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Page 1. 本フォーラムの概要 2. 本フォーラムの議論のまとめ 3. 今後のアクションに向けて 4. 参加者 有識者からのメッセージ

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(1)

統合報告・ESG対話フォーラム

報告資料

(2)

03-10

11-16

17-28

29-54

Page

1.本フォーラムの概要

2.本フォーラムの議論のまとめ

3.今後のアクションに向けて

4.参加者・有識者からのメッセージ

(3)

1.本フォーラムの概要

2.本フォーラムの議論のまとめ

3.今後のアクションに向けて

(4)

企業の「稼ぐ力」を高め、持続的な企業価値向上を促す観点から、コーポレートガバナン

ス改革と企業と投資家との対話の質向上に向けた施策を実施

「伊藤レポート」

(注1)

は、インベストメント・チェーン全体を見据え、これら施策の基礎と

なる課題分析と提言を実施。その後の進展を受け、

「伊藤レポート2.0」

(注2)

を発表

取締役会 経営者等 証券取引所、 セルサイドアナリスト等 アセットマネージャー アセットオーナー (GPIF・企業年金等) 受益者 個人投資家 従業員 NISA、確定拠出年金 会社法改正 コーポレートガバナンス・コード 企業と投資家の対話促進 ・対話型株主総会の実現 ・統合的な開示の促進 「価値協創ガイダンス」 JPX日経 インデックス400 企業 投資家機関 スチュワードシップ・ コード 1.本フォーラムの概要

ガバナンス改革の全体像

市場関係者 注1)伊藤レポート:「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト「最終報告書」(2014年8月)

(5)

1.本フォーラムの概要

伊藤レポート2.0の提言

伊藤レポート2.0では、企業が持続的な価値創造に向けた経営のあり方を見直し、そのビ

ジネスモデルや戦略、ガバナンス等を投資家等と対話するための「ガイダンス(価値協創ガ

イダンス)」を提案。ガイダンスの活用も含め以下の8項目の提言を実施

下記提言の2.に基づき本フォーラムを開始

1. 企業と投資家の共通言語としての「価値協創ガイダンス」策定

2. 企業の統合的な情報開示と投資家との対話を促進するプラットフォーム

の設立

3. 機関投資家の投資判断、スチュワードシップ活動におけるガイダンス活用の

推進

4. 開示・対話環境の整備

5. 資本市場における非財務情報データベースの充実とアクセス向上取組

6. 政策や企業戦略、投資判断の基礎となる無形資産等に関する調査・統

計、研究の充実

7. 企業価値を高める無形資産(人的資本、研究開発投資、IT・ソフトウェ

ア投資等)への投資促進のためのインセンティブ設計

8. 持続的な企業価値向上に向けた課題の継続的な検討

(6)

1.本フォーラムの概要

政策的位置づけ

(閣議決定文書)

【未来投資戦略2017

(2017.6)

「形式」から「実質」へのコーポレートガバ

ナンス・産業の新陳代謝

 「価値協創のための統合的開示・対話ガイダン ス‐ESG・非財務情報と無形資産投資‐」( 値協創ガイダンス)(平成29年5月29日経 済産業省策定)を踏まえた企業の情報提 供・報告のベストプラクティスの分析及びそれ を推進する場の設置(中略)等を通じ、  ESG(環境、社会、ガバナンス)要素も念頭 に置いた中長期的な企業価値向上に資する開 示を含む情報提供や対話、投資手法の普及・ 発展を図る。

【新しい経済政策パッケージ

(2017.12)

企業の収益性向上・投資促進による生産

性革命

 ESG(環境、社会、ガバナンス)投資の重要性 に鑑み、(中略)投資家と企業が対話する「統 合報告・ESG対話フォーラム(仮称)」等の速 やかな創設を行う。

(1)統合的開示の事例分析と促進策の検討

(2)投資家の投資手法に関する検討

企業と投資家の対話の深化を通じて、

日本企業の「稼ぐ力」の更なる向上を目指す

(7)

1.本フォーラムの概要

全体像イメージ

• 企業価値向上表彰制度 等との連携 • アナリストレポートにおける 価値協創ガイダンスの活 用 • 価値協創ガイダンスやフォ ーラムの事例・示唆の活用 • セミナーや研修、アンケート 等の実施 • ESG統合やスチュワードシ ップ活動の振り返り • 企業評価における価値協 創ガイダンスの活用 • アセットオーナーとマネージャ ーの対話 企業  ガイダンスも活用した経営戦略の高度化 投資家  ガイダンスも活用した企業評価、対話の質向上 スチュワードシップ・コード 国際団体 連携

価値協創ガイダンス

 中長期的な企業価値向上に向けた、企業の情報開示や投資家と の対話の「共通言語」のしての枠組み  企業の価値観、ビジネスモデル、持続可能性・成長性、戦略、成 果・KPI、ガバナンスを関連付けて示すための指針を提供 コーポレートガバナンス・コード

統合報告・ESG対話フォーラム

• 価値協創ガイダンスを通じ た自社の情報開示や対話 の振り返り • 対話を経営に反映する方 策の検討 企業経営者 投資家 業界団体 市場関係者・取引所等 株主との対話、ステー クホルダーとの協働、 情報開示促進等 企業との対話、ESG含 む企業の状況把握・深 い理解等

(8)

1.本フォーラムの概要

参加者

伊藤 邦雄 一橋大学大学院商学研究科 特任教授 安藤 聡 オムロン(株) 取締役 上山 茂 花王(株) 常務執行役員 経営サポート部門統括 小野田 泰 JXTGホールディングス(株) 取締役常務執行役員 経営企画部・事業企画部・IT戦略部管掌 加藤 浩嗣 (株)丸井グループ 取締役 上席執行役員 IR部長、経営企画・ESG推進担当 久保 雅晴 三井化学(株) 代表取締役 副社長執行役員 戸出 巌 三菱商事(株) 取締役 常務執行役員コーポレート担当役員 (事業投資総括、サステナビリティ推進) 長谷川 直和 ダイドーグループホールディングス(株) 執行役員 コーポレートコミュニケーション部長 平林 秀樹 東レ(株) 取締役 CSR全般統括 IR室・広報室・宣伝室統括 総務・法務部門長 東京事業場長 栁澤 孝旨 (株)スタートトゥデイ 取締役副社長兼CFO 湯浅 隆行 東京海上ホールディングス(株) 専務取締役 グループCFO 横田 乃里也 キリンホールディングス(株) 取締役常務執行役員 CFO CIO 井口 譲二 ニッセイアセットマネジメント(株) チーフ・コーポレート・ガバナンス・オフィサー 上席運用部長(投資調査室) 江良 明嗣 ブラックロック・ジャパン(株) ディレクター 運用部門 インベストメント・スチュワードシップ部長 小口 俊朗 ガバナンス・フォー・オーナーズ・ジャパン(株) 代表取締役 許斐 潤 野村證券(株) 金融経済研究所長 経営役 佐藤 淑子 (一社)日本IR協議会 専務理事 三瓶 裕喜 フィデリティ投信(株) ヘッド オブ エンゲージメント 銭谷 美幸 第一生命保険(株) 責任投資推進室長 寺沢 徹 アセットマネジメントOne(株) 運用本部 責任投資部長 兵庫 真一郎 三菱UFJ信託銀行(株) 資産運用部 ESG推進 室 チーフアナリスト兼チーフファンドマネージャー 藤野 英人 レオス・キャピタルワークス(株) 代表取締役社長 最高投資責任者 堀井 浩之 三井住友信託銀行(株) スチュワードシップ推進部長 チーフ・スチュワードシップ・オフィサー 松島 憲之 三菱UFJモルガン・スタンレー証券(株) チーフリサーチアドバイザー 〈オブザーバー〉 環境省、金融庁、(一財)企業活力研究所、企業年金連合会、(株) 東京証券取引所、日本公認会計士協会、(一社)日本投資顧問業 ※敬称略、役職名は2018年5月時点

