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ノードによるネットワークの遅延と伝送速度の測定

目次

1. 卒業研究の目的---2 2. ネットワークの歴史と構成---3 2.1 コンピュータネットワークシステムの発展の経緯 2.2 インターネットの歴史 2.3 OSI 参照モデル 2.4 TCP/IP 参照モデル 2.5 TCP/IP プロトコル 3. LAN のアーキテクチャとノードの機能---23 3.1 LAN のアーキテクチャ 3.2 アクセス制御方式 3.3 リピータ 3.4 ブリッジ 3.5 ルータ 3.6 ルーティング 3.7 フロー制御 3.8 輻輳制御 4. 測定実験---31 4.1 実験の目的と手法 4.2 測定実験 4.3 考察 5. まとめ---55 謝辞 参考文献

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1. 卒業研究の目的

3 章で述べるように、通信プロトコルでは、実際にデータを送信する際、応答処理や帯域 制御処理を行っている。そのため物理層のビット転送能力を、常に100%利用できているわ けではない。また2 章の TCP で説明するように、ユーザはデータを送信する際、各階層に 対応した制御情報を含むヘッダ等のデータが付加される。TCP/IP プロトコルを使ってデー タを送信する際、これらのオーバーヘッドが転送性能に加算されることは避けられない。 またネットワークには,ルータや管理装置などが情報を交換したり収集するための制御 用のデータも常時流れている。ネットワークの規模が大きくなり、ルータなどの装置が増 えると、情報を交換したり収集する相手が増えるので、制御用のトラフィックも増える。 こういったトラフィックはユーザの利用頻度に関係なく流れてしまうので、非常に厄介で ある。 他にも、伝送媒体やノードの信頼性の差やアクセス競合の頻度によっては、同じ送信デ ータ量であっても、再送等でわずかな距離差でもトータルスループット、遅延は大きく変 化する。 そこで私は第一にプロトコル、ノード等の学習を通してネットワーク内の信号送受信の メカニズムを調査する。それで得られた知見をもとに、実際にネットワーク内でやりとり される信号の速度と、その決定要因を学ぶ。具体的には「ネットワーク内の伝送媒体の種 類や長さ、端末間に入れるノードの数と種類による伝送速度の違いを測定する事で、伝送 媒体、ノードによる遅延を理解し、効率の良いネットワークを構築する指針を得る」を卒 業研究の目的とする。

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2. ネットワークの歴史と構成

2.1 ネットワークシステムの発展の経緯

2.1.1 バッチ処理からオンラインシステムへ (∼1960 年代) 初期の情報処理システムは、ホストコンピュータと同じ場所にある入力装置からデータ を入力し、同じ場所にある出力装置に処理結果を出すバッチ処理と呼ばれる形態から始ま った。バッチ処理からネットワーク化の第一歩を踏み出したのは、オンラインシステムと 呼ばれる、遠隔地の端末装置から通信回線で接続されたホストコンピュータを利用する形 態でした。初期のネットワークシステムではオンラインシステムの形態がネットワーク化 と考えられていた。 当時のコンピュータは高価であったため、コンピュータ資源の有効利用のために複数の プログラムが同時に稼動するマルチタスク処理や、複数の端末に対してCPU の処理時間を 分割して与え、各端末がホストコンピュータを専有しているかのように見せるタイムシェ アリング処理が重要なIT 技術としてネットワークシステムを支えていた。 2.1.2 コンピュータ相互接続 (1970 年代∼1980 年代前半) 性能の向上と低価格化はコンピュータの普及を一気に加速させた。1台のコンピュータ で一括して行なっていた処理を複数のコンピュータで分散処理し、相互に連携するような 形態に移行していった。 それまでは専門家が会社で1台のコンピュータを運用し、エンドユーザは端末を通して のみコンピュータを利用していた。しかしコンピュータの普及によって、事業所や工場ご とに利用しやすいユーザインタフェースをもつ分散処理用のコンピュータや複数のホスト コンピュータを導入するようになった。そして最終的な処理結果や共有すべき情報のみを ホストコンピュータで処理するような形態に変化していった。 そのため、コンピュータ同士の接続が必要になり、相互にコミュニケーションを図るた めの約束事(プロトコル)を定義する必要がでてきた。言い換えると、プロトコルを守ればコ ンピュータ間の通信が成立するということである。 1970 年代半ばになるとネットワークアーキテクチャが発表されるようになった。1974 年にIBM 社によって発表された SNA(Systems Network Architecture)が先駆けとされてお り、この後各コンピュータメーカは独自の考え方で各社各様のネットワークアーキテクチ ャを次々に発表していった。

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このようにネットワークシステムは、ネットワークアーキテクチャを軸に、コンピュー タ同士の相互接続へと発展していった。 2.1.3 LAN/WAN 時代 (1980 年代後半∼) 1980 年代後半になると、コンピュータの価格性能比がめざましく向上した。PC やワー クステーションが、かつてのホストコンピュータと同等の性能を提供するようになり、コ ンピュータの導入は事業所や工場単位から各部署単位のような小さな単位にまで広がった。 このころから業務用のコンピュータをサーバとして、エンドユーザが使用するコンピュー タをクライアントとして位置付け、その間をLAN(Local Area Network)で接続しネットワ ーク OS を利用してファイルやプリンタ等のネットワーク資源の共有化が導入されるよう になった。このシステムをクライアント/サーバシステムと呼びます。今までホストコンピ ュータで行なっていた業務処理を一部 PC やワークステーションで分担する方式で急速に 発展した。

離れた地域のコンピュータやLAN 同士を専用回線や公衆回線などの通信回線を介して接 続した広域ネットワークのことをWAN(Wide Area Network)という。独立に存在する LAN 同士をWAN によって接続した現代のネットワークシステムは、ネットワークを介してデー タベースを接続し、各種の情報処理をネットワーク上の様々なコンピュータで行い、まる で1つのコンピュータのように機能している。

現在、TCP/IP プロトコルや WWW(World Wide Web)等のインターネット技術によって、 世界中の様々なネットワークが接続されて1つの全世界的なネットワークを形成している。 この情報ネットワークのことをインターネットと呼ぶ。インターネットは固有名詞として 世界最大のネットワークを指す言葉となり、一般的に使われている。 今日の情報化時代のコミュニケーションに欠かすことのできないインターネットのメリ ットを企業内にも生かそうという動きが高まってきた。それがイントラネットである。イ ントラネットとはインターネットに使用される基本技術の仕組みを利用した企業内ネット ワークのことである。 このようにネットワークシステムはインターネットワーキングされたネットワークであ る。それは地球規模のインターネットや企業で構築されるイントラネットなど様々な情報 インフラとして存在している。

