牛乳の熟安定性:カゼインミセルと
γ−カゼインA型との関係
官 辺 豊 妃,友 井 弘 二
HEAT STABILITY OF COW′S MILK:THE RELATION
BETWEEN CASEIN MICELLE ANDγ−CASEIN A
Toyoki MIYaBE and Koji ToMoI
The7−CaSeinAvariantwas蝕actionatedandpurifiedbyaDEAE−Ce11ulosechromatography.Additionofγ− CaSeinAtotype−Bmilkchangeditintotype−Amilk‥thiswasheatedat1230CinanarrowpHrangeof6.4to7い4. Caseinmicellewas蝕actionatedwithdisti11edwaterthroughacolumnofSephadexG−150。TheIeSultsofthe distribution(%)of■proteinconstituentinmice11eareasfbllows:theheatstabilityofcontrol(type−Bmilk)increased withapHriseandinpara11elwithit,thecontentsofβ−CaSeinsomewhatdecreasedandofTl−CaSeinincreasedat allpHvalues」Theαs−CaSeincontentdidnotvary,thegreatestincreaseofK−CaSeinoccurrlngataPH7‖0… The ShoulderofmicellecontainedmoreT−andlessαs−CaSeinsanddidnotcontainK−CaSein.Similartrends werefbund fbrproteinconstituent,alsointheadditionofT−CaSeinA,ShowingtheincreaseofHanddecreaseofβ.Thecon− VerSionoftype−Bintotype−Ami1ksbytheadditionofr−CaSeinAseemedtober・elatetor2−CaSeininmicelle,aSthis increasedatapH7..0 OntheotheIhand,thevariationofpHandtheadditionofT−CaSeinAdidnotcauseagreat di鮎renCeOfthe UV−SpeCtra,UV−di蝕rencespectra,andopticalcirculardichroism(CD)ofmice11es,althoughtheODofUV−SPeCtra
declinedalowmaIkedlyandtheCD−CurVeShowedasma11variationatallpHvalues
7−カゼインA型変異体はDEAE−セルロ・−ズ・カラム・クロマトグラフィーにより分離・精製した..B型乳に7−カ ゼインAを添加すると,A型乳に転換した.供試乳はpH64∼7”4の狭いpH鞄囲で123Ocに加熱した… セ17ァデッ クスG−150で分画したカゼインミセルの蛋白分布(%)をしらペた結果,対照乳(B型乳)はpHの上昇と共に,乳は 安定するが,各pHともに,ミセル中のβ−カゼインがやや減少し,7rl一カゼインを増加した.斤−カゼインはpH70で 最も増加し,αs−カゼインの相異は認められなかった・ミセルの肩の部分には7−かぜイン含量が大で,αsは小さく,ぷ は存在しなかった・また,β−テクトグロブリンが現われた・対照乳(B型乳)に7−かぜインAを添加すると,β−カゼイ ンの減少・〝の増加を示し,対照乳と類似した傾向を示したが,pH70で72−カゼインが増加したので,A型乳の転 換と何等かの関係があることが示唆されたい ミセルの肩の部分では,71−カゼインA添加により,71−カゼインが増加 した また,紫外線吸収,紫外吸収差スペクトル,螢光スペクトルおよび円偏光二色性(CD)のpHの変化および7−カ ゼインA添加による大きな変化は認められなかったが,pH6い6のミセルで,紫外線吸収のODが顕著に減少し, CD曲線が各pHで僅かに何等かの変化を示した. 