仏教文化研究所紀要44　018東森 勲「関連性理論と仏教用語の意味変化(個人研究)」

’

関連 性

理

論

と

仏 教 用 語

の

意 味 変 化

東 　

森

勲

● 　 大 丈 夫 ？お大 事に ●

　

ち ょ っ と， けが し た くらい で

大

げさ だよ ● 　こ の夏， 札 幌の テ レ ビ塔に は じめ て 登っ た ● 　フ トンがニ ュ

ー

ヨ

ー

クの ホ ワ イ トセ

ー

ル で売 られて いた ● 　 関 空は西日本の _空の _{玄 関}で _す ● 　

一

等もビ リもワ イワ イ幼 稚 園 ●

　

単位 が 不足し てい て

卒業

で きない ●

　

龍 谷 大 学

英

文で は

今

，

特任教

授を

募集

して い ます。 ● 　 京 大の工学 部は学 生が多い _。 木

稿

で は借

用語

の意 味 変 化の研

究

の

一

つ と して日本

語

で_特に 日

常語

になっ た仏 教 用

語

の 意

味変 化を

Encoded

　concept か ら

Communicated

　concept へ の意 味 変 化とし て

Ad

　

Hoc

Concept

　

Construction

_（

concept 　narrowing ，　concept 　

broadening

，　concept 　

Ioosening

）

を用い て説明するこ と；最 終 的に は 類 似 性

（

resemblance _）に 基づ _{く 仏 教 用 語}の サ ン ス ク リ_ッ ト語か ら 中 国 語さ らに 日本 語へ の _{借 用}プ卩 セ ス

_（

_翻訳

）

の こ と も考え た い _。

Cf

．

Higashimori

　and 　

Wilson

_（

1996

：

116

）

1

．

Lexical

　

Pragmatics

に

基

づ

く意 味 変 化

：_日

本語語彙 全休

_の

分析

1．1．説

明原理

一

Wilson

（

2004

）

p．

343Lexical

　

prag

皿 atics　

is

　a　rapidly 　

developing

　

branch

　

of

　

linguistics

　

that

　

investigates

　

the

processes

　

by

　which 　

linguistically

−

specified （‘

Htera1

’

）word 　meanings 　are　modified 

in

　_use

．

〈

語

彙 語

用

論 ：_文

字

_通りの

_語

の

_意味

が言 語 使 用によ りどのよ うに

_意味

変 化 する か研 究 す

_為

分 野 〉

P ．

344the

　alternative 　view 　that　the_ア

_（

narrowing ，　apProximation

，

　and 皿 etaphorical 　 ex

・

tension

）are 　outcomes 　of　a　single 　pragmatic 　

process

　which 丘ne

．

tunesthe

interpretatiQn

of　virtually 　every 　word

　　　　　　　関 連 性理論 と仏 教 用 語の煮味変化

Encoded

　concept

_（

_{語 ）}十

Assumptions （

知識

）

→

Communicated

　concept

_（

_概

_念が

_狭

くな る

・

広 くな る

・

ず れる

_）

〈関連 性理論の

_伝達原

_則に従 う〉

p ．3441will

　adopt 　a　single 　model 　of　

linguistic

　semantics 　that　treats　words 　as　encoding

mentally

−

represented 　concepts ，　elements 　of　a　conceptual 　representation 　system 　or

‘

1anguage

of 　thought ’

，　which 　constitute 　their　

linguistic

　meanings 　and 　

determine

　what 　might 　

be

called 　their　

linguistically

・

specified

　

denotations

．

p ．

344The

　

goal

　of　

lexical

　semantics 　

is

　to　

investigate

　the　relations 　

between

　words 　and

the　concepts 　they　encode _，　and 　the　

goal

　of　

lexical

　prag 皿atics　

is

　

to

　account 　

for

　

the

　

fact

that　the　concept 　communicated 　

by

　use 　of　a　word 　often 　

differs

　

fro

皿 the　concept 　encoded

．

・

_語彙語用

_{論の 目的 ：}

_記号

_化された

_概

_{念 と}

_伝達

_{さ れ た}

_概念

_の

_ず

れを

説

明する こ と

1

．1．

1

．概

念の

_特

_殊化

p

．

344Narrowing

　

is

　the　case　where 　a　word 　

is

　used 　tQ　convey 　a　more 　specific 　sense 　that

the



encoded 　one _，　resulting 　

in

　a　restriction 　of　the　

linguistically

−

specified



denotation

．

● とり （参 照 ：_{山 梨正 明}

_（

2004

：

17）

『_ことばの_{認 知空 間 』 開 拓社}

_）

　

（1） 札幌の ス

ー

プヵ レ

ー

に は と り が 入 っ て い た 〈

Ad

　

hoc

　concept と り＊〉 　　　　　　と り ： _{「鳥 類」}

一

_{〉 「鶏」　 　 〉 「鶏 肉」}

　

（

2

_）

_{北 海}

．

_道で は高い 木に た くさん とり がとまっ て い た 〈

Ad

　

hoc

　concept と り＊＊_〉 　　　　　　と り ： 「鳥 類_」　 　 〉 「カ ラス

，

とんび

，

鷹」 な ど

　

（3） 鴨川でた くさんの _とりが 飛んでい た

〈

Ad

　

hoc

　concept と り＊＊＊_〉

　　　　　　

と り： 「

_鳥

類」

　　

〉 「_{か もめ} ， ゆ りか もめ， 白 鷺」 な ど

　　　　　　　　　

●ころも： 「衣

_服

_」

一

〉 「

_僧

_衣」

　　　　　　　　　

● 衣 服

　

えぶ く

　 着

衣。

一

_般

_に

_身

_に

_着

_する

_着物

_を指し ， 僧 尼の 身に まと う袈 裟

　　　　　　　

（け さ

）

，

衣

（

こ ろも

）

の

_総

_称

_。

　

（

4

_）

_{大 阪 桐 蔭}の平田君は

2

人 日の清 原だ

。

〈

Ad

　

hoc

　concept ：清 原＊_〉 　　　　　　清 原 　 　〉 _{甲子 園}で

1

試 合に ホ

ー

ム ラ ン

3

_{本 打}っ た選手

1．1．2．概

念の

_拡

大

_（

一般

化

_）

p．344Approximation

　and 　metaphorical 　transfer　may 　

be

　seen 　as 　varieties 　of 　

broadening

_，

where 　_a　word

is

_usedto_{convey 　a 皿 ore　general　sense}

，　with 　consequent 　widening 　of　the

linguistically

卩

specified

．

　

denotation

．

　　　　　　

関連性理論 と仏 教 用 語の意味変化

p

．

345Approxirnation

　

is

　a　variety 　of　

broadening

　where 　a　word 　with arelatively strict sense 　

is

　extended 　to　a 　

penumbra

　cases 　that　strictly 　speaking 　

fall

　outside 　

its

　

linguistically

−

speci 丘ed



denotation

・

　

