特集/価 値創造のマネジメン ト
地 域 中小 企 業 の新 たな役 割
後 藤 イ 申
1地 域 の ニ ー ズ と ビジネ スー 藤 江 報 告 へ の コ メ ン ト
経 営 学 部 の 後 藤 で ご ざい ま す 。 時 間 的 な 関係 で 簡 単 に コ メ ン トの み 致 し ます 。 ま ず 、 藤 江 先 生 に 対 す る コ メ ン トで す 。 先 生 は 、 ポ ス トモ ダ ン とい う非 常 に 聞 き な れ な い 言 葉 を使 わ れ ま した 。 最 初 は よ く理 解 で き な か っ た の で す が 、 お 話 が 進 む に つ れ て 明 快 に な っ て き ま した 。 モ ノ だ け で は 社 会 性 が な く 、 プ ラ ス α が 必 要 で あ る 、 そ して 、 プ ラ ス α と して 情 報 発 信 が 必 要 で あ る 、 と言 わ れ ま した 。 っ ま り、
そ の 情 報 発 信 の 場 と して の 「価 値 場 」 の 中 で 、 モ ノ は 価 値 を持 つ とい う こ とで す 。
「価 値 場 」 の 中 で モ ノ は そ の 価 値 を 発 揮 し、 情 報 発 信 に よ っ て 新 しい 価 値 を創 る こ とが で き る。 これ が ポ ス トモ ダ ン とい う考 え 方 で 、 こ の コ ン テ ク ス トの 中 で 、 先 生 の 言 わ れ る ポ ス トモ ダ ン化 の 中 で の 「地 域 」 の 役 割 や そ の 重 み を よ く理 解 す る こ
とが で き ま した 。
ま た 、 地 域 との 関 連 か らみ ま す と、 地 域 社 会 の ニ ー ズ に 基 盤 を 置 い た ビ ジ ネ ス 、 す な わ ち コ ミュニ テ ィ ・ビジ ネ ス が これ か ら大 事 だ とい うこ とで した。 コ ミュ ニ テ ィ ・
ビ ジ ネ ス の 場 合 、 地 域 の ニ ー ズ の 役 割 が 重 要 で あ り、 そ の ニ ー ズ の 所 在 や 地 域 の 諸 課 題 を地 域 中 小 企 業 は よ く知 っ て い る わ け で す 。 そ の 役 割 が コ ミ ュ ニ テ ィ ・ビ ジ ネ
ス に期 待 され て い る とい う こ とで した 。
さて 、 私 の 率 直 な 疑 問 を 申 し上 げ れ ば 、 コ ミュ ニ テ ィ ・ビ ジ ネ ス に つ い て は 、 そ れ ほ ど大 き な 成 長 可 能 性 が 期 待 で き る か とい う こ とで す 。 イ タ リア を 例 と して 挙 げ られ ま した が 、 イ タ リア の 場 合 、GDP、 人 口集 中 度 、 特 に都 市 へ の 集 中 な ど、 日本 と単 純 に 比 較 で き な い と こ ろ が あ りま す 。 ま た 、 イ タ リア は 分 権 国 家 で あ り、 か な
り地 域 的 な 差 が は っ き り して い ま す が 、 そ れ らの 特 徴 も 日本 と単 純 比 較 で き るか ど うか 非 常 に 疑 問 に 思 い ま す 。 つ ま り、 果 た して コ ミュ ニ テ ィ ・ビ ジ ネ ス が 、 日本 の
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既 存 の 中小 企 業 に対 して 、今 後 代 替 的 な役割 を果 た し得 るの か とい う問題 を指 摘 し て お きたい と思 い ます。
鵜 野 沢 さん の資 料 を見 て も分 か る よ うに 、 コ ミュニテ ィ ・ビジネ スの場 合 、 高齢 者 福 祉 が トップで 、 障 害福祉 、教 育 、環境 な ど と続 きます。 これ らは従 来 行 政 が行 な って きた分 野 です 。 す なわ ち、 日本 の場 合 、 コ ミュニ テ ィ ・ビジネ ス は 、従 来行 政 がや って きた 分 野 を代 替 す る もの と して位 置 付 け られ て い る こ とが、 この資 料 か
らは っ き り読 み 取れ ます。
日本 は 、イ タ リア に比 べ てGDPに お いて は るか に 巨大 で 、人 口も都 市 に集 中 して お り、 そ の 中で の 中小 企 業 の立 地 を特徴 と して い ます。 ま た 、 中小企 業 の事 業分 野 も、 実 に 多様 で広 範 囲 な ジャ ンル に跨 っ てい るの が 日本 のや り方 です 。 従 って 、 日 本 にお い て、 イ タ リア ほ どコ ミュニ テ ィ ・ビジネ スが 、既 存 の 中小企 業 の事 業 を代 替 で き る可 能性 が あ るか ど うか 疑 問 に思 い ます 。