(9)

1.本フォーラムの概要

各回の議題

(1/2)

論点

企業・投資家からの発表

第1回

(2017/12/18) ○フォーラムの論点整理  企業にとっての価値協創ガイダンスの活用のあり方  投資家・アナリストにとっての価値協創ガイダンスの活用のあり方  第2回以降で議論すべき事項、最終的な成果物イメージ  価値協創ガイダンスの普及・活用促進に向けた方策

第2回

(2018/01/22) ○企業における統合的開示(統合報告書等)の活用事例  規模、業種特性に応じた評価の視点  開示において企業が重視すべきポイント  ビジネスモデル、リスク情報の開示のあり方 ○企業評価・分析における統合的開示(統合報告書等)の活用事例  規模、業種特性に応じた評価の視点  開示・対話において投資家が重視すべきポイント  海外投資家の評価の視点 ○ダイドーグループホールディングス 長谷川様 ○丸井グループ 加藤様 ○レオス・キャピタルワークス 藤野様

第3回

(2018/02/09) ○企業と投資家の統合的開示(統合報告書等)の活用事例  規模、業種特性、企業の成長段階に応じた違い  CSV・SDGs等の経営戦略への組み込みと開示・対話 ○成果及びKPIの開示・対話  環境変化を踏まえたセルサイド・アナリストの将来像、育成のあり方 ○スタートトゥディ 栁澤様 ○キリンホールディングス 横田様 ○野村證券 許斐様

(10)

論点

企業・投資家からの発表

第4回

(2018/02/19) ○企業と投資家の統合的開示(統合報告書等)の活用事例  業種特性に応じた違い  ビジネスモデルに関連したESGの重要課題の特定、開示・対話 ○パッシブ運用における価値協創ガイダンスの活用 ○JXTGホールディングス 小野田様 ○三井化学 久保様 ○オムロン 安藤様 ○アセットマネジメントOne 寺沢様

第5回

(2018/03/09) ○企業と投資家の統合的開示(統合報告書等)の活用事例  業種特性に応じた違い  経営資源・資本配分戦略(事業ポートフォリオマネジメント等)に関する 考え方、開示・対話 ○投資家における自社の分析フレームワークと価値協創ガイダンスの関係、 価値協創ガイダンスの活用 ○次回以降に向けたアウトプット、今後のアクションプランについて ○東レ 平林様 ○三菱商事 藤村様 ○花王 上山様 ○フィデリティ投信 三瓶様

第6回

(2018/04/20) ○企業と投資家の統合的開示(統合報告書等)の活用事例 ○投資家における自社の分析フレームワークと価値協創ガイダンスの関係、 価値協創ガイダンスの活用 ○本フォーラム報告(案)について  議論のまとめ  今後のアクション ○東京海上ホールディングス 湯浅様 ○三井住友信託銀行 堀井様 ○日本IR協議会 佐藤様

○Japan Innovation Network 西口様 1.本フォーラムの概要

各回の議題

(2/2)

(11)

1.本フォーラムの概要

2.本フォーラムの議論のまとめ

3.今後のアクションに向けて

(12)

「目的を持った対話」を理解する

 企業と投資家がともに、開示・対話を単なるコストではなく、企業価値向上に向けた投資として 捉え、「目的」を明確にして取り組むこと

共通言語を活用する

 企業や投資家の多様性・独自性を尊重しつつも、「価値協創ガイダンス」等の共通言語を使う ことで、より効果的・効率的な情報開示や対話を行うこと

投資家が企業評価手法を示す

 ESG等の非財務情報や対話をどう投資判断に反映するか見えないことで企業が開示・対話に 消極的にならないよう、「価値協創ガイダンス」等を使って投資家が自らの評価手法を示すこと

社内でも対話する

 「価値協創ガイダンス」を活用した開示や対話を契機として、経営者のみならず社外取締役や 実務担当者も含む社内の対話を深め、自社の価値創造プロセスを理解すること 2.本フォーラムの議論のまとめ

本フォーラムのメッセージ

開示と対話の促進のために必要な

つの視点

(13)

2.本フォーラムの議論のまとめ

①「目的を持った対話」を理解する

 「目的を持った対話」とは、信頼関係を構築しつ つ、企業価値を上げるための経営改善に役立つ情 報や示唆を得ること。【経営者】  開示を義務やコストではなく、企業価値を高める ための投資にする必要がある。開示に真摯に取り 組み、積極的に投資家と対話する。 【経営者】  社員にとって、当初、投資家は離れた存在。必ず しも良いイメージを持っていなかったが、アナリ ストを招いたIR報告会を社員向けに行い外部から の評価を語ってもらうことで、社員にとってもプ ラスになり価値を協創できるステークホルダーで あると認識された。【経営者】

企業経営者

の意見

「目的を持った対話」とは経営に有益な示唆

を得るために外部者(投資家等)との対話

を行うこと

これは、企業の内部にも好影響をもたらす

 企業が外部の声を積極的に取り込み、より良い開 示を目指し、投資家と向き合う姿勢や意欲を持つ ようになったきっかけが重要。【投資家】  建設的(Constructive)な対話と友好的(Friendly) な対話は違う。建設的とは「結果を出す」あるい は「課題解決を果たす」こと。【投資家】  統合報告書という形で全体を示す場合、価値協創 ガイダンスを利用して網羅的に示せばよい。一方、 対話の際には、お互いに聞きたい点、アピールし たい点があるので、事前にアジェンダを共有する ことで、企業と投資家の間の行き違いがなくなる。 【投資家】

投資家の意見

企業が外部者と向き合う姿勢を評価

対話のための対話ではなく結果を出すための

対話が重要。何のための対話かを双方が明

確にしておくことが大事

(14)

2.本フォーラムの議論のまとめ

②共通言語を活用する

 リソースを割けない企業は、統合的開示をシンプル にしてメッセージを伝えることが大切。【経営者】  ガイダンスの項目を説明しているかチェックした。 これは経営をきちんと説明しているかの判断材料と なる。【経営者】  開示が不十分な領域は無いか、様々な媒体に関連情 報が散らばっていないかを確認するチェックリスト としてガイダンスを用いている。【経営者】  ガイダンスは、長期的な成長ドライバーを特定した り、投資家と企業が認識する課題について、取組が 浅い分野を明確にする際に活用。【経営者】

