45
マ ン
グ
ロー ブ 林 内表 層 土 の 微 細 粒 子 画 分 の 動 態 に 及 ぼ す 水路 水
の塩 濃 度
の影 響
*金
城和 俊
* *・ 渡 嘉 敷義 浩
* * *・ 佐 藤 一 紘
** *・ 鬼 頭 誠
* * *・ 志 茂 守 孝
* * *キ
ー
ワー
ド マ ソグロー
ブ表 層 土,
微 細 粒 子 画 分,
分 散,
凝 集,
塩 濃 度1 ,
緒 言マ ン グロ
ー
ブ群 落の形 成 される地 域で は, 沖 合い に向 け
てマ ング 卩
一
ブ群 落の 関 与に よる陸 地 化の進 行が見 ら れる1}
. Furukawa
ら2}に よ れ ば, オー
ス トラ リア の マ ン グロ
ー
ブ林 内
に お ける水路
水中
の懸 濁物 質
は約 80
% が林
内で堆 積し
,
その影 響で海 岸 線が年 間 約0 . 1cm
海 側の方 向に前 進 する こ とを示 唆し た
.
マ ン グ 卩一
ブ林 内の堆 積 物につ い て は
多 数
の研 究
が報 告
さ れ てい る.Walsh
and
Nittrouer3
}のGIS
(地 理情 報
シ ス テ ム)
を利
用 し た研 究
で は
,
パ プアニュー
ギ ニ ア の湾 内に注 ぐ川 沿い で は年
間4. 4cm
の 厚 さで3, 9gcm −
2の 泥が堆 積 し た こ とを 示 し た
.
ブラジル のマ ン グ P一
ブ林 内 堆 積 物に お け る放 射 性 同位 体の年 代 測 定に よ れ ば,
表層
部は攪 乱混合
を 示唆
する 不 安 定 層で下 層 部は安 定 層で ある こ と を 示 し た4 ).
渡 嘉 敷 ら5 〕は石 垣 島 吹 通 川の マ ングロー
ブ群 落の潮の干 満に伴 う泡や コ ロ イド状 浮 遊 物の特 徴を調べ
,
上 げ潮 時に流 入 する 水面の泡状
浮 遊 物の10〜30
%, 下 げ 潮 時に流 動 する水 面の油 膜 状 浮 遊 物の
80 〜 100
%が そ れ ぞ れ腐 植 物 質か ら なり
,
いずれの浮 遊 物 も夜 間よ りも昼間の ほ うに腐 植 含量の 多い特
徴 が見 ら れ るこ と を示し た.
ま た,
西 表 島相 良 川のマ ソグロ
ー
ブ群落
に お け る表層
堆積
泥で は, 海 側と陸 側に
比べ 中 間 地 点で
pH ,
EC
や有
機物含
量に差 異 が認 め ら れ,二次 鉱 物の カ オ リ ナ イ トが 主体で イ ラ イ ト
,
バー
ミキュ
ラ イトも随 伴 するこ と を示した6).
マ ソ グロ
ー
ブ林 内
の表 層
堆積
泥の上層
で は,林外
の山 地や陸側か ら流入する微 細土粒子 と
林 内
で 生産 供給
さ れ る有
機 物 とが出会い, その後の反 応 条 件に よっ て微 細な結
合粒
子 を 形 成し堆 積 するこ とが考 え られる.
先に著 者 らη は石 垣 島 吹 通 川の マ ング 卩一
ブ群 落における表 層 堆 積 泥の特 徴につ い て調べ, 堆 積 泥中の 有 機 物と粘土粒子は河 川水や海 水の流 速の弱まる場 所や林 内の流 水 路 沿い に堆積し や すい 傾 向があるこ とを 示した
.
そし て,
同林 内の表 層 堆 積 泥は*
本 報告の一
部は2005
年9
月, 日本 土 壌 肥料学 会 島 根 大 会に おい て発 表し た
.
