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-f Prognostic Significance of Clinical Parametersand BiologicMarkers in Patients with Squamous Cell Carcinoma of the Head and Neck Treated with Concurrent Chemoradiotherapy

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Academic year: 2021

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博 士 ( 医 学 ) 本 間 明 宏

      ‑f

  Prognostic Significance of Clinical Parameters and BiologicMarkers in Patients with Squamous  Cell Carcinoma of the Head and Neck Treated        with Concurrent Chemoradiotherapy

(頭頚部扁平上皮癌の放射線化学療法施行例の免疫組織学的,

     臨床病理学的予後因子の検討)

学位論文内容の要旨

    はじめに

  頭頭部癌の 治療において、抗癌剤と放 射線の同時併用療法は高い治 療効果を示し臓器温存が可 能となる症 例が増えたが 、腫瘍が残存し手術が必要 になる症例もみられる。治療 開始前にその治療効果を予 測すること ができれば、 同時併用療法により臓器温 存を目指すか、または手術を 行うかを選択することが可 能となる。

  腫瘍細胞の 生物学的特性を反映する新 たな因子の解明と検索方法の 簡便化により、これらの生 物学的因子 と臨床像、予 後などとの関連について多 くの研究がなされている。近 年、放射線・化学療法の効 果は腫瘍細 胞 のア ポト ーシ ス の誘導を介すること が判明してきた。頭頚部癌の 臨床例においてp53の異常と 放射線療法 の効果につい て調べた研究では、明らか な関連は認められないとの報 告が多くを占める。しかし 、放射線と 化学療法を組 み合わせた場合の効果とp53の異常について調べた研究 は少ない。また、頭頚部癌においてbcl‑

2、bax蛋白発 現と治療効果を調べた研究 も少なく、予後との関連については相反する結果が報告されており、

まだ明らかな 結論が出ていないのが現状 である。腫瘍細胞の増殖能は 予後因子として重要との報 告が散見さ れるが、頭頚 部扁平上皮癌の同時併用療 法についての報告は少ない。

  今回 、カ ルボ プ ラチン(以下、CBDCA)と放射線の同時併用療法施 行例において、治療前の腫 瘍細胞のp53 蛋白の異常発 現ならびにbcl‑2、bax蛋白 の発現と治療効果・予後との関連について免疫組織学的に検討した。

さ ら に 、 腫 瘍 細 胞 の 増 殖 能 に つ い て も 治 療 効 果 、 予 後 に 関 与 し て い る か を 検 索 し た 。     対象と方 法

  対象 :1990年11月か ら1994年11月 ま での 期間 、CBDCAと放 射線 の 同時併用療法を施行した頭 頭部扁平上 皮 癌 新 鮮 例147例 の う ち 、 治 療 前 の 病 理 組 織 標 本 が 検 索 可 能 で あ っ た111例 を 対 象 と し た 。   免疫組織染色:10ワ。緩衝フォルマリン固定バラフイン包埋標本より切片を作成後、抗原の賦活化を行った。

抗p53抗体、 抗bcl−2抗体、抗bax抗体、 細胞増殖マーカーとしてMIB―1を用い、通常のABC法にて免疫組織染 色を行った。

  陽性細胞の 比率の計測:p53とMIB−1に ついては、顕微鏡下に腫瘍 組織を400倍にて観察し、画 像処理シス テ ムを 用い 、腫 瘍 細胞 平均1003個に つ いて 核が明瞭に染色された 陽性細胞の比率(標識率)を 計測した。

    ―138一

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p53では標識率が10%より多い 場合p53陽性とみなした。bcl−2、baxは、細胞質が明瞭に染色された腫瘍細胞 が30%より多い場合、陽性と判 断した。

    結果

1) 臨床病理学的所見と治療効 果

  T3+4群、頸部リンパ節転移陽 性群、stageIII+IV群は有意 に局所制御率が低かった。また、部位で下咽頭症 例 は喉頭症例に比ベ局所制御率 が低かった。粗生存率は、 頭部リンパ節転移陽性群、stageIII+IV群で有意に 低 かった。部位では中咽頭、下 咽頭、鼻副鼻腔が喉頭に比 ベ粗生存率が低かった。多変 量解析では頭部リン パ 節転移は、粗生存率、局所制 御率ともに有意な予後因子 とみなされた。