ま た、 先 ほ ど話 しま した ボ ラ ンテ ィア につ い て考 えます と、 人材 育成 の観 点 か ら す れ ば、 非 常 に難 しい と ころが あ ります。 この人材 育成 の問題 が 、 コ ミュニ テ ィ ・
ビジネ ス の展 開 にお い て 、非 常 に大 きな 問題 に な って くる と思 い ます。 山岸 先 生 の 報 告 では 、松 下 電器 は 、 自分 達 は人 材 をつ くる会社 だ と して従 業 員 を指 導 してい た との こ とです 。 これ は 、 同社 が あ る意 味 で は従 業員 を解雇 しな い とい うこ とで、 自 分 の とこ ろで人材 を育 成 す る とい う理念 の表 現 です 。 従 って 、 ボ ラ ンテ ィア組 織 か
ら見 る と、 ボ ラ ンテ ィア組織 が 中小 企 業 に代 替 され た場合 、 この よ うな人材 育成 が うま くで きるか疑 問 が残 ります 。
2地 域 社 会 の 一 番 店 戦 略 一 山岸 報 告 へ の コ メ ン ト
山岸 先 生 の ご講 演 で す が 、 ス ピー カー で あ る ご本 人 が 、本 日の フォー ラム は基 調 講演 で は な く勉 強 会 とい う捉 え方 を され ま した。 非 常 に驚 く と同時 に、 新鮮 な感 じ が しま した。 正 に真剣 勝 負 とい う講 演 内容 で した。 時 間的 な制約 で予 定 の 半分 もお 話 で き なか った の では な いか と思 い ます が 、講 演 の 内容 と して は 、次 の3つ ほ どに
ま とめ る こ とがで き る と思 い ま す。
第1は 、経 営者 の 心構 えに つ いて で す。 経 営者 は熱 い思 い を持 ち続 け る こ とが 大 事 で 、 それ が な けれ ば経 営者 と して 失格 だ と言 われ ま した。 つ ま り、事 業 をや って い く上 で の熱 い 思 い 、成 功す る とい う熱 い思 い が重 要 だ とい うこ とで した。
第2は 、 中小企 業 の経 営 革新 につ い て です。 経 営 革 新 は、経 営 学 で よ く使 う言葉 で
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特集●地域 中小企業の新たな役割 す が 、 これ に関 して 事 業 実践 家 の 立場 か ら、端 的 な言葉 で非 常 に よ く ご説 明頂 い た
と思 い ます 。 山岸 社 長 に よれ ば、 経 営 革 新 とは 、 「非 常識 を 常識 に変 える こ とで あ る」 とい うものです。 例 と して採 り上 げ られ たセ ブ ンイ レブ ンや ヤマ ト運 輸 な どは、
正 に非 常識 を常識 に変 えた ビジネ ス展 開 で成長 した企 業 です 。経 営 革新 とい うのは 、 事 業 や組 織 の再構 築 を達 成 す る こ とだ とい うこ とです 。
第3は 、地 域 社会 で の一 番 店戦 略 とい うこ とです 。 これ ま で の 実践 体 験 を蒸 留 し た基本 的 なス タ ンス と して 、地 域 にお け る一 品一 番 の事 業戦 略 を明確 に され ま した。
それ ぞ れ に 、非 常 に 面 白い話 だ っ た と思 い ます 。
そ こで 、 山岸 報 告 に対 して、簡 単 に1つ だ け コメ ン トしたい と思 い ます 。 お話 で は 、地域 に対 して 貢献 しな けれ ば 、地 域社 会 にお い て評 価 され ず 、や がて は 自然 淘 汰 され て い くとい うこ とで した。 あ る意 味 で はそ うで す が 、実 際 に生 き残 った もの のみ が商 店街 を構成 します と、果 た してそれ が商 店 街 とい え る か とい うこ とです 。 例 え ば 、10軒 の うち1軒 のみ が 生 き残 る と、 それ で商 店街 が成 り立 つ か とい う問題
が残 ります。