企業経営者

の意見

規模や業種の多様性を踏まえつつ、各社に

合ったガイダンスの活用方法を検討すべき

ガイダンスは自社の開示や経営に不十分な

点はないかをチェックできる有用なツール

 規模別にガイダンスの特定項目を充たすことを求 めるなど最低要件があっても良い。【投資家】  ガイダンスは企業の評価・分析の基本的視点を整 理している。企業独自の稼ぐ力の源泉を評価する 「入り口のツール」となる。 【投資家・アナリスト】  四半期実績が重視されないパッシブ運用のスチュ ワードシップ活動の目的は株式市場全体の底上げ。 ガイダンスの目線と重なる部分は多い。 【投資家】  開示を考える際、ガイダンスは「基本の型」とし て有用。ただし、良い意味の「型」であり、ボイ ラープレートとして用いるべきではない。 【投資家】

投資家の意見

ガイダンスは投資家の企業評価や分析の基

本的視点を整理。アナリスト教育やパッシブ

運用のエンゲージメントに活用できる

ガイダンスを杓子定規に適用することは、

かえってその有用性を失わせる恐れ

(15)

2.本フォーラムの議論のまとめ

③社内でも対話する

 「経営トップの意識」は開示・対話の姿勢を定め る上で重要。統合報告書の作成はトップダウンに よって進んだ。【経営者】  トップダウンだけでは社員に浸透しない。トップ ダウンにボトムアップのアプローチや活動を合わ せ、双方向で浸透させることが重要。【経営者】  企業内部への浸透は3年ほどかかった。トップダ ウンとボトムアップのアプローチを組み合わせな がら、時間をかけて理解を得ることが大事。 【経営者】

企業経営者

の意見

価値協創ガイダンスは開示に役立てることが

できるツール

開示のみに活用するのではなく、開示に関す

る取組を社内に浸透させることも必要

 経営陣に対する啓発と合わせて、研修等を通じた 実務者への啓発も重要。【アナリスト】  ガイダンスは、社外取締役にも読んでいただき、 取締役会での質問に活用していただくという使い 方も一案。【投資家】  開示・対話のあり方を企業自身が独自に検討・議 論を行うことで、新たな気づき、臨場感のある開 示・対話、ひいては社内への波及効果につながる。 【投資家】

投資家の意見

経営トップだけでなく、研修等によって実務者

に浸透させることも重要

社外取締役にも価値協創ガイダンスを読ん

でもらい取締役会での議論に活用できる

(16)

2.本フォーラムの議論のまとめ

④投資家が企業評価手法を示す

 ESG投資の機運が高まる中、投資家がどのような 基準でESG投資を行うのか、重視する点は何かを 明確に示すことが、企業の統合思考を促進するこ とにつながるのではないか。【経営者】  投資家の質問はほとんど財務面の質問。ESGに関 する質問は、財務や株主還元に関する質問と比べ かなり少ない。ガイダンスが示す項目と、投資家 から受ける質問の内容にはギャップがある。 【経営者】

企業経営者

の意見

投資家が非財務情報をどのように活用してい

るかが見えないことで、企業の開示や対話が

消極的になることを懸念

ガイダンスを投資家にも浸透させ、ガイダンス

に基づいた対話を進めていくことが必要

 日本企業の開示・対話が進んできた背景として、 投資家が求める情報や活用方法について企業側の 理解が進んだことが起爆剤となった。投資家から 企業に期待する情報や活用方法を示すことが有益。 【有識者】  投資家がどのようにESG情報を活用しているのか という点に不安を持っている企業は多い。ミー ティング等で、運用プロセスを可視化して説明す ることで、納得感を醸成することができる。 【投資家】

投資家の意見

企業側の短期的な思考や行動、消極的な

情報開示に関しては、投資家の企業分析や

対話の方法にその一因があると懸念

ESG情報をどのように活用するかを示すことで

企業側の納得感を得られるのではないか

(17)

1.本フォーラムの概要

2.本フォーラムの議論のまとめ

3.今後のアクションに向けて

(18)

「目的を持った対話」を理解する

共通言語を活用する

投資家が企業評価手法を示す

社内でも対話する

 表彰等による企業・投資家の意識変化促進 (経済産業省、東京証券取引所、WICI等)  IR活動の実態把握(日本IR協議会等)  国際動向の把握・連携(日本公認会計士協会等)  統合的な開示・質の高い対話の促進 (ロゴマークの策定、産業分野別ガイダンス、各種ガイドライン等との 連携等)  企業の多様性に応じた開示・対話の促進 (関西分科会等)  機関投資家による非財務情報活用の意思表明 (アクティブ・ファンドマネージャー宣言等)  セルサイド・アナリストにおける非財務情報分析手法 の検討促進 (日本証券アナリスト協会、証券リサーチセンター・レポート等)  取締役に対する教育、周知・浸透 (経済同友会における研究会活動、Japan Innovation Networkにおける発信等) 3.今後のアクションに向けて

アクションの全体像

(19)

【企業向け】

ロゴマーク策定、ガ イダンス利用促進  価値協創ガイダンスを参照し た開示書類等に表示可能  統合思考・統合開示への意 志を表明して対話の契機に

【投資家向け】

「アクティブ・ファン ドマネージャー宣 言」発出、 賛同機関の促進  価値協創ガイダンスへの賛同 を含む宣言を作成  ESG・非財務情報を活用し ていることを表明可能に

更なるガイダンスの活用を通じて、開示・対話の深化を促進

【分野別】

分野別価値協創 ガイダンスの策定、 評価付けの実施  バイオメディカル産業版「価 値協創ガイダンス」を策定  産業保安・製品安全分野 (例:プラントオーナー・家電メー カー)で、統合報告書等の情 報開示の評価付けを実施 (価値協創ガイダンスを参考に審査 基準を設定)

【分野横断】

各種ガイドライン 等間の連携  ダイバーシティ2.0行動ガイド ラインの改定  その他関連ガイドライン等間 の連携促進 3.今後のアクションに向けて

①経済産業省の取組

(20)

・ガイダンスに則した開示を行う企業に対して、タグや認証をつけ てはどうか。外部から可視化でき、企業にとって差別化につながる。 【投資家】 ・日本初(発)のグローバルな情報発信力向上のために、企業がこ のガイダンスに準拠した統合的開示を行う場合には、それを明記す ることに意義がある。【投資家】 3.今後のアクションに向けて

「価値協創ガイダンス」ロゴマーク

目的

「価値協創ガイダンス」を参照して経営を行い、開示を

行う企業の差別化をサポートし、ガイダンスの活用と投

資家との対話の質向上を目指す

利用者

ガイダンスを参照して開示資料を作成し、公表する国

内上場企業等(企業名、使用媒体等は経済産業省

ホームページにて公表)

使用方法

統合報告書、アニュアルレポート等に表示。投資家等と

の対話のきっかけとする。

※英語版、白黒版のロゴマークも作成

(21)

分科会における議論を踏まえ、宣言を発出

加えて、分科会の議論内容を文書としてまとめる

3.今後のアクションに向けて

アクティブ・ファンドマネージャー宣言

(1/2)