林 鹿 児 島 大 学 大 学 院連合農学 研究科 (
890 − 0065
鹿児島市郡 元
1 − 21 − 24
)*’ *琉 球大 学農 学部 (
903 − 0213
沖縄 県 中頭 郡 西原 町千 原1
)2005
年12
月26
日 受 付・ 2006
年8
月29
日 受理日本土 壌 肥料 学雑 誌 第
78
巻 第1
号p . 45 〜 51
(2007
)腐 植 物 質と粘 土 粒子お よ び鉄 イ オ ソ などが含ま れて 集 積 し,
腐 植粘
土複合体
を形成
して堆 積
し てい ることが示唆
さ れたS).
海 水 塩 由 来の ナ ト リ ウム イオ ン, カル シ ウ ムイオ ソ,
マ グ ネシ ウム イオ ン とカ リ ウ ムイオ ソ な どがマ ン グロ
ー
ブ林 内の腐 植 粘 土 複 合 体の凝 集 沈 降に影 響 を 及ぼすこ とが考え ら れる.
本 研 究では, マ ソ グロー
ブ林
内の表 層 土の微 細 粒子 画分につ い て, 潮の干 満 時にお ける海水 の塩 濃 度 相 当の塩化ナ ト リ ウム に よ る分 散や凝 集 沈 降の挙 動 特 性 を 調べ, マ ソ グロ
ー
フ淋 内表 層 土の土 壌 生 成に関 する基 礎的な知
見
を得
ることが目的である. 2,
調 査地域の概 要 石垣 島は,
北re
24 ’ 30 ’ ,
東 経124 °
10 〆
に位 置し (図
1
),
亜
熱帯
気候 帯
に属
す る.
マ ン グ ロー
ブ群
落が広が る吹通 川流
域
は石 垣島
の 北東
部に位
置 する.
この吹
通 川流域
の マ ングロ
ー
ブ群 落 は外 海か ら約400 〜 500n1
離 れた 場 所に あり
,
海 水の 流 入よ りも河 川 水の流 入 する頻 度が高 く,Riv−
erine 型の マ ン グ 卩
一
ブ群 落と呼ばれて い る.
満 潮 時で はマ ング 卩
一
ブ群 落 内の土壌が 海 水に浸か り 還 元状態に なり, 海水 が引 く
.
干 潮 時で は群 落 内の全体が 酸化 状態 にな り
1
日2
回,
酸 化 と還 元 を 繰 り返 す.
こ の よ うな 型の群 落では落 葉 が 少なく樹 冠に蓄 積さ れ てい る た め, 台風 な どや大 雨 時に大量 に
林 内
に供給
さ れ,有機 物
の供 給
は一
定
で は ない と 思 わ れる
.
吹 通川流域
の マ ン グロー
ブ群落
の植
生は下流か ら
0 〜 105m
で は ヤ エ ヤマ ヒ ル ギ (RhizoPhora
spp .
) が優 占し,105 〜 200m
で は ヤ エ ヤマ ヒ ル ギ と オ ヒ ル ギが 混生,200 〜300m
で は オ ヒ ル ギ (Bruguiera
gymnorrh − i2a )
が優 占
する.
こ の ヤエ ヤ マ ヒ ル ギ はマ ン グロー
ブ植
物の 中で も耐 塩 性の強い植 物で ある の に対し, オ ヒ ル ギは ヤエ ヤ マ ヒ ルギよ りも耐 塩 性の 弱い植 物で ある こと が知 ら れてい る9 〕
.
この ヤエ ヤ マ ヒ ル ギ は他のマ ン グ ロー
ブ植 物と 比べ て比較的 海 側 に生 育 す る ため に支柱 根を有す る
. Krauss
ら1 °)は この支 柱 根がマ ン グ 卩一
ブ群 落 内の土壌生成に関 与 するこ とを 報 告 し て い る
. 3 ,
供試 試 料お よ び実 験 方法D 水 路 水
吹 通川流 域にお けるマ ングロ
ー
ブ林 内の水 路 を 選定 し た(図
1
).
こ の水 路で は満 潮 時と干 潮 時に潮 流の停 滞 する時 間 帯が認め られ た (表 ユ). 2004
年11
月25
日か ら 同 年12
46
日本土壌肥 料 学 雑誌 第78
巻 第1
号 (2007
>*
20,
40標高20cm.
