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の普及によって, 人々のメディア観や, テレビの見方, テレビに対する意識などの変化について, 時系列データをふまえて報告する さらにそうした変化と 6 月号で考察した カスタマイズ視聴 つながり視聴 との関係に注目した分析を行い,2つの視聴スタイルが広がった背景を探る テレビ 60 年調査 は,

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し,現代の視聴者の姿にアプローチした。 “カスタマイズ視聴”とは,テレビ局の編成 にとらわれず,自分の好きな時に,自分の好き なように,録画した番組を見たり,インターネッ トでテレビ番組の動画を見るような視聴スタイ ルで,“つながり視聴”とは,SNS(ソーシャル ネットワーキングサービス)でテレビに関する情 報や感想を読み書きしたり,家族間のコミュニ ケーションを楽しむツールとしてテレビを見るな ど,コンテンツを楽しむだけでなく,人とのつ ながりも大切にするような視聴スタイルである。 6月号では,こうした“カスタマイズ視聴”と “つながり視聴”の2 つの視聴スタイルを上手に 使い分ける,いわば,“自分流視聴”がテレビ60 年を迎えた現代の視聴者像であると論じた。 今月号では,インターネットやデジタル機器 NHK 放送文化研究所では,時代ごとに変 化するテレビの見方や視聴者像を浮き彫りにす るため,1982 年の「テレビ30 年調査」から, 10 年ごとに全国世論調査を実施している。 今回の「テレビ60 年調査」は,これまでの 調査をふまえ,時系列でテレビ視聴の長期変 化を捉えることと,この10 年で大きく変化した メディア環境がテレビ視聴にどう影響している のかを明らかすることを目的に実施した。その 結果について,2 回に分けて報告(2013 年 6月 号・7月号),今月号はその2 回目にあたる。 6月号では,この10 年で特に見られるように なった,“カスタマイズ視聴”“つながり視聴” という,2 つの視聴スタイルの実態を明らかに

メディア観の変化と

“カスタマイズ視聴”

“つながり視聴”

~「テレビ 60 年調査」から(2)~

世論調査部

木村義子

「テレビ60 年調査」(2012 年11月実施)の2 回目の報告では,メディア環境が大きく変わる中,人々のメディア 観の変化を時系列で分析し,そうした変化と6月号で考察した“カスタマイズ視聴”“つながり視聴”との関係を 探る。 メディア間の効用比較では,多くの機能でインターネットの存在感が増していたが,〈報道〉や〈共通の話題〉な どの機能では,テレビの高い評価が維持されていた。特に〈共通の話題〉がテレビならではの機能として評価され ていることが,テレビを媒介としてコミュニケーションを楽しむ“つながり視聴”につながっていると考えられる。 一方,リアルタイムを中心としたテレビ視聴は,全体では長時間視聴が続いているものの「漠然視聴」が増加,テ レビ視聴の「希薄化」が進んでいる。また,テレビへの興味なども低下しており,その背景には,高年層を中心とし たテレビ番組自体への不満と,若年層を中心としたネットとの比較の中での相対的なテレビへの不満がみてとれた。 日常生活に浸透したインターネットによって,情報を自分で効率的に取得できることが当たり前となり,そうした 意識がテレビ視聴にも反映され“カスタマイズ視聴”につながっているのではないか。国民の約半数となった“カ スタマイズ視聴”者は,ネットもテレビも積極的に利用し,それぞれを効率的に生活の中に組み込み,享受してい る人たちであり,若年層ほどこうした視聴が広がっていることから,さらに他の世代への広がりが考えられる。

はじめに

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の普及によって,人々のメディア観や,テレビ の見方,テレビに対する意識などの変化につい て,時系列データをふまえて報告する。 さらにそうした変化と6月号で考察した“カス タマイズ視聴”“つながり視聴”との関係に注目 した分析を行い,2 つの視聴スタイルが広がっ た背景を探る。 「テレビ60 年調査」は,時系列比較を目的と した個人面接法の調査1)と,テレビ視聴の現 状を浮き彫りにすることを目的とした配付回収 法の2 つの調査を同時期に実施した2)。両調査 の単純集計結果とサンプル構成は,前回の 6 月号の文末に掲載している。 変化するメディア環境 すでに6月号でもふれたが,メディア環境の この10 年の変化について改めてまとめる。携 帯電話,パソコンは,10 年前にはすでに半数 以上の世帯に普及していたが,ブロードバンド 回線,デジタル録画機は,この10 年で急速に 普及し,インターネットの動画視聴やテレビ番 組の録画再生の広がりを後押ししてきた3) 今回の調査でも,デジタル機器の利用の有 無を複数回答で尋ねたところ(表1),デジタ ル録画機は全体の57%が利用しており,特に 女 30 代や男女40 代では 8 割前後と,大多数 が利用している。パソコン利用者は全体では 52%だが,40 代以下で 7 割を超えている。ま た,スマートフォン利用者も全体では 27%だ が,30 代以下で半数を超えている。iPodなど の携帯音楽プレーヤーは,女 29 歳以下で約 6 割,PSPなどの携帯ゲーム機は男30 代以下で 4 割前後が利用している。若年層ほど多様なデ ジタル機器を利用していることが改めて確認で きる。 こうしたデジタル機器の普及に加え,大容 量のデータをインターネットでやりとりできるブ ロードバンドの普及は,この10 年の間にSNS や動画といった新しいネットサービスを誕生さ せ,人々の利用を促してきた。 さらに現在は,ブロードバンドが家庭内で普 及したことに加え,インターネットもつながる携 帯電話回線や無線 LANの整備も進み,家の 中だけでなく,家の外でもインターネットに高 速で接続できる環境が整いつつある。動画や SNSなどのサービスは,若年層を中心に急速 に普及しているスマートフォンによって,いつで も,どこでも,誰とでも,利用できるようになり,

変化するメディア環境と

人々のメディア観

表1 利用機器(複数回答 男女年層別) (%) 全体 16 ~ 男 女 29 歳 30 代 40 代 50 代 60 代 70 歳以上 16 ~29 歳 30 代 40 代 50 代 60 代 70 歳以上 ビデオデッキ(VHS など) 16 12 10 19 19 24 19 12 8 15 18 18 12 デジタル録画機* 57 60 71 80 62 54 28 74 80 78 66 36 15 パソコン 52 80 74 74 62 45 22 72 71 75 52 23 9 スマートフォン 27 62 51 47 26 8 1 63 52 33 13 2 1 携帯電話(スマートフォン以外) 50 40 45 52 55 58 36 40 45 58 71 62 32 タブレット端末(iPad など) 6 6 10 11 8 4 1 6 10 7 7 3 1 携帯音楽プレーヤー(iPodやウォークマンなど) 17 39 27 17 13 5 3 59 21 23 14 4 3 携帯ゲーム機(PSP,ニンテンドー DS など) 15 44 39 15 5 3 1 28 26 23 8 5 2 * DVD・ブルーレイディスク・HDD など は全体に比べ統計的に高いことを示す(以下同様)

