琉球パイナップル畑土壌の研究 VI 大浜町畑土壌の交換酸性と加水酸性-香川大学学術情報リポジトリ

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17 第17巻第1号(19占5) 琉球パイ ナップル畑土壌の研究

Ⅵ 大浜町畑土壌の交換酸性と加水酸性

玉 置 贋 彦,梅 田

裕 前報(1叱おいて玉置は琉球八重山群島石垣島大浜町盛山地区のパイン畑現地調査の結果把ンついて報告したが,本報 において.は現地調査の際採取した土壌に.つき交換酸性と加水酸性を測定した結果について報告する.なお大浜町は

19占4年8月以降石垣市に合併された..したがって二本報告の地域は現在石垣市盛山となっていることを付記する.

Ⅰ試料の採取と調製 試料ほ19占5年2・−5月現地調査を施行した地点掴個所より計87点を採取した.試料は特記するもの.以外ほ動力耕起 された土壌を第1層とし,その下層に位置する未排起土壌を第2層として採取した.これらの土壌ほ風乾後粒径2 mmのふるいでふるいわけ,その風乾細土を供試した Ⅱ 実験方法と実験結果 実験方法は前報(2)と同様のカ法で交換酸度(.5yl)と加水酸度(5い5yl)を測定した..得られた結果龍閲し盛山第 第1表 盛 山 第1地 区 第2表 盛 山 欝 2 地 区 第5義 盛 山 第 5 地 区 1地区より第4地区まで地域別に第1・−4表にしめす Ⅲ 考 察 琉球におけるパインの肥培は前轍(2)において述べたよ うにこれまで谷型配合肥料が使用されてきた..すなわち 従来ほたとえば12−5−10配合肥料が多く用いられ,19占5 年以降ほ12−る一12配合肥料がこれに置きかえられている が,配合原料は窒素は硫安,りん酸は過りん酸石灰,重 過りん酸石灰のはかハイホスカなど,そして加塁肥料は 塩化加盟が使用されている.他力地域的立場より亜熱帯

