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目次 はじめに 3 上位 100 社に関する主要統計 4 ラグジュアリー業界の未来を形作るもの 5 世界経済の動向 9 上位 100 社ハイライト 13 世界のラグジュアリー企業ランキング上位 100 社 15 上位 10 社ハイライト 23 急成長ラグジュアリー企業 20 社 27 商品カテゴリー

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(1)

世界のラグジュアリー企業ランキング

2018

ラグジュアリー業界の未来を形作るもの

(2)

目次

本レポートにおけるラグジュアリー品には、個人で使用することを目的としたラグジュアリー品を中心に、デザイナー衣料・靴、高級バッグ・アクセサリー (眼鏡類を含む)、高級ジュエリー・時計、プレミアム化粧品・香水が含まれる。

原著:「Global Powers of Luxury Goods 2018 Shaping the future of the luxury industry」

注意事項:本書はDeloitte Italyが発表した内容をもとに、デロイトトーマツコンサルティング合同会社が翻訳したものです。和訳版と原文(英語)に差異 が発生した場合には、原文を優先します。

はじめに

3

上位

100

社に関する主要統計

4

ラグジュアリー業界の未来を形作るもの

5

世界経済の動向

9

上位

100

社ハイライト

13

世界のラグジュアリー企業ランキング上位

100

15

上位

10

社ハイライト

23

急成長ラグジュアリー企業

20

27

商品カテゴリー別の動向

29

地域別の動向

37

新ランクイン企業

45

調査の方法論とデータソース

47

注記

50

問い合わせ先

51

(3)

はじめに

『世界のラグジュアリー企業ランキング』第

5

回発行にあたり 本レポートでは、

2016

年度(

2017

6

30

日までの会計年度)の連結売上高をベースにリストアップした世界のラグジュアリー企業上位

100

社について分析し、ラグジュアリー市場における重要トレン ド、およびそれを取り巻くグローバル経済動向への見解について提示するものである。

2016

年度、世界のラグジュアリー企業上位

100

社による個人向けラグジュアリー品売上高は

2,170

億米ドルであった。為替変動の影響を除いた売上高成長率は

1%

で、これは前年度の上位

100

社が 達成した為替調整後の成長率

6.8%

に比べ、

5.8

ポイント減となった。上位

100

社の

1

社当たりラグジュアリー品年間平均売上高は

22

億米ドルであった。 ラグジュアリー市場は不透明な経済状況と地政学的危機から立ち直り、

2017

年末には年間売上高が

1

兆米ドル近くに達した。上位

100

社の明暗は大きく分かれている。前年比でラグジュアリー品の売 上高が増加した

57

社のうち

22

社は

2

桁成長を遂げ、

100

社の

3

分の

1

近くが前年度よりも高い売上高成長率を達成した。同

100

社による全体の成長率の足かせとなったのは、

2016

年度の売上高が

2

桁のマイナス成長を記録した

10

社で、そのなかには上位

10

社の一角を占める

Swatch Group

Ralph Lauren

も含まれる。とはいえ、ほとんどの企業のラグジュアリー品売上高成長率は

2016

年度で 底を打ったように見受けられる。 本レポートの主要な調査結果は、以下のとおりである。 • ラグジュアリー企業数はイタリアが再び首位となった。一方、売上高シェアではフランスに本拠を置く企業がトップシェアを占めている。 • 化粧品・香水カテゴリーは

2016

年度、全商品カテゴリー中で最も好調な実績を上げ、また全カテゴリー中で唯一前年度を上回る

7.6%

の売上高平均成長率を達成した。 • 複合ラグジュアリー企業

11

社は、上位

100

社の中で突出した売上規模を誇っている。これら

11

社の

2016

年度のラグジュアリー品年間平均売上高は

63

億米ドルで、

11

社の売上高の合計は上位

100

社のラグジュアリー品売上高の

32.2%

を占めている。 最後に、本レポートが、読者の皆様の関心に応え、有益なものとなることを願っている。 パトリシア・アリエンティ

EMEA

ファッション

&

ラグジュアリーリーダー デロイトトウシュトーマツリミテッド

(4)

上位

100

社に関する主要統計

8.8%

0.8

22

米ドル

1.0%

201416年度の ラグジュアリー品売上高の 年平均成長率 (CAGR

純利益率

総資産回転率

上位

100

社における ラグジュアリー品の 平均売上高

総資産利益率

ROA

上位

100

社に

入るために必要な

売上高

上位

100

社における

全ラグジュアリー品の

売上高総額

上位

100

社において

上位

10

社が占める

売上高構成比

上位100社における ラグジュアリー品売上高の 前年比成長率

3.9%

2,170

米ドル

47.2%

6.9%

2

1,100

米ドル

(5)

ラグジュアリー業界の未来を形作るもの

ヨーロッパ、米国、中国、日本は今後も

ラグジュアリー業界を支配し続けるのか

ラグジュアリー業界のサプライチェーンと小売ネットワークは世界全体 に広がった。しかし、売上高シェアは依然としてヨーロッパと米国に極 端に偏っている。ラグジュアリー業界は歴史的に「欧米とそれ以外」と いう対立軸で動いてきたが、最近のトレンドが浮き彫りにしているよう に、アジア、中東、中南米、アフリカの重要性が高まりつつある。 衣料・靴の総売上高に関して、ヨーロッパ・北米地域がグローバル市 場に占める割合は、

2017

年の

50%

以上から、

2018

年には

50%

未満 に縮小する見通しである。一方、アジア、中南米、中東、アフリカにおけ る売上高の割合は、

2018

年には合計で

50%

以上まで拡大し、その後 も成長を続けるものと予測される。 こうした動向の背景には、新興市場における売上高の増加だけでな く、同市場における画期的な流通網の構想やビジネスモデルも一翼を 担っているというのが、業界観測筋の大方の見方である。 ラグジュアリー業界における、欧米以外の地域市場の重要性の高まり は、サプライチェーンリーダーシップ、技術イノベーション、国際投資に よって支えられてきた。これらの要因は、今後も当該地域市場の安定 的成長を持続するための一助となるだろう。 ラグジュアリーブランドは、ビジネス戦略上これらの潮流を上手く捉 え、成長を牽引していくことに注力してきた。例えば、

Giorgio

Armani

は、コロンビア出身の芸術家

Marta Luz Gutiérrez

と店舗 などの商業空間設計に関する提携契約を結んでいる。一方、

Louis

Vuitton

は、メキシコ人建築家の故

Luis Barragán

設計の建築を用 いた広告キャンペーンを実施中である。

主要都市のさらなる繁栄と、非合法市場を上回る正規市場の成長に よって、残る先進国外の地域(

ROW

Rest of the World

)においては、 ラグジュアリー品需要が堅調に推移していくものと考えられる。こうし た外部環境下において更なる成功を収めるためには、ラグジュアリー 企業はデジタルコネクティビティ、将来性のある消費者、大胆なビジネ スモデルに対する投資を集中・強化すべきである。この

