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自治体における都市農業の取り組みについて

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Academic year: 2021

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1 卒業研究論文

「自治体における都市農業の取り組みについて」

東京都市大学 環境学部 環境マネジメント学科 枝廣淳子研究室 1362091 徳田美涼

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目次

第1 章 序論 ...3 1.1 背景 ...3 1.2 研究目的 ...3 第2 章 研究方法 ...4 第3 章 本論 ...4 3.1 都市農業とは ...4 3.2 横浜市・川崎市・相模原市の都市農業政策 ...6 3.2.1 横浜市 ...6 3.2.2 川崎市 ...8 3.2.3 相模原市 ...8 3.3 横浜市・川崎市・相模原市の政策の分類調査 ...9 3.3.1 調査項目 ...9 3.3.2 調査結果 ...10 3.3.3 わかったこと・考察 ... 11 3.4 インタビュー調査 ... 11 3.4.1 横浜市 環境創造局農政推進課 丸山知志氏・近藤智氏 ... 11 3.4.2 川崎市 経済労働局都市農業振興センター農業振興課 川口愛氏 ...13 3.4.3 相模原市 環境経済局経済部農政課 成川奏美氏 ...14 3.4.4 インタビュー結果 ...15 3.4.5 インタビュー調査についての考察 ...15 第4 章 おわりに ...16 4.1 本論を通じてわかったこと ...16 4.2 提案 ...16 謝辞 ...16 参考文献 ...17

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第 1 章 序論

1.1 背景 現在の農業の問題点として、日本の農地面積と農業就業人口は共に年々減少傾向にある ことが挙げられる。また、就業人口の減少だけでなく、農業就農者の高齢化も進んでいる。 都市農業の現状として、平成22(2010)年の農林業センサスによると、都市的地域の農 家数は全農家戸数253 万戸のうち 25%(63 万 6 千戸)、耕地面積は全耕地面積 457 万 ha のうち14%(65 万 8 千 ha)を占めている。また、農林水産省が実施した「都市農業に関す る実態調査」(2011 年)によると、「農作業を中心となって担う者の年齢構成については、 「50 歳未満」14%、「50~59 歳」22%、「60~64 歳」17%、「65 歳以上」47%となってい る。」(農林水産省,2015)という。 さらに、もうひとつの問題点として、様々な地域で都市開発が行われていることが挙げら れる。都市部における開発は、農業の衰退につながっている。なぜならば、現在、駅やビル が建てられている土地や電車や新幹線、自動車が走っている土地は、もともと農地として活 用されていた土地を埋め立てて作られたものであるからだ。 現在の日本は、カロリーベースで 60%を輸入に頼っている。しかし、海外から食料を輸 入し続けることができるとは限らない。海外からの輸入に頼ることが不可能になる事態に 備え、日本の中で食料の自給を確保することが重要である。その一方で、農業が衰退するか らというだけの理由で、都市部の開発を押しとどめることは不可能であろう。これらのこと から、都市化と農業の両立を実現するためには、都市農業の推進が重要であると考える。 1.2 研究目的 本研究では、東京都市大学横浜キャンパスがある神奈川県を対象地域とした。特に政令指 定都市である、横浜市・川崎市・相模原市の都市農業の取り組みについて比較を行った。政 令指定都市とは、「地方自治法第252 条の 19 第 1 項の規定により、人口 50 万人以上の市 の中で、政令により指定された都市」のことである。現在、政令指定都市に制定されている 都市は札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市、新潟市、静岡市、 浜松市、名古屋市、京都市、大阪市、堺市、神戸市、岡山市、広島市、北九州市、福岡市、 熊本市の 20 市である。政令指定都市に指定されることによって、市自らの責任に基づき、 主体的、計画的かつ迅速な対応が可能になる。このことから、それぞれの政令指定都市ごと で独自の取り組みを実施しているのではないかと考えたことから、政令指定都市を調査対 象地域とした。本論文では、都市農業を現状より衰退させないための効果的な政策の提言を する。

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第 2 章 研究方法

横浜市・川崎市・相模原市の農業の現状について調べた。次に、3 市が発表している都市 農業計画をインターネットで調べた。調査対象である都市農業計画は、横浜市は「横浜都市 農業推進プラン」(横浜市みどりアップ計画については、横浜市のみ調査範囲が広くなって しまうことから本論文では除外する)、川崎市は「川崎市農業振興計画」、相模原市は「さが みはら都市農業振興ビジョン2025」である。 また、各市の都市農業の担当者にインタビューを実施する。横浜市は環境創造局農政推進 課、川崎市は経済労働局都市農業振興センター農業振興課、相模原市は経済部農政課の方に インタビューを行った。