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2.2 インターネット(Internet)の歴史

2.2.1 インターネットの始まり

高等研究計画局(ARPA : Advanced Research Projects Agency)は 1970 年代中ごろにイン ターネット技術の研究を開始し、そのアーキテクチャとプロトコルは1977 年から 1979 年 あたりで現在の形態をとるようになった。APRA はパケット交換ネットワークの研究のた めの出資機関として知られており、APRANET(Advanced Research Project Agency NET work)でパケット交換に関する多くのアイディアを開拓していた。APRANET は従来からあ るポイント・ポイントの専用回線による相互接続を使用していたが、APRA は無線ネット ワークや衛星通信チャネルを通してのパケット交換の調査にも出資していた。ネットワー クハードウェア技術の多様性の拡大は、APRA がネットワークの相互接続を研究し、イン ターネットワークを前進させるのを助けた。 インターネットは ARPA がその研究ネットワークに接続しているマシンを新しい TCP/IP プロトコルに変更し始めた 1980 年頃に始まった。TCP/IP がアメリカ国防総省 (Department of Defence )の標準となったのも 1980 年になってからである。APRANET は 新しいインターネットのバックボーンとなり、TCP/IP を用いた初期の実験に使われた。イ ンターネット技術への転換はOffice of the Secretary of Defense が長距離ネットワークに 接続する全てのマシンは TCP/IP を使うように要求した 1983 年1月に完了した。 DCA(Defense Communication Agency)は APRANET のネットワークを1つは研究用、も う1つは軍関係の通信用の2つに分割した。研究用はそのまま APRANET、軍関係のもの はMILNET と呼ばれた。 2.2.2 インターネットの発展 全米科学財団(NSF)はネットワーク通信が科学研究の重要な部分になることを理解し、 TCP/IP インターネットをできるだけ多くの科学者が使えるように拡張するにあたって活 動的な役割を果たした。1985 年、6ヶ所のスーパーコンピュータセンタを中心としたアク セスネットワークを確立するプログラムを始め、1986 年には NSFNET と呼ばれる全ての スーパーコンピュータセンタに指示してそれらをAPRANET と結び付ける新しい長距離バ ックボーンネットワークに出資してネットワーキングを拡大した。NSF が資金を出した全 てのネットワークはTCP/IP プロトコル使用し、全てインターネットの一部となった。 1980 年からの7年間でインターネットは何千もの個々のネットワークにまで成長し、大 学や政府、企業の研究所にある2万台以上のマシンと接続された。インターネットの大き さと利用は予想されていたよりも早く成長し続けており、1994 年には 300 万台以上のマシ

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ンと接続された。インターネットと密接な関連を持つLAN(Local Area Network)の出現は 1976 年であり、アメリカにおいてはインターネットが LAN に先行して発展している。イ ンターネットの中心的なアプリケーションであるWWW(World Wide Web)の出現は 1990 年であり、インターネットが爆発的に発展する要因となった。 急激な拡張は元々の設計では予測されていなかった問題をもたらした。例えばインター ネットに接続している全てのマシンの名前とアドレスは 1 つのファイルとして保存されお り、手作業で編集されインターネットの各サイトに配布されるようになっていた。これで は処理能力が人間を越え、ネットワークの容量が不十分であった。この解決策として新し いプロトコルが開発され、どのユーザーでもリモートマシンの名前を自動的に解決できる ようにするシステムがインターネットで使われるようになった。これはドメイン名システ ム(DNS: Domain Name System)と呼ばれている。

TCP/IP プロトコルの採用とインターネットの成長は政府出資のプロジェクトに限定さ れなくなった。1979 年に出現した USENET は民間の運営する自由なネットワークであり、 1987 年の最初の商用サービスはこのネットワークによって行なわれた。大きい会社はもち ろんのこと中小企業もインターネットに接続し始め、会社内部のインターネット上でも TCP/IP プロトコルを用いるようになった。現在、APRANET も NSFNET もその役割を終 え、各ネットワーク・サービス業者が中心となってインターネットを運用する体制になっ ている。 2.2.3 日本におけるインターネットの発展 日本においては1970 年代後半から LAN の研究が始まり、1980 年代前半には実際の運用 が始まっている。これに対しネットワーク同士を接続するインターネットの実現は遅れた。 原因としては通信関連法規による規制が厳しく、一般回線を電話以外の目的で使用するの が難しかったことがあげられる。このような規制は 1974 年の第1次回線開放、1982 年の 第2次回線開放、日本電信電話(NTT)の民営化によってなくなった。このような通信環境の もとで、遠隔地のコンピュータ同士をネットワークで接続する実験が1984 年に JUNET と いうネットワークで始まった。これが日本のネットワーク接続の始まりである。 日本でのインターネットといえる WIDE ネットワークは 1988 年に出現した。このネッ トワークは研究用の実験基盤として位置付けられTCP/IP によって稼動した。1994 年以降、 商用インターネットが続々と誕生し、これに企業や個人が加入してインターネットは発展 を続け今日に至っている。

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2.3 OSI 参照モデル

2.3.1 OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルの概念

OSI 参照モデルは様々な通信プロトコル(protocol)の国際標準を目指して、国際標準化機 構(ISO: International Standardization Organization)において開発された。それまでは 1974 年に発表された IBM 社の SNA(System Network Architecture)等、各メーカー独自の ものが開発されており、日本ではDCNA(Data Communication Network Architecture)が 共同で開発されていた。OSI 参照モデルはそれらの統合を目指したものである。OSI 参照 モデルの目的は、「システム間を相互接続するための概念」、「OSI 規格を開発するうえでの 範囲」及び「関連規格の整合性を調整するための共通的な基盤」を提供することである。 OSI 参照モデルにおける階層間のインターフェース(interface)は以下のようになってい る( 図 2.1、図 2.2 参照 )。 図 2.1 サービスの概念 OSI では各階層間の通信をサービスとしてとらえる。ある階層(N 層)ではそれより上位の N+1 層に対してサービスを提供する。よって N+1 層は N 層が提供するサービスのユーザ ーであり、N 層はプロバイダーである。サービスのための命令やデータはプリミティブと 呼ばれ、要求(Request)、指示(Indication)、応答(Response)、確認(Confirm)の 4 つからな る。またそのサービスはSAP(Service Access Point)と呼ばれる階層間のインターフェース 点で行なわれ、その条件をインターフェース条件と呼ぶ。

SAP に対して IDU(Interface Data Unit)を与えることによって下位層のサービスを受け とることが出来る。IDU はサービスを受けたいデータ(SDU: Service Data Unit)と下位層

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に対する制御情報を含むICI(Interface Control Information)からなる。N 層が提供するサ ービスは、インターフェースを介して受けとったデータ(IDU)の制御情報(ICI)に従って、デ ータ(SDU)を相手側の N 層に送ることである。そのためにまず、SDU に相手側の同一階層 が理解できるヘッダをつける。これは同一階層同士によって決められたプロトコルに基づ くものであり、PDU(Protocol Data Unit)と呼ばれる。PDU は同一階層同士で交換するメ ッセージの基本単位である。 図2.2 階層間のインターフェース 図 2.3 OSI 参照モデルの 7 階層 2.3.2 OSI 参照モデルの 7 階層 OSI 参照モデルは 7 階層のプロトコル構造である( 図 2.3 参照 )。7 階層は機能別に大き く第1 層から第 4 層までの下位層と、第 5 層から第 7 層までの上位層の2つに分けられる。 下位層は主にデータを透過的に、高い信頼度で効率的に転送する通信機能を扱い、上位層 はアプリケーションに依存した通信機能を扱う。 2.3.3 下位層の役割と機能 物理層はレイヤ1 に位置し、電圧と ON/OFF の関係、電気抵抗、コネクタの大きさ・形、 信号ピンの配列、信号のタイミング条件、ビットの送出順序等を規定している。0 と 1 の情 報をそのまま相手に伝えるだけで内容には一切関知せず、ビット列が正確に届いたかどう かをチェックする機能もない。 データリンク層はレイヤ 2 に位置し、下位の物理層が提供する「ビット伝送機能」を用 いて隣接するシステム間で透過的、高信頼度のデータ伝送を行う。 ルータ間やホスト/ルータ間、ホスト/ホスト間を接続する回線上でフレーム(frame)の送受

