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1. 資生堂 1. ダイバーシティ ポリシーの策定 持続的な成長に向けた組織体制の構築に向け 2020 年度までの中長期経営戦略 VISION 2020 を策定 売上高 営業利益および ROE の 2020 年度目標を定めている この中長期経営戦略の実現に向けた取組の1つに 多様な文化が混じりあう会

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検討会参加企業の取組事例

「ダイバーシティ 2.0」の取組のステップに基づき、検討会に参加した企業の事例を以下の

とおり整理した。

○取組のステップ

「ダイバーシティ 2.0」の実践は、現状では、典型的なダイバーシティの取組として、

女性従業員への研修や両立支援制度等を始めとした現場の取組が浸透し始めたところで

ある。しかし、中長期的・継続的に、全社的な取組を実行していくには、経営トップのコ

ミットメント・リーダーシップが不可欠である。加えて、ダイバーシティを経営戦略に組

み込むための方針を策定し、その方針を経営陣が主体的に実行できる経営・ガバナンス体

制を整備していくべきである[視点1]。その上で、管理職と従業員が職場の取組を主体

的に推進していく[視点2]。さらに、企業内部のみならず、外部のステークホルダー(資

本市場、労働市場 等)に対して、ダイバーシティに関する方針や取組内容を発信し、そ

の評価を受けることにより、継続的な取組に繋げることが期待される[視点3]。

○検討会参加企業の取組事例

上記の取組について、「競争戦略としてのダイバーシティ経営(ダイバーシティ 2.0)の

在り方に関する検討会」の参加企業計6社による事例は後段のとおり。

1. 資生堂

2. 日産自動車

3. 日立製作所

4. 楽天

5. LIXIL

6. カルビー

※委員氏名の 50 音順 別紙2

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1.資生堂

1.ダイバーシティ・ポリシーの策定 ・ 持続的な成長に向けた組織体制の構築に向け、2020 年度までの中長期経営戦略“VISION 2020” を策定、売上高、営業利益および ROE の 2020 年度目標を定めている。この中長期経営戦略の 実現に向けた取組の1つに「多様な文化が混じりあう会社へ」として、ダイバーシティに関 する基本的な考え方と位置づけが示されている(参照 図1:中長期経営戦略「VISION 2020」)。 図1:中長期経営戦略「VISION 2020」 (出所)資生堂 公式サイト、資生堂 アニュアルレポート 2015 ・ また、資生堂の示す行動基準の 1 つ、「社員とともに」において、多様性を尊重する企業文 化を追求することが示されている(参照 図2:ダイバーシティに関する行動基準)。 図2:ダイバーシティに関する行動基準 (出所)資生堂 公式サイト 2.ロードマップ、KPIの策 ・ 顧客の 9 割、国内社員の 8 割を女性が占める資生堂においては、ダイバーシティの中でも特 に「男女共同参画」を、社員の活力を高めて成果を上げ続ける社内風土づくりに向けての経 営戦略の1つとして位置づけている。女性活躍の推進に関するKPIとして、リーダー(部 下を持つ任用リーダー)のポジションにおける女性登用に焦点が当てられ、「女性リーダー 率」の目標が 30%に設定されている。この進捗と推移について、公式サイト等において、定 期的に開示されている(参照 図3:女性活躍推進に関する目標(KPI)の推移)。直近 では、2016 年度末 30%を達成した。また、ロードマップとして 2020 年時点に 40%程度を達成 することを目標として掲げ、その後も、「50:50 の風土づくり(男女間の機会均等を実現し、 女性もチャンレンジしやすい企業風土の実現)」を進めていく姿勢が示されている。

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3 図3:女性活躍推進に関する目標(KPI)の推移 (出所)資生堂 提供資料 ・ その女性活躍推進に向けた取組として、社内風土の改革を4つのステージに分けたロードマ ップを示している(図 4:女性活躍推進に向けた社内風土の改革ロードマップ)。 ・ また、女性のみならず、外国人の登用、LGBT 支援の取組み、障がい者の雇用、定年後再雇用 制度など、多様な人材がそれぞれに力を発揮できる環境整備を進めている。 図4:女性活躍推進のアクションプラン 「“働きやすく”かつ“働きがいのある”会社へ」 (出所)資生堂 提供資料