（

5

_）

こ の _{注 射}は痛 くない です 〈‘

Ad



hoc

_{concept ほ どん ど痛 くない} ’_〉 　 　

・Cf ．

　

Holland

　

is

　

fiat．

／彼は無 学だ

Asecond

　variety 　of　

broadening

，　which 　

l

　will　call　category 　extension ，　

is

　

typified

　

by

　the

use 　of　_salient 　

brand

　names _（

Hoover

，　

Kleenex

）

to　

denote

　a 　

broader

　category （

‘

_vacuum

cleaner ・ ，　

ldisposable _tissue’

）

　

including

　

items

　

from

　

less

　

salient 　

brands

・

　

 

　

玄 関 ： 「_{仏 教}の奥 義へ _{至 る 入 り}口」

一

〉 「禅

寺

Q

書

院

さ の

入

り旦」

一

〉 〈家の

丞

り口〉

　

 

　

挨 拶 ：挨は 「押 す_」拶は 「せ ま る」 の意で ， 「

前

にある こ と を押しの けて進み出る こ と

　　

を い う」

（

辻 本 敬 順 （

1984

：

8

）

r

_{仏 教 用 語 豆 事 典}』

本

願

寺）

一

〉 「

_禅

_問

_答に墨

ける

_豊

　　

と り」

一

〉 〈人との 出

会

い

・

別れの

際

にや りと

_{軌 （}

社 交

的

な こ とば

_）

〉

　　　

バ リ カ ン

（

製 作

会社名

一

〉普 通 名 詞 化

）

　　　

セ ロハ ン

，

セ ロ _テ

ー

プ

（

商 品

名

， 登

録商

品 名

一

_〉

一

_{般 化}

_）

1

．1．3 ．

概 念の

ず

れ

p．

346Metaphor

　and 　

hyperbole

　may 　

be

　thought 　of　as　more 　radica1 　varieties 　of　category extenSlon

．

　

（

8

_{＞ 関}

空は 西 日本の空の _{玄 関}で_す。 〈

Ad

　

hoc

　concept ：玄 関 ＊_〉

　　　　

玄

関

一

〉

_（

飛 行 機に よ る

）

出入 りする場 所 〈

RT

で ば メ タ フ _ァ

ー

は

概

念の ル

ー

ス 化とし て扱う。

推意

よ りも表 意に かか わ る か ら〉

1．1，4 ．

新し い概 念の形 成

Neologi．

sms 　and 　word 　coinages 　provide 　

further

　

data

　

for

　atheory of

lexical

pragmatics

 

　

日本の空 港で はい ま， 空

弁 （

そ ら

べ _ん

_）

が人 気です。

 

　

ク

ー

ル ビズ ：

Cool

　

biz

　energy

・

saving 　attlre　ca皿

palgn

・

　　　

JFK

：

阪

神 勝 利_の力 程 式

JFK

「完

全

_」

一

復活

　

（

日刊ス ポ

ー

ッ

ー

　

2005年

8

月

17

日

）

　

〔

「

J

」 は ジ ェ フ

・

ウィ リア ム ス

，

　

rF

」 は藤 川，

　

「

K

_{」 は久}

_保

田

〕

。

〈

RT

で は概 念は記 憶フ _ァイル に名 前をつ _{け て保 存さ れ}て い るもの で ， 百

科辞書

的 項 目 な ど ど

ん どん情 報 書 き込み さ れ る し

，

個 人の

_概

念 リス トの 拡 張 も

自

由に行な われると考え る〉

Lexical

_っrag皿 atic　processes　apply ‘on 　

line

’

in

　a　

flexible

，　creative 　and 　context 　

depehdent

　 　 　 （

3

）

関 連 性 理 論 と仏 教 用 語の意味 変化

way

the　repeated 　application 　of　

lexical

−

pragmatic 　

processes

　ma

．

_y

　

lead

　to　 semantic 　 change _：

what startsasaspontaneous _，one

・

offaffair　may 　

beco

皿 e　rggular 　and 　

frequent

　enough 　

to

stabilize 　

in

　a 　cornmunity 　and 　_give　rise 　to　an　extra 　sense

．

・

_〈

_意味変化

_とは語

_彙

_{語 用 論に よ る プ}μ セ ス を オ ン ラ イ ンで

_繰

り返し

適

用した 結 果で きるも

　

め

_〉．

1

・

2

・

ア ドホ ッ ク概 念 形 成

（

Ad

　

hQc

　concept 　construction

）

　　

 

Lexical

−pragmatic

　

processes

　

do

　contribute 　to　explicit 　truth

−

conditional 　content ：

　　　

（

単

語 レベ ル の

意

味理

解

に も語 用 論が関わ る

）

　　　　N

禦 四 Ψ

lln

琴： とり→ 鶏

（

_にわ と り

）

　　　　恥

gg

型 塾

麺

g：

玄

_関

一

〉 （飛 行 機の

_）

発

着

する とこ ろ

　　

 

Not

　all　narrowing 　

is

　stereotypical 　or　analysable 　

in

　terms 　of 　

default

　rules

．

_（

_概

　　　

念

の

_特

_{殊 化}は典 型例 だけの _分

_析

で は不十 分 ；

_認知意

_{味 論}

_）

　　

 

There

　are 　combinations 　of　narrowing 　and 　

loosening

：

（

概 念の

_特

_{殊 化}とず れが同

　　　

時に関 係 する場 合がある

）

　

 



友 達 が あそ びに きたの で

，

息 子は宿 題もせずに飛ん でい っ た

．

　

ア ドホ ッ ク概 念 形 成

（

Ad

　

hoc

　concept 　construction

_）（

Cf

・Carston

　

1996b

_，

1998）

。 人 間の

もつ

_強

力な推 論 能 力に より

，

オ ン ライソの

発

話

解

釈の 際に語 彙 的に _{記 号 化}された

_概念

か らア ド

ホ _ッ ク概 念 形 成 が可能と なる。 ア ド ホ ッ ク

概念

形成は お もに次の

3

_種類

と

考

え る。

　　

i

） 語 彙 化さ れ た概 念を狭 くする （narrowing

_）

_場

_合

　

 



Kimono

き もの

_（

_着

る÷ もの

_）

…

〉

_和

_服

Japanese

　

ki

皿 ono

_（

clothes ：

ki

〈

kiru

‘to　wear ’十mono 　tthing

’

_）

…

_＞

Japanese

　

kirnono （

tra

．

ditional

　

Japanese

_（not 　

Western ）

costume 　

18860ED

〈洋 服出現

前

〉

　　

〈過 渡 期 〉

　　　

〈現 代 〉

　

「_{き も}の」

一

〉 「_{き もの 」}

一

_〉 「_{き も}の 」

　

（

「_衣服」



「_{和 服」 の意}

_）

　 　 　 「_{洋 服」}

一

・

一

一

「_{和 服」}

　　　　　　　

