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和歌山県立医科大学

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〔医薬品医療機器法対応〕

医師主導治験保険の概要

医師主導治験は、改正旧薬事法に盛り込まれ、平成 15 年 7 月に施行されました。また、実施細則である「医薬 品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(GCP 省令)も同時に改正施行されて制度化されました。 GCP省令では、治験の場合は治験依頼者が、医師主導治験の場合は自ら治験を実施しようとする者が、 「あらかじめ、治験に係る被験者に生じた健康被害(受託者の業務により生じたものを含む。)の補償のために、 保険契約の締結その他の必要な措置を講じておかなければならない。」と規定しています。 現在、弊社では、日本の大手損害保険会社 3 社が引受ける「医師主導治験保険」を主に取扱っていますが、 基本的な構成は同じでも、引受対象とする治験、担保範囲、免責事由など、各社の内容には相違があります。 従って、医師主導治験保険の手配に際しては、個々の治験毎に、補償内容や保険料について十分検討する必要が あります。 弊社臨床研究保険営業部は、臨床研究保険、医師主導治験保険、再生医療等臨床研究保険、特定細胞加工物製造 事業者賠償責任保険および同運送業者賠償責任保険などの専門営業部として専任スタッフ 6 名が所属しています。 弊社スタッフは、これらの保険内容や前提となる法令等の理解はもとより、臨床研究や医師主導治験等の内容 理解に必要となる薬学関連知識の習得にも努めており、これらをもとに、お客様に対して適切な保険コンサルティ ング・サービスを行うプロフェッショナル・エージェントです。 また、弊社は医師主導治験保険の引受けを行っている上記保険会社の保険代理店として、各社から最適条件の 補償内容と保険料を引き出すことが可能です。 以下、医師主導治験保険の概要について説明します。 -目 次- Ⅰ 治験・臨床研究に関するルールの変遷 Ⅱ 治験を規律するルール 1.ヘルシンキ宣言 2.医薬品医療機器法とGCP省令 3.医薬品医療機器法による「治験」の取扱い 4.GCP省令による「補償措置」の義務化 Ⅲ 「健康被害に対する補償」の内容 1.GCP省令が求める「健康被害に対する補償」の 内容 2.「医法研補償のガイドライン」の補償内容 3.「医法研補償のガイドライン」の改定 Ⅳ 医師主導治験保険の概要 1.医師主導治験保険の対応範囲 2.弊社が取扱う医師主導治験保険の引受保険会社 3.医師主導治験保険の構成 2 3 3 3 3 4 5 5 5 6 8 8 8 8 4.賠償責任条項の概要 5.補償責任条項の概要 6.1治験あたりの総支払限度額 Ⅴ 各社「医師主導治験保険」の特色 1.引受対象とする治験 2.保険約款の構成 3.賠償責任条項の支払限度額と免責金額の適用方法 4.補償責任条項の担保範囲 5.保険期間(または保険責任期間)と支払責任の 関係 6.主な免責事由 7.契約方式 8.被保険者の範囲について Ⅵ 具体的加入手続き 9 10 11 11 11 11 12 12 13 15 16 16 17 平成 27 年10月 株式会社カイトー 臨床研究保険営業部

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Ⅰ 治験・臨床研究に関するルールの変遷

1961(S36)年 2 月 薬事法施行 1964(S39)年 6 月 世界医師会(WMA) 「ヘルシンキ宣言(人間を対象とする医学研究の倫理的原則)」 1997(H9)年 4 月 医薬品GCP省令施行→治験に「保険その他の必要な措置」を義務化 1999(H11)年 3 月 「医法研補償のガイドライン」公開 →被験者の健康被害に対する補償責任を担保する『治験保険』発売 2002(H14)年 7 月 薬事法改正公布(医師主導治験が盛り込まれる) 2003(H15)年 7 月 前年公布の薬事法改正施行、同法 80 条の2に「自ら治験を行なう者」の規定追加 GCP省令改正「自ら治験を行なう者」の規定追加 ◎医師主導治験開始 →『医師主導治験保険』発売 「臨床研究に関する倫理指針」施行 2004(H16)年 9 月 医学雑誌編集者国際委員会「医学雑誌投稿統一規定」提唱 → 事前にプロトコルの登録・公開義務 2005(H17)年 4月 医療機器 GCP 省令施行 2006(H18)年 9 月 「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」施行 2008(H20)年 4月 10 月 GCP 省令改定 ヘルシンキ宣言、WMA ソウル総会での修正追加 *損害を受けた被験者の治療および補償情報を研究計画書に明示 *全臨床研究は一般的にアクセスできるデータベースに登録義務 *個人情報守秘義務 *文書でのインフォームド・コンセント *研究計画書の倫理審査委員会事前審査 2009(H21)年 4 月 「臨床研究に関する倫理指針」大改定 ◎臨床研究に「保険その他の必要な措置」を義務化 →『臨床研究保険』発売 GCP省令改定 11 月 「医法研補償のガイドライン」改定 *補償内容は同一プロトコルの下では一律 *健康人対象治験参考補償基準に「予防接種健康被害救済制度(一類疾病)」追加 2010(H22)年 11 月 「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」改定 ◎被験者に生じた健康被害の補償のための「必要な措置」を義務化→『ヒト幹臨床研究保険』発売 2012(H24)年 12 月 GCP省令改定 GCPガイダンスの適用を開始 2013(H25)年 10 月 「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」改定 *一部の ES 細胞研究が条件付きで実施可能 *ヒト幹細胞等の調整・保管に関する研究を指針の対象に追加 ヘルシンキ宣言、WMAフォルタレザ総会での改定 *研究に関与した弱者集団の保護を一層高めること *損害を受けた被験者が適切な補償と治療を受けられるようにすること *バイオバンクなどにおける研究試料の再利用に関するインフォームド・コンセント *被験者に対する研究結果の通知、試験中に有益であると証明された医学的措置へのアクセスを保証する条項 を事前に策定するよう、研究後の取り決めの拡大 *研究倫理委員会の権限強化 2014(H26)年 11 月 薬事法大改正→「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器法) 「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(再生医療等安全性確保法)施行 (ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針は廃止→「ヒト幹臨床研究保険」販売停止) →『再生医療等臨床研究保険』発売 再生医療等製品GCP省令施行 2015(H27)年 4月 8月 「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」施行→『臨床研究保険』改定 (臨床研究に関する倫理指針、疫学研究に関する倫理指針は廃止) 「医法研補償のガイドライン」改定 *健康人対象治験参考補償基準を、重度障害については「予防接種健康被害救済制度(A類疾病)」、 軽度障害については「労災保険制度」認定基準により一本化 *患者対象治験参考補償基準に後遺障害3級を新設