40cm隔
ト
図
1
石垣島,
吹 通 川マ ソ グロー
ブ林 内の表 層 土お よ び水 路 水の採集地
月
1
日 まで の7
日 間の調査で は,
満 潮 時と干 潮 時に おい て約
4
時 間 半か ら5
時 間,
潮 流が停 滞し た.
水 路 水は潮 流の停 滞 する時
間帯
に短時間 ( 30
分以内)
で, 水 路の 下 流か ら 上 流に向 if
300
m
の地点
まで に6
地 点 (0
,45
,105
,175
,245
,300m
)におい て, 水 深20
cm で採 水した (図1
).
採 水 する際に水 路 水の 攪 乱を防 ぐよ うに注 意し,
上 げ 潮 時に は上流 側 (300m
)か ら, 下 げ 潮 時 に は 下 流 側(
Om
>か ら採水 を 行 っ た.
採水試 料は変 質を防ぐた め にポ リ容 器に入 れ,
冷 蔵 保 存して供 試し た.
供 試 水のpH
は
pH
メー
ター,
EC
はEC
メー
ター
(い ずれ もHORI − BAD ・ 54
)で測 定し た.
ま た, 供 試 水 中の鉄 とアル ミニ ウム の
含
量は フ = 卩 ン法
11)で比色 定
量し, ナ ト リ ウム,
ヵリ ウム
,
カル シ ウム,
マ グ ネシ ウム,
亜鉛お よびマ ン ガ ンの含量は原 子 吸 光 光 度 法 (
J − SCIENCE
S − 2
)で測 定した. 2)
表 層土v ン グロ
ー
ブ林内
の表 層
土 は水 路 (図1
)の下 流か ら上 流に か けて水 路 側 (水 路か ら0. 5m
地 点 )の6
地 点 を 深 さ0 . 5cm
で採 集 し た.
土壌 試 料 の 採 取 は干 潮 時に行った
.
供 試 試 料は いずれ も風 乾 細 土 (粒 径2mm
以 下 )に 調整 後,6
%過酸 化 水 素に よる有 機 物分解
処 理試 料 と未 処 理試 料と を調 整 し た.
有 機 物 分 解 処 理 後の試 料で は上 澄み 液 を捨て た後,
凍 結 乾 燥 機 (TAITEC
FREEZE
DRYER VD −80
)で粉 末 試料
に調 整し供 試し た.
細 土の粒
径組 成
は有 機 物 分
解
処理後, ト リポ リ リン酸ナ ト リウムで分 散させ
,
沈 定 法に より測 定し, シ ル トお よ び粘土画 分はX
線 回 折 分 析 法で鉱 物 同 定12)を 行い,
鉱 物 組 成 は ピー
ク強 度と半 価 幅に よる半 定量法13 )で求め た
.
各細土のpH
(H
,O
)は
1
:2 . 5
の懸 濁液をpH
メー
ター
で,
EC
は1
:5
の 懸 濁 液の ろ液をEC
メー
ター
で そ れ ぞ れ 測 定 した.
有 機態炭 素 含 有 量は硫 酸一
硫 酸 第一
鉄 溶 液 を 用い無 機 態 炭 素を除 去 後,
小 阪
・
本 田・
井 蹟 法14)で求めた.
酢 酸ア ンモニ
ウム溶 液で 塩 基 類を抽 出し原子吸 光 法 (
J −SCIENCE
S − 2
)に よ り 測定
し, その後に陽イオ ソ交換
容 量を測 定し た15).
3
)表層土の微 細 粒 子 画 分有 機 物 分 解 処 理 後の
6
細土試 料と同 未 処理の6
細土試 料 につ い て,50mL
遠 心 分 離 管を用い, 1
細 土 試 料ご と に蒸 留 水を加え て2. 500
rpm で10
分 間 遠 心 分 離を繰 り返 し,分 散 する
微 細粒
子 画 分を10
回繰
り返 し,採 集
し た.
そ して塩 析せ ずに懸 濁 液の まま蒸 留 水 中で透 析を行い
,
供 試した
.
微 細 粒子画 分の粒 度 組 成は粒 度 分 布 測 定 装 置 (島 津SALD − 200
V
ER
>を 用い て測定
し た.