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信を行う。送信側のフレーム処理速度が受信側のフレーム処理速度より速い場合、フレー ムが受信側であふれ出す。したがって送信側/受信側の処理速度を調整するフロー制御(flow control)が必要である。 コネクション型の通信では受信側がフレームを正しく受信すると、そのフレームを正し く受けとったことを示す応答確認(ACK: Acknowledgment)返す。ACK が返ってこない場合 は送信したフレームにビット誤りがあったとしてフレーム再送を行う。これを再送制御 と 呼ぶ。 フレームが正しく送信されてもACK が途中で失われると、送信側はビット誤りが発生し たと認識しフレーム再送を行ってしまう。そうすると受信側では同じフレームを複数個受 けとることになる。従ってどのフレームに対する確認応答か示すために、フレームに順序 番号(シーケンス番号: sequence number)をつけておく必要がある。また順序番号どおりに フレームを並べ替えて上位層に渡す順序制御も必要である。 レイヤ 3 に位置するネットワーク層の役割は、通信の基本単位であるパケットを送信側 ホストから受信側ホストまで運ぶことである。その際の経路の選択、データの中継・転送 が重要な機能である。経路を選択するための制御をルーティング制御、ネットワークの混 雑を避ける制御を輻輳制御 と呼ぶ。また複数のネットワークをまたがってパケットが転送 する場合には、異なるアーキテクチャの違いを吸収する必要がある。 図2.4 トランスポート層 トランスポート層はレイヤ 4 に位置し、ネットワーク層までの下位 3 層で生じるネット ワークによる品質の差を吸収するためのプロトコロである。コネクションの確立・開放、 誤り制御、多重化、フロー制御等の機能を利用してサービス品質の差の吸収を行う( 図 2.4 参照 )。

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2.3.4 上位層の役割と機能 レイヤ 5 に位置するセッション層ではホスト間のセッション(session)を設定する。また それに加えて通信の履歴情報の記録であるダイアログの制御を行う。 レイヤ 6 に位置するプレゼンテーション層は、コンピュータ間で異なる情報の表現形式 (コード)の標準化、暗号化、データ圧縮を行う。 レイヤ 7 に位置するアプリケーション層では、アプリケーションソフトウェア、あるい はユーザによって共通的に用いられるプロトコルを規定する。

2.4 TCP/IP 参照モデル

2.4.1 TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)参照モデルの概念

TCP/IP 参照モデルはアメリカ国防総省の軍事情報研究ネットワーク(ARPANET)がもと になっている。1982 年に今日の仕様にかたまり、翌 1983 年にアメリカ国防総省の標準プロ トコル群として規定された。その後バークレー版UNIX(Berkeley Software Distribution) に TCP/IP が実装されたことから、大学や研究機関を中心に一気に普及した。TCP/IP は UNIX に必ず実装される通信ソフトウェアとなり、インターネットプロトコルとして爆発的 に普及した。 2.4.2 TCP/IP 参照モデルの 5 階層 TCP/IP 参照モデルは 5 階層のプロトコル構造である( 図 2.5 参照 )。サービスやインタ ーフェースに関しては明確な定義はない。 図 2.5 TCP/IP 参照モデル

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2.4.3 物理層/データリンク層の役割と機能 TCP/IP 参照モデルはインターネット層の下位層では特定のモデルはなく、様々な既存の 通信技術の上にいかにインターネット層を構築するかが重要である。 2.4.4 インターネット層の役割と機能 コネクションレス型の通信サービスを提供する。コネクションレス型の通信の特徴は (1) ホスト間でパケットを運ぶ際の経路はパケットごとに異なる。 (2) パケットが受信ホストに必ず到着する保証はない。 (3) パケットの順序が異なって受信側に到着しても順序制御を行わない。 の 3 つである。様々な通信技術に基づくネットワークを相互接続して全体のネットワーク を構築する場合、ネットワーク層 のレベルでプロトコロを規定し、全てのネットワークを そのプロトコルで統一することは困難である。従ってネットワーク層における機能は最低 限に抑えられている。データ損失のない転送制御、輻輳制御は上位層であるトランスポー ト層で行われる。 2.4.5 トランスポート層の役割と機能 トランスポート層の役割はOSI 参照モデルにおけるトランスポート層と似ている。送信/ 受信ホスト間の通信路の確保である。トランスポート層にはTCP と UDP(User Datagram Protocol)の 2 種類のプロトコルがある。 TCP はコネクション型のサービスを提供する。OSI 参照モデルにおいてネットワーク層 の機能として規定されているフロー制御、順序制御、輻輳制御を行い、正確で誤りのない データ転送を提供する。 UDP はコネクションレス型の通信サービスを提供する。これはコネクション設定、フロ ー制御等を必要としないアプリケーションのためのものであり、高速なデータ転送を提供 する。 2.4.6 アプリケーション層の役割と機能 TCP/IP 参照モデルには、OSI 参照モデルにおけるセッション層、プレゼンテーション層 に相当する階層は存在しない。アプリケーション層プロトコルの中で必要とされる機能の み規定されている。アプリケーション層プロトコルには (1) TELNET(Telecommunication network) 遠隔端末接続プロトコル (2) FTP(File Transfer Protocol) ファイル転送プロトコル

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(3) DNS(Domain Name System) ドメイン名と IP アドレスの変換プロトコル (4) HTTP(Hyper Text Transfer Protocol) HTMLファイル転送装置

(5) SMTP(Simple Mail Transfer Protocol) 電子メール送受信プロトコル 等がある。 2.4.7 OSI 参照モデルとの比較 階層の機能を定義するサービス、実現するプロトコル、階層間のインターフェースから なるOSI 参照モデルは、ネットワークアーキテクチャを考えていく場合のモデルとして有 用である。しかし OSI 参照モデルに基づくプロトコルは少なく、実際に使われているプロ トコルはTCP/IP 参照モデルに基づくものが圧倒的に多い。この要因は OSI が完成した頃、 各会社は独自のネットワークアーキテクチャを製品化していたため、新しいアーキテクチ ャに乗り換えるコストが莫大なものになったからである。また TCP/IP を実装した UNIX がすでに研究機関や大学に広まっていたため OSI 参照モデルが注目されることはほとんど なかった。 1990 年代には TCP/IP 参照モデルに基づくインターネットが広く普及し、パーソナルコ ンピュータからスーパーコンピュータまで TCP/IP プロトコルをサポートするようになっ ている。

2.5 TCP/IP プロトコル

2.5.1 IP(Internet Protocol) (Ⅰ) IP の概要 IP と呼ばれるこのプロトコルはコネクションレス型のサービスを提供し、通信相手を IP アドレスで識別しエンド・エンドの通信を実現している。代表的な機能として、複数の通 信路から経路を選択するルーティング(routing)、転送データグラムをネットワークの許容 量に合わせて分割するフラグメンテーション(fragmentation)等がある。 (Ⅱ) IP データグラム IP で扱われるデータ転送の単位は IP データグラムと呼ばれる。IP データグラムは IP ヘ ッダとデータ部から構成される。図2.6 に IP ヘッダを示す。

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図 2.6 IP ヘッダ

(1) バージョン(Version) [4bit] IP のバージョン

(2) IHL(Internet Header Length) [4bit] IP ヘッダの長さ

(3) サービスタイプ(Type Of Service) [8bit] データグラムに与えられるサービスの品質 (4) 全長(Total Length) [16bit] データグラム全体(ヘッダ部+データ部)の長さ

(5) 識別子(Identification) [16bit] 分割されたデータグラムを元に戻す際の識別コード (6) フラグ(Flag) [3bit] データグラムを分割処理する際の制御

(7) フラグメントオフセット(Fragment Offset) [13bit] 分割されたデータグラムの位置 (8) TTL(Time To Live) [8bit] ネットワーク内にデータグラムが滞在できる時間

(9) プロトコル(Protocol) [8bit] 上位層のプロトコル種別の識別

(10) ヘッダチェックサム(Header Checksum) [16bit] ヘッダ部の誤りチェック (11) 送信元アドレス(Source Address) [32bit] 送信元の IP アドレス

(12) 宛先アドレス(Destination Address) [32bit] 宛先の IP アドレス (13) オプション(Option) セキュリティーの向上、ルーティング等