、

＼



「_{洋 服」} 玉村 文 雄

（

2002）．

『日本 語語

彙

の_{研 究 』龍}

_谷

大 学

博

士

論文

tp

．

173

ii）語彙化

された概 念を拡 大

（

一

般

化

）

する

（

broadeping

）

場 合 　 　 　 （

4．

）

　 　 　 関 連 性 理 論 と仏教 用語の意味変化

 

　

くるま座

，

荷 車

（

‘_wheels ’

）…

〉 くる ま

C

‘car

’

）

 

　

Japanese

　oshibori

_（

o ‘

honorific

’

十shibori ‘

squeezing ’

）

…

＞

Japanese

　oshibori

_（

‘

asmal1

・

　

moist _，　rolled 　or　

folded

　towel　served 　to　customers 　or　visitors 　

for

　cleaning 　their　

hands

’）

　

19590ED

 

　Japanese

　

Honda

_（‘

a 　co 皿 pany 　name 　making 　motorbikes

’ ）

…

＞

English

｝

londa （

‘

a

　

motorbike 　

in

　

genera1

，

_）

　

iii

）語彙化

さ れた概 念をずら す

（

loosening

） 場 合  

　

「ま

（＝

目

）

」 ＋ 「へ （方 ）_」

（＝

・

　

H

_の

前）

　　

〔

（

例

文）

目の_前に アル プス の高い 山が

見

えて い た

。

人 間が

Iandmark

（＝lm ）

〕

　　　

一

〉 「_{ま え」 空 間}

_（

_前

_）

　　

〔

（

例文 ）バ ス の

前

に ひ と が立っ て いた

・

北 海

道

庁の

建物

の 前に 池があっ た

・

パ ソ コ ン

　　

の前に

座

っ て仕 事した

・机

の

前

に

座

っ た〕

　　　

一

〉時 間

（

ある

時

点を

_境

に し てそ れ以

前）

玉

村 （

2002

：

173

）

　　

〔

（

例

文）

60

年

前に戦 争が

終

っ た〕

　

〔参 照 ：以 前 と以 後につ い て は 瀬 戸

賢

一

（

2005

：

218

）

　　

『よ くわ か る比 喩 ：_ことば_の根っ こを

知

ろ う』

研究社

〕

　　

〔図

・

地 の_{分 化}と反 転につ い て は山梨

（

2004

：

138−139）〕

 

　

い ろいろな

（

‘_colorfu1 ’

）

＿

〉（・_various

・

）

2

．

日

常 語

と な っ た

仏 教

語

：

先行研究

2．1．

林 大

（

1978）

　

「_仏

_語

」

　r

国 語 学 辞 典』国

語学

会

編

東 京 堂 「_旦

_那

， 坊 主」 著しく意

義

を転じ た もの 「_{世 間，} 玄

関，

演 説」 その起 源が仏 語であるこ とに きつ かれ ない もの 「_因

_縁

_縁

_，

_慈

_悲

_{， 殺 生}」原 義の ままで は ない と し て も，

仏

教 的 な考 え方 を日本 人につ きま と わ せて い るもの

　　

 

普

通の語と同 形 異 義の もの ：_{無 学}

　　

 

　

誤 解に基づ _{く転 義} ：_{人 非 人}

　　

 

　

漢

訳

仏

典を通 じて の 借 用，

梵語

も漢

字

に音 訳された ものが用い られる ：

刹

那

，

旦 那，

　　　塔

　　

 

　

漢 語も しくは漢 訳 語は多 くは呉

音

に よ り

，

連 濁が多い ：_往生

，

極 楽

，

世 間

　　

 

　

普 通 用 語で は， 漢

音

で誤 読される ：_{神 通}

　　

 

鎌倉

時 代 以

後

に は

_唐音

の もの もある ；普 請

，

和 尚

　　

 

輸

入経 路の明 白でない もの ：テ ラ， ホ ト ケ 　 　 　 （ 5 ）

　 　 　 　関連性理論と仏教 用 語の意 味 変 化   雅 語 として の

_和

_{訳 語}がある ：法

（

みの り

）

2

．2．

倉 島

節尚 （1996）

　

「_国語

_辞

_書の仏 教 用 語」

　

r

大正大

学

研

究論叢

』

4

巻

，

pp

．

395

−

424

．

　　

 

古く仏 教 用 語であっ たが

，

その関 係 が

一

_般

に 忘 れ ら れて し ま っ た もの

（

近 代になっ て

　　　

か ら， 訳 語とし て 広 く使われる ようになっ た ものも ある

）

：意 識。 応 用， 観 念

，

行 儀

，

　 　 　工夫， 世 界

　　

  も と も と漢

語 （中国語）

に お い て， 仏 教

用

語でもあり

一

般の 語で もあっ た もの ：

一

大

　　　

事，

一

_等

， 温 室， 堅固， 勝 因， 勝 利

，

大 事

，

堕 落

，

単 位， 端 的， 知 事， 投 機， 不 思

議，

　 　 　 付 属， 無 学， 理 事

　　

  日本で新たに

_意味

が

加

お っ た もの ：意 地

，

一

味

，

覚 悟

，

玄 関

，

言

語道断

_，

道楽

_， 無

　　　

残

，無

所

得，無

心

_，滅

相

　　

 

日本で仏 教 用 語 として もちい ら れ る ように なっ たもの ：

懸

念， 所 感

　　

 



仏 教 用 語 と関 係なく

，

日本

語

で の_{語 形}が

一

致し た だけの _もの ：

_暗証

 

の _例 ： 意 識 ： _{〈仏 教 〉 〔}

梵

_{語 〕六識の＝ 感 覚 器 官に よる 目}

・

_耳

・

_鼻

・

_舌

・身

_の

5

_{識に対 し}

_，

_{心の 働}

　　　　　　　

き

，

精 神の

_働

きの こ と_。

_第

六

識一

『大

_辞林

』

応

用 ：

_〈

_仏

_{教 〉}

_仏

や

_菩

薩が

_衆

生を救 うた め に，

時機

に 応じ た姿となっ て現 わ れるこ と

　　　 く現代

日本

語〉応

用 が

き

く。 観 念 ： 〈仏 教 〉 仏 教の瞑 想 法の

一

。精

神を集 中し

，

仏や

浄

土の 姿

，

_{仏 教}の

_真

理 な どを心に思い 　 　 　 　描 き

，

思 念 するこ と

　　　

〈現 代 口本 語 〉 時 間の観 念がない

・

こ の辺でも う観 念し た ら ど う：

_物事

_につ い て抱 く考 　 　 　 え 行 儀 ： _{〈仏 教 〉 法 会 や 修}

法

の定め られた

方

式

　　　

