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北村寿宏島根大学地域未来協創本部産学連携部門

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(1)

MOT の背景と概要

島根大学

北村 寿宏

島根大学 地域未来協創本部 産学連携部門

(「MOT基礎概論」 第2回) 1

島根大学

Confidential

講義資料と講義の動画について お願い

・講義資料と動画は,島根大学の講義のために用意されたもの です.

・受講生が講義の資料として利用することのみ許可します.

・講義以外の目的で,無断で使用することを固く禁じます.

・受講生以外に渡す,インターネットなどで公開する,講義の受 講の目的以外で利用するなどの行為は,著作権の侵害になり,

罰せられることがあります.また,損害賠償を受ける可能性もあ ります.

・講義の資料や動画の取り扱いには,十分に注意してください.

・この講義に限らず,他の講義でも同じです.

(「MOT基礎概論」 第2回) 2

(2)

島根大学

・ MOT って何?

・なぜ, MOT が必要になったの?

第1章

背景と MOT の概略を理解する.

(「MOT基礎概論」 第2回) 3

島根大学

Confidential

「 MOT 」って,ん,何??

・新しいアイデアを,

・具現化して,

・生産し,

・世の中で売って,

・事業を継続していく.

MOT : Management Of Technology

技術をうまく使って,

新しい事業を立ち上げ,継続していくこと.

その一連の知識.

(3)

島根大学

・新しいアイデアを,

・具現化して,

・生産し,

・世の中で売って,

・事業を継続していく.

・その他

・調査,研究,問題意識,課題 事業環境の分析,自己分析・・・・

・技術,試作,改良,評価・・・・

デザイン,パッケージ,名称,・・・・

・生産工場,生産技術,品質管理,

生産計画,・・・・・

・流通経路,プロモーション・・・・・

品質保証,アフターサービス,返品,・・・・

・知的財産権の保護,需要予測,

改良製品の開発,バリエーション,

アップグレード,・・・・・・

・資金確保,会計,

人事(ヒューマンリソース),

リスクマネジメント,法務,

アライアンス,・・・・・

(「MOT基礎概論」 第2回) 5

島根大学

Confidential

1. MOT が必要になった背景 2. MOT の概略

(「MOT基礎概論」 第2回) 6

(4)

島根大学

1)社会の変化

国際競争力の低下 2)製造業の変化

パラダイムシフト

(「MOT基礎概論」 第2回) 7

島根大学

Confidential

日本の 貿易概況

(ドル建て)

2000 2005 2010 2015 2017

総額 480,701,008 598,215,206 767,025,013 625,067,631 697,220,513

食料及びその他 1,968,415 2,663,520 4,370,704 4,805,271 5,682,690 工業用原料 83,383,006 125,204,381 191,743,123 150,891,621 161,643,096   粗原料 3,165,593 6,617,791 10,506,909 9,168,854 11,530,704   鉱物性燃料 1,741,328 4,570,243 13,234,381 10,980,846 9,610,726   化学工業生産品 34,555,535 52,122,420 76,515,228 61,604,187 69,877,180

  金属 20,110,620 35,064,057 57,009,217 42,187,152 41,635,916

資本財 289,459,579 329,420,493 404,174,326 315,527,657 354,228,872   一般機械 103,453,651 121,711,274 151,924,457 119,491,692 139,696,672   電気機械 116,471,850 123,173,484 135,337,679 102,493,683 108,574,672   輸送機器 40,443,323 55,718,420 85,831,665 65,341,370 69,551,927 非耐久消費財 3,602,260 3,883,384 5,106,872 4,642,526 6,730,408   繊維製品 777,889 747,397 802,986 678,366 924,836 耐久消費財 83,909,367 108,711,157 114,415,837 104,483,387 113,896,375   家庭用電気機器 2,266,145 2,504,306 1,257,980 1,218,810 1,310,906   乗用車 57,015,057 79,989,120 89,948,699 85,980,275 93,224,289

