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鶴見緑地公園における異なる植生下の土壌 と土壌動物群集

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(1)

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鶴見緑地公園における異なる植生下の土壌 と土壌動物群集

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Ⅰ 緒 言

都市 における大規模 な緑地公園はそ こに生活す る 市民の憩 いの域 として. また手近 に自然に接 するこ

との出来 る場 として,fl資性が高 まっている.I 緑地公園には, そこに追出 され る植生 が もた らす

「生 き生 きとした緑」と, それに接 して,人々が感 じ

いては多数の報告がある3).しか し,人為の影甲が強 く働 く腺耕地 ・樹園地 ・緑地 な どに関 してはあ まり 知 られ ていない.著者の一人 は樹 園地 における土壌 動物群銀 と土壌 の理化学的性質 について調べ,土壌 の肥沃 化や土壌有機物生成 に土壌動物の関与が大 き い ことを示 した4J.こうした点 を考 えれば,緑地公園 ty

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る快適性 ( me )が要求 され る. これ を受 けて, 近年,緑地公闇の管理 目標 として立地保全 ・環境 保 全・生態系保全な どが掲 げ られているl). これ を実行 す るには,造嵐土木 あるいは土壌肥料字的 な知見 だ けでな く,土壌系 を含 めた生態学的な知 見 も考慮 さ れなければな らない.た とえば,森本'lりま緑地 の土壌 回復 を土壌呼吸速度 の面か ら検討 したが,いずれ に

して もこうした知見 は少 ない.

ところで,tj其動物が 自然生態系 において虫要な 役割 を担 ってい ることはい うまで もな く, これ につ

の植生管理 にあた っては,土壌生態系 を含 めた豊か な生物 的 自然 を回復 す るよ う努 め る こ とが 望 まれ る. この ような観点 に立 って,著者等は緑地公園の 植生管理 に関す る基礎的知見 を得 る目的で,大阪市 営鶴見緑地公園内の異 な る植生 と京都肘大 山崎町の 自然林の植生 について,土壌の理化学的性質 と土壌 動物辞典 を調べ,比較 した.

ⅠⅠ 調査地の概要5)

調査 した屯見緑地公 閲 は大阪市 の都心部 よ り約 8 AI;1.ヒ (711t掬東t・d 乍研甥平 Ia l'LbLHl‡hurtall'ti・nL LOJRiuu.Cto 火p fIrcllrllh・lmSr.TkUい iahoItyKntn㌦HgsisJaOaa .aa) k.sk577Jpn

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主 とした緑地公園で,昭和 年 よ り本格 的な造成工

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東北 に位置す る,面研1 69. に及ぶ常緑樹 を in

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事が開始 され,昭和50年前後 にほぼ完成 した.

ほか,一般建築廃材や都市塵芥 類 をも投入 して

層 状 (サ ン ドウィッチ状) に堆積盛土 して造成 され, 最表層 には緑地化 を考慮 して其砂土 で堆横整地 され た. また.堆棟塵 芥頬が腐朽分解 して, それ に伴 う 分解 ガスの揮散 に よる悪影響 を防止 す る目的で,園 内地下 (約 1.1

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に広 く集気満が布設 されて集 中排

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月下旬) に調査 を行 った.土壌試料の

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理化学分析 お よび土壌動物 の採集 ・同定 は既報一)に 準 じて,以下の ように行 った.

1)土壌の理化学分析

各植生の土壌の理化学的性質 を知 るために,地温, 水分,pH(H20),強熱減iit,容摂生 な どについては 現地土壌 の形態 で測定 し,土壌全炭素且, アル カ リ 抽出腐植丑 については風乾細土 に試料調製 して,常 法61に従 って分析 した.

2)大形土壌動物

気 してい る. 各植生 内の任意の地点 に2 ×2×5(5 5 cm3)の木枠 の勾見新 山を頂 く連 山を築 き,古 を林床面 に打 ち込 み,枠 内の土壌 を採土 して実験室

5m

地形 は横 高

4

来 よ りあった大小の池 ・水路 が有効 に利用 されて自 に持 ち帰 り,ただ ちに少 しづつほ ぐして,体長2mm

4

然紫観が保 つよ うに工夫 され ている.約

1

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化木があ り,園内 を日本 区のはか,世非 を 9ブロッ 計数 した.

クに分 けて, それ ぞれの地域の代表的 な樹種 が一定 3)小形節足動物

の広 さを もって栽楯 され,人工植生が形成 され てい 小形 の +̲壌 動物 は,林 床 面 に100mJ容 q)採 土 缶 以上 の土壌動物 を採架 し, 目別 に分類 し,個体数 を

1 g.

る.Fi に私見緑地公園の概 要図 と各植生 につい て調査 した位置 を番号 で示 した.

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(深 さ 5 m)を用 いて,3箇所 よ り採土 して,ツルグ 4

2 6

レン装荘 (0W ・ 時間照射)で抽 出採集 し,爽体 顕微鏡で同定 した.同定不可能 な種 は 「その他」 と

Ⅰ Ⅰ

Ⅰ 材料 と方法 した.