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Ⅱ 治験を規律するルール

1.ヘルシンキ宣言 (1)昭和39年 6 月、世界医師会総会で「ヘルシンキ宣言(人間を対象とする医学研究の倫理的原則)」が決議され ました。 (2)平成25年 10 月、ブラジルのフォルタレザ総会で「一般原則 15」が新設され、「被験者に対する適切な補償 と治療が保証されなければならない。」と明示されました。 2.医薬品医療機器法とGCP省令 (1)「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器法) (2)GCP省令およびGPSP 省令 ① 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(医薬品GCP)(平成 9 年 3 月公布) 医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令(医薬品GPSP)(平成16 年12 月公布) ② 医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令(医療機器GCP)(平成17年3月公布) 医療機器の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令(医療機器GPSP)(平成17年3月公布) ③ 再生医療等製品の臨床試験の実施の基準に関する省令(再生医療等製品GCP)(平成26年7月公布) 再生医療等製品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令(再生医療等製品GPSP)(平成26 年7月公布) (3)GCPガイダンス ① 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令のガイダンス(医薬品GCPガイダンス)(平成 24 年 12 月) ②医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令のガイダンス(医療機器GCPガイダンス)(平成25年2月) 3.医薬品医療機器法による「治験」の取扱い (1)「治験」の定義 「治験」の定義は、医薬品医療機器法によって規定されています。要約すると、「治験」とは「新たな医薬品、 医療機器または再生医療等製品として厚生労働大臣の承認を受ける目的で、医薬品医療機器法第 14 条第 3 項、 同第 23 条の 2 の 5 第 3 項又は第 23 条の 25 第 3 項の規定により、資料の収集を目的に実施される臨床試験」 です。 <法令:医薬品の例> 医薬品医療機器法第 2 条(定義) ⑰ この法律で「治験」とは、第 14 条第 3 項(同条第 9 項及び第 19 条の 2 第 5 項において準用する場合を含む。)、第 23 条の 2 の 5 の第 3 項(同条第 11 項及び第 23 条の 2 の 17 第 5 項において準用する場合を含む。)又は第 23 条の 25 第 3 項(同条第 9 項及び 第 23 条の 37 第 5 項において準用する場合を含む。)の規定により提出すべき資料のうち臨床試験の試験成績に関する資料の収集を 目的とする試験の実施をいう。 医薬品医療機器法第 14 条(医薬品、医薬部外品及び化粧品の製造販売の承認) ① 医薬品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬品を除く。)、医薬部外品(厚生労働大臣が基準を定めて指定する医薬部外品を 除く。)又は厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品の製造販売をしようとする者は、品目ごとにその製造販売についての 厚生労働大臣の承認を受けなければならない。 ③ 第 1 項の承認を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、申請書に臨床試験の試験成績に関する資料その他の 資料を添付して申請しなければならない。この場合において、当該申請に係る医薬品が厚生労働省令で定める医薬品であるときは、 当該資料は、厚生労働省令で定める基準に従って収集され、かつ、作成されたものでなければならない。 ⑨ 第 1 項の承認を受けた者は、当該品目について承認された事項の一部を変更しようとするとき(当該変更が厚生労働省令で定める 軽微な変更であるときを除く。)は、その変更について厚生労働大臣の承認を受けなければならない。この場合においては、第 2 項 から前項までの規定を準用する。 医薬品医療機器法第 19 条の2(外国製造医薬品等の製造販売の承認) ① 厚生労働大臣は、第 14 条第 1 項に規定する医薬品、医薬部外品又は化粧品であって本邦に輸出されるものにつき、外国において その製造等をする者から申請があったときは、品目ごとに、その者が第 3 項の規定により選任した医薬品、医薬部外品又は化粧品の 製造販売業者に製造販売をさせることについての承認を与えることができる。 ⑤ 第 1 項の承認については、第 14 条第 2 項(第 1 号を除く。)及び第 3 項から第 11 項まで並びに第 14 条の 2 の規定を準用する。