(Ⅲ) IP アドレス

(1) IP アドレスとは

IP アドレスとは、LAN に接続された機器にネットワーク管理者が設定する、下位層のネ ットワーク(LAN)の技術に依存しない、ネットワーク層(レイヤ 3)のアドレスである。

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(2) IP アドレスの構成 IP アドレスはルーティングが効率的に行えるように、各ローカル網を識別するネットワ ーク番号とホスト識別するホスト番号から構成される。さらに、接続環境と各ローカル網 の構成に応じて4 つのクラス(A~D)に分けられる( 図 2.7 参照 )。それぞれのクラスは上位 のビットで分類できるようになっている。またIP アドレスは、データグラムに付加される とき、下記のように 32 ビットの形態で表される( 図 2.8 参照 )。しかし、アプリケーショ ンプログラム内では32 ビットを 8 ビットずつの 4 つの組に分け、それぞれを 10 進数に変 換し表現する。 図 2.7 IP アドレスクラス 図2.8 IP アドレスの表記 (3) サブネットマスク 近年、多くの企業や大学等でLAN が構築されるようになり、それぞれの LAN ごとにネ ットワーク番号を割り当てると、IP アドレスがどうしても不足してしまう。そこでネット ワーク番号は企業や大学ごとに割り当て、その中のLAN は内部で個別に管理する体系が望

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ましい。 クラスC の IP アドレスを取得しネットワークを構築すると、1 つのネットワーク(セグメ ント)上に 254 台(オール 0 と 1 を除くため)の端末が接続できる。しかし同じセグメント内 に 254 の端末を接続するよりも、ネットワーク番号を変えてルータによるセグメントの分 割をする場合が多い。このとき、IP アドレスのホスト番号部分を複数のより小さいネット ワークに分割し、複数のネットワークに対応できるサブネット化と呼ばれる方式がとられ る。サブネット化のためにIP アドレスのどこまでをネットワークアドレスにしてどこまで をサブネットアドレスにするかを設定するにはサブネットマスクが用いられる。これはネ ットワーク番号とホスト番号の境界線を仮想的に変えるものである( 図 2.9 参照 )。アドレ スのそれぞれのフィールドで、すべてのビットが1(255)の場合は「全部」、0(0)の場合は「こ こ」ということを意味している。 図 2.9 サブネットマスク (4) IP アドレスの割り当て アドレスは重複がないように割り当てられなければならない。インターネットでのアド レスはアメリカのNIC(Network Information Center)において一括管理されている。しか し一ヶ所でアドレスを管理することは難しいため、各国ごとに機関を設け、ある範囲のネ ットワーク番号を既に割り振っている。日本ではJPNIC がその機関である。 2.5.2 TCP (Ⅰ) TCP の概要 コネクションレス型のIP プロトコルでは、送信確認や順序制御機能等がサポートされて いないため信頼性が低い。従って信頼性をあげる為TCP はコネクション型のサービスを提 供している。主な機能としてコネクションの確立・解放、データ転送等がある。

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(Ⅱ) TCP セグメントの構成 TCP セグメントは IP データグラムのデータ部の構成である。図 2.10 に TCP ヘッダを示 す。 図 2.10 TCP ヘッダ (1) 送信元ポート番号(Source Port)[16bit] クライアント側の空いているポート番号 (2) 宛先ポート番号(Destination Port)[16bit] サーバ側の通信ポート番号 (3) シーケンス番号(Sequence Number)[32bit] 順序制御に用いる番号が入るフィールド (4) ACK 番号(Acknowledgment Number)[32bit]受信側がもらいたい次のシーケンス番号 (5) データオフセット(Data Offset)[4bit] データの開始位置を示すフィールド (6) 制御ビット(Control Bit)[6bit] TCP セグメントのタイプを制御するフィールド (7) ウィンドウ(Window)[16bit] 受信側が受けとることが出来るバイト数 (8) チェックサム(Checksum)[16bit] TCP セグメントの受信誤りチェック用フィールド (9) 緊急ポインタ(Urgent pointer)[16bit]受信側で優先的に処理してもらうデータの指定 (10) オプション(Option) 最大セグメント等が指定されるフィールド 先ほど述べたようにTCP セグメントは IP データグラムのデータ部を構成している( 図 2.11 参照 )。実際にデータが伝送される際には、各階層に対応した制御情報を含むヘッダが 付加されて伝送される( 図 2.12 参照 )。また各階層レベルで正しく受信したかどうかを示 す応答も伝送される。これらの制御ヘッダや応答は伝送オーバヘッドと呼ばれる。図 2.12 において、フレームレベルではデータ部に含まれるパケットレベルや上位の制御情報には

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図2.11 IP データグラムと TCP セグメントの関係

図2.12 実際のデータに付加される制御ヘッダ

一切関知せず、全てフレームのデータとみなす。同様にパケットレベルやセグメントレベ ル、その他上位のレベルも、上位の制御には一切関知しない。第1層の物理層は転送する データの原形を対象としており、データの単位はビットレベルである。

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(Ⅲ) コネクション確立・解放 (1) コネクション確立 データ転送する際に通信路を設定しなければならない。この設定をコネクション確立と いう。コネクション確立にはスリーウェイハンドシェイク(three-way handshaking)方式が 使われる( 図 2.13 参照 )。 ① 端末A から端末 B に接続する際、コネクション確立要求が送信される。このとき制 御ビットのSYN に 1 が設定されシーケンス番号に自分(端末 A)のシーケンス番号が設定さ れる。ACK 番号には相手の番号がわからないため 0 が設定される。ここで端末 A、端末 B のシーケンス番号を解説しやすいように100、200 とする。 ② 端末 B がコネクション確立要求を受信すると、応答を返信する。このとき制御ビッ トのSYN、ACK に 1 が設定され、シーケンス番号に自分(端末 B)のシーケンス番号が設定 される。ACK 番号には、コネクション確立要求のシーケンス番号 100 を受信したことを伝 えるため+1 した 101 が設定される。 ③ 端末A から確認応答を出しコネクションが確立される。このとき制御ビットの ACK に 1 が設定され、シーケンス番号に相手から送られてきた ACK 番号が設定される(101)。 ACK 番号には、コネクション確立要求の応答のシーケンス番号 200 を受信したことを伝え るため+1 した 201 が設定される。 図 2.13 スリーウェイハンドシェイクによるコネクション確立

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(2) コネクション解放 データ転送が終わり通信路を開放することをコネクション解放という。基本的にそれぞ れの端末からコネクションを解放する。コネクションの解放手順を図2.14 に示す。 ① 端末A からコネクションを解放する際、コネクション解放要求を端末 B に送信する。 このとき制御ビットのFIN、ACK に 1 が設定され、シーケンス番号には相手から送信され てきた ACK 番号が設定される。ACK 番号には、相手が送信してきたシーケンス番号を受 信したことを伝えるため+1 した数値(図では仮に 200 としておく)が設定される。 ② 端末 B がコネクション解放要求を受信すると、応答を返信する。このとき制御ビッ トのACK に 1 が設定され、シーケンス番号には相手から送信されてきた ACK 番号が設定 される。ACK 番号には、コネクション解放要求のシーケンス番号 100 を受信したことを伝 えるため+1 した 101 が設定される。 ③ コネクション解放は端末B からも行われる。このとき制御ビットの FIN、ACK に 1 が設定される。シーケンス番号には相手から送信されてきたACK 番号が設定される。ACK 番号には、相手が送信してきたシーケンス番号を受信したことを伝えるため+1 した数値が 設定される。 ④ 端末 A がコネクション解放要求を受信すると、応答を返信する。このとき制御ビッ トのACK に 1 が設定され、シーケンス番号には相手から送信されてきた ACK 番号が設定 される。ACK 番号には、コネクション解放要求のシーケンス番号 200 を受信したことを伝 えるため+1 した 201 が設定される。 図 2.14 コネクション解放