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サービスの普及が加速されていると考えられる だろう4) こうしたメディア環境の変化は,人々のメディ ア観も変化させているのではないか。ここから は,人々の意識面でのテレビの位置づけをメ ディアの機能ごとにみていく。 10 年間で多くの機能でテレビが下がり, 携帯電話・パソコンが増加 まず,時系列調査(個人面接法)で,メディ アの持つ機能のうち〈ニュース〉〈楽しむ〉など 6 つの機能について,テレビ,新聞,携帯電話, パソコンの4つのメディアの中から,最も役に 立つと思うもの,もしくは,最も感じさせてくれ るものを尋ねた(図1)。6つの機能の具体的な 内容は,グラフ下部に示した。 2002 年から2012 年の10 年の変化をみると, すべての機能でテレビを挙げた人が減少し,携 帯電話,パソコンを挙げた人が増加している。 機能別にみると,2012 年においても,テレ ビは,〈ニュース〉57%,〈楽しむ〉68%,〈安らぎ〉 55%,〈感動〉51%と,多くの機能で半数を超 え,最も回答が多かった。 一方,〈面白いものを探す〉,〈外とのつながり〉 では,携帯電話,パソコンの回答が 10 年前に 比べて大幅に増加し,テレビの回答が半数を 割り込んだ。特に〈面白いものを探す〉では, テレビ(29%)の回答は,パソコン(37%)より 少なかった。 この10 年で,メディアの多くの機能において, 図 1 メディアの効用比較【個人面接法】 75 22 1 2 57 82 68 47 29 67 41 71 55 71 51 28 3 4 16 10 7 13 5 7 8 11 5 4 10 4 16 6 18 7 11 2 7 9 5 11 21 37 13 21 1 6 1 8 7 7 13 8 8 7 16 21 19 23 (%) 〈感動〉 〈安らぎ〉 〈外とのつながり〉 〈面白いものを探す〉 〈楽しむ〉 〈ニュース〉 2002 年 〈ニュース〉世の中の出来事を知る 〈楽しむ〉理屈抜きで楽しむ 〈面白いものを探す〉何か面白いものを探す 〈外とのつながり〉外の世界とつながっているような感じ 〈安らぎ〉心の安らぎが得られるような感じ 〈感動〉心がゆり動かされるような感じ 2012 年 2002 年 2012 年 2002 年 2012 年 2002 年 2012 年 2002 年 2012 年 2002 年 2012 年 この中にはない・ わからない パソコン 携帯電話 新聞 テレビ

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携帯電話,パソコンの存在感が増したが,特に 〈面白いものを探す〉〈外とのつながり〉の2 つの 機能において,テレビと携帯電話,パソコンの 位置づけに変化が起きていると考えられる。 〈報道〉〈共通の話題〉などで テレビは高く評価されている こうした大きな変化の中,現在のテレビの評 価を詳しく知るために,配付回収法の調査では, 〈報道〉〈生活趣味情報〉など 8つの機能につい て,7つのメディアの中から,いちばん役に立っ ているものを尋ねた(図2)。選択肢には,新聞 に,本・雑誌・マンガ,音楽を加え,さらにイン ターネットについては,ウェブサイト,YouTube などの動画サイト,mixi,Twitter,Facebook などのSNSに細分化した。 テレビは,すべての機能で最も回答が多い が,特に,〈報道〉と〈共通の話題〉は6 割がテ レビがいちばん役立つと回答しており,他のメ ディアを引き離している。 一方で,〈生活趣味情報〉〈外とのつながり〉 では,テレビは 3 割程度にとどまり,他の機能 と比べて,テレビの相対的な位置づけは低い。 特に〈生活趣味情報〉では,ウェブサイトが 28%と高く,テレビと同程度だった。 年層によって大きく異なる テレビ・インターネットの位置づけ 図 3 は,役に立つメディアを年層別(10 代~ 60 代)にみた結果である。ここでは,テレビと 図 2 メディアの効用比較 63 20 1 10 1 5 32 11 18 1 28 1 2 7 51 3 12 10 10 4 3 7 45 3 16 6 12 4 3 11 48 19 7 14 1 2 9 40 16 10 13 1 7 13 61 9 5 2 8 1 4 9 37 9 2 2 17 2 9 22 (%) 〈報道〉ニュースや社会の動きを知るうえで 〈生活趣味情報〉生活や趣味の情報を知るうえで 〈楽しむ〉気軽に楽しむうえで 〈暇つぶし〉時間をつぶすうえで 〈関心外情報〉関心のない分野のことでも知識が得られる 〈他人の考えを知る〉他の人の考えを知ることができる 〈共通の話題〉人との共通の話題が得られる 〈外とのつながり〉外の世界とつながっている感じがする 〈報道〉 〈生活趣味情報〉 〈楽しみ〉 〈暇つぶし〉 〈関心外情報〉 〈他人の考えを知る〉 〈共通の話題〉 〈外とのつながり〉 無回答 mixi,Twitter, Facebook などの SNS YouTube などの 動画サイト ウェブ サイト 音楽 本・雑誌・マンガ 新聞 テレビ

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インターネットの位置づけをみるために,ウェ ブサイト,動画,SNS の3 つをまとめて《インター ネット》とし,テレビ,新聞と比較した。 まず,テレビとインターネットの枠の大きさに 注目すると,テレビの枠の大きさは,年層が高 いほど大きく,インターネットの枠は,30 代以 上で年層が高いほど小さくなる。 次に,機能ごとにみていくと,〈報道〉〈関心 外情報〉では,テレビはどの年層においても高 い。また,〈共通の話題〉も10 ~ 20 代はテレ ビとインターネットが同程度だが,その他のす べての年層で,テレビが高い。 さらに,年層ごとの特徴をみると,10 ~ 20 代では,〈楽しむ〉〈暇つぶし〉など多くの機能で, インターネットがテレビを上回っており,インター ネットの存在感が大きいことがわかる。30 ~ 40 代では,多くの機能でテレビの回答がイン ターネットより高いが,〈生活趣味情報〉〈外との つながり〉では,インターネットが高い。50 ~ 60 代では,ほとんどの機能でテレビがインター ネットよりも高く,新聞も〈報道〉〈関心外情報〉 などで一定の回答を得ている。 このように,インターネットとテレビの位置 づけは年層によって大きな差があることがわか る。 メディア環境・メディア観の変化と “カスタマイズ視聴”“つながり視聴” ここまでをまとめ,メディア環境やメディア観 の変化が,現代の視聴者がテレビと向き合う 姿勢にどう反映されているかを考察したい。 〈面白いものを探す〉〈外とのつながり〉といっ た機能では,インターネットの存在感が増して おり,テレビとの位置づけの変化がみられた。 図 3 メディアの効用比較〈テレビ・インターネット・新聞〉(年層別) 外との つながり 共通の 話題 他人の 考えを知る 関心外情報 暇つぶし 楽しむ 生活趣味 情報 報道 外との つながり 共通の 話題 他人の 考えを知る 関心外情報 暇つぶし 楽しむ 生活趣味 情報 報道 外との つながり 共通の 話題 他人の 考えを知る 関心外情報 暇つぶし 楽しむ 生活趣味 情報 報道 外との つながり 共通の 話題 他人の 考えを知る 関心外情報 暇つぶし 楽しむ 生活趣味 情報 報道 外との つながり 共通の 話題 他人の 考えを知る 関心外情報 暇つぶし 楽しむ 生活趣味 情報 報道 外との つながり 共通の 話題 他人の 考えを知る 関心外情報 暇つぶし 楽しむ 生活趣味 情報 報道 20 0 40 60 80(%) (%) (%) (%) (%) (%) 20 0 40 60 80 20 0 40 60 80 20 0 40 60 80 20 0 40 60 80 20 0 40 60 80 テレビ インターネット (ウェブ・動画・SNS) 新聞 〈10 代〉 〈20 代〉 〈30 代〉 〈40 代〉 〈50 代〉 〈60 代〉