第 3 章 本論

3.1 都市農業とは 都市農業の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的として制定させ た「都市農業振興基本法」第二条では『この法律において「都市農業」とは、市街地及びそ の周辺の地域において行われる農業をいう。』と定義されている。本研究において、「都市農 業振興基本法」第二条と同様に都市農業を「市街地及びその周辺の地域において行われる農 業」と定義する。 また、農林水産省によると都市農業には、6 つの役割がある。1 つめは、「新鮮で安全な農 産物の供給」だ。消費者の近くで生産・供給をすることで、消費者が求める新鮮で安全な農 産物を生産し、提供する役割を持つ。 2 つめは、「農業体験・交流活動の場」だ。農業体験を通じて、豊かな自然の恵みに触れ る等の環境教育やレクリエーションの場を提供する役割や生産者と消費者の交流の役割を 持つ。 3 つめは、「心やすらぐ緑地空間」だ。畑や水田等が、緑地や水辺の空間を提供し、都市 住民の生活に「やすらぎ」や「潤い」をもたらす役割を持つ。 4 つめは、「都市住民の農業への理解の醸成」だ。身近に存在する都市農業を通じて、都 市住民の農業への理解を深める役割を持つ。 5 つめは、「国土・環境の保全」だ。都市の緑として、ヒートアイランド現象の緩和、雨 水の保水、環境を保全する役割を持つ。 6 つめは、「災害時の防災空間」だ。火災時における延焼の防止や地震時における避難場 所、仮設住宅建設用地等のための防災空間としての役割を持つ。 次に、都市農業の特徴のひとつである市民農園についてだ。市民農園とは、都市住民がレ クリエーション等を目的として農作業を行う施設を指す。農林水産省によると、市民農園の 形態は、利用者が小面積に区分けされた農地を借り受けて農作業を行うもののほかに、農 地を借り受けずに、農園の開設者である農業者の指導を受けながら、植付けから収穫まで の一連の農作業を体験するものがあり、初心者から経験者まで様々な人が利用している。

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5 このように、都市住民が身近に農業を体験でき、健康増進や生きがいづくり、ふれあいの場 等として利用できる市民農園についてニーズが高まってきている。 市民農園の開設数は、特に都市的地域において年々増加し、平成22(2010)年度末には 全国で3,811 か所と、過去 10 年間で 1.5 倍に増加している。(図 1 参照) また、地域別にみると、関東が全体の過半数(1,991 か所)を占め、次いで東海(449 か 所)、近畿(424 か所)の順となっており、人口 10 万人当たりでは関東、東海、中国・四国 で多くなっている。(農林水産省,2015) また、2010 年以降の市民農園の開設データは、農林水産省の農林水産基本データ集によ ると、平成28 年 3 月末の時点で、4,223 農園、平成 27 年は 4,178 農園、平成 26(2014) 年は4,113 農園、平成 25(2013)年は 4,092 農園と年々増加傾向である。 図1 市民農園の開設数の推移 http://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h23_h/trend/part1/chap4/c4_3_03.html

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6 3.2 横浜市・川崎市・相模原市の都市農業政策 ここでは、横浜市は「横浜都市農業推進プラン」(「横浜市みどりアップ計画」については、 横浜市のみ調査範囲が広くなってしまうことから本論文では除外する)、川崎市は「川崎市 農業振興計画」、相模原市は「さがみはら都市農業振興ビジョン2025」について、その概要 を紹介する。 3.2.1 横浜市 横浜市では、農業経営を支援する「持続できる都市農業を推進する」取り組みと、農景観 の保全や地産地消など「市民が身近に農を感じる場をつくる」取り組みを 2 つの柱として 設定している。取り組みの柱1 である「持続できる都市農業を推進する」では、生産基盤の 整備・改善、農畜産物の品質向上・安定供給などの支援や、意欲ある農家や新たな農業の担 い手が農業経営を継続するための支援、農業生産の基盤となる農地の利用促進などの取り 組みを推進するとともに、時代の変化に応じた農業を活性化させる新たな取り組みを進め ている。横浜都市農業推進プランは、取り組みの柱1 の「持続できる都市農業を推進する」 に定められている農業施策である。 次に、取り組みの柱2 である「市民が身近に農を感じる場をつくる」では、景観や生物多 様性の保全など農地が持つ環境面での役割に着目した取り組みや地産地消の推進、農体験 の場の創出など、横浜市民と農との関わりを深める取り組みを展開している。この取り組み の柱2 の「市民が身近に農を感じる場をつくる」は「横浜みどりアップ計画(計画期間:平 成26~30 年度)」に定められている農業施策である。この横浜みどりアップ計画とは、「樹 林地を守る」「農地を守る」「緑をつくる」の3 つの分野で様々な取り組みを進めるもので、 「横浜市中期計画(平成18~22 年度)」「横浜市水と緑の基本計画(平成18~37 年度)」に 位置づけられている。この横浜市中期計画において、各種の取り組みを進めること、緑の保 全・創造に向けた新たな制度等の活用・検討を図ることとしている。 取り組みの柱1 である「持続できる都市農業を推進する」から 4 つの施策、8 つの事業が 策定されている。横浜都市農業推進プランの横浜市の課題は、4 つの施策に対応している。 横浜都市農業推進プラン16~20 ページの「農業・農家・農地の課題」、21 ページ「時代の 変化に応じた新たな課題」をそれぞれ農業施策の分類をした。 (1)農家が営農を継続する上での課題 ア 不安定な収入:取組の柱1(持続できる都市農業を推進する) 施策 1(農業経営の 安定化・効率化に向けた農業振興)に対応 イ 高額な相続税の負担:取組の柱1(持続できる都市農業を推進する) 施策 3(農業 生産の基盤となる農地の利用促進)-⑦まとまりのある農地等の保全-国への制度要望に 対応 ウ 農業従事者の高齢化・後継者不足:取組の柱1(持続できる都市農業を推進する) 施