微 細 粒 子 画 分の懸 濁
液 20mL
(低 濃 度 ;平均4 . 7mg
) と80mL
(高 濃 度 ;平 均21. 4mg
)と をそ れ ぞ れ1GO
mL容 栓 付 きガ ラ ス 管に 入 れ
, 100mL
中で0
,0, 1
,0. 5
,1 , 0
,3. OM
塩 化ナ トリウ ム 濃 度に な る よ うに塩 化ナ ト リ ウム (粉 末) を 加 え, 蒸 留 水 を 加 えて100mL
に定容 し た,
ガ ラス管の懸 濁液を1
分 間上 下 攪拌 し た後, 水 温 を25
℃に一 定に し,
潮 流 停 滞 時 間 帯に相 当 する4
時 間 静 置し た.
その後,
分 散して いる微 細 粒子画 分をサ イフ ォ ン で採集
し て定
量し, 塩 化ナ トリ ウム未 添 加 (OM
)の懸 濁 液 中の微 細 粒 子 画 分量に
対
する各
塩化
ナ ト リ ウ ム濃 度 ( 0. 1
,1 . 0 , 3 . OM
) 調 整 後の懸 濁 液 中の微 細 粒 子 画 分の割
合を 算 出した.
即ち, この割 合が高
い ほ ど微 細 粒子画 分は凝 集 沈降
しに くい こと を 示 す.
微細 粒
子画 分の定
量は微 細粒
子を塩 化ナ ト リウムによ り塩析 後, 水
一
メ タ ノー
ル混液
(1
:1
),
メ タ ノー
ルー
アセ トン (1
:1
), アセ トン の3
溶 液 を 用い過 剰 塩 除 去 を行い乾 燥し重 量 測 定 し た
. 4.
結果 お よ び考 察1
) 水 路 水林
内の潮 流 停 滞 時にお ける水 路 水の水 温, pH ,
EC
値 を図2
に示 し た.
水 路 水の満潮
時と干 潮 時の いずれも下 流表
1
水路水における潮 流の停 滞時 間干 潮時 満 潮時
年 月日
潮 流 停 止
潮 流 開 始
潮 流 停 滞
潮 流 停 止
潮 流 開 始
潮 流 停 滞 時 刻 時刻 時 間 時 刻 時刻 時 間
2004 . 11 . 25
2004 . 11 , 26 20G4 . 11 . 27 2004 . 11 . 28 2004 . 11 . 29 2004 . 11 . 30 2004 . 12 , 01
10
:3511
:
0411
:
4012
:
1912
:
43
工
3
:0313
:
26
15
:2816
:
1016
;
4517
:
0317
:
3818
:
1018
:
34
4
時 間53
分4
時 間54
分4
時 間55
分4
時 間44
分4
時 間45
分4
時 間53
分4
時 間52
分17
:4518
:
1218
:
50
18
農U
252 223
222 4
時 間36
分4
時 間46
分4
時 間36
分金城
・
渡 嘉敷・
佐 藤・
鬼 頭・
志茂 :マ ソ グ ロー
ブ林 内表層土の微 細 粒子 画 分の動態に及 ぼ す水 路 水の塩濃 度の影 響47
(
Q し嶼 耗
2520151050
區 匝
64
2
( r
」
」
0
殞 16
墜 圜
瓢
一 一
匝 ]
囲
蕊
一 一 エΩ
ゴ
2tt
°・
sO
.
4襖
’ 1 童
計一
去一
n 20鷲 豊 8
0 100 2GO 300 0 100 下流( 地 点 )か ら の 距 離 (m)
200 300
図
2
満 潮 時 と干 潮 時に おける水 路 水の水 温,pH
お よびEC
(
Om
)か ら 上流 (300m
)の 各地点
に おいて停 滞 する水 温は約
20
℃ ,pH
は約7 . 5
をそ れ ぞ れ 示した.
水 路 水の
EC
値は,
満 潮 時の最 下 流 ( 地 点 )で約16
dS
m−
1と 海 水の影 響を示 唆して最も高 く
,
上 流 (300m
)に向 け 低下 す る傾向 を 示 し, 干潮時の上 流 (地 点 )で は約
4 dSm 一
ユと最も低か っ た.