3

つは、今日の 個人向けラグジュアリー業界を構成する主要な要素である。

ラグジュアリー業界は過去

20

年間、数多く

の変化に直面してきた。現在は、経済トレ

ンドの多様化、急速なデジタル化、消費者

の選好・嗜好の進化によって新たな競争環

境が生まれつつあり、従来の企業戦略が

脅かされようとしている。

グローバル市場全体の成長率が

1

桁台に

留まるか

2

桁台に達するかどうかは、様々

な要因に左右されるだろう。例えば、地政

学的要因が観光業に及ぼす影響は、その

一例である。とはいえ、他のいくつかの業

界とは異なり、ラグジュアリー業界の成長

は続くものと予測される。

ただし、揺るぎなく安定した売上高成長率

を取り戻すために、ラグジュアリー企業は

新たな挑戦と向き合い、強い意志を持って

取り組まなければならない。

ケース

1

Gucci

2017

年、

Gucci

e

コマース事業における売上高は

86%

増加した。収益の約

50%

はミレニアル世代によ りもたらされたもので、ブランド総売上高は

42%

増 の

62

億ユーロに達した1 この成長は、

Gucci

のミレニアル世代顧客(「ギーク シック」として知られる)向け改革と、

Gucci

のオンラ イン体験の相乗効果を反映したものである。

Gucci

は、オンラインと店頭でのブランド体験をオム ニチャネルで統合した成果もあり、調査会社

L2

が公 表する

Digital IQ Index: Fashion US

(デジタル

IQ

指数・米国ファッション部門)」で

2016

年、

17

年に首 位を獲得している2 また、

2015

年には新たな店舗構想となる「

New

Store Concept

」に基づいて設計されたブティックを オープンするなど、オンラインと店頭での購買体験の 統合を進めている。 さらに、

2017

年には中国や中東のような注力市場でオンライン ストアを開設。

2016

10

月にも公式ウェブサイトをリニューアル オープンし、ビジュアルプレゼンテーションやストーリーを掲載す るとともに、ウェブチャット、電子メール、電話によるコミュニケー ションにおいて、パーソナライズされた顧客サービスを提供して いる。

2018

年の春夏コレクションに向けては、旗艦店を顧客参 加型のインタラクティブ・アート・ギャラリーに変身させた。また、

2018

年の春コレクションに向けて、新たなデジタルキャンペーン を立ち上げ、スキャン技術・コグニティブ技術を活用したデジタル 広告や、仮想現実(

VR

)体験を目玉にしている3

(6)

AR

AI

のようなデジタル技術は、独立系ラグ

ジュアリーブランドが大手グループに対抗する

上での秘策となるのか

インターネットは、世界中の様々な消費者層の購買習慣に不可欠なも のとなった。とはいえ現時点では、ラグジュアリー売上高の成長を牽引 しているのはミレニアル世代とジェネレーション

Z

である。若い世代の 消費者は、多様な期待を抱きながら、オンラインとオフラインの境界を 越えてパーソナライズされた購買体験を求めている。 こうした変化は、拡張現実(

AR

)や人工知能(

AI

)のようなコネクティブ テクノロジーに対する需要を引き起こした。ラグジュアリーブランドは、

AR

AI

のテクノロジーを活用することで、パーソナライズされた消費 者体験の提供や、より広い顧客層へのリーチ、製品体験の進化、顧客 との関係性の強化が可能となる。それと並行して、ボイスコマースやモ ノのインターネット(

IoT

)といったテクノロジーの発展により、ラグジュ アリー業界全体が変わろうとしている。 ラグジュアリーブランドは、

AI

を駆使した信憑性の高いレコメンド提供 者としてのポジションを確立し、消費者との関わり方を改善させつつ ある。また、

AI

の採用が拡大するにつれて、消費者は自身の体験に基 づいて決定を下すよりも、様々なデバイスからの提案やアドバイスに頼 る傾向をますます強めている。

Estée Lauder

傘下の

Smashbox

Cosmetics

2018

1

月、英国の顧客向けにブランド初のメッセン ジャーボットを発表し、新製品の情報発信や使用説明書などに関する 情報提供、在庫がある最寄りの店舗の検索など、サービスの提供を開 始した。

2017

12

月には、

LVMH

Facebook Messenger

上で米 国の顧客向けに「バーチャルアドバイザー」を立ち上げている。この バーチャルアドバイザーは、

Louis Vuitton

製品に関する問い合わせ に応じて、同ブランドのオンラインカタログの検索や、ブランドの歴史 に関する詳細な説明、製品のメンテナンスに関する助言を行うチャット ボットである。 ラグジュアリーブランドはさらに、実店舗に加えて

AR

を活用すること で、顧客の購買体験の向上を図ろうとしている。

AR

を活用すれば、消 費者は自宅にいながら、新製品を目で見て「試し」てから購入すること ができる。例えば、

Estée Lauder

2017

7

月、対話型

AR

口紅アド バイザーの導入を発表しており、このアドバイザーを利用することで潜 在顧客は最適な口紅の色合いを確認できる。

L

Oréal

AR

による取 り組みを強化することで、顧客体験の向上を図ろうとしている。同社は

2018

3

月、美容業界向け

AR

AI

アプリケーション分野におけるリー ディングカンパニーとして国際的に認知されている

ModiFace

を買収 した。

YOOX

は、

2017

年に

Lumyer

と提携し「

Try, Share and

Shop

」戦略の下、

YOOX

で販売しているハンドバッグやサングラス、 ジュエリーを

VR

で試着できる

AR

カメラアプリを提供している。

Burberry

は没入型のストーリーテリングによるデジタルマーケティン グ戦略の一環として、

Apple

ARkit

を活用している。 これまでのところ、

AR

アプリの導入実績がある個人向けラグジュア リーブランドは少数派で、最も取り組みが進んでいるのはメイクアップ 業界である。ラグジュアリー業界全体での

AI

AR

テクノロジーの活用 は、かつて市場が予想していたほど急速には進んでいない。これは、 大手企業のコスト構造が複雑で、これらのテクノロジーに投資しても コスト以上の利益が得られないためである。それでもやはり、大手ラグ ジュアリーグループは、富裕層の購買方法を変え、独立系ラグジュア リーブランドの成長を後押ししているデジタルトランスフォーメーション に意識を向けるべきである。

個人向けラグジュアリー品に対するミレニアル世代

の意識とロイヤルティは、ラグジュアリー業界と

ラグジュアリーブランドのコミュニケーション・

販売戦略にどのような影響を及ぼすのか

ラグジュアリー業界の売上高成長率と収益性は近年伸び悩んでいる。 その一因は、業界が人口動態の変化に対応しきれていないことにあ る。ラグジュアリー業界は、テクノロジー慣れしたミレニアル世代の強 い購買力への認識・勝機としての活用という点で、他の消費財業界に 遅れを取ってきた。 ミレニアル世代とジェネレーション

Z

がラグジュアリー市場全体に占め る割合は、

2016

年には合わせて

30%

前後だったのに対し、

2025

年ま でに

40%

以上に達する見通しである。 ベビーブーマーとは異なり、ミレニアル世代のラグジュアリー消費者の 多くは、伝統的なチャネルだけでなく、様々なデジタルプラットフォーム 全体を通じたブランドとの関係性構築を望んでいる。ミレニアル世代 の消費者はまた、店頭購買に関しても重要視しており、カスタマイズさ れ、高付加価値な体験を期待している。ラグジュアリーブランドはビジ ネスモデルを転換し、例えば、ロイヤルティプログラムや店頭イベント への招待を増やすことで、こうしたニーズに応えることを目指すべきで ある。 さらに、ミレニアル世代に関しては、ラグジュアリーブランドが消費者 に訴求する際の情緒的・個人的文脈が大きく拡大している。ラグジュア リーブランドは、品質や希少性のような伝統的な特性を、持続可能性 などの新たなライフスタイルの価値観によって補うことで、ミレニアル 世代の消費者を引き付けようとしている。持続可能性を強調する例 は、様々な分野において、特に広告でよく見られる。ラグジュアリーブラ ンドは、再生可能な有機素材の使用を強調するようになり、今では生 産環境負荷低減への取り組みをアピールしている。

(7)