その他 18,378,382 28,332,272 47,214,150 44,717,169 55,039,071

2000年 2005年 2010年 2015年 2017年

総額 381,100,394 518,637,785 691,447,208 648,342,714 670,970,646

食料及びその他 45,422,845 50,067,438 58,761,029 58,084,100 61,908,747 工業用原料 159,272,946 243,058,870 361,877,784 299,209,104 294,180,394   粗原料 21,863,245 28,253,793 49,195,690 34,845,460 37,398,961   鉱物性燃料 77,381,025 132,204,464 197,755,228 150,708,098 140,837,264   化学工業生産品 25,391,402 37,645,831 58,670,871 61,547,614 64,824,915

  金属 14,614,992 20,705,675 26,992,937 20,957,700 23,632,596

資本財 105,673,460 133,681,449 162,942,707 179,269,092 191,524,117   一般機械 42,083,304 51,954,682 55,518,133 59,063,696 64,033,611   電気機械 48,969,227 59,561,924 82,948,371 92,187,380 91,308,217   輸送機器 6,107,045 9,980,331 11,943,988 16,032,875 16,483,726 非耐久消費財 31,012,523 37,133,752 44,651,450 46,814,683 50,833,773   繊維製品 20,603,249 23,692,706 28,054,008 29,894,487 30,972,329 耐久消費財 31,090,742 42,078,904 45,564,106 48,947,990 55,979,675   家庭用電気機器 4,791,000 7,466,142 8,689,550 6,800,316 8,338,306   乗用車 6,978,781 8,138,658 6,435,106 8,970,324 11,090,167

財輸出

財輸入

(5)

島根大学

*IMD国際経営開発研究所ランキング

(国際競争力の比較)

「経済状況」=国内経済、貿易、国際投資、雇用、物価

「政府の効率性」=公的財政、財政政策、国家制度、産業制度、教育

「企業の効率性」=生産性、労働市場、金融市場、経営慣行、国際化

「インフラ」=基礎インフラ、技術インフラ、科学インフラ、

衛生・環境、評価制度

の4分野・全331の項目で順位をつけ、総合的に分析したもの。

©Techno Integration Co. 出川氏資料

(「MOT基礎概論」 第2回) 9

島根大学

Confidential

1 1 2

3 4 4

17 20

24 21

23 27

25 23

21 19

16

24 22

17

27 26 27

24 21

27 26 26 25 30

34

0 5 10 15 20 25 30 35 40

90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16 18 20

順位

年 (西暦)

USA ドイツ イギリス フランス 日本

96-99

日本の競争力の 急激な低下!

(「MOT基礎概論」 第2回) 10

(6)

島根大学

IMD最新ランキング(2020)

http://www.imd.ch/research/publications/wcy/

日本のポジショニング:34位(先進国63ケ国中)

日本は、雇用、科学インフラ,健康などの項目で上位を得た。ただ、

物価,生産性,マネジメント実践力などで厳しい評価を受け、順位を 下げた。

the WORLD competitiveness SCOREBOARD 2020 1.シンガポール

2.デンマーク 3.スイス 4.オランダ 5.香港6.スウェーデン 7.ノルウェイ 8.カナダ 9.UAE 10.USA

・・・・・

34.日本

*IMD国際経営開発研究所IMDランク:

「経済状況」=国内経済、貿易、国際投資、雇用、物価

「政府の効率性」=公的財政、財政政策、国家制度、産業制度、教育

「ビジネスの効率性」=生産性、労働市場、金融市場、経営慣行、国際化

「インフラ」=基礎インフラ、技術インフラ、科学インフラ、衛生・環境、評価制度 4分野・全331の項目で順位をつけ、総合的に分析したもの。

2019年のランキング 1.シンガポール 2.香港

3.アメリカ 4.スイス 5.UAE 6.オランダ 7.アイルランド 8.デンマーク 9.スウェーデン 10.カタール

・・・・・

30.日本

(「MOT基礎概論」 第2回) 11

島根大学

Confidential

表 各分野での順位

*IMD国際経営開発研究所IMDランク:

「経済状況」=国内経済、貿易、国際投資、雇用、物価

「政府の効率性」=公的財政、財政政策、国家制度、産業制度、教育

「ビジネスの効率性」=生産性、労働市場、金融市場、経営慣行、国際化

「インフラ」=基礎インフラ、技術インフラ、科学インフラ、衛生・環境、評価制度 4分野・全331の項目で順位をつけ、総合的に分析したもの。

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 Overall Rank 24 22 17 27 26 27 24 21 27 26 26 25 30 34 Economic

Performance 22 29 24 39 27 24 25 25 29 18 14 15 16 11 Government

Efficiency 34 39 40 37 50 48 45 42 42 37 35 41 38 41 Business

Efficiency 27 24 18 23 27 33 21 19 25 29 35 36 46 55 Infrastructure 6 4 5 13 11 17 10 7 13 11 14 15 15 21

(7)

島根大学

13

表 世界の一人当たりの名目

GDP

ランキング (

2015

年)

順位 名称 単位: USドル 順位 名称 単位: USドル

1位   ルクセンブルク 101,994.09 16位   オランダ 43,603.12

2位   スイス 80,675.31 17位   カナダ 43,331.96

3位   カタール 76,576.08 18位   香港 42,389.63

4位   ノルウェー 74,822.11 19位   フィンランド 41,973.99

5位   マカオ 69,309.42 20位   ドイツ 40,996.51

6位   アメリカ 55,805.20 21位   ベルギー 40,106.63 7位   シンガポール 52,887.77 22位   フランス 37,675.01 8位   デンマーク 52,114.17 23位   ニュージーランド 37,044.89 9位   アイルランド 51,350.74 24位   アラブ首長国連邦 36,060.02 10位   オーストラリア 50,961.87 25位   イスラエル 35,343.34 11位   アイスランド 50,854.58 26位   日本 32,485.55 12位   スウェーデン 49,866.27 27位   イタリア 29,866.58 13位   サンマリノ 49,846.90 28位   クウェート 29,363.03 14位   イギリス 43,770.69 29位   ブルネイ 28,236.64 15位   オーストリア 43,724.03 30位   韓国 27,195.20

出典:http://ecodb.net/ranking/imf_ngdpdpc.html

国内総生産(GDP):

一定期間に,企業が財やサービスの市場で自身の最終財やサービスを売り,その対価として得たお金の総額.

ただし,企業が中間財やサービスを売ることで得たお金は含まない.

GDPは財やサービスの付加価値の合計に等しい.

付加価値 付加価値(加工高)=売上高-(材料費+買入部品費+外注工賃) 付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費

(「MOT基礎概論」 第2回) 13

島根大学

Confidential

14

なぜ,日本の国際競争力が低下したのか?

一言で言うと

世界情勢の変化に,

日本の社会の仕組みが ついて行けなくなった

(「MOT基礎概論」 第2回) 14

(8)

島根大学

1)社会の変化

国際競争力の低下 2)製造業の変化

パラダイムシフト

パラダイム:

ある時代に支配的な物の考え方・認識の枠組み.規範.

(「MOT基礎概論」 第2回) 15

島根大学

Confidential

パラダイム,パラダイムシフト

三省堂ワードワイズ・ウェブ

http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/topic/10minnw/015paradigm.html

パラダイム(paradigm)とは,ある時代や分野において支配的規範となる

「物の見方や捉え方」のこと.

狭義には科学分野の言葉で,天動説や地動説に見られるような「ある時代 を牽引するような,規範的考え方」をさす.このような規範的考え方は,時代 の変遷につれて革命的・非連続的な変化を起こす事があり(=天動説から 地動説への変化など),この変化をパラダイムシフトと呼ぶ.シフト前後の考 え方に対して、優劣などの価値判断を行わない概念である点に注意.