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7 策2(横浜の農業を支える多様な担い手に対する支援)に対応 (2)効率的な農業生産を進めるための課題 ア 生産基盤や施設の老朽化:取組の柱1(持続できる都市農業を推進する) 施策 1(農 業経営の安定化・効率化に向けた農業振興)に対応 イ 農地の細分化:取組の柱1(持続できる都市農業を推進する) 施策 3(農業生産の 基盤となる農地の利用促進)に対応 (3)良好な営農環境を維持する上での課題 ア 遊休農地の増加:取組の柱1(持続できる都市農業を推進する) 施策 3(農業生産 の基盤となる農地の利用促進)、取組の柱2(市民が身近に農を感じる場をつくる) 施策 1(農に親しむ取組の推進)-①良好な農景観の保全に対応 イ 市民生活の場と農地が隣接する地域との調和:取組の柱1(持続できる都市農業を推 進する) 施策1(農業経営の安定化・効率化に向けた農業振興)-①市内産農畜産物の生 産振興-環境への負荷を軽減した農業の取組の奨励・推進、取組の柱2(市民が身近に農を 感じる場をつくる) 施策1(農に親しむ取組の推進)-①良好な農景観の保全に対応 (4)求められる市民ニーズへの対応 ア 身近な場所で、新鮮で安心な農畜産物を購入できる場の提供:取組の柱2(市民が身 近に農を感じる場をつくる) 施策2(地産地消の推進)-③身近に感じる地産地消の推進 に対応 イ 身近な場所での農体験・収穫体験の場の提供:取組の柱2(市民が身近に農を感じる 場をつくる) 施策1(農に親しむ取組の推進)-②農とふれあう場づくりに対応 ウ 環境に配慮した農業の推進:取組の柱1(持続できる都市農業を推進する) 施策 1 (農業経営の安定化・効率化に向けた農業振興)-①市内産農畜産物の生産振興に対応 (1)ブランド化や高付加価値化などによる農業経営の安定化:取組の柱1(持続できる都 市農業を推進する) 施策4(時代の変化に応じた新たな施策)に対応 (2)先進的な技術を導入した農業施設への関心の高まりへの対:取組の柱1(持続できる 都市農業を推進する) 施策4(時代の変化に応じた新たな施策)に対応 (3)営農環境の大きな変化が見込まれる地域への対応:取組の柱1(持続できる都市農業 を推進する) 施策4(時代の変化に応じた新たな施策)に対応