また, 水路水の塩 基 イオ ン濃 度は満 潮 時 と干 潮 時の いず れ もナ トリウムが最 も高 く
,
次い で カル シ ウム , マ グ ネシ ウム お よ びカ リ ウム の順に低い傾向
を 示 し た (図3 ) . 前
者の ナ トリ ウム は満潮
時の下 流から
45m
のの 地 点で
5 . 2gL −
1と最 も
高
く, 上流付
近(
245 〜
300m
)で2 . OgL ’
iと低い値を示 し た
.一
般に海 水に含 まれ る塩 化ナ ト リ ウ 云は ナ ト リ ウム イ オ ソ
10 , 65gL −
116 )と さ れ て お り, これか ら27 . 07gLui
の 塩 化ナ ト リ ウム と して換 算で きる の で 約0. 5M
塩 化ナ ト リウム 溶 液に相 当する
。
同様に換 算 する と, 満 潮 時の下 流か ら45m
の の地 点での ナ ト リ ウム イ オ ソ濃 度で は約0. 25M
塩 化ナ ト リウム溶 液, 上 流 付 近 (
245
〜300m
)の ナ ト リウム イオ ン濃度で は約0. 1M
塩 化ナ トリ ウム溶液にそ れ ぞ れ 相 当し た.
他 方, 干 潮 時の下 流 (Om
)か ら上流 付 近 (300m
)で の ナ ト リ ウ ム含 量は1. 5〜 2 , 0gL −
1,
カル シ ウム とマ グネシ ウム含 量は そ れぞれ
LOgL −
1 と約O . 8gL
” , ヵ リ ウ ム含 量は0. 1gL −
1 を 示 し, 下 流 (O
m )
か ら上流 ( 300m )
におい て各
塩基は ほぼ同
量含
まれ る傾 向を 示し た (図
3
).
干 潮 時の水 路 水の ナ ト リ ウムィ オソ 濃 度を換 算 する と約
0 , 1M
塩 化ナ ト リ ウム 溶 液に相 当し た.
ま た, 水 路 水の 金属
イ オン濃 度は満 潮 時と 干潮 時の い
ず
れ もすべ て の採水地 点で鉄イオ ソが0. 78〜1. 25
mg
L −
1 と最 も 高 く,
満 潮 時に は下 流 (Om
)ほ ど,
干 潮 時に は下 流 (
45m
)と上 流 (3eo
m )の両 方で他の 地 点 と比べ や や高い 傾 向を 示 し,
マ ン ガ ン と 亜鉛は いずれ も 下 流( Om )
か ら 上 流 (300m
)に か け て約 0 , 001
mgL
−
1 を 示 し た.
し か しアル ミ= ウム イオ ン は満 潮 時と 于 潮 時の両 時 聞 帯におい て検 出 され なか っ た.Benedetti
ら17}は河 川 水 中の金 属イ オ ソ や 塩 基 類は河
J
[1
堆 積 物の 堆 積に 寄 与 するとの 報 告か ら,
水 路 水 中の 塩 基 類や金 属 類はo −
u
−
0 100 200 300
潭
一 一
一 一
〇 100 200 300
下流 ( 地 点 )か らの距 離(m )
図
3
満 潮時と干潮 時にお け る水 路 水の塩基 と金 属 含有量腐植
粘土複 合 体の形 成, ま たはそ れ ら複 合 体の凝 集 沈 降に 関 与 する可 能 性があることを 示 唆し た.
2)
表 層土の理 化 学性有 機 物 分 解 処理前の
試料
は下 流 域( Om
>か ら 上流 域(
300m
)に向けてpH
(H
、0
)が下が る傾 向を 示 し, 同 処理後の試 料で も処理前よ りも. pH
が約1
程 度 低 下し処理 前 と 同 様の傾 向 を 示 し た (表2
).
前報
ηに おい て も下 流 域か ら上 流 域に向け てpH
が 低 下す る傾 向
が得
ら れ た. EC
値は有機 物
分解
処理前
で は 上流 域 (300
m
)か ら下流域 、
(Om
)に向
けて増加
する傾向
を 示し た こ と か ら海 水 塩 濃 度の 影 響が考え ら れ,
ま た処 理 後 土 壌に おい て も同 様の傾
向を 示 した.