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(2)GCP省令の遵守義務 平成 8 年 8 月の旧薬事法改正により、治験の実施基準について厚生労働省令の遵守義務が法制化されました。 (3)医師主導治験の開始 平成 15 年 7 月に施行された旧薬事法改正で、同法第 80 条の 2(治験の取扱い)に、「自ら治験を実施しよう とする者」および「自ら治験を実施した者」に関する規定を設け、医師主導治験の実施が可能になりました。 <法令> 医薬品医療機器法第 80 条の 2(治験の取扱い) ① 治験の依頼をしようとする者は、治験を依頼するに当たっては、厚生労働省令で定める基準に従ってこれを行わなければならない。 ② 治験(薬物、機械器具等又は人若しくは動物の細胞に培養その他の加工を施したもの若しくは人若しくは動物の細胞に導入され、 これらの体内で発現する遺伝子を含有するもの(以下この条から第 80 条の 4 まで及び第 83 条第 1 項において「薬物等」という。) であって、厚生労働省令で定めるものを対象とするものに限る。以下この項において同じ。)の依頼をしようとする者又は自ら治験 を実施しようとする者は、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に治験の計画を届け出なければならない。 ただし、当該治験の対象とされる薬物等を使用することが緊急やむを得ない場合として厚生労働省令で定める場合には、当該治験を 開始した日から三十日以内に、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に治験の計画を届け出たときは、この限りでない。 ④ 治験の依頼を受けた者又は自ら治験を実施しようとする者は、厚生労働省令で定める基準に従って、治験をしなければならない。 ⑤ 治験の依頼をした者は、厚生労働省令で定める基準に従って、治験を管理しなければならない。 ⑥ 治験の依頼をした者又は自ら治験を実施した者は、当該治験の対象とされる薬物等について、当該薬物等の副作用によるものと 疑われる疾病、障害又は死亡の発生、当該薬物等の使用によるものと疑われる感染症の発生その他の治験の対象とされる薬物等の 有効性及び安全性に関する事項で厚生労働省令で定めるものを知つたときは、その旨を厚生労働省令で定めるところにより厚生労働 大臣に報告しなければならない。この場合において、厚生労働大臣は、当該報告に係る情報の整理又は当該報告に関する調査を行う ものとする。 4.GCP省令による「補償措置」の義務化 旧薬事法において厚生労働省令の遵守義務が法制化されたことを受け、平成9年4月に「医薬品の臨床試験の実施 の基準に関する省令」(以下「GCP省令」といいます。)が施行されました。 GCP 省令は、平成 15 年 7 月施行の改正で、「自ら治験を実施しようとする者」および「自ら治験を実施した者」 に関する規定を設け、医師主導治験の実施が可能になりました。 GCP 省令に規定されている補償措置のポイントは次のとおりです。 ポイント 自ら治験を実施しようとする者(または治験の依頼をしようとする者)は、治験に係る被験者に生じた健康被害の 補償のために、保険契約の締結その他の必要な措置を講じておかなければならない。 治験では、被験者のインフォームド・コンセントが求められ、健康被害の補償についても説明文書に明記しなけれ ばならない。 <法令> GCP省令第 14 条(被験者に対する補償措置)〔治験〕 治験の依頼をしようとする者は、あらかじめ、治験に係る被験者に生じた健康被害(受託者の業務により生じたものを含む。)の補償 のために、保険契約の締結その他の必要な措置を講じておかなければならない。 GCP省令第 15 条の 9(被験者に対する補償措置)〔医師主導治験〕 自ら治験を実施しようとする者は、あらかじめ、治験に係る被験者に生じた健康被害(受託者の業務により生じたものを含む。)の 補償のために、保険契約の締結その他の必要な措置を講じておかなければならない。 GCP省令第 50 条(文書による説明と同意の取得) 治験責任医師等は、被験者となるべき者を治験に参加させるときは、あらかじめ治験の内容その他の治験に関する事項について当該者 の理解を得るよう、文書により適切な説明を行い、文書により同意を得なければならない。 GCP省令第 51 条(説明文書) 治験責任医師等は、前条第一項の説明を行うときは、次に掲げる事項を記載した説明文書を交付しなければならない。 14 健康被害の補償に関する事項

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平成 9 年 3 月発表の中央薬事審議会 GCP 答申では、治験依頼者に補償責任があること、その責任は「無過失 責任に拠ること」、被験者側に立証責任を課すべきではない(=立証責任の転換)ことが提案されました。 この答申を踏まえて出された GCP 省令では、治験依頼者(および自ら治験を実施しようとする者)は、過失に より法律上の損害賠償責任を負担する場合のほか、無過失の場合でも、治験と被験者の健康被害の発生について 合理的な可能性があり、因果関係を否定できない場合には補償責任を負うこと、そのために「保険契約の締結その他 の必要な措置」を講じることを求めています。 <参考> GCP省令のガイダンス 第 1 条(趣旨)の解説 2(14) 治験に関連して被験者に健康被害が生じた場合には、過失によるものであるか否かを問わず、被験者の損失を適切に補償すること。そ の際、因果関係の証明等について被験者に負担を課すことがないようにすること。 GCP省令のガイダンス 第 15 条の 9(被験者に対する補償措置)の解説 1自ら治験を実施しようとする者は、治験に関連して被験者に生じた健康被害(治験の実施の準備、管理又は実施に係る業務の全部 又は一部を委託した場合に生じたものを含む。)に対する補償措置として、保険への加入の措置、副作用等の治療に関する医療体 制の提供その他必要な措置を講ずること。 なお、自ら治験を実施する者及び実施医療機関の長は、治験に関連して被験者に生じた健康被害に対する補償措置を履行するた めに、補償に係る手順書を定めておくこと。 2 本条は上記1を受けたものであり、( )書きの「受託者」は第15条の8の受託者、いわゆる開発業務受託機関及び第39条の2の受託 者、いわゆる治験施設支援機関を指す。 注1)治験に関連して被験者に健康被害が生じた場合には、過失によるものであるか否かを問わず、被験者の損失を適切に補償 すること。その際、因果関係の証明等について被験者に負担を課すことがないようにすること(第1条の解説参照)。 注2)治験に関連して被験者に健康被害が生じた場合の補償措置については、必ずしも自ら治験を実施する者による保険への加 入に基づく金銭の支払に限られるものではなく、副作用の治療に対しては、医療の提供及びその体制の提供という手段も考 慮しうるものである。また、障害手当、葬祭料等の金銭的な補償を行うか否か及び行う場合に許容される程度については、 治験の計画の内容に応じて、当該治験に係る薬物の種類、対象疾患の特性、治験による被験者の便益及びリスク等を評価し、 個別に自ら治験を実施する者が考慮すべきものであるが、被験者に対し予め文書により具体的に説明するとともに文書によ り同意を得ておくことは最低限必要と考えられる。 注3) 開発業務受託機関は、自ら治験を実施する者及び実施医療機関の長とともに、当該受託業務により生じた健康被害の治療 に要する費用その他の損失を補償するための手順を定め、当該手順書に従って健康被害の補償に関する業務を実施すること (第15条の8参照)。 注4) 治験施設支援機関は、自ら治験を実施する者及び実施医療機関の長とともに、当該受託業務により生じた健康被害の治療 に要する費用その他の損失を補償するための手順を定め、当該手順書に従って健康被害の補償に関する業務を実施すること (第39条の2参照)。

