微分積分学 II
浪川 幸彦 January 15, 2008
3 重積分
3.1 2重積分[再記]
多変数での積分の考え方は,基本的には1変数の場合と同じである(リーマン積分)。た だ多変数になると,(基本的に)区間上での積分だけ考えればよかった1変数の場合と異なり,
多様な形の領域上での積分を考えなければならない。ここに「面積確定」の図形上での積分 という考え方が表れる。
Definition 3.1.1 (Text p.70-72). (矩形上の)2重積分(可能)
Definition 3.1.2 (Text p.72-73). 面積(確定)
Example[Text p.76]. 区間[a, b]で連続な2関数ϕ(x), ψ(x)があり,c≤ ψ(x)≤ ϕ(x) ≤ dを 満たしているとする。このとき部分集合
R ={(x, y) ; a≤x≤b, ψ(x)≤y≤ϕ(x)} は面積確定で,その面積は
A(R) = Z b
a {ϕ(x)−ψ(x)}dx
Definition 3.1.3. ある有界な平面の部分集合R上の関数 f(x, y)があるとする。R の外では
値0として拡張した関数f¯(x, y)がRを含むある矩形上積分可能であるとき,f はR上積分 可能であるといい
Z
R
f(x, y)dxdy = Z
I
f¯(x, y)dxdy と書く。
1
CA07w-10 2
Theorem 3.1.4 (Text p.77定理3). 面積確定な有界閉集合R上で関数f(x, y)が定義され,連 続ならば,f はR上積分可能である。
Theorem 3.1.5 (Text p.75定理1). 積分の有限加法性
3.2 累次積分
積分を実際に計算するためには,必要ならば適当な変数変換を行った上で,1変数の積分 を繰り返す形に帰着させるのが普通である。後者の技法を累次積分と呼ぶ。教科書では理論 的に厳密な扱いを行っているが,ここではより限定的ではあるものの,最もよく使われる形 の定理として述べよう。
Theorem 3.2.1 (Text p.89 (2.12)). ϕ(x), ψ(x)をI = [a, b]上の連続関数で,I 上ϕ(x)≤ψ(x) であるものとする。
R={(x, y);a≤x≤b, ϕ(x)≤y≤ψ(x)}
の内部で有界かつ連続な関数f(x, y)はR上積分可能で,次の公式が成り立つ:
Z Z
R
f(x, y)dxdy= Z b
a
Z ψ(x)
ϕ(x)
f(x, y)dy
! dx.
Example 1.RR
R(x+y)αdxdy (α >0)の値を,Rが次の場合に求めよ:
1)正方形:0≤x, y ≤1 2)三角形:0≤y≤x≤1.
Example 2.Rを3直線y= 0, x= 1, y= π
2xが囲む三角形とするとき,次を求めよ:
Z Z
R
cos y xdxdy.
Exercise 1. 次の重積分の値を求めよ:
1)
Z Z
R
x2ydxdy (R ={(x, y); 0≤y ≤√
1−x2});
2)
Z Z
R
sin(x+y)dxdy (R={(x, y); 0≤x, y, x+y≤ π 2});
3)
Z Z
R
ey/xdxdy (R ={(x, y); 0< x ≤1,0≤y≤x});
4)
Z Z
R
x2y2dxdy (R ={(x, y);|x|+|y| ≤1})