ラグジュアリー業界の今後の成長の成否は、この若年世代への浸透と 積極的な働きかけに成功するかどうかで決まるだろう。適切なコミュ ニケーション戦略は、その成功のための手段となり得る。 コミュニケーションに関して、ラグジュアリーファッションブランドは歴 史的に、近寄りがたさや威光、非の打ち所のないサービスを自らのア イデンティティの拠り所とし、顧客との間で威厳ある距離を保ってきた。 しかし、成長が減速したことにより、ソーシャルメディアなどを通じた 消費者との関わりの深化を余儀なくされている。 ラグジュアリーブランドはかつてソーシャルメディアを「マスマーケット」 と見なしていたが、今やラグジュアリーブランドにとって、マーケティン グツールとしてのソーシャルメディアの重要性は高まる一方である。

Burberry

は、ソーシャルメディアの威力と影響力にいち早く気付いた ラグジュアリーブランドの好例である。

SocialWall

上の記事によれば、

Burberry

はマーケティング予算の

60%

前後をデジタルプラットフォー ムに充て、

Facebook

Twitter

Tumblr

Pinterest

Instagram

YouTube

上で顧客との関係性を強化している。 ラグジュアリーブランドは近年、ソーシャルメディア上でより多くの消費 者と関わり、顧客のデジタルマーケティングへの反応やオンライン上で のアクティビティに関するデータの収集・分析を通じて、顧客行動に関 するインサイトを得ようとしてきた。

Instagram

は、ファッションデザイ ナー向けの代表的なソーシャルメディアプラットフォームとして台頭し つつある。

Gucci

は、

#TFWGucci

などの

Instagram

上でのキャンペー ンに成功し、

2016

年から

2018

3

月までの間に

Instagram

のフォロ ワーを

2

倍以上に増やした。 今後、ラグジュアリーブランドにとっては、ブランド価値を損なうことな くソーシャルメディアを最大限に活用することが最大の課題になるも のと予想される。ソーシャルメディア戦略の成功は、「いいね」を顧客に とってインタラクティブで魅力的な体験へと変えることだろう。

デジタル戦略とオフプライス戦略は今後も

最善策なのか

過去

10

年の大部分の期間、ラグジュアリーファッションブランドは近寄 りがたさと親しみやすさのバランスを賢明に取り、その結果として優れ た財務業績を上げてきた。目立ちすぎることを恐れて、売上アップを目 的としたデジタルメディアの採用には積極的ではなかった。しかし、ラ グジュアリー消費者がオンラインでの支出を増やし始めたことから、ブ ランドは顧客の新たな購買パターンに適応せざるを得なくなった。 極めて入手しやすい状態と、大衆へのリーチ、価格の低下により、ブラ ンドは現在、自らの近寄りがたさが損なわれつつあるのではないかと 懸念している。 ラグジュアリーブランドは、ポートフォリオ構成の変革に力を入れるこ とで、希少性の向上を図り、威厳のある雰囲気を保つための一助にし ようとしている。ラグジュアリーファッションブランドが展開した戦略の 事例としては、エントリーレベル製品の数を減らすこと、オフプライス のアウトレットストアを都心の店舗から物理的に遠ざけること、あから さまではなく絶妙にそのブランドの製品であることが分かるような、よ り高価格でアイコン的な製品を際立たせるように印象の転換を図るこ となどが挙げられる。例えば、パリの

Dior

では、セールをわずか年

2

回、かなりの短期間しか実施しない。セール会場も店舗とは別の場所 を手配し、モンテーニュ通りの旗艦店を使用することはない。 高級時計ブランドは、近寄りがたさを追求した結果、正規販売代理店 の数を削減した。デロイトの

2017

年スイス時計業界調査によれば、正 規販売代理店(実店舗)を最も重要な販売チャネルと見なしている時 計業界の経営層の割合は、

2014

年には

83%

だったのに対し、現在は わずか

24%

に留まっている。一方で、

e

ブティックに重点を置くつもりで あると答えたエグゼクティブの割合は、過去最高の

67%

に達している。 ラグジュアリーファッションブランドによるこうした新たなアプローチ は、ブランドの売上高と利益に影響を及ぼすかもしれない。しかしなが ら、ブランドが自らの威厳と魅力を取り戻し、再び需要を喚起すること は、販売・アクセシビリティを制限することによってこそ実現される。 ラグジュアリーファッションブランドの目標が売上高を上昇させること であるならば、デジタル戦略とオフプライス戦略はバランスが取れてい る。だが、ラグジュアリーであり続けることを目指すならば、それらの 戦略を見直すべき時期に来ている。 ケース

2

Farfetch

Farfetch

は、新たなテクノロジーアプリケーションを投 入することで、店頭購買に革命をもたらすことを計画して いる4

2017

4

月にベールを脱いだ新型店舗「

Store

of the Future

」は、同社の拡張技術の活用を推進す る「

Augmented Retail

」戦略の一環であり、オン ラインとオフラインの小売活動を結び付けるこ とを目指すものである。

Store of the Future

」は、個人の人間 的特性やその他の行動的属性に注目する ことによって、パーソナライズされた顧客サー ビスを提供すると同時に、店舗スタッフの販売 活動を強力に補助することを目的としている。まず、

Farfetch

のアプリを持った顧客が提携ブティックに来店 すると、ターゲット顧客として「認識」され、スタッフに通 知が送られる。センサーにより店内用のウィッシュリスト も作成される。次に、スマートミラー技術を採用したインタラク ティブ・フィッティングルームで、店舗スタッフは各消費者の購 入履歴やお気に入りのブランド、店内での探索行動に関する

Farfetch

のデータベースにアクセスし、店内での購買体験をよ り適切にパーソナライズすることができる。 また、当該プラットフォーム上でのオンライン販売、店頭受取、 店頭返品というオプションサービスの提供は、

Farfetch

の実店 舗における在庫・受注管理のあり方を改善し、客足伸長への 貢献が期待されている。試験運用は

2017

10

月、

Browns

(ロンドンにあるブティック。

Farfetch

2015

年に買収した)で スタートした。完全商用展開は

2018

年、厳選されたパートナー を対象に開始予定である。 ラグジュアリーブランドのソーシャルメディア上のフォロワー数 (単位:

100

万)、

2018

3

19

日現在

ブランド

Instagram Facebook

Twitter

Louis Vuitton

22.4

20.7

7.3

Gucci

22.3

16.7

5.5

Dior

18.8

16.1

8.3

D&G

16.2

11.1

5.3

Prada

14.9

6.3

1.0

Calvin Klein

11.9

12.2

3.6

Versace

11.7

5.0

4.5

Burberry

11.2

17.0

8.6

Ralph Lauren

7.6

8.9

2.3

(8)

オムニチャネルの世界で事業を展開する必要性は、

経営にどのような影響を及ぼすのか

インターネットが登場して以来、ラグジュアリーブランドは、実店舗の 顧客に提供しているパーソナライズされた高級な顧客体験を、デジタ ルでも同じように提供しようと努力してきた。今日ラグジュアリーブラ ンドは、強烈なデジタルプレゼンスを発揮するだけでなく、オムニチャ ネルの世界で事業を展開する必要もある。 複数チャネル化の本丸であるグローバル市場環境では、ラグジュア リーブランドは全チャネル間の顧客体験の差を縮め、使用されるデバ イスや物理的なタッチポイントのいかんにかかわらず、チャネルごとの 境界が無い一元化されたブランド体験を提供することを求められるだ ろう。したがって、各チャネルは他のチャネルとの連携・協業により、ブ ランドプレゼンスの一本化・整合を図る必要がある。 オムニチャネルのアプローチが求められるのは、デジタルテクノロジー と

e

コマース市場の普及がもたらす当然の成り行きである。この変化 の過程では、有効在庫を活用できるかどうかがラグジュアリーブランド にとって重要な差別化要因の

1

つになるだろう。 オムニチャネル経営に必要とされる条件を満たすために、ブランドは 製品のあらゆる側面に関する情報を即座に入手できる統合された管 理システムを用意しなければならない。この課題に対処するには、既 存のシステムとプロセスを徹底的に見直す必要がある。 様々な地域からの

e

コマースの返品を実店舗で受け付けることや、他 国にある在庫を利用して直送を予約することは、今や受発注管理シス テム(

OMS

Order Management System

)によってシームレスに管

理できるようになった。卸売業者への再発注や店舗間の在庫移動、

e

コマース上での受注、店頭取置に活用できるエンジンは、在庫の完全 可視化、納期回答(

ATP

Available-to-Promise

)機能、企業資源計画 (

ERP

Enterprise Resource Planning

)の全面統合を実現しなが

ら、それ

1

つでオムニチャネルの真髄を提供している。 さらに、新世代のソフトウェアアプリケーションは、複数データソースへ の接続をグローバル規模で実現しながら、リアルタイムのオムニチャネ ルプロセスを支えている。こうしたソフトウェア資産は、プロセスを合 理化し、