1. 私たちアクティブ・ファンドマネージャーは、投資リターンの最大化のため、特に企業の個性を

重視し他の企業との差異に注目して株式運用を行います。

2. 企業との建設的な対話を重視する私たちのようなアクティブ・ファンドマネージャーにとって、

「価値協創ガイダンス」は有用なツールたり得ます。

3. 企業が能動的に明瞭な形で「価値協創ガイダンス」を踏まえた情報開示を実施するならば、

対話を重視する私たちのようなアクティブ・ファンドマネージャーはそうした情報開示の内容を

参照し、精読・咀嚼した上で対話に臨みます。

4. 対話することの自己目的化や対話の形骸化は避ける必要があり、私たちアクティブ・ファンド

マネージャーはその責任の一端を担う必要があります。

「アクティブ・ファンドマネージャー宣言(抜粋)」

(22)

3.今後のアクションに向けて

アクティブ・ファンドマネージャー宣言

(2/2)

アセットマネジメントOne 常務執行役員 運用副本部長 兼 株式運用グループ長 青木 信隆 アセットマネジメントOne 運用本部 株式運用グループ ファンドマネジャー 光岡 邦彦 スパークス・アセット・マネジメント 運用調査本部 ファンドマネージャー 兼 ESG担当 清水 裕 ブラックロック・ジャパン 取締役CIO 福島 毅 ブラックロック・ジャパン ディレクター 運用部門 インベストメント・スチュワードシップ部長 江良 明嗣 リム・アドバイザーズ マネージング・ディレクター 東京支店長 戸矢 博明 レオス・キャピタルワークス 代表取締役社長 最高投資責任者 藤野 英人 レオス・キャピタルワークス 運用部 シニアアナリスト 八尾 尚志 機関投資家協働対話フォーラム 理事 大堀 龍介 三井住友アセットマネジメント 企業調査グループ スチュワードシップ推進室長 齊藤 太 大和証券投資信託委託 運用企画管理部 担当部長 菊池 勝也 第一生命保険 責任投資推進室長 銭谷 美幸 野村ファンド・リサーチ・アンド・テクノロジー 取締役会長 猿田 隆

分科会参加者一覧

(順不同、敬称略) (※)下線は本フォーラム参加者

(23)

ダイバーシティ2.0行動ガイドライン

CGSガイドライン

バイオメディカル産業版「価値協創ガイダンス」

海外M&Aを経営に活用する9つの行動

3.今後のアクションに向けて

各種ガイドライン等間の連携促進

経営人材育成ガイドライン

(24)

アクティブ・ファンド マネージャー 分科会  国内のファンドマネージャーから構成され る分科会を2018年2月に設置  アクティブファンドに責任を持つファンドマ ネージャー等が価値協創ガイダンスを読 み込み、運用現場の中で活かすための 方策を検討・議論  「アクティブ・ファンドマネージャー宣言」を 公表。賛同する機関への浸透促進  同分科会での議論をとりまとめた文書を 本年中に公表する 関西分科会  IR担当者が数名である関西本社企業 の、開示・対話に携わる実務家から構 成される分科会を2018年4月に設置、 キックオフ会合を開催  5~7月にかけて数回のディスカッションを 実施予定  リソースが潤沢ではない企業にとっての価 値協創ガイダンスの活用方法の検討や 取組事例の共有を図り、ガイダンス利用 企業の裾野を拡大 3.今後のアクションに向けて

②分科会活動

(25)

日本証券 アナリスト協会  会員によるESG投資や非財務情報開 示に関する調査研究結果の証券アナリ ストジャーナルへの寄稿等を実施  統合報告、エンゲージメントについて、協 会としての取組みのあり方について予備 的議論をスタート  「ディスクロージャー優良企業選定」にお いて、「非財務情報」の開示状況を評価 項目に盛り込む 日本IR協議会  全上場企業を対象とした「IR活動の 実態調査」(2018年4月公表)で、 (1)価値協創ガイダンスの主要項目 の重要性認識や開示度合い、 (2)同ガイダンスの活用度合い、 を調査  企業の規模や上場市場、業種等に よって特徴があるかを分析中  4月20日のフォーラムで報告し、8~9月 ごろまでに、上場企業を対象にしたセミ ナー等での解説を実施予定 Japan Innovation Network (JIN)  UNDPとSHIP(SDGs Holistic Innovation Platform)を共同運営  イノベーション経営の国際標準化 ISO/TC279にエキスパート参加(プロ ジェクトメンバー)  SHIPによるSDGs起点の事業活動立ち 上げ加速  ISO/TC279内容の日本国内普及活 動の立ち上げと実行 3.今後のアクションに向けて

③各団体における活動

(1/2)

(26)

経済同友会  社外取締役の役割・機能強化」および 「投資家との中長期的な企業価値向 上」を主要論点に、ヒアリングやワーク ショップでの議論等を実施  2018年5月末を目途に、2017年度の 委員会活動を取りまとめた提言案として 公表予定 日本公認会計士 協会  統合報告に関連した研究活動を実施す るとともに、「統合報告の将来ビジョンと 公認会計士の役割」(2018年2月) を公表  国際統合報告評議会(IIRC)のカウ ンシル及びフレームワークパネルの両会議 体に参画  国内外における統合報告の発展に向け た検討、フレームワーク及びガイダンス開 発等の取組に参画・貢献  日本における実務の発展や価値協創ガ イダンスを含む国内議論の状況を踏まえ つつ、意見発信していく予定 証券リサーチ センター  2017年10月より、証券アナリストがカ バーしていない有望な新興企業等につい て、価値協創ガイダンスをベースとしたアナ リスト・レポートを順次執筆・公表  引き続き、新興上場企業の増加を背景 に、ガイダンスをベースとしたレポートを順 次執筆・公表していく予定 3.今後のアクションに向けて

③各団体における活動

(2/2)

(27)

東京証券取引所  2017年度の「企業価値向上表彰」の 審査に価値協創ガイダンスを活用  大賞・優秀賞を2018年2月に公表し、 同年3月に表彰式、シンポジウムを開催  2018年度も同表彰を実施予定  選定の過程では、2017年度と同様、 ガイダンスの内容を参考にして選考を進 めて行く予定 WICI (The World Intellectual Capital/Assets Initiative)  2017年度の「統合報告優良企業賞」 の審査に価値協創ガイダンスを活用  大賞・優秀賞・奨励賞を2017年11月 に公表  2018年度も同表彰を実施予定  選定の過程では、2017年度と同様、 ガイダンスの内容を参考にして選考を進 めて行く予定 3.今後のアクションに向けて

④表彰制度への組込

(28)

年金積立金 管理運用 独立行政法人 (GPIF)  2018年1月に、GPIFの国内株式運用 機関が選ぶ「優れた統合報告書」と「改 善度の高い統合報告書」を公表  統合報告書は企業価値向上のための 建設的な対話のための重要なツールであ り、運用受託機関と投資先企業の双方 向のエンゲージメントに有益との考えから、 企業に同報告書の充実等を促し、投資 家にその活用を働き掛けていく予定 日本投資顧問業 協会  2017年8月に価値協創ガイダンスに関する会員向け研修を実施  多様な属性の会員を擁することを踏まえ つつ、スチュワードシップ責任の在り方など、 その時々で必要とされるテーマに関する 会員向け研修等を実施していく予定 3.今後のアクションに向けて

(参考)投資関連団体の取組

(29)

1.本フォーラムの概要

2.本フォーラムの議論のまとめ

3.今後のアクションに向けて

(30)

“ROEとESGを統合し、

企業価値の持続的な成長を!”