緒 口 牛乳のpH一熟安定性については,最初,Rose(ト3)が牛乳のpHと熟安定性の間に重要な関係があることを発見し て以来,数多くの報告(4∼−0)が行なわれているり牛乳の熟安定性については,Fox&MoIT・issey(11)の詳細な報告があ る・牛乳にはpH614∼7”4の狭いpHの範囲において,pH69附近で熱不安定になるA型乳とpHの上昇と共に熟 安定が漸次,上昇するB型乳とがある。香川大学農学部学術報告 第36巻 第1号(1984) 40 T−カゼインA型変異体は,Ca2+−insensitiveと言われている(12)が,不明の点が多い.本研究は,牛乳のpH一熟安定 性時にカゼインミセルの蛋白成分,紫外線吸収,紫外差スペクレレ,螢光スペクトルおよび円偏光二名性などの分光 的性質に及ぼす7−カゼインAの影響について検討したので,その結果について報告する・ 実 験 方 法 Ⅰ..r一カゼインA型の分離・精製 (1)供試乳:供試乳はホルスタイン種の個体乳を用いた.(2)カゼインの調製‥クリ・一ムセバレー・タ・−で脱脂後, 1N塩酸でpH4.6のカゼイン等電点法で分離して凍結乾燥した.(8)DEAE−カラムクロマトグラフィーによる7− カゼインAの分離・精製(13):カゼイン12gを5mMりん酸緩衝液(pH8”3)で平衡化したワットマン紙維性DEAE −セルロース(DE−23)カラム(3.8×50cm)に吸着させ,5mM,OhO2M,0..1M りん酸緩衝液(pH83)によるステッ プワイズ法により溶出分画した巾 溶出分画は40C の低温室で行ない,流速160mJ/bIで20mJづつ分敬し,日立 181型分光光度計により,280nmの透過率を測定し,7サブ■フラクションに分け,イオ■ン交換水で辞退,蒸潜水で透 析後,凍結乾燥した・7−カゼインAを多く含むⅠⅠ区分200mgは,0.05Mりん酸緩衝液(pH83)20mJに0‖1N 苛性ソー・ダ溶液を加えながら溶解し,pIi83としたのち,1000C,5分間加熱し,5mMりん酸緩衝液で透析して試 料とした.この試料をワットマン微粒子DEAE−セルロース(DE32)カラム(2。0×35cm)を用いて,同様にステップ ワイズ法により溶出分画した.流速27mJ/hIで9mJづつ分取した.5mMで35本,002Mで40本分取し,280nm の吸光度で測定し,5サブフラクションに分画し,透析後,凍結乾燥して,電気泳動を行なった. ⅠⅠ..ディスク電気泳動(14・1S)およびデンシトロール測定 (1)ディスク電気泳動はpH9.6,4M尿素で行なった.トリスアミノメタン,TEMED(N,N,N′,N′一テトラメチ ルエチレンジアミン),アクリルアミド,Bis(ビスアクリルアミド),リボフラビン,グリシン,過硫酸アンモニウム の各試薬を用いて,常法により,電気泳動装置(ミツミ科学産業KK,L−23−14型)を用い,ゲル管当り,1.5mAで泳 動させた巾(2)デンシトロ1−ル測定はToyo−DMU−25型積算メー・クー付デンシトロールで,17イルター621nm,ス リット5い10,感度1∼4 チャートスピード1:10の条件で測定した. ⅠⅠⅠい 牛乳の加熱試験 供試牛乳はホルスタイン種約300頭の混合乳を用いた・この牛乳を遠心脱脂後,防腐剤としてトルエンを脱脂乳100 mJ当り,5滴加えた= この脱鱒乳に011N塩酸および011N苛性ソ・−ダ溶液を加えて,pH6…4∼7‖4の範囲に調節 した∩ 対照(B型乳)には,各pHのトリス緩衝液0.1ml,B型乳+r−カゼインAでは,7−カゼイン1mgを各pHの トリス緩衝液0nlmJに溶解したものを試験管に入れておき,pHを調節した脱脂乳1mJを入れ,アルミホイルで蓋を して,30分間放置した一.この試料をオー・トクレープで1230c,1,、2気圧で加熱して,牛乳の凝固時間をしらべた. IV。.ゲル炉過によるカゼインミセルの分離(1岬) カラムはファーマシア杜のセファデックス・ラボラトリー・カラム(2.5×30cm)を使用し,40Cの低温室でゲル炉 過を行った.対照乳(B型乳)とB型乳+7一カゼインAをそれぞれpHG6,7.0,7い2に調節し,水を溶媒としてゲル 炉過した.溶出液は,Toyo−SF−160型■7ラクションコレクターにより,5mJづつ分取し,40本溶出した.流速は20∼ 25mJ/b【・で行なった… V..カゼインミセルの化学分析 1)試料の調製:セファデックスG−150により分画したカゼインミセル区分(G−150ミセル)を凍結乾燥して用い た..紫外線吸収,紫外吸収差スペクトル,螢光スペクトルの測定およびチロシン・トリプトファンの定急には,各pH の0.07M塩化カリウムを含む0い01Mイミダゾール緩衝液に1mg/mJの濃度となるように溶解した.また,円偏光二 色性(CD)の測定には,0.05M塩化ナトリウム溶液に0.25mg/mJとなるように溶解した..勿 紫外吸収スベタトレの
