提供 —受領の視点でまとめ た表。ここでは課題外部とのデータ交換も項目に含まれる点に注意。 各 サブ が提 供する デー タ( →) サ ブ① へ サ ブ② へ サ ブ③ へ サ ブ④ へ サ ブ⑤ へ 外 部へ 各 サ ブ が 使 用 す る デ ー タ ( ← ) サ ブ① から — — — 基 盤: 一次 生 産 調 整: 気候 調 整 供 給: 木材 ・ 淡 水 基 盤: 栄養 塩 循 環 調 整: 気候 調 整 、水 質浄 化 そ の他 :生 息 域 機 能マ ップ 施 策感 度実 験 サ ブ② から 基 盤: 一次 生 産 、土壌 形成 、 栄 養塩 循環 そ の他 :植 生 炭 素貯 留 — そ の他 :植 生 炭 素貯 留 供 給: 木材 文 化: 審美 に 関 する 基礎 デ ー タ 供 給: バイ オ マ ス燃 料 そ の他 :生 息 域 デ ータ ベー ス

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サ ブ③ から 基 盤: 一次 生 産 、炭 素隔 離 調 整: 気候 調 整 そ の他 :植 生 炭 素貯 留 — — 基 盤: 炭素 隔 離 供 給: 木材 ・ パ ーム オイ ル 調 整: 洪水 制 御 供 給: バイ オ マ ス燃 料 文 化:審 美的 、 レ クリ エー シ ョ ン そ の他 :生 息 域 そ の他 :植 生 炭 素貯 留 植 生マ ップ サ ブ④ から — — — — 基 盤: 一次 生 産 、炭 素隔 離 供 給: 木材 ・ 繊 維、 パー ム オ イル 調 整: 気候 調 整 、洪 水制 御 そ の他 :植 生 炭 素貯 留 InVEST 出 力 サ ブ⑤ から — — — 供 給: バイ オ マ ス燃 料 調 整: 気候 調 節 — InVEST 出 力 外 部か ら モ デル デー タ :土 壌マ ッ プ 、気 象マ ッ プ — — 地 価 ア ンケ ート 結 果 — — (2)生態系機能をシミュレートするモデル 本サブテーマでは、森林・草地・耕作地を含む陸域生態系の機能的プロセスを高精度でシミュ レートするモデルの開発を行った。このような生態系モデルは、気候変動および土地利用変化が 生態系に与える影響3 )を推定するために用いられてきており、現地観測データを用いた検証を経 て高度化が継続されている。ここで採用した生態系モデルVISIT(Vegetation Integrative SImulator for Trace gases)の概要を図(1)-4に示した。

当課題で使用する生態系モデルの要件として、①可能な限り多くの生態系サービスに関与する 機能パラメータを扱えること、②気候変動や生物多様性に関与するパラメータを扱えること、③ シナリオに基づいた長期計算が可能なこと、④実測データを得ることが難しい地域でも代替デー タを入力するなどして実行可能なこと、が挙げられる。例えば気候調整サービスおいては、二酸 化炭素だけでなくメタンや亜酸化窒素など、主要な温室効果ガス交換プロセスを扱うことが求め られるが、それらを統合的に扱えるものは世界でも 少数のモデルしか無いため、VISITモデルを採 用することで他研究に無い独自性を出すことが可能となった。このモデルで扱う機能パラメータ と生態系サービスとの対応を表(1)-3にまとめた。 本モデルの特色として比較的少数の入力データと計算コストで実行可能であることが挙げられ る。必要な入力データは ①位置情報(固定):緯度、経度、標高 ②土壌情報(固定):比容重、砂/粘土組成、pH、土壌の深さ ③植生情報(固定):植生タイプ ④気象要素(日別):気温、日射、降水、湿度、風速

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⑤大気要素(日別):大気の温室効果ガス濃度、窒素沈着量 である。このうち①は対象地の設定から半ば自動的に求まるものであ る。②と③は観測値があれ ばそれを用い、無い場合は全球の土壌および植生データセットから対象地の値を抽出して使用す ることができる。④および⑤についても、対象地の観測データを使用することが精度を高める上 では望ましいが、全球データから抽出・内挿・補正したデータを使用することも可能である。図 (1)-5に釧路川流域圏を含む北海道地域の入力データの例として植生タイプのマップを示した。 図(1)-4 陸域生態系モデルVISIT4 )の構造。左側のコンパートメント群が炭素( C)のストック を、右側のコンパートメント群が窒素( N)のストックを表す。各矢印は物質のフローを表してお り、それぞれ計算時間ステップで環境条件に基づいて計算され、その収支からストックの大きさ が随時更新される。上に書かれた破線で囲われたボックスは、大気と生態系の間で交換される微 量ガスを表す。ここでは水収支に関するストックとフローは省略されている点に注意。 表(1)-3 陸域生態系モデルVISITで推定される機能パラメータと生態系サービスの対応。 生態系サービス モデルで推定されるパラメータ 基盤サービス 一次生産 純一次生産量 土壌形成 土壌有機炭素ストックの増加量 栄養塩の循環 窒素の無機化、硝化・脱窒、不動化、溶脱 など 調整サービス 気候調整 二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素の交換、 蒸発散 水質 流出する硝酸態窒素量 供給サービス 木材 木材(植生の幹部)の炭素ストック(ポテ ンシャル供給量) 淡水 河川流出量 文化サービス —(バイオマス:間接的に景観に影響)