〈現 代日本 語〉

一

般

の 立居

振舞

にまで広が っ た もの エ夫 ： 〈仏 教 〉 禅 宗で_， 修 行に励む こと_， また_， よく考 え研 究 す_るこ と 。

　　　

〈現 代 日本 語 〉

一

般 化さ れ

，

よい _{方 法}

・

_{手 段}を見 出すの意 世

界

： _{〈仏教 〉}



_{〔梵 語 〕}

1

_{） 須 弥 山 （し ゅ}みせ ん）を中心 に形 成さ れ る

一

定の空間 領 域。

　　　　　　　2 ）衆

生

（

し ゅ じょ う

）

が 住んでい る場 所で

，

時 間

・

空 間 的に なん ら 　 　 　 か の制 約を受 け， もと まりをもっ て い る広が り

　　　　　　　3 ）

ある_仏を中心 とする空 間。

　　　

〈現 代日本 語 〉世

界

中 がテ P で大 変だ。   の例 ： （

6

）

　 　 　 　関 連 性理論と仏 教 用 語の意 味 変 化

一

大

事

； 〈

_仏

教 ＞

1 ）

仏が衆 生 救 済のため， この世にあ ら わ れ る とい う大 事

。

　　　　　　　　2 ）

最 も大 切 なこ と。 悟 りを得るこ と。

　　　　

〈現 代日本

語〉

　

「

_大

_事に し まっ て お く」

　

「お大 事に 」

　

「そ れは

一

大

事

」

一

等 ： _〈仏

教

〉_平等である こと_。 同

一

_。

　　　

〈現 代日本 語 〉

一

番の

意

温 室 ：

_〈仏教

_{〉 浴 室}

，

_{湯 殿}

。

　

（

_{漢 語}で は

普

通に 「暖か い

_部

屋」 の 意

_）

　　　

〈現 代日本語 〉 浴 室の

_意

は ない 単 位 ：

〈

_仏

教〉

禅 寺で

，

修 行 僧 各 自の座 席_。

（

「単」は名 札， 「位」 は食

・

寝の位 置で， 僧 堂に

　　　　　　　

おける雲 水の _{居 所}を さす

）

　　　

〈現 代日本 語 〉 単 位が 不足して い て

_卒業

で きない

。

知 事 ： _{〈仏 教 〉}

寺

で

，

僧の雑 事 や 庶 務をつ か さ ど る

僧

。

　　　

〈現

代

口本語 〉 大 阪 府知事 無 学 ： _{〈仏 教}

〉

_小

乗

_仏

教

_で

，

_四果_を阿 羅 漢 果 ま_で修 得_し ， もはや 修 行 すべ きこ との な く なっ た

　　　　　　　

位。 ま た その境 地。

　　　

〈現 代日本 語 〉学問

・

知 識が無い の意

。

　

〔全 く逆の意 味になっ て いる

〕

 

の_例 ：

一

_味 ： _{〈仏 教 〉 仏の教え が平}

等 ・

一

様

で あ_ること

　　　

〈現 代日本 語 〉 悪 党の

一

味 ： _もっ ば_ら

悪事

_や

謀

_{反を 企てる}

集

_団に対_して

用

い る 玄

関

： 〈

_仏

教 ＞

1 ）

禅に はい る 入 り口_。

_禅

_学の 入門。

2 ）

禅

寺

の

方

丈に突 出し て 設 けられた，

　　　　

出入 りの ための _ところ，

3 ）

禅 修 行の過 程で重 要ない し困 難な部 分。

　　　

〈現

代

日本

語〉普

通の人 家の 入 り口 道 楽 ： _〈仏

教

〉 仏 道修行に よっ て得た悟 りのたのし み

　　　

〈現代日本 語＞

1

）

もの_{ず き}

。

_自分の職 業 以 外の物

事

に ふけたの し むこ と

。

　　　　

2 ）

よ か らぬ あ そび。

す

な わ ち， 酒 色

・

_賭

_博

_{な どに ふける こ と} 。 や くざ。 無心 ： _{〈仏 教 〉}

一

_切の

妄

念か ら

開

放さ れた心

　　　

〈現 代 日本 語 ＞

1 ）

心 に わ だ か ま りのない

ご

と。 雑

念

や欲心のない こ と。

　　　　

2 ）

「_{無 心 す}る」 は 「金品 を ね だ る」

（

思 慮 分 別のない こと。 他 人の

迷

惑を

考

えずに

　　　　　　

たのむこ と

）

の

意

  の例 ： 懸 念 ： _{〈仏 教 〉 あ}る

対象

に思 念を

集

中 させ る こ と。

　　　

〈

現代

日本 語 〉 ある

一事

が 心 に か か るこ と。

所感

： 〈

_仏

教 〉 過 去の

_行為

_{が 結}

_果

を生 ずる こと。 また， その

結果

。 　 　 　 　（

7

）

　 　 　 関連 性 理 論 と仏 教 用 語の意 味 変 化 〈現 代日本 語 〉 心に感 じた こ _と

_〔

_{古 くか ら}

_漢語

で_もその意 味で用い られて いた。

r

日本 国

語

大

辞典

』で は所

感

は仏

教

用 語と して の記 述か ら始ま る

、

、

〕   の _例 ：

暗証

： 〈仏

教〉教

_{理 な どの研 究を ない が し ろにして} ， 座

禅

な どの 瞑 想 的 修 行に 没 頭 する こと。

　　　

〈現

代

日本

語〉

キ ャ ッシ ュ カ

ー

ドな どの 「暗 証」番 号

3

．

Lexical

　

Pragmatics

に よ る

_新

た

な

日

本 語 語

彙

の

_{分 析}

○

倉 島

（

1996）

p

．

396 仏

教の

_用語

を 口 にするこ とは教 養の深さを あ らす もの で あっ た

。

平 安

時

　

代の_漢

_語

や

，

現

代

の

_外来

_語に通

ず

る

　

P ・

398r

大

辞

林』初 版では仏 教用語は

22

万

語

の _{見 出}し に対し て

2，

65

％ 〈

5827

項 目〉

　

一

般 社 会 人に 理

解

で ぎる語 彙 〈理解 語

彙

〉は

5

万 語 く らい で

，

1300 語前

後

の

_仏

_教

_用語

_がふ く 　 ま れて い ることになる

○

玉村

（

2002）p．

86

　　

〈漢 語 〉の 身 元

　　

中 国 由

来

の

漢語

の中に は

，

　

「_{卒 塔}

_婆

_」



「_{仏 陀}」 の ような

，

中国語にとっ てすで に

外

来 語で

　　

あっ た もの が ま じっ てい た。

　　

p

・

79

‘ nature ’ を意 味 する 「_{自然」 は}

_漢語

_であっ て， 和

語

でその

概

念を表 すこ とは むずか 　 　しい _。

　

 

　大

丈

夫

？お大

事

に

● 大 丈 夫

　

concept 　narrowing

_／

loosening

　