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メディアの王様だったテレビが,インターネッ トをはじめとした他のメディアと相対視され, 機能ごとにメディアの使い分けが進んでいると 考えられる。 6月号で紹介した“カスタマイズ視聴”は, デジタル録画機の普及やインターネットサービ スの高度化など,メディア環境の大きな変化そ のものが可能にした視聴スタイルといえる。し かし,その裏側には,メディアの使い分けなど で育まれた,情報取得における“効率”を求め る意識の高まりがあるのではないか。“カスタマ イズ視聴”の意識とインターネット利用の意識と の関係については,後の3 章で詳しく述べる。 また,〈報道〉〈関心外情報〉〈共通の話題〉な どの機能では,比較的テレビの評価が維持さ れていた。これは,人々の利用メディアの選択 肢が増える中で,こうした機能はむしろ,テレ ビならではの“強み”として認識され,評価を 受けた結果ともいえよう。 やはり6月号で紹介した“つながり視聴”は, テレビを媒介としたコミュニケーションを重視し た視聴スタイルであった。この根底には,テレ ビが〈共通の話題〉では最も役に立つという認 識があり,テレビ番組を話の種にした“つなが り視聴”というスタイルにつながっていると考え られよう。 メディア環境や人々のメディア観が変化する 中で,ここからは,リアルタイムを中心とした テレビ視聴や,テレビへの意識がどのように変 化したか,時系列データを中心にみていく。

(1) 視聴時間は長時間で安定

まず,リアルタイム視聴の「量」の変化をみ るため,NHK 放送文化研究所で行っている「全 国個人視聴率調査」からテレビ視聴時間の推 移をみる(図4)。1970 年代前半までは順調に 伸びているが,1975 年前後を頂点に減少しは じめ,1985 年前後に3 時間近くまで減少した。 その後は増加に転じ,2000 年以降は,多少 増減はあるものの,3 時間40 分台と長時間で 安定している。 しかし,年層別にみると,高年層は 5 時間 以上の長時間視聴が続いている一方,若年層 は 2001年から2011年にかけて,男20 代は 2 時間を超えていた視聴時間が 1時間台になり,

テレビ視聴の変化

2 図 4 テレビ視聴時間の推移(週平均,1 日 移動平均* 4:00 3:30 3:00 2:30 0:00 (時間:分) 1980 年 1985 年 1990 年 1995 年 2000 年 2005 年 2010 年 1975 年 3:15 3:04 3:22 3:35 3:43 3:47 3:41 3:19 *各年の特異な動きをなめらかにするために,ここではその年を中間に前後 1 年の視聴時間を平均化した。 〈6 月全国個人視聴率調査の結果より〉

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女 20 代は 3 時間台前半から2 時間台前半へ5) と,減少傾向にある。しかし,人口構成比で 高年層の占める割合が増加しているため,全 体の視聴時間も長時間で推移する構図となっ ている。

(2) テレビ視聴の質的変化

視聴時間は若年層で減少傾向にあるが,全 体では長時間視聴が続いていることがわかっ た。そこで,次に,テレビの見方やテレビへの 意識といった視聴の「質」についてみてみる。 テレビの見方は“漠然”“無意識化” テレビ番組を,何となくいろいろな番組を見 る「漠然視聴」か,好きな番組だけを選んで見 る「選択視聴」か,推移を時系列でみたのが 図 5 である。1969 年は選択肢が異なるため, 厳密に比較はできないが,「漠然視聴」は1969 年から1982 年まで減少,1982 年以降は盛り返 してやや増加し,今回の2012 年は,10 年前か らさらに増加した。 年層別の推移をみると(図6),1982 年には すべての層で「選択視聴」が 70%以上と多かっ たが,若年層から「選択視聴」が減り,「漠然 視聴」が増えてきた。今回は,20 代を除くす べての年層で「漠然視聴」が増加傾向にあり, 若年層では「漠然視聴」と「選択視聴」が同程 度となっている。 1982 年から「漠然視聴」が増加してきた理 由について,「テレビ50 年調査」の報告では, 1980 ~ 90 年代にかけてリモコンが普及し,番 組が面白くなくなると次々とチャンネルを変える ような,新しい視聴スタイルが年層を超えて広 がり,1990 年代後半になると,リモコンを使っ て,番組の面白いところだけを見るような断片 図 5 漠然視聴・選択視聴の推移【個人面接法】 (%) 1969 年 1979 年 1982 年 1992 年 2002 年 2012 年 29 24 21 27 28 34 2 3 2 5 6 9 69 74 77 67 66 57 別に見たいと思わないものも見る +何となくいろいろ見る 見たいものだけ選んで見る+どちらかといえば どちらともいえない +わからない,無回答 何となくいろいろな 番組を見るほう どちらともいえない+わからない,無回答 好きな番組だけを選んで見るほう 図 6 漠然視聴・選択視聴の推移(年層別) 【個人面接法】 (%) 74 26 27 18 18 19 22 20 41 47 35 30 24 18 22 55 43 49 38 42 36 31 24 29 55 48 49 61 71 64 50 58 66 70 72 70 80 79 77 77 75 選択視聴(好きな番組だけを選んで見るほう) 漠然視聴(何となくいろいろな番組を見るほう) ※2012 年:16 歳∼ 19 歳は人数が少ないため参考値 100 80 60 40 20 0 2012 年 2002 年 1982 年 2012 年 2002 年 1982 年 70 歳 以上 60 代 50 代 40 代 30 代 20 代 16∼ 19 歳