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図(1)-5 釧路川流域圏サイトを含む北海 道エリ アの植生分布マップ。MODIS衛星で観測された植 生指数に基づく分類。ここで示された植生タイプ に従って生態系モデルの生理生態パラメータが 割り振られ、モデル推定に使用される。空間分解 能は1kmである。 4.結果および考察 (1)観測データを用いたモデル検証 陸域生態系モデルVISITによる生態系機能パラメータの推定精度を、各種の観測データを用いて 検証した。一次生産および炭素ストックに関しては世界各地の観測データを用いて比較検証を既 往研究5 )の中で行っており、高い再現性が得られることが確認されている。植生バイオマスは炭 素固定だけで無く、生物多様性とも相関が高いパラメータといわれているが、人工林造成など撹 乱の影響を強く受けるため、林齢情報の反映が不可欠であった(サブテーマ2の報告参照)。大 気と生態系の間の温室効果ガス交換については、今回のテストサイトの中で観測データを得るこ とはできなかったため、類似の植生で被覆されている国内サイトでの検証を行った(図(1)-6)。そ こではサブテーマ2でデータ収集を行っているAsiaFluxサイトの観測情報などを使用した。釧路 川流域圏を含む北海道の相当面積は落葉広葉樹で被覆されているが(図(1)-5参照)、同じ植生タ イプで構成される中部日本サイトにおいて、VISITモデルは観測と比較して非常に良好な再現性を 示していた。二酸化炭素の吸収放出パターンだけで無く、メタンや亜酸化窒素といった微量ガス の交換も再現されており、気候調整サービスの評価に有用な情報を与え得ることが確認された。 人工林に関しては、同じ北海道内の苫小牧カラマツ林におけるフラックス観測データとの比較を 行い、同じく季節変動パターンや平均的な二酸化炭素吸収強度が再現されることが確認された。 釧路川流域圏では、湿原からのメタン放出については、国内でも同様な自然湿原におけるフラッ クス観測は行われていないため、比較的共通な条件下にある水田においてメタン放出フラックス の再現結果を確認した。生態系の水循環も気候調整サービスや淡水供給サービスと密接に関係す る重要なパラメータであるが、既往研究6 )において生態系の水利用効率を検討した中で広域スケ ールの水収支(蒸発散、流出など)の再現性を独立したデータと比較検証済みである。

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図(1)-6 国内観測サイトにおける VISITモデルの出力例とその検証。(左図)中部地方の落葉広 葉樹林における二酸化炭素(上)、メタン(中)、亜酸化窒素(下)の比較結果。(中図)水田 におけるメタン放出フラックスの検証結果。(右図)カラマツ人工林における二酸化炭素フラッ クスの再現性の検証結果。 (2)テストサイトを含む地域スケールのマッピング 本課題の3テストサイトについて周辺域を含めた広域を対象として、高分解能な生態系機能の マッピングを行った。ここでは手法の汎用性を確認するため、植生データとしてMODIS観測データ (図(1)-5参照)、土壌データとしてHarmonized World Soil Database、気象データとしてWorldClim および米国環境予測センターおよび米国大気研究センターにより作成されたデータセットを内挿 して使用した。空間分解能は植生データと同じく 1kmメッシュとし、各格子点において 500年程度 の初期化計算を行ってモデル内の生態系の状態を定常状態に近づけた。その後、1948年から2010 年までの気象データを時系列に沿って入力し、各種の生態系パラメータを計算した。図(1)-7はモ デルで推定された2010年の植生による光合成生産 および土壌炭素ストックのマップである。生産 力の分布は、都市域・耕作地・山岳域は他の森林域に比して低く、また森林の中でも比較的温暖 な南西部で光合成生産が高いことが分かる。釧路 川流域圏は、全体としては生産力が高くない地 域に含まれるが、その中に散在する森林は高い生産力を示している。土壌炭素ストックは、必ず しも光合成による炭素固定量には比例しておらず、冷涼で分解が進まない中央の山岳域でも高い 土壌炭素ストックを示す場合がある。釧路川流域圏の炭素ストックは全体の中では低めであるが、 これは湿原における泥炭蓄積がモデル中で正しく再現されていないためである可能性がある。泥 炭は通常の土壌と異なり嫌気的条件下で堆積するため、モデル中で湛水条件を再現するプロセス を追加し、さらにそれを地下水位データと比較検証する必要がある。