〈仏 教 〉 人の こと を指し て

，

偉 大 な 人

，

りっ ばな人_， しっ か

軌．

し た

人 ．

（

人 全 体

）

　

〈現 代日本 語 〉ま ち がい ない

，

_あぶ なげない _{， 非 常}に し₂ か りし

_て

_坐

_る様

子

（

ム

／

_事柄

_¢）_性

　　質 ・

状

態）

。

…

辻 本

（

1984

：

107）

●お大 事に



concept 　

broadening

＿

＞concept 　narrowing

大 事

　

〈仏 教 〉さ

_ま

ざ まの仏が

_人

々 _を

_教

_{済 する た}め に世に

_出

現す るこ と

（

仏 教 亙

と

2 て

_大

切 なこと

）

　　 （

一

『仏 教が生んだ 日本 語』

p．

37

　

−

〉 〈現

代

日本

語

〉 大切 な こと

（

一

般

的に_{大 切}なこ と

）

お大

事

に concept 　narrowing

　

−

〉体を大切にすること

_．

（

大 切 なこ との _{特 殊 例}

_）

　  　 （

19）

ち ょっ と， けが し た く らい で大 げ さだ よ 　 　 　 （8 ）

関連「生理論と仏 教 用 語の意 味 変 化 ● 大 げさ

　

concept 　

broadening

→ concept 

loosening

　　

音 訳 ：rese _皿

blance

　

in

　

linguistic

　sound

　　

梵

語

：カ

V−・

チ ャ

ー

ヤ

（

赤

褐

色

を

意味

）

　

（部

分

）

一

〉 日本 語 ：

袈裟 （

僧 侶 が 身につ け る

衣

　　　　　

服

） （

全体

）

　　

日本 語 ；大 袈 裟

（

3

種

の _{袈 裟}の _うちの最 も大 き な もの

） （

衣 類の

_種

類

_）

一

〉 （物 事を実

　　　　　

際

よ り

誇

張 する様 子を い う語

） （

衣類 使 用に よ る態 度 ）

　

袈

裟

　

けさ 〈仏 教 〉サ ン ス ク リッ

b

語

kasaya

に相 当 する

音

写。 原

語

は赤

褐

色を意

味 〔

梵 語 ；カ

ー

チ ャ

ー

ヤ ：汚 れた とい う形

容

詞。

赤，

赤 褐 色， 暗 赤 色， つ ま り

汚

い 雑 色 とい う意 味か ら

僧侶

が

身

に つ _ける衣 服 「_{袈 裟」} を指 すこ とばと な る。

r早

わか り事 典』

，

　

P・

28

〕

　　

●

　

大 袈 裟

　

お お

げ

さ 〈仏

教＞

3

種の

袈裟

の うちの

最

も大

き

なもの

．

_{修 行 僧}の正装で，

威

　　　　

儀 張っ て もの もの し い とこ ろか ら，

俗

に

物

事を実 際よ り誇 張 する様 子をい う

語

と な る

　　　

 

　

こ の

_夏，

_{札 幌}の テ レ ビ塔に は じめて 登 っ た

　　

●

　

塔 （

卒

塔 婆

）

concept 　narrowing

／loesening

　　　　

梵

語ス ト_ゥ

ー

パ _（stnpa

_）

_{を音 写}し た 率 都 波

（

そ とば

） （

卒 塔 婆 ）の _{訛 略}で _ある 〈

塔

〉

　　　

を指 す 用 語 『岩 波 仏 教 辞 典』

　　　　

〈仏

教

〉

卒塔

婆は

_仏

陀の 骨や

_髪

を

安置す

る た め に

作

られた もの

（

建物全

体

）

　　　　

〈現 代日本 語 〉

幅

や

_奥

行きに

_比

ぺ _{て 高}さ が_{著 レ}

_＜

_{高 込}もの

_（

建 物の

_形

状

）

　

r

早わか り

　　　

事 典 』P

．

32

　　　

 

　

フ トソが二

＝

．

　

一

ヨ

ー

クの ホ ワ イ トセ

ー

ル で売 られて い た

　　

●

　

蒲 団 （ふ とん）

　

concept 　

loosening

〈仏

教〉

坐 禅の _{と き}

，

_尻の_コ

_ラ

こ_敷 く 円 形_{り 敷 物}で

，

水

_草

の

_{蒲 （}

が ま）を干

±

て

_九く

_編

んだ もの

　

が

蒲

団。 団と はい ろいろな ものを集めて 丸 く し た もの

r

早 わか り事 典』

P ・

30

・ 団子 く現 代日本 語 〉

寝

具に 使

_至

も_りで四角 形



ふ とん ；

敷布

_風

掛

け

布

団

　　　　　　　

（座るときに使うもの は

一

〉座

布

団

）

〈

英語

に入 っ た フ

1・

ン〉

家

具

と

して座る ためリイス として のマ ッ トレ ス

　

 

　English

　

futon

_（a 　_piece　of　

furniture

　which 　consists 　of 　a 　thin　mattress 　 on 　 a 　

low

　　

wooden 　

frame

　_which 　can 　

be

　used 　as　a　

bed

　or　

folded

　up　to　make 　a　chair

．

−

COB

σ

1LD

　　

（

1995

）

　  　関

空は 西 日本の空の玄 関です

● 玄 関 ：concept 　

loosening

−

＞concept 　

broadening

〈仏教 〉

　

_「

仏 教の

_奥

_義へ 至 る

_（

抽 象的

_な）入り

口 」

一

〉 「

_裡寺

の

_書

院へ の

_．

_〈

具 体的 な

）

入 り口 」 〈現

代

日本 語 〉

_（

普 通の

）

家の

_{入 り}

_旦

r

_早

わか り事 典』

p ．

37

　

−

〉

_（

飛

行機

に よる

）

出 入 りする場 所

　

 

　

一

等 もビ リもワ イワ イ幼 稚 園

〔

山藤 章二， 尾 藤三

柳

，

第

一

_{生 命 選}

_（

₂₀₀₁

_：

_185）

_{『サ ラ川』} 　 　 　 　（

9

）

　 　 　 関 連 性理論と仏教用語の意 味 変 化

　　

傑 作選 ：_{い の い ち ばん}

，

_講

_談社〕

。

●

一

等 ：concept 　

loosening

〈仏 教 〉 平 等であること

。

同

一

。 〈現 代日本 語 〉

等級 ・

序 列な どの第

1

位

，一番

の

_意。

　

 

　

単位 が 不足して い て卒 業できない ● 単 位 ：concept 　

loosening

〈仏 教 〉 禅 寺で 、L

そ型

£

姫

z

≧

修行

僧が指

塞窒

れて

も

つ 座 席

Q

並

と （

一

定

Q

空間 的

位

置

）

。

　　　　