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4 3. 経営トップのコミットメントの表明 ・ 経営トップ(CEO)として、社内外の様々な場において、資生堂にとってのダイバーシティ経 営を追求する意義とその推進に対するコミットメントを表明し、経営トップ自らが積極的に 関与する姿勢を社内外に示している。 ・ 社内に対しては、女性リーダーの育成はじめ女性支援の取組、女性活躍促進に関する目標(女 性リーダー比率 30%)達成に向けた推進、サクセッションプランニング、また働き方改革の 重要性や経営者としてコミットメントを示すとともに、積極的に取組をリードしている。 加えて社外に対して、ダイバーシティ経営に関する経営者の理解促進に向け、ダイバーシテ ィに関する先進企業の経営者と共に、日本企業の経営者に対する働きかけを行っている。さ らに、新規事業開発や 2017 年 2 月に保育事業を行う合弁会社を設立するなど、女性活躍先進 企業として社会への働きかけも重要、という考え方を示している。 4. 推進体制の整備 ・ ダイバーシティ全般に関しては、年 1 回のグローバルタレントレビュー時に、社長を議長と するトップマネジメント間で多様性ある人材構成となっているか確認している。 ・ 特に日本国内における女性任用リーダー比率については、年 2 回の人事異動のタイミングで 役員の担当領域別に確認、課題の特定や対応策について議論し、目標達成に向けて取組みを 加速している。 5. ガバナンス ・ コーポレートガバナンスの強化策として、「コーポレートガバナンスと経営戦略の一体化」 と「取締役会のモニタリングボード化」の2つの柱を掲げている。後者の構成要素として「取 締役会の構成」が位置付けられ、その 2016 年(以降)の継続的な取組として『取締役選任に おけるタスクダイバーシティ(経営に関する各分野の専門知識や経験等のタスク面での多様 性)の継続的な確保・拡大』が含まれている(参照 図5:コーポレートガバナンスの取組)。 多様な視点を実現することにより、コーポレートガバナンスの有効性の向上を目指している。 図5:コーポレートガバナンスの取組 (出所)資生堂 アニュアルレポート 2015

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5 ・ 取締役および監査役の選任において、その候補者選任時にダイバーシティが考慮されている ことが示されている。属性に関する多様性のみならず、既述のタスクダイバーシティが重視 されていることが示されている。(参照 図6:取締役および監査役の多様性) 図6:取締役および監査役の多様性 (出所)資生堂 講演資料 CGS 研究会(コーポレートガバナンス・システム研究会) ・ 取締役と監査役について、独立社外取締役、常勤監査役、および独立社外監査役に女性人材 を選任することにより、経営の意思決定やモニタリングに多様な視点を組み、強固な監督・ モニタリング体制の実現を敷いていることを示している(参照 図7:取締役会出席メンバ ー構成)。 図7:取締役会出席メンバー構成 (出所)資生堂 講演資料 CGS 研究会(コーポレートガバナンス・システム研究会)

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2.日産自動車

1.ダイバーシティ・ポリシーの策定 ・ 経営のビジョンとして、独自性、革新性、ステークホルダーに対する価値の提供がキーワー ドとして据えられている(参照 図1:日産自動車の経営ビジョン)。 図1:日産自動車の経営ビジョン (出所)日産自動車 公式サイト ・ ダイバーシティに対する本格的な取組は外国企業とのアライアンスに端を発した。同外国企 業は企業文化も異なり、経営陣内にも女性役員も多い等の大きな違いが見られ、アライアン スを深める中で結果として、従来の日本人・男性中心のモノカルチャーからの脱却、ダイバ ーシティの追求が始まった。このような背景のもと、ダイバーシティに関して、“Diversity is Our Advantage. Diversity is My Advantage(ダイバーシティは企業として競争力、個人 としての強みである)”という根幹の考え方が示されている。 ・ 具体的には、経営ビジョンの実現に向け、国籍、文化、年齢、性別、性自認・性的指向、学 歴、仕事歴、ライフスタイル等の様々な属性を有効に生かすことにより、多様化するステー クホルダーのニーズに応え、発展的・創造的なアイデアに繋がる独自性・革新性を生み、日 産自動車としての競争力の創出、ひいては業績向上に繋げていく、という考え方が示されて いる(参照 図2:ダイバーシティの位置づけ)。 ・ さらに、数ある属性の中でも、とりわけ、性別(ジェンダー)とカルチャー(文化)の2つ の属性を重点領域に据え、経営ビジョンの実現に向けたダイバーシティ推進の取組を進めて いくことが示されている(参照 図3:日産自動車におけるダイバーシティ活動)。 図2:ダイバーシティの位置づけ 図3:日産自動車におけるダイバーシティ活動 (出所)日産自動車 公式サイト (出所)日産自動車 ダイバーシティディベロップメントオフィス 提供資料