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図(1)-7 陸域生態系モデルVISITで推定された釧路川流域圏を含む北海道全域の(左)光合成生 産および(右)土壌炭素ストックの分布マップ。 基盤サービスに関係(表(1)-3参照)。 横浜市緑地は市街地中に点在する小規模な緑 地であり(サブテーマ2および5の報告参照)、 1kmメッシュの計算でも正しく分布を再現する ことが困難であった。そこで、植生マップで市 街地や耕作地に分類されている地点を混交林 に置き換えて緑地を仮定しての計算を行った (図(1)-8)。それにより、任意地点で緑地と しての生産力や水収支を計算することが可能 となった。 図(1)-8 陸域生態系モデルVISITで推定され た横浜市緑地を含む関東平野における光合成 生産の分布マップ。 ランビル(マレーシア・ボルネオ島)は、もともとは大部分が原生の熱帯多雨林で被覆されてお り、同じマレーシア・パソーサイトで検証・改良されたVISITモデル3 )を適用することで生態系 機能のマッピングが実施された(図(1)-9)。このサイトの特徴の1つは、サイト周辺で急速にオ イルパームプランテーションなどへの土地利用転換が進んでいることであり、森林から耕作地へ の転換に伴う生態系機能・サービスの変化が焦点となる。そこで、東京大学生産技術研究所で作 成された森林率の時系列マップを使用して、年々の森林被覆率の変化を加味した推定を行った。 中央部に代表される原生林が残存する地域は、生産力・炭素ストックとも高い値を示したが、海 沿いの低地では土地利用転換が進んだ結果、生産力や地上部バイオマスが低下している地域が多 く見られた。

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図(1)-9 陸域生態系モデルVISITで推定されたランビルを含むボルネオ島全域の地上部バイオマ ス、総一次生産(光合成による二酸化炭素吸収)、土壌呼吸(土壌表面からの二酸化炭素放出) のマップ。供給サービス、基盤サービスに関係(表 (1)-3参照)。 (3)土地利用影響に関するモデル高度化 本課題で対象とした3サイトでは異なる程度の土地利用変化による影響を受けており、また気 候変動対策と生物多様性保全のトレードオフを検討する上でも、土地利用形態の違いによる生態 系機能の変化を適切にシミュレートする必要がある。釧路川流域圏と横浜市緑地では、現在のと ころ土地利用に急激な変化は生じていない。一方、ランビルなどの熱帯林地域では、オイルパー ムやゴムなど商品作物プランテーションへの転換が急速に進んでいる。そこで、ランビルを含む ボルネオ島を対象に、土地利用変化が生態系機能に与える影響に関する広域シミュレーションの 高度化を図った。 ここで問題となったのは、衛星観測による森林率変化データにおける雲影響の除去である。熱 帯域は雲で被覆された期間が長く、継続的な衛星観測であっても雲影響を完全に除去することは 困難とされている。そこで、時系列データから雲影響を軽減するアルゴリズムを開発し、熱帯域

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での推定高度化を図った。ここでは、森林はアイルパームプランテーションに転換されるがその 逆は生じないことを仮定し、森林被覆率 の経年的増加はオイルパームプランテ ーションへの転換にのみよって生じる こととした(図(1)-10参照)。それ によ り、観測データ中で森林率が増加した場 合に見かけ上の植林活動と炭素吸収が 生じてしまう誤差要因を軽減すること ができると期待される。ただしこの方法 にも、オイルパームプランテーションや、 その他の土地利用形態(図(1)-10中の白 色部)には年々の増減が生じるという課 題がある。 図(1)-10 観測された森林被覆率の年々変動から雲影響を軽減して森林減少 (オイルパームプラ ンテーションへの転換)速度を推定するアルゴリズムの説明図。 図(1)-11は衛星観測による年々の森林被覆率変動データおよび 上記アルゴリズムを適用し て推定 されたボルネオ島の森林被覆率の減少速度である(仮定により増加は生じない点に注意)。 図(1)-11 衛星観測に雲影響軽減アルゴリズムを適用して得られた森林被覆率の減少速度マップ (年々の減少%)。左から2003年、2005年、2008年の結果。 雲影響が軽減された森林率マップを用いて、陸域生態系モデルVISITによるシミュレーションの修 正を行った。森林率の不自然な増減が緩和されたことで、年々の変動幅が抑えられただけで無く、 森林からオイルパームプランテーションへの転換に伴う長期的な生態系影響が再現されるように なった(従来の手法では森林率が増加した際に見かけ上の植林が生じて影響が長期的に残りにく かった)。図(1)-12に見られるように、森林が多く残る中央部は生産力が高いままであるが、土 地利用変化が進む南部を中心に生産力の顕著な低下が見られる地域が多く出現している。 土地利用が急速に変化している地域において、生態系の機能とサービスをモニタリングするこ

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