IoT

(モノのインターネット)で蓄積されるデータを有意情報と 自動化されたアクションに変換し、機械学習によるプロセスの自動化、 新たなインサイトの発見、意思決定の改善を企業全体で行うことに よって、最終的には企業を変え、進化し続ける需要に応えていく土台と なる。 商品計画、品揃え、シーズン計画、

e

コマースへの投資は、チャネル横 断での統合管理が可能である。統合化によって、顧客が製品の検索・ 購入時に期待するオムニチャネルサービスを提供する企業への変革も 可能である。そのためには通常、品揃え管理の強化・中央集権化、よ り売上と顧客に意識を向けた地域現法の役割の再構築、チャネルと地 域を横断するポートフォリオ・ガバナンスの強化、共有在庫の活用、品 揃えの共通化とシンプル化を推進する必要がある。 結論を言えば、顧客の嗜好が絶えず進化を遂げ、モバイルプラット フォームの利用が拡大し続けていることを踏まえると、様々なチャネル 間を境界なく活用できることが、個人向けラグジュアリーブランドに とって不可欠な能力になったわけである。デジタルサプライネットワー クの導入に消極的なラグジュアリーブランドは、取り残される恐れがあ る。 ケース

3

YNAP

Valentino

5 6

ラグジュアリーブランドの

Valentino

YOOX

NET-A-PORTER GROUP

YNAP

)は、オムニチャネルの新た なビジネスモデル創出に向けて、「

Next Era

」と称す るプラットフォーム構築に向けたパートナーシップを 結んだ。

2018

年稼働予定の「

Next Era

」は、顧客一 人ひとりの購買体験を改善することを目的としてい る。この新しいプラットフォームでは

Valentino

の顧 客に対し、

Valentino

のブティックおよび両社の物 流ネットワーク上の在庫にオンラインでアクセスでき るという、前代未聞のサービスを提供する予定であ る。

YNAP

の最先端テクノロジーと画期的な受発注管理 システムを組み合わせた「

Next Era

」により、

Valentino

は自社の在庫の概況を一元的に把握し、 顧客基盤の完全なプロフィールを確認できるように なる。

YNAP

のデータ主導型在庫管理は、在庫のグ ローバルな視覚化、業務の効率化、地理的な拡張性 の向上を実現する。

YNAP

はさらに、オンライン購入品の店頭での受取・支払い や返品、電話での購入、オンラインショッピングに関する電話・ ライブチャットによるサポートといったいくつかのオプションを 顧客に提供することで、自社のオムニチャネルモデルの拡充 を進めている。

YNAP

によれば、オンラインのラグジュアリー 顧客の行動に関する示唆の活用を進めながら、この新たなオ ムニチャネルモデルによって

valentino.com

は完全にリ ニューアルされる予定である。そして、モバイル中心のイン ターフェースと美意識の高い視覚的デザイン、

AI

が実現する 画期的な機能(実店舗でのパーソナライゼーションやコンテ キスト検索など)によって、優れた購買体験を生み出すことに なると述べている。

(9)

世界経済の動向

概要

世界経済は現在、比較的堅調な成長と好ましい状況を享受している 時期にある。日本とユーロ圏ではより力強い成長の兆しがあり、中国 と米国では安定的成長期に突入、また多くの新興市場の回復がうか がえる。市場概況はかなり良好であるため、不確実性が話題に上るこ とは以前よりも少なくなり、新たな危機が生じる恐れは遠のいたよう にも思われる。だが実際のところ、明白に顕在化しているリスクが経 済的にも政治的にも多数存在し、それらを考慮しなければ正しいシナ リオ分析を行うことはできない。それらのリスクとは、不動産価格バブ ルが起こる可能性、いくつかの国における時宜を得ない金融政策引き 締め、保守主義的感情の高まり、政治的な不安定性と分断、地政学的 緊張である。さらに、一部の主要市場(特に日本と英国)における消費 者の支出・消費は力強さに欠け、成長の妨げとなっている。 ラグジュアリー市場は不透明な経済状況と地政学的危機から立ち直 り、その年間売上高は

2017

年末には

1

兆米ドル近くに達した。

2018

年の見通しは極めて明るいが、不安定性が市場の成長を脅かす恐れ もある。本レポートでは、主なラグジュアリー市場の経済動向と、ブラ ンドが向こう

1

年間で直面すると思われる課題について考察する。

ヨーロッパ

ユーロ圏の信頼感指標は金融危機以来、 初めて上昇傾向にある。これは、過去

2

年間 と比べると著しい変化である。ユーロ圏の経済は成長基調にあり、前 年以前に目立っていた不確実性は縮小しつつある。

1

人当たりの

GDP

は現に、米国を上回るペースで成長している。成長率の上位国は、ド イツ、スペイン、オランダである。フランスは立ち直りつつあり、イタリア は改善の兆しを見せ始めている。 こうした良好な結果は、欧州中央銀行(

ECB

)の積極的な金融政策の 有効性を反映したものである。金利の低下によってユーロの価値が下 がったことで、ヨーロッパの輸出は改善した。現在の低インフレ率を踏 まえると、

ECB

2018

年も比較的緩和的な金融政策を続行する見込 みが高いと考えられる。経済的な問題を除けば、この地域にとっての 最大のリスクは政治的な問題である。各国の最近の選挙では過激派 政党が得票率を伸ばしており、連立を組んで政治的な安定をもたらす ことが難しくなった。イタリアが政治的にどのような結末を迎えるか は、今後の数ヶ月間の動向によって決まるだろう。したがって、ユーロ 圏における構造改革の展望は良好とは言えないため、次の危機が常 に起こり得る状態であり、危機が現実のものとなった場合、それに ユーロ圏が適切に対応できるかどうかは不安がある。 西ヨーロッパは依然として、ラグジュアリー業界屈指の収益規模を誇 る地域の

1

つである。ヨーロッパ大陸における過去

1

年間のラグジュア リー品価格の上昇率は世界最大となっが、スペインとフランスのラグ ジュアリー市場は観光業によって支えられてきた。ユーロ高と外国為 替相場の変動により、イタリアとフランスの価格上昇率はドル換算で

13.5%

に達した7。さらに、世界的危機を脱して前向きな経済情勢を取 り戻したことを受け、特にドイツにおいて国内の需要が高まった。スイ スでは、高級時計業界がようやく回復の兆しを見せている。

2017

年全 体を通じて輸出が増加し、最大の輸入国は中国であった。ミレニアル 世代がデジタル時計よりも高級機械式時計を好んでいるように見受け られることから、高級時計業界は今後成長する見込みがある。東ヨー ロッパは今後数年間、ラグジュアリー品支出の成長率において上位の 市場の

1

つになるものと予測される。総合すると、ヨーロッパでは前向 きな気運が見られることから、この地域のラグジュアリー市場は今後 数ヶ月間で着実に成長することが予想される。