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8 3.2.2 川崎市 川崎市は『次世代に引継ぐかわさきの「農業」~「農」を育て・創り、活かし、繋ぐ~』 を基本目標とし、育てる・創る(施策目標1:都市的立地を活かした健全な農業経営の推進 と創造)、活かす(施策目標2:多面的な機能を有する農地の保全・活用)、繋ぐ(施策目標 3:「農」とのふれあいによる農業への理解促進)を施策の方向性として、策定されている。 施策目標1 の施策都市的立地を活かした健全な農業経営の推進と創造では、「担い手・後 継者の育成」、「健全な経営に向けた支援・研究」、「農業生産基盤の維持・管理」、「後援ボラ ンティアの育成・活用」、「多様な連携からの新しい価値の創造」の5 つの施策がある。 次に施策目標 2 の多面的な機能を有する農地の保全・活用の施策は、農環境の保全と活 用である。 最後に、施策目標3 の「農」とのふれあいによる農業への理解促進では、市民と「農」を 結ぶ仕組みの拡充、農業体験機会の提供、効果的な広報による農業への理解促進の 3 つが 施策である。 3.2.3 相模原市 「さがみはら都市農業振興ビジョン 2025」は、4 つの基本理念に基づいて、ビジョンを 推進している。1 つめは、「農業の持続的な発展」だ。「攻めの都市農業」を担う生産者の育 成・確保を図るとともに、農地利用の集約化や農業の6 次産業化に向けた支援など、それぞ れの農業者が自らの判断で創意工夫あふれる経営ができる環境整備を進める。2 つめは、「み んなで支える農業」だ。市民が新鮮で安全・安心な地場農産物を消費することや農業とふれ あう機会を増やすことによって、農業に対する理解を深めるための取り組みを推進する。3 つめは、「2 つの地域特性の活用による農業振興」だ。相模原市内には都市部と中山間地域 の 2 つの地域があり、それぞれの特性を十分にいかした農業振興を図ることにより、農業 の持つ多面的な機能を更に充実させ、市民の心豊かな暮らしの実現を図る。4 つめは、「農 地の保全」だ。今後更に都市化の発展が見込まれ、貴重な農地が減少する懸念があるため、 確保すべき農地に対して有効な保全策を図る。 そして、4 つの基本理念に基づき、「持続可能な力強い農業の確立」「市民・地域に貢献で きる農業の推進」の2 つの柱を基本方針として位置付けている。そして、この 2 つの基本 方針から6 つの基本施策を策定。そのうち、各施策の重要な位置付けとして、優先的に進め る取り組みを重点プロジェクトとして4 つ展開している。 1 つめは、担い手育成プロジェクトだ。このプロジェクトでは、相模原市内における新た な就農希望者は増加傾向にあり、若い世代の割合が増えていることから、青年就農給付金を 活用しながら就農後の定着を図るための支援をしている。例えば、経営力のある担い手の育 成、農業への法人参入のさらなる促進を行っている。この他に、新規就農者へのアドバイス や認定農業者への施設の補助などの支援の実施している。 2 つめは、農地有効活用プロジェクトだ。このプロジェクトでは、農地の有効利用を行う

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9 には、耕作放棄地の解消に向けた取り組みとともに、「農地集積バンク」の機能を持つ農地 中間管理機構や農地利用集積円滑化団体をし、経営規模の拡大を希望する経営体や農業へ 参入した法人に農地を集積するための取り組みを進めている。例えば、土地の改良等の新た な農業生産基盤の整備、耕作放棄地対策、耕作放棄地の再生利用を行っている。特に相模原 市は有害鳥獣被害が深刻であり、イノシシなどによる農作物被害が農家のやる気の低減に つながることから、電気柵の設置等の有害鳥獣対策の充実(拡充)も行っている。 3 つめは、都市農業活性化プロジェクトだ。このプロジェクトは、付加価値を高める農業 への取り組みで、農業の6 次産業化の促進や農商工連携の促進を行っている。例えば、農業 の 6 次産業化の促進では、6 次産業を行いたいけどやり方がわからないなどの農家に対し て、セミナーや勉強会の開催を行っている。農商工連携の促進では、農業者の販路拡大のた めに、地場農産物の商談会を開催している。その結果、相模原市で栽培された農産物がレス トランで使用されている。 4 つめは、地産地消・農業との交流プロジェクトだ。農畜産物の地産地消を更に推進する ためには、顔が見え、話すことができる直売所での販売のほか、農業者と市民が交流する機 会が必要となるため、身近な食の機会である小・中学校の学校給食における調達や農畜産物 のブランド化の促進を行っている。学校給食は、標準摂取量学校給食の野菜の全使用量の1 ~2 割程度を提供している。 3.3 横浜市・川崎市・相模原市の政策の分類調査 3.2 で概要を紹介した横浜市・川崎市・相模原市の都市農業計画について、各市の取り組 みの違いを比較するための内容分析を行った。この調査を通じて、3 市の都市農業計画内容 を理解することを目的として実施した。 3.3.1 調査項目 まず、3 市の都市農業計画に書かれているテーマの見出しや課題、主な内容を評価項目と した。今回の調査では、評価項目を26 項目とする。その 26 項目は、「高齢化」「農業後継 者」「農業体験」「認定農業者」「地産地消」「農業生産基盤の維持・管理」「価値の創造・付 加価値」「ブランド化」「環境配慮」「さまざまなニーズの対応」「生産技術向上・支援」「販 路拡大」「新規就農者」「担い手の育成」「法人」「女性農業者」「経営支援」「市民の農業に対 する理解促進」「市民農園」「相続税」「ネットワークの拡大」「食育」「耕作放棄地」「収入支 援」「ボランティア」「有害鳥獣被害対策」である。この26 項目について、各市の都市農業 計画に言及の有無を調査した。