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7 2.ロードマップ、KPIの策定 ・ ダイバーシティ推進初期におけるタスクチームの検討からダイバーシティ ディベロップ オフィスが設置された 2004 年を起点として、この起点から 10 年間の刻みで 1st decade(黎 明から最初の 10 年間)、2nd decade(次の 10 年間)の取組事項をロードマップとして示し ている(参照 図4:ダイバーシティ推進ロードマップ)。 図4:ダイバーシティ推進ロードマップ (出所)日産自動車 ダイバーシティディベロップメントオフィス 提供資料 ・ 日本の自動車市場において、自動車の購入者のうち、女性が全体の約 30%を占め、また、女 性の意見を購入時の意思決定に取り入れている男性が全体の 30%に達する等、自動車の購入 における女性が担う重要な役割に注目し、その女性の視点を取り入れる手段として、「女性 の登用」を重要なテーマとして設定している。その女性登用に関するKPIとして「女性の 管理職比率」を設定し、日本において 10%、グローバルにおいて 14%を 2017 年目標に据えて いる。この 2017 年目標達成に向け、各年の進捗を公式サイトやサステナビリティレポートで 示している(参照 図5:女性登用に関する目標(KPI)の推移)。 図5:女性登用に関する目標(KPI)の推移 (出所)日産自動車サステナビリティレポート 2016

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8 3. 経営トップのコミットメントの表明 ・ 経営トップ(CEO)の声として、多様なステークホルダーに対する価値を創造し、消費者の理解や ニーズに応えていく上、経営戦略としてダイバーシティの重要性を説きつつ、全社的なダイバー シティの推進に向けた仕組みや環境を整備し、目標を設定して具体的に取り組んでいく姿勢が公 式サイトにおいて表明されている(参照 図6:CEO によるコミットメントの表明)。 図6:CEO によるコミットメントの表明(日本語サイト、英語サイト) (出所)日産自動車 公式サイト 4. 推進体制の整備 ・ 全社的に経営戦略としてダイバーシティを推進する体制整備として、経営陣(CEO、常務執行 役員)のもと、ダイバーシティ推進部門(ダイバーシティ ディベロップメント オフィス) を設置している(参照 図7:ダイバーシティ推進体制)。このダイバーシティ推進部門が、 人事部門から独立し、新しいアイデアや視点を取り入れた革新的な取組を担う組織として位 置付けられている。 図7:ダイバーシティ推進体制 (出所)日産自動車 公式サイト

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9 ・ 推進体制のみならず、ダイバーシティに関する意思決定の構造についても示されている。CEO を議 長とし、各部門を代表する役員をメンバーとするステアリングコミッティが設けられ、開催頻度 (年に3回)や扱われる議題(ダイバーシティ推進の目標・施宅提案の承認から、成果の確認ま での一連の方針)を示している(参照 図8:ダイバーシティに関する意思決定体制)。 図8:ダイバーシティに関する意思決定体制 (出所)日産自動車 公式サイト ・ 日本国内のみならず、グローバルにおけるダイバーシティ推進にあたり、ダイバーシティに 関する地域ごとの違いや特異性を考慮し、各地域が独自に進めていく体制(ローカルに推進 する体制)を示している(参照 図9:グローバルにおける推進体制)。 図9:グローバルにおける推進体制 (出所)日産自動車サステナビリティレポート 2016 5. ガバナンス ・ 取締役会の構成について、代表取締役の過半数また取締役の半数近くに外国人材を選任してい る。また、社外取締役として外国人材を選任しており、経営の意思決定にグローバル且つ多様 な視点を組み込んでいること、強固な監督・モニタリング体制の実現を敷いている。 ・ また、外国企業とのアライアンスにより、日産自動車とアライアンス先の双方の取組について、 お互いチェックや情報共有を行う体制が構築されている。