（

「_{単」 は}

_名

_札

_，



「_{位」 は雲 水が食 事し た り}

_，

_{寝た りする畳}

_{1 枚分}

_{の居 場 所}

_）

〈現 代日本 語 ＞

1 ）数

量 を は か る 基

準

と なる 同種の_量の_名

_（

一

_定

Q

_抽象的

_基

_準）。

_{比 較 計 算}の

　　　　

基準と な るもの

_{。 2 ）}

大 学な どで

_学科

の

_履

_修

_証

_明を与 える基 準 となるある

一

定の _{学 習}

　　　　量

o

　

森

　

（1991

：

206

−

7

）

　

 



龍 谷 大 学

英文

では今， 特 任 教 授を

募集

してい ま

す

。 ● 教 授 ：concept 

l

〕roadening

／loosening

〈

仏

教

〉 法を教

え

道

を

授 けること

（

仕

事内容）

。 〈現 代日本 語 〉

_個

人教 授 する

_（

仕

事

内 容の

一

_般

化

）

　　　　　　　螳

の _{先 生}の こ

_と

_一

_（仕事

を

_する人

_）

。

　

鋤

　

京 大の 工

学

部は学 生が

多

い。

● 学 生 ：concept 　

broadening

_／

loosening

〈仏 教 〉 が くし ょ う と読み，

　

（

大 寺

で

）

_：

仏教

を学

ぶ

僧

。

〈現 代口本 語 〉 学 業を修める者。 大 学で学問 を学ぶ もの。 森

（

1991

：

51

） （student の _訳

_語）

4

．

結

語

1 ．

仏 教

用語

の 日木

語

の 日

常

語

化

へ の意 味 変 化には共 時 的

・

通 時 的と もに同 じ

Ad

　

Hoc

　

Con

・

　 　cept 　

Construction

で説 明 可 能

2

，

_大

_丈

_夫， お大 事に， 大 げさ， 塔

，

フ トン

，

玄

関，

一

等， 単 位， 教 授， 学 生 な どの 日本

語

の

　

concept _{を意 味 変 化}の立 場 で説明 す る場 合。 （

i

）co ロcept　narrowing の場 合 ；大 丈 夫

GD

　 concept 　

broadening

の場 合 ：_{玄 関}

OiD

　 concePt 　

loosening

の場 合 ：フ トン

　　

とこれら

3

つ の _組み合わせ に よ る とい う結 果に な る。

3 ．

仏

教

用 語の 日常 語 化で は， もとの

意味

が仏

教

以

外

の こ とle

ず

れた り， 仏 教 以 外に

一

般 化し

　　

て広がっ た り しての

_使用，す

な わ ち， concept 　

loosening

，　concept 　

broadening

は

確認

し 　 　 　 （

10

）

　 　 　 関 連 性理論と仏 教 用語の意味変化

やすい が

，

特 殊 化 する concept 　narrowing _{が 少 な}い ように思われる

。

英

語

の _{場 合}の_{借 用 語}の例 ：

concept 　narrowlng

　

（

i

） a

，

French

　

boeuf

_（‘

ox _；cattle _；

beef

’

_）

一

＞

Mod

　

E

　

beef

　　　

concept 　

broadening

　

 

　

Old

　

Icelandic

　sky

_（

‘

cloud ’

）

一

＞

Mod

　

E

　sky

　　　

concept 　

loosening

　

 

　

Old

　

Icelandic

　skyrta

_（

‘

shirt ’ ）

一

＞

Mod

　

E

　skirt 日本 語で 日

常語

に なっ た仏 教 用 語の例 ●concept



1oosening

：

隠語

の 例 ●しゃ り

く仏

教 〉

梵語

の シ ャ リ

ー

フ

_（

遺 骨の意

_）

_一

く現 代 日本語 〉しゃ り （ご_飯

_）

　　

釈 迦の遺 骨が米

粒

に似てい る ところ

一

米 川

（

2003

：

281

_）

　　

（

例

文）

寿 司 屋で は

昔

か ら，

1

シ ャ リ，

2

タネ とい っ て

，

シ ャ リの 味が寿 司の う まい， ま

　　　　　　

ずい を決め る んだ

一

r

寿 司 屋のか みさん うちあ け 話』 シ ャ リ_炊き とシ ャ リ切 り

　　　　　　

〔

1995

年

〕

　

〈佐 川 芳 枝 〉 の のし り 罵 倒 語の例 ● 餓 鬼

（

がき

）

〈仏 教 〉 大 変 苦しい

_境

涯に い る生 き もの で たべ _{ものを求め て も}

_，

これ を食べ よう とすると火に

　

変 わ り， つ い に食べ れない もの

く

現 代日本 語 〉この _{が き ！ 〈}

（

_遊びに夢

中

に な り

）

いつ もおなか をすか せ て ガ ッ ガ ッ して い る

　

もの

〉

米 川

（

2003

：

151）

子 供

（多

くは

男

児

）

また は 自分よ り も

年

下の 人 を卑しめた り

，

罵っ た りする 　 ことば。

　　

（

例

文

）

こ のが

_亀

わ しの

_暉

子に なにを

す

る ！ 『ときめき トゥ ナイ ト

 

』 類 似 性に基づ く言 語 現 象と して

_他

に次の よ うなものが

あ

る

　　

物理

的音

と言 語 音の類 似 性 ：

擬音語

　　

音 声 的，

音

韻 的 形 式 監

丞

る類 似

性

： _もの ま ね 〈

仏

教 用 語の音 訳 〉 　 　 　 （

11

）

　　

統語的

， 語

彙

的 形 式に よ る

類似性

：

直接引

用， パ 卩ディ

ー

t 逐 語 訳

　　命

題 内容の _{類 似}性 ：_意訳

， 要 約， パ ラフ レ

ー

ズ

Rese

皿

blance

　

in

　

linguistic

　sound

　　

言 語 音の 類

_似

性 ：枝_{な ど が} 「ポ キ _{ッ」 とおれる音を ま ねて}

_食

べ

_物

_に

Pocky

_と

_命

_{名 するよ}

　　 　 うな 場 合。

Resemblance

　

in

　phonetic

_／

phonological 　

form

　　

音 声 的

，

音 韻 的 類 似 性 ：明 治 初

_期

の

_米国

_人

_作

成の

辞

書で 「お は よう」の _{発 音}を，

Ohio

，「お

　　　

ま え」 の

_発音

を

Oh

， 皿

y

とする よ うな場 合_。

Resemblance

　

in

　syntactic

_／

word 　

form

　　

統 語

的，語彙

的 類 似 性 ： 「天 下 _り」 を

descent

　

from

　

heaven

と逐

語

訳 するよ_{うな場 合}

_。

Rese

皿

blance

　

in

　

prepositional

　content

命 題 内 容の類 似 性 ：「_{駅 伝」 を}

10ng

−

distance

relay 　road 　race _{と意 訳 する}よ う な場 合

．

参 考 文 献

Carston，

　

