別紙1
論 文 審 査 の 要 旨
報告番号 ○甲 ・乙 第 3044 号 氏 名 水吉朋美
論文審査担当者
主査 相良 博典 教授
副査 砂川 正隆 教授
副査 恩田 秀寿 教授
(論文審査の要旨)
本論文はチオレドキシン(TRX)産生に及ぼす抗ヒスタミン薬の効果を検討する目的で細胞 培養実験と患者鼻汁中の TRX 量測定を行った報告である.
実験 1 では分化誘導したマクロファージに H2O2と各種濃度のマレイン酸クロルフェンラミン(CH), 塩酸フェキソフェナジン(FEX), 塩酸セチリジン(CT), 塩 酸レボセチリジン(LCT)を加 え, 培養 後 TRX 量を測定した.H2O2 による酸化ストレスの存在下で, FEX, CT, LCT は TRX の産生を有意に増加させたが , CH の添加では TRX 量に有意な変化は認められ なかった.
実験 2 では非飛散期の健常者・スギ花粉症患者, 飛散期治療(FEX もしくは LCT を 4 週間内服)前後の患者の鼻汁を採取し,過酸化脂質量及び TRX 量を測 定した. スギ花粉暴露で患者鼻汁中の過酸化脂質量は有意に増加し , 抗ヒスタミン 薬内服により低下した.また, 抗ヒスタミン薬内服後は患者鼻汁中の TRX 量は有意 に増加する.
このことから第二世代抗ヒスタミン薬は,TRX の産生を増強し, 酸化ストレスを減少さ せ,アレルギー性炎症の軽減に寄与している可能性が示唆された.(482 字)
以上より本論文は新しい知見を得ており、学術上価値があり学位授与に値すると判定した.
論文題名:Influence of Histamine H1 Receptor Antagonists on Thioredoxin Production In vitro and In vivo.
抗ヒスタミン薬のチオレドキシン産生増強作用
掲載雑誌名:J Allergy Ther 2017, 8:2 DOI: 10.4172-2155-6121.1000257
(主査が記載、500字以内)