パラダイムと呼ばれる「物の見方や捉え方」の特徴

1)パラダイムは、ある時代や分野において「多くの人に共有されて、支配的 な規範として機能」する.

2)異なるパラダイムの間では「互いの考え方が相容れない」場合がある.

3)パラダイムは時に「革命的で非連続的な交代」を遂げることがある.

近年、ビジネスや経済の分野では「年功序列主義から成果主義へ」「地域経 済からグローバル経済へ」などのパラダイムシフトが多く起こっている.

(9)

島根大学

1 パラダイムシフトとは:基本枠組みの変化 日本の製造業がなぜ急に弱くなったのか?

逆になぜ、これまで世界一強かったのか?

→高品質、均質、低コスト・・・プロセスイノベーションの時代

→教育、評価制度、効率的組織・・・すべて「集団管理」体制に向 いていた

→集団横並び、年功序列、ピラミッド型組織、はみ出しを許さな い社会、リスクはすべて避ける、戦略より戦術・・・・・・企業・教 育制度も同じ・・・「個別マネジメント」体制ではなかった。

©Techno Integration Co. 出川氏資料

事業のパラダイムシフトが起こっている

(「MOT基礎概論」 第2回) 17

島根大学

Confidential

事業のパラダイムシフトが起こっている

2 プロダクトイノベーションの時代へ

・・・ひらたくいうと、「どう造る」から「何を創る」への転換

・どうつくる:作るものが決まっていた:造る

・何をつくる:作るものが決まっていない:創る

→いかに他人より早く、うまくはみ出すか、リスクをとるか・・

⇒「個別マネジメント」の対応が必要

©Techno Integration Co. 出川氏資料

(「MOT基礎概論」 第2回) 18

(10)

島根大学

概要 つくる 意味

何をつくる

(製品は誰が決める)

実際の技術者 の仕事 プロセス

イノベー ション

どう つくる?

(供給 不足)

作る 造る

(製造 主導)

・あらかじめ(例えば経営 者によって)決められてい

・作れば売れる時代の産物

・量産技術

・コスト ダウン技術 プロダクト

イノベー ション

何を つくる?

(供給 過剰)

創る

(開発 主導)

・何を作ればよいか不透明 な時代に,マーケティング 責任者が決めていく.

・顧客に必要なものか,格 段に技術レベルが高いも のが付加価値がある.

・真似のでき ない技術

・開発スピー

のある技術

プロセスイノベーションと

プロダクトイノベーションの特徴

MOTの基本と実践がよ~くわかる本」 出川通, 秀和システム 2009

(「MOT基礎概論」 第2回) 19

島根大学

Confidential

プロセスイノベーションと

プロダクトイノベーションの特徴

MOTの基本と実践がよ~くわかる本」 出川通, 秀和システム 2009

製品 勝つビジネス形態 イノベーシ ョンの目標 プロセス

イノベー ション

・量と価格で世界一

・中の上のものを安く 作 る こ と が 日 本 の 生 きる道

・ダントツのシェアを持 No.1 大企業

・製造に特化した専門工 場企業

・成長

・量の拡大

プロダクト イノベー ション

・ユニークな品質と機 能で世界一

・真似のできないクリ エ イ テ ィ ブ な も の を 作 る こ と が 日 本 の 生 きる道

・ダントツの技術力,開 発力を持つニッチトッ プ.

・どの分野でも OK.

・中小規模の企業

・発展

・質の転換

(11)

島根大学

©Techno Integration Co. 出川氏資料

©TECHNO INTEGRATION CO 21

欧州 米国 日本 韓・台

中国

1940 50 60 70 80 90 2000 2010 2020

第二次世界大戦

プロセス・

イノベーション

ステージ 遷移

ポイント

プロダクト・

イノベーション ステージ

青いところをやっていたら、日本では食えない!

