[平成 26 年 4 月 1 日現在法令等 国税庁タックスアンサー他参照]
「医療費控除」の対象になる医療費 よくあるQ&A
(※ 分かりやすさを優先しているので、詳細な内容が省略されている場合がありますのでご了承ください)
Q1 医者にかかった費用なら何でもOKですか?
A1 診療や治療にかかった代金なら大丈夫です。
<解説>
自由診療か保険診療かということが基準ではありません。
医師もしくは歯科医師による、診療又は治療の対価なら医療費控除の対象になります。
Q2 人間ドックや健康診断の費用はどうなりますか?
A2 原則として対象になりませんが、例外もあります。
<解説>
健康診断等の費用は「病気の治療」を行うものではないので、原則として医療費控除の
対象とはなりません。
しかし、健康診断や人間ドックの結果、重大な病気が見つかり、その診断結果に基づいて
引き続きその病気の治療に入るようなケースがあります。
そういう場合には、その健康診断や人間ドック等は「治療する前に行われる診察」と
同じだと考えることができますので、その費用も医療費控除の対象になります。
なお、いわゆる「メタボ健診(特定健診・特定保険指導)」のうち、一定の基準に
該当する人が支払う自己負担金は医療費控除の対象になります。
Q3 妊娠や出産でかかった費用も対象になりますか?
A3 対象になります。
<解説>
妊娠と診断されてから定期的に受ける妊婦検診・検査費用や出産の為の入院代は
医療費控除の対象になります。
ただし、自治体からもらった検診費用の補助金や、健康保険組合等からもらった
出産育児一時金などの金額は差し引いて考えてください。
Q4 かなり高額な歯の治療をしたのですが…。
A4 治療のため常識的に必要な金額なら対象になります。
<解説>
歯の治療は、自由診療によるものや、高価な材料を使用する場合などがあるので治療代が
比較的高額になることがあります。このような場合、「一般的に支出される水準を著しく
超えている特殊なもの」は医療費控除の対象になりません。
ただし、金やポーセレンなど歯の治療材料として一般的に使用されているものを使った
治療の対価は、医療費控除の対象になります。
Q5 歯の矯正治療に通っています。
A5 子供ならOK、大人なら対象外というのが原則です。
<解説>
発育段階にある子供の歯の成長のために行う歯列矯正のように、歯列矯正を受ける人の
年齢や矯正の目的などからみて必要な費用は、医療費控除の対象になります。
しかし同じ歯列矯正でも、美容目的の歯列矯正の費用は医療費控除の対象になりません。
Q6 薬の購入代金はどうなりますか。
A6 治療や療養に必要なら、医療費控除の対象です。
<解説>
例えば風邪をひいた場合の風邪薬などの購入代金は医療費となりますが、その病状などに
応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とされていますので注意
して下さい。
ビタミン剤やサプリメントなど、「病気の予防や健康増進のため」の購入代金は
医療費とはなりません。
Q7 鍼灸やマッサージ治療に通っています。
A7 施術代金は原則として対象になります。
<解説>
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価は医療費控除
の対象になります。
但し、疲れを癒す、体調を整えるといった治療に直接関係のないものは含まれません。
Q8 自宅療養しているので、訪問看護にお金がかかります。
A8 療養上の世話で必要なら対象になります。
<解説>
保健師、看護師、准看護師などの資格を持った人、又は資格を持っていなくても、
家政婦さんなど特に依頼した人に払った「療養上の世話の代金」は医療費控除の対象に
なります。(但し、所定の料金以外の “ 心づけ・チップ ” などは除かれます。)
なお、家族や親せきに付添いを頼んで付添料の名目でお金を支払っても、医療費控除の
対象とはなりませんので注意しましょう。
Q9 介護施設に入っている場合の費用はどうなりますか。
A9 日常生活費以外の介護サービス代が対象です。
<解説>
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、療養型医療施設などの介護施設に入所する
ことによる支払のうち、施設サービスの対価については医療費控除の対象になります。
(※但し、施設の種類によっては介護サービス対価の全額が対象にならない場合もあります。)
しかし散髪代など日常生活においても通常必要となるものの費用で、その入所者に負担
してもらうことが適当と認められるものは医療費控除の対象とはなりません。
なお、指定介護老人福祉施設等が発行する領収書に、医療費控除の対象となる金額が
記載されますので参考にして下さい。
Q10 自宅にヘルパーさんに来てもらっている費用は?