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10 3.3.2 調査結果 「高齢化」「農業後継者」「農業体験」「認定農業者」「地産地消」「農業生産基盤の維持・管 理」「価値の創造・付加価値」「ブランド化」「環境配慮」「さまざまなニーズの対応」「生産 技術向上・支援」「販路拡大」「新規就農者」「担い手の育成」「法人」「女性農業者」「経営支 援」「市民の農業に対する理解促進」「市民農園」の19 項目は 3 市共通して、都市農業計画 に言及があった。川崎市のみ言及がない項目は、「食育」「耕作放棄地」の2 項目だ。相模原 市のみ言及がない項目は、「相続税」「ネットワークの拡大」の 2 項目だ。「ボランティア」 は川崎市のみが言及していた。「有害鳥獣被害対策」は、相模原市のみが言及していた。 表1 横浜市・川崎市・相模原市の政策の分類調査結果 横浜都市農業推進プラン 農業振興計画 都市農業振興ビジョン2025 農業担当の部署 環境創造局農政推進課 経済労働局都市農業振興センター農業振興課 環境経済局経済部農政課 目標年数 2018 長期ビジョン2025まで 2025 2025 人口(人) 3710008 1461043 722931 人口密度(人/k㎡) 8480 10217 2200 農家数 3451戸(2015) 1172戸(2015) 2456(2015) 農業就業人口 4482(2015) 1289(2015) 884(2015) 市域面積(ha) 43749 14300 32866 農地面積(ha) 2930 598 1630 農地面積割合 7% 4% 5% 直売所 45 16 35 高齢化 ○ ○ ○ 農業後継者 ○ ○ ○ 農業体験 ○ ○ ○ 認定農業者 ○ ○ ○ 地産地消 ○ ○ ○ 農業生産基盤の維持・管理 ○ ○ ○ 価値の創造・付加価値 ○ ○ ○ ブランド化 ○ ○ ○ 環境配慮 ○ ○ ○ ニーズ ○ ○ ○ 生産技術向上・支援 ○ ○ ○ 販路拡大 ○ ○ ○ 新規就業者 ○ ○ ○ 担い手の育成 ○ ○ ○ 法人 ○ ○ ○ 女性農業者 ○ ○ ○ 経営支援 ○ ○ ○ 理解促進 特別栽培農産物 ○ ○ 市民農園 ○ ○ ○ 相続税 ○ ○ ネットワークの拡大 ○ ○ 食育 ○ 耕作放棄地 ○ 収入 ○ ボランティア ○ 有害鳥獣被害対策 評価項目 現状 2014年10月1日 現在 横浜市 川崎市 相模原市

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11 3.3.3 わかったこと・考察 今回の調査からわかったことは、3 市共通して言及されている項目が 26 項目中 19 項目 とほとんどであることだ。次に、川崎市のみ言及がなかった「食育」の項目については、川 崎市では「川崎市食育推進計画」があることから、都市農業計画の中では食育を取り上げて いないことが予想される。最後に、相模原市のみ言及がない「相続税」の項目についてだ。 相模原市は、都市と中山間地域が隣接した地形であることが特徴的である。中山間地域とは、 平野の外縁部から山間地を指す。山地の多い日本では、このような中山間地域が国土面積 の約7 割を占めている。この中山間地域における農業は、全国の耕地面積の約 4 割、総農 家数の約4 割を占めるなど、我が国農業の中で重要な位置を占めている。中山間地域は流 域の上流部に位置することから、中山間地域の農業・農村が持つ水源かん養、洪水の防止、 土壌の浸食や崩壊の防止などの多面的機能によって、下流域の都市住民を含む多くの国民 の財産、豊かな暮らしを守っている。(農林水産省,2017)横浜市・川崎市は地価が高いこと から横浜市・川崎市で栽培される野菜の価値が高くなってしまう。このことから、農家の負 担を減らすために横浜市・川崎市では相続税に関する取り組みを行っている。 この調査で特徴的だったことが2 つある。1 つめは、相模原市の「有害鳥獣被害対策」だ。 この取り組みは横浜市・川崎市では大きく取り上げられていない。このことから、相模原市 のように有害鳥獣被害対策を行っている地域にも、本論文での都市農業を推進させるため の提言は有効であると考える。2 つめは、農業への理解促進についてだ。3 市共通して、市 民の農業への理解を深める取り組みを行っている。しかし、横浜市だけ特別栽培農産物に特 化した内容であった。このことから、横浜市民は農業に対する理解があることから課題とし ていないことが予想される。 3.4 インタビュー調査 3.4.1 横浜市 環境創造局農政推進課 丸山知志氏・近藤智氏 横浜市環境創造局農政推進課の丸山知志氏と近藤智氏にインタビューを行った。両氏に よると横浜市の取り組みの中で特徴的なものが5 つあるという。 1 つめは、農業の位置づけだ。他の市は農業を経済的な視点から位置づける場合もあるが、 横浜市は都市農業を緑や公園と並んで環境的な視点から位置づけている。1 2 つめは、横浜みどり税の実施だ。横浜市は、樹林地や農地の多くが私有地であることか ら、所有者による緑地の保有を支援し、相続等やむを得ない場合には買い取るとともに、市 街地の緑化等を進めている。これらの施策を継続して実施していくためには、多くの費用が 必要であり、安定的な財源を確保するために、平成 21 年度から「横浜みどり税」として、 年間900 円(個人)を市民税に上乗せの実施している。 3 つめは、2016 年から行われた新しい取り組みである施策 4 だ。この施策 4 は、時代の 1 なお、横浜市の農業担当課は、「環境創造局農政推進課」、川崎市は「経済労働局都市農 業振興センター農業振興課」、相模原市は、「環境経済局経済部農政課」である。