(10)

英国

英国には不確実性が大きくのしかかっている。経済成 長は限定的なものになる可能性が高い。というのも、 ただでさえインフレ率の上昇と格闘している消費者 は、ポンドの価値が下がり、輸入品価格が上がったことが原因で支出 を減らすからである。英国の消費者の購買力は低下傾向にあり、不安 定な経済・政治情勢は回復の助けになっていない。英国の成長の見通 しは、どれだけ甘く見積もっても、穏やかに成長するといった程度だろ う。 英国のラグジュアリー市場全体の状況は、

Brexit

をめぐり高水準の不 確実性が存在することから、依然として不確かである。次の

1

年間にラ グジュアリー市場が活況を呈するかどうかを左右する最も重要な要因 の

1

つは、インバウンド旅行客だろう。英国には旅行客が大量に訪れ、 ポンド安と有利な為替レートを利用している。英国のラグジュアリー市 場にとって好ましいもう

1

つのトレンドは、国内のラグジュアリー顧客 が海外での買い物を減らしていることである。これは、不利な為替レー トが原因で、英国で買い物をしたほうが都合のいい状況になっている ためである。割安品を求める海外の消費者は、ロンドンに旅行すれば 得をすることができる。なぜなら、英国におけるラグジュアリー品価格 は中国に比べて平均

22.0%

安く、イタリア(

21.6%

割安)とフランス (

21.4%

)と比べても割安だからである8。現状を踏まえると、英国は急 速に、欧米で最も手頃なラグジュアリー市場と化しつつある。

ロシア

ロシア経済は回復軌道に乗りつつあり、 穏やかだがムラのある成長が見受けられる。その成長はとても堅調と いえるものではないが、マクロ経済的な安定性を実現するに足る水準 にある。工業生産高は昨春まで、極めて着実に成長した。

2017

年の 実質小売売上高は、

2

年以上にわたる減少を経て加速し、実質可処分 所得の成長率も上向いた。 その結果、消費者の需要とビジネス環境は改善している。世界銀行に よれば、今後

2

年間はプラス成長が見込まれるという。 ロシアのラグジュアリー市場は、

2

年連続の低迷期を経て回復したと いえよう。この回復に主に寄与したのは、国内需要の拡大と、インバウ ンド旅行客に対する売上高の増加であり、後者は

2018

年に開始予定 の「免税」制度によってさらに後押しを受けることだろう。ラグジュア リー品の主な小売チャネルは百貨店であるが、これは価格競争力と品 揃えの豊富さが理由である。ロシアのラグジュアリー市場は国際的ブ ランドと輸入品によって支配されているため、為替相場の影響を強く 受ける。

2018

年も安定した経済状況が続けば、中所得層の購買力の 高まりを受けて、ロシアのラグジュアリー市場は引き続き成長するだろ う。

米国

米国の経済状況は驚くほど明るい。経済成長は 穏やかながら、雇用の需要と労働力の供給が一致する「完全雇用」を もたらすに足る水準で推移している。インフレ率と借入コストは低水準 を維持し、資産価格はごく限られたボラティリティのもと着実に上昇し てきた。しかし、潜在的なリスクもいくつか存在する。まず、消費者支出 は家計所得を大幅に上回るペースで増加し続けている。これは主に、 貯蓄率の低下と借入水準の上昇が原因である。このような成長がいつ までも維持できるはずはない。危険なのは、賃金の上昇が加速しない 限り、ラグジュアリー品やその他のレジャー品への支出が削られること である。さらに一部のアナリストは、潜在的な資産価格バブルのリスク を警告し、連邦準備銀行が金利を引き上げ切れば、資産価格は下落 すると予測している。その結果、消費者の財産は減り、信用市場の緊 張は高まるだろう。本レポートの執筆時点で米国政権は、雇用を守る べく大規模な保護主義的措置を導入することに余念がないように見 受けられる。だが、そのような措置は結果的に、消費者価格の上昇と 消費者の購買力低下につながる可能性が高い。さらに、中国に対する 保護主義は、深刻な報復を招きかねず、その結果、太平洋を挟んだ両 地域の貿易に悪影響が及び、経済成長もダメージを受ける恐れがあ る。

2017

年の成長率は他国に比べて低めだったものの、米国は依然とし て世界最大のラグジュアリー市場であり、

2018

年も年間を通じて世界 市場を牽引し、グローバル戦略における米国市場の重要性を高めてい くものと予想される。米国のラグジュアリー市場は、国内外から幅広い 企業を集めることで、競争力と多様性を維持している。大手は競争優 位性を保つために、製品ポートフォリオの多様化を試みている。注目 に値するのは、デジタルに強い消費者の増加を受けて、ラグジュアリー 品のオンライン売上高が堅調な成長を続けていることである。

(11)

中国

中国経済はここ最近、年率

6.5%

前後で成長 を続けているが、これは中国としてはかなり 緩やかなペースである。現在は、世界全体の景気も同時に回復してい ることと、中国政府が過剰生産能力の削減に取り組み、その結果とし て企業の利益が増加していることから、循環的な上昇期を迎えつつあ るようである。ただし、中長期的には、現在の成長率が維持される見 込みは薄い。その原因としては、企業・地方行政の官民両者による借 入低減・レバレッジの縮小に向けた取り組みと、人口構成の優位性の 低下、貿易保護主義関連で生じる可能性のあるリスク、地政学的問題 があげられる。貯蓄率が高い水準にあるにもかかわらず、社会的セー フティーネットが弱いことが原因で、消費はトレンドに逆行するものと 予想される。

2017

年におけるラグジュアリー品への支出高は、他の主 要経済国の大半に比べて堅調だった。実際、中国はラグジュアリー品 の消費に関しては世界屈指の急成長国であり、この状況は

2018

年も 続くだろう。中国のラグジュアリー消費者は世界全体のラグジュアリー 市場で大きな割合を占め、より裕福で流行に敏感な中所得層の急増 がラグジュアリー消費を押し上げている。

1

人当たりの支出で見れば、 中国は上位国である。この結果には、若年のミレニアル世代とジェネ レーション

Z

の購買力の高まりが寄与している。ラグジュアリー顧客基 盤が若いことから、ラグジュアリー品のオンライン売上高は昨年、過去 最高の成長率を記録した。とはいえ、顧客が製品の実物をチェックし、 ブランドの世界観・購買体験ができるという理由で、実店舗ベースの 小売店のほうが依然として購買チャネルとしては好まれている。中国 の消費者にとって、旅行の目的をラグジュアリー品の購入とした場合、 ヨーロッパは第一の海外旅行先であり、米国がそれに続く。対して、中 国国内における主なラグジュアリー消費の中心地は香港とマカオであ る。更に言えば、香港におけるラグジュアリー品の主要な消費者は中 国本土からの旅行客であり、それら旅行客による支出の成長により、

2017

年の個人向けラグジュアリー市場は年間を通じて順調かつ安定 した実績を上げた。香港のラグジュアリー消費者における最新のトレ ンドは、自分だけのスタイルを作り上げるために、ニッチなラグジュア リーブランドを探すことである。

その他アジア諸国

その他アジア諸国のラグジュアリー品の売上高は

2017

年を通じて順調に増加した。近い将来、ファッ ションおよびラグジュアリー市場における、これらのア ジア諸国と中東諸国の成長率は、その他の国々の成長率を上回るも のと予測される。 インド 成長が阻まれ減速した

