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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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(1)

ふ り が な

氏 名

たけむら みちこ

竹村 美智子

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 855 号 学 位 授 与 の 日 付 令和 2 年 3 月 6 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Effects of hydroxyapatite incorporated in resin-modified glass-ionomer cement

(ハイドロキシアパタイトの添加がレジン強化型グラスアイ オノマーセメントに与える影響に関する研究)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Osaka Dental University 第 54 巻 第 1 号 令和 2 年 4 月

論 文 調 査 委 員 主 査 有田 憲司 教授 副 査 山本 一世 教授 副 査 三宅 達郎 教授

論文内容要旨

従来型グラスアイオノマーセメント(CoGIC)は優れたフッ化物イオン溶出能や生体親和性がある 一方,弱い強度,感水性,長い硬化時間等の欠点があり,近年親水性レジン成分を添加することによ り強度,接着力および操作性を向上させたレジン強化型

GIC(RMGIC)が開発された。これまで

CoGIC

に多孔質球形のハイドロキシアパタイト(HAp)を添加した新規高強度・高機能歯科材料で

あるアパタイトアイオノマーセメント(AIC)の開発研究を行ってきたが,

RMGIC

に対して

HAp

添 加の影響を検討した研究はない。本研究は,

AIC

の原理が

RMGIC

に対しても適応できるか否かを明 らかにする目的で,RMGIC を基材として

HAp

を添加した

AI-LC

を試作し,その機械的強度および 各種イオン溶出能に及ぼす影響について検討を行った。

対照群(GIC-LC 群)には,充填用

RMGIC

である

Fuji II LC(ジーシー)を用いた。実験群であ

AIC-LC

群は,

Fuji II LC

粉末に多孔質球形

HAp

(太平化学産業)を予備実験から至適条件と評価 した

12 wt%で添加し,Fuji IILC

液とメーカー推奨の粉液比

3.2

で作製した。機械的強度の評価につ いては

3

点曲げ試験を行い,曲げ強さと弾性率を算出した。機能性に関する評価については,試料を 脱イオン水に浸漬し,37℃恒温下に保存後,浸漬液中のフッ化物(F)イオン濃度を

F

イオン選択電 極にて練和開始から

24

時間毎に

5

日間測定し,セメント硬化体からの

F

イオン徐放量を検討した。

さらに,セメント硬化体からの

Al,Si,Ca

および

Sr

の徐放量は,試料を脱イオン水に

37℃恒温下

5

日間浸漬し,その溶出液をプラズマ発光分光分析(ICP)法にて測定・検討した。

3

点曲げ強さおよび弾性率においては,

GIC-LC

群および

AIC-LC

群との間に有意差は認められな

かった。F イオンの徐放量は,AIC-LC 群が練和

2

日後以降

GIC-LC

群に比べて有意に高い値を示し

(2)

た(

p<0.05

)。また,その他すべての測定元素の

5

日間徐放量においても,

AIC-LC

群が

GIC-LC

群 よりも有意に高い値を示した(

p<0.01

)。

以上の結果より,

RMGIC

に多孔質球形

HAp

を添加すると,曲げ強度は変化が生じないが,

F

イオ ンをはじめ各種イオン徐放量が増加することが示され,

RMGIC

においても

AIC

の原理が適合するこ とが実証された。したがって,多孔質球形

HAp

添加は,

RMGIC

の各種イオン徐放機能を向上させ,

齲蝕予防および再石灰化促進に寄与する可能性があると結論する

論文審査結果要旨

アパタイトアイオノマーセメント(

AIC

)は本来、従来型グラスアイオノマーセメント(

GIC

)に多 孔質球形ハイドロキシアパタイト(HAp)を添加し、GIC の強度と抗齲蝕機能を向上させた新規材料 である。

本論文は、HAp 添加により

GIC

の強度と機能が向上するという

AIC

の原理が、レジン強化型グラ スアイオノマーセメント(RMGIC)にも生じるか否かを検討するため、RMGIC に

HAp

を添加した 材料を作製し、その機械的強度および化学的特性への影響を評価したものである。

方法は、市販の充填用

RMGIC

の一種であるフジ

II LC

を用いて対照群(GIC-LC 群)とし、フジ

II LC

粉末の

12

重量%の割合で

HAp

粉末を添加し、フジ

II LC

液との粉液比は対照群と同じにして 作製した試作レジン強化型

AIC

AIC-LC

群として、人工唾液に保存後の

3

点曲げ強さおよび弾性 率、ならびにフッ化物イオンおよびその他の微量元素(アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、カルシウム

(Ca)およびストロンチウム(Sr))の溶出能を測定することにより、両群の特性の比較を行っている。

その結果、3 点曲げ強さは、24 時間保存後は

GIC-LC

群と

AIC-LC

群との間に有意差は認めなかっ たが

AIC-LC

群が高い傾向を示し、

5

日間保存後は両群とも

24

時間値より低く、しかも両者の

5

日値 はほぼ一致した値であるため、AIC-LC 群では有意差が生じた。また、弾性率は

24

時間値および

5

日 値に有意な差は無かった。これらの結果から、HAp 添加により少なくとも

RMGIC

の機械的強度は低 下しないことを明らかにしている。一方、

AIC-LC

群からの脱イオン水へのフッ化物イオン、ならびに

Al、Si、Ca

および

Sr

の溶出量は、GIC-LC 群からの溶出量よりも有意に多いことを明らかにした。

これらの結果から、HAp の添加が

RMGIC

の強度の維持とフッ化物やその他のミネラルの溶出の向 上をもたらすことを示し、AIC-LC は高い抗齲蝕性を有する材料として臨床的に有用であるとの示唆 を与えている。

以上、これまで

RMGIC

に対する

HAp

の影響をみた研究はなく、今回 HAp の添加により

RMGIC

の機能的特性が向上することを証明した点において、本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値する

と判定した。

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