図 各国のイノベーションのステージ・イメージと遷移ポイント

(「MOT基礎概論」 第2回) 21

島根大学

Confidential

パラダイムシフトにおける組織と個人

©Techno Integration Co. 出川氏資料

(Stage0)シフト前 (Stage1)パラダイムシフト初期

(大きな組織は動きが鈍い)

中組織

小組織 下請業者

大組織 個人

ベンチャーの発生

(枠組みの移動:プロ セスからプロダクトイ ノベーションへ)

(「MOT基礎概論」 第2回) 22

(12)

島根大学

パラダイムシフトにおける組織と個人

(Stage2)パラダイムシフト中期

(中企業やコーポレートベンチャーの移動)

(Stage3)パラダイムシフト末期

(大きな組織も移動、取り残される個人も)

ベンチャー

コーポレート

ベンチャー (取り残される個人)

ベン チャーの 吸収

©Techno Integration Co. 出川氏資料

(「MOT基礎概論」 第2回) 23

島根大学

Confidential

企業規模別の分極化(2極化)現象

① 大企業

② 中企業

④ 個人

①-1 製品差別化と大量生産の実施: 業界No.1企業

①-2 2流製品(競合-台湾,韓国等と競合品)生産会社:

コストで勝負となる(量産のみのコストダウン)

②-1 差別化,特許技術による高収益ニッチでの量産製品:

No.1企業(Only One)・・・・・・・欧州の企業例多し

-2 大企業の一部 下請けによる生産会社:コスト(低賃金,

管理費小の中規模を活かすコストダウン)

③-1 ユニークな技術,モデルによる開発主体の企業:

(高収益であるが量は稼がない)・・・欧米のVB多し

④-2 指示・命令されたことだけを行なう(肉体労働者)

③ 小企業

③-2 零細・下請け企業 低賃金,スピード,対応力(徹夜対応)

④-1 新しいことを創出・提案(知能創造者)

(13)

島根大学

◆社会の変化(国際競争力の低下)

・モノやサービスの供給量が需要を超越した時代

・グローバル化の急進

・インターネットの普及(情報の入手が容易)

・新興国の発展

◆製造業の変化

⇒製品のコモディティ化が進んだ

・同じ性能なら安い方がよい

・日本では競争優位が維持できなくなった.

★プロセスイノベーションから

プロダクトイノベーションへの転換

背景=まとめ

(「MOT基礎概論」 第2回) 25

島根大学

Confidential

◆プロセスイノベーションからプロダクトイノベーションへ 製品(商品)をどのように作るか

何を作るか への変化 顕在化したニーズへの対応

潜在的なニーズへの対応

ニーズそのものを自ら生み出す

◆イノベーションの創出(これまでにない新しいこと)

技術も不確定,お客さんも不確定

⇒マネジメントが必要

★ MOT が必要 ★

(「MOT基礎概論」 第2回) 26

(14)

▼イノベーション, innovation

島根大学

◆「技術革新」と訳されることが多い.

◆シュンペーター(経済学者)

イノベーション=知識の「新統合」による新しい変化

(既存の価値を破壊して新しい価値を創造していくこと)

①新しい財貨(新しい製品やサービス)

②新しい生産方法

③新しい販路の開拓(新しい市場と買い手)

④原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得

⑤新しい組織の実現(独占的地位)

◆これまでのモノ,仕組みなどに対して,全く新しい技術や 考え方を取り入れて新たな価値を生み出し,社会に大きな変 化を起こすこと.

(「MOT基礎概論」 第2回) 27

島根大学

Confidential

▼イノベーション, innovation

・新しい知識を活かして経済を活性化していくこと

・新しい経済的価値を創造していくこと

・新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を 創造し、社会的に大きな変化をもたらす変革

新しい知識の創出とその活用が重要な役割を果たす.

(15)

▼「新しいことを進める」と言うことには,

島根大学

見本はない

どこに向かって進むのか :ビジョン どこまで進むのか :目標設定 どうやって進むのか :実行

うまく進んでいるのか :チェック,確認 進んでいる間にも環境は変化する.