地域 の コ ミュニテ ィ ・ビジネ ス の発 展 と人材 育成 の問題 は繋 が って い るはず です の で、 単 な る 自然淘 汰 の問題 は人 材 育成 の観 点か ら見 る と、若 干 の疑 問が残 ります 。 す な わ ち、 中小 企 業 が地域 貢 献 を理 念 とした ボ ラ ンテ ィア組 織 的実 体 として営 まれ 、 それ が ビジネ ス と して地域 か ら 自然淘 汰 され て い く とい う捉 え方 をす る と、結 局 は 人材 育成 がで きず 、地 域 経 済 は沈 没す るの で はな い か と思 い ます 。 中小企 業 は単 な る経 済組 織 だ けで は な く、 地域 を支 え る役 割 か ら考 え ます と、 地域 コ ミュニテ ィ と の関 わ りの 中で 地域 の人材 を ど う育成 す るかの 問題 につ い て 、 よ り具 体 的 にお 話 し て頂 けれ ば なお よか っ た と思 い ます。
山岸 英 明氏 の補 足
司会 の金 谷 先 生 か らの折 角 のお 求 めです の で、 た だ今 の後藤 先 生 の ご質 問 にお 答 えす る形 で 、地域 にお ける人材 育成 あ るい は 中小 企 業 の後継 者 育成 の 問題 につ い て 、 私 の報 告 を補 足 した い と思 い ます 。 も とよ り商 店街 の活性 化 の 問題 は国 を挙 げ ての 構 造 的 な問題 です が 、大 き な問題 は商 店街 に軒 を連 ね る商 店 の 多 くが閉 ま っ て い る 実態 で す。 しか し、 それ よ りも深 刻 で本 質 的 な問題 は後継 者 の 問題 です。
端 的 に言 えば、 後継 者 を育成 しな い ところ は商 店街 で はな い と思 い ます 。 後継 者 の育 成 に対す る情熱 が な い ところ に一 番 問題 が あ るの で は ない か と思 い ます 。 経 営 33
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者 の親 子 間 に あって も、将来 の夢 と挑 戦 につ いて話 し合 ってい ない ので はない で しょ うか。 これ が商店 街 の衰 退 の原 因 の1つ です 。親 子 間 に コ ミュ ニ ケー シ ョンが な い ので 、息 子 が親 の 商店 を引 き継 ぐ とい う情 熱 が 出て 来 ない わ け です。
この よ うに、 自分 の子供 が 後 を継 が ない お店 や 商店 街 に、誰 が就 職 しよ うとい う 気 に な ります か。 賃 貸料 が要 らな い 、減価 償 却 は終 わ った 、 それ で 、生 活 費 さえ稼 げれ ば いい とい うので は 、商 店街 に活 気 が生 まれ ませ ん。 実態 と して は この よ うな お店 が多 い の で 、簡 単 に店 を閉 め て撤 退す る経 営者 が続 出 し、そ の結果 、商 店街 は 1年 に3%程 度 そ の構 成 が変 って き てい ます 。 従 って 、 コ ミュニ テ ィ とい えば 、 そ の根 底 には事 業者 の親 子 間の コ ミュニ テ ィの問題 と言 い た い ので す。 必 ず どこか の 商店 街 にお い て、 生 き残 って活 性 化 され て い る商店 街 が何 ヶ所 か あ ります。 夢 が商 店 街 に あれ ば 、街 は活 性 化 され 、そ こに は学 ぶべ き もの が必 ず あ る と思 い ます 。
も う1つ 需 要 と供 給 のバ ラ ンスの 問題 が あ ります 。 商店 街 よ りも大型 の店 舗 群 が 郊 外 な どに あ り、 そ こに行 け ば広 い駐 車 場 もあ り、他 に楽 しい もの もい っぱ い あ る とい うの も事 実 です 。 そ れ に ど うや って対応 す るかで す が 、私 か ら言 わせ る と、商 店街 の駐 車 場 の 問題 や どの企 業 を誘 致す るか な どの問題 につ い て 、商 店街 は行 政 と 一 体 とな って、 あ るい は他 の 関係 機 関 と緊密 に連携 ・協力 して 、商 店 街 の集 客 力 を 高 め るべ く解 決 してい か なけれ ばな らない と思 い ます。
商店 街 の立 地基 盤 と して 、そ の地 域 が街 と して発 展す るた めに は 、都 市 機 能 、 商 業機 能 お よび社 交機 能 と しての ま とま りが必 要 で す。 これ らの諸 機 能 が一 定 の規 模 で形 成 され る こ とに よ って初 めて 、街 に人 々 が集 ま り、商 店街 が活 性化 し、 コ ミュ ニ テ ィー が発 展 す る とい うのが 、私 の見解 です。 この点 か らす れ ば、 この平 塚 の街
は、 あ るい は 商店 街 はい か がで しょ うか。
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