Ⅲ 「健康被害に対する補償」の内容

1.GCP省令が求める「健康被害に対する補償」の内容 GCP 省令は、治験で必要となる被験者の「健康被害に対する補償」の具体的な内容について何も規定していませ ん。 そこで、製薬会社の法務、企業倫理、薬事、知的財産等の担当者による非営利の研究団体「医薬品企業法務研究会」 (医法研)が、企業治験における被験者の健康被害に対する補償のあり方について自発的に検討を行い、平成 11 年 に「医法研補償のガイドライン」として公表しました。現在では、被験者の健康被害に対する補償の実務指針として 広く活用されています。(以下、平成 21 年の改定内容をもとに説明します。) 2.「医法研補償のガイドライン」の補償内容 (1)「医法研補償のガイドライン」では、治験に参加した被験者の健康被害(含む死亡)に対して、過失に基づき 法律上の損害賠償責任を負担する場合に加え、過失がなく、法律上の損害賠償責任が発生しない場合でも、 被験者の健康被害が治験によって発生した合理的な可能性があり、少なくとも因果関係が否定されない場合には補 償を行うとする原則(無過失補償)が示されています。 治験と被験者の健康被害との因果関係 因果関係あり(否定されない) 因果関係なし 過失あり 過失なし 法律上の損害賠償責任あり 補償責任あり 補償責任なし

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~過失とは~ 「予見可能性」があるにもかかわらず、「結果回避義務」が尽くされなかった場合、過失があると判断されます。 予見可能性⇒被験者の健康被害という結果の発生をあらかじめ認識できた、または一般的な注意をもってすれ ば認識できたはずであるということ 結果回避義務⇒結果が予見できる場合に、その結果を避けるための注意をもってあたるべき義務 (2)「医法研補償のガイドライン」では、治験の場合の補償の内容を「医療費」「医療手当」及び「補償金」の 3種類として、被験者が健康人と患者の場合に分けて、補償基準、補償ルールを示しています。 医療費 健康人 健康保険が使えないので医療費は全額治験依頼者の負担とする。 患者 健康保険等からの給付を除いた患者の自己負担額を治験依頼者が負担する。 医療手当 共通 入院を必要とするような健康被害にあっては、病院往復の交通費と入院に伴う諸費用を 賄う趣旨で、一定の医療手当を支払う。 補償金 健康人 治験に起因する健康被害により死亡した場合または 後遺障害が残った場合は、右記の基準を参考として 一定の補償金を支払う。 労災保険制度、または 予防接種健康被害救済制度 患者 医薬品副作用被害救済制度 3.「医法研補償のガイドライン」の改定 (1)製造販売後臨床試験に対する補償に関する一部改定(平成 26 年 6 月) 平成 26 年 6 月「医法研補償のガイドライン」が一部改定され、ガイドライン 4-3-1(注)が削除されました。 この改定は、治験第Ⅳ相の製造販売後臨床試験は法令上「治験」として取り扱われるため、製造販売後の医薬品 であっても、「許可医薬品」に該当せず、(独)医薬品医療機器総合機構の医薬品副作用被害救済制度の対象となら ず、被験者の健康被害を補償する必要があると判明したためです。そのため、製造販売後臨床試験についても、 補償措置が必要になりました。 (注)ガイドライン 4-3-1 「製造販売後臨床試験において、市販薬を投与したことによる健康被害については補償しない(医薬品副作用被害救済制度の給付申 請の対象である)。ただし、白ラベル品(白箱)を使った比較試験はこの限りでない。」 (2)ガイドラインの全面改定(平成 27 年 8 月) ① 平成 27 年 8 月、「医法研補償のガイドライン」が全面改定され、補償範囲と補償水準が引き上げられました。 ただし、「1.総則 1-1」では、このガイドラインは「GCP省令第 1 条、第 14 条及び第 56 条に則って、 治験及び製造販売後臨床試験(以下「治験」という。)に係る被験者に生じた健康被害について、適切かつ迅速に 被験者を救済するための指針」であり、適用対象は、GCP省令第 14 条に規定する「治験の依頼をしようとす る者」、即ち治験の依頼者である製薬会社であることを明記していることから、直ちにアカデミアが主体となる医 師主導治験の健康被害補償措置に影響が及ぶことはないと考えられます。 しかしながら、「医法研補償のガイドライン」は、これまで治験における被験者の健康被害に対する補償基準を 作成する際のガイドラインとして、重要な役割を果たしており、医師主導治験保険を引き受ける保険会社の対応 を含め、今後の影響について注視していく必要があります。 ② 主な改定点 イ.「前文」を「総則」と改め、製造販売後臨床試験についても「治験」として補償対象とすることを明記してい ます。 ロ.定義規定を新設し、用語の定義は原則として医薬品医療機器法、GCP省令およびGCPガイダンスの定義 に従うほか、「補償規程」、「治験に係る被験者に生じた健康被害」および「補償」について定義規定を置きま した。特に、「治験に係る被験者に生じた健康被害」については、「被験者に生じた有害事象のうち治験薬及び 治験実施計画書に定めた計画の実施との因果関係が否定されないものをいう。なお、因果関係が否定されない ものには、因果関係が不明なものも含まれる。」として、GCP省令ガイダンスで「因果関係の証明等につい て患者に負担を課すことのないようにすること」との記載と齟齬をきたさないように規定されています。