1

年を経て、インド経済は最近の様々な改革の 成果を収めつつあり、今年

1

年をかけて安定し、その後は上昇傾向を 維持するものと予想される。インフレと経済情勢に対する見通しは明 るく、マクロ経済ではおおむね安定していくことが見込まれる。ルピー は対米ドルで上昇し、低インフレのシナリオに寄与している。現時点で 認識される最大級のリスクは、企業の過剰債務や規制・政策上の課題 といった国内事情により、民間投資が依然として回復を阻まれている ことに関連している。米ドルの金利が今にも引き上げられかねないこ ともリスクである。 インドのラグジュアリー業界はいまだ発展の初期段階にあり、緩やか ながら着実に成長を続けているため、投資を行う企業に多くのビジネ ス機会をもたらしている。ラグジュアリー品に対する需要は今後

1

年間 も堅調に推移するものと予想されるが、課題も存在するだろう。その

1

つは、政府の支援を得られるかどうかである。ラグジュアリー品に対す る輸入税が高いことも問題であり、これは他国との価格差を縮める上 での妨げとなっている。さらに、高額紙幣廃止と物品・サービス税 (

GST

)の導入もラグジュアリー業界を冷え込ませた。インド経済の見 通しの明るさは、可処分所得が比較的高い都市部の消費者の、ラグ ジュアリー品の購買意欲を喚起させるに足る水準にあるように見受け られる。 日本 日本の経済成長は加速しているようである。回復の主因は、安倍晋三 政権が

2013

年から実施してきた経済プログラムと金融政策の結果、 失業率が低下し、輸出が堅調に成長していることにある。日本の輸出 品に対する世界的な需要は過去

7

四半期にわたり増加してきた。日本 経済の今後

1

年の見通しは明るい。 世界屈指の規模を誇る日本のラグジュアリー市場は、世界と国内の長 期にわたる危機的状況を経て、再び着実に成長中である。そして、消 費者の景況感と若年世代の購買力の向上により、ラグジュアリー品へ の支出が増える見込みがあり、市場は今後

1

年でさらに成長するもの と予想される。また、インバウンド旅行客による購買・消費活動も、日 本のラグジュアリー市場の売上高に大きく影響を及ぼしてきた。

2018

年はインバウンド旅行客数の増加が予想されることから、ラグジュア リー市場も拡大するものと見込まれる。

中東

中東の成長率は

2017

年、経済状況の不透明性が高 いことが原因で、ほぼ横ばいの

1.8%

(世界銀行の報告による)となっ たが、

2018

年には

3%

まで上昇するものと予想される。中東全体の安 定性を脅かす主な要因は、地政学的緊張、武力衝突、原油価格の下 落である。原油価格は財政的制約の緩和を受けて安定化の方向にあ り、中東全域で経済成長を後押しする改革の実施が見込まれている。 中東地域において原油輸出に依存しない国々にとっては、観光業もま た、経済成長の大きな原動力である。

(12)

中南米

中南米の

2018

年の成長見通しは明るいものの、経済の回 復に向けた概況は依然として不安定で、国によりばらつき がある。自然災害と相まった政治的な不確実性、国内の財政状況の悪 化、米国の保護主義は、

2017

年を通じて経済の安定化を妨げており、 これらは今後

1

年も依然としてリスクとして残りかねない。個人消費は 中南米経済の主な原動力となってきたが、

4

年連続で縮小し続ける投 資活動が、経済の成長に悪影響を及ぼしている。

2018

年における好 要因を見出すとすれば、商品輸出国における個人消費と投資の増加 があった場合には、成長が促進される可能性がある。メキシコ経済は 今年、成長が加速していく見通しであり、長らく深刻な不況下にあった ブラジルは、伸び悩んだ

2017

年を経て、

2018

年には緩やかに成長す るものと予想される。 ブラジル ブラジルのラグジュアリー市場にとって

2016

年は、非常に困難な

1

年 だった。

2017

年は、多くの企業・小売業者が成長を期待したが、実現 せずに終わった。政治と経済の危機的状況を受けて、ブラジル人は消 費態度を保守化させ、概してラグジュアリー品と高額品の購入を減ら すことを選んだ。ラグジュアリー品の売上高は

2

年連続で減少し、エン トリー価格帯のラグジュアリー品は消費の減速による影響を最も被っ た。

2018

年は、より有利な経済シナリオがもたらされるものと予想さ れる。 メキシコ メキシコは、中南米のラグジュアリーブランドにとって最も魅力的な市 場である。困難な経済状況にもかかわらず、ラグジュアリー品の消費 は今後数年にわたり成長するものと予想される。主に、国内に住む富 裕層の増加と、中所得層の高所得化が寄与している。また、メキシコ 人は一般にブランド品を好む傾向があり、これはラグジュアリーブラン ドがメキシコに投資する動機の

1

つとなっている。最も効果的な小売 チャネルは旗艦店と、大規模ショッピングモールであり、後者は多数の ブランドが出店し、自動車から衣料・ジュエリーに至るまでの様々なラ グジュアリー品を購入できるチャネルとなっている。 アルゼンチン アルゼンチンのラグジュアリー市場は、

2016

年に実施された経済改 革の政策的恩恵を受け続けており、先の経済危機の際に同市場を 去った多くのブランドが徐々に再進出しつつある。アルゼンチンは現 在、ラグジュアリー品に対する需要が高く、供給が不足しているため、 ブランドにとっては非常に魅力的な市場である。高所得層の多くはこ れまで、国内よりも品揃えが豊富であるという理由で、あえて近隣のチ リとブラジルでラグジュアリー品を購入することを選んできた。アルゼ ンチン市場への進出を希望するラグジュアリーブランドにとっては、出 店に適した立地を見つけることが主な課題となっている。総合的に は、

2018

年の見通しは明るく、ラグジュアリー売上高は今後

1

年で、供 給増の後押しを受けて、一定成長するものと予想される。 中東のラグジュアリー市場の動向は、他地域の国々とは異なり原油価 格に強く結び付いているため、原油価格が安定している限り成長の余 地はある。ドバイは

2017

年も引き続きラグジュアリーな旅先として、 中国とヨーロッパの旅行客はもちろんのこと、中東の消費者にも指折 りの人気を誇っている。ドバイは世界有数のラグジュアリーショッピン グ都市であり、世界中から高級品の買い物客が訪れる、中東において 極めて重要な消費の中心地の

1

つである。中東のラグジュアリー業界 が成長するための主な課題の

1

つは、ともするとヨーロッパの都市を はじめとする他の地域でラグジュアリー品を購入しかねない買い物客 を、継続してつなぎ止めていくことである。中東は若年者人口の規模 では世界トップクラスの地域であり、中東のミレニアル世代は世界平 均よりも裕福である分、消費意欲も高い。この新たなラグジュアリー 消費者に対応していくことで、ブランドロイヤルティを生み出し、ラグ ジュアリー品の消費喚起と、市場の成長を促すことができる可能性が ある。 アラブ首長国連邦

2017

年のアラブ首長国連邦(

UAE

)のラグジュアリー品市場は、中東 全体の減速と歩調を合わせて比較的スローペースで成長した。

UAE

のラグジュアリー市場が危機的状況にあるのは、国内の不動産賃貸 料・教育費の上昇トレンドと、

2018

1

月の付加価値税導入により、 需要が落ち込んだことにも起因している。不動産賃貸料と教育費の高 さは、労働市場の不確実性に加えて、消費者が出費を抑えて買い物の 頻度を減らす主な原因となっている。

UAE

はラグジュアリーブランドに とって中東屈指の魅力的な国であり、中東市場への進出を決定する企 業の戦略的拠点である。したがって、企業間の競争は熾烈で、オンライ ンショッピングの成長が競争に拍車をかけている。

2017

年は伸び悩 んだ

UAE

のラグジュアリー市場だが、当該市場が成熟し、世界的なト レンドに対応するにつれて、今後は成長が上向くものと予測される。

(13)