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(Ⅳ) データ転送 コネクション確立後、アプリケーション層(FTP 等)からのデータを適当な長さに分割し、 それぞれに TCP ヘッダを付加し IP に転送する。転送においてはシーケンス番号の管理が とても重要である。コネクション確立・解放では、受信確認として相手から送信されてき たシーケンス番号に+1 して ACK 番号を設定していたが、データ転送ではシーケンス番号 とTCP セグメントのデータサイズの合計値が ACK 番号に設定される。データ転送におけ るシーケンス番号とACK 番号の関係を図 2.15 に示す。 図 2.15 データ転送 データ転送はコネクション確立後行われるので、シーケンス番号やACK 番号の初期の設 定値は図2.13 のコネクション確立からの続き番号となる。また端末 A、Bが送信する TCP セグメントのデータサイズをそれぞれ200、300 と仮定しておく。図 2.15 を見てみると先 に述べたように②、③におけるACK 番号はシーケンス番号とデータサイズの合計値となっ ている。

2.5.3 FTP(File Transfer Protocol)

TCP/IP のアプリケーションはいくつか存在するが(2.4.6 参照)、ここでは特に今回の測定 実験に使用したFTP について述べる。

FTP は異なる機種、OS 間のファイル転送サービスを提供する。ファイル転送とは頻繁に 利用されているネットワーク上のアプリケーションである。許可されたユーザがホスト

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(FTP サーバ)にログインし、ディレクトリの内容表示、ファイルのコピーや削除、編集等を 簡単なコマンドで実行できるようにしている。ユーザがFTP サーバにログインするにはロ グインユーザ名とパスワードが必要であるが、それなしでもログインできるサービスがあ る。それが測定実験に使用したanonymous FTP である。anonymous FTP サーバは誰もが アクセスできるサーバである。 図 2.16 クライアント/サーバ間の FTP 通信 クライアント/サーバ間の FTP 通信においてクライアントはサーバに対して制御用とデ ータ転送用の2種類のコネクションを確立する( 図 2.16 参照 )。通信の構造は以下の通り である。 ① ユーザがコマンド(ftp [サーバの IP アドレス])を入力すると、クライアントが制御用 コネクションの確立を要求する。 ② サーバは要求のあったクライアントにログインユーザ名とパスワードの送信を要求 する。 ③ クライアントがログインユーザ名とパスワードを送信し(anonymous FTP の場合は anonymous を入力)、制御用コネクション確立する。 ④ 制御用コネクションが確立すると、次にデータ転送用コネクションの確立を要求す る。 ⑤ サーバはデータ転送を扱うためだけに使われる転送用コネクションを解放する。そ の後データの転送が行われる。

(22)

実際のファイル転送に最低限必要なコマンドを下記に示す。 表 FTP コマンド ftp xxx.xxx.xxx.xxx xxx.xxx.xxx.xxx のアドレスに接続 cd xxx xxx ディレクトリに移動 ls xxx xxx ディレクトリ中のファイルを表示 lcd xxx ローカルのディレクトリをxxx に変える bi バイナリ―形式でファイル転送 as アスキー形式でファイル転送 put ファイルをアップロード get ファイルをダウンロード bye ftp を終了

(23)

3. LAN のアーキテクチャとノードの機能

3.1 LAN のアーキテクチャ

LAN のノードの機能階層を図 3.1 に示す。データリンク層の MAC(Media Access Control)層、LLC(Logical Link Control)層以外は 2.3 で既に説明しているのでここでは割愛 する。 MAC 層の機能は伝送路を共有する複数のノードが MAC フレームを伝送路と送受信する ことである。送信する際の競合を制御し、フレームが衝突するのを避ける。MAC フレーム にはMAC アドレスがつけられているので、このアドレスを見て自宛のフレームを転写して メモリに取り込んでいる。MAC アドレスとは端末の物理アドレスである。基本的には変更 不可能で、6 バイトで構成されている。上位 3 バイトは IEEE が管理するメーカの識別子、 下位3 バイトは各メーカ内で管理される管理番号である。 LLC 層は MAC 層に依存しないデータリンク層のサービスを提供する。フレームを確実 に送信し、フレームの重複や抜けを検出し、順序を正す制御を行う。 図3.1 機能階層

3.2 アクセス制御方式

共通の伝送媒体を多重化して使用するLAN ではアクセス制御が必要になる。代表的なア クセス制御方式として、CAMA/CD 方式とトークンパッシング方式を説明する。

(24)

(1) CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/ Collision Detection)方式

CSMA/CD 方式は主にバス型の LAN で使用される。各装置は常に搬送波を検知(Carrier Sense)してデータを受信し、伝送路上に搬送波がないときのみデータを送信できる。デー タがある場合はそちらを優先させる。データ送信中も常に他装置からの搬送波を監視し、 衝突を検出(Collision Detection)した場合はデータ送信を停止する。そして乱数で決めた時 間(バックオフタイム)待って再送する。 (2) トークンパッシング方式 トークンパッシング方式は主にリング型のLAN で使用される。装置をリング状に接続し、 トークンと呼ばれる送信権を付与する制御情報をネットワーク上の装置間を循環させ、デ ータを送信しようとする装置がトークンを得ることによってのみ伝送路の使用を許される 方式である。トークンにはfree と busy の 2 つの状態があり、busy の場合はトークンの後 にデータが続き、他の装置が送信中であることを示し、free 場合は送信可能であることを 示している。 データを送信した装置は、自分が送信したデータがネットワーク上を 1 周して戻ってく ると、データをトークンから取り除き free トークンを次の装置に送る。送信するデータが ない装置はfree トークンをそのまま次の装置に送る。

3.3 リピータ

リピータは、減衰した電気信号を再生中継することでセグメント(ネットワーク)を相互接 続している。再生中継の際、リピータはデータフレームの構成を識別せず、物理層におい て単純な信号増幅や波形整形のみを実行する。また信号の衝突を検出する機能を持ち、衝 突が起きるとジャム信号(衝突信号)を全ての端末に送信する。 一般的にLAN では、電気信号の減衰等の理由で1つのセグメントのケーブル長に制限が ある(Ethernet で 500m)。そこで LAN の距離を延長するために、信号増幅機能を持ったリ ピータが使われる。しかしリピータを使ってもLAN の距離を無制限に延長することはでき ず、LAN の技術ごとにリピータの最大数が決められている。 リピータは2本の同軸ケーブルを相互接続するだけでなく、1 本の同軸ケーブルから受け とった信号を複数のケーブルにブロードキャスト(同報通信)することも出来る。これがマル チポートリピータ(multiport repeater)であり、一般的にハブと呼ばれる。

(25)

3.4 ブリッジ

ブリッジは異なる技術のLAN 同士を相互に接続することができ、データリンク層レベル (MAC 層)でフレームの中継処理を行う。受信したフレームを一度バッファに蓄積し、ポー トごとに取り出し処理を行う。またデータリンク層レベルのアドレス(MAC アドレス)を識 別することで、セグメント間を通過させるフレームを選別(フィルタリング)できる。いくつ かあるブリッジの技術のうち、学習ブリッジについて説明する。

LAN のインターフェース(CSMA/CD、Token Ring 等)にはフィルタリングテーブルと 呼ばれる MAC アドレスのリストがあり、そのインターフェースの先に存在するホストの MAC アドレスが保存されている。学習ブリッジはインターフェースに接続された LAN か らフレームを受信した際、そのフレームの宛先アドレスを検出し、それがフィルタリング テーブル中に存在しなければ、他のインターフェースに同報する。存在する場合は中継し ない。また受信フレームに含まれる送信元のMAC アドレスを検出し、それがフィルタリン グテーブル中になければ追加する。 学習ブリッジは時間が経つとともに、各インターフェースの先に存在するアドレスを自 動的に学習し、中継する必要のない同一セグメント内の通信はブリッジ内で廃棄し、中継 する必要のあるフレームは宛先MAC アドレスの存在するセグメントにのみ中継を行う。そ の結果、無駄なトラフィックを減少させている。このようにブリッジ接続されたネットワ ークにおいて各ホストは、通信相手が同一のLAN 内に存在する場合と同じように通信する ことができる。