企業価値創造にパラダイムチェンジが起こっている。市

場での製品・サービス競争力のみならず、投資家との

対話・エンゲージメント力が企業価値に重要な影響を

与えるようになった。まさに、情報開示(統合報告

書)と対話と経営力が同期化する時代に入った。

いま進めているガバナンス改革は、資本コストを意識し

た資本生産性(ROE)の向上と、ESG(SDGs)

への絶えざる目配りの両者が相まって、はじめて「実質」

を伴うものとなる。その意味で「ROESG」が今後の重

要なKPIとなろう。

今後は財務情報と非財務情報、有形資産と無形資

産の統合が必須となる。「価値協創ガイダンス」は、そ

れをストーリー化する際の手引きであり、企業経営者と

投資家の共通言語として進化していくことを期待したい。

伊藤 邦雄

一橋大学大学院

商学研究科 特任教授

(31)

 「目的を持った対話」とは、信頼関係を構築しつつ、 企業価値を上げるための経営改善に資する情報、示 唆を得ること。  事前に自社の経営実態を共有し、示唆を得るための ディスカッションにつなげるため統合報告書を発行。投 資家のフィードバックを取締役会に共有。  開示を義務やコストではなく、企業価値を高める投資 にすべき。開示に真摯に取り組み、積極的に投資家 と対話する。  自社のビジネスモデル(特に競合他社との違い)に 対する理解を投資家と共有しないと対話で食い違い が生じる。  信頼関係を得るため、投資家の考えを知る必要。投 資家の質問に答えるだけでなく、背景を投資家に質 問している。 先進的な統合報告書を作るリソースを割けない企業 外部の声を積極的に取り込み、 より良い開示を目指し、投資 家と向き合う姿勢や意欲を持 つようになったきっかけが重要。 【投資家】 対話のフィードバックを取締役 会に伝え、次の開示に反映す るプロセスの機関化が大事。 その前提に、開示や対話に対 する姿勢がある。【投資家】 シンプルなメッセージの方が共 通理解を醸成できる。開示の 網羅性を重視するとストーリー が見えにくくなることがある。 価値協創ガイダンスは、シンプ ルに経営者の考えを伝える枠

“リソースが少ない企業は、統合的開示をシンプルに!

簡潔にメッセージを伝えることが大切”

投資家等のコメント

長谷川

さん

の話

長谷川 直和 さん ダイドーグループ ホールディングス 執行役員 コーポレート コミュニケーション部長 ☞ 開示まとめ資料及び 本フォーラムにおけるプレゼ ン資料はこちら。

(32)

 開示・対話の姿勢を定める上で「経営トップの意識」 が重要。統合報告書の作成はトップダウンで進め、社 長自身が40回ミーティングに参加。  過去の業績悪化時の反省から顧客との対話を重視。 立場が違う人との対話が企業価値向上に役立つとわ かった。これを投資家にも適用できると考えて実践。  長期の環境変化を予測して自社の脅威を洗い出し た。脅威は機会にもなると整理して、戦略とその効果 を説明。  財務情報とのつながりを示すため、非財務情報を「プ レ財務情報」として扱っている。  価値協創ガイダンスは、経営をきちんと説明しているか を判断する材料になる。ガイダンスに照らして人材投 資の額を示すことで、それが一時的なコストでないこと を表現できる。 ガイダンスの「価値観」にあたる 部分で経営トップが重要な経 営課題を示すことで、ストーリー がはっきりとした開示になる。 【投資家】 対話を重視する企業は株主構 成を意識している。 海外の長期投資家との対話も 積極的に進めている。 【投資家】 経営者自身がガイダンスを理解 することが大事。【アナリスト】 加藤 浩嗣 さん 丸井グループ 取締役 上席執行役員 IR部長 経営企画・ESG推進担当 企業の間でガイダンスの認知度 は高まっている。 現場としてどのように経営トップ に重要性を認知してもらうかが 課題。【経営者】

投資家等のコメント

加藤

さん

の話

“経営トップのコミット、価値協創ガイダンスの活用で

企業価値向上につながる投資家との対話を進める”

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(33)

 投資のパッシブ化が進み、アクティブ運用の存在感が 弱まっている。  「短期主義から長期主義へ」という考え方は浸透しつ つあるが、短期的な視点の商品が増えている。  アクティブファンドマネージャーが、運用現場と価値協 創ガイダンスの間に齟齬をきたすことのないよう、どのよ うにESGを含む非財務情報を実務で活用し、長期で 顧客利益を実現するかを率直に議論する場(分科 会)を設立すべき。  ファンドマネージャーは、スチュワードシップ担当者や ESGファンド任せではなく、運用会社のCIOクラスがガ イダンスを読みこみ、当事者意識をもって語るべき。  ガイダンスは使えるのか、どのように活用できるかを議 論することは業界的にも付加価値がある。 ESGという言葉がなかった時代 もアクティブマネージャーや長期 投資家はESGをインテグレー ションして評価していた。【投資 家】 投資家にも色々な層があるの に一括りにされるリスクを感じる。 アクティブファンドマネージャーが 藤野 英人 さん レオス・キャピタル ワークス 代表取締役社長 最高投資責任者 アクティブ運用のアナリストは ガイダンスの有用性を認識。 他方、四半期毎にアセット オーナーへの報告が求められ るため、短期的な業績見通し の質疑を優先し、長期的な 企業価値向上に向けた取組 を話す余裕がない。【投資 家】

投資家等のコメント

藤野

さん

の話

“第一線で活躍するアクティブ・ファンドマネージャーが

率直に議論する場を設けるべき!”

☞ 本フォーラムにおける プレゼン資料はこちら。

(34)

 人的リソースの観点からも、開示情報の重複を防ぎつ つ、速報性のある決算短信のコメント部分を活用する など、網羅性のある効率的な開示のあり方を企業とし て試み、そうした制度を求めている。  上場当時は時価総額も小さく、会ってくれる投資家も 少なかったため、「会ってもらえる投資家には全て会う」 をIRポリシーとした。開示も重要だが、直接、投資家 と会って話すことを重視。  当社はシンプルなビジネスモデル。面談やウェブサイト で理解できるので「統合報告書」の作成は現時点で は必要性を感じていない。  KPIは、決算短信やその補足コメントの中で予め開示。 短信さえ見てくれれば、当社を理解してもらえるように したい。  当社の競合は海外企業であり、海外投資家へのIR 活動に注力。自社を知ってもらうため作成した海外投 資家向け資料には、自然と価値協創ガイダンスの要 素が盛り込まれている。 企業規模等によって、ガイダン スに沿って、まとまった開示資 料を作成するのが難しいことも ある。 その場合、まずは簡潔にビジネ スモデルや財務戦略に絞って 開示しても良いと考える。 【投資家】 「簡素さ(Conciseness)」は レポーティングにおける世界的な 潮流でもある。【投資家】 栁澤 孝旨 さん スタートトゥデイ 取締役副社長兼CFO IRの実効性、効率性を高める ため、投資家をターゲティングし、 それに刺さる開示は何かを考え 抜いた事例は評価できるし、参 考になる。【投資家】

投資家等のコメント

栁澤

さん

の話

“開示情報に重複がなく、網羅性のある効率的な開示

が必要”