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ハ.補償内容 補償種類 補償内容 改定内容 医療費 健康保険等からの給付を除いた被験者の自己負担額を支払う。 被験者が健康人の場合でも、健康保 険等からの給付を控除することを 明記した。また、高額療養費の対象 となる場合は、被験者にその利用を お願いすることも解説に明記した。 医療手当 入院を必要とするような健康被害にあっては、医薬品副作用 被害救済制度の給付金額に準じて医療手当を支払う。 変更なし。 補償金 健康人 以下の①~③を支払う。 ① 障害補償金 予防接種健康被害救済制度(A類疾病)の 1 級 ~3 級(障害認定基準は国民年金・厚生年金保険 制度と同一)または労災保険制度で定める 8 級~ 14 級の給付額を参考に、一括で支払う。 ② 遺族補償金 予防接種健康被害救済制度(A類疾病)で定め る死亡一時金(定額)を同一生計にあった遺族に 一括で支払う。 ③ 休業補償金 健康被害により療養し、療養のため労働できず、 かつ賃金を受けられない場合に、健康保険の傷病 手当金を申請しないことを条件として、休業 4 日 目より、休業 1 日あたり労災保険制度の給付基礎 日額(最高限度額)の 80%を支払う。ただし、障 害補償金が支払われる場合は、症状固定日までと する。 ① 重度障害については予防接種 被害救済制度、軽度障害につい ては労災保険制度の障害認定 基準を用いることとして一本化 した。 ② 予防接種健康被害救済制度の 基準とした。 ③ 変更なし。 患者 以下の①~③を支払う。 ① 障害補償金 医薬品副作用被害救済制度の給付額を参考にし て国民年金・厚生年金保険制度で定める 1 級~ 3 級の認定基準に従い、一括で支払う。なお、 3 級については 1 級の 60%を目安に算出する。 ② 遺族補償金 医薬品副作用被害救済制度で定める遺族年金の 10 年分を同一生計にあった遺族に一括で支払う。 ③ 障害児養育補償金 18 歳未満の被験者が一定程度以上の傷害の状 態になった場合は、医薬品副作用被害救済制度の 給付額を参考にして、養育する者又は被験者本人 に一括して支払う。 ① 障害補償金に従来の1級~2級 に加え、3 級の支払基準を新設 した。 ② 生計維持者、非維持者に関わら ず遺族補償金の支払い対象と し、かつ中間利息を控除せずに 支払うこととした。 ③ 従来の「障害児補償金」の呼称 を法令の記載(「障害児養育年 金」)を参考に「障害児養育補償 金」に変更した。 ワ ク チ ン の治験 A類疾病 予防接種健康被害救済制度A類疾病で 定める給付額を参考にして、障害補償 金(1 級~3 級)、障害児養育補償金 及び遺族補償金を一括で支払う。 変更なし。 B類疾病 予防接種健康被害救済制度B類疾病と 同一である医薬品副作用被害救済制度 の給付額を参考にして、障害補償金(1 級~3 級)、障害児養育補償金及び遺族 補償金を一括で支払う。 障害補償金に 3 級の支払基準を新 設し、1 級の 60%を目安に算出す ることとした。

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Ⅳ 医師主導治験保険の概要

1.医師主導治験保険の対応範囲 治験・臨床研究の実施に関して、被験者・研究対象者の健康被害に対する補償措置を定めた法令・指針と、これら の補償措置に対応する保険商品の対応関係は、概ね以下のとおり整理できます。 2.弊社が取扱う医師主導治験保険の引受保険会社 弊社では、以下の3社の医師主導治験保険を主に取扱っています。 損害保険ジャパン日本興亜株式会社(以下「損保ジャパン日本興亜」といいます。) 東京海上日動火災保険株式会社(以下「東京海上日動」といいます。) 三井住友海上火災保険株式会社(以下「三井住友海上」といいます。) (※)本紙では、上記保険会社の保険商品について説明しますが、保険会社によって保険約款等で使用する用語が異なる 場合がありますので、あらかじめご了承ください。 3.医師主導治験保険の構成 (1)医師主導治験保険は、【賠償責任を担保する保険】と GCP省令で義務化された【補償責任を担保する保険】で 構成されます。 (2)医師賠償責任保険と医師主導治験保険(賠償責任条項)との調整 ① 医療行為に起因する患者の健康被害に対する法律上の賠償責任を担保する保険として「医師賠償責任保険」があ りますが、治験に伴う医療行為については、医師賠償責任保険と医師主導治験保険(賠償責任条項)が重複しま す。 ② そこで、医師主導治験保険(賠償責任条項)では、「医療行為に起因する法律上の賠償責任」を免責とし、 医師賠償責任保険と補償の重複が発生しないよう調整を行っています。 ③ そのため、治験に携わるすべての医療機関、医師が医師賠償責任保険にも加入していることの確認が必要です。

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(※)医療行為以外が原因となる賠償責任 治験実施計画書の不備(被験者選定基準・除外基準の誤り、治験薬使用量の誤記など) 同意説明文書の内容不備 など 4.賠償責任条項の概要 賠償責任条項では、被保険者が実施した治験に起因して、保険期間(または保険責任期間)中に、被験者に身体障 害が発生し、被保険者が損害賠償請求を受けたことにより法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害に 対し保険金を支払います。 (1) 保険金支払いの対象となる損害は、概ね以下の 6 項目です。 ① 法律上の損害賠償金(標準的には、治療費、休業損害、逸失利益、慰謝料、葬祭費) ② 応急手当等緊急措置費用 ③ 権利保全費用 ④ 損害防止軽減費用 ⑤ 訴訟費用・弁護士報酬等の争訟費用 ⑥ 被保険者が保険会社の求めに応じるために要した協力費用 (2)標準的な支払限度額・免責金額 賠償区分 支払限度額 免責金額(自己負担額) 身体賠償のみ 1名あたり 1億円 なし 1事故・1治験あたり 3億円

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5.補償責任条項の概要 補償責任条項では、被保険者が実施した治験に起因して、保険期間(または保険責任期間)中に、被験者の身体 障害が発生した場合に、被保険者が、インフォームド・コンセントの手続きにおいて被験者に交付した説明文書また は補償の概要書等に記載した健康被害補償基準(「医法研補償のガイドライン」を参考に補償基準を定めます。)に 基づく補償責任を負担することによって被る損害に対し保険金を支払います。 (1)お支払いする補償保険金は、「医法研補償のガイドライン」に定める補償のうち「補償金」のみで、「医療費」と 「医療手当」は支払対象外です。 (2)被験者が健康人と患者の場合で、補償基準が異なります。 ① 健康人が被験者の場合 労災保険制度の基準に従い、死亡に対し死亡補償保険金、後遺障害 1 級~14 級に対し後遺障害補償保険金を 支払います。 ② 患者が被験者の場合 医薬品副作用被害救済制度の基準に従い、死亡に対し死亡補償保険金、後遺障害 1 級~2級に対し後遺障害補 償保険金を支払います。 (3)補償責任条項の標準的な支払限度額(被験者 1 名あたり) ① 健康人が被験者の場合(後遺障害等級区分は労災保険制度基準) 健康被害の程度 三井住友海上 損保ジャパン日本興亜 東京海上日動 死亡 生計維持者 3,400 万円 4,000 万円 上記 以外 3,400 万円 1,800 万円 後遺障害 1 級 4,800 万円 2,200 万円 2 級 4,200 万円 2,000 万円 3 級 3,700 万円 1,800 万円 4 級 3,200 万円 1,500 万円 5 級 2,800 万円 1,300 万円 6 級 2,400 万円 1,100 万円 7 級 2,000 万円 900 万円 8 級 1,600 万円 800 万円 9 級 1,300 万円 600 万円 10 級 1,000 万円 500 万円 11 級 700 万円 350 万円 12 級 500 万円 250 万円 13 級 300 万円 150 万円 14 級 200 万円 100 万円 ②患者が被験者の場合(後遺障害等級区分は医薬品副作用被害救済制度基準) 健康被害の程度 各社共通 死亡 生計維持者 2,000万円 上記 以外 700万円 後遺障害 1 級 生計維持者 3,000万円 上記 以外 2,000万円 2 級 生計維持者 2,400万円 上記 以外 1,600万円 (注)補償責任条項には免責金額(自己負担額)はありません。