2) 免疫組織染色の結果と臨床 病理学的因子

  bcl−2陽性症例は111例中14例(13%)であった。bcl―2は鼻・副鼻腔癌において有意に陽性率が高く、また 組 織分化度がgrade3の群で有意 に陽性率が高かった。

  bax陽性例は73例(65.8%) であった。baxの陽性率と臨 床病理学的因子の間に有意な 関係は認められなか っ た。

  p53標識率平均は37.2%であ り、p53陽性症例は111例中61例(55%)であった。p53は組織分化度がgr.ade3 の 群が標識率が有意に高かった 。

  MIB−1標識率平均は50.1% であった。Mm―1はりンバ節転移陽性群、stagem十IV群、組織分化度がgrade3の 群 で有意に標識率が高かった。

3) 免疫組織学的因子と予後

  bcl・2陽性群は陰性例に比ベ 単変量、多変量解析ともに 有意に局所制御率が良好であった。Mm.1標識率40

% 未 満 の 群 と40% 以 上 の 群 で 粗 生 存 率 を 比 較 す る と 、 標 識 率40% 未 満 の 群 で 予 後 良 好 で あ っ た 。     考察

  本研究では、臨床病理学的因 子の中では頚部リンパ節転 移の有無が重要な予後因子で あった。この結果は 以 前からある多くの報告と同様 の結果であった。

  アポトーシス関連因子の分析 では、まずbcl・2陽性例は 陰性例に比べ有意に局所制御 率が良好であった。

bc!−2は放射線あるいは化学療法によって誘導されるアポトーシスを抑制する働きが認められることより、実 際 の臨床症例においてbclー2蛋 白の発現と治療効果の関連が検索されている。基礎的研究や造血器の悪性腫瘍 で はbcl・2発現と放射線あるい は化学療法に対する抵抗性が相関すると報告されているが、今回の結果はこれ ら に相反する。しかし、小細胞 癌を除く肺癌ではbcl,2陽性例において予後が良好であるとの報告があり、固 形 癌 に お い て はbcl12発 現 が 治 療 効 果 を 高 め る 方 向 に 作 用 し て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。   Baxは、bcl・2などとの相互 作用を介してアポトーシスの 調節に関与し、アポトーシスに際し主に促進的に 働 く考えられている。頭頭部扁 平上皮癌におけるbaxについ ての報告は本研究が初めて である。Bax発現と臨 床 病理学的因子、予後との間に 有意な相関は認められなか った。また、bcl・2とbaxは相互に作用し合うこと よ り 、 こ れ ら の 発 現 と 予 後 と の 関 係 を 検 討 し た が 、 有 意 な 相 関 は 得 ら れ な か っ た 。   今 回の研究では 、治療前の腫瘍細胞のp53蛋 白の異常発現と治療効果や予 後との間には関連がみられ なか っ た。p53の変異と免疫染色で の過剰発現は一致しないとの 報告が多く、p53を予後因子 として評価するため に は今後遺伝子レベルでの分析 も必要であると思われた。

  細 胞の 増殖 能は 、乳 癌 など 種々の癌におい て重要な予後因子であると報 告されている。しかし、G0期と 早 期G1期を除く増殖細胞周期に 発現する核内抗原を認識す る抗体であるKi。67をパラフ イン切片で染色可能

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とした抗体であるMIB−1の予後因子としての有用性については、頭頭部癌では議論がある。本研究では1VnB‑

1標識率40%未満の群と40%以上の群で粗生存率を比較すると、標識率40%未満の群で予後良好であり、予 後因子としての有用性が確認された。

    結語

  放射線化学療法を行った頭頭部扁平上皮癌症例においてアポトーシス関連因子と細胞増殖能のマーカーを 免疫組織学的に検索し、予後との関連について検討した。

  その結果、bcl2陽性例は有意に局所制御率が良好であり、またMIB・1標識率40%未満の群は有意に粗生存 率が高いことが明らかとなった。これらの因子は頭部リンバ節転移の有無と共に頭頭部扁平上皮癌を治療す る上で有用なマーカーとなることが示唆された。

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学位論文審査の要旨

     学 'ftL 論文題名

  Prognostic Significance of Clinical Parameters and Biologic Markers in Patients with Squamous  Cell Carcinoma of the Head and Neck Treated        with Concurrent Chemoradiotherapy

( 頭頚 部扁 平上皮癌の放射線化学療法施行例の免疫組織学的,

     臨 床病 理学 的予 後因 子の 検討 )

   頭頚部 癌の 治療 において、抗癌剤と放射線の同時併用療法は高い治療効果を示し臓器温 存 が可能 とな る症 例が増えたが、腫瘍が残存し手術が必要になる症例もみられる。治療開 始前にその治療効果を予測することができれば、同時併用療法により臓器温存を目指すか、

または手術を行うかを選択することが可能となる。

  1990 年 11 月 から 1994 年11 月までの期間、カルボプラチンと放射線の同時併用療法を施行 し た頭頚 部扁 平上 皮癌新鮮例147 例のうち、治療前の病理組織標本が検索可能であった111 例を対象として、アポトーシス関連因子であるp53 蛋白の異常発現ならびにbcl −2 、bax 蛋白 の 発現、 さら に腫 瘍細胞の増殖能について治療前の腫瘍組織で検索し、治療効果・予後と の関連について免疫組織学的に検討した。