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12 変化に応じた新たな施策として、取り組みが4 つある。1 つめは、6 次産業化など付加価値 を高める取り組みの推進。2 つめは、先進的な栽培技術の活用。3 つめは、効率的な農業経 営のための農地の集約化。4 つめは、地域の特性に応じた農業振興策の推進。 4 つめは、特定農業用施設保全契約の締結だ。この取り組みでは、「農業用施設用地」の 固定資産税・都市計画税を軽減している。横浜市は地価が高いことから、他の地域で育てら れた野菜と比べ価値も高くなる。この取り組みを実施することによって、横浜市の野菜が消 費者が買い求めやすい価格になること、農家の負担を減らすことにつながる。 5 つめは、横浜市が取り組んでいる「横浜みどりアップ計画」だ。横浜都市農業推進プラ ンの他に「横浜みどりアップ計画」として、水と緑に特化した計画を策定していることが特 徴である。 次に、横浜市の特徴が3 つある。1 つめは、横浜市の地形・市街地の特徴として、農地と 都市がとなり合っていること。2 つめは、都市が近くにあることから、売り先に困ることが ないこと。都市農業を推進させるにあたって大事なことは、横浜市内で消費することで地産 地消につながり、相応の金額で買ってもらえることである。最後に3 つめは、収入形態であ る。不動産等の農業以外の収入手段がある農家も多い。このことから、現実的でバランスの とれた収入になる。 横浜都市農業推進プランの課題について、あまり進んでいない取り組みはあるのかと伺 ったところ、横浜都市農業推進プランが 3 年目であることから、事業の実績の振り返りと 効果検証については検証中とのことだ。しかし、日本の農業の現状として、農林業センサス 平成27 年度版によると、横浜市の農業は農家戸数・農業就業人口・農地面積の減少、担い 手の高齢化が進んでいる。だが、担い手不足、農地の減少の中、市民が農業を行うことで担 い手不足の解消、農地の保全につながる。 現在の市の政策に対する農家の意見・声として、横浜農協や農業委員会として、農家の意 見をまとめて市への要望や意見が寄せられるそうだ。この他に、みどりアップ計画の一環と して環境に関する市民意識調査を実施している。 最後に、丸山知志氏と近藤智氏の見解で、農業に関連して学生に取り組んで欲しいことと して、2 つ述べられた。1 つめは、イベントやアグリツアーなど、農業に興味を持ち、消費 者になっていただくことだ。農業に興味を持つことで、例えば10 円高くても横浜の野菜を 買いたいと思ってもらえるようになってほしいとのことだ。2 つめは、フェアトレードなど 適正価格で野菜を買うことの理解することだ。近藤氏は、就職してお金に余裕ができてきた 時には、地域のものを買っていただきたいと話していた。

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13 3.4.2 川崎市 経済労働局都市農業振興センター農業振興課 川口愛氏 川崎市経済労働局都市農業振興センター農業振興課の川口愛氏にインタビューを行った。 川口愛氏によると川崎市で今年度から始めた取り組みが3 つあるという。 1 つめは、農業担い手経営高度化支援事業である。この取り組みは、川崎市農業振興計画 24 ページの(ア)の担い手・後継者の育成に対応している。川崎市では他都市と比べて認 定農業者が少ないことから、認定農業者を増やすための取り組み。認定農業者になることの メリットが乏しいといった意見がある。このことから、認定農業者やこれから認定農業者に なろうとしている人に対して、施設や機械などの設備投資にかかるお金を支援するのが農 業担い手経営高度化支援事業である。現在、この支援を受けている方は施設野菜栽培農家2 件、果樹栽培農家1 件の 3 件である。平成 28 年度は 1 件あたり 300 万円を限度に、対象経 費の1/2 を補助する。 2 つめは、農商工等連携推進事業である。この取り組みは、川崎市農業振興計画 26 ペー ジの(オ)多様な連携からの新しい価値の創造に対応している。川崎市の農業人口は地方と 比べて圧倒的に少ない。その代わり、すぐ近くに消費者がいる、他の産業を行っている事業 者がたくさんいる(商業、工業、福祉団体、NPO など)という強みがある。他の事業者と 連携することで農業の効率化、省力化、高付加価値化を図る。この事業では、①モデル事業 の推進、②都市農業活性化連携フォーラムの開催を行っている。 3 つめは、農地実態調査事業である。これは、現地調査を行い、遊休農地が発生する要因 等について調査を行うものだ。 次に、川崎市農業振興計画の課題について、あまり進んでいない取り組みはあるのかと伺 ったところ、進んでいない取り組みはあまりないと述べられていた。挙げるとすれば、「新 規就農者総合支援事業」であるが、当事業の対象となる申請がない。昨年と今年は0 名であ る。国の施策である「新規就農者総合支援事業」は、年間最大150 万円(最長 5 年)を新 規就農者の経営が軌道に乗るまで支援する事業のこと。対象者がいない理由として市内に 新規就農者が利用可能な農地が少ないことが挙げられる。 川崎市の特徴的な取り組みが1 つある。それは、農商工等連携推進事業で行っている「都 市農業活性化連携フォーラム」の開催である。第1 回は 2016 年 6 月 27 日(月)、第 2 回は 2016 年 10 月 28 日(金)開催。第 3 回は、2017 年 3 月 24 日(金)開催予定だ。このフォ ーラムでは、講演や農業者と事業者が意見交換を行う場を提供している。意見交換会の場で は、それぞれの課題について話し合いが行われている。例えば、農業者の販路開拓などの話 がされている。この他に、援農ボランティアの活用で人手不足の解消を行っている。 川口愛氏の見解によると、農業を推進するにあたって、効果的な取り組みとして 2 つ挙 げられる。1 つめは、直売所等で農家が消費者の声が聞けるなどの農家自身が働く喜びを感 じることができる環境があることだ。このことによって、農家のモチベーションアップにつ ながる。セレサ川崎農業協同組合が経営する大型農産物直売所セレサモスの場合、売れ行き をリアルタイムで生産者に知らせるシステムがあることから、生産者は追加で野菜の出荷