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6.1治験あたりの総支払限度額 医師主導治験保険では、賠償責任条項と補償責任条項の保険金の合計額に対して、保険期間(または保険責任 期間)中の「総支払限度額」が適用されます。 標準的な総支払限度額は3億円です。

Ⅴ 各社「医師主導治験保険」の特色

各社の保険約款や契約規定を比較すると、以下のとおり、様々な相違があります。 1.引受対象とする治験 医師主導治験保険は、保険会社にとって高度な専門性を要する保険です。引受条件(補償内容、保険料)は、原則 として、個々の治験毎に保険会社が審査のうえ決定します。 治験の内容について保険会社が「リスクが高い」と判断したり、未知の要素が多く「リスクが見えない」と判断し た場合、引受辞退となる可能性もあります。このため、保険を手配する際には、治験の内容とそのリスクについて 保険会社に十分な情報を提供することが必要です。 弊社では、専任スタッフが治験実施計画書に基づきリスクを精査し、独自の保険料見積依頼書を作成し、保険会社 各社に治験内容を分かりやすく説明することにより、保険会社から最適な引受条件(補償内容、保険料)を引き出し ています。 2.保険約款の構成 各社の医師主導治験保険の約款構成は以下のとおりです。 ① 損保ジャパン日本興亜 ② 東京海上日動 ③ 三井住友海上 賠償責任保険普通保険約款 賠償責任保険追加条項 日付データ処理等に関する不担保追加条項 + 生産物特約条項 医師主導治験に関する追加条項 (生産物特約条項用) 第1章 賠償責任担保条項 第2章 補償責任担保条項 第3章 基本条項 賠償責任保険普通保険約款 原子力危険不担保特約条項 汚染危険不担保特約条項 石綿損害等不担保特約条項 + 生産物特別約款 医師主導治験に関する特約条項 (生産物特別約款用) + 治験補償責任担保特約条項 (生産物特別約款(医師主導治験に関する特約条項)用) + 追加被保険者特約条項 賠償責任保険普通保険約款 賠償責任保険追加特約 保険法の適用に関する特約 + 生産物特別約款 治験賠償責任特約 + 治験補償責任特約 + 追加被保険者特約

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3.賠償責任条項の支払限度額と免責金額の適用方法 (1)賠償責任条項の保険金支払い対象となる損害は、概ね以下の 6 項目です(Ⅳ4.(1)参照)。 ① 法律上の損害賠償金(標準的には、治療費、休業損害、逸失利益、慰謝料、葬祭費) ② 応急手当等緊急措置費用 ③ 権利保全費用 ④ 損害防止軽減費用 ⑤ 訴訟費用・弁護士報酬等の争訟費用 ⑥ 被保険者が保険会社の求めに応じるために要した協力費用 (2)上記6項目の損害につき、お支払いする保険金の計算は、保険会社によって以下のとおり異なります。 損保ジャパン日本興亜 三井住友海上 {(①+②+③+④+⑤+⑥)の合計額(-)免責金額}を支払限度額を限度に支払う。 東京海上日動 {(①)の金額(-)免責金額}を支払限度額を限度に支払う。 *②、③、④、⑤、⑥の損害は、免責金額を適用しないで全額支払う。 *ただし、⑤は、①の損害 A が支払限度額 B を超えるときは{⑤の金額×B÷A}を支払う。 4.補償責任条項の担保範囲 医師主導治験の担保範囲は、当初各社で大きく相違していましたが、現在はほぼ同内容となっています。原因行為 別の適用約款は、下表のとおりです。 保険会社 健康被害に対する 過失および因果関係の有無 損保ジャパン 日本興亜 東京海上日動 三井住友海上 医師主導治験と 健康被害の間に 因果関係あり (否定されない) 賠償責任 (過失あり) 医療行為上の 過失 医師賠償責任保険 医師賠償責任保険 医師賠償責任保険 医療行為以外の 過失 医師主導治験保険 賠償責任条項 医師主導治験保険 賠償責任条項 医師主導治験保険 賠償責任条項 補償責任 (過失なし) 医療行為に起因 医師主導治験保険 補償責任条項 医師主導治験保険 補償責任条項 医師主導治験保険 補償責任条項 治験保険 免責 (注) 治験薬等に起因 医師主導治験保険 補償責任条項 医師主導治験保険 補償責任条項 医師主導治験保険 補償責任条項 上記以外に起因 医師主導治験保険 補償責任条項 医師主導治験保険 補償責任条項 医師主導治験保険 補償責任条項 因果関係なし 補償責任なし(補償不要) (注)東京海上日動では、治験依頼者である製薬会社が契約する治験保険で「医療行為に起因する補償責任」が免責となっていますが、 医師主導治験保険については、この免責は適用されません。

