4. 測定実験
4.2 測定実験
4.2.1 実効的伝送速度の測定実験
(1) 1対1の端末同士の伝送速度と時間の測定
ノードやケーブルを変化させて 1 対1 の端末同士でのデータ送信時間を測定し、その値 から伝送速度(MB/s)を求める。データ転送にはWindowsのファイル共有を使用した。使用 実験器具は下記の通りである。
・10Base-T HUB CentreCOM MR415T
・10Base-T SW-HUB corega Fast SE-8D
・100Base-T SW-HUB corega Fast SE-8D
・OE Converters twister 100Mbps Media Converter
実験1
① 実験方法
ノードが10Base-T HUB、10Base-T SW-HUB、100Base-T SW-HUBのときの、30MB のデータ送信時間を測定する。データ転送は3回行い、平均値、回数によるばらつきを評 価する。測定図を図4.1に示す。
図4.1 実験1の測定図
② 実験データ
実験1の伝送速度、送信時間の実験データを図4.2に示す。
30MBファイルの送信時間
0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000
1回目 2回目 3回目 平均
送信時間(ms)
10Base-T HUB 10Base-T SW-HUB 100Base-T SW-HUB
30MBファイルの伝送速度
0.8 1.3 1.8 2.3 2.8 3.3 3.8 4.3
1回目 2回目 3回目 平均
伝送速度(MB/s)
10Base-T HUB 10Base-T SW-HUB 100Base-T SW-HUB
図4.2 実験1のデータ
③ 実験結果
スイッチングハブとハブの送信時間を比べると、ハブの方が平均して約1.5秒速かった。
10Base-Tの伝送速度は7.84Mbpsで最大伝送速度10Mbpsの約8割でていた。100Base-T の方は伝送速度が29.28Mbpsで最大伝送速度100Mbpsの約3割でていた。回数によるば
らつきは100Base-T SW-HUBで若干みられた。10Base-Tでは回数によるばらつきはさほ
どなかった。
実験2
① 実験方法
ノードを100Base-T SW-HUBに固定し、ノードと端末間のケーブルがUTP、光ファ イバのときの、30MBのデータ送信時間を測定する。この実験でもデータ転送は3回行い、
平均値、回数によるばらつきを評価する。測定図を図4.3に示す。
図4.3 実験2の測定図
② 実験データ
実験2の伝送速度、送信時間の実験データを図4.4に示す。
30MBファイルの送信時間
8500 9000 9500 10000 10500 11000
1回目 2回目 3回目 平均
送信時間(ms)
UTP 12m 光ファイバ 12m 光ファイバ 50m
30MBファイルの伝送速度
2.8 3 3.2 3.4 3.6
1回目 2回目 3回目 平均
伝送速度(MB/s)
UTP 12m 光ファイバ 12m 光ファイバ 50m
図4.4 実験2のデータ
③ 実験結果
UTPケーブル(12m)と光ファイバ(12m)を比べると、送信時間の差は0.18秒であまり差
はなかった。光ファイバ(12m)と光ファイバ(50m)を比べると、送信時間の差は1.14秒もあ った。UTPケーブルは3回目が他の2回に比べて送信時間が短かった。
(2) 1GBの負荷をNかけた端末と負荷のかかっていない端末の伝送速度と時間の測定
送信データ量や負荷、ケーブルの種類、長さを変化させて、端末と負荷のかかった端末 間のデータ送信時間を測定し、その値から伝送速度(MB/s)を求める。データ転送には
Windowsのファイル共有を使用した。使用実験器具は下記の通りである。
・100Base-T SW-HUB corega Fast SE-8D
・OE Converters twister 100Mbps Media Converter
実験3
① 実験方法
1GBの負荷をNかけたときの30MB、125MBのデータ送信時間を測定する。この測定 にはUTPケーブルのみを使用し、データ転送は実験1、2と同様3回行い、平均値、回数 によるばらつきを評価する。実験図を4.5に示す。
図4.5 実験3の測定図
② 実験データ
実験3の伝送速度、送信時間の実験データを図4.6に示す。
③ 実験結果
負荷が2で送信データが30MBと125MBのときの伝送速度を比べると、送信データが 大きい方が伝送速度は遅い。送信データが同じ(30MB)で負荷の数を増やしても伝送速度は 落ちず、平均伝送速度はほぼ同じであった。伝送速度の回数に注目すると、送信データが 30MBで負荷が1、2の時の1回目がそれぞれの平均と比べると差がみられた。
