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イティブディレクターのJonny Johannsonによるコレクションは、様々 な素材や特製生地を取り入れた現代的なテイストを特徴としている。

Acneは店舗ネットワークを拡大し続けることで、ほぼ全地域で成長を 遂げた。イタリア企業のFinosは、同社のTrussardiブランドが2016 年度に業績を回復したことで、上位100社に再びランク入りした。Tru Trussardiラインの廃止、増資、不採算店舗の合理化などによる大規 模な企業再編の成果により、36.6%の売上高成長率を達成し、特にロ シアにおいて優れた業績を上げた。英国に本拠を置くBarbourが売 上高を19.5%増加させたのも戦略的変革の成果であり、とりわけ製 品ポートフォリオの改善、主要顧客とのコラボレーション、新たに導入 したリアルタイムでの在庫管理システムが功を奏した。201416 度において毎年2桁の売上高成長率を達成したのは、Canada GooseAcne Studiosに加え、イタリア企業4社と英国企業2社、す なわち、MonclerDolce & GabbanaValentinoBrunello CucinelliTed BakerKurt Geigerである。Monclerは衣料・靴カ テゴリーで4年連続して最も業績の良い企業の1つであり、2016年度 は2桁の売上高成長率(18.2%)と利益率(18.9%)を達成した。

その一方で、2016年度は16社のラグジュアリーファッション企業で売 上高の減少が発生している。この分析グループには、衣料・靴カテゴ リーにおける上位5社のうちの3社であるRalph LaurenHugo BossGiorgio Armaniも含まれる。この落ち込みの主な要因として は、米国の小売業界(特に百貨店)の減速、中国の成長率低下、オンラ インショッピングの増加に対応したオムニチャネル戦略による方向転 換が挙げられている。北米市場はRalph Laurenにとって悩みの種で あり、売上高が15.6%減少した。これは主に、不振の百貨店への卸売 上高が減ったことと、事業再編計画「Way Forward Plan」の一環とし て出荷量が戦略的に削減されたことが原因となっている。Hugo Bossも北米・南米における卸売事業の売上高が大幅に低下した。

Giorgio Armani2009年以来初めて売上高が減少したことを受け

て、店舗ネットワークを合理化するとともに、7つあったブランド数を削 減し、中核ブランドであるGiorgio ArmaniEmporio ArmaniA/X Armani Exchangeだけを残す計画を打ち出した。業績不振を理由 に、2017年に中国の繊維メーカーShandong Ruyiに買収された香 港企業Trinity(ラグジュアリーブランドのCerrutiKent & Curwen Gieves & Hawkesを所有)は、4年連続で売上高が減少している。日 本の三陽商会は、Burberryが同社との45年にわたるライセンス契約 を打ち切って日本における事業を自ら開始したことから、最大の売上 高の減少を記録した。今年度新たにランクインしたもう1社の日本企 業であるオンワードホールディングス(JosephJil Sanderの両ブラン ドのほか、日本の大手アクセシブルラグジュアリーブランドである23 を所有)は、売上高の微減を報告している。

ファッション業界に属する報告企業38社の全体の平均純利益率は、

2016年度のラグジュアリー業界をめぐる厳しい環境を反映し、1.9 イント減の4.3%となった。この落ち込みの大半は、Ralph Lauren 起因している。同社の純利益は、主に「Way Forward Plan(中核ブ ランドへの再集中、統制されたマルチチャネル流通戦略の実行、コスト 構造の適正化、ROIを重視した財務モデルの導入)に関連した事業再 編コストが原因で、5億米ドル近く減少した。衣料・靴カテゴリーでは、

敗者よりも勝者が多かった。この商品カテゴリーに属する企業の半数 以上は2016年度、利益率の上昇を報告している。純利益率では今年 度もMonclerが最も高く18.9%であり、これは上位100社で第3位で あった。Moncler以外で2016年度に2桁の利益率を報告したのは、

Barbour13%)、Textil Lonia11.2%)、Liu.Jo10.8%)、Giorgio Armani10.7%)の4社である。全体として見ると、ラグジュアリー衣 料・靴企業の利益率は2015年度比でわずかに低下している。この商 品カテゴリーの企業の過半数(20社)は利益率が1桁で、9社は赤字を 計上した。

上位100社のバッグ・アクセサリー(眼鏡類を含む)企業は、2014 16年度のCAGRが全ラグジュアリー商品カテゴリー中最も高く、2016 年度の売上高成長率において2番目に高い数値(3.4%)を記録した。

後者は、為替変動に後押しされた2015年度の売上高成長率と比べる と10ポイント減となる。この商品カテゴリーの9社のうち、眼鏡企業の Luxottica GroupおよびSafilo GroupKate Spadeがビッグ3となっ ており、この3社で同カテゴリーの2016年度ラグジュアリー品売上高 の82.3%を占め、特にLuxotticaだけで全体の64.6%を占めた。一 方、他の6社はいずれも売上高が65,000万米ドルを下回った。

Tumi20168月にSamsoniteから18億米ドルで買収された結 果、上位100社から姿を消している。2017年、この商品カテゴリーで は買収・合弁事業が活発化した。Coach7月にKate Spade24 米ドルで買収し、所有するラグジュアリーブランドのポートフォリオが拡 大し続けていることを受けて、社名をTapestryに変更している。流通 ネットワークを買収により獲得した企業も多く、ポルトガルおよびオー ストラリアにおけるFurlaや、オーストラリア、中国、香港および台湾に おけるMulberryがその例である。Marcolin20171月、デザイン・