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(35)

 統合報告書は、短期的な情報のみならず、長期的 な視点を伝えるものであり、当社にとって「開示の柱」。  経営課題をマテリアリティ・マトリックスで評価し、社会 的課題との関連性を整理して事業に組み込んでいる。  事業を通じた社会課題の解決は当社のDNA。経済 的価値のみならず、社会的価値の創出にも力を入れ ている。  この考えをCSVとして整理し、SDGsとの関係も明確 にしている。今やCSVがグループ内の対話ツール。  CSVは必ずしも短期利益に結び付かず、経済的価 値の評価は難しい。あくまで中長期視点からCSVを 重視。  あるビジネスを買収し数年後に売却。そこでガバナンス やグループ経営の在り方を学んだことが、ビジネスに活 かされている。 投資の失敗等のネガティブ情 報を真摯に示す企業はポジ ティブに評価できる。 経営目標の未達やリスクを隠 さずに開示することは、ベストプ ラクティスになりうる。【投資家】 将来的なリスクなど、一見ネガ ティブで従来開示しなかったこと が開示されると会社理解が深 まり、却って好印象に繋がる。 【投資家】 横田 乃里也 さん キリン ホールディングス 取締役常務執行役員 CFO CIO 本業と社会課題への取組の両 立を図るCSVの取組は素晴ら しい事例。企業との対話の中で 紹介している。【投資家】

投資家等のコメント

横田

さん

の話

“統合報告書は当社のCSVを伝えるための「開示の

柱」”

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(36)

 当社は、業種が異なる複数の事業を持つ。事業ポー トフォリオに対する納得感や説得力を得ることは、投 資家の評価において重要であり、今後の課題。価値 協創ガイダンスを活用したい。  またガイダンスを、長期的な成長ドライバーを特定した り、投資家と企業が認識する課題について、取組が 浅い分野を明確にするために活用。  統合報告等の開示内容とガイダンスの項目を比べ、 差異を分析し、経営における議論に役立てる。  経営統合前には、経営理念や価値観の議論を深め た。また、CSRの優先課題に関するKPI等、非財務 項目と事業戦略との融合を図っている。  他方、投資家の質問は足元の業績、株主還元が中 心で価値協創ガイダンスとのギャップを感じる。 統合されるに伴って、経営者の 間で十分に議論されただけあっ て、経営理念がしっかり書かれ ている。【投資家】 統合会社としてベクトルを1つ に合わせるところで、ESGの取 組が活用されている。 【有識者】 課題とその対応策が書かれて おり、納得感がある。今後、 「将来ありたい姿」にしたがって、 事業ポートフォリオが見直される ことも期待。【投資家】 小野田 泰 さん JXTG ホールディングス 取締役常務執行役員 経営企画部・事業企画 部・IT戦略部管掌 投資家との対話の中のギャップ 分析が丁寧にされている。 【投資家】

投資家等のコメント

小野田

さん

の話

“経営統合に際して経営理念を深く議論。事業ポート

フォリオへの納得感や説得力を得ることが課題”

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(37)

 非財務情報は数値化しない限り、投資家が求める有 効な議論にならない。企業価値につながる情報が開 示され、投資家がそれをバリュエーション(企業評 価)に落とし込む力量が必要。  付加価値を提供するアナリストの育成のため、ニュース 解説から実証的な分析ある評価・意見への転換、 サービス志向からプロダクト志向への転換が必要。 業界全体の変革のため、市場全体を巻き込んだ取 組が重要。  アナリストは決算情報ばかりに注目していたが、今後 は、財政状態、資金フローを含む財務情報に、ビジネ スモデルや戦略等の定性情報がどのように反映される かに目を向けるべき。  日本でもフェア・ディスクロージャー・ルールが本格稼働 することもあり、ファンドマネージャーの質問内容も変わ るだろう。 アナリストが発想転換をして、時 間を作ってIn‐depthレポート (深堀レポート)を書くことが 大事。【アナリスト】 企業、運用会社、セルサイド アナリストが一堂に会し、これま で過剰サービスから一歩引いて、 中長期的に何が大切かを議論 すべき。【投資家】 許斐 潤 さん 野村證券 金融経済研究所長 経営役 セルサイドアナリストが業績予 想値を精緻にやるのは正しい が、バイサイドからすると、ある 程度のところまであれば、むしろ 企業の価値を見出す方に時 間をかける方が有用。【投資 家】

投資家等のコメント

許斐

さん

の話

“付加価値を提供するアナリストを育成するため業界の

変革が必要!”

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(38)

 三軸経営を導入し、経済的な目標だけではなく、社 会軸、環境軸の目標を作り、達成度を役員の業績 評価まで反映。  ESGを企業グループの理念に織り込み、事業との関 係を整理。課題解決への貢献をBlue Value、Rose Valueという独自の指標で定量化している。  「社会課題を解決する能力(Capability)」として の研究開発力は当社の強み。新製品の開発段階か らESG貢献を意識しながら、事業活動を進めている。  開示が不十分な領域は無いか、様々な開示媒体に 関連情報が散らばっていないかといった確認を行うため、 価値協創ガイダンスを用いている。 流行りの3年ぐらいの中期経営 計画ではなく、長期計画に舵を 切って説明されているところが素 晴らしい。【投資家】 非財務のKPIは投資家にとって 重要。数値化・「見える化」はと ても大事。【投資家】 久保 雅晴 さん 三井化学 代表取締役 副社長執行役員 (CFO) 役員報酬とKPIが繋がることは、 信頼感にも繋がる。【投資家】

投資家等のコメント

久保

さん

の話

“事業を通じたESG貢献を定量化。達成度を役員の

業績評価に反映”

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(39)

 サステナビリティ方針を定め、中期経営計画と統合し たサステナビリティ目標とKPIを設定。SDGsの目標達 成に積極的に貢献する。  「事業を通じて解決する社会的課題」と「ステークホル ダーから対応が期待される課題」双方を意識。  取締役会がサステナビリティ課題への取組を監視・監 督することを宣言。経営陣の報酬決定のKPIとして、 サステナビリティ指標の第三者評価を採用。  これらの方針、目標、KPI、進捗状況を統合レポート を含む様々な媒体で開示し、ステークホルダーとの対 話を強化。サイレントマジョリティであるパッシブ(ESG 等)投資家の声なき声に応えるため、積極的な情報 開示が必要。  企業内部への浸透は3年ほどかかった。トップダウンと ボトムアップのアプローチを組み合わせ、時間をかけて 理解を得ることが大事。 非財務情報のKPIが役員報酬 につながっており、開示情報に 信頼感が加わる。【投資家】 事業計画とサステナビリティが一 体化して開示されており、投資 家とも深い議論ができる。 【投資家】 課題と取組方針が明確に示さ れている。各事業とSDGsの 関係および価値創造がすべて 絡み合っていて分かりやすい。 【投資家】 安藤 聡 さん オムロン 取締役

投資家等のコメント

安藤

さん

の話

“コーポレートガバナンス責任を果たすためにサステナビリティ方針を

定め、統合報告などにより公表し、投資家と対話することが必要”

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(40)