Robyn

（2002 ）

　Thoughts

　and 　

Utterancs

’The 　Pragmatics 　of 　ExPticit　Communication

・

　

Blackwell，

林大 （1978）　「_仏語」『_{国語学辞典』国語学会編}

_，

_東京堂

東 森勲 （1996 ） ℃oncepts

・Polysemy

　

P

。

lysemy

　and 　

Relevance

　

The

。ry

．

’r

京都女子大 英 文 学 論叢』

　 40：25

−

76

東森勲 （1998 ）

　

「_{借 用 語と関連 性理論」}



『_{神戸 女学 院 大 学 論 集}』 _{第45 号 第}エ号

，

pp

．

3

−

28

東 森 勲

・

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ュ

ニ ケ

ー

シ ョ ン』研 究 社

Higashimori

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正sao　and 　Deirdre　

Wilson

（1996：116_）

‘

_Ωuestions 　on 　

RELEVANCE

’ Uniwersit

），

　

College

　

Lendon

　Workin91 「「aPers 　in　Lin8「oristics 　

8

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395

−

424

．

金 田

一

春 彦

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林 大

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柴田武 編 （1988）　『日本語 百 科 大 事 典』大 修 館 宮 元 啓

一

（2005 ） 『_{な る}ほ ど仏教400語』_春秋社 森章 司 （1991）　『国語のな かの仏 教 語 辞典』東京 堂 出 版 中村 元 （1998 ） 『_{仏 教 語 源 散 策}』東 京 書 籍 中村 元 （1998 ）　『_{続 仏 教 語 源 散 策』東 京 書 籍} 中村 元

・

福 永 光 司

・

田村 芳郎

・

今野達

・

末木文美士 （編）（2004）



『_{岩 波 仏 教 辞典第}二 _版』

CD −ROM

_版 大 谷大 学 （編） （2001）　『_仏教が生んだ日本 語』毎日新 聞社 瀬 戸賢

一

（2005：218 ）　『よ くわ か る比 喩 ：こ とばの根っ こ を知ろ う』研究社 玉村文 雄

（

2002 ） 『日本 語語彙の研 究』龍谷大 学

1

専士論 文

，

p

，

173

Traugott

，　Elizabeth　

Closs・

（1999）　The 　role 　of　pragmatics　in　semantic 　change

．

　Itt：

Jef

　

Vers

・

　

chueren



（ed

，

）

．

　

Pragmatics 　in

　

1998

．

　

Selected　l）aPers _ブナo叨

　

the　6th　

International

　Pragmatics

　Conference

，

　VoL2

．

　Antwerp 　：

Internatienal

　Prag 皿 atics　Association

，93−102．

Traugett

，

　EI三zabeth 　Closs

．

（2000）_From 　ety 皿 elogy 　to　historical　pragmatics

．

　

plenary

　_paper，

　

presented　at　the　conference 　on　

Studies

　in　

English

　Historical　Linguistics

，

　

UCLA ，

　

May

　27th

　

2000．

Traugott

，

　

Elizabeth

　Closs

．

（2004 ）

　Historical

　pragmatics

．

　 In：

Laurence

　

R ．

Horn

　and 　

Gregory

関 連 性理論 と仏 教用 語の意 味 変 化

　

Ward

（eds _）

．

　The　Handbeok （）

f

　

Pragmatics．

　

Oxf

。rd ：

Blackwell，

538

−・

561

．

Traugott，

　

Elizabeth

　

Closs

_，　and　

Richard

　

B ．

Dasher _（

2002

_）



Regularitpt

　in　

Semantic

　

Change．

　 Cambridge ：

Ca

皿

bridge

　

University

　

Press．

辻 本敬順 （1984；8） 『_{仏教 用 語豆 事}

Pt100

_{』 本 願 寺}

辻 本 敬 順 （1991_） 『_仏教用語豆 事典100

，Part

　

II

』 本 願 寺

Wilson

，

　

Deirdre

_（2004）“Relevance _andIexlcal_pragmatics

”UCL

　

IVorking

　

Papers

　in　Linguisic5_，

　16：343

−

360

．

山梨正明 （2004 ）　『ことばの認 知 空 間』開 拓 社 米 川 明彦 （2003 ）　『目本語俗語 大 辞 典』東 京 堂 霊 元 丈 法 （2005） 『_{あっ と驚 く仏教 語』 四季 社} 例文出 典

COBU

［Lヱ）_（

1995

_） 大 辞 林 日本 国 語 大辞典

OEI

） 山藤章二

，

尾藤三柳

，

第

一

生命選 （2001：185） 『サ ラ川 』_傑作選 ：_いのいちばん

，

講談社注 註 1） 本 稿は Lexical　

Pragmatics

　irこよ る 日本 語の語 彙 分 析’ と題し て京 都言語 学 ap キ ア ム_第 2回年次

　　

大 会 （KLCAM

−

2／2005）20〔E年8月27日 （土）国 際交 流ホ

ー

ル

1

（京都大 学 百周年 時 計 台記念 館内）

　　

に て 口_頭発表したもの に加筆修正 し たもの である。 付 　 録 L 本 文 中に 出て きた仏 教 用 語の 『_{岩 波 仏 教辞典 第}二 _版』 に よる定 義と例 文 意 識　い しき 〔S：mano

・

vijfifina 〕

　

〈識〉は 心 （こ ころ）の主たる もの

_（

_心王 （しん

g

_う））を表し

，



〈意 識 〉は

，

五 感の心 （眼 （げん）

・

耳 （に）

・

鼻 （び）

・

舌 （ぜつ _）

・

身 （し ん）の五識 （前五識 と もい う））と区 別さ れ る第 6番 目の心 （第六 識）で ある。 よく自覚的 とい う意 味で 〈意識する〉とい うこと がいわれるが

，

それ は仏 教 で は心所 （し ん じょ） （個 別の心作用 ）の作意 （注 意 する働 き） あるい は唯識 （＠い しき）説で い う

亶誕

分の働 きな どに 求め ら れ よ う。 もo とも

，

前五識が明 瞭に働 くの は

，

そ れ ら に意 識が同時に 働い て いる か らである。

　

前五識は 五根 （眼

・

耳

・

鼻

・

舌

・

身の五つの感覚器 官）に依り， 五境（色 （しき）

・

_{声 （しょ う）}

・

_香（こ う）

・

味 （み_）

・

触 （そ く）の 五 つ の感覚的対象）を認 識 する が

，

意 識は意根とい う器官に依 り

，

法 （壓う） とい う対 象を認 識す る

。

この場 合の法とは

，

_物質的

・

精神 的

一

切の事物を含む

。

ま た

，

前五識が現 在の_事 象のみを 対 象とするのに対し， 意 識は過 去

・

未 来

・

_現在の 重世 （さ んぜ_）を対 象とする

。

さ らに

，

前五識 はいわば 無分 別 （むふ んべつ）のあり方で対 象 を認識するの に対し

，

意 識に は

，

過 去を再構成し た り推理 し た りする働きがあ り

，

分別の_あ り方 が 顕 著である。 言語活動なども 意 識に固 有の機 能である

。

よく

麹萱

（しゅ う じゃ く）とい うこ とがいわ れ るが

，

仏 教で はそ れは悪 見 （誤っ た見解を固執 する働き）の

一

つ と 考 えており， そ れも主に意 識と相 応 する のである。 し か し意 識は聖教 （しょ うぎ3 う） （経 典）を 対 象と して， 心 が清 浄 （し ょ