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5.保険期間(または保険責任期間)と支払責任の関係 各社の約款では保険期間と保険責任期間の定義が異なります。治験の内容によっては、治験実施期間の終了後に 被験者の身体障害が発生することも考えられますので、保険期間(または保険責任期間)の設定には注意が必要です。 (1)治験実施期間と保険期間(または保険責任期間)との関係 保険会社により、保険期間の設定方法が異なります。 ① 損保ジャパン日本興亜・東京海上日動 保険期間中に発生した事故または損害賠償請求が保険金の支払い対象となります。(保険責任期間という概念は ありません。)(詳細は下記(2)参照。) 保険期間終了後に被験者の身体障害が発生するリスクを考慮し、保険期間は治験実施期間+1 年をお勧めしま す。 (治験実施期間に観察期間が長く設定され、治験実施期間終了後に身体障害が発生するリスクがないと判断できる場合には、延長期間 を設定せず、研究期間=保険期間とすることも可能です。) 治験実施期間 延長期間 (1年間) 保険期間 (治験の遂行は治験実施期間中でなければなりません。) ② 三井住友海上 保険責任期間中に発見された事故(※)が保険金の支払い対象となります。(詳細は下記(2)参照。) 保険期間は治験実施期間と一致させる必要があります。その上で、保険責任期間は「治験開始時から治験終了後 1年間」と標準約款に規定されています。標準で保険期間終了後 1 年間保険責任が残存するので、この期間を テールカバーといいます。 (治験実施期間に観察期間が長く設定され、治験実施期間終了後に身体障害が発生するリスクがないと判断できる場合には、 別途特約を付帯することでテールカバーを設定せず、研究期間=保険期間=保険責任期間とすることも可能です。) 治験実施期間 = 保険期間 テールカバー (1年間) 保険責任期間 (治験の遂行は治験実施期間中でなければなりません。) (※)「発見された時」とは、事故の発生を最初に認識した時または被保険者に対して損害賠償請求が提起された時のいずれか 早い時点をいいます。 【ご注意】医師主導治験保険は、治験実施期間終了後に行った治験に起因して被験者に身体障害が発生したこと による損害については、保険金の支払い対象になりませんので、ご注意ください。 治験実施期間が延長される場合は、保険期間の延長手続が必要です。

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(2)保険期間(または保険責任期間)と支払責任との関係 保険期間(または保険責任期間)と「被験者の身体障害の発生または発見」および「被験者からの損害賠償 請求の時期」との関係で保険会社の支払責任が決まります。この部分も、各社の取扱いが異なります。 ① 損保ジャパン日本興亜 賠償責任条項は保険期間中の損害賠償請求、補償責任条項は保険期間中の事故の発生および発見が、保険金の 支払い対象となります。 治験実施期間 延長期間 保険期間 ② 東京海上日動 賠償責任条項および補償責任条項ともに、保険期間中の事故の発生が、保険金の支払い対象となります。 治験実施期間 延長期間 保険期間 ③ 三井住友海上 賠償責任条項および補償責任条項ともに、保険責任期間中の事故の発見が、保険金の支払い対象となります。 治験実施期間 = 保険期間 テールカバー 保険責任期間 (注)損害賠償請求権の消滅時効 ②③において、被験者・遺族の被保険者に対する損害賠償請求権については、民法724条(損害賠償請求権の時効) 「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から 3 年間行使しな いときは、時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したときも同様とする。」が適用されます。 (参考)保険金請求権の消滅時効 被保険者から保険会社に対する賠償保険金・補償保険金請求権は、被保険者が負担した損害の額が確定した日の 翌日から起算して 3 年を経過した場合には、時効により消滅します。 損害賠償請求(保険期間中) 事故の発生と発見(保険期間中) 原因行為(治験実施期間中) 事故の発生(保険期間中) 損害賠償請求(請求期間については約款上定めがありません。)(注) 原因行為(治験実施期間中) 損害賠償請求(請求期間については約款上定めがありません。)(注) 原因行為(治験実施期間中) 賠償事故 補償事故 賠償事故・補償事故 賠償事故・補償事故 事故の発見(保険責任期間中)

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6.主な免責事由 各社の免責事由(保険金を支払わない場合)が異なるため、治験の内容に応じて不都合な免責事由がないか、事前 に十分検討する必要があります。以下は、各社の主な免責事由です。 (注)以下の一覧表は、各社類似の免責事由を取りまとめたものです。正確な内容については、各社約款の規定に よります。 免責事由一覧表 (○:2社以上が免責 △:1 社が免責 -:免責としていない) No. 免責事由 免責を適用する担保条項 賠償責任条項 補償責任条項 1 保険契約者または被保険者の故意(または重過失による法令違反) ○ ○ 2 被験者またはその法定相続人の故意(または重過失) △ ○ 3 被験者が担当医師の指示に故意に反して服用した治験薬等に起因する身体 障害 △ △ 4 戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱または暴動 ○ ○ 5 地震、噴火、洪水、津波またはこれらに類似の自然変象 ○ ○ 6 被保険者と生計を共にする同居の親族 ○ ○ 7 被保険者の使用人が被保険者の業務の従事中に被った身体障害 ○ ○ 8 排水または排気 ○ ○ 9 核燃料物質、核原料物質、放射性元素または放射性同位元素 (ただし、医学的利用に供される場合を除く。) ○ ○ 10 石綿または石綿を含む製品の発がん性その他の有害な特性 ○ ○ 11 汚染物質の排出(急激かつ偶然に発生した場合を除く。) ○ ○ 12 医療行為 ○ - 13 医薬品の調剤、調整、販売 ○ - 14 身体の美容または整形 ○ - 15 被保険者と他人との特別な約定による加重責任 ○ ○ 16 治験薬等の効能不発揮 ○ ○ 17 治験実施計画書からの著しい逸脱 ○ ○ 18 インフォームド・コンセントを得ていない治験 △ △ 19 治験審査委員会の審査を経ていない治験 △ △ 20 胎児、胎芽または卵子に発生した障害または異常 ○ ○ 21 妊娠、出産(早産)、流産(死産)等 ○ ○ 22 市販の医薬品・医療機器・再生医療等製品の欠陥 △ △ 23 避妊薬、流産防止剤、陣痛促進剤または妊娠促進剤等の妊娠に係る医薬品 ○ ○ 24 医薬品副作用被害救済制度の対象外となる特殊疾病用医薬品(抗がん剤、 免疫抑制剤等) △ ○ 25 抗悪性腫瘍剤、血液製剤または免疫抑制剤 - △ 26 製造販売後臨床試験による製造販売後の医薬品等の投与または使用 - △ 27 DES(ジエチルスチルベストロール系製剤)、トリアゾラムまたはL-トリプトファン ○ ○ 28 後天性免疫不全症候群(AIDS)またはその病原体への感染により生じた 障害 ○ ○ 29 クロラムフェニコール系製剤による血液障害、アミノグリコサイド系製剤による聴力障害、 筋肉注射による筋拘縮症、キノホルムによるスモン、血糖降下剤による低血糖障害、 体内移植用シリコーンによる障害 ○ ○ 30 治験の開始以前または終了以後の被験者になされた医療行為または研究行為 ○ ○ 31 治験終了後における治験薬等の継続的な投与または使用 ― △ 32 プラセボ投与による治療上の利益が提供されないこと ○ ○ 33 治験実施機関、共同治験実施機関または研究者等の管理下以外での治験薬等 の使用 △ ○ 34 治験薬等の使用による事故が発生し、損害賠償請求されるおそれがあること を治験開始前に知りえた場合における発生原因と同一の事由 ○ ○