上位

100

社ハイライト

2016

年度、世界のラグジュアリー企業上位

100

社による個人向けラ グジュアリー品売上高は合計で

2,170

億米ドルであった。為替変動の 影響を除いた売上高成長率は

1%

で、これは前年度の上位

100

社が達 成した為替調整後の成長率

6.8%

に比べ、

5.8

ポイント減となった。 上位

100

社の明暗は大きく分かれている。前年比でラグジュアリー品 売上高が増加した

57

社のうち

22

社は

2

桁成長を遂げ、上位

100

社の

3

分の

1

近くが前年度よりも高い売上高成長率を達成した。同

100

社に よる全体の成長率の足かせとなったのは、

2016

年度の売上高が

2

桁 のマイナス成長を記録した

10

社で、そのなかには上位

10

社の一角を 占める

Swatch Group

Ralph Lauren

も含まれる。とはいえ、ほと んどの企業のラグジュアリー品売上高成長率は

2016

年度で底を打っ たように見受けられる。

2017

年度初期の実績からは、パフォーマンス が向上したことがうかがえる。

2016

年度のラグジュアリー企業の利益率(総収益と当期純利益の合 計から算出)はわずかに低下した。最終利益を開示したラグジュアリー 企業

80

社全体の純利益率は

0.7

ポイントのみ低下し、

8.8%

となった。 これらの企業の過半数は前年比で純利益率を改善させた。上位ラグ ジュアリー企業の多くは、高い最終利益を計上している。

2

桁の純利益率を達成した

19

社のうち

9

社は、上位

20

社にランクイン したラグジュアリー企業であり、これには上位

3

社の

LVMH

Estée

Lauder

Richemont

も含まれる。赤字を計上した企業は

11

社で、前 年度の

9

社からわずかに増加した。

総じて好調な成果を収めた企業「

All-round high achievers

」の数は

2016

年度も減少し、ラグジュアリー品売上高の

2

桁成長率と

2

桁の純 利益率の両方を達成したのは前年度には

8

社であったが、

2016

年度 はわずか

5

社に留まった。最も注目すべき好成績企業は

Pandora

Moncler

である。両社は

2014

16

年度において毎年、

2

桁の成長率 と利益率を記録している。英国を本拠とするファッション企業である

Burberry

Barbour

も、

Kate Spade

Coach

による買収前)と共に、

2016

年度は好成績を上げた。 総資産に関して報告している

79

社の資産回転率(資産に対する企業 全体の売上高の比率)は

0.8

倍で安定していた。全体の総資産利益率 (

ROA

)は

2015

年度から

1

ポイント減の

6.9%

となった。

2016

年度のラグジュアリー企業上位

100

社によるラグジュアリー品売 上高は総額

2,170

億米ドルで、

1

社当たりの平均売上高は

22

億米ドル であった。

2016

年度に上位

100

社にランクインするために必要な売 上高の水準は

2

1,100

万米ドルで、前年度から

3,100

万米ドル上昇 した。

ラグジュアリー品売上の成長は底打ち:圧力下でも利益率は回復の見込み、

M&A

活動は活発化

上位

100

社のうち、ラグジュアリー品売上高が

10

億米ドルを上回った のは

49

社で、

2015

年度から

9

社増加した。

50

億米ドル以上のラグジュ アリー品売上高を達成したのは

12

社で、これらの巨大企業のほとんど はヨーロッパまたは米国を本拠としている。ラグジュアリー品売上高 が

5

億米ドルを下回ったのは

39

社で、これらの小規模企業の

3

分の

2

は同族経営企業である。

2016

年度の上位

100

社のうち、合併・買収(

M&A

)活動の影響を大き く受けたラグジュアリー企業は以下の

4

社である。

Coty

2016

10

月、

Procter & Gamble

からの美容事業の買収 を

125

億米ドルで完了。

Coty

が新設したラグジュアリー部門は

2016

年度に初めて報告を実施した。

Elizabeth Arden

、スイスの高級時計メーカー

Frédérique

Constant

、バッグ企業の

Tumi

は、買収されたことで上位

100

社か ら離脱した。

上記以外にも、

2016

年度末の直前から現在まで、ラグジュアリー企業 による多数の重要な買収、売却、提携が実施されている。

Arnault

ファミリーが

121

億ユーロをかけて

2017

7

月から

Christian Dior Couture

LVMH

に統合することを決定し、

LVMH

(14)

LVMH

2017

1

月に高級スーツケースメーカー

Rimowa

の株式 の

80%

を取得し、

2016

12

月に

Donna Karan

ブランドを

G-III

へ 売却。

PVH

2017

年に

G-III

とライセンス契約を結んだことから、今 後は

PVH

DKNY

ブランドの紳士衣料の北米におけるデザインと流 通を手掛けることになる。これは、

G-III

2016

年末に

Tommy

Hilfiger

の婦人衣料の北米におけるライセンスを取得したことをは じめとする、

PVH

G-III

の既存の提携関係を強化するものである。

LVMH

Marcolin

は、

LVMH

グループ傘下の一部ブランドのサング ラス・眼鏡の生産・流通・プロモーションを目的とした合弁会社を設 立(

LVMH

51%

Marcolin S.p.A.

49%

を所有)。この新会社が

LVMH

グループから最初にライセンスを受けるブランドは

Céline

で ある。

Richemont

2018

1

月、ラグジュアリー

e

コマース企業

YOOX

NET-A-PORTER

27

億ユーロで完全子会社化する意向を示した。

Richemont

はすでに

YOOX

の株式の

50%

を所有している。また、

2017

年には香港のラグジュアリーファッション企業

Shanghai Tang

を売却している。

Kering

2018

1

月、

Puma

の株式の

70%

前後(

Kering

グループ が所有する株式の

86.3%

)を同社株主に分配する意向を発表。これ により、ラグジュアリー品専門の一流企業へ移行するとの目標に向 けてさらに前進した。同社はこれに先駆けて、非ラグジュアリーブラ ンドの

Electric

を売却している。

Estée Lauder

は、ミレニアル世代の消費者をターゲットにした

3

つ の高級美容ブランドに投資。

2016

年末頃に

Too Faced

14

5,000

万米ドル、

BECCA Cosmetics

2

億米ドルで買収し、

2017

年に

DECIEM

の株式を取得し、同社の少数株主となっている。

L'Oréal Luxe

2017

年、米国屈指の急成長高級美容(スキンケア) ブランドである

IT Cosmetics

12

億米ドルで買収した。

Coach, Inc

2017

7

月、

Kate Spade

24

億米ドルで買収。ま た、所有するラグジュアリーブランドのポートフォリオが拡大し続けて いることを受けて、社名を

Tapestry

に変更した。

Michael Kors

2017

11

月、

JAB Luxury

から

Jimmy Choo

13

5,000

万ポンドで買収。

JAB

は消費財に集中することを目指し、所 有する全てのラグジュアリー企業の売却を進めており、

Belstaff

2017

12

月に

INEOS

へ売却、

Bally

については

2018

2

月、株式 の過半数を中国の繊維メーカー

Shandong Ruyi

(山東如意)に売 却することで合意した。これにより、

Shandong Ruyi

はラグジュア リーファッション事業を拡大することになった。

Shandong Ruyi

はこ れ以前にも、上位

100

社にランクインしているラグジュアリー企業で ある

SMCP

と香港の紳士衣料グループ

Trinity

(利邦)の

2

社をそれぞ れ

2016

年と

2017

年に買収している。

• 資生堂は、

Laura Mercier

および

RéVive

ブランドを所有する米国企 業の

Gurwitch Products

を買収するとともに、

Dolce & Gabbana

の化粧品・香水のライセンスを獲得した。(資生堂がライセンス契約

を結ぶ以前は、

P&G Prestige

D&G

のライセンスを保有しており、

Coty

による買収時にも移転されなかった)