生産におけるパートナーシップを目的としたLVMHとの合弁事業を発 表した。新たに設立された合弁会社Theliosの所有権は、Marcolin 49%LVMH51%を保持する。同社は2018年からCélineブランド の眼鏡類のデザイン・生産を開始し、今後はLVMHの眼鏡類事業にお ける優先パートナーとなる予定である。

為替変動の影響を除いた場合、Luxottica2016年度における売上 高成長率は2015年度からわずかに低下し、3.9%となった。ただし、

報告された売上高成長率は13ポイント近く下落している。これは、

2015年度の業績が為替変動の後押しを受けたことに起因する。

Luxotticaの小売部門は6%の成長を遂げ、卸売・製造部門の落ち込 みを相殺した。

Luxotticaは、イタリアの小売チェーンSalmoiraghi & Viganòの株式 の残り63.2%を買収し、Macy'sGaleries Lafayetteなどのブランド と提携したことで、自社の世界的ネットワークに約1,000店舗を新た に加えた。この拡大は2017年も続き、7月にはブラジル屈指の眼鏡店 フランチャイズ企業Óticas Carolを買収している。純利益率は今年度 もわずかに改善し、9.4%となった。これは、この商品カテゴリーで2 目に高い数値である。LuxotticaとフランスのレンズメーカーEssilor の500億ユーロ規模の合併については、EUその他の主要国のほとん どで反トラスト当局からの承認をすでに取得しており、2018年前半に 完了する見込みである。オーナー兼会長のLeonardo del Vecchio は、合併後のグループの新たな最高責任者を探している最中だが、過 去3年間で4人の最高責任者とたもとを分かっている。

イタリアは高級バッグ・アクセサリーの世界的中心地であり、この商品 カテゴリーに属する9社中5社を擁している。残りの4社は、フランス、

韓国、英国、米国を本拠とする企業である。

Furlaは今年度もこの商品カテゴリーにおけるスター企業であり、

2016年度で最も高い24.5%の売上高成長率を記録した。同社の売 上高は201316年度の期間で90%近く成長している。全地域で成長 が報告されているが、アジア太平洋地域と日本における実績が特に 堅調である。空港内を中心とするトラベルリテールへの注力も引き続 き功を奏し、この成長中のラグジュアリーチャネルにおける売上高は 40%増加した。同族会社であるFurlaが自社の非常に好調な業績の 背景にある主な要因として挙げているのは、Furlaブランドとそのコレ クションに対する消費者の評価が国際的に高まっていること、マーケ ティングに大規模な投資を行っていること、流通ネットワークの構築に 大きく重点を置いていることである。同社はバッグ・アクセサリー企業 として唯一Fastest 20にランクインし、第4位に付けた。また、2016 年度も純利益を6.7%で維持している。

Furlaと競合する米国企業のKate Spade & Companyは、2016 度にFurla以外で2桁成長を達成した唯一のバッグ・アクセサリー企業 である。同社のラグジュアリー品売上高成長率は、主に北米、ヨーロッ パおよび日本における売上高の後押しによってわずかに上昇し、

11.4%となった。kate spade new yorkの消費者向け直販の売上高 は9.1%成長しており、この成長はほぼ完全にeコマースに起因するも のである。同社の純利益率は2016年度には力強く回復し、2015年度

(事業再編・縮小費用の影響を受けた)から10ポイント近く上昇して 11.1%となっている。これによりKate Spadeは、上位100社において 売上高と純利益の両方で2桁の成長率を報告した好成績企業のわず か5社のうちの1つとなった。Kate SpadeCoachに買収されたた め、独立した企業として本レポートに登場するのは今回が最後となる。

Sungjoo D&DMCMブランドを所有する韓国企業)、Mulberry MarcolinDe Rigoは揃って1桁成長を報告し、LongchampSafilo はどちらも売上高を減らした。Safiloは、Keringの複数ブランドのライ センスを失ったことを受けた業績回復戦略5カ年計画の2年目にある。

同社の2016年度の売上高が2%減少した主な原因は、Gucci Safiloのライセンスブランドとしての最後の年に2桁のマイナス成長を 記録したことにある。Keringとの間で結んだ戦略的製品提携契約に 基づいて第4四半期に実施された最初の大量出荷は、これを相殺する には不十分だった。Safiloのその他のライセンスブランドは、特にヨー ロッパで堅調な実績を上げている。Safiloは損失を計上しているが、こ れは完全に、極東地域のCGUで発生したのれんの減損による、1

5,000万ユーロの一時的損失に起因するものである。経常外項目を

除けば、Safiloはわずかながら利益を上げている。

バッグ・アクセサリーカテゴリーに属する報告企業8社全体の2016 度における純利益率は小幅に上昇し、6.9%となった。この利益率は、

上位100社の平均(8.8%)を下回っている。Kate Spadeの利益率が 最も高く、他の企業は、共に損失を計上した眼鏡企業のDe Rigo Safiloを除き、全社揃って純利益率が1桁台であった。

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