3.5 ルータ

ルータはネットワーク層レベルでパケットの中継処理を行う。一方のセグメントから受 信したパケットをバッファに入れて、別のセグメントにだけ送信する。 送信元ホストからの経路上の途中のルータでIP データグラムが分割されたとしても、そ の先のルータでは再構成の処理が行われない。これは各ルータでは受信したデータグラム が別々に経路選択するために、分割されたそれぞれのデータグラムが同じルータを通過す る保証がないからである。もし同じルータを通過しても再構成の処理を中継ルータでして いると時間がかかりパケット遅延が大きくなる。このためデータグラムの再構成の処理は 宛先ホストでしか行われない。 ルータの重要な処理にフォワーディング処理とフィルタリング処理がある。

(26)

(1)フォワーディング処理 フォワーディング処理は、IP パケットの IP ヘッダの情報を調べ、その情報に従ってルー トを選択する処理である。ルートの選択において、次のホップ(次のルータの IP アドレス) を決定する処理をルーティング と呼び、受信データグラムを自分のネットワーク内のホス トに送る処理をルーティングとは区別し、ローカルルーティングと呼ぶ。ルーティングに ついては後に説明する。 (2)フィルタリング処理 ルータのもうひとつの役割は不正なパケットの通過を防止することである。あるネット ワークから出てくる不正なパケットをそのネットワークの外に出さず、受信パケットの宛 先IP アドレスを見て、異なるネットワーク番号のパケットだけを中継する機能がフィルタ リング処理である。管理者がルータの設定を行い、通過させても良い包括リストと通過さ せてはならない排除リストを指定する必要がある。

3.6 ルーティング

3.6.1 ルーティング ルーティングとはメッセージの通過経路を決定するための様々な処理の総称であって、 ルータだけに用いられる機能でない。ここではルータのインターネット層レベル(OSI 参照 モデルではネットワーク層レベル)でのルーティングについて説明する。 ルーティングにはスタティックルーティング(static routing)[静的]とダイナミックルー ティング(dynamic routing)[動的]がある。スタティックルーティングとはルーティングテー ブルをネットワーク管理者が設定し、それをもとにルーティングを行うことである。この 方法はネットワークの構成が変わるたびに管理者が設定のやり直しをしなければならない。 また設定ミスによって通信の不具合が生じやすい。 ダイナミックルーティングとはルータ同士が定期的に情報をやり取りすることでルーテ ィングテーブルを自動的に作成し、それをもとにルーティングを行うことである。ネット ワークの構成を変更しても自動的に更新情報を各ルータに知らせてくれるが、それを知ら せるためのオーバーヘッドが負荷となるのが欠点である。 3.6.2 ルーティングアルゴリズム ルーティングのアルゴリズムとしてはフラッディングアルゴリズム、最短パスルーティ ング、ディスタンスベクトルルーティング、リンクステートルーティング、マルチキャス

(27)

トルーティング等がある。この中でも一般的によく使われているディスタンスベクトルル ーティングについてここでは説明する。 ディスタンスベクトルルーティングのアルゴリズムでは、各ルータが最終宛先のサブネ ット番号、そこに到達するために経由すべき次のルータのアドレス、及びそこを経由した ときの宛先までの距離の情報をルーティングテーブルとして保持する。このテーブルの情 報は以下のように更新される。 各ルータは全ての隣接するルータにルーティングテーブルの内容を周期的に知らせる。 知らせを受けたルータは、受信した情報のルータに至る距離を計算してそれを自分のテー ブルに保持されている距離と比較する。比較の結果、距離の小さい経路とそのアドレスを 新たに更新することで宛先に向かう最短経路を選択できるようにする。

3.6.3 RIP(Routing Information Protocol)

RIP とは AS(Autonomous System)内で使用されるディスタンスベクトル方式のルーティ ングプロトコルで広く使用されている。今回の実験で使用した YAMAHA の RT140e もこ のプロトコルを使用している。RIP は経路を選択する場合、装置のホップ数(ルータを通過 する数)が最小になるように選択する。 全てのルータに対して任意のIP アドレスを解釈して次のホップルータのアドレスを決定 するだけのルーティング情報を獲得、保持することは、ルータに大容量のルーティングテ ーブルが必要となり負荷となる。これを解決するために RIP では各ルータが部分的なルー ティング情報を持つだけで動作できるようにしている。また RIP には以下のような制限が ある。 ・ 最大ホップ数=15 ・ 経路情報の更新時間=30 秒 ・ タイムアウト=180 秒 ・ RIP パケットの最大サイズ=512 バイト

3.7 フロー制御

フロー制御は受信側の処理速度に応じてパケットを送信する制御でトランスポート層、 データリンク層の重要な機能のひとつである。両者の違いとしては、トランスポート層が エンドホスト間を対象とし、データリンク層が回線で直接繋がっているホスト間を対象と するフロー制御という点である。ここでは特にデータリンク層のフロー制御について説明 する。

(28)

(1) ストップアンドウェイト(Stop-and-Wait)方式 ストップアンドウェイト方式では送信側は常に最大 1 個のフレームしか送らない。受信 側はフレームを受けとると送信確認(ACK/NACK)を送信側に返す。送信側は送信確認を受 けとると次のフレームを送信する。またフレームが伝送路上で失われたときのために、送 信と同時にタイマを起動させ、タイムアウトが発生するとフレームを再送する。 ストップアンドウェイト方式は先に述べたように伝送効率が悪い。しかしGo-back-N 方 式、選択的再送方式に比べると制御が簡単で低コストである。 (2) Go-back-N 方式 Go-back-N 方式は送信確認を待たずに最大フレーム数を一気に送信する。制御としては 伝送誤りを検出したとき、どのフレームに誤りがあったかを知らせるためにシーケンス番 号が必要になる。受信側でも大量のフレーム連続して受信する可能性があるので最大フレ ーム数用のバッファを用意しなければならない。またフレーム数を管理する必要もある。 Go-back-N 方式では伝送誤りを発見すると、そのシーケンス番号のフレームを全て廃棄 し、その番号以降のフレームを全て再送する。その結果、送信に成功したフレームも再送 されるため伝送効率は低下するがバッファの管理が容易である。 (3) 選択的再送(Selective-repeat)方式 Go-back-N 方式を改良し、誤りが発生したフレームのみ再送させる方式が選択的再送方 式である。制御がますます複雑になり、端末の処理負担が大きくなっている。

3.8 輻輳制御

(1) 輻輳状態 輻輳とは一般にはネットワークに過大なデータが流れることにより、中継装置などのバ ッファからデータが溢れることによって始まる場合が多い。バッファから溢れたデータは 廃棄されるので,相手には届かない。すると,いつまで経っても相手から受信確認の応答 が返らないことになる。転送レベルのプロトコル(TCP/IP)にはノイズなどによるデータ の損傷を考慮して、相手からの受信確認がないと再度データを送り直す仕組みがあるので、 もう一度同じものを送り直す。しかし、ネットワークが混雑していれば同じように途中で 消えてしまう。するとまたデータを送り直す。このような事態が続くと本来の送信データ

(29)