処理前 後に おい て もEC 値
に は差
異 が 認め ら れ なか っ た. 有機物
分解
処理前
の有機
態炭
素含
量 は42. 9〜 70 , 9gkg −
1 を示し, 同 処 理 後の有 機 態 炭 素 含 量は4 . 4 〜 7 . 3gkg −
1を 示し た ことか ら
, 6
% 過 酸 化 水 素 処 理では土 壌 中の 有 機 物 分 解は完 全で ない と考 え ら れた
.Chahi
ら18 〕に よ る と 土 壌 中の有 機物の分 解は過 酸 化 水素水に よ る分解処 理で は不十分で ある ことの報 告がある
.
有 機 物 分 解 処 理 前の 有 機 態 炭 素 含 量 は175
・m 地 点 (70 . 9g kg −
1) と105
m 地 点 (62. 4gkg }
正)で高
く, 次い で45m
地 点 (53 . 5gkg 一
り と245m
地点
(56 .Og kg−
1)
, 上流 域 (300m
地点)
と下 流域
(Om
地 点 )で はそ れぞ れ
42 . 9
,46 . 9gkg −
1で低い値 を示 し た
. 有
機 物 分 解 処理 前の 陽イ オ ン 交 換 容 量 (CEC
)は175
m 地 点を除い て有 機 態 炭 素 含 量と同様
に上流 域 (300m
地 点 )と下 流 域 (Om
地 点 )で は低 い 値 (48, 2
,46. 2
cmol ,
kg −
1)を 示 し,45
m
,105
m と175
m 地 点で は高 い 値 (
57 , 5 , 56 . 9 , 58 .
工 cmQl,
kg −
1) を 示 し た.
同 処理後の 陽イ オ ソ 交 換 容 量は
3 . 5 〜5. Ocmol ,
kg −
1を 示 し
,
処 理 前 の 陽 イ ォ ソ 交 換 容 量,
(46 . 2〜58. 1cmol
。kg −
1)は処理後のそれに比べ約
10
倍 高い値を 示 し た こ とか ら (表
2
), 有 機 物 分 解 処 理 前の試 料の 陽イオ ン交 換 容 量の約90
% (有 機 物 処 理 後 陽イオ ソ交 換 容 量 /処 理 前 陽イ オ ン 交 換 容 量×10
ω は有 機 物に起 因し た こ と が考 え られ る.
有 機 物 分 解 処 理 前の ナ トリウム含量 は中 流 域の175
48
日本 土 壌 肥 料 学 雑 誌 第78
巻 第1
号 (2007
) 表2
表 層土の化学 性下 流 域 中 流 域 上 流 域
(
Om
) (45m
) (105m
) (175m
) (245m
) (300m
) 有機 物 分解処 理前
pH
(H
、0
)EC
(Sm −
1)有機 態炭 素 (
gkg −
1’
)
Na
(cmolckg −
L)
Ca
(crnolじkg −
1)
Mg
(cmolckg −
1)K
(cmol 。kg−
1)CEC
(crnolckg −
1) 有機 物分解 処理後
pH
(H20
)EC
(Sm −
1) 有 機 態 炭 素 (
gkgrri
)Na
(cmol 。kg−
1)Ca
(cmolckg −
i)
Mg
(cmolckg −
1)K
(cmolckg −
1)
CEC
(CMolc
kgTl
)7 . 11
. D46
. 941
, 55
. 57
. 92
. 746
. 2 6 . 61
. 04
. 965
. 26
. 225
. 510
. 74
. 2
7 . 10
. 753
. 543
. 08
. 511
, 04
, 257
, 5 6 . 50
, 75
. 551
. 95
. 122
. 69
. 43
. 9
7 . 10
. 762
. 434
. 77
. 211
. 02
. 756
. 9 57852224 60535464
5
2
6 . 90
. 870
, 954
, 76
, 512
, 03
. 750
. 8 48329230 60754275
rO
2
6 . 40
. 856
. 041
. 46
. 811
. 83
. 458
. 1 98593736 50616173
rD
2
6 . 40
. 642
. 927
. 34
, 48
. 92
, 248
. 2 5 , 90
. 64
, 432
. 96
, 616
, 95
, 63
, 5
表
3
表 層土の粘土含 量と粘土鉱物 組 成下流 域 中流 域 上流域
(×
10 −
299−
1)(
Om
) (45m
) (105m
) (175m
) (245m
) (300m
) 粗 砂細 砂
シル ト
粘土
カ オ リナ イト イ ラ イ ト
バ
ー
ミキ ュ ライ トバ
ー
ミキュ
ラ イ トー
ク ロ ラ イ ト中 間種 鉱 物
2 . 242
. Ol4
. 040
. D22
. 110
. 44
. 14
. 2
6 . 946
. 611
. 035
. 514
. 08
, 415
. 12
. 0
4 . 529
. 320
. 046
. 224
. 910
. 512
. 74
. 0
1 . 324
. 521
. 053
. 321
. 69
. 812
. 59
. 4
14 . 849
. 69
. 226
. 523
. 66
. 913
. 37
. 1
9 . 747
. 317
. 925
. 111
, 31
. 811
. 20
. 9
土 性
’ LicLic HC HC SC SC
* Lic
:軽 植 土,
HC
:重 植 土,SC
:砂質 植土.