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14 などの判断ができる。また、セレサモス麻生店ができたことで、遊休農地が減ったという結 果がある。2 つめは、農業収入の増加を図ること、農業の楽しさを次世代を担う人たちに知 ってもらうことだ。 次に、現在の市の政策に対する農家の意見・声として、2 つ述べられていた。1 つめは、 毎年、川崎市はセレサ川崎農業協同組合(農協)及び川崎市農業委員会から、次年度に向け た川崎市への要望事項を受け取っており、この要望事項の中に農家の意見・声が反映されて いる。2 つめは、日頃の業務の中で職員が個別に意見、声を聴き、施策に反映させている。 また、農協と情報共有などの連携が行われている。 最後に、川口愛氏の見解で、農業に関連して学生に取り組んで欲しいこととして、2 つ述 べられた。1 つめは、川崎市の農業について理解、知ること。2 つめは、プランターでミニ トマトを作る、直売所へ行くなどの身近な農業の体験をし、農業の楽しさを知ること。 3.4.3 相模原市 環境経済局経済部農政課 成川奏美氏 相模原市環境経済局経済部農政課の成川奏美氏にインタビューを行った。 他の市にはない、相模原市の特徴的な取り組みについてお伺いしたところ、相模原市では、 特徴的な取り組みは行っていないとのことだ。相模原市の特徴として、都市と中山間地域が 隣接した地形であることが挙げられる。 さがみはら都市農業振興ビジョン2025 の課題について、あまり進んでいない取り組みは あるのかと伺った。耕作放棄地は対策を講じていることから、年々減っている。そして、新 規就農者も少しずつ増えていることから、取り組みの効果は出ている。しかし、なかなか農 家で次世代の担い手が育たないことから、新たな耕作放棄地が生じ、全体としては耕作放棄 地が増えてしまう。 成川奏美氏によると、農業を推進するにあたって人と農地に対する施策を行うことだと 考えるが、総合的に施策を進めることが大事である。 相模原市では農家の意見・声から新規就農者に対して、就業者の育成と悩みの解消を目的 に新規の会を開催している。 なお、普段、私たちがスーパー等で販売されている野菜の価格では農家の経営は成り立た ないとのことだ。2016 年 9 月あたりから野菜の高騰がニュースで話題になった。相模原市 の農業担当者の見解によると、高いといわれている高騰時の価格が実は農業経営を行う上 で適正価格であり、通常時の価格では経営が成り立たない。高価格での販売が農業経営の安 定につながることになる。 最後に、成川奏美氏の見解で、農業に関連して学生に取り組んで欲しいこととして、2 つ 述べられた。1 つめは、農業に興味を持ち、理解をすること。2 つめは、地元の野菜を買う こと。