⇒“管理”ではなく,“マネジメント”が必要.

(「MOT基礎概論」 第2回) 29

島根大学

Confidential

1. MOT が必要になった背景 2. MOT の概要

(「MOT基礎概論」 第2回) 30

(16)

MOT の役割と視点

島根大学

製造業において,技術や 商品に関する戦略的・組 織的なマネジメントを行う

製造業の付加価値創造 を最大化する

◆企業の目的

・使った経営資源(人,もの,金,

時間)に対して,より多くの価値 を創造すること.

・製造業にとっては,技術や製 品を通した付加価値創造が最 重要課題である.

技術

価値創造 インプッ付加価

売価

お客さんがほしがる何か

価値獲得

(お客さんが 買ってくれる価格)

アウ アウ

(「MOT基礎概論」 第2回) 31

島根大学

Confidential

生産高=外部購入価格+付加価値

(アウトプット) (インプット)

外部購入価格=原材料+外注費+動力費など

付加価値=税引き後純利益+支払利息+人件費など

付加価値とは「素材を生産によって加工することで新たに加えられた価値」

機能的価値:技術・性能・効果・ノウハウ・情報・サポート・量・利便性・早い・軽い・使いやすい・といった機能に 関する価値

情緒的価値:共通点・イメージ・装飾・デザイン性・物語性・安心感・親近感・高級感・充実感・かっこいい・可愛 い・面白い・好き・といった感情に関する価値

自己表現的価値:「この人みたいになりたい」「この人みたいなライフスタイルを手に入れたい」といった自己実 現に関する価値

(17)

島根大学

研究 開発 設計 製造 物流 販売

研究 開発 設計 製造 物流 販売

◆プロセス・イノベーション

どうやって(安く)商品を作れるか,届けられるか?

◆プロダクト・イノベーション

顧客に求められるどんな製品を作ればよいか?

従来の付加 価値の源泉

今後の付加 価値の源泉

(「MOT基礎概論」 第2回) 33

島根大学

Confidential

例えば, アイデアから商品へ

こんな物(アイデア)を作って利益を得よう・・・

⇒商品(利益を上げられる製品)にしなければならない

・アイデアが出てくるためには(研究,発想)

(世の中のニーズ調査,研究成果の発展,自社の強み・・・・)

・アイデアが世の中で受け入れられるのか? (マーケティング)

・その「物」がすぐに作れるのか? (開発)

・自社だけでできるのか(連携,アライアンス)

・作ってはみたものの(試作,改良)

・どうやって製造するのか(製造,工場,資金)

・どうやって売るのか(販売企画,販売ルート)

・他社にまねされたくない.(知財管理,情報管理)

・・・・・・

(「MOT基礎概論」 第2回) 34

(18)

島根大学

図 研究・開発の事業化・産業化への過程

研究

数百~数千万円

開発 事業化 産業化

•世の中にないシーズ の創出

各種基礎技術の基盤 技術化

数千万~数億円 数億~数十億円 数十億~数百億円

•マーケティングによる 製品仕様を絞った製品 開発

•研究を開発に強力に 転換要

•開発製品の市場投入、

事業化、黒字化

製品を商品に(マーケ ティングからセールス に)

•事業の拡大戦略

事業部規模による販 売・生産(工場)体制

継続的な商品投入・量

( 研究所 )

(開発センター・

開発プロジェクト)

(マーケティング)

(事業推進部・

事業化プロジェクト)

(事業部、生産工場、管 理部)

内容の ポイント

企業の中 の組織

売上・

費用規模

©Techno Integration Co. 出川氏資料

科学研究

(「MOT基礎概論」 第2回) 35

島根大学

Confidential

図 事業化とは「製品」と「商品」の違い

製 品

開発ステージにおいて各 種技術シーズを用いて 完成する。

商 品

マーケティングによるポ テンシャル顧客の主要 ニーズ(仕様)を満足した 材料・装置・部品・システ ム等

顧客によって実際に購入 され、製造上も利益が得 られる(見込みを含む)