1GBの負荷をNかけたときの送信時間
0 20000 40000 60000 80000 100000
1回目 2回目 3回目 平均
送信時間(,ms)
送信データ30MB 負荷×1 送信データ30MB 負荷×2 送信データ 125MB 負荷×2
1GBの負荷をNかけたときの伝送速度
1 1.2 1.4 1.6 1.8 2 2.2 2.4 2.6 2.8 3
1回目 2回目 3回目 平均
伝送速度(MB/s)
送信データ30MB 負荷×1 送信データ30MB 負荷×2 送信データ 125MB 負荷×2
図4.6 実験3のデータ
実験4
① 実験方法
1GBの負荷をNかけたときの30MB、125MBのデータ送信時間を測定する。この測定 にはノードと端末間に長さの違う光ファイバ(12mと50m)を使用した。データ転送は3回 行い、平均値、回数によるばらつきを評価する。測定図を4.7に示す。
図4.7 実験4の測定図
② 実験データ
実験4の伝送速度、送信時間の実験データを図4.8、4.9に示す。
1GBの負荷をNかけたときの送信時間(光ファイバ12m)
0 20000 40000 60000 80000 100000 120000
1回目 2回目 3回目 平均
送信時間(ms)
送信データ30MB 負荷×1 送信データ 125MB 負荷×1 送信データ30MB 負荷×2 送信データ 125MB 負荷×2
1GBの負荷をNかけたときの伝送速度(光ファイバ12m)
1 1.5 2 2.5 3 3.5
1回目 2回目 3回目 平均
伝送速度(MB/s)
送信データ30MB 負荷×1 送信データ 125MB 負荷×1 送信データ30MB 負荷×2 送信データ 125MB 負荷×2
図4.8 実験4(光ファイバ12m)のデータ
1GBの負荷をNかけたときの送信時間(光ファイバ50m)
0 20000 40000 60000 80000 100000
1回目 2回目 3回目 平均
送信時間(ms)
送信データ30MB 負荷×1
送信データ125MB 負荷×1
送信データ30MB 負荷×2
送信データ125MB 負荷×2
1GBの負荷をNかけたときの伝送速度(光ファイバ50m)
1 1.5 2 2.5 3 3.5
1回目 2回目 3回目 平均
伝送速度(MB/s)
送信データ30MB 負荷×1
送信データ125MB 負荷×1
送信データ30MB 負荷×2
送信データ125MB 負荷×2
図4.9 実験4(光ファイバ50m)のデータ
③ 実験結果
送信データ、負荷の少ない方が伝送速度は速くなるだろうと予想していたが、光ファイ バ 50mの場合を見ると、予想通りの伝送速度の分布がでた。しかし光ファイバが12mの 場合を見ると、送信データ 30MB、負荷が1 のときの、2回目の伝送速度の値が予想より も小さかった。他はほぼ予想通りの結果がでていたといえる。
4.2.2 ノードを重ねることによる伝送速度の違いの測定
(1) スイッチングハブ、ルータを用いた端末間通信の伝送速度と時間の測定
送信データ量、端末間に挟むノードの数、種類をかえることで、どのくらい送信時間、
伝送速度(Mbit/s)が変化するか測定する。実験1~4 までは伝送速度はMB/sで測定していた
が、実験5~7では測定ソフトの関係上一部Mbit/sで測定する。データ転送はFTPを使用 し3回行った。使用実験器具とソフトを下記に示す。
・100Base-T SW-HUB corega Fast SE-8D
・Router YAMAHA RT140e
・FTPソフト FFTP、MS-DOSプロンプト
・FTPサーバソフト S e r v -U
実験5
① 実験方法
端末間のスイッチングハブ数(1~3)をかえたときの 1.19GB、281MB のデータ送信時間、
伝送速度の違いを測定する。測定図を図4.10に示す。
図4.10 実験5の測定図
② 実験データ
実験5の伝送速度、送信時間の実験データを図4.11、4.12に示す。
ノード数Nのときの1.19GBファイルの送信時間
250 275 300 325 350
1回目 2回目 3回目 平均
送信時間(s)
ノード数0 ノード数1 ノード数2 ノード数3
ノード数Nのときの1.19GBファイルの伝送速度
3.5 3.8 4.1 4.4 4.7 5
1回目 2回目 3回目 平均
伝送速度(MB/s)
ノード数0 ノード数1 ノード数2 ノード数3
ノード数Nのときの1.19GBファイルの伝送速度
