汀線 変 動 に対 す る線 形 応 答 モデ ル の現 地 デ ー タへ の適 用
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(2) 487. 汀 線変動 に対 す る線形 応答 モ デル の現 地 デ ータへ の適用. 図‑1. 正弦 的波 浪条 件 にお け る汀線 応答. 図‑2. 最大 汀線 変化 量 と βとの関係. 式(3)を 式(1)に 代 入 し,無 次 元 の汀 線 変 化ys*を 求 め る こ とが で き る.そ の 結 果 を式(4)に 示 す.. (4). こ こで,θ:位. 相 差 で あ り,ま た,β. は次 式 で 定 義 さ れ. る海 浜 応 答 時 間 ス ケ ー ル と波 浪 作 用 時 間 の 比 で あ る.. (5) 図‑1の 下 段 は波 浪 条 件 と式(4)の 無 次 元 汀 線 位 置y*sと の 関 係 で あ る.無 次 元 パ ラメ ー タC0‑Csの 正 負 に よ って, 汀 線 の 前 進 ・後 退 が 現 れ る こ とが 確 認 さ れ る.特 に,C0 ‑Csが 負 に 変 化 し た 時 に 汀 線 後 退 に 転 じて お り,前 (Truong・. 田 中,2007)の. 計 算 結 果 に 比 べ,Csの. 図‑3. 報. 位 相 のず れ と βとの関係. 特 性が. 反 映 され た 結 果 に な って い る. 図‑1の 下 段 か らわ か る よ うに,時 間tが 大 き くな る に つ れ,汀 線 は波 浪 変 化 と同 様 に正 弦 関 数 的 に 変 動 して い. に代 入 す れ ば,先. の場 合 と同 様 に,無 次 元 汀 線 変 化 量 を. 求 め る こ とが で き る.. る.ま た,無 次 元 パ ラ メ ー タ βの 大 小 に よ って 汀 線 変 動. (7). が 異 な る.β が 大 き い とき に 波 浪 の最 大 値 と最 大 汀 線 変 化 量 と の間 の位 相 の ず れ θが 大 き くな る.. こ こで,γ=Ts/TEは. 図‑2と 図‑3は 最 大 汀 線 変 化 量ys*smaxと位 相 ず れ に つ い. 汀 線 応 答 の時 間 ス ケ ー ル と波 浪 作 用. 時 間 の 比 で あ る.式(7)に. よ り得 られ る 無 次 元 汀 線 変 化. て,無 次 元 パ ラ メ ー タ β との 関 係 を表 した も の で あ る.. 過 程 を 図 二4に示 す.式(7)か. 同 じ波 浪 作 用 で は,β が小 さ い ほ ど 外 力 の 影 響 は長 く持. は 指 数 関 数 に 従 って お り,t/TEで 最 大 汀 線 変 化 量 に な る.. 続 す る た め,最 大 汀 線 変 化 量 が 大 き くな り,ま た,こ の. ま た,γ. 時,最. 長 さが 変 化 す る.. 大 汀 線 変 化 量 の 位 相 の ず れ が 小 さ くな る.. (2) 一 定 外 力 条 件 で の応 答. の大 小 に よ り,最 大 汀 線 変 化 ま で に到 る時 間 の. 図‑5は γの 比 と最 大 汀 線 変 化 量ys*smaxとの 関 係 を表 し. 次 に,一 定 の外 力 条 件 と して 以 下 の よ うな 関 数 と仮 定 す る.. た もの で あ る.汀 線 の変 化 量 が 最 大 汀線 変 化 量 の99%ま で 変 化 す るの に必 要 とす る時 間 をt99とし,γ とt99/TEとの. (6) こ こ で,TE:一. ら分 か る よ う に,汀 線 応 答. 定 外 力 の 継 続 時 間 で あ る.上. 式 を 式(1). 関 係 を 図‑6に 示 した..