測定:試料を日立200−20型ダブルビ1−ム分光光度計により,300∼250nmをスキャンスピ・−ド120nm/minで測定し た−3)紫外吸収差スペクトルの測定:試料15mJに04N苛性ソ・−ダを加えて,pH80に合わせ,2)と同様に紫外 吸収スペクトルを測定した、つぎに,同試料を105にし,紫外吸収スペクトルを記録し,pHlO5∼80の吸光度差を 差スペクトルとした.4)螢光スペクトルの測定:試料は日立MPF−4型分光光度計を用いて,直接法により金螢光 量を測定し,励起波長を求めた‖ 励起極大波長である285nmを励起波長とし,300∼400nmの螢光スペクトルを下 記の条件で測定した.スリソト;励起側,螢光側共に10nm,フィルター;励起側のみUV一一ち1を使用,ダイノード VOt。;INT7;スキャンスピ1−・ド,120nm/min”5)円偏光二色性の測定:日本分光一ト20C型旋光分散計を用いて, 250∼190nmのCDを下記条件で測定した.セルの長さ,1mm;スケール,10;スexpansionlO;スリソト1;ス ピードコントロール,5×1また,G−150ミセルの分子塵を10万とし,極小値の分子隋円率(鋸)を算出した.6)テ ロシン・tリプト7ァンの定量(21):試料3mJ(1mg/mJ)に04N苛性ソーダ1mJを加えて,01N苛性ソーダ溶 液としたのち,日立181塑分光光度計により,280,2944,340,370nmの各吸光度を測定した.そして,チロシンおよ ぴトリプトファンの含量を次式により算出したけE=yA+(Ⅹ一y)β,ただし,方:チロシンとトリプトファンのモル濃度 の和,y:チロシンの・モル濃度,E:測定波長の吸光度,A:測定波長のトリプトファンの分子吸光係数… なお,含量 計静は340nmおよび370nmの吸光度より補正値を求め,280および2944nmの実測値から補正値を差引いた値を 上式にあてはめて計静したまた,分子吸光係数は2ぎOnmではチロシン1576,トリプトファン5225であり,2944Ilm では共に2375である. 実験結果および考察 Ⅰり r−カゼインA型の分離・精製 個体牛の牛乳より分離・精製したカゼインの電気泳動により,7− カゼインAを含むことがわかったので,DEAE−セルロ1−・スによる 分離試料とした,.β−カゼインのN一末端より28番目と29番目のリジ ンの間が酵素的に分解されて,7−カゼインが生成すると考えられて いる..また,β−カゼインから7−カゼインA,TS−A,およびR−カゼ インが生成し,β−カゼインBから7−B,TS−B,S−カゼインが生成 すると考えられている(18),これらの電気泳動(pH96,4M尿素) を行なうと,A型の場合,β−カゼインAより遅い移動度のところ に明確な2つのバンドが現われるが,β−かぜインの場合は3本のバ ンドが現われる(19)ので,7−カゼインの型を決定した.現在,7−カ ゼインAにはAl,A2,A3の変異体が知られている(20)が,今回は 固定は行なわなかった。.しかし,個体乳の60%以上がA2タイプ と言われている(21)ので,試料はA2の可能性が高い.また,7−, TS−,R−カゼインは,現在,71−,72−,73−カゼインの名称で呼ばれ ているい 要するに,DEAE−セルロ・−ズカラムによるカゼインのス テップワイズクロマトグラフィー(pH83)による分離・精製にお いて,得られた7−カゼインAはデンシトロ・−ルで測定した結果, 単一・なバンドとして現われ,純化されていたので,本実験に使用し た. pH
Fig.1.The pH−heat stability of milkい Type−B milk(○)showed alinear increase ofheat stabilitywith the h享gh pHvalue.Type−B milk plus T−CaSeinA(●)was changedintO type−A,although not a typical CurVe,Which was unstable at pH 6.9‖ ⅠⅠ.牛乳の顛安定性と㌢一カゼインAとの関係 牛乳の熟安定性に及ぼす7−カゼインAの影響について調べた結果は第1図に示した.対照乳(B型乳)に7−カゼ インAを添加すると,B型乳がA型乳に転換した.ただし,典型的なA型乳の曲線ではなかった.r−カゼインAの 添加により,pH66の軟性剤では安定化し,pH70の中性では不安定化し,pH7,.2のアルカリ側では未添加のもの と同じ安定性を示した