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3.日立製作所

1.ダイバーシティ・ポリシーの策定 ・ ダイバーシティに対する考え方の根幹を「ダイバーシティステートメント」として策定して いる。それぞれの個性を尊重し、組織の強みとして活かすことが「イノベーションの源泉で あり、日立の成長エンジン」であること、優れたチームワークとグローバル市場での豊富な 経験により、顧客の多様なニーズに応えることを明示している(参照 図1:ダイバーシテ ィステートメント)。 図1:ダイバーシティステートメント (出所)日立製作所 公式サイト ・ 中期経営計画で「IoT 時代のイノベーションパートナー」を掲げ、グローバル事業の拡大及 び社会イノベーション事業の成長加速を目指している。その実行のためダイバーシティを経 営戦略として、日立グループにおける多様な人材の活躍を目指し、①人財マネジメントシス テムの転換、②人財ミックスの促進、③多様な人材が能力を発揮できる環境づくりを進めて いる(参照 図2:多様な人財の活用に関する全体像)。 図2:多様な人財の活用に関する全体像 (出所)日立製作所 提供資料

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11 2.ロードマップ、KPIの策定 ・ ダイバーシティマネジメント推進におけるロードマップとして、過去から現在に至るまでの 期間を3つのフェイズに分け、各フェイズにおける達成目標と主な取組について、その時間 軸と共に整理している。フェイズ1として女性活躍支援、フェイズ2として属性としての女 性からダイバーシティに向けた取組への拡大、さらにフェイズ3として経営戦略とダイバー シティを紐づけ、その推進を行っていくことを整理している(参照 図3:ダイバーシティ 推進ロードマップ)。 図3:ダイバーシティ推進ロードマップ (出所)日立製作所 公式サイト ・ 中期経営計画を達成に向けた「人財ミックスの促進」に関するKPIとして、採用や雇用に 関するKPIを各属性(女性、外国人、高齢者、障がい者)について設定している。特に女 性登用に関するKPIとして、女性人材の役員登用および管理職登用の2つをそれぞれ 2015 年度目標および 2020 年度目標を設定、その進捗を定期的に開示している(参照 図4:女性 登用に関する目標(KPI)、図5:女性登用に関する目標(KPI)の推移 )。前者の役 員登用については目標を達成した旨(役員級の理事ポストに女性社員が登用されたこと)、 後者の管理職登用についてはグループ連結と単体の数値の進捗を示している。 図4:女性登用に関する目標(KPI) (出所)日立製作所 公式サイト

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12 図5:女性登用に関する目標(KPI)の推移 (出所)日立製作所 公式サイト 3. 経営トップのコミットメントの表明 ・ 経営トップ(CEO)※の声として、イノベーション創出に繋がるダイバーシティについて経営 戦略および社会課題解決策としての重要性を説きつつ、全社的なダイバーシティの推進に向 けた仕組みや環境の整備、女性や外国人の登用によるボードダイバーシティの追求等に取り 組んでいく姿勢が表明されている(参照 図6:CEO によるコミットメントの表明)。 図6:CEO によるコミットメントの表明 (注記)文中・図中の経営トップの役職は 2016 年 1 月当時であり、2017 年現在の役職は取締役会長 代表執行役となる(※) (出所)内閣府男女共同参画局 広報誌「共同参画」2016 年 1 月号

