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安全な畜産物の生産と生産性の向上適正な飼養管理家畜の健康の維持 家畜のアニマルウェルフェア (Animal Welfare) とは 国際獣疫事務局 (OIE) のアニマルウェルフェアに関する勧告の序論では アニマルウェルフェアとは 動物が生活及び死亡する環境と関連する動物の身体的及び心理的状態をいう

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全文

(1)

アニマルウェルフェアに配慮した

家畜の飼養管理

平成30年6月

(2)

家畜のアニマルウェルフェア(Animal Welfare)」とは

 日々の家畜の観察や記録

 家畜のていねいな取扱い

 良質な飼料や水の給与

家畜のアニマルウェルフェアに配慮することの意義

家畜のストレスや

疾病の減少

家畜の本来持つ

能力の発揮

適正な飼養管理

家畜の健康の維持

「5つの自由」とは、

① 飢え、渇き及び栄養不良からの自由、② 恐怖及び苦悩からの自由、

③ 物理的及び熱の不快からの自由、④ 苦痛、傷害及び疾病からの自由、

⑤ 通常の行動様式を発現する自由

国際獣疫事務局(OIE)のアニマルウェルフェアに関する勧告の序論では、

○ 「アニマルウェルフェアとは、動物が生活及び死亡する環境と関連する

動物の身体的及び心理的状態をいう。」と定義されている。

○ 「5つの自由」は、アニマルウェルフェアの状況を把握する上で、役立つ

指針とされている。

(3)

我が国におけるアニマルウェルフェアの状況

動物の愛護及び

管理に関する法律

産業動物の飼養及び

保管に関する基準

OIE(国際獣疫事務局)策定の指針(コード)

OIEとは、1924年にパリで発足した政府間機関で、動物疾病に関する 情報提供、動物由来食品の安全の確保やアニマルウェルフェアの向 上等が目的。

《飼養管理の一般原則》

《畜種毎の対応》

アニマルウェルフェアの考え方

に対応した飼養管理指針(平成21年~)

(肉用牛、乳用牛、ブロイラー、採卵鶏、豚、馬)

OIE指針の改正を反映

○ 従来より、家畜の飼養管理の一般原則として、「動物の愛護及び管理に関する法律」

に基づき、「産業動物の飼養及び保管に関する基準」が定められている。このような中、

アニマルウェルフェアに配慮した飼養管理を広く普及・定着させるため、「アニマルウェ

ルフェアに配慮した家畜の飼養管理の基本的な考え方について」を策定。

〇 また、「家畜伝染病予防法」に基づき、疾病の発生を予防するために定めた飼養衛生

管理基準等においても、アニマルウェルフェアに関する項目を記載。

○ 学識経験者、生産者、獣医師、消費者等からなる検討会を設置し、平成21年から畜

種ごとの「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」(肉用牛、乳用牛、

ブロイラー、採卵鶏、豚、馬)を作成し、OIE指針の改正に合わせて随時改訂。

2 アニマルウェルフェアに配慮した 家畜の飼養管理の基本的な 考え方について 注:下線を付した畜種は、OIEが指針を策定済み

(4)

「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」 のポイント

アニマルウェルフェア

(家畜の快適性に配慮 した飼養管理) 家畜の健康状態を把握するため、 毎日観察や記録を行う 家畜のていねいな扱い 良質な飼料や水の給与 畜舎等の清掃・消毒 を行い清潔に保つ 飼養スペースの適切な管理・設定 家畜にとって快適な 温度を保つ 換気を適切に行う 有害動物等の防除、駆除

家畜の能力が引き出され、家畜が健康になり、

生産性の向上や畜産物の安全につながる

○ 消費者等のアニマルウェルフェアの関心の高まりと海外の動きに対応し、「アニ

マルウェルフェアの考え方に対応した家畜の飼養管理指針」を畜種ごとに制定。

(5)

アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針

飼養管理指針

(参考)OIE指針

採卵鶏

平成21年3月 (30年3月改訂) (未策定)

平成21年3月 (30年3月改訂) 平成30年5月採択

ブロイラー

平成22年3月 (30年3月改訂) 平成25年5月採択

乳用牛

平成22年3月 (30年3月改訂) 平成27年5月採択

肉用牛

平成23年3月 (30年3月改訂) 平成25年5月採択

平成23年3月 平成28年5月採択※

○ 「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」は、OIE(国際獣疫

事務局)で採択された指針に即し、OIE指針の改正に合わせて随時改訂。

○ 現場の生産者への普及を図るため、飼養管理指針の内容に関する チェックリ

ストを作成・配布し、取組をさらに推進。

※ 「使役馬」について作成 ((公社)畜産技術協会策定等)) 4

(6)

「アニマルウェルフェアの考え方に対応した家畜の飼養管理指針」

に基づく飼養管理の実施状況についてチェックリストを用いて調査

を行った結果、同指針で推奨している方法とは異なる飼養管理が

行われている項目も一部見られる状況。

今後、畜産物の輸出拡大、

2020東京オリパラ大会に向け、アニマ

ルウェルフェアに配慮した飼養管理の水準の向上を更に図っていく

必要。

アニマルウェルフェアに配慮した飼養管理を広く普及・定着させるた

め、改めて同指針の基本的な考え方を整理して示したもの

(※)

本通知については、環境省と連携して都道府県を通じ、管理者及

び畜産関係者へ周知。

(※)アニマルウェルフェアの定義、5つの自由を確保するための対応、

家畜の飼養管理に携わる者の責務等を提示

「アニマルウェルフェアに配慮した家畜の飼養管理の基本的な

考え方について」

(平成

29年11月15日付け畜産振興課長通知)

(概要)

(7)

(参考)OIEアニマルウェルフェア指針の概要

1 OIEのアニマルウェルフェア指針については、2002年から作業部会を設置

し、順次、推奨事項として策定。

畜種ごとの指針については、ブロイラー、肉用牛、乳用牛、使役馬、豚が

策定済みで、採卵鶏については未策定。

3 策定に当たっては、専門家により構成される委員会で素案を作成し、加盟

国による意見提出を経て、総会で議論した上で採択。

ブロイラー(2013):温度環境、照明、空気の質、飼養密度の確保等

肉用牛(2013):暑熱・寒冷ストレスの回避、去勢・除角の手順等

乳用牛(2015):

使役馬(2016):馬具の取扱い、適切な労働負荷等

豚(2018):温度環境、空気の質、去勢・断尾の手順等

採卵鶏:今後作成の見込み

OIE(国際獣疫事務局、本部:パリ)は、1924年にフランスのパリで発足した、世界の動物衛生 の向上を目的とした政府間機関。2018年5月時点で182の国と地域が加盟、我が国は1930年に 加盟しており、アニマルウェルフェア指針作成にも寄与。 6

(8)

「飼養管理指針」のポイント①(乳用牛、肉用牛)

○ 農場内において、アニマルウェルフェアの考え方に対応した乳用牛・肉用牛の飼養管理を 実施するための指針で、牛の飼養を行う者が対象。

【主な項目】

1 管理方法

• 牛が快適に飼養されていることを、健康状態などの観察により把握・記録すること。けが・ 病気の発生予防等に努めること。 • 牛をていねいに取り扱うこと、除角などを行う際は、可能な限り苦痛を生じさせない方法を とること。 • 農場内における防疫措置等を適切に実施すること、飼養する施設・設備を清潔に保つこと。 • 牛の管理者・飼養者等のアニマルウェルフェアへの理解の促進を図ること。