42 香川大学農学部学術報告 第36巻 第1号(1984) ⅠⅠ‡.ゲル炉過によるカゼインミセルの分離 セファデックスG−150を用いて,対照乳(B型乳)とB型乳+r−カゼインAの試料を水を溶媒としてゲル炉過した 溶出曲線の結果は第2図に示した.この結果から,pH7.0の中性のミセル区分の溶出が遅れ,pH6.6の酸性とpH7.2 のアルカリ性のミセル区分は,大体同じ溶出位置にあった.中性でミセルの溶出が遅れるのは,このpH附近でミセ ルの分子量が小さくなるためではないかと考えられるが断言はできない. 2 3 ︵○︷×︶∈U志N︶再00 pH 6.6 7.0 7.2 6.6 7.0 7.2 TBM TBM plusγ・Casein A Fig・3.Disc−gelelectrophoresis(pH 9.6,4M urea)ofcaseinmicelles,n・aCtionatedon aSephadexG−150column;type−Bmilk (TBM). 1 2 3 ︵01×︶∈u O∞N︶d CO 0 10 20 30 ノ10 Fraction number Fig.2.Concentrationofcasein micelle(A),Shoulder Ofcaseinmice11e(A’),WheyProtein(B),Non− protein(C).This shows successive n・aCtion (5m/)oftheefnuent followinggelfiltrationof Sample,10ml(type−Bmilk,Ⅰ;type−Bmilkplus r−CaSein A,II),at40C on a column(2.5×30
Cm)of Sephadex G」50.Elution was done with distilled watel・.Absorbance at 280nm WaSmeaSuredoneachfraction;−○−pH6.6, pH−●−7.0,一×−pH7.2. 1V.カゼインミセルの窓白成分 Ⅰ)H 6.6 7.0 7.2 6.6 7.0 7.2 TBM TBM plusγ・Casein Fig.4.Disc−gelelectrophoresis(pH9.6,4M urea)oftheshoulderofcaseinmicelles, fractionated on a Sephadex GM150 COlumn. セファデックス G−150のゲル炉過によって分離採取したカゼインミセル(A区分)とミセルの肩の部分(A′区 分)の電気泳動図は第3・4図に示した,第3図はB型乳 第4図はB型乳十r−カゼインAの試料である.この結 果から,カゼインミセル(A,主要部分)では,β−ラクトグロブリンの単量体は現われず,カゼインミセルの肩の部 分(A′)では応▼カゼインが現われなかった.この部分ではβ一ラクトグロブリンが現われた.この電気泳動図をデン シトロールにおけて,蛋白成分比(%)を示したものが第1表である.対照乳(B型乳)ではpHの上昇と共に乳は 安定化するが,カゼインミセル(A)区分では,β−カゼインがやや減少してrl−カゼインを増加した.γ2一,r3−カゼイ ンの変化は余り認められなかった・β−カゼインから γ1−カゼインが生成したものと推察された.方−カゼインは pH
Tablel… ThepTOteinconstituentofcasejnmicelleobtainedbyge‖iltratjonoftype−Bmi1k(TBM) andTBMplus7−CaSeinAonaSephadexG−150column Sample pH Fraction 2 = ︵β. 、 ヽ′ 7 方 βLg* α, Unknown αLa* Caseinmice11e CM(S)** Cas¢inmiceile CM(S)** Casein micelle CM(S)** Caseinmicelle CM(S)** Caseinmlcelle CM(S)** Casein micelle CM(S)** ヰ 5 9 8 0 5 、︶ q′ 5 5 7 9 18L 8 .6 5 つJ .7 4 ∠U 2 3 4 2 1 4 253.73 L & 3.22.〇4 4 ■・▲ 4 1 4 2 4 2 4一1 4 1
〓 iい⋮⋮一15 ∴、⋮
”一銅一”一摘一拍一鋸一