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13 4. 推進体制の整備 ・ 全社的に経営戦略としてダイバーシティを推進する体制として、経営トップ(社長)から、 取締役、また、ダイバーシティ推進部門(ダイバーシティ推進センタ)、主要グループ各社 や各事業部はじめ、どのような役職・部門がどのように連携しているのか、その構造を整理 している。また、外部の視点を推進体制に取り入れるため、社外取締役が関与できる仕組み を確保している(参照 図6:日立グループのダイバーシティ推進体制)。 ・ この全社的な推進体制において、ダイバーシティ推進センタは、経営トップ(社長)直轄の 組織として位置付けられ、経営トップの強いコミットメントのもと、ダイバーシティの関連 施策を進めている。また、事業所やグループ会社ごとに、それぞれの事業タイプや人員構成 が異なる現状を加味し、現場の課題に即した形で推進できるようアドバイザリー・コミッテ ィ制を採用し、現場主導の取組を実現する体制を敷いている。 図6:日立グループのダイバーシティ推進体制 (出所)日立製作所 公式サイト 5. ガバナンス ・ 取締役会の構成について、取締役の過半数に外国人を含む社外取締役を選任することにより、 経営の意思決定に多様な視点を組み込み、強固な監督・モニタリング体制を敷いている。 ・ 取締役会のほか、ダイバーシティ推進体制よる計測・モニタリングについて、ダイバーシテ ィに関する取組の進捗および成果に関して、定期的な議論・意見交換や情報共有が行われて いることが示されている(参照 図6:日立グループのダイバーシティ推進体制)。例えば、 アドバイザリー・コミッティにおいては、ダイバーシティマネジメントに関する経営方針の 徹底に向け、半年に1回の頻度で開催されている。また、その下に位置する日立グループダ イバーシティ推進協議会においては、より具体的な活動に関する意見交換やベストプラクテ ィスの共有のため同様に半年に 1 回の頻度で開催されている。

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4.楽天

1.ダイバーシティ・ポリシーの策定

・ ダイバーシティに対する考え方を明確かつ簡潔に「企業戦略のコア(Our Core Strategy)」と し、企業戦略とダイバーシティが不可分であることを明示している(参照 図1ダイバーシテ ィ・ポリシー)。国境を越えて人をつなげるインターネットを通じ様々なサービスを提供してい る企業として、世界中の消費者の要望に応えていくために、ユニーク且つ多様な視点を生み出す ダイバーシティを実現していくことが求められている、という考えを示している(参照 図2ダ イバーシティ・ポリシーに関する説明)。ダイバーシティにより、企業の変化・成長が促進され、 多様な人材がつながりあうことでイノベーティブな人材を輩出し、企業の成長を実現すること、 世界中の優秀な人材を惹きつけることを目指していることが示されている。 図1:ダイバーシティ・ポリシー (出所 楽天 公式サイト) 図2:ダイバーシティ・ポリシーに関する説明 (出所 楽天 公式サイト) ・ また、楽天が追求する価値観として掲げられている5つのブランドコンセプトの一つ、「一 致団結」によって、ダイバーシティとインクルージョンを定義している(参照 図3:ダイ バーシティに関するブランドコンセプト)。 図3:ダイバーシティに関するブランドコンセプト (出所 楽天 公式サイト)

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15 2.ロードマップ、KPIの策定 ・ 女性活躍推進に関するKPIとして、女性従業員比率および女性管理職比率の2つをKPI としており、女性管理職比率については 2018 年度目標を設定、2016 年から 2018 年にかけて 19% から 22%まで上昇させることが掲げられている。その進捗は定期的に開示されている(参 照 図4:女性活躍推進に関する目標(KPI))。 ・ また、両立支援に関するKPIとして、産休・育休からの復職率をKPIとして設定、その 目標値を 90%に設定している(2016 年実績 96%)。この他、障がい者雇用・活躍促進の取組 について、障がい者雇用率をKPIに設定している(2016 年実績 2.4%)。 図4:女性活躍推進に関する目標(KPI)の推移 (出所 楽天 公式サイト) 3. 経営トップのコミットメントの表明 ・ 創業者 CEO の声として、ダイバーシティが重要な企業戦略として位置付けられていることを 明示している。創業時のインターネット事業におけるダイバーシティの意義と今後のダイバ ーシティの意味合いの深化、将来的にダイバーシティを追求していくことが表明されている (参照 図5:CEO によるコミットメントの表明)。 図5:CEO によるコミットメントの表明 (出所 楽天 公式サイト)

