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論文審査結果の要旨

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Academic year: 2021

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論文審査結果の要旨

本論文は、1909年から2010年までの日本人の作曲家によるオルガン作品を もとにその蒐集と演奏技法についての研究を対象としている。

本研究の意図は、第 2 次世界大戦以降、殊にNHKホールをはじめ 1970 代から全国的に急速にパイプオルガンが設置されるようになり、それに伴って、

オルガン作品が多数作曲されるようになったことから、日本人によって創作さ れたオルガン作品の内容を明らかにし、そこに見られる演奏技法を考察するこ とにある。

1 章では、オルガン作品の歴史的背景として、明治期から昭和初期および 1945年以降に分けて足踏み式オルガン(リードオルガン、ハルモ二ウム)とパ イプオルガンの普及状況と歴史的位置付けを捉えている。またフィリッピ

D.Philippi,1966-)による1960年代以降のヨーロッパのオルガン作品の歴史 的考察を踏まえて、日本人のオルガン作品との比較も行っている。

2 章では、オルガン作品に見られる演奏技法として、伝統的演奏技法と前 衛的演奏技法の研究を行っている。またそれぞれを鍵盤と鍵盤以外に関するこ とに分けて演奏技法の解明を行い、演奏技法の面からの歴史的推移と考察も行 っている。第 2 章の3.では、作品一覧として、1909 年から 2010 年(2010 9月現在)までの日本人のオルガン作品がまとめられている。

日本人のオルガン作品の調査と蒐集に関する先行研究は過去にあるものの数 少なく、またある時期で終了している。しかし、今回第 2 章3.としてまとめ られた作品一覧は、過去の資料データを大きく上回り、対象となった作曲家は 246人、および対象作品は620ときわめて多く、その楽譜の蒐集は285作品に 上っている。しかも10年ごとのオルガン曲の推移をまとめたグラフも添えられ ていることは高く評価される。一方、オルガンにおける前衛的技法に関して、

演奏技法の考察はやや弱い。中でも本論文第 1 章に引用されたフィリッピの考 察を日本人の作品に当てはめる時に生じる微妙な相違に関しては、引き続き今 後の究明が求められよう。

日本人のオルガン作品に関する研究のみならず、博士学位資格試験リサイタ ルで日本人のオルガン作品を演奏し紹介していることも勘案して、審査委員会 委員の一致で合格と判定された。

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