9 3 9 3 1 6 3 3 5 8 4 4 8 ■l ′0 へ︶ ′b 8 2 ■︸ 5 8 5 qノ 3 4 つJ 4 3 4 3 3 3 3 3 3 〇 1 0 1 9 4 ﹂ 3 8 〇 8 3 2& へ︸ 5 ■︸ 2 4 84 7 51■−▲l
7 J 2 1 3 1 一一 TおM*** T】∋M**plus 7−CaSeinA *βLg,β−Jactoglobulin;αLa,α−lactalbumin:**CM(S);Shoulder ofcaseinmicel]e:***TBM (type−Bmilk)7い0で最も含急が大であった‖αs−カゼイン含盈の相異は殆んど認められなかった付 このミセル区分には β−ラクトグ
ロブリン(βLg)と α−ラクトアルブミン 毎La)は存在しなかった、.しかし,ミセルの有[CM(s)コの区分には㌻, 7十,72−,?。一カゼイン含畳が大で,αs−カゼイン含盈が小であり,芳一カゼインを含有しなかった‖ この肩の区分では, ミセル(A)の主要部分とは反対にpHの上昇と共にβ−カゼイン含盈を増加して,γ1−,72−,γ3−カゼイン舎監を減少 したn また,αs,併.gはやや増加した〟 故に,ミセルはアルカリ性になるに従って,β−カゼインからの7−カゼインの 生成が減少し,α8−かゼインやβLgもミセルより遊離して,単盈体のものが増加するように思われた−ただし,βLg は分子盈の小さい肩の部分のミセルに複合体をつくってい るのかも知れない・B型乳+7−カゼインAでは,カゼイン ミセル(刃区分ではβ−かぜイン含盈が全体にやや減少し,7一カゼイン(71,72,7。)をやや増加した−pH上昇kよ るβ,7の増加傾向は似ていたいα5はpHの上昇と共に明らかに減少した・βLg,αLa共に存在しなかったい ミセル の蛋白成分比でみる限り,B型乳に7−カゼインAを添加して,A型乳に転換する原因は,pH7‖0で7・2−カゼインが 増加することによるのではないかと推察された.ミセルの肩の部分では,γ−カゼインAの添加によって71−カゼイン が増加した.γ。一カゼインは減少した= 肩の部分のβLgの含盈はB型乳と余り相異がなかった− Vり カゼインミセルの分光的分析 紫外線吸収スペクトルの結果は第5図に示したい 極大吸収は2‘75rlmであり,対照乳(B型乳)のミセルでは,pH の上昇と共にODが減少したり しかし,B型乳+r−カゼインAのミセルではpH6.6のミセルのODだけが顕著に 減少した−要するに,紫外線吸収の結果から,pHの上昇と共に熱安定化すると,ODが減少し,ミセルはコンパク トになるものと考えられるが,シフトしていないので,芳香族アミノ酸が分子内に取り込まれたものとは思われない.. 次に,pHlO。5と8l0のODの差の紫外吸収差スペクトルの結果(第5図)は,B塾乳,B型乳+T−カゼインAの両 者のミセル共に,pHの相異によるこのスペクトルの差は殆んど認められなかった.すなわち,チロシンのフェノー ル性OH基に直接,Caが結合するか,あるいはCaがカゼインのある部位に結合してチロシンの解離を抑制するか の判断はこのデータからはできなかった.螢光スペクトルの結果は第6図に示した巾 螢光極大波長は340∼345nmに あり,トリプトファンの螢光を示すり また,300∼310nm附近はチロシンの螢光であるが,値が著しく小さく,励起 光による散乱光が入り込み,この附近では,はっ重りしたデータとしてみることはできなかったりトリプトファンの 螢光は,8型乳ミセルでは,p壬王6..6のミセルで僅かに消光がみられ,pH−7‖0と7い2では相異は認められなかった.す なわち,pH66のミセルでは,トリプトファン残基の水素結合の僅かの減少がみられた.B型乳+7・−カゼインAのミ セルでは,B型乳ミセルとは逆の消光,すなわち,pH7.2>70>6.6の順の螢光強度を示した.しかし,大きな相異で香川大学農学部学術報告 第36巻 第1号(1984) 44 1.6 1“2 08 0.4 0 むUuむUS巴Onth 300 340 380 300 340 380 WL(nm) WL(nm) Fig巾6.FluorescenceofG−150micelles.A,type−B mi1k(TBM);B,TBM plus r−CaSein A: −,pH6”6;−”,pH7hO;,pH7.2:The maximumintensityof且uorescence ofTBM