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的な視聴スタイルが若い人に浸透し,そのこと が,「何となくいろいろな番組を見る」といった 「漠然視聴」が若い人を中心に増加したことと 関係しているのではないか,と指摘している(白 石・井田 2003)。 では,この10 年は「漠然視聴」がどのように 増加したといえるのだろうか。 テレビの視聴態様について「よくある」という ものをいくつでも答えてもらう質問で,「ただ何 となくテレビを見ている」と「番組を通しで見る のではなく,見たいところだけを見る」の2 つ の選択肢の時系列変化に注目してみたい。 図 7 は,「ただ何となくテレビを見ている」の 10 年の推移を示している。全体では,23%→ 31%と増加し,男女年層別では,男29 歳以下, 男50 代,男70 歳以上,女 50 代で増加してい る。一方で,「番組を通して見るのではなく,見 たいところだけを見る」の推移をみると(図8), 全体では 29%→23%と減少し,男女年層別で は,男29 歳以下で増加しているものの,男30 ~ 60 代,女 70 歳以上で減少している。 この2 つの選択肢だけでは,はっきりとは断 定できないものの,1990 年代後半から浸透し た,リモコンを使って「見たいところだけを見 る」ような断片的な視聴スタイルは,この10 年 で全体では後退し,「ただ何となくテレビを見 ている」という漫然とした視聴スタイルが増加 していることがわかる。 さらに,「漠然視聴」については,配付回収法 の調査で,新たに2 つの質問でも尋ねた(図9)。 1つは,「見たい番組がないときでもテレビ 図 7 「ただ何となくテレビを見ている」の推移 (複数回答 男女年層別)【個人面接法】 図 8 「番組を通しで見るのではなく, 見たいところだけを見る」の推移 (複数回答 男女年層別)【個人面接法】 60 40 20 0 (%) 37 35 52 42 22 24 24 32 16 29 22 17 24 23 26 36 31 33 17 36 17 21 13 27 〈男性〉 〈女性〉 ※2012 年:男 50 代は人数が少ないため参考値 70歳 以上 60 50 40 30 16∼ 29歳 16∼29歳30代 40代 50代 60代70歳以上 2002 年(全体 23%) 2012 年(全体 31%) 9 23 21 12 31 17 29 18 38 24 41 33 16 20 25 20 29 24 29 26 37 34 38 24 60 40 20 0 (%) 〈男性〉 〈女性〉 ※2012 年:男 50 代は人数が少ないため参考値 70歳 以上 60 50 40 30 16∼ 29歳 16∼29歳30代 40代 50代 60代70歳以上 2002 年(全体 29%) 2012 年(全体 23%) 図 9 テレビの視聴態様 (%) 47 52 1 1 64 35 見たい番組がないときでも テレビはつけているほう 見たい番組があるときだけテレビをつけて見るほう 無回答 テレビはついていても 邪魔にならないほう テレビがついていると気になるので消して しまうほう  無回答 ※「○○に近い」+「どちらかといえば,○○に近い」の計

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はつけているほう」か「見たい番組があるとき だけテレビをつけて見るほう」か尋ねたところ, 回答は,ほぼ半々であった。また,「テレビは ついていても邪魔にならないほう」か,「テレビ がついていると気になるので消してしまうほう」 かでは,「テレビはついていても邪魔にならな いほう」が 64%と多数派であった。 友宗・原(2001)は,「テレビがついているこ とで,その場が明るい雰囲気になる」といった “ムードメイキング機能”を動機とする「時間快 適化視聴」を提起した。 それから10 年以上を経て,現在のリアルタイ ムを中心としたテレビ視聴は,「時間快適化視 聴」の要素は保ちながらも,全体としては,テ レビをつけてはいるが,見ていることはあまり 意識しないようなテレビ視聴の“無意識化”が 広がっていると推測できる。「漠然視聴」が長 期的に増加する中で,この10 年においては, 特にこの“無意識化”した視聴の広がりが特徴 といえるのではないか。 「ながら視聴」派が「専念視聴」派を上回る こうしたテレビ視聴の“漠然”“無意識化”に 関係する行動として,他の行動をしながらテレ ビを見るという「ながら視聴」があるのではな いだろうか。 テレビを見ながらほかのこともする「ながら 視聴」派か,テレビを見ることに集中する「専 念視聴」派か尋ねたところ,「ながら視聴」派 が 57%と,「専念視聴」派(42%)を上回った。 男女年層別にみると(図10),「ながら視聴」 派は男性より女性が高く,年層では若年層ほ ど高い傾向がある。男30 代以下,女 50 代以 下では「ながら視聴」派が「専念視聴」派を上 回っている。 若年層は,多彩なインターネットサービスとの 「ながら視聴」 それでは,人々はテレビを見ながら何をして いるのだろうか。複数回答で尋ねたところ,全 体では,食事が 82%と圧倒的に高く,ついで, 家事・育児 29%,新聞28%となり,インターネッ トは16%だった(表2)。 しかし,男女年層別にみると,インターネッ トは男30 代以下,女40 代以下で高かった。ま た,男女16 ~ 29 歳では,本・雑誌・マンガ, 仕事・勉強,ゲーム,音楽など様々なことをす る人が多い。 さらに,テレビを見ながらインターネットをす ると回答した人に,どんなインターネットのサー ビスを利用しているか 尋ねたところ(表3), 「ウェブサイトやブログ(検索も含む)」が最も 多かった。 男女年層別にみると,どのサービスも若年層 の利用が高いが,男女16 ~ 29 歳ではウェブ 図 10 ながら視聴・専念視聴(男女年層別) 66 32 72 28 72 28 68 31 61 38 55 43 51 48 58 40 54 44 51 48 44 55 36 64 100 80 60 40 20 0 (%) 70歳 以上 60 50 40 30 16∼ 29歳 16∼29歳30代 40代 50代 60代70歳以上 専念視聴「テレビを見ることに集中するほう」 (全体 42%) ながら視聴「テレビを見ながら,ほかのこともするほう」 (全体 57%) 〈男性〉 〈女性〉 ※「○○に近い」+「どちらかといえば,○○に近い」の計

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サイトやブログに加え,SNS,動画,ゲームな ど多彩なネットサービスをテレビを見ながら利 用している。 インターネットとの「ながら視聴」と テレビ視聴の“漠然”“無意識化” テレビとインターネットの同時的並行行動に 関する研究の中で金(2006)は,食事や家事と の「ながら視聴」のような生活行動との「なが ら」とは異なり,インターネットとの同時行動の 場合,同時に集中して行われることは難しく, いずれかに意識が集中する可能性は高いと述 べている。テレビがつけられていたとしても, それはインターネットと同じ意識レベルの行動 というよりは,BGMや時計などで代表される 「背景行動」として捉えることが妥当だろうとし ている。 今回の調査結果で,全体でも「ながら視聴」 派は多数派であるうえ,若年層では,インター ネットとの「ながら視聴」が他の年層に比べて 高かった6)。インターネットでテレビ番組につい て調べたり,テレビ番組に関してやりとりする など,ネットとテレビが相互に作用する行動に なっている可能性もあるが,テレビとは関係の ないメールや SNSでのやりとりや,動画,ゲー ムなどをしながらの場合,ネットではなくテレビ 表 2 テレビを見ながらすること(男女年層別 複数回答) (%) 全体 16 ~ 男 女 29 歳 30 代 40 代 50 代 60 代 70 歳以上 16 ~29 歳 30 代 40 代 50 代 60 代 70 歳以上 食事 82 78 75 80 87 82 79 78 81 82 90 86 78 家事・育児 29 6 17 15 8 5 6 22 59 66 57 50 28 新聞 28 10 13 24 42 51 43 5 12 24 24 34 35 本・雑誌・マンガ 17 35 22 16 14 12 6 33 17 15 17 13 8 インターネット 16 33 30 21 16 5 4 34 25 22 16 2 2 仕事・勉強 11 22 11 11 11 7 7 26 9 8 9 7 7 ゲーム(PSP,ニンテンドー DS など) 6 25 18 4 2 3 0 13 7 4 4 3 1 音楽 4 12 4 2 2 1 4 12 1 3 3 2 5 表 3 テレビを見ながら利用しているネットサービス(男女年層別 複数回答) (%) 全体 16 ~ 男 女 29 歳 30 代 40 代 50 代 60 代 70 歳以上 16 ~29 歳 30 代 40 代 50 代 60 代 70 歳以上 テレビを 見ながら インターネット 利用する (402 人) ウェブサイトやブログ (検索も含む) 13 28 25 17 13 3 3 28 20 18 12 2 1 電子メール 7 10 7 7 6 3 2 18 11 12 8 1 0 SNS(mixi,Twitter, Facebook など) 5 13 7 4 3 0 0 22 13 3 3 0 0 動画 (YouTube など) 5 16 10 5 4 1 0 11 4 4 3 0 0 ゲーム 4 11 10 2 1 2 0 10 5 4 3 0 1 掲示板 (2 ちゃんねるなど) 2 13 6 1 1 0 0 7 1 1 1 0 0 テレビを見ながらインターネット 利用しない(2,104 人) 84 67 70 79 84 95 97 66 75 78 84 98 98