 パッシブ運用のスチュワードシップ活動の目的は、株式 市場全体の底上げ。パッシブ運用はBuy&Holdであ ることから長期視点で継続的に取組むESGを軸にエ ンゲージメントを展開している。この際「価値協創ガイ ダンス」を一つのチェックリストとして活用している。  実際のエンゲージメントでは、アジェンダや当社の考え を示すことで対話が円滑に進む。ESGの取組を促す 際にも同業種の情報をまとめるなど、判り易さと関心を 高める工夫をしている。  ESGの取組から効果が出るまでの時間軸を投資家と 企業との間で共有することで対話が円滑に進む。  議決権行使基準は最低限の目線とし、議決権ミー ティングは重要なガバナンスに関わるエンゲージメントと 位置付けて進めている。  気候変動などの課題への対応は、投資撤退(ダイベ ストメント)よりも企業との課題・認識共有や今後の 対応など粘り強くエンゲージメントを続けていくほうが、 より改善に繋がる働きかけになると考える。 問題意識に沿ったアジェンダ 設定し、決算説明とは別に 深い対話ができると有益。 その際、ESGアナリストだけで なく、セクターアナリストも対話 に出席してほしい。 ESGという固有のテーマだけ ではなく、事業そのものについ て、幅広い議論ができる。 【経営者】 寺沢 徹 さん アセットマネジメント One 運用本部 責任投資部長

投資家等のコメント

寺沢

さん

の話

“ESGへの取組みとパッシブ運用のエンゲージメントと

の親和性は高い”

企業と投資家間で考える時間 軸に差がある場合がある。特に ESGに係わる様々な取組みに ついては、両者で時間軸の目 線合わせが必要ではないか。 【経営者】 ☞ 本フォーラムにおける プレゼン資料はこちら。

(41)

 当社では現在、統合報告書を作っていないが、いろい ろなレポートに情報が散在していることを認識。  価値協創ガイダンスに基づいて開示情報を整理する ことで、投資家の求める視点に対して現状必ずしも説 明できていない部分が明確になる。  ガイダンスの趣旨は中長期的なビジョンで自社の成長 性、持続可能性を示していくものと理解。  当社の長期経営ビジョンをベースにして、芯の通った内 容の統合報告書の公表を目指したい。 様々な事業を行っている会社 は、自社の強みを明確に示す ことは難しい。 例えば、強い事業の中に共通 する「仕組み」を見出して説明 することは、投資家の理解を 深めるのに役に立つのではな いか。【投資家】 平林 秀樹 さん 東レ 取締役 CSR全般統括 IR室・広報室・宣伝室統括 総務・法務部門長 東京事業場長 様々な情報開示媒体があり、 今後工夫するとのこと。 「投資家からすると、このぐらい でいいんですよ」というやり取り が、(ガイダンス含め)共通 言語としてできればよいと思う。 【投資家】

投資家等のコメント

平林

さん

の話

“長期経営ビジョンをベースに、芯の通った統合報告を

目指したい!”

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(42)

 投資家が求める「中長期的な企業価値創出の取 組」を、ストーリーを持って表現するために統合報告書 を作成。  評価・格付機関は、詳細なデータだけで得点化する。 この評価を向上させるには、彼らの基準を踏まえた開 示が必要。多くの人的リソースを割いて「データブック」 も作った。  本来は、統合報告書による価値創出ストーリーがあり、 データブックはそれを補完するもの。評価・格付機関は 分かりやすいのでデータブックのみに焦点を当てる傾向 がある。  投資家には、企業もデータだけでなく、価値協創ガイ ダンスにあるような価値創出や成長の道筋をなぜ求め ているのか、また、これに沿った統合報告書の内容を 投資判断にどう役立てるかという点を明らかにしてほし い。 投資家がどのようにESG情報 を活用しているのかという点に 不安を持っている企業は多い。 ミーティング等で、運用プロセス を可視化して説明することで、 納得感を醸成したい。 【投資家】 強みがある事業の共通項目を 見せてもらえると、投資家として は理解しやすいのではないか。 【投資家】 藤村 武宏 さん 三菱商事 サステナビリティ推進部長 戸出 巌 さん 三菱商事 取締役 常務執行役員 コーポレート担当役員 (事業投資総括、サステ ナビリティ推進) 評価機関の考え方が、本来、 長期投資家が用いているフレー ムワークと整合的かを見直す機 会があってもよいのでは。 【投資家】

投資家等のコメント

藤村

さん

の話

“価値創造のストーリーを示した統合報告書を読んで

もらいたい!”

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(43)

 外部環境の変化で、以前は強みだったことが今の弱 みにもなり得る。継続的な見直しが必要。  情報発信の相手は、機関投資家だけでなく、一般投 資家や従業員も含む。それぞれのステークホルダーがど れだけの情報を望んでいるのかを見極めるべき。  これまでは財務戦略が中心で非財務はコストだった。 今後は、非財務戦略を投資と捉え、財務と非財務の 両立を図っていく。  株主総会が東京開催だけでは地方の方は来られな い。西日本の株主様のために、大阪で個人株主説 明会を実施。  統合報告書でかなりの部分をカバーしたつもりだったが、 価値協創ガイダンスによって、弱い部分や抜けている 部分が明確になった。統合報告活動を、社員が自分 事とできるようにしていきたい。 企業の商品が身近なものであ るほど、商品性に目が行き、企 業の持つ本当の「強み」と乖離 してしまう。統合的開示におい て「強み」をどのように表現する か検討してほしい。【投資家】 何年にもわたってバージョンアッ プしている花王の業務革新活 動は、見えざる資産。それをどう やって見せていくかが重要。 【有識者】 上山 茂 さん 花王 常務執行役員 経営サポート部門統括 「枝葉」の情報拡充ではなく 「幹」の部分の充実が重要。そ れを投資家と企業が確認する ためにもガイダンスは有用。 【投資家】

投資家等のコメント

上山

さん

の話

“非財務戦略はコストでなく投資。財務と非財務の

両立を図っていく!”

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(44)

 企業と投資家の対話を深める共通言語と統合的思 考が必要。統合報告書を作ること自体ではなく、統 合的に思考することが大事。  価値協創ガイダンスによって、企業との対話において 最初の話題から芋づる式に他のトピックに議論が移る ときに、それぞれの因果関係を踏まえながら議論を整 理することができる。  投資においては、①対象企業の選択、②投資視点 の選択、③企業価値評価、④投資判断の4つのプロ セスを踏む。ガイダンスはこの中で「企業価値評価」と 「投資判断」の確信度を高めるために使う。  ガイダンスは社内でも使える。例えば、社外取締役が このガイダンスを利用しながら取締役会で質問する。 または、マテリアリティの特定にも活用できる。新任社 長が、投資家とのIRミーティングにおいて、どういうこと に注意したら良いか考える際に便利なツール。 三瓶 裕喜 さん フィデリティ投信 ヘッド オブ エンゲージメント どの投資家なら自社の考えを 理解してくれるかという視点も 必要。投資家の特徴を見なが ら話す内容を絞り込んで軸足 を決めていくプロセスも大事。 【経営者】 ガイダンスは経営者が統合的 に企業価値を伝えるための有 益なツールだが、企業のみなら ず投資家も同ツールの使い方 について深く学ぶことで、より建 設的な対話が実現できるので はないか。【経営者】

投資家等のコメント

三瓶

さん

の話

“統合報告書を作ること自体でなく、統合的思考が

大事!”