2 栄養

• 牛の発達状態に応じ、必要な栄養を含んだ飼料と、十分な量の新鮮な飲水を給与すること。

3 牛舎・牛舎の環境等

• 日常観察等が容易であり、病原体・有害動物の侵入防止等必要な管理設備を備えている こと。 • けがなどをしにくい構造であり、適当な飼養スペースが確保されていること。 • 牛にとって快適な温度域の維持のために暑熱等対策が講じられていること、牛舎内に常に 新鮮な空気が供給され、牛の正常な行動に必要な明るさが確保され、騒音が抑えられてい ること。

(9)

「飼養管理指針」のポイント②(豚)

○ 農場内において、アニマルウェルフェアの考え方に対応した豚の飼養管理を実施するため の指針で、豚の飼養を行う者が対象。

【主な項目】

1 管理方法

• 豚が快適に飼養されていることを、健康状態などの観察により把握・記録すること。けが・病 気の発生予防等に努めること。 • 豚は社会的順位の確立等のために闘争する習性があることを理解し、豚をていねいに取り 扱うこと。去勢などを行う場合には、過度なストレスの防止や感染症の予防に努めること。 • 農場内における防疫措置等を適切に行うとともに、飼養する施設・設備を清潔に保つこと。 • 豚の管理者・飼養者等のアニマルウエルフェアへの理解の促進を図ること。

2 栄養

• 豚の発達状態に応じ、必要な栄養を含んだ飼料と、十分な量の新鮮な飲水を給与すること。

3 豚舎・豚舎の環境等

• 日常観察等が容易であり、病原体・有害動物の侵入防止等必要な管理設備を備えているこ と。 • けがなどをし難い構造であり、適当な飼養スペースが確保されていること。特に、繁殖雌豚の 単飼では、立ったり横になったりすることが妨げられることなくできる広さを確保すること。 • 豚にとって快適な温度域の維持のため、暑熱等対策が講じられていること。豚舎内に常に新 鮮な空気が供給され、豚の正常な行動に必要な明るさが確保され、騒音が抑えられているこ と。 8 注:豚の飼養管理指針について平成30年度に改訂予定

(10)

「飼養管理指針」のポイント③(採卵鶏・ブロイラー)

○ 農場内において、アニマルウェルフェアの考え方に対応した採卵鶏・ブロイラーの飼養管理を 実施するための指針で、鶏の飼養を行う者が対象。

【主な項目】

1 管理方法

• 鶏が快適に飼養されていることを、健康状態などの観察により、把握・記録すること。けが・病 気の発生予防等に努めること。 • ヒナを群飼すると尾羽などをつつき合う習性があることを理解し、その防止措置を講ずること。 鶏をていねいに取り扱うこと。 • 農場内での防疫措置等を適切に行うこと、飼養する施設・設備を清潔に保つこと。 • 鶏の管理者・飼養者等のアニマルウエルフェアへの理解の促進を図ること。

2 栄養

• 鶏の発達状態に応じ、必要な栄養を含んだ飼料と、十分な量の新鮮な飲水を給与すること。

3 鶏舎・鶏舎の環境等

• 日常観察等が容易であり、病原体・有害動物の侵入防止等必要な管理施設を備えていること。 • けがなどをしにくい構造であり、適当な飼養スペースが確保されていること、ケージの高さは 鶏が正常に立つことができる高さとすること。エンリッチドケージ等は、闘争性の増加や個体 の衛生管理等の面で研究の余地があることに留意すること。 • 鶏にとって快適な温度域の維持のため暑熱等対策が講じられていること、鶏舎内に常に新鮮 な空気が供給され、鶏の正常な行動に必要な明るさが確保され、騒音が抑えられていること。

(11)

【現場での実践①】 家畜にとって快適な温度を保つ

○ 家畜にとって快適な温度や湿度を保つことは、健康管理上極めて重要。

○ 畜産の現場では、夏場の暑熱対策や冬期の寒冷対策が、畜種ごとの特性

や月齢に応じて取られている。

ミストの噴霧と換気扇による 畜舎の冷却 保温性に優れたジャケットを 着た子牛 ガスストーブによる ひよこの保温

具体例

10

(12)