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が「背景行動」になっている可能性が高い。 もちろん,テレビが興味をひく場面では,逆 にテレビ以外の行動が「背景行動」になるなど, 時と場合によって,行動の主従が入れ替わるこ ともあるだろう。 しかし,ネットとの「ながら視聴」という新し い視聴スタイルが広がることは,テレビ視聴が 「ついていても邪魔にならない」ような「背景行 動」になることを促し,テレビ視聴の“漠然”“無 意識化”にもつながっている面があるのではな いだろうか。 テレビの楽しさ・興味は低下 テレビの楽しさや興味についてもみていく。 図 11 は,テレビの楽しさを他のことと比較して 5 段階で尋ね,この10 年の推移をみたグラフ である。 2002 年から2012 年の10 年で,プラス評価 である「他にも楽しいことがいろいろあるが, テレビを見ることも同じくらい楽しいことだ」「他 のことをした方がもっと楽しいが,テレビを見 ることもそれなりに楽しいことだ」が減少し,マ イナス評価である「テレビを見ることは,何も しないでいるよりも楽しいが,退屈しのぎ以上 のものではない」「現在のテレビは,見ていても 楽しめない」が増加した。 男女年層別にみると(図12),マイナス評価 である「退屈しのぎ以上のものではない」が増 えたのは,男29 歳以下,40 代,60 代で,「見 ていても楽しめない」が増えたのは,男29 歳 以下,40 代~ 60 代,女 70 歳以上だった。テ レビの楽しさのマイナス評価は幅広い層の男性 で増加した。 次に,テレビに対する興味の推移をみてみ る(図13)。「以前よりも興味をひかれることが 多くなった」と「以前も今も同じように興味があ る」をあわせた,興味のある人は,1967年か ら1982 年にかけて減少していき,1992 年に盛 り返したが,今回の2012 年で減少,これまで でいちばん少なくなった。 この10 年の変化では,「以前よりも興味を ひかれることが少なくなった」という人が 29% → 48%と大きく増加し,約半数を占めた。「以 図 11 「テレビの楽しさ」の推移【個人面接法】 (%) テレビを見ることは, 他の何をするよりも 楽しいことだ 他にも楽しいことが いろいろあるが, テレビを見ることも 同じくらい楽しいことだ 他のことをした方が もっと楽しいが, テレビを見ることも それなりに楽しいことだ テレビを見ることは,何も しないでいるよりも楽しいが, 退屈しのぎ以上のものではない 現在のテレビは, 見ていても楽し めない わからない, 無回答 2002 年 2012 年 25 5 20 5 40 23 4 4 36 30 9 1 図 12 「テレビの楽しさ」の推移(男女年層別) 【個人面接法】 60 40 20 0 (%) 〈男性〉 〈女性〉 70歳 以上 60 50 40 30 16∼ 29歳 16∼29歳30代 40代 50代 60代70歳以上 37 22 10 1 5 1 6 5 4 8 10 15 16 6 35 31 44 27 38 28 35 23 29 21 2 3 3 4 6 5 5 7 5 9 6 15 21 20 31 22 26 23 26 19 30 22 13 20 退屈しのぎ以上のものではない 現在のテレビは見ていても楽しめない ※2012 年:男 50 代は人数が少ないため参考値 2002 年 2012 年 2002 年 2012 年

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前も今もあまり興味がない」(14%)とあわせる と,興味がない人は6 割を超えている。 「以前よりも興味をひかれることが少なくなっ た」を2002 年と2012 年で比較し,男女年層別 にみると,男性はすべての年層で,女性は40 代以上で増加した(図14)。 テレビの興味減少の理由は, 若年層と高年層で異なる テレビへの興味の質問で,「以前よりも興味 をひかれることが少なくなった」「以前も今もあ まり興味がない」と答えた人に,その理由を尋 ねた(図15)。全体では,「テレビ番組が面白 くないから」が 59%といちばん多く,ついで「忙 しくなって時間の余裕がないから」(35%),「自 分の好きな種目(ジャンル)の番組がないから」 (34%)という理由が高かった。 男女年層別にみると,「テレビ番組が面白く ないから」「自分の好きな種目(ジャンル)の番 組がないから」などテレビ番組自体についての 理由は高年層の方が高い。一方,「パソコン や携帯電話などを利用するほうが面白いから」 「動画サイトを見るほうが面白いから」など,他 メディア利用と比べているような理由は,若年 層のほうが高い。 さらに,テレビ番組についての不満を全員に 尋ねたところ,「同じような番組が多い」が 61% と最も多く,ついで「くだらない番組が多い」 (44%),「面白そうな番組が少ない」(43%), 「番組の中で繰り返しが多い」(42%)などが多 かった(表4)。 男女年層別にみると,「同じような番組が多 い」「くだらない番組が多い」「面白そうな番組 が少ない」などは,50 ~ 60 代を中心に高めで, 「番組の中で繰り返しが多い」は40 代を中心に 高い。一方,全体では少ないものの,「ストー リーや展開が単純すぎる」「ネットと違って,テ レビ番組は見ているだけなのでつまらない」な どは,全体に比べ男の若年層で高かった。 図 13 「テレビに対する興味の変化」の推移 【個人面接法】 図 14 「テレビに対する興味の変化」の推移 (男女年層別)【個人面接法】 (%) 1967 年 1974 年 1982 年 1992 年 2002 年 2012 年 35 39 7 11 8 18 40 5 21 16 17 31 3 28 21 20 34 3 28 14 15 40 4 29 12 7 29 2 48 14 以前よりも興味を ひかれることが 多くなった 以前も今も 同じように 興味がある わからない, 無回答 以前よりも興味を ひかれることが 少なくなった 以前も今も あまり 興味がない 70歳 以上 60 50 40 30 16∼ 29歳 16∼29歳30代 40代 50代 60代70歳以上 60 40 20 0 (%) 48 53 56 52 42 38 30 35 33 29 25 20 42 50 52 52 58 36 32 39 38 33 23 15 〈男性〉 〈女性〉 以前よりも興味をひかれることが少なくなった ※2012 年:男 50 代は人数が少ないため参考値 2002 年 2012 年