  T3+4 群、頚部リンパ節転移陽性群、stageIII+IV 群は有意に局所制御率が低かった。また、

部 位で下 咽頭 症例 は喉頭症例に比ベ局所制御率が低かった。粗生存率は、頚部リンパ節転 移陽性群、stageIII+IV 群で有意に低かった。部位では中咽頭、下咽頭、鼻副鼻腔が喉頭に 比ベ粗生存率が低かった。多変量解析では頚部リンノヾ節転移は、粗生存率、局所制御率と もに有意を予後因子であった。

   全症例 111 例の うち87 例(78.4 %)にCR が得られ、免疫組織染色の結果とCR 率との間に有 意な関係は認めなかったが、bcl −2 陽性例14 例中13 例(92.9 %)にCR が得られた。臨床的に CR と判定した87 例のその後の再発率との関係を検討した。全体では87 例中35 例(40.3 %)に 再発をきたしているが、bcl ―2 陽性例は再発率が15.4 %と非常に低い傾向が見られた。他の 因子では特に有意な関係は認められなかった。

  bcl ―2 陽性群は陰性群に比ベ単変量、多変量解析ともに有意に局所制御率が良好であった。

単 変量解 析で MIB −1 標識率40 %未満の群と40 %以上の群で粗生存率を比較すると、標識率 40 %未満の群で予後良好であった。

   本研究 では 、臨 床病理学的因子の中では頚部リンパ節転移の有無が重要な予後因子であ

男 夫

寛 郎

和 征

雅 和

坂 山

村 嶋

宮 犬

今 長

授 授

授 授

教 教

教 教

査 査

査 査

主 副

副 副

(5)

っ た 。 こ の 結 果 は 以 前 か ら あ る 多 く の 報 告 と 同 様 の 結 果 で あ っ た 。    アポトーシス関連因子の分析では、まずbcl ・2 陽性例は陰性例に比ベ有意に局所制御率が 良好であった。基礎的研究や造血器の悪性腫瘍ではbcl‑2 発現と放射線あるいは化学療法に 対す る抵 抗性が相関すると報告されているが、今回の結果はこれらに相反する。小細胞癌 を除く肺癌などの固形癌ではbcl ・2 陽性例において予後が良好であるとの報告があり、固形 癌に おい ては bcl 一2 発 現が 治療 効果 を高 める 方向に 作用 して いる 可能性が示唆された。

  Bax は 、頭 頚部 扁平上 皮癌 にお ける bax についての報告は本研究が初めてであるが、bax 発 現 と 臨 床 病 理 学 的 因 子 、 予 後 と の 間 に 有 意 な 相 関 は 認 め ら れ な か っ た 。    今 回の 研究 では 、治 療前 の腫 瘍細 胞のp53 蛋白の異常発現と治療効果や予後との間には 関連 がみ られ なか った 。p53 の変 異と 免疫組織染色での過剰発現は一致しないとの報告が 多< 、p53 を 予後 因子と して 評価 する ためには異なる検出方法、遺伝子レベルでの詳細な 分析での検討が必要であると思われた。

  MIB ―1 はKi‑67 をパラフイン切片で染色可能とした抗体であるが、予後因子としての有用 性に つい ては議論がある。本研究ではMIB −1 標識率40 %未満の群と40 %以上の群で粗生存 率を 比較 すると、標識率40 %未満の群で予後良好であり、予後因子としての有用性が確認 された。

   公 開発 表では,長嶋和郎教授から頭頚部扁平上皮癌をとりま<最近の治療の変遷につい て質 問が あった。長嶋、今村雅寛教授は、bc ト2 はアポトーシスを阻害するのでbcl‑2 陽性 例は 予後 が悪いと予測されるが、今回の検討ではその逆であったことの理由について質問 した 。ま た、今村教授は細胞周期から見た放射線化学療法の効果の発現、予後因子との関 連性 につ いて、犬山征夫教授は喫煙の影響について、また喉頭温存率について質問した。

宮坂和男教授からは、リンノヾ節転移の評価方法についての質問があり、今回の結果の臨床 への応用の展望を求めた。申請者はおおむね妥当な回答をした。

   こ の論 文は,頭頚部扁平上皮癌の放射線化学療法施行例の予後因子について、多くの症

例の免疫組織学的検索と、詳しい臨床データに基づき検討し、リンパ節転移の有無、bcl ―2

が有 用な 予後因子であることを明らかにしたことで高く評価された。今回の結果を基にし

て 臓 器 機 能 温 存 を 目 指 し た 頭 頚 部 癌 の 治 療 が さ ら に 進 歩 す る こ と が 期 待 さ れ る 。

   審 査員 一同は、これらの成果を高く評価し、また研究者として誠実かつ熱心であり、申

請 者 が 博 士 ( 医 学 ) の 学 位 を 受 け る の に 充 分 な 資 格 を 有 す る も の と 判 定 し た 。

参照

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