う

じょ う）になる道を開く もの で も ある。 なお

，

唯 識 派で は

，

第六意 識 の ほか

，

第 七 末那 識 （ま な しき）

，

第八阿 頼 耶 識 （あ らやしき）を た て てい る。 A 心 （ζこ

一

る）

，

越

，童

ρ

　

「_{意 識}の万

（

よ うつ）の事を思惟 分 別 する時の心 王

・

心所の有 様も皆か くの如し」 〔法 相二_巻抄 上〕「_八 万 四千の煩悩は

，

意 識 を以 て根 本とす， 意 識は諸相に貪 著し て

，

地 獄の業を増長 す」

　

〔合 水 集 中〕 （13 ）

関 連性 理論と仏 教 用 語の_意味変化 観 念 　か んねん

　

対 象に心をこ らし

，

その姿 を 想い描 くこ と。 特に浄土 教で は仏や

塗

土のす ぐれたすがた を 心に想い 描ぎ 念ずるこ と。 〈観 想〉 ともい う。 観仏三昧海経 な どに よ り

，

三十二 相な ど仏身の具体的 特 徴を観 想 するこ と。 観念念 仏。 念 仏と は本 来

，

心に仏 を念ずる意 味であるが_， 容易な口_称 （_くしょう） 念 仏を勧め る 立場 か ら は

，



〈観念 〉といえば， 口称以外の禅 定 （ぜをじょ う）に 入っ た状態で の念 仏を指 す

。

な お

，

天_台宗 で は

一

念三千の_相を観ずるな ど

，

心的な自 己体験を重 視す る ところか ら

，

〈観心 _（か ん じん_）〉 とい う。 「_{持 仏 堂に て観 念す る 間1}こ

，

_空に ごゑ ありて_{， あ}は れ， 貴き事をのみ観じ給ふものか な， と云ふ 」

　

〔発 心 集2 〕o

−

s観想

，

　歓

’

亡♪o 行儀 　ぎょうぎ

　

仏 教の修 行

・

実 践に関 する規 則

，

ま た は仏教儀式の こと。 日常 語 とし て は， 礼儀

一

般にか なっ た動作を い う。 浄土宗では

，鑿

の著作 5部9巻の うち

，

『観無量

寿種

疏』を浄土 教の理 論 的側面に重 点をおいた く解義 （げ ぎ）分〉 〈教 相 分 〉 とい うの に_対し

，

残 りの 4部5 巻は

，

その実践 面 を具体的に解 説した 〈行 儀 分 〉と呼ぶ。 浄 土 宗で は

盒仏

に尋 常

・

別時

・

臨終の く三種 行儀 〉 を 立て る。

r

律の行儀に も

，

履 （くっ） な どの新しき も

，

先つ ち とはくよ しに て僧

1

こは は か しむ」　 〔雑談 集6〕 工夫 　 くふ う

　

く功夫 （くふ う）〉 とも表 記 する。 手段その もの

，

あるい は手 段 を 講 ずるとい う意味で古 くか ら用_{い ら} れて いた言葉で ある が

，

唐 代には， 手 間ひ ま かけること

，

努 力 する こ と

，

さ らには

，

手 間ひ ま をかけるだ けの時 間 的 余 裕を意 味 する俗 語と し て広 く用い られる ように なっ た

。

折しも勃 興した禅宗で は_教化_に際し て積 極 的に俗 語を用い た ため

，

こ の_{言 葉}も叢 林 （そうり_{ん ）}に流入 し， 主 として参禅修行に励 み

，

様々な 努力を重ね る とい う意味で 盛 んに用い られる ようになった

。

禅 宗の発 展は儒教に も多 大な_影響_{を 与え}

，

_宋 の_朱子学や明の _陽明学を生ん だ が

，

そ れらに お い ても完 全な 人格 を 実 現 する ために様々_{な 実 践}が説か れ た か ら

，

この _{言 葉}は儒 教に お い て もほぼ 同様の_意味で使われるように なっ た。 今日も中国で は様々な意味で 広 く用い られて い るが， 日本で は主 とし て， いろいろ よい方 法 を 考 えること

，

様々 に思い巡 らすことの 意 味で使わ れて い る。

一

_大 事 　い ち だい じ

　

ただ

一

っ の重 大 な 事が ら

，

ま た は仕 事の意。

法華

経 （ほけ きょ う）方 便 品で は

，

一

切衆生にたい し て仏 の智 慧 （仏 知 見 如 来 知 見）を開 き示 し悟らせ

，

その道に入 らせ るこ とが 〈

一

大事〉とさ れ， その 目的の ため に_仏がこ の_世界に出 現 する とさ れる。 同品に 「ただ

一

大事因縁を以て の故に

，

世に出 現 す_」 とある経 文か ら 広 く用い られ る よ

5

に なっ た。 また

，

禅 家で は修行の 眼目 とい う意 味で用い

，

〈大事〉ともい う

。

「_彼の法華経は如 来 出世の本懐， 諸仏

一

大 事の因縁た り」

　

〔聖 覚四 十 八 願 釈14〕

　

「そ も そも

一

大 事 を心に かけ， 不生の 心地に御遊 覧候ふ事

，

まこ とに よろこび入り候ふ 」

　

〔道範消息〕 修 証

一

等 　しゅ しょ うい っ とう

　

修 行と証 （さ と り）と が

一

体であ る とい う意

。

〈修 証 不二 （ふ に_）〉 〈修証

一

如 （いちに ょ）〉ともい う。 通常

，

修 行は証 を得る た め の手段とされ るが_{， 道元}は修 を 手 段 化 する こ と なく， 修の中に証を見 証のな かに修のある ことを 説いた。 師の天 童

姐争

（に ょ じょ う）か ら受けつ いだ 只管 打坐

_（

し か ん た ざ）の主 張 を更に押しす すめた ものであ る

。

「_{仏法に は修 証これ}

一

_{等な り} 。 い まも証上の修な る ゆ ゑ に， 初 心の弁 道 すなはち本証の全体な り」　 〔正法眼蔵弁 道 話 〕 温 室 　 うん しつ

　

寺院に設 け られた浴室を 意 味し

，

古 くは 〈ゆ や〉 （湯屋）とも訓読する

。

イン ド （ま たは_中央ア ジ ア） （

14

）