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この10 年の興味の大幅な減少の背景には, 視聴者が現在のテレビに満足していない様子 がうかがえる。そうした飽き足らなさの一つは, 高年層を中心としたテレビ番組自体への飽き足 らなさである。「漠然視聴」の増加の理由のと ころでもふれたが,1980 年代以降に普及した リモコンは,テレビの見方を,面白いものを探 して番組途中でも次々とチャンネルを切り替え るような見方に変化させ,こうした視聴者の変 化に合わせるように,ザッピングを前提とした 番組が開発されてきた(白石・井田 2003)。ま た 2000 年代以降は,「時間快適化視聴」に応 える形で“番組の総バラエティー化”という現 象が顕在化してきた(友宗・原 2001)。 10 年前は,そうしたザッピングを前提とした その場のムードを明るくするバラエティー番組 が,視聴者のニーズを的確に捉えていたもの の,現在では,番組の総バラエティー化自体 が,自分の好きな種目(ジャンル)の番組がな い,テレビ番組が面白くないなど,テレビへの 表 4 テレビ番組への不満(複数回答 男女年層別) (%) 全体 16 ~ 男 女 29 歳 30 代 40 代 50 代 60 代 70 歳以上 16 ~29 歳 30 代 40 代 50 代 60 代 70 歳以上 同じような番組が多い 61 62 58 59 67 63 51 57 57 66 69 64 53 くだらない番組が多い 44 37 41 44 54 58 44 32 31 37 45 45 52 面白そうな番組が少ない 43 47 41 42 56 45 43 39 36 41 47 43 40 番組の中で繰り返しが多い 42 36 46 52 44 36 31 27 46 53 58 38 38 長時間の番組は見たくない 20 14 12 14 15 16 27 15 20 24 22 22 27 肩がこるような番組は見たくない 19 16 17 15 15 14 23 20 21 19 17 19 28 ストーリーや展開が単純すぎる 12 16 13 14 11 9 8 14 12 13 12 12 9 ネットと違って,テレビ番組は見ているだけなのでつまらない 2 6 5 5 3 3 1 0 1 1 2 1 1 図 15 「テレビへの興味が少なくなった・以前も今も興味がない」理由(男女年層別) 80 60 40 20 0 (%) 〈男性〉 〈女性〉 テレビ番組が面白くないから パソコンや携帯電話などを利用するほうが面白いから 忙しくなって時間の余裕がないから 自分の好きな種目(ジャンル)の番組がないから 動画サイトを見るほうが面白いから   分母=「興味が少なくなった」人+「以前も今も興味がない」人(1,393 人) ※男 30 代,男 70 歳以上,女 16 ∼ 29 歳は人数が少ないため参考値 59 34 19 6 35 58 25 51 22 43 53 49 60 62 72 63 13 4 1 3 0 0 24 25 25 32 45 36 59 54 35 21 14 39 31 20 9 4 3 41 26 13 9 17 6 3 3 0 0 39 17 16 9 1 21 31 40 49 52 55 48 65 61 64 16 ∼ 29 歳 (106 人) (1,393 人) 30 (98 人) 40 (113 人) 50 (102 人) 60 (142 人) 70 歳 以上 (91 人) 16 ∼ 29 歳 (98 人) 30 (122 人) 40 (149 人) 50 (122 人) 60 (144 人) 70 歳 以上 (106 人) 45

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興味を失わせる理由の一つとなっているのでは ないだろうか。 また,テレビへのもう一つの飽き足らなさ は,若年層を中心とした,インターネットなど 他メディアとの相対的な関係の中でのテレビ の飽き足らなさである。図 3の年層別にみたメ ディアの効用比較で,若年層ほどテレビの位置 づけは低く,インターネットの存在感は高かっ た。パソコンやスマートフォンで,動画や SNS などテレビ以外の新しい魅力的なインターネッ トサービスにふれ,テレビへの興味が相対的 に失われていると考えられるだろう。 テレビ視聴の質的変化とは 1970 年代頃から,テレビ視聴が日常化する ことにより,テレビは「あれば便利という程度 のもの」(牧田・上村 1985),「“水や空気”のよ うに必要ではあるがふだんはあまり意識しない もの」(白石・井田 2003)など様々な表現でそ の存在が「希薄化」してきたことが指摘されて きた。今回も,その大きな「希薄化」という質 的変化の流れの中にあるといえるだろう。 ただ今回の「希薄化」は,インターネットとの 「ながら視聴」などが進んできたことによって, テレビ視聴の“無意識化”が進んだ「希薄化」 といえるのではないだろうか。さらに,幅広い 年層でテレビの楽しさや興味が減少し,テレビ に対して飽き足らない意識を持っていることも 顕在化した。 この10 年で,インターネットなどメディアを取 り巻く状況は大きく変わり,もはや,テレビ視 聴単体をみるだけで,その変容を捉えるのは 難しくなっている。テレビ視聴の「希薄化」や 興味の低下も,インターネットとの「ながら視 聴」のような他のメディア利用との関わりの中で 捉える必要があるだろう。

(3) リアルタイム視聴と“カスタマイズ視聴”

リアルタイム視聴の「希薄化」がさらに進ん でいるが,一方で,“カスタマイズ視聴”ではテ レビ番組を録画再生したり,動画で視聴したり と,リアルタイム視聴以外の手段で番組と接し ている。テレビ番組自体への興味が薄れてい るとは考えにくく,それぞれをどう捉えるべき なのかという疑問がわく。 金(2006)は,先ほども紹介した,テレビと インターネットとの同時的並行行動に関する研 究の中で,Bryce(1987)がテレビ視聴行動を 「 単一 時 間的 視 聴(Monochronic viewing)」 「複合時間的視聴(Polychronic viewing)」の 2 つのパターンに分け説明していることを引用 し,前者の場合は,スケジュールや計画に基 づいてテレビを視聴し,他の生活行動と重なる ことが少ないため,テレビへの集中度が高い が,後者の場合は計画性が極めて低く「なが ら視聴」が多くなり,他行動の合間に散発的 に視聴され,集中度が低いとしている。つまり, テレビ視聴が視聴前の段階で計画されている ことだったのかどうかによって,他メディアの 並行程度が規定され,結果的にテレビへの集 中度が決まるとしている。 こうした指摘を受けて今回の調査結果を改 めてみてみると,現在のリアルタイム視聴にお いては,どちらかといえば Bryceのいう「複合 時間的視聴」があてはまり,テレビの集中度は 高くなく,「ながら視聴」が多くなり,視聴が全 体として「希薄化」すると考えられる。 一方,スケジュールや計画に基づいてテレビ を録画・再生することが多い“カスタマイズ視 聴”は,どちらかといえば「単一時間的視聴」

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の要素を持っていると考えられる。 かつて「単一時間的視聴」は,リアルタイム 視聴の中で,視聴前に計画され,自分が放送 時間にあわせて,集中してテレビを見る「専念 視聴」という形で実現されてきた。しかし,現 代の視聴者は,録画再生やテレビ動画など 様々な方法を用いて,自分本位に“カスタマイ ズ”して「単一時間的視聴」を実現させている のではないだろうか。 しかし,“カスタマイズ視聴”で,自分本位に 「専念視聴」が可能になったことで,逆に,リ アルタイムで「専念視聴」をする必要はなくなり, そうしたことが,リアルタイム視聴をさらに希 薄化させている可能性があるのかもしれない。 視聴者は,自分の中で状況に応じ,「希薄化」 したリアルタイム視聴と,専念して見る“カスタ マイズ視聴”を両立させていると考えられない だろうか。 また,テレビ視聴が視聴前の段階で計画さ れているかによって,テレビの集中度が決まる というのであれば,リアルタイム視聴と“カスタ マイズ視聴”では,視聴前の動機や視聴に向 かう意識が異なり,テレビの見方やテレビに対 する意識も異なっていると考えられる。 いずれにせよ,リアルタイム視聴の分析だけ では,現代の視聴者の複層的な構造を明らか にすることは難しくなってきたことが,今回の 調査で明らかになった。今後の課題としていき たい。 これまで,テレビの位置づけの変化やリアル タイムを中心としたテレビ視聴の変化について みてきたが,インターネットの日常生活への浸 透と関わりが深いことが認められた。自分本位 な視聴である“カスタマイズ視聴”の広がりに ついて,インターネット利用や意識面との関連 性について分析を試みる。