(3) 488. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). 4. 仙 台 海 岸 の実 測 デ ー タへ の 適 用 (1) 実 測 デ ー タ の 概 要. 図‑7. 実測 地点. 図‑7に 示 す よ う に 実 測 地 点 は 仙 台 新 港 か ら 南 に 約 2.5kmの 場 所 で あ る.以 下 のCs値 の 計 算 に お い て は,波 浪 デ ー タ と して仙 台 港 に お け るナ ウ フ ァス を 利 用 した. 図‑4. 一定 の波浪 条件 にお ける汀線 応答. ま た,海 浜 勾 配,底. 質 粒 径 に は実 測 され た一 定 値 を 使 用. した.ま た,砂 村(1980)を. も と にC0=18と. した.. 短 期 的 ス ケ ー ル で の 海 浜 変 形 の機 構 を解 明 す るた め に, 高 頻 度 で 地 形 測 量 が 行 わ れ る事 例 が あ る(例 え ば,加 ら,1988;松. 冨 ら,2000;加. れ る モ デ ル 定 数Ts,aの. 藤 ら,2007).式(1)に. 藤. 含ま. 決 定 に は こ の よ う な高 頻 度 の 信. 頼 度 の高 い デ ー タ を選 択 す る こ と が望 ま しい.そ. こで,. 本 研究 で は著 者 の一 人 によ る仙 台海 岸 の実 測 デ ー タ(姜 ・ 田 中,2006)を. 用 い る.こ. れを含む複数 の測点 において. 汀 線 位 置 が定 期 的 に測 定 さ れ て い る.た だ し,実 測 デ ー タに は沿 岸 漂砂 の 影 響 も含 ま れ て い る た め に,こ れ を経 験 的 固 有 関 数 に よ り展 開 し,岸 沖 漂 砂 に よ る成 分 を取 り 出 した デ ー タを 使 用 した. (2) 外 力 変 化 の フ ー リエ 級 数 展 開 図‑5. γと最大 汀線 変化 量 との関 係. 前 述 の 線 型 モ デ ル にお い て,外 力 条 件 が正 弦 波 お よ び 一 定 条 件 で の解 析 解 が 得 られ た の で ,任 意 の外 力 に対 し て は,フ. ー リエ級 数 展 開 を用 い て基 本 解 の線 形 重 ね 合 わ. せ に よ り容 易 に解 を求 め る こ と が 出 来 る.図‑8は1997年 5月 の 波 浪 条 件 の フ ー リエ 級 数 展 開 結 果 を 示 す.図‑8の 上 段 は実 際 の 波 浪 条 件 で のCs値 で あ り,下 段 は そ れ ぞ れ 1,2,3,6成 り,6成. 分 まで を重 ね 合 わ せ た結 果 で あ る.こ れ よ. 分 ま で 重 ね 合 わ せ る こ と に よ り,C0‑q値. が実 際. の 条 件 と ほ ぼ 一 致 して い る こ とが 確 認 さ れ る. (3) モ デ ル 定 数 の 決 定 図‑9は1997年5月. の 波 浪 条 件 に対 す る汀 線 応 答 を 示 し. た もの で あ る.ま ず,波. 浪 条 件 か ら計 算 さ れ たCs値 の平. 均 値 を 代 表 値 と して 与 え,一 定 外 力 条 件 の解 析 解 を 適 用 した.初 期 条 件 は1997年5月10日. の 汀 線 位 置 で あ る.図‑. 9の 実 線 は こ の計 算 結 果 で あ り,実 測 デ ー タ(△)と 良 い 一 致 を 示 して い る .こ の計 算 か ら,時 定 数Ts=69hrと 係 図‑6. γ とt99/TEと. の 関 係. 数a=0.06m/dayを. 得 た.一. 方,外. 力 の 第6成. 分 までの. フ ー リエ成 分 の 重 ね 合 わ せ に よ る解 は破 線 で あ り,上 述.