材料・装置・部品・システ ム等

事業化ステージにおいて、

営業、製造機能も含めて 検討し、完成する。

死 の 谷

(19)

図 3つの障壁(溝)の克服手段

島根大学

研究 開発 事業化 産業化

原因の例

•研究と開発はベクトルが異 なることに起因、ベクトルは 研究はシーズ指向、開発は ニーズ指向

•開発は「製品開発」のことが 多い。これを「商品開発」とす るために顧客対応が必要。

•経営として販売(営業)、生 産(工場)、開発等一体と なった事業経営体制が必要。

タイミングのよい大幅な投 資が必要

克服手段

•研究成果をもとにマーケ ティングにより開発ターゲッ トを明確にして研究成果を 開発プロジェクトへ移す。

•マーケティングから販売に軸 足を移す。営業、製造を含め た事業化プロジェクトとして顧 客対応体制を明確にしていく。

•事業分野がよく分かってい る経営者によるリーダーシッ プとリスクテーキング(管理)

魔の川

(デビルリバー)

死の谷

(ディスバレー) ダーウィンの海

©Techno Integration Co. 出川氏資料

(「MOT基礎概論」 第2回) 37

島根大学

Confidential

絞込み、集中型のマネジメ ント

拡大への経営判断

(設備、人員、開発投資タイ ミング)

ニッチからメジャーへ

発散型のマネジメント

客先の拡大と明確化

社内調整

(工場・営業)

ニッチ展開

収束型のマネジメント

マーケティングによる市 場ニーズ(仕様)がターゲッ

発散型のマネジメント

大きな流れからはずれない

基盤的 技術の取り揃え・強

(主力事業への展開)

競合に勝つ経営

集中・拡大戦略

(生産、販売、A/S

(事業のスタートアップ)

(製品開発)

(シーズ発掘)

産業化 事業化

開発 研究

技術シーズ 技術シーズ

製品ニーズへ 集約

製品

顧客へ販売・納入

(商品へ)

魔の川 死の谷

©Techno Integration Co. 出川氏資料

図 研究・開発・事業化・産業化各ステージのもつ 本質的なイメージとマネジメントの特徴

(「MOT基礎概論」 第2回) 38

(20)

島根大学

死の谷を渡り切るには

・試作品,製品段階からお金を稼げる

・製品から商品に転換するプロセス

・商品へと洗練される見直しプロセス

・思い込みによる無駄な開発要素は無いか など

(「MOT基礎概論」 第2回) 39

島根大学

Confidential

技術をもとにした新規事業展開(MOT)の視点:

(マーケットから技術へ、技術からマーケットへ)

(従来の視点)

(新規事業の 視点:MOT、イ

ノベーション) 技術 技術

製品 製品

商品 商品

マーケット

マーケット

戦略的に・・・

不確定性が 大きい!

技術と営業 工学の視点 経営学の視点 の分離!

MOTの視点

(21)

島根大学

MBA 技術経営(MOT)の範囲

図 事業化プロセスとしての「魔の川」、「死の谷」と

「ダーウィンの海」のイメージとMOT,MBA

研究 産業化

魔の川* 死の谷** ダーウィンの海**

事業化 開発

(*出川:技術経営の考え方、光文社刊、

** NISTより引用 )

技術の 不確実性

顧客の 不確実性

©Techno Integration Co. 出川氏資料

(「MOT基礎概論」 第2回) 41

島根大学

Confidential

「標準MOTガイド」日経BP社(2006p.328

MOT Management of Technology

MBA Master of Business Administration

MBAMaster of Business Administration 経営管理

「企業を効率よく経営し成長させ競争に勝ち抜くこと」を主眼に考える.