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 220 240 260 280 300 320 340
送信時間(s)
伝送速度(Mbit/s)
ノード数0 ノード数1 ノード数2 ノード数3
図4.11 実験5(1.19GB)のデータ
ノード数Nのときの281MBファイルの送信時間
50 55 60 65 70 75 80
1回目 2回目 3回目 平均
送信時間(s)
ノード数0 ノード数1 ノード数2 ノード数3
ノード数Nのときの281MBファイルの伝送速度
3.5 4 4.5 5 5.5
1回目 2回目 3回目 平均
伝送速度(MB/s)
ノード数0 ノード数1 ノード数2 ノード数3
ノード数Nのときの281MBファイルの伝送速度
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 送信時間(s)
伝送速度(Mbit/s)
ノード数0 ノード数1 ノード数2 ノード数3
図4.12 実験5(281MB)のデータ
③ 実験結果
送信時間は送信データ比にほぼ比例していた。ノード数が少ない方が伝送速度の上がり 方が良かった。スイッチングハブを重ねることによって伝送速度は低下した。ノード数が 少ない方が最大伝送速度は速かった。伝送速度の低下にはノード数が 2 から3に変わるま では比例の傾向がみられたが、ノード数3つではその具体的な法則性までは判断できない。
実験6
① 実験方法
端末間のノードをスイッチングハブからルータに変更し、ルータ数(2~4) をかえたときの
1.19GB、281MBのデータ送信時間、伝送速度の違いを測定する。測定図を図4.13に示す。
図4.13 実験6の測定図
② 実験データ
実験6の伝送速度、送信時間の実験データを図4.14、4.15に示す。
③ 実験結果
実験 5 同様、送信時間は送信データ比にほぼ比例していた。ノード数が少ない方が伝送 速度の上がり方が良く最大伝送速度は速かった。ルータを重ねることによって伝送速度は 落ちた。同じ数のスイッチングハブを間に入れたときの送信時間を比べると4~5 倍かかっ た。伝送即後の低下に若干比例に似た傾向が見られたが法則性までは判断できない。
ノード数Nのときの1.19GBファイルの送信時間
1200 1300 1400 1500 1600 1700 1800 1900
1回目 2回目 3回目 平均
送信時間(s)
ノード数2 ノード数3 ノード数4
ノード数Nのときの1.19GBファイルの伝送速度
0.6 0.7 0.8 0.9 1
1回目 2回目 3回目 平均
伝送速度(MB/s)
ノード数2 ノード数3 ノード数4
ノード数Nのときの1.19GBファイルの伝送速度
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32
送信時間(分)
伝送速度(Mbit/s)
ノード数2 ノード数3 ノード数4
図4.14 実験6(1.19GB)のデータ
ノード数Nのときの281MBファイルの送信時間
280 310 340 370 400 430
1回目 2回目 3回目 平均
送信時間(s)
ノード数2 ノード数3 ノード数4
ノード数Nのときの281MBファイルの伝送速度
0.6 0.7 0.8 0.9 1
1回目 2回目 3回目 平均
伝送速度(MB/s)
ノード数2 ノード数3 ノード数4
ノード数Nのときの281MBファイルの伝送速度
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
0 1 2 3 4 5 6 7 8
送信時間(分)
伝送速度(Mbit/s)
ノード数2 ノード数3 ノード数4
図4.15 実験6(281MB)のデータ
実験 7
① 実験方法
端末間のノードにスイッチングハブとルータの2種類を使用し、異なるLAN間にスイッ チングハブを挟んだときの281MBのデータ送信時間、伝送速度の違いを測定する。測定図 を図4.16に示す。
図4.16 実験7の測定図
② 実験データ
実験7の伝送速度、送信時間の実験データを図4.17に示す。
③ 実験結果
スイッチングハブをルータの間に入れても伝送速度はそれほど落ちなかった。最大伝送 速度もあまり変わらなかった。送信時間はスイッチングハブを1台間にいれるのといれな いのでは約1秒差がでた。スイッチングハブを2台間にいれた場合といれない場合では約 6 秒の差がでた。回数によるばらつきは、ルータ間にスイッチングハブを 2 台いれたときみ られた。