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16 4. 推進体制の整備 ・ ダイバーシティ推進課をグローバル人事部内に設置し、全社的にダイバーシティを推進する 組織体制を整備している。また、人事担当役員としてチーフ・ピープル・オフィサー(CPO) が、経営者としてダイバーシティの推進に関与する体制が採られている。また、採用のグロ ーバル化に先んじて、採用組織のグローバル化を行い、各国の商習慣や採用手法に沿った採 用活動を実施している。 5. ガバナンス ・ 取締役会の構成は、取締役8名のうち女性1名と外国人3名、社外取締役5名のうち女性1 名と外国人2名となっており、経営の意思決定に多様な視点と透明性を組み込んだ、強固な 監督・モニタリング体制を敷いていることが示されている。また、楽天本社単体の執行役員 以上の役職についても、全体の約 20%が外国籍の人材で構成され、執行レベルにおいても多 様な視点を踏まえた監督・モニタリング体制となるよう構築されている。

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5.LIXIL

1.ダイバーシティ・ポリシーの策定 ・ 企業としてサステナビリティの実現に向けた3つの優先取組分野の1つとして、性別、年齢、 人種、国籍、価値観、バックグラウンド等、「多様性の尊重」を掲げている。経営戦略上の 位置づけとして多様な従業員の英知や視点を活かすことにより、成長とイノベーションの原 動力に繋げること、また、業績変動の抑制や業績向上に繋げることを表明している。 ・ このような目的意識のもと、会社方針・取組を明示するため、ダイバーシティに対する考え 方の根幹を「LIXIL Diversity 宣言」として策定している。多様性の尊重、公平な機会の提 供、および実力主義の徹底を通じ、企業としての「強さの源泉」である創造性とエネルギー の創出を追求することが示されている(参照 図1:LIXIL Diversity 宣言)。 図1:LIXIL Diversity 宣言 (出所 LIXIL 公式サイト) ・ また、「多様性と機会均等」を経営における重要課題の1つとして取り上げ、その他の経営 上の重点課題との優先度と関係性を示している(参照 図2:経営上の重要課題)。この中 で、「多様性と機会均等」が重点的に取り組むべき課題であることが示されている。

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18 図2:経営上の重要課題(「労働慣行」箇所の抜粋) ※特に重点的に取り組むべき課題がハイライトされている (出所 LIXIL 公式サイト) 2.ロードマップ、KPIの策定 ・ 多様性と機会均等に関するKPIとアクションプランに関する取組として、「WeDo アクショ ン(Women Empowerment in the Diversified Organization:ダイバーシティ組織における女 性の活躍推進)」が進められている。 ・ かつて、約 23%(平成 26 年当時)を構成していた女性(ジェンダー)に焦点が当てられた。 女性活躍の推進に関するKPIとして「女性の管理職比率」、「女性の定期採用者率」およ び「リーダーシップ育成プログラムの参加女性比率」の3点について目標値が設定、その進 捗を定期的に開示している(参照 図3:女性活躍推進に関する目標(KPI)、図4:女 性活躍推進に関する目標(KPI)の推移)。 図3:女性活躍推進に関する目標(KPI) (出所 LIXIL 公式サイト)

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19 図4:女性活躍推進に関する目標(KPI)の推移 (出所 LIXIL 公式サイト) 3. 推進体制の整備 ・ 経営トップ(社長)のリーダーシップのもと、トップダウンでダイバーシティを推進するた め、ダイバーシティ推進部門(ダイバーシティ推進室)が設置された。さらに全社的な経営 戦略としてダイバーシティを推進する体制として、ダイバーシティ推進部門(ダイバーシテ ィ推進室)を事務局として、計4つの領域(人事施策、人材育成、風土醸成、環境整備)に 関するワーキンググループ(WG)を設置している(参照 図5:ダイバーシティの推進体制)。 図5:ダイバーシティの推進体制 (出所)独立行政法人労働政策研究・研修機構イベントにおける講演資料(2015 年 12 月 15 日)