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15 3.4.4 インタビュー結果 インタビュー調査を実施して、わかったことが3 つある。1 つめは、どこの市も農業の取 り組みはほぼ同じであることだ。例えば、担い手の育成や地産地消、経営支援等はどの自治 体でも取り組みが行われていた。横浜市・川崎市・相模原市の政策の分類調査の中で、横浜 市民は農業に対して理解があることから横浜都市農業推進プランでは農業の理解促進を課 題にしていないと予想していた。しかし、横浜市へのインタビュー調査の中でこの予想は間 違っていたことがわかった。このことから、農業計画に書かれている課題をそれぞれの市で 比較しても結果は出ないことが予想される。 2 つめは、普段、私たちがスーパー等で販売されている野菜の価格では農家の経営は成り 立たないことだ。2016 年 9 月あたりから野菜の高騰がニュースで話題になった。相模原市 の農業担当者の見解によると、高いといわれている高騰時の価格が実は農業経営を行う上 で適正価格であり、通常時の価格では経営が成り立たない。高価格での販売が農業経営の安 定につながることになる。 3 つめは、横浜市・川崎市・相模原市の共通点として、ブランド化や高付加価値化などの 第六次産業による農業経営の安定化に取り組んでいることだ。例えば、川崎市・相模原市で はトマトを活用したトマトジャムの販売が行われている。 このことから、都市農業を推進するにあたって、市内での消費を通じて地産地消につなが ること、相応の金額で買ってもらえるようにすることが大事である。 3.4.5 インタビュー調査についての考察 横浜市・川崎市・相模原市を比較する中で特徴的だったことが2 つある。1 つめは、農業 の位置づけだ。川崎市・相模原市は農業を経済的な視点から位置づけているが、横浜市は都 市農業を緑や公園と並んで環境的な視点から位置づけている。2 つめは、横浜市は緑の環境 を維持するために、横浜みどり税として、年間900 円(個人)を市民税に上乗せしているこ とだ。横浜市は、樹林地や農地の多くが私有地であることから、所有者による緑地の保有を 支援し、相続等やむを得ない場合には買い取るとともに、市街地の緑化等を進めている。こ れらの施策を継続して実施していくためには、多くの費用が必要であり、安定的な財源を確 保するために、横浜市では平成21 年度から税金を課している。これが「横浜みどり税」だ。 横浜みどり税のような使用用途が明確かつ緑や自然に特化した税金の上乗せをすること によって、自然の確保だけでなく都市農業の推進にも繋がるのではないかと考える。

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第 4 章 おわりに

4.1 本論を通じてわかったこと 本研究を通じてわかったことは、2 つある。 1 つめは、どこの市も農業の取り組みはほぼ同じであることだ。例えば、担い手の育成や 地産地消、経営支援等はどの自治体でも取り組みが行われていた。政令指定都市は市自らの 責任に基づき、主体的、計画的かつ迅速な対応が可能になる。このことから、それぞれの政 令指定都市ごとで独自の取り組みを実施しているという仮説を立て、政令指定都市を調査 対象地域とした。本研究を通じて、農業計画に書かれている課題をそれぞれの市で比較して も結果は出ないことが予想される。 2 つめは、横浜市・川崎市・相模原市の中で、横浜市が最も都市農業が盛んであることだ。 冒頭で述べたように、横浜市は 2015 年時点で 158 万世帯のうち、農家の戸数は 3.451 戸 (人口367 万人のうち、農業就業人口は 4.482 人)。全体からみると非常に少ないが、農地 面積は2.939 ヘクタールあり、市域の 7%を占めている。(2010 年から 2015 年の新しいデ ータに変更しました。)3 市の農地面積の割合に注目すると、横浜市は 7%、川崎市は 4%、 相模原市は5%である。3 市で比較すると横浜市が最も農地面積の割合が大きい。農地面積 の割合が大きいことから、横浜市は農業が盛んであることが言える。横浜市は都市農業を緑 や公園と並んで環境的な視点から位置づけている。その一方で、川崎市と相模原市は農業を 産業のひとつとして経済的な視点から位置づけている。 このように、本調査を通して、3 市の中で最も都市農業が盛んである横浜市は、環境との 関わりを重視していることが明らかになった。 本研究では、政令指定都市である横浜市・川崎市・相模原市を調査対象地域とした。この ことから、今後都市開発を推進させる地域に本論文の提案は有効であると考える。また、都 市開発の進んでいる地域にも本論文での提案が活用できるのではないかと予想される。 4.2 提案 本調査を通じて、都市農業を推進させるための提案をする。それは、横浜市のように都市 農業を緑や公園と並んで環境的な視点から位置づけた上で、農業のみに取り組むのではな く、環境と農業を同時に取り組むことで都市農業を推進させることができるのではないか と筆者は考える。

謝辞

今回、この卒業研究を卒業論文として形にすることが出来たのは、指導教授として担当し て頂いた枝廣淳子教授の熱心なご指導や横浜市環境創造局農政推進課の丸山知志様と近藤 智様、川崎市経済労働局都市農業振興センター農業振興課の川口愛様、相模原市 環境経済 局経済部農政課の成川奏美様が貴重な時間を割いてインタビュー調査にご協力していただ いたおかげです。ご協力していただいた皆様へ心から感謝の気持ちと御礼を申し上げます。

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参考文献

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参照

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