WaS345,340,and342”5atpH6。6,7。0,and 7.2,Showingblueshift.,Thesameintensity of TBM plus7−CaSein A became smallin alkalineside 250 270 290 250 270 290 WL(nm) WL(nm) UV Spectra of G,150micelle 0 8 4 4 WL(nm) − ■ヨ×口○﹃ ー4 −8 −12 0 −4 −ノ8 250 270 290 WL(nm) Difference spectra of G−150micelle
Fig.5.UV−SpeCtraandDi飴rencespeCtra Of G− 150 micelles.Di飴rence spectra were shown inthe diffbrence between OD of pHlO‖5and8小0.,A,type−Bmilk(TBM); B,TBMplusT−CaSeinA;−,pH6h6;”−, pH′7L0;−・−,p劃「7.2. 70tX︹巴 0 1 0 −4 −8 −12 190 210 230 250 190 210 230 250 WL(nm) WI.,(nm) Fig,7.Opticalcirculardichroism(CD)curveofG−150 micelles・A,type−Bmi1k(TBM);B,TBM PlusT−CaSein A:1,pH6.6;2,pH7小0;3,pH 7.2… TheCDwasdeterminedin therangeof 190−250nmwithNihonBunkoJ−20C,Opti−
CalrotatoIy dispersion meter.Theminimum
Valueofmolecular ellipticitywascalculatedas
molecularweightofG−150micelleislOO,000
The minimum value of molecular ellipticity
【eL:type−B milk(TBM)(A),(1)pH6…6, 【列1975=11,64×10 ̄3,(2)pH7.0,川198。= 11い24×10 ̄3,(3)pH′7.2,岬】199。=10.16×10 ̄3; TBMplus7−CaSeinA(B),(1)pH6。6,【e]1,85= 10.84×10 ̄3,(2)pH70,匝】1,75=11.60×10 ̄3, (3)pH7.2,【卯199。=10.40×10 Table 2. The content of tyrosine and tryptophane
incaseinmice11e ×10 ̄6M pH rryr Trp Total Tyr Trp
5 5 0 0 8 2 1 つ︼ 5 1 0ノ 1 3 3 3 3 2 3 q/ ▲X︶ 3 4 2 ′﹂U 5 5 ′﹂U 5 5 5 6 7 7 ∠U ′hY /0 25262825封25 ′b 心 2 ‘U O .2 ′h﹀ 7 7 ∠U 7 7
i ′l
44:1 4,.6:1 4.6:1 4‖8:1 4て:1 46:1 M 哩 T * TBM* plus 7一CaSeinA *TBM(type−Bmilk) はない.また,310∼330nm,350∼400nmはイオン化したチロシンの消光を示すが,この実験で余り変化は認めら れなかった.次に円偏光二色性(CD)の結果は第一7図に示した..生のカゼインミセルであるので,pHの6い4∼7u4の 範囲でミセル構造が大きく変化することは余りないので,CD曲線も大きな相異は認められなかった。.ただし,僅か の変化として,極小値の分子隋円率は熱安定なもの程,僅かに小さくなっており,ミセルの分子はコンパクトになっ ているように思われた∴B型乳+7・−カゼインAのミセルでは,CD曲線に微妙な変化がみられた..ミセル中のチロシンおよびトリプトファン含盈の変化は第2表に示したぃこの結果の通り,TIyとTI・p含盈はB塑乳ミセルよりもB型 乳+r−カゼインAのミセルの方が僅かに小さく,Try:Trp比は前者よりも後者の方が僅かに大であったn また,B型 乳ミセルのTryとTrp含盈はpHの上昇と共に僅かに大となった.B型乳+T−カゼインAミセルでは,pH70で僅か に小となった、Tyr:Trp比か小さくなるのは,このアミノ酸含量の比率の低いカゼイン(β,αs)が増加したことに因 ることが考えられる. 引 用 文 献 59,203(1976)
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