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20 4. ガバナンス ・ 取締役会の構成について、経営の意思決定に多様な視点を組み込んだ、強固な監督・モニタリ ング体制を敷いていることが示されている。取締役会のダイバーシティについて、アニュアル レポート等で対外的にも示している(参照 図6:ガバナンス体制)。 図6:ガバナンス体制 (出所)LIXIL アニュアルレポート 2016 ・ 取締役会のほか、ダイバーシティ推進体制によるガバナンスとして、ダイバーシティに関する 各ワーキンググループが扱う領域ごと、取組の進捗および成果を計測・モニタリング、チェッ クする体制が採られている(参照 図7:各領域の成果の計測・モニタリング結果)。 図7:各領域の成果の計測・モニタリング結果 (出所)独立行政法人労働政策研究・研修機構イベントにおける講演資料(2015 年 12 月 15 日)

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6.カルビー

1.ダイバーシティ・ポリシーの策定 ・ 経営戦略として、国内市場におけるシェアの拡大、および海外売上比率 30%以上を実現する ためのグローバル市場における競争力を持った「強い企業」として成長し続けることを志向 しており、その成長力の礎が人材の重要性であることを示している。その人材の能力を最大 限に活用する手段としてダイバーシティの推進を捉えている。このような目的意識のもと、 ダイバーシティに対する会社方針・取組を明示するため、その考え方の根幹を「カルビーダ イバーシティ宣言」として策定している。多様性の尊重とライフ・ワーク・バランスの実現 を追求することが示されている(参照 図1:カルビーダイバーシティ宣言)。また、ダイ バーシティの取組の基本的な方向性が「ダイバーシティのビジョン」として策定されている。 (参照 図2:ダイバーシティのビジョン)。 図1:カルビーダイバーシティ宣言 図2:ダイバーシティのビジョン (出所 カルビー 公式サイト) 2.ロードマップ、KPIの策定 ・ ダイバーシティ推進初期に掲げられた「女性の活躍なしにカルビーの成長はない」という方 針のもと、女性活躍の推進に関するKPIとして「女性の管理職比率」の 2020 年目標を 30% に設定されている。また、進捗について本部長、部長、課長の管理職区分ごとに定期的に開 示されている(参照 図3:女性活躍推進に関する目標(KPI)、図4:女性活躍推進に 関する実績の推移)。

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22 図3:女性活躍推進に関する目標(KPI) (出所 カルビー 公式サイト) 図4:女性活躍推進に関する実績の推移 (出所 カルビー 公式サイト) 3. 経営トップのコミットメントの表明 ・ 経営トップ(CEO)の声として、ビジネスモデルにおける人材と多様性、そしてそれを支える 環境の重要性が表明されている(参照 図5:CEO によるコミットメントの表明)。 ・ 経営トップと従業員が直接対話する機会として、タウンホールミーティングを実施、国内の 工場や営業拠点に経営トップが出向き、経営方針等を説明するとともに、「ダイバーシティ 推進」や「働き方改革」の更なる促進に向けた経営者のコミットメントを伝えている。 ・ また、経営トップとして、女性管理職比率に関するKPI(2020 年度に女性管理職比率 30%) の達成を全従業員の前で宣言しており、これにより経営者としてのコミットメントを社内に 明示し、全社的なダイバーシティ推進を支える社内の意識改革を促している。

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23 図5:CEO によるコミットメントの表明 (出所 カルビーアニュアルレポート 2016) 4. 推進体制の整備 ・ 全社的な推進体制として、ダイバーシティ委員会を本社、工場、支店、関連会社にそれぞれ 設置している。取組の初期段階は本社を中心に従業員による理解促進等の啓発活動として始 まり、その後全社的な推進体制として事業所ごとに、現場主体の活動を促す体制が構築され てきた(参照 図6:ダイバーシティの推進体制)。 図6:ダイバーシティの推進体制 (出所 カルビー 公式サイト)

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24 5. ガバナンス ・ コーポレートガバナンス体制強化の取組の一つとして、「ダイバーシティの推進」が実施さ れ、多様な視点を組み込んだ、強固な監督・モニタリング体制を敷いていることが示されて いる(参照 図7:コーポレートガバナンス体制の変遷)。 ・ また、社外取締役の声として、カルビーのダイバーシティへの取組に対して、社外取締役が 多様な視点をインプットする役割を、積極的に担う体制であることを示している(参照 図 8:社外取締役による取組)。 図7:コーポレートガバナンス体制の変遷 (出所 カルビー 公式サイト) 図8:社外取締役による取組 (出所 カルビー 公式サイト) 以上

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