の何倍ものデータがネットワークに放出される。ただでさえ混み合っているときに再送に よってデータ量が増えるのだから事態は更に悪くなり悪循環を引き起こす。複数のユーザ から一度に大量のデータが送り込まれると、バッファの不足や交換機の処理能力が追いつ かなかったりする可能性がある。この状態が輻輳状態であり、輻輳状態を回避する機能を 輻輳制御機能という。輻輳の状態には通常状態、軽輻輳状態、重輻輳状態の3 つがある( 図 3.2 参照 )。 ① 通常状態 輻輳のない状態で、送信データ量に応じてスループットが変化する(網が空いていれば CIR を越えた通信が可能)。 ② 軽輻輳状態 端末からの送信データ量が増加しても、相手端末に送信されるデータ量が比例して増加し なくなる(スループットが比例しなくなる)。輻輳の通知が始まる。 ③ 重輻輳状態 完全な輻輳状態で、スループットが低下する状態である。フレームの廃棄が行われ輻輳の 回復処理を始める。 図3.2 輻輳状態 (2) 輻輳の通知 輻輳状態になった時の通知としては、輻輳が発生した場合に端末にACK や NACK 等何 も通知しない暗黙的輻輳通知と、何らかの通知を行う明示的輻輳通知がある。明示的輻輳 通知には先に説明したFECN (順方向明示的輻輳通知)と BECN(逆方向明示的輻輳通知)が ある。

(30)

(3) 輻輳時の端末の処理 端末は輻輳を検出した場合、送信フレームを減らすことで網への負担を軽くすることが 出来る。具体的方法としてスループット制御とウィンドウ制御がある。 ① スループット制御 端末側で送信するスループット の測定及ぶ制御が可能な場合、送出する情報量をコント ロールするスループット制御が有効である。 輻輳を検出した場合、フレームとフレームの送信間隔を空け、単位時間当りのスループ ット(送信データ量)の平均を下げる。それでも輻輳が継続している場合、スループットが CIR より小さい値になるまでフレームの送信間隔を更に広げて、スループットを抑制する。 輻輳からの回復を検出したした場合、スループットを徐々に上げていき、フレームを送 れるだけ連続伝送できるような通常状態に回復する。 ② ウィンドウ制御 端末側の上位プロトコルで、ウィンドウによるフロー制御を行っている場合有効である。 スループット制御よりも一般的である。 ウィンドウサイズは端末側が送信確認(ACK)をしなくても連続して送れるフレーム数で ある。輻輳を検出した場合、ウィンドウサイズを小さな値に変更することでトラフィック を下げることが出来る。それでも輻輳が継続している場合は更に送信量の設定を下げる。 輻輳からの回復を検出したした場合、ウィンドウサイズを徐々に元の値に戻すことで通 常状態に回復する。

(31)

4. 測定実験

4.1 実験の目的と手法

3 章で述べたように、通信プロトコルでは、実際にデータを送信する際、応答処理や帯域 制御処理を行っている。そのため物理層のビット転送能力を常に100%利用できているわけ ではない。また2 章の TCP で説明したように、ユーザはデータを送信する際、各階層に対 応した制御情報を含むヘッダ等のデータが付加される。TCP/IP プロトコルを使ってデータ を送信する際、これらのオーバーヘッドが転送性能に加算されることは避けられない。 またネットワークには,ルータや管理装置などが情報を交換したり収集するための制御 用のデータも常時流れている。ネットワークの規模が大きくなり、ルータなどの装置が増 えると、情報を交換したり収集する相手が増えるので、制御用のトラフィックも増える。 こういったトラフィックはユーザの利用頻度に関係なく流れてしまうので、非常に厄介で ある。 他にも、伝送媒体やノードの信頼性の差やアクセス競合の頻度によっては、同じ送信デ ータ量であっても、再送等でわずかな距離差でもトータルスループット、遅延は大きく変 化する。 そこで私は第一にプロトコル、ノード等の学習を通してネットワーク内の信号送受信 のメカニズムを調査する。それで得られた知見をもとに、実際にネットワーク内でやりと りされる信号の速度と、その決定要因を学ぶ。具体的には「ネットワーク内の伝送媒体の 種類や長さ、端末間に入れるノードの数と種類による伝送速度の違いを測定する事で、伝 送媒体、ノードによる遅延を理解し、効率の良いネットワークを構築する指針を得る」を 卒業研究の目的とし測定実験を行った。測定実験をすることで、トラフィックが集中する サーバ側にどのノードを設置するか、どの部分でスループットが小さくなっているか等が 分かり改善することができる。 ネットワークの転送ノードには端末を増やしたり、複数のユーザが同時に通信できたり、 フィルタリング機能がある等、様々なメリットがある。しかしノードを複数回通過するこ とで伝送速度、遅延が増加する可能性が高い。なぜならばデータがノードを通過すること で、3 章で述べたような様々な処理を行っているからである。実験では以下の点に注目して 測定した。 (ⅰ) 伝送媒体について ・ケーブルの種類による伝送速度、送信時間の変化 ・負荷のかかった状態での伝送速度、送信時間の変化

(32)

・データ量の大きさによる伝送速度、送信時間の変化 (ⅱ) ノード遅延について ・データ量の大きさによる伝送速度、送信時間の変化 ・スイッチングハブとルータでの伝送速度、送信時間の違い ・接続ノード数による送信時間の変化にどのような傾向があるのか 具体的には、伝送媒体については次節で述べる実験 1~4、ノードについては実験 5~7 を行 い、その計測結果を比較することにより特性を明らかにする。 測定実験はそれぞれ3回行っている。その理由は以下の通りである。同じ処理でも最初 に実行するときと、2 回目以降の実行とでトラフィックに差が出ることに気がつく。大小に 違いはあるがほとんどの処理で差が出る。その理由は,初回の実行で得た情報を保存して おき、2 回目以降は保存した情報を利用するため、その分トラフィックが減っているからで ある。それはトラフィックを減らす工夫の結果なので良いことであるが、それを実験結果 として採用するときに、どちらのデータを採用すべきかで解釈が異なる。 定型的な処理が中心のシステムでは,起動直後や処理を切り替えた直後など以外は、保 存した情報再利用することが多く、何もないところから行う初回の実行は例外的な扱いと なる。一方、非定型的な処理では、情報の再利用は少なくなる傾向にある。そこで本実験 では3回測定を行い、それぞれの値の平均を示すこととした。

(33)

4.2 測定実験

4.2.1 実効的伝送速度の測定実験 (1) 1 対 1 の端末同士の伝送速度と時間の測定 ノードやケーブルを変化させて 1 対 1 の端末同士でのデータ送信時間を測定し、その値 から伝送速度(MB/s)を求める。データ転送には Windows のファイル共有を使用した。使用 実験器具は下記の通りである。

・10Base-T HUB CentreCOM MR415T ・10Base-T SW-HUB corega Fast SE-8D ・100Base-T SW-HUB corega Fast SE-8D

・OE Converters twister 100Mbps Media Converter

実験1

① 実験方法

ノードが10Base-T HUB、10Base-T SW-HUB、100Base-T SW-HUB のときの、30MB のデータ送信時間を測定する。データ転送は3 回行い、平均値、回数によるばらつきを評 価する。測定図を図4.1 に示す。

図4.1 実験 1 の測定図

② 実験データ

(34)

30MBファイルの送信時間

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

35000

1回目

2回目

3回目

平均

送信時間(ms) 10Base-T HUB 10Base-T SW-HUB 100Base-T SW-HUB 30MBファイルの伝送速度

0.8

1.3

1.8

2.3

2.8

3.3

3.8

4.3

1回目

2回目

3回目

平均

伝送速度(MB/s) 10Base-T HUB 10Base-T SW-HUB 100Base-T SW-HUB 図4.2 実験 1 のデータ ③ 実験結果 スイッチングハブとハブの送信時間を比べると、ハブの方が平均して約1.5 秒速かった。 10Base-T の伝送速度は 7.84Mbps で最大伝送速度 10Mbps の約 8 割でていた。100Base-T の方は伝送速度が29.28Mbps で最大伝送速度 100Mbps の約 3 割でていた。回数によるば らつきは100Base-T SW-HUB で若干みられた。10Base-T では回数によるばらつきはさほ どなかった。