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35 この保険契約の始期日より前に被保険者に対してなされていた損害賠償請求 の中で申し立てられていた行為に起因する損害賠償請求 △ △ 36 治験薬等により身体障害が発生し、製造・輸入・販売者に対する損害賠償 請求訴訟が保険契約締結時に提起されていた場合 △ △ 37 日本国外の裁判所に損害賠償請求または補償金請求が提起された場合 ○ △ 等 7.契約方式 弊社では、臨床研究保険および医師主導治験保険など、これまで約 1,200 件のご依頼をいただき、各保険会社 から見積もりを取りつけた実績があります。それによれば、保険会社間の見積もり較差は非常に大きく、ケースに よっては最小保険料と最大保険料の較差が10倍以上という案件もありました。 そのため、弊社では、個々の治験ごとに複数の保険会社から相見積もりを取る個別契約方式をお勧めしています。 保険手配に際しては、保険会社からベストな引受条件と保険料を得られるよう、弊社専任スタッフが保険会社と折衝 を行い、お客様を全面的にバックアップします。 8.被保険者の範囲について (1)保険会社による相違 各社の約款では、被保険者(保険により損害てん補を受ける方)の範囲がそれぞれ異なります。弊社では、 以下のとおり追加被保険者特約条項を作成し、保険契約に付帯することによって、被保険者の漏れがないよう お客様にアドバイスを行います。 損保ジャパン 日本興亜 ① 記名被保険者 ② 保険証券記載の治験に従事するすべての研究機関および研究者等 ③ 保険証券記載の治験における治験審査委員会 東京海上日動 医師主導治験に関する特約条項及び治験補償責任担保特約条項には被保険者の範囲 に関する定めがありません。 →弊社では、追加被保険者特約条項を付帯し、追加被保険者の範囲を「○○に関す る治験実施計画書に記載の実施医療機関、実施医療機関の長、治験責任医師、治験 分担医師、治験調整医師およびその他医師主導治験に携わる者」と明示しています。 三井住友海上 治験賠償責任特約及び治験補償責任特約には被保険者の範囲に関する定めがありま せん。 →弊社では、追加被保険者特約を付帯し、追加被保険者の範囲を「記名被保険者の ほか、実施医療機関、実施医療機関の長、治験責任医師、治験分担医師、治験調整 医師およびその他医師主導治験に携わる者」と明示しています。 (2)治験薬・治験機器等メーカーの賠償リスク 製薬会社・医療機器メーカー(以下「メーカー」といいます。)は、一般的に、自社製品の欠陥に起因する賠償 事故に備えて PL(製造物責任)保険に加入しています。ただし、保険契約によっては、治験に起因する事故が PL保険で免責となっていたり、未承認の医薬品・医療機器(または承認済みでも承認の範囲を越えて使用する 場合)を PL 保険の対象としていないケースがみられます。 一方、医師主導治験保険では、標準約款でメーカーの賠償責任を免責としている場合があります。このような 場合、被保険者の範囲にメーカーを含めかつメーカーの賠償責任も担保するよう特約を手当てすることで、 メーカーの賠償リスクをカバーすることが可能です。メーカーを被保険者に含める場合、保険会社による事前の 引受審査と追加保険料が発生することがありますので、必要に応じて個別にご相談ください。 (3)保険契約者 保険契約者は、保険契約の当事者として保険会社と保険契約を締結し、保険料支払義務を負っていただく方 です。通常は、治験実施医療機関(病院または病院長)、治験責任医師等が保険契約者となります。

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Ⅵ 具体的加入手続き

1.実施する治験ごとに保険契約を締結します。 2.最初にご準備いただくのは、次の4つです。①~④を弊社にご提出下さい。 ① 治験実施計画書 ② 被験者への同意説明文書 ③ 補償基準(被験者の健康被害の補償に関する事項)が記載された資料 ④ 治験薬概要書(既承認の場合は添付文書)等の参考資料 3.上記書類をご提出いただいた後は、下図の流れに沿って手続きを進めます。 <ご契約手続きの流れ図> ご契約者 保険代理店 保険会社 治験責任医師 実施医療機関 実施医療機関の長 等 (株)カイトー (弊社) 損保ジャパン日本興亜 東京海上日動 三井住友海上 引受保険会社 <問い合わせ先> 株式会社カイトー 臨床研究保険営業部 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-2-6 西新宿K-1ビル TEL:03-3369-8811 FAX:03-3369-3120 (※引受保険会社のお問い合わせ先電話番号等は、ご契約時にお渡しする書面をご参照ください。) 本紙の保険に関する記載については、その概要のみをご紹介しております。保険の内容はご契約時に個別にご案内申し上げます。 詳細につきましては保険約款でご確認ください。なお、商品名称や補償内容等は引受保険会社により異なり、補償内容によって は引受保険会社が限られる場合がございます。詳細は各社の保険約款によりますので、ご不明な点がありましたら弊社または 引受保険会社におたずねください。ご契約に際しては必ず「重要事項説明書」および「保険約款」をご確認ください。 SJNK15-07581(2015/9/11) 15-T04686(2015 年9 月作成) B15-102056(使用期限:2016/9/11) ⑭保険証券 郵送 ⑧保険契約申込書 ⑨保険料請求書 郵送または持参 ①必要書類の提出 ②治験の内容を確認 担保条件を整理 保険料見積依頼 ③保険会社の 引受審査 保険料見積 (約 3 週間) ⑤保険引受条件、保険料見積結果の連絡 弊社から治験責任医師等に保険内容説明 ・アドバイス ④保険引受条件、保険料見積結果の連絡 ⑥引受保険会社の決定 ⑦引受保険会社へ連絡 ⑩保険契約申込書の提出 ⑪保険料請求書に基づき保険料の振込 ⑫入金確認 ⑬保険契約申込書の内容確認後 提出

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