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18 香川大学農学部学術報告 に属する琉球の土壌はポドソル的風化作用とともに緯度 が南進するにしたがいラテライト的風化作用をより多く うける傾向がある.したがってこの種の土壌に施用され たりん酸はパインの養分として役立つ前に土壌によって 吸収固定される部分が少くないであろうことは恩推され るところである.土壌の潜酸性なかでも交換酸性の起因 となる置換性の鉄,アルミニクム特に後者はこのことに 関連して蓮要な役割を果して.いるものと考えられる.よ っで本朝解凍いても前報(2ノ同様潜酸性のうち交換酸性を 主とし,あわせて加水酸性について考察を進めたい巾 第1表より盛山第1地区第1層土壌12点の交換酸度ほ 最多72“7(試料No..124),最少5.5(試料No..12のの範 囲にあり,試料Noい■110,11占,126の5試料を除く他の 試料はいずれも40以上の値をしめしてこいる.また加水酸 度ほ最多125..8(試料No巾124),最少44..4(試料Noり110) の範囲にあり,試料No.110を除く他の試料はいずれも 占0以上の値をしめしている… 第2層土壌11点の交換酸度 欝4表 盛 山 第 4 地 区 第 2 層 試料叫交換酸度l加水酸度 0 9 . 9 5 9 7つ 9 5 9 2 1 2 1 1 ZJ l ′0 ノ0 5 5 4 ′0 4 ノ0 5 7 8 ノ0 4 7 2 8 9 5 . 9 22 は最多82.1(舐料No.121),最少18.9(試料Noい111)の 範囲にあり試料No…111,115の2試料を除く他の試料ほいずれも40以上の値をしめしている.また加水酸度は最多 95..4(試料Noパ121),最少44一.0(試料No.イ19)の範囲にあり,全試料とも4ロー以上の値をしめしている..試料No・110 (第2層試料No.111)は低酸度をしめしているが,これほ前報(2)で認めたように未更新畑であることに密接な関係 をもつもののように思推する.また試料No.12占ほ琉球石灰岩(サンゴ礁)を基盤とする畑で,土層2占emをもつ土 壌がこの基盤上へうすく滞積している関係上動力排起の際その金屑が排起され第2層土壌が存在しない.またこの第 1層土壌ほ基盤の琉球石灰岩の主成分であるCaCO8により強く影響をうけていることはその潜酸性殊に交換酸度が著 しく少ないととからも思推されるところである..このことはこの畑のパイン作の不良なことに密接な関係をもってい る. 第2表より盛山欝2地区欝1層土壌11点の交換酸度は最多50.0(試料No小145),最少4巾5(試料Nol.147A)の範囲 にあり,試料No…147Aを除く他の試料ほいずれも2〕以上の値をしめしている.加水酸度ほ最多80.1(試料Nol.145), 最少弘.2(試料Noい147A)の範囲にあり,試料No.147Aを除く他の試料はいずれも50.以上の値をしめしている..第 2層土壌11点の交換酸度ほ.最多57り8(試料No…14占),最少7.9(試料No…148B)の範囲にあり,試料Noル148Bを除く 他の試料はいずれも20以上の値をしめしている“加水酸度ほ最多74いd(試料No.144),最少52い5(試料No.148B)の 範囲にあり,試料No.148Bを除く他の試料ほいずれも40以上の値をしめして−いるい 試料No…147A(第2屑試料No.148 A)ほ既述(1)のように山林を代採,山焼した後の,動力開墾直前の土地より得たものであり,試料No.147B(第2屑 試料No.148B)ほ水田跡を耕起したパイン作付予定地である.. 第5表より盛山第5地区層1眉土壌7点の交換酸度は最多55。4(試料No,1占1),最少75(試料No‖157)の範囲に あり,試料No…157を除く他の試料はいずれもはぼ20以上の値をしめしている.加水酸度は最多1ロ2.1(試料No−.159), 最少52.5(試料No.157)の範観にあり,全試料ほ50以上の値をしめしているい 第2層土壌7点の交換酸度は最多751・4 (試料No.1る占),最少12い2(試料No‖15占)の範囲にあり,試料No“154,15るの2試料を除く他の試料はいずれも2ロ以 上の値をしめして.いる.加水酸度は最多81,.る(試料No…1占る),最少45.占(試料Noり15占)の範囲にあり全試料ほ40.以上 の値をしめしている‖ 試料No.157(第2層試料Noい158)は道路に使用した風化琉球石灰岩の細片が豪雨により流入 した畑である.したがって第1眉土壌はCaqO8の影饗をうけて最少の交換酸度をしめしているが,このCaCO$は第2 層土壌にまでほ.その影響を著しく及ぼしていないことほ第2層土壌の交換酸度は21.9,加水酸度は55√.5の値をしめす ことより明かなところであるり このようにこの畑における琉球石灰岩の作用はその土壌が埴質の千枚岩土であること も加わって比較的軽微であることによりこれがパインの生育に慈影響を及ぼすまでに至らず現作パインほ異常を認め 難い..