実験2

① 実験方法

ノードを100Base-T SW-HUB に固定し、ノードと端末間のケーブルが UTP、光ファ イバのときの、30MB のデータ送信時間を測定する。この実験でもデータ転送は 3 回行い、 平均値、回数によるばらつきを評価する。測定図を図4.3 に示す。

(35)

図4.3 実験 2 の測定図 ② 実験データ 実験2 の伝送速度、送信時間の実験データを図 4.4 に示す。 30MBファイルの送信時間

8500

9000

9500

10000

10500

11000

1回目

2回目

3回目

平均

送信時間(ms) UTP 12m 光ファイバ 12m 光ファイバ 50m 30MBファイルの伝送速度

2.8

3

3.2

3.4

3.6

1回目

2回目

3回目

平均

伝送速度(MB/s) UTP 12m 光ファイバ 12m 光ファイバ 50m 図 4.4 実験 2 のデータ ③ 実験結果 UTP ケーブル(12m)と光ファイバ(12m)を比べると、送信時間の差は 0.18 秒であまり差 はなかった。光ファイバ(12m)と光ファイバ(50m)を比べると、送信時間の差は 1.14 秒もあ った。UTP ケーブルは 3 回目が他の 2 回に比べて送信時間が短かった。

(36)

(2) 1GB の負荷を N かけた端末と負荷のかかっていない端末の伝送速度と時間の測定

送信データ量や負荷、ケーブルの種類、長さを変化させて、端末と負荷のかかった端末 間のデータ送信時間を測定し、その値から伝送速度(MB/s) を求める。データ転送には Windows のファイル共有を使用した。使用実験器具は下記の通りである。

・100Base-T SW-HUB corega Fast SE-8D

・OE Converters twister 100Mbps Media Converter

実験3 ① 実験方法 1GB の負荷を N かけたときの 30MB、125MB のデータ送信時間を測定する。この測定 にはUTP ケーブルのみを使用し、データ転送は実験 1、2 と同様 3 回行い、平均値、回数 によるばらつきを評価する。実験図を4.5 に示す。 図4.5 実験 3 の測定図 ② 実験データ 実験3 の伝送速度、送信時間の実験データを図 4.6 に示す。 ③ 実験結果 負荷が2 で送信データが 30MB と 125MB のときの伝送速度を比べると、送信データが 大きい方が伝送速度は遅い。送信データが同じ(30MB)で負荷の数を増やしても伝送速度は 落ちず、平均伝送速度はほぼ同じであった。伝送速度の回数に注目すると、送信データが 30MB で負荷が 1、2 の時の 1 回目がそれぞれの平均と比べると差がみられた。

(37)

1GBの負荷をNかけたときの送信時間 0 20000 40000 60000 80000 100000 1回目 2回目 3回目 平均 送信時間(,ms) 送信データ30MB 負荷×1 送信データ30MB 負荷×2 送信データ 125MB 負荷×2 1GBの負荷をNかけたときの伝送速度 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2 2.2 2.4 2.6 2.8 3 1回目 2回目 3回目 平均 伝送速度(MB/s) 送信データ30MB 負荷×1 送信データ30MB 負荷×2 送信データ 125MB 負荷×2 図 4.6 実験 3 のデータ 実験4 ① 実験方法 1GB の負荷を N かけたときの 30MB、125MB のデータ送信時間を測定する。この測定 にはノードと端末間に長さの違う光ファイバ(12m と 50m)を使用した。データ転送は 3 回 行い、平均値、回数によるばらつきを評価する。測定図を4.7 に示す。

(38)

図4.7 実験 4 の測定図 ② 実験データ 実験4 の伝送速度、送信時間の実験データを図 4.8、4.9 に示す。 1GBの負荷をNかけたときの送信時間(光ファイバ12m) 0 20000 40000 60000 80000 100000 120000 1回目 2回目 3回目 平均 送信時間(ms) 送信データ30MB 負荷×1 送信データ 125MB 負荷×1 送信データ30MB 負荷×2 送信データ 125MB 負荷×2 1GBの負荷をNかけたときの伝送速度(光ファイバ12m) 1 1.5 2 2.5 3 3.5 1回目 2回目 3回目 平均 伝送速度(MB/s) 送信データ30MB 負荷×1 送信データ 125MB 負荷×1 送信データ30MB 負荷×2 送信データ 125MB 負荷×2 図 4.8 実験 4(光ファイバ 12m)のデータ

(39)

1GBの負荷をNかけたときの送信時間(光ファイバ50m) 0 20000 40000 60000 80000 100000 1回目 2回目 3回目 平均 送信時間(ms) 送信データ30MB 負荷×1 送信データ125MB 負荷×1 送信データ30MB 負荷×2 送信データ125MB 負荷×2 1GBの負荷をNかけたときの伝送速度(光ファイバ50m) 1 1.5 2 2.5 3 3.5 1回目 2回目 3回目 平均 伝送速度(MB/s) 送信データ30MB 負荷×1 送信データ125MB 負荷×1 送信データ30MB 負荷×2 送信データ125MB 負荷×2 図 4.9 実験 4(光ファイバ 50m)のデータ ③ 実験結果 送信データ、負荷の少ない方が伝送速度は速くなるだろうと予想していたが、光ファイ バ 50m の場合を見ると、予想通りの伝送速度の分布がでた。しかし光ファイバが 12m の 場合を見ると、送信データ 30MB、負荷が 1 のときの、2回目の伝送速度の値が予想より も小さかった。他はほぼ予想通りの結果がでていたといえる。

(40)

4.2.2 ノードを重ねることによる伝送速度の違いの測定 (1) スイッチングハブ、ルータを用いた端末間通信の伝送速度と時間の測定 送信データ量、端末間に挟むノードの数、種類をかえることで、どのくらい送信時間、 伝送速度(Mbit/s)が変化するか測定する。実験 1~4 までは伝送速度は MB/s で測定していた が、実験5~7 では測定ソフトの関係上一部 Mbit/s で測定する。データ転送は FTP を使用 し3 回行った。使用実験器具とソフトを下記に示す。

・100Base-T SW-HUB corega Fast SE-8D ・Router YAMAHA RT140e

・FTP ソフト FFTP、MS-DOS プロンプト ・FTP サーバソフト S e r v -U 実験5 ① 実験方法 端末間のスイッチングハブ数(1~3)をかえたときの 1.19GB、281MB のデータ送信時間、 伝送速度の違いを測定する。測定図を図4.10 に示す。 図4.10 実験 5 の測定図 ② 実験データ 実験5 の伝送速度、送信時間の実験データを図 4.11、4.12 に示す。

(41)

ノード数Nのときの1.19GBファイルの送信時間 250 275 300 325 350 1回目 2回目 3回目 平均 送信時間(s) ノード数0 ノード数1 ノード数2 ノード数3 ノード数Nのときの1.19GBファイルの伝送速度 3.5 3.8 4.1 4.4 4.7 5 1回目 2回目 3回目 平均 伝送速度(MB/s) ノード数0 ノード数1 ノード数2 ノード数3 ノード数Nのときの1.19GBファイルの伝送速度 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 300 320 340 送信時間(s) 伝送速度(Mbit/s) ノード数0 ノード数1 ノード数2 ノード数3 図4.11 実験 5(1.19GB)のデータ

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携帯電話の SMS(ショートメッセージサービス:電話番号を用い

LF/HF の変化である。本研究で はキャンプの日数が経過するほど 快眠度指数が上昇し、1日目と4 日目を比較すると 9.3 点の差があ った。

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