事業がスタートして時点からのマネージメント

創出のマネージメント

成長のマネージメント

(「MOT基礎概論」 第2回) 42

(22)

MOTMBAの比較 (「MOTがよーくわかる本」出川通,秀和システム(2005)) 島根大学

目的とキーワード 講義科目の例

MOT <技術をベースにした新商品や 新事業の創出>

・イノベーション

・ベンチャー企業

・プロジェクトマネジメント

・知財戦略

・アントレプレナーシップ

・イノベーションダイナミクス

・プロジェクトマネジメント

・アライアンス/戦略的連携

・知的財産マネジメント

・ベンチャー企業論

・ハイテクマーケティング

・技術政策,技術評価・予測 MOT

MBA

<顧客の考えを知り,技術とマー ケットを拓く>

・マーケティング戦略

・研究開発戦略

・マーケティング

・プロダクトイノベーションマネジメント

R&Dマネージメント

・オペレーションマネジメント MBA <企業の拡大・成長をする経営の

実践と管理>

・アカウンティング

・ファイナンシング

・人事と組織

・ビジョン

・戦略

・会計学,ファイナンス学

・人事管理,オペレーション学

・統計分析学

・経済学(マクロ,ミクロ)

・ビジネス戦略と倫理学

・ストラテジー論

(「MOT基礎概論」 第2回) 43

島根大学

Confidential

R&Dマネジメント,MOTMBAの比較

R&D(研究開発) MOT(技術経営) MBA(経営学修士)

目的と キーワ ード

(新しい技術の発明や 科学上の発見で世の中 に役立つ展開)

・最先端研究

・論文,学会発表

・特許

(技術をベースにした 新商品・新事業の創出・

展開)

・イノベーション

・ベンチャー

・産学連携

・アライアンス

(事業の拡大,成長の実 践と経営管理)

・成長戦略

・投資効率

・競合優位

・財務戦略

基礎 知識

・各種研究手法

(実験計画など)

・研究評価法

・先端的な技術シミュレ ーション

・技術管理

・研究開発予算管理

・イノベーションマネジ メント

・知財マネジメント

・ハイテクとローテクの マネジメント

・リスクマネジメント

(リスクヘッジ)

・マーケティング(技術,

テーマ)

・会計学

・人事管理

・統計・分析学

・経営学

(マクロ・ミクロ)

・マーケティング

(セールス)

・経済学

基本的 コンセ プト

・未知への挑戦,論理的 実践法

・シミュレーション

・インベンション

・将来の顧客価値の創出 と不確定性への仮説構

・発展へのマネジメント

・現在の付加価値の追求

・成長への管理手法 (効率向上)

(23)

MOT は何に役だつか?

島根大学

• 技術をもとにした新事業・新商品の成功

• 役立つ研究・開発テーマの発掘

• 蓄積されている知的資産の活用

→ 技術者の視野・能力向上

→ もっと技術者の地位・収入向上

→ さらに社会・地域に役立つ技術者へ

©Techno Integration Co. 出川氏資料

(「MOT基礎概論」 第2回) 45

島根大学

Confidential

図解 実践MOT入門 出版社: 言視舎

著者 出川通

価格1100円(税抜き)

ISBN-13: 978-4-905369-96-7 発売日2014/8

参考図書

図解 実践MOTマーケティング入門 出版社: 言視舎

著者 出川通

価格1200円(税抜き)

ISBN-13: 978-4-86565-073-0 発売日2017/1

(「MOT基礎概論」 第2回) 46

(24)

島根大学

増補改訂版

図解 実践Mロードマップ入門 出版社: 言視舎

著者 出川通

価格1200円(税抜き)

ISBN-13: 978-4-86565-194-2 発売日2020/12

参考図書

図解 実践オープンイノベーション入門 出版社: 言視舎

著者 出川通

価格1200円(税抜き)

ISBN-13: 978-4-86565-065-0 発売日2016/10

(「MOT基礎概論」 第2回) 47

図 研究・開発・事業化・産業化各ステージのもつ 本質的なイメージとマネジメントの特徴
表  R&D マネジメント, MOT , MBA の比較

参照

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