(4) 489. 汀線変 動 に対す る線 形応答 モデル の現地 デ ー タへ の適 用 件 か ら計 算 さ れ たCs値 を示 し,一 方,破. 線 は こ の短 期 間. のCs値 の 平 均 値 を 表 す.図 示 さ れ た 日毎 のCs値 か ら フ ー リエ級 数 展 開 を行 い,再 合 成 した結 果 を 同 図 中段 に 示 す. 図‑10の 下 段 の実 線 は入 力 条 件 を一 定 値 で与 え た 場 合 で あ り,破 線 は外 力 の フ ー リエ級 数 展 開 を もと基 本 解 を 重 ね 合 わ せ た 結 果 で あ る.こ を も と に,第37成. こで は,図‑10中. 段 の結果. 分 ま で を 重 ね合 わ せ た.実 測 と計 算 結. 果 の 間 に は幾 分 差 違 が 見 られ る もの の,い ず れ の 計 算 方 法 も変 化 の 傾 向 を捉 え て い る.こ れ よ り,こ. こに 提 案 し. た モ デ ル の 係 数 は信 頼 度 が 高 い と考 え られ る. な お,本 論 文 に お い て は計 算 事 例 と して 汀 線 後 退 の見 られ た 二 つ の ケ ー ス を 示 した が,当 然,汀 線 前 進 の 場 合,. 図‑8. 図‑9. 波 浪 条 件 の フ ー リエ 級 数 展 開(1997年5月). 1997年5月. の 現 地 デ ー タ に 対 す る解 析 解 の 適 用. した 一 定 の波 浪 条 件 で の計 算 結 果 と の差 は 小 さ い こ とを 確 認 す る こ とが で き る.図‑8に とか ら,図‑9で. お い て はCs>C0で あ る こ. は汀 線 が後 退 して い る.ま た,重. せ の 解 に お い て は,Cs‑C0の. ね合 わ. 変 動 に 応 じて 汀 線 に も幾 分. の 変 動 が見 られ る. (4) モ デ ル の 検 証 計 算 上 記 の 手 法 に よ り得 られ た 定 数a,Tsを. 用 い,同 様 の. 方 法 で別 の 侵 食 期 間 を 対 象 に検 証 計 算 を 行 っ た.デ. ータ. は1999年9月 か ら11月 に得 られ た もので あ り,上 記 の キ ャ リブ レー シ ョ ン計 算 よ り も長 い期 間 の 観 測 値 で あ る. 図‑10の 上 段 の 実 線 は この 期 間 の毎 日 の 日平 均 波 浪 条. 図‑10. 検 討 計 算 の 外 力 条 件 と計 算 結 果(1999年9月. 〜11月).
(5) 490. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. さ ら に は,両 者 が 混 在 す る場 合 へ の適 用 も可 能 で あ る.. ワー クを併 用 した順応 的管 理 の ため の汀線 モニ タ リング 法 の 検 討, 海 岸 工 学 論 文 集, 第54巻, pp.656‑660. 姜. 5. お わ り に 本 研 究 で は,汀 線 変 動 過 程 を線 形 力 学 系 と 仮 定 し, Sunamura・Horikawa(1974)のCsパ. ラメー タで表現 され. た波 浪 条 件 が 正 弦 波 お よ び一 定 値 の 場 合 の 汀 線 応 答 に 関 す る基 本 解 を導 い た.こ. れ に よ り,外 力 条 件 を フ ー リエ. 級 数 展 開 し,上 記 の 基 本 解 を 重 ね 合 わ せ る こ とで,任 意 の外 力 条 件 で の解 を 得 る こ とが で き る.さ. らに,仙 台 海. 岸 で の 実 測 値 との比 較 に よ り,モ デ ル 定 数 を 決 定 す る こ とが で き た.. 参. 考. 文. 献. 加 藤一正 ・柳 島慎 一 ・村上 裕幸 ・末 次広 児 (1988): 短 期汀 線 変 動 の モ デ ル 化 の試 み, 海 岸 工 学 論 文 集, 第35巻, pp.297‑301. 加 藤 茂 ・若 江 直人 ・青 木伸 一 (2007): ニ ュ ー ラル ネ ッ ト. 第55巻(2008). 坂上. 絃 宇 ・田 中 仁 (2006): 汀 線 変 化 モ デ ル の 漂 砂 量 係 数 同 定 に 及 ぼ す 検 証 デ ー タ の 影 響,海 岸 工 学 論 文 集, 第53巻, pp.556‑560. 毅 ・田 中 仁 (2005): ニ ュ ー ラル ネ ッ トワ ー ク を 用 い た 海 浜 変 形 予 測 の 試 み, 海 岸 工 学 論 文 集, 第52巻,. pp.531‑535. 砂 村 継 夫 (1980): 自然海 浜 にお ける汀線 位 置の 時間 的変化 に 関 す る 予 測 モ デ ル, 海 岸 工 学 論 文 集, 第27巻, pp.255‑ 259. Truong Thien Khang・ 田 中 仁 (2007): 線形 応 答関 数 を用 い た 汀 線 変 動 の 予 測 モ デ ル, 海 岸 工 学 論 文 集, 第54巻, pp. 621‑625. 松 冨 英 夫 ・金 光 紀 代 太 ・富 樫 宏 二 (2000): 秋 田 県 南 部 海 岸 に お け る 汀 線 位 置 変 化 の 基 礎 的 検 討, 海 岸 工 学 論 文 集, 第 47巻, pp.666‑670.. David, L.K. and R.G. Dean (1993): Convolution method for timedependent beach-profile response, Journal of Waterway, Port, Coastal, and Ocean Engineering, Vol.119, No.2, pp.204-226. Sunamura, T. and K. Horikawa (1974): Two-dimensional shore transformation due to waves, Proc. 14th Conf. Coastal Engineering, pp.920-938..
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