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寛17巻第1号(19占5) 19 第4表より盛山第4地区第1層土壌14点の交換酸度は最多る2.1(試料No.187),最少21.7(試料No..175)の範囲紅 あり,試料No.175,185の2試料を除く他の試料はいずれも20一以上の値をしめしている.加水酸度は最多115。.0(試 料No小187),最少25小2(試料No.175)の範囲にあり試料No.175を除く他の試料ははぼ50以上の値をしめしている.. 第2層土壌14点の交換酸度は最多る9い4(試料No.188),最少1占…1(試料No…17占)の範囲にあり,試料No..17占を除く他 の試料はいずれも20.以上の値をしめしている.加水酸度は最多81.2(試料No..188),最少59…1(試料No‖172)の範 囲にあり,試料No.172を除く他の試料ほいずれも40.以上の値をしめしている.試料No.175(第2層試料No.176)も 前述の第ち地区第1屑試料Noい157(第2層試料No…158)を得た畑同様道路に使用した風化琉球石灰岩の細片が豪雨 により流入した佃であり,第1層土壌の潜酸性は第1−4地区全試料中最少値をしめしている.また第2層土壌の交 換酸度もこの第4地区中最少値である.すなわちこの畑の土壌は欝1,2層とも流入したCaCO8により著しく影響さ れておりパイン作ほ不毛である… .以上より各地区における傾向を総合的に判断するとき第1層に閲し交換酸度は第1地区は40以上の試料が大部分で あり第2−4地区は20以上の値をしめす試料が多く,加水酸度ほ第1地区ほ占0以上,算2−4地区は50以上の値をもつ 試料が多い.また第2層に閲し交換酸度ほ第1地区40以上 第2一4地区20以上の試料が大部分であり,加水酸度ほ ■全地区とも40以上の値をしめす試料が多い.すなわち第1地区ほ第2−4地区に比較して第1層の交換酸度と加水酸 度ほやや多い試料が多く,第2屑の交換酸度も同様の傾向をもっこ.とが知られる. つぎに第1屑土壌の交換酸度に閲しその数値が10以下のものを極少,10以上20以下のものを少,20以上4D以下のも のを著,40以上のものを顕著に区分し,風化琉球石灰岩細片イオンゴ礁細片.)の混入により土壌ならびにパイン作が 影響をうけている試料を除いてこれを集計するとき試料4−5点中交換酸度極少4点,同少2点,同著22点,同顕著15点 となり調査会試料の約8る%の交換酸度ほ著あるいほ顕著の部類紅属して.いる..そして交換酸度極少の試料4点中5点 は未更新畑より,1点ほ新開畑より得たものであり,交換酸度少の試料2点ほそれぞれ更新畑と未更新畑より得た試 料である“また交換酸度著の試料22点中19点は更新畑より,2点は新開畑よりそしてノ残り1点は.未更新畑より得た試 料であり,交換酸度顕著の試料15点中10点は更新畑より,4点ほ未更新畑よりそして残り1点は新開畑より得た試料 であるル すなわち更新畑償.おいてほこれに該当する全試辞斗50点中29点までが著あるいは顕著な交換酸度をしめしてい るこ.とほ前報(2)の石垣市畑と同様の傾向である.またパイン作の良好な畑紅関しては該当試料19点中全酸度極少2 点,著9点,顕著8点であり,展作畑においても交換酸度の著しいものが少なくないことほパインが好敵性作物であ ることによるものであろう.このようにパイン畑土嬢の交換酸性は更新畑において著しい値をしめすものが多い傾向 は前報(2)で論述したように亜熱帯気候下のこの地域土壌はパイン畑が更新されることによりその第1層はより著しく ラテライト的風化作用をうけることの可能性をしめすもののように思推される… Ⅳ 摘 要 琉球八重山石垣島大浜町盛山(現在石垣市盛山)の4地区におけるパイン畑土壌87点の交換酸度(5yl),加水酸 度(5…5yl)を測定しつぎの結果を得た. (1)盛山第1地区第1層土壌の交換酸度は40以上,加水酸度はる0以上,また第2層土壌は交換酸壁,加水酸度とも に40以上の値をもつ試料が多い.. (2)盛山第2・一4地区第1層土壌の交換酸度は20以上,加水酸度は50以上,また第2屈土壌ほ交換酸度20以上,加 水酸度40以上の値をもつ試料が多い. (3)琉球石灰岩の影響をうけて−いる畑土壌の交換酸度,加水酸度は低い値をしめし,パイン作不毛の畑も存在して いる、 引 用 文 献

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,梅田 裕:同上1る,150(19占5). (1J玉置鷹彦二本誌15,141(19朗).

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香川大学農学部学術報告

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Studies on Ryukyu pineapple field soil

VI Soilacidities of Moriyama fields

Takahiko TAMAKIand Yutaka UMEDA

Summary Pursuingthe formeIStudies,in thispaper,SOilpotentialacidities(exchange andhydzolytical acidity)of pineapple fieldin Moriyama,Ishigakトshi,Yaeyama,Ryukyu,Were determinedand the

following zesults were obtained.

(1)Most ofsoilsamplesinMoriyama−1district have above40exchange acidity,above60hydrolytical acidityin topsoiland above40both aciditiesin sub−SOil.

(2)Mostof soilsamplesin Mo工iyama−2,T5,−4districts have above 20 exchange acidity,above5D hydrolyticalacidityin top soilandabove20exchange acidity,above40hydrolyticalacidityinsub−SOil.

(3)Exchange and hydrolyticalaciditiesof soilsamples whichaffectedby Ryukyulimestone(weathered COralreef)arelow acidityり FoIthis reason,there were observed some fields havinglow pineapple

prod11CtS.

(Received May15,19る5)

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