• 検索結果がありません。

動作法による脳性まひ児の指導に関する事例研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "動作法による脳性まひ児の指導に関する事例研究"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

動作法による脳性まひ児の指導に関する事例研究

‑動作変容と心理的な成長の関連性に視点をおいて一

障害児教育専攻 福 島 孝 一 郎

1  . 

問題と目的

5

6

日の集団集中訓練において,言語的コ ミュニケーションが可能である 2名の脳性まひ 児に対し,動作法による訓練と訓練に関するイ

ンタビューを並行して行い,動作変容とインタ ビ、ューによる発言の変容を通した心理的な成長 の関連性を事例研究により検討する。

I I .  

研究方法

1 .  

対象児および訓練者

)対象児

【事例A】17歳女子(高校3年生)。脳性まひ。

膝立ち位の保持はできるが,立位の保持は困難 である。訓練のねらいは,補助なしで立位の姿 勢保持ができるようになることである。

【事例B】17歳男子(高校2年生)。脳性まひ。

膝立ち位の保持はできるが,立位の保持は困難 である。訓練のねらいは,膝立ち位において脚 で踏みしめ,腰をコントロールできるようにな ることである。

2 )訓練者

訓練者は筆者で,平成 12年5月より毎月 3 か所で実施されている動作法・月例訓練会に参 加し,夏期・春期の集団集中訓練にも

2

回参加

している。

2 .  

訓練期間・場所

平成 13年8月にT県(事例A)およびK県 (事例 B) で実施された 5泊 6日の集団集中訓 練において

1

事例ず、つ行った。

指 導 教 官 安 好 博 光

3 .  

手続き

各訓練は1回60分で,計 14回 (1日

3

回,

1

日目と

6

日目のみ

1

回)実施される。毎回の 訓練で,最初の 55分は訓練を行い,残りの 5 分をインタビューにあてる。また, 2日目 ""'5 日目までの

2

回目の訓練終了後にも,別室にお いて訓練の録画V T Rを見ながらインタビュー

(約30分程度)を行う。

4 .  

分析課題

【事例A] I膝立ち位での腰の落とし停めJ, 

「立位での膝の屈げ伸ばし」

【事例 B] I膝立ち位の姿勢保持j, I膝立ち位 での腰の落とし停めJ, I膝 立 ち 位 で の 右 へ の 体重移動」

5 .  

分析の視点

【事例 A】

)動作変容

①両課題におけるステップごとの姿勢の歪み の変容

②「立位での膝の屈げ伸ばし」における姿勢 補助パターンの頻度と変容

)インタビューによる発言の変容

①各訓練の得点とその理由

②別室インタビューの話題

【事例 B]

1 )動作変容

①「膝立ち位の姿勢保持」における姿勢の歪 みの変容

(2)

②「膝立ち位での腰の落とし停めJ, I膝立 ち位での右への体重移動」におけるステッ プごとの姿勢の歪みの変容

2 )インタビューによる発言の変容 事例Aと同様。

I I I .  

結 果 と 考 察

【事例 A]

「膝立ち位での腰の落とし停め」における

1

‑‑‑‑‑6回目は上体の歪みが大きく, I立位での膝 伸ばし」においても 1‑‑‑‑‑7回目は上体の歪みが 大きい。インタビューにおいても訓練の得点は 50 ‑‑‑‑‑ 60点 台 で あ り 立 位 が 踏 み し め て で き ない。」とその理由を述べている。 8, 9回目 の訓練の得点は O点になり,訓練 8終了後 (4 日目)の別室インタビューでは, I得点をつけ る こ と に 何 の 意 味 が あ る の か ?J , I踏みしめ られる位置で立たせてもらえない。」という訓 練 者 へ の 批 判 が な さ れ た 。 そ の 後 膝 立 ち 位 での腰の落とし停め」で上体の歪みが少しずつ 改善され I立位での膝伸ばし」においても,

上体を直にして足裏全体で踏みしめて課題がで きるようになった。訓練の得点も 50‑‑‑‑‑60点台 に回復し,対象児も「踏みしめて課題ができる ようになった。」とその理由を述べた。訓練を 通して,対象児は 最後まであきらめないでが んばる気持ち"を持ち続けていた。

【事例B】

膝立ち位の三課題における 1‑‑‑‑‑4回目は,上 体が前傾するという姿勢の歪みが共通してい る。インタビューにおいても,訓練の得点は45

‑‑‑‑‑60点 台 で あ り 腰 が 左 に 流 れ て , 脚 で 踏 み しめられない。」とその理由を述べている。「膝 立ち位の姿勢保持」における

5

回目で,初めて 1分以上の保持が可能となり,脚で踏みしめら れるようになってきた。そのため, I膝立ち位

で、の右への体重移動」の 5‑‑‑‑‑7回目で上体の前 傾と腰の屈が改善された。しかし,訓練

8

終了 後 (4日日)の別室インタビューにおいて, Iも っと自信を持って(訓練)して下さい。自信が ないというのが伝わってくる。」という訓練者 への批判がなされた。このように言われ,訓練 者も気持ちを引き締めてその後の訓練に臨ん だ。

9

回目からは,訓練の得点も少しずつ上が り,訓練 11終 了 後 の 別 室 イ ン タ ビ ュ ー で は 訓 練者の不安そうなのはなくなった。J, I腰が左 へ流れっぱなしだ、ったのを 少しはくい止めら れるようになった。Jと述べ, 11回目以降, I膝 立ち位での腰の落とし停め,右への体重移動」

において上体の前傾が直になった。訓練の得点 も 13,14回目には 90点 台 に な り 脚 で 踏 み しめられるようになった。j とその理由を述べ た。訓練を通して,対象児は メインでしてい る膝立ちだけでも ものにして帰りたいという 強い気持ち"を持ち続けていた。

N. 

全 体 考 察

両事例の訓練前半において,訓練者が適切な 補助ができなかったにもかかわらず,最終的に 動作改善がみられたのは,対象児が 最後まで あきらめないでがんばるという強い気持ち"を 持っていたからであり,この気持ちが両事例に おける「心理的な成長Jである。また,対象児 から訓練に関して批判されたことにより,訓練 者も「何とかしなければならない。」と気持ち を奮い立たせて訓練に臨むようになり,対象児 のみではなく,訓練者も心理的に成長した。そ して,両事例を通して,訓練者は「姿勢を支え ることはこころを支えることであるJ,つまり,

訓練者が姿勢を支えられなければ,子どものこ ころに働きかけることにも失敗するということ を対象児から学んだ。

参照

関連したドキュメント

イルスはヒト免疫担当細胞に感染し、免疫機構に著しい影響を与えることが知られてい

(2) カタログ類に記載の利用事例、アプリケーション事例はご参考用で

方法 理論的妥当性および先行研究の結果に基づいて,日常生活動作を構成する7動作領域より

Terwindt (1995) : Extracting decadal morphological behavior from high-resolution, long-term bathymetric surveys along the Holland coast using eigenfunction analysis, Marine

物語などを読む際には、「構造と内容の把握」、「精査・解釈」に関する指導事項の系統を

および皮膚性状の変化がみられる患者においては,コ.. 動性クリーゼ補助診断に利用できると述べている。本 症 例 に お け る ChE/Alb 比 は 入 院 時 に 2.4 と 低 値

の総体と言える。事例の客観的な情報とは、事例に関わる人の感性によって多様な色付けが行われ

これらの協働型のモビリティサービスの事例に関して は大井 1)