Luxottica

とレンズメーカー

Essilor

との

500

億ユーロ規模の合併 は、

2018

年の初期に

EU

、米国その他の多数の国において反トラス ト当局の承認を取得。

Luxottica

はまた、大手眼鏡小売チェーンであ る

2

社、イタリアの

Salmoiraghi & Viganò

とブラジル屈指の眼鏡店 フランチャイズ企業

Óticas Carol

も買収した。

(15)

世界のラグジュアリー企業ランキング上位

100

ラグジュアリー企業、売上高上位

100

¹ 連結売上高および純利益に基づく純利益率 ² 年平均成長率(CAGR) e = 推定値 p = 試算 n/a = 該当なし ne =存在せず *上位100社の売上高成長率は為替調整後の売上高加重平均 **上位100社の純利益率、総資産利益率(ROA)および資産回転率は売上高加重平均 出所:各企業が公表したデータと業界予測 2016年度の ラグジュアリー品 売上高順位 2015年度の ラグジュアリー品 売上高順位 企業名 対象ラグジュアリーブランド 本社所在国 2016年度のラ グジュアリー品 売上高 (100万米ドル) 2016年度の 総収益 (100万米ドル) 2016年度の ラグジュアリー品 売上高成長率 2016純利益率年度の¹ 20142016年度の ラグジュアリー品 売上高のCAGR²

1 1 LVMH Moët Hennessy- Louis Vuitton SE Louis Vuitton, Fendi, Bulgari, Loro Piana, Emilio Pucci, Acqua di Parma, Loewe, Marc Jacobs, TAG Heuer,

Benefit Cosmetics フランス 23,447 41,593 5.0% 11.6% 10.0%

2 3 The Estée Lauder Companies Inc. Estée Lauder, M.A.C., Aramis, Clinique, Aveda, Jo Malone; Licensed fragrance brands 米国 11,824 11,824 5.0% 10.6% 4.7% 3 2 Compagnie Financière Richemont SA Cartier, Van Cleef & Arpels, Montblanc, Jaeger-LeCoultre, Vacheron Constantin, IWC, Piaget,

Chloé, Officine Panerai スイス 11,677 11,677 -3.9% 11.4% 1.1%

4 4 Luxottica Group SpA Ray-Ban, Oakley, Vogue Eyewear, Persol, Oliver Peoples; Licensed eyewear brands イタリア 10,051 10,051 2.8% 9.4% 9.0% 5 5 Kering SA Gucci, Bottega Veneta, Saint Laurent, Balenciaga, Brioni, Sergio Rossi, Pomellato, Girard-Perregaux, Ulysse

Nardin フランス 9,369 13,700 7.7% 7.0% 11.9%

6 7 L'Oréal Luxe Lancôme, Biotherm, Helena Rubinstein, Urban Decay, Kiehl's; Licensed brands フランス 8,476 e 8,476 e 6.0% n/a 11.2%

7 6 The Swatch Group Ltd. Omega, Longines, Breguet, Harry Winston, Rado, Blancpain; Licensed watch brands スイス 7,413 7,665 -10.7% 7.9% -6.9% 8 8 Ralph Lauren Corporation Ralph Lauren, Polo Ralph Lauren, Purple Label, Double RL, Club Monaco 米国 6,653 6,653 -10.2% -1.5% -6.6%

9 10 PVH Corp. Calvin Klein, Tommy Hilfiger 米国 6,646 8,203 5.6% 6.7% 1.6%

10 9 Chow Tai Fook Jewellery Group Limited

周大福珠宝集团有限公司

Chow Tai Fook, CHOW TAI FOOK T MARK, Hearts on

Fire 香港 6,604 6,604 -9.4% 6.1% -10.7%

11 12 Hermès International SCA Hermès, John Lobb フランス 5,755 5,755 7.5% 21.2% 12.4%

(16)

Christian Dior Coutureは、同社会計年度末を2016年6月から2016年12月に変更。 そのため、表示されているラグジュアリー品売上高成長率は6ヶ月間、CAGRは18ヶ月間のみの数値である。 ¹ 連結売上高および純利益に基づく純利益率 ² 年平均成長率(CAGR) e = 推定値 p = 試算 n/a = 該当なし ne =存在せず *上位100社の売上高成長率は為替調整後の売上高加重平均 **上位100社の純利益率、総資産利益率(ROA)および資産回転率は売上高加重平均 出所:各企業が公表したデータと業界予測 2016年度の ラグジュアリー品 売上高順位 2015年度の ラグジュアリー品 売上高順位 企業名 対象ラグジュアリーブランド 本社所在国 2016年度のラ グジュアリー品 売上高 (100万米ドル) 2016年度の 総収益 (100万米ドル) 2016年度の ラグジュアリー品 売上高成長率 2016純利益率年度の¹ 20142016年度の ラグジュアリー品 売上高のCAGR²

13 13 Lao Feng Xiang Co., Ltd. 老凤祥股份有限公司 Lao Feng Xiang 中国 4,768 5,262 2.1% 3.9% 4.9%

14 14 Michael Kors Holdings Limited

迈克高仕控股有限公司 Michael Kors, MICHAEL Michael Kors 英国 4,494 4,494 -4.6% 12.3% 1.4%

15 15 Coach, Inc. (now Tapestry, Inc.) Coach, Stuart Weitzman 米国 4,488 4,488 -0.1% 13.2% 3.5%

16 16 Tiffany & Co. Tiffany & Co., Tiffany 米国 4,002 4,002 -2.5% 11.1% -3.0%

17 - Shiseido Prestige & Fragrance SHISEIDO, clé de peau BEAUTÉ, bareMinerals, NARS, IPSA, Laura Mercier; Licensed fragrance brands 日本 3,736 e 3,736 e 8.7% n/a ne

18 18 Burberry Group plc Burberry 英国 3,603 3,603 10.0% 10.4% 4.7%

19 17 Prada Group Prada, Miu Miu, Church's, Car Shoe イタリア 3,515 3,515 -10.3% 8.9% -5.3%

20 24 Pandora A/S Pandora デンマーク 3,013 3,013 21.2% 29.7% 30.3%

21 19 Hugo Boss AG BOSS, HUGO ドイツ 2,979 2,979 -4.1% 7.2% 2.3%

22 20 Fossil Group, Inc. Fossil, Michele, Relic, Skagen, Zodiac, Misfit; Licensed brands 米国 2,929 e 3,042 -5.8% 2.8% -7.1%

23 22 Swarovski Crystal Business Swarovski オーストリア 2,876 2,876 0.0% n/a 5.6%

24 21 Giorgio Armani SpA Giorgio Armani, Emporio Armani, Armani, A|X Armani Exchange イタリア 2,791 2,791 -5.3% 10.7% -0.5% 25 23 Coty Luxury Philosophy, JOOP!, Lancaster, Calvin Klein fragrance; Licensed fragrance brands: Hugo Boss, Gucci etc 米国 2,567 2,567 39.7% n/a 15.1%

26 26 Christian Dior Couture SA Christian Dior フランス 2,142 p 2,142 p 8.5% n/a 9.1%

27 27 Puig S.L. Carolina Herrera, Nina Ricci, Paco Rabanne, Jean Paul Gaultier, Penhaligon's; Licensed fragrance brands スペイン 1,980 1,980 8.8% 8.7% 8.9% 28 31 Titan Company Limited "Tanishq, Zoya, Nebula, Xylys,Titan" インド 1,905 1,961 16.0% 5.3% 4.6% 29 - Onward Holdings Co., Ltd. Nijyusanku, Joseph, Jil Sander, gotairiku 日本 1,842 2,260 -1.5% 1.9% -3.2% 30 25 Chow Sang Sang Holdings International Limited 周生

参照

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