A10 身体介護についてのサービス代なら対象になります。
<解説>
基本的に「療養上の世話」をしてもらったことによるサービス代なら医療費控除の
対象になります。(例;入浴や衣類着脱、排せつや身体清拭、痰の吸引などの代金)
約 6 か月以上寝たきりで医師の治療を受けている場合に、おむつを使う必要があると
認められるときのおむつ代も対象になります。
(この場合には、医師が発行した「おむつ使用証明書」が必要です。)
しかし、掃除・洗濯や調理といった生活援助費用は対象になりません。
なお、指定居宅サービス事業者等が発行する領収書には、医療費控除の対象となる
額が記載されることとなっていますので参考にして下さい。
Q11 病院や介護施設で特別室に入っています。
A11 治療上の必要があっての特別室なら対象になります。
<解説>
病院への入院患者、もしくは介護老人保健施設や指定介護療養型医療施設の入所者が
個室などの特別室に入るケースがあります。
この場合、診療又は治療を受けるためにやむを得ず特別室を使ってその代金を支払うなら
医療費控除の対象となります。
Q11 入院中の食事代は医療費控除対象ですか?
A11 病院や施設で支給されるものは対象になります。
<解説>
入院中の食事は入院代に含まれますので医療費控除の対象になります。
老人ホーム等における入所者へ出される食事代も施設サービスの対価なので同じです。
しかし、他から出前を取ったり外食したりしたものは、控除の対象にはなりません。
Q12 療養中の身の回り品購入代について教えてください。
A12 医療器具ならOK、日用消耗品ならダメです。
<解説>
コルセットなどの医療用器具等の購入代やそのレンタル料で通常必要なものや、医師等に
よる診療や治療を受けるために直接必要な、義手、義足、松葉杖、義歯などの購入費用
は医療費控除の対象になります。
しかし、入院に際し、寝巻きや洗面具など身の回り品を購入した費用は医療費控除の
対象にはなりません。
Q13 病院や施設へ行くための交通費はどうなりますか。
A13 医療費控除の対象になる交通費もあります。
<解説>
原則的な考え方として、「治療のための通院費」は医療費控除の対象になります。
この場合における「通院費」は、公共交通機関を指しますから、自家用車で通院した
ときのガソリン代や駐車場代等といったものは、医療費控除の対象になりません。
通院費用については領収書のないものが多いのですが、家計簿などに記録するなどして
実際にかかった費用について明確に説明できるようにしておいてください。
なお、出産で入院するときにタクシーを利用した場合、そのタクシー代は医療費控除の
対象となります。それは、入院が出産という緊急時のため通常の交通手段によることが
困難だからです。
(注)実家で出産するために実家に帰省する交通費は医療費控除の対象にはなりません。
Q14 付き添いの人の分の交通費はどうなりますか。
A14 場合によっては医療費控除の対象になります。
<解説>
子供の通院に親が付き添う場合のように、患者の年齢や病状からみて、患者を一人で
通院させることが危険な場合には、患者の通院費のほかに付添人の交通費も医療費控除の
対象になります。(※但し、通院のために通常必要なものに限ります。)
このほか、病院等へ収容されるために人手が必要で、その人手にかかった費用についても
医療費控除の対象になります。
しかし、入院している子供の世話をするために親が通院している場合は、患者である
子供自身が通院していないことから、親の交通費は、医療費控除の対象とはなりません。