☞ 本フォーラムにおける プレゼン資料はこちら。

(45)

 統合的開示の事例では、自社の歴史と強みを結び 付けた分かりやすい解説や、経営計画の進捗状況を 数値のみならず具体的な戦略と併せて掲載するなど の工夫を行っている。  統合報告書を作成する担当者は、価値協創ガイダン スを理解した上でストーリーおよびコンテンツの検討を 行っている。一方、事業環境や自社の戦略によって投 資家に伝えたいメッセージは変わると考えており、各コ ンテンツのメリハリを利かせるように工夫している。  今後は、コンテンツの選別や充実、価値協創ガイダン スを踏まえたストーリー性の向上、分かりやすい表現へ の改善や、ESG情報を定量的に示すといったことにも 取り組みたい。 湯浅 隆行 さん 東京海上 ホールディングス 専務取締役 グループCFO ビジネスモデルが示されている 統合報告書は多いが、自社 のファイナンスやバランスシート マネージメントについての記載 が欠如しているものが多い。 他方で、同社のように、資本 配分に係るファイナンスの議 論がしっかり盛り込まれた、よ い統合報告書を作成してい る企業もある。【投資家】

投資家等のコメント

湯浅

さん

の話

“今後、統合報告書作成では価値協創ガイダンスを踏

まえたストーリー性の向上等に取り組む”

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(46)

 当社はエンゲージメント内容を項目別に類型化。各 種項目と価値協創ガイダンスを照らし合わせると、か なりの部分が重複、網羅的に対応できていた。  価値協創ガイダンスは、投資家にとっては企業価値を 見る上での「入り口」として相応しい。各投資家がガイ ダンスを認識して、これを包含した上で独自の見方を 構築していくことが大事。「守破離」の概念で「離れす ぎずに独自性を出す」ことが重要。  企業には、価値協創ガイダンスをベースに経営上の課 題を認識して行動計画を考え、それを開示していただ きたい。投資家がこれをモニタリングすることにより、イン ベストメントチェーンのPDCAが成立する。  統合報告書には、企業独自の強み、競争力源泉を 可能な限り開示してほしい。  統合報告書はコンパクトかつ詳細に作っていただきた い。ハイライトとアペンディクスという項目分け等の工夫 により可能だと思う。 堀井 浩之 さん 三井住友信託銀行 スチュワードシップ推進部長 チーフ・スチュワードシップ・ オフィサー 開示を考える際に価値協創ガ イダンスは「基本の型」として有 用なツールとなるだろう。ただし、 良い意味の「型」であり、ボイ ラープレートとして用いるべきで はない。【投資家】 社内のアクティブ運用のアナリ ストやパッシブ運用のESGアナ リストから、価値協創ガイダン スは基本的な内容がよく整理 されているというポジティブな フィードバックを受けている。特 に経験が浅いアナリストにとっ て、対話における有用なツー ルとの評価がある。【投資家】

投資家等のコメント

堀井

さん

の話

“投資家は価値協創ガイダンスを認識した上で独自の

見方を構築していくことが大事”

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(47)

 上場企業が重要視し、開示している割合が高い項目 は「価値観」と「ビジネスモデル」。一方、重要視してい るが開示している企業の割合が低い項目は「戦略」、 「成果と重要な成果指標」、「持続可能性・成長性」。  価値協創ガイダンス、IIRCフレームワーク、GRIガイド ラインの3指針のうち、価値協創ガイダンスの活用度が 最も高いという調査結果が出た。  ガイダンスの認知や理解を深めるとともに、企業の規 模や業態を踏まえた活用を呼び掛けることが重要。  中長期的視点の対話に向けて、既に取組をしている 大規模企業には対話での積極活用を、取組が進ん でいない小規模企業には、リソースを補う仕組の提供 を、投資家と協力して進めるべき。 佐藤 淑子 さん 日本IR協議会 専務理事 売上高が小さい企業において 価値協創ガイダンスへの期待・ 関心が高いことには驚いた。こ れをよい循環につなげたい。 【投資家】 価値協創ガイダンスのそれぞ れの項目がどう関連付けられ ているかが重要である。例えば、 経営理念がどう戦略やガバナ ンスにつながっていくのかという 点が重要であり、その辺りに関 連する質問をアンケートに入 れてもよいのではないか。 【投資家】

投資家等のコメント

佐藤

さん

の話

“価値協創ガイダンスの認知や理解を深め、企業の規

模や業態を踏まえた活用を呼び掛けることが重要”

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(48)

 投資家はその判断において、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)要 因に関する情報を個別に活用するわけではなく、企業価値創造プロセスに 影響する重要度を鑑み、統合して活用する。このため、ESGの統合的な開 示が重要となる。  また、投資家にとって、ESG要因は企業価値創造に関わっているからこそ意 味がある。この点、価値協創ガイダンスによる開示手法は有用である。  企業開示はそれが企業行動につながってこそ、投資家にとって意味がある。 企業は企業活動への反映状況を示す必要がある。 井口 譲二 さん ニッセイアセットマネジメント チーフ・コーポレート・ガバナンス・オフィサー 上席運用部長(投資調査室)  長期投資家が求めるエッセンスが価値協創ガイダンス上に示されており、企 業が長期投資家に対してアピールする、つなぎ止める際に有用なツールにな るだろう。このことが企業にとって価値協創ガイダンスを用いるインセンティブ、 活用によるメリットになるのではないか。  価値協創ガイダンスの示す要素に該当する情報を、形式的に羅列するだけ では、面白い取り組みや開示が非常につまらない代物になってしまい、ア ピールにはならない。価値協創ガイダンスの取組が、単なる形式的な情報の 羅列にならないよう注意するべきだろう。 江良 明嗣 さん ブラックロック・ジャパン インベストメント・スチュワードシップ部長

(49)

 株価の理論値は将来キャッシュフローの現在価値。  不確実な将来を長期にわたり予測するには、財務化前の非財務要素の収 益機会やリスクの財務分析への統合が不可欠。  ESGインテグレーションやマテリアリティは、当該思考の長期的投資家にとり 親和性が高い概念。  財務、非財務を統合した価値協創ガイダンスは、企業が各項目のつながり を有機的に示し、投資家が理解した上で長期の予測に反映するプロセスに 貢献。  対話では、ガイダンスを教条的、網羅的に使うのではなく、長期的価値創造 に向け、企業毎の課題につき議論を深めることに意義。 小口 俊朗 さん ガバナンス・フォー・ オーナーズ・ジャパン 代表取締役  日本版スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードが導入され、 上場企業の資本コストに対する意識の高まりと同時に機関投資家もインベ ストメントチェーンにおける役割に対する認識が一段と深まった。  フォーラムを通じて価値協創ガイダンスが企業と投資家の認識ギャップを埋め る大切な役割を果たせるという共通認識ができたと考える。既に統合報告 書を作成している企業も検討中の企業も、このガイダンスを準拠のひとつとし て活用することで開示が更に改善される事を期待している。  長期投資家としては投資先企業との対話等において積極的に活用し企業 価値向上に繋げてゆきたい。 銭谷 美幸

参照

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