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“カスタマイズ視聴”と

インターネット利用の意識

6月号では,“カスタマイズ視聴”する人は, しない人よりも,情報探索や時間効率に関する 意識が高いと紹介し,“カスタマイズ視聴”が 浸透した背景に,そうした意識が関連している ことを示した。 そこで,“カスタマイズ視聴”とインターネット 利用の関係をさらにみていきたい。年層による 影響ではないことを検証するために,16 歳~ 49 歳と50 歳以上の2 つの年層に分けて,日常 的(週に1日以上)に“カスタマイズ視聴”をす る人としない人それぞれで,インターネットの利 用頻度を比べると,どちらの年層でも日常的に “カスタマイズ視聴”をする人は,しない人に比 べて,インターネットの利用頻度が高い結果と なった(表5)。 また,インターネット利用者の73%が,イン ターネットを利用するようになって「欲しい情報 が効率的に手に入るようになった」と回答してい るが,インターネット利用頻度別にみると,利用 頻度が高い人ほど,その意識が高かった(表6)。

“カスタマイズ視聴”とインターネット

3 表 5 カスタマイズ視聴(週1日以上)の有無と インターネット利用頻度の高・低 (週1日以上・月1日以下) (%) 全 体 16 ~ 49 歳 50 歳以上 する (707人) (447人)しない(412人)する (940人)しない ネット利用頻度・高 (週1日以上) 55 89 > 79 53 > 20 ネット利用頻度・低 (月1日以下・利用なし) 44 11 < 19 47 < 78 ※ >は「する」と「しない」を比べ統計的に有意に高いほうを示す

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つまり,カスタマイズ視聴をしている人のほ うが,インターネットをよく利用しており,イン ターネットをよく利用する人ほど,インターネット によって,欲しい情報が効率的に手に入るよう になったと感じている。 2008 年に当研究所が行った 20 代のテレビ 視聴に関したグループインタビュー調査では(荒 牧・増田・中野 2008),20 代はテレビに対し, 裏切られたくないという「リスク回避」の欲求や, 同じ時間に視聴を強要されることの拒否感とし て「時間管理欲求」があり,そうした思いの背 景に「自分の欲しい情報を自分で取りに行ける」 というインターネットの特性があるのではない かと指摘していた。 インターネット利用者にとっては,情報をいわ ば“カスタマイズ”して取得することが当たり前 になり,そうした意識がテレビ視聴にも反映さ れた形が,“カスタマイズ視聴”とも考えられる。

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“カスタマイズ視聴”をする人とは

では,“カスタマイズ視聴”をする人たちは, どんなテレビ視聴をしており,どんなテレビへ の意識を持っている人なのだろうか。 先ほどと同じく,16 歳~ 49 歳と50 歳以上の 2 つの年層に分けて,日常的に“カスタマイズ 視聴”をする人としない人それぞれで,テレビ 視聴やテレビへの意識を比べてみたのが表7で ある。 表 6 インターネットに対する考え方 (ネット利用頻度別) (%) 全体 毎日のネット利用頻度 ように ~ 4 日週に 1 日以下月に 1 (1,525人)(1,046人)(342人)(137人) 欲しい情報が効率的に 手に入るようになった 73 79 64 50 分母=インターネット利用者(1,525 人) 表 7 カスタマイズ視聴(週1日以上)の有無と メディア利用・意識 (%) 全 体 16 ~ 49 歳 50 歳以上 する (707人) (447人)しない(412人)する (940人)しない 価 値 観 ・ 意 識 * 1 欲しいものは 納得がいくまで 探すほうだ 60 78 > 69 61 > 41 知りたいことは すぐに調べないと 気がすまない 59 69 > 63 63 > 47 たくさんの中から 自分に必要な情報を 選びたい 79 87 > 82 80 > 70 時間を有効に使わないと, とても損した気になる 54 63 > 56 54 > 45 テ レ ビ 視 聴 時 間 ほとんど,まったく 見ない 6 5 < 17 0 < 3 短時間 (1 時間以下) 18 25 26 13 11 中間 (2 ~ 3 時間) 43 47 > 40 45 41 長時間 (4 時間以上) 34 24 > 17 42 45 テ レ ビ に 対 す る 意 識 * 2 テレビを見るのが 大好きだ 67 76 > 53 74 > 65 見たかった番組を 見逃すと, とても残念に思う 65 80 > 55 79 > 54 好きな番組でも毎回 決まった時間に見るのは 面倒だ 38 51 > 42 35 > 27 テレビは会話のネタが 得られる 74 82 > 68 80 > 68 な が ら 利 用 ネ ッ ト の テレビを見ながら インターネットを 利用する 16 31 > 21 14 > 3 テ レ ビ の 見 方 * 3 テレビはついていても 邪魔にならないほう 64 69 > 58 67 > 61 番組を始めから 終わりまで見るほう 67 69 > 59 76 > 66 テ レ ビ へ の 興 味 以前よりも 興味をひかれることが 多くなった 5 5 3 6 5 以前も今も 同じように興味がある 36 39 > 26 40 36 以前よりも 興味をひかれることが 少なくなった 48 50 53 48 45 以前も今も あまり興味がない 7 4 < 15 2 < 8 テ レ ビ の 楽 し さ テレビを見ることは, 他の何をするよりも 楽しいことだ 3 1 0 2 < 5 他にも楽しいことがいろいろ あるが,テレビを見ることも 同じぐらい楽しいことだ 30 30 > 16 38 > 32 他のことをした方がもっと楽 しいが,テレビを見ることも それなりに楽しいことだ 40 48 > 38 43 > 35 テレビを見ることは,何もしな いでいるよりも楽しいが,退屈 しのぎ以上のものではない 19 18 < 27 12 < 19 現在のテレビは, 見ていても楽しめない 7 3 < 16 4 < 8 ※ >は「する」と「しない」を比べ統計的に有意に高いほうを示す * 1 「そう思う」+「どちらかといえば,そう思う」(「価値観・意識」は 6 月号の再掲) * 2 「あてはまる」+「まああてはまる」 * 3 「○○に近い」+「どちらかといえば,○○に近い」

