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図-1 静岡県内市町村別バックホウ保有台数の分布

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月). Ⅳ‑024. 災害初期の啓開における地域間連携の有効性の検証 東京都市大学. 学生会員. 東京都市大学. 正会員. 渡邊工業(株). ○草柳 満 皆川 勝 渡邊 裕介. 1.はじめに 我が国では,災害に迅速かつ適切に対応するために, 地方公共団体は地元の建設業者と災害協定を結んでいる. 一方,急激な公共事業の減少が影響して,地方の建設業 者の建設重機の保有台数は減少している.その中,今後 予想される大規模な災害として,東海地震,東南海地震. 南海地震などがある. 本研究では,地域防災力の要因のひとつである建設業 者が保有する建設重機数に着目する.対象地域の市町村 別の建設重機数を調査し,被害想定をもとに建設重機を. 図-1 静岡県内市町村別バックホウ保有台数の分布. エージェントとしたマルチエージェントシミュレーター を用いてシミュレートし,震災発生時の地域連携におけ る効率的な重機の共有体制が災害初期活動に及ぼす効果 を把握する. 2.検討方法 シミュレーションに用いる要素として,市町別保有建 設重機数,市町別がれき推定発生量,建設重機のがれき 処理能力,緊急輸送路,建設重機移動速度,建設重機の 初期配置及びがれき発生地点を設定する.発災初期の対 応シミュレーションを実行し,県内全てのがれきの処理. 図-2 静岡県市町別がれき推定発生量の分布. が完了するのに要する時間を測定する.. 域内で建設業者が連携してがれき処理を行う場合(分断. 3.東海地震を想定した事例研究. 地域内連携). 東海地震の発生を想定して対象地域を静岡県とし,静. ・各市町内で建設業者ががれき処理を行う場合(単独). 岡県全域ですべての建設業者ががれき処理を行う場合を. 保有重機数については,静岡県交通基盤部へ問い合わ. 想定したシミュレーションを行った.静岡県が作成した. せ,市町別の災害協定に基づく災害派遣用の建設重機数. 第3次被害想定で示されている被害が発生してがれき処. を調査した.ここで,シミュレーションに用いる重機は. 理及び生き埋め者の救助が必要となった状況を想定する.. シェアの大半を占めているバックホウとしている.図-1. 想定するシナリオを以下に示す.. に静岡県内市町村別バックホウ保有台数の分布を示す.. ・静岡県全域ですべての建設業者が連携してがれき処理. バックホウのがれき処理能力は国土交通省が定めている. を行う場合(全域連携). 土木工事標準積算書をもとに0.6319m3/hと決定した.こ. ・静岡県を西部,中部,東部,伊豆の 4 地域に分割し,. こで,重機の作業時間は労働基準法に基づき1日8時間と. その域内のみで建設業者が連携してがれき処理を行う場. されているが,震災時の想定を行うために1時間あたりの. 合(地域連携). 作業量を算出し,24時間態勢での作業としている.建設. ・富士川付近の緊急輸送路が被災して早期の復旧が見込. 重機の移動速度は国土交通省発表の道路交通センサスよ. めなく,県内をその東西の2地域に分けて,それぞれの. り混雑時旅行速度35.1km/hとする.重機は緊急輸送路を. キーワード 地域間連携 啓開活動 東海地震 マルチエージェントシステム 連絡先. 〒158-8557 東京都世田谷区玉堤 1-28-1 東京都市大学大学院工学研究科都市工学専攻 ‑47‑.

(2) 土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月). Ⅳ‑024. 日数が,単独処理日数を下回る結果となり,広域による 連携の効果を把握する事ができた. 地域連携処理日数と,全域処理日数を比較すると,中 部地域と東部地域では全体の連携を行った場合より,地 域内での連携での処理日数が上回り,反対に西部地域, 伊豆地域では全体の連携を行った場合の処理日数に比べ, 地域内での連携の処理日数が下回っている.それぞれの 地域間においてのがれき量に対しての重機数の差,重機 の偏在が影響していると考えられる.また,分断地域内 連携処理日数と,全域処理日数を比較すると,西側地域 の大半の市町における分断地域内連携処理日数がわずか. 図-3 簡略化した静岡県内の道路ネットワーク. ながら全域連携日数を上回る結果となった.一方,東側. 用いて市町間を移動するが,一般車両による渋滞は考慮. 地域では分断地域内連携処理日数と全域連携日数との差. しない.また,本研究では広域での市町間の連携を重視. がほぼない結果となった.これにより,静岡県が東西に. している.そのために市町内でのミクロな動きは無視し,. 分断した場合,全域での連携に対して西側の地域は,わ. 市町内での建設重機の初期配置地点およびがれき発生地. ずかながら重機作業効率が低下する事が判明した.. 点は各市町の役所とする.. 5.おわりに. がれきの推定発生量については,中部経済連合会が. シミュレーションの結果,地域間での連携が無い場合. 2008 年に発表した「大震災に備えた震災がれき処理につ. に比べ,連携がある場合では,がれきの処理日数が大幅. いて」より静岡県内全域でのがれき推定発生量を決定. に減少した.このことにより地域間連携の有効性を確認. し,第 3 次被害想定での市町別の倒壊家屋数をがれき推. することができた.今後,重機の移動に際しての渋滞,. 定発生量の分布と同一と仮定し,市町別の推定がれき発. 多台数での移動時における時間損失,想定よりも偏りの. 生量を算出した.図-2 に静岡県市町別がれき推定発生. ある被害など,様々な条件下でのシミュレーションを行. 量の分布を示す.. う予定である.. 輸送路については,震災時に通行可能な第 3 次被害想. [参考文献] 1). 定で指定された緊急輸送路のデータを用いて,道路網を 作成した.実際にはシミュレーションの負荷軽減のため,. 2). 簡略化し使用する.道路ネットワークを図-3 に示す. 3) 4). 4.シミュレーション結果及び考察 市町別のがれき処理日数を図-4に示す.全域連携処理. 静岡県:第 3 次被害想定結果:地震対策資料 No182-201,2001. 静岡県庁交通基盤部:重機・オペレーター保有数の 集計,2011. 国土交通省:土木工事標準積算書,2011. 国土交通省:平成 22 年度 道路交通センサス一般 交通量調査結果の概要について,p.1-8,2011.. 50.00 45.00 単独処理日数. 40.00. 地域連携処理日数. 35.00. 分断地域内処理日数 30.00. 全域連携処理日数. 25.00 20.00 15.00 10.00 5.00 0.00 湖 浜 磐 袋 森 掛 菊 御 牧 吉 島 藤 焼 静 川 富 富 御 小 裾 長 沼 清 三 函 熱 伊 伊 伊 西 松 河 東 下 南 西 松 田 井 町 川 川 前 之 田 田 枝 津 岡 根 士 士 殿 山 野 泉 津 水 島 南 海 豆 豆 東 伊 崎 津 伊 田 伊 市 市 市 市 市 市 崎 原 町 市 市 市 市 本 宮 市 場 町 市 町 市 町 市 町 市 の 市 市 豆 町 町 豆 市 豆 国 町 町 市 市 町 市 市 町 市. 図-4 簡略化した静岡県内の道路ネットワーク ‑48‑.

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参照

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