m 地 点で 最 も 高い
54. 7Clnol
,kg −
1を 示 し,
有 機
態炭
素含
量 と同 様の傾 向を 示 し た( 表 2 ) . 処
理後
の ナ ト リウム含
量 は下 流 域 (
Om
地点 )で最 も高
い 値を 示 した.
し かし
, 有機 物
分解
処 理 試 料の マ グネシ ウム,
カ リ ウム お よびナ ト リ ウム含 量は処理前と比べ て
1 . 5〜 2 . 0
倍近 く高
い 特徴
を 示 したのは分解 処
理に よ り有機物
中に含まれる塩 基 も 測 定し た た めで ある と考 え られる.
表3
に表 層 土の粘 土 含 量と粘土鉱 物 組 成 を 示した.
土 性は下 流 域 (Om
と45m
地 点 )で は軽 植 土 (Lic
),
中 流 域 (105
m
と175m
地 点 )で は重 植 土 (HC
>, 上 流 域 (245
m
と30Dm
地 点 )で は砂 質 植土 (SC
)を 示し た. 3
流 域に おける土性か ら, 粘土 は 中 流 域 (
105m 〜
175
m 地 点 )か ら下 流 域 (
Om 〜 45m
地 点 )に堆 積す るこ とが 認 め ら れ, これ は 河 川 に よ り上 流( 245m 〜 300
m
地点)
か ら下 流域
(Om 〜 45m
地点 )へ 粘土 が流 出さ れ堆積
する こ と が考 え られ,
なか で も 中 流 域の105m
地
点
と175
m
地 点に おい て粘
土 が多
く集
積 する傾 向を示 し た
.
中 流域 ( 105
m
と175m
地点
)は水 路 がカ
ー
ブ して い る こ と か ら潮 流が弱ま り粘土が集 積
するこ とが考え ら れ
,
さらに表 層 土の有 機 態 炭 素 含 量,
ナ ト リ ウム含量 と 陽 イオ ン交 換 容量 (
CEC
) (表2
)とも 同 様 の 傾 向 を 示 し た.
前 報7)において マ ン グロー
ブ林内
の潮
流の 弱まる場 所で粘 土 と有 機 物が堆 積 する傾 向が認め られ, 本 研 究 結 果に おい ても同 様 な 結 果が示さ れ た
.
カ オ リ ナ イ ト はO
rn
,105
m 〜 245
m 地 点で多 く集
積 する傾 向が見 ら れた.
また, イ ライ トは下 流 域( Om
地 点 )に集 積 量 が多 く,
バー
ミ キュ
ラ イ ト はOm
地 点を除 く他の地点(
45m 〜 300m
)で は ほ ぼ同 量 集 積 する傾 向を 示 した
. 一
般に報
告19・
20)さ れ てい る臨 界凝集
濃 度は バー
ミキュ
ラ イ ト で は
38mmolc
L−
1, イ ラ イ ト で は9〜55
mmo1
。L−
lt カ オ リ ナ イ ト で は5mmol 。
L−
1 を 示し,
イラ イ ト では塩 濃 度の増 加に伴い凝 集 沈 降速 度が速 く なる との報 告21 )