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日常的にカスタマイズ視聴をする人は,しな い人と比べて,「テレビを見るのが大好きだ」「見 たかった番組を見逃すと,とても残念に思う」 「好きな番組でも毎回決まった時間に見るのは 面倒だ」などが高い。また,インターネットとの 「ながら視聴」や「テレビはついていても邪魔に ならないほう」などもカスタマイズ視聴をする人 のほうが高い。また,テレビへの興味や楽しさ では,日常的にカスタマイズ視聴をしない人の ほうが「以前も今もあまり興味がない」「現在の テレビは,見ていても楽しめない」が高い一方, カスタマイズ視聴をする人は「他にも楽しいこと がいろいろあるが,テレビを見ることも同じぐら い楽しいことだ」「他のことをした方がもっと楽 しいが,テレビを見ることもそれなりに楽しい ことだ」が高いなど,テレビをそれなりに評価 していることがわかる。 つまり,カスタマイズ視聴をする人は,イン ターネットをよく利用する一方,テレビも好きで, テレビの楽しさや興味を失っていない人たちだ といえるだろう。テレビを見ながらインターネッ トを利用する「ながら視聴」もしているが,番 組編成にとらわれず,検索して動画を見たり, 録画をしたりして,自分なりにテレビとインター ネットを効率的に組み込んだ生活を享受してい る人たちといえるだろう。 2002 年の「テレビ50 年調査 」では,1990 年代後半に,リモコンを片手にテレビの見方を 熟知した“熟練した視聴者”が顕在化したこと を指摘した。 それから10 年,テレビ60 年のテレビ視聴を ふりかえると,インターネットをはじめとしたメ ディア環境の急速な変化の中で相対的にテレビ の位置づけが変化してきた10 年だったといえる だろう。 そうした中でも,テレビの長時間視聴は続 き,リアルタイム視聴では,さらなる「希薄化」 が進んでいた。一方で,〈報道〉〈共通の話題〉 といった一部の機能は,他のメディアと比べる ことで,逆にテレビの“強み”として意識され, コミュニケーションを楽しむツールとしてテレビ を見る“つながり視聴”を生みだしたのかもし れない。 また,国民の約半数まで広がっている“カス タマイズ視聴”は,インターネットをよく利用し つつも,テレビへの興味を失わず,自分本位に, テレビ番組を楽しもうと,様々なテクノロジーを 駆使している人たちだということもわかった。こ うした視聴は,若年層ほど広がっていることか ら,メディア環境の進展により,さらに他の世 代への広がりが考えられるだろう。 今回は,インターネットが広がる中で“カスタ マイズ視聴”“つながり視聴”という現代的なテ レビ視聴者に焦点をあててきた。しかし,こう した人々はテレビを生活に積極的に受け入れて いる人たちといえるが,若年層には,リアルタ イム視聴もカスタマイズ視聴も日常的には行わ ない人たちが 1割ほどいることも今回の結果か らわかった7)。また,リアルタイム視聴が中心 の高年層でも,「漠然視聴」が増加したり,テ レビへの興味を失っているなど,視聴の質的 変化が起きている可能性もデータから垣間見え た。今後はこうした,“カスタマイズ視聴”者や “つながり視聴”者以外の人々の動向にも目を 向け,テレビ視聴全体の構造について明らかに していきたい。 テレビ60 年を迎えた今,テレビはメディアと

まとめ

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しての大きな転換期を迎えている。世代によっ て抱く「テレビ」のイメージが,様々に異なって くる時代が到来しつつある。従来の「テレビ」 という枠組みにとらわれず,今後もテレビ視聴 について考察を深めていきたい。 (きむら のりこ) 注: 1) 個人面接法調査のデータを使用した図表には 【個人面接法】と表記した。 2) 「テレビ 60 年調査」の調査の概要は次のとおり。 〔配付回収法〕  調査期間: 2012 年 11 月 17 日(土)~ 25 日(日)  調査対象: 全国の 16 歳以上の国民  調査相手: 住民基本台帳から層化無作為二段 抽出 3,600 人  調査有効数(率):2,506 人(69.6%) 〔個人面接法〕(時系列比較用)  調査期間: 2012 年 11 月 2 日(金)~ 18 日(日)  調査対象: 全国の 16 歳以上の国民  調査相手: 住民基本台帳から層化無作為二段 抽出 2,094 人  調査有効数(率):1,408 人(67.2%) 3) 6 月号の図 2「デジタル機器とブロードバンド 回線の普及率(一般世帯)」参照。ブロードバ ンド回線には,光回線,DSL 回線,ケーブル テレビ回線,固定無線回線,第 3 世代携帯電話 回線,BWA アクセスサービス,LTE を含む。 4) 6 月号でも,動画視聴者の約 4 割,テレビ SNS の利用者の 5 割以上が,スマートフォンなど携 帯型端末を利用していることを紹介した。 5) 6 月全国個人視聴率調査より。図 4 と同じく, 週平均,1 日,移動平均のデータ。 6) 「国民生活時間調査」の結果でも,テレビとイ ンターネットの重複行動の時間量は,若年層で 増加傾向にある。2005 年から 2010 年にかけて, 男 20 代では平日で 3 分→ 8 分,日曜日で 12 分 → 20 分,女 20 代では平日で 2 分→ 8 分,日曜 日で 3 分→ 7 分となった。 7) 6 月号で,若年層(16 ~ 29 歳)は,日常的(週 1 日以上)に“カスタマイズ視聴”をする人が 62%と紹介したが,一方で,日常的にリアル タイム視聴もカスタマイズ視聴もしない人が 12%存在している。 文献: ・ 平田明裕・執行文子「広がる“カスタマイズ視聴” と“つながり視聴”~「テレビ 60 年調査」から(1) ~」『放送研究と調査』63(6):18-45,2013 ・ 白石信子・井田美恵子「浸透した『現代的なテレ ビの見方』~平成 14 年 10 月『テレビ 50 年調査』 から~」『放送研究と調査』53(5):26-55,2003 ・ 戸村栄子・白石信子「今,人びとはテレビをどの ように視聴・評価・期待しているか ~『テレビ 40 年』調査から~」『放送研究と調査』43(2):4-13, 1993 ・ 金相美「メディア利用行動におけるテレビとイン ターネットの同時的並行行動に関する研究」『マ ス・ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 研 究 』No.68:97-114, 2006 ・ 友宗由美子・原由美子「『時間快適化装置』として のテレビ~視聴態度と番組総バラエティー化の関 係~」『放送研究と調査』51(11):2-17,2001 ・ 牧田徹雄・上村修一「日本人とテレビ・1985」『放 送研究と調査』35 (8):2-17,1985

・ Bryce, J.W., Family time and television use. Natural Audiences:Qualitative Research of Media Uses and Effects, In Thomas R.Lindolf. (Ed.)Norwood:Ablex Pub., 1987 ・ 荒牧央・増田智子・中野佐知子「テレビは 20 代 にどう向き合ってゆくのか~ 2008 年春の研究発 表・ワークショップより~」『放送研究と調査』58 (6):2-21,2008 〈引用調査一覧〉(いずれも NHK 実施) 1967 年(昭和 42 年)11 月 全国テレビラジオ番組 意向調査 全国 10 ~ 69 歳 1,800 人 ×7 組 1969 年(昭和 44 年)12 月 放送に関する世論調査 全国 15 ~ 69 歳 3,600 人 1974 年(昭和 49 年)3 月 今日のテレビ 全国 15 歳以上 3,600 人 1979 年(昭和 54 年)12 月 日本人とテレビ 全国 16 歳以上 5,400 人 1982 年(昭和 57 年)10 月 テレビ 30 年 全国 16 歳以上 3,600 人 1992 年(平成 4 年)10 月 テレビ 40 年 全国 16 歳以上 3,600 人 2002 年(平成 14 年)10 月 テレビ 50 年 全国 16 歳以上 3,600 人 1971 年(昭和 46 年)~ 全国個人視聴率調査(6月期) 全国 7 歳以上 3,600 人

参照

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