1 g.

Fi に示 した 8つの植 生 の ほかに,比較 す るた

めに,京都府大山崎町の 自然雑木林 (シイが傑 占)

Ⅰ Ⅴ

結果 と考棄 と自然 タケ林 (モ ウソウテ ク)の 2つの植生 を調査 1)土壌の理化学的性質

した.昭和6 月中旬),秋季

(

年春 に予備調査 をしたのち,夏季 1月下旬),冬季

(7 Tablelに各植生の林床 土壌 の理化学的性 質 を示 , した.各林床の地温 は,栽植緑化木が適度 に繁茂 し

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5 4 松本 ・井上 :樽見緑地公園における異 な る植生下の土壌 と土壌動物群集

(セイヨウハルニレ林)

(セイヨウバ クナノキ林)

1m の高 さで測定)よ りも数度低 か った.しか し,バ

1)の反応性 は弱軟性化の傾 向にあ った. 物 お よび土壌動物)の作 用の差 による ところが大 き この違 いは,後者の槽生では人為の影響が少 な く.

落葉落枝 の堆群 と腐朽分解 に伴 う土壌 の腐植化が表 土壌 に生息 する大形 と小形の土壌動物の全個体数 を 層において進行 しているため と思われた.このほか, 四季別 に示 した.

自然林土壌の腐植化 や熟成化の様相 は容榊誼 ・強勲 ハ ン ド・ソウテ ィング法 で採柴 された大形土壌動 減光 ・全庚乗出の値 な どか らも推察で きる. これ に 物 は,後生殖門 目 (ミミズ),近生殖門 日 (ヒメ ミミ 対 し,他見緑地公園の土壌 は.衆土整地 に用 い られ ズ),等脚 目 (ワラジム シ ・ダンゴムシ),共生妹 目 た真砂土 に由来す る ことか ら概 ね答研重 は大 き く, な どが僚 占種 として, そのほか半規 臥 麟親 日,‑

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や全庚紫idは小 さか った. この ことか ら. サ ミム シ目, インムカデ目, ジムカデ目な どであっ 私見緑地公園の土壌 は腐植化や熟成化の進行が綾慢 た.植生別 に これ らの 目数 を見 ると, ヒマ ラヤスギ である と考 えられ る. この原因 として,他見緑地公 や スギの林床 では 7日以上の大形土壌動物 が採集 さ 園の植生 は人為の形岬 を強 く受 けるために,土壌の れた.一方, ユー カ リや クロマツ林床 では4日であ 生物的活性が低 いため と考 えられ る. った. 目数の多か った植生の林床 は下草塀が適度 に

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土壌動物相

Ta lに示 した ように,鶴見緑地公園の土壌 は, ンクスマ ツ林床 は傾斜地 で大部分裸地化 しているた 同 じ共砂土 IC整地 されたに もかかわ らず土壌の全炭 めに外気温 との差 はむ しろ高か った. 紫iLtや抽出腐植 虻は各他生の間で異 な った. これ に は栽植緑化木の植生や管噂方法の違 いに よる影轡 も

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い と考 え られ る一・,.Ta e2では,調査 した植生の p

土壌の反応性 (H)は概 ね中性域 にあ った. これ

に対 し,比較対照 した 自然雑木林 の土壌 やタケ林の 無視 出来 ないが, む しろそ こに生息す る生物 (微生 e1.P mi so wihdiff n( mme)r

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近畿大学農学部紀要 第 20号 (1 6

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生 えていたが, 目数 および生息個体数の少なかった (Ta e2bl ).

ユーカ リ林床 では裸地化 して土壌 は固結 し, クロマ て, ユー か ノ林床 は遊歩道の近 くにあ って人為の影 ツ林床では落葉が堆横 してマ ッ ト状 にな り,下草類 背 (小休止 な ど) を受 けて土壌環境が不良であるほ が生育 しないために土壌動物の生息に不適 な環境 で か, ユーカ リ林 木か ら放散 する特有の樹臭が影甘 し ある と思われた.北沢が9),人為の形辞 をうける土壌 ている ことも考 え られ る. また, これ らの小形土壌

その個体 数 も少なか った この原因 とし

. において,土壌動物 を調査 した ところ, その 日数 は 動物の個体 数が夏季 に少 ないのは ( blTa e2 B),直 比較的少な く, マツの二次林床 では 7日にす ぎなか 射 日光 や地温の影坤 をさけるために地 中深 く移動 し

った. この よ うに,人為の影響 を強 くうける鶴見緑 た結果 と思われ る.

地公園な どでは,生息す る土壌動物の 目や種 は比較 Ta e3bl は各植生 におけるダニ ・トビム シ比 を求 的単純 とな り, しか も単純化が進 むほ ど構成 目あた めた t)のである. この値 は一般 に 1に近 いほ ど自然 りの個体数は多い傾 向にあ った.た とえば,ミミズ・ 状態 に近 い ことを示す.鶴見緑地公閣内の各植生の ヒメ ミミズ ・ダンゴムシな どにその傾 向が見 られ, これ らの値 は lよ りも大 き く,凹李 によって変動 し しか もこれ らの個体数 は季節 によって大 きく変動 し た. この比の年平均 は, 自然植生である雑木林 や タ

た. ケ林 ではほぼ1に近 いが,鶴見緑地公園 ではいずれ

2 g.

Fi は,各他生 におけるダニ・トビムシ額の生息

数の割合 を示 している. ダニ類 は前気門亜 目, 中気 の土壌環境 が 自然状態 に近 す くには,なお多 くの時 門亜 臥 無気門亜 臥 隠気門亜 Elの 5亜 目に分類 し 間 を要す ると考 え られ る.

もかな り商か った. したが って, これ らの人 工植生

た. トビムシ頬 は2つの 自然林, クロマツ林, スギ Ta e4bl には,各植生 におけるダニ 日中に占める 林 で多か った. たいていの植生で隠気門亜 目のササ ササ ラダニ頼 (隠気門亜 目)の個体数の割合 を示 し ラダニ類が僚 占 したが, ユー が )林 で若干異 な り, た. ササラダニ頬 は一般は夏季 に生息個体数が少 な

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松本 ・井上 :鶴見緑地公園における異なる植生下の土壌 と土壌動物群集

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(7)

松本 ・井上 :埠見緑地公園における異なる植生下の土壌 と土壌動物群集

4 9

くなるが10㌧ ここではむ しろ春季 にやや少な くな っ た. またユーカ リ林や ヒマラヤスギ林で も少なかっ た. この点 についてはさらに詳細 な検討が必要であ る.

Ⅴ 要 約

大規模 に造成 された緑地公園の植生管理 に関する 基礎知見 を得 ることを目的に,大阪市営鶴見緑地公 園の異 なる植生下の土壌の理化学的性質 と土壌動物 について調査 を行 って.次の ことが分 った.1)土壌 の反応性 (pH)は,各植生 とも概 ね中性域 にあった.

しか し,比較対照 した 自然林の土壌 はやや酸性の傾 向にあった.2)土壌の容横箆は,鞄見緑地公園の土 壌 では大 きく, 自然林土壌では小 さか った.3)土t# 有桟物丑 (全炭紫丑, アル カ リ抽出腐植血)は各植 生によって異な り, 自然林土壌 との比較 において土 壌の腐植化や熟成化の様相が推察 された. 4)大形 土壌動物 では, ミミズ ・ヒメ ミミズ ・ダンゴムシ類 などが優 占種 であった.櫓生別 に見 るとユーカ リ林, クロマツ林な どにおいて生息個体数が少なか った.

5 )

小形土壌動物 はま としてダニ・トビムシ類が多 く, ダニ ・トビムシ比 を見 ると,鶴見緑地公園の各植生 では平均

2. 5

であ ったが, 自然林植 生では

1. 0

であ っ た.

# #

本調査研究の場 を御提供下 さった大阪市公園局鶴 見緑地事務所 ・管理係長池田卓昭氏,建設係長松島 要氏 をは じめ とする職貞の方々には,調査 にあたっ て格別な御配慮 をいただいた.記 して感謝の意 を表 します.

引 用 文 献

1 )

亀 山 車 :造園雑誌

,4 9 .1 5 ‑1 8( 1 9 8 5 ) 2 )

森本幸裕 :造園雑誌

,4 9 ,1 0 8 ‑1 1 3( 1 9 8 6 ) 3 )

寺田美奈子・北沢右三 :

EDAPHOL OGI A , 3 3 ,

5 9 ‑7 5( 1 9 8 5 )

4 )

松本貞義 :土肥誌

,5 7 ,2 4 3 ‑2 4 7( 1 9 8 6 )

5) 大阪市公園局 :鶴見緑地土質調査及 び盛土の 動態観測結果 による技術報告乱 昭和

4 9

年,大 阪市公園局

6 )

京大農化編 :農芸化学実験宙

,1,p. 2 3 4

,(昭 和

5 5

年),産業図8

7 )

松本貞♯・光原祥裕 :本誌

,1 8 ,5 1 ‑5 7 ,( 1 9 8 5 ) 8 )

松本貞義 ・柘植利久 :土肥誌,48

,1 4 2 ‑1 4 4 ,

( 1 9 7 7 )

9 )

北沢右三 :第三回 E]本土壌動物学会評演要 旨

雅 ,p. 1 6 ‑1 7

,

( 1 9 8 0 )

1 0 )

青木啓一,石川和男,芝 実 :各種生態系にお ける野生動物 の現存丑 に関 す る報告世

,p. 81

‑1 0 7

,

( 1 9

77),立教大学

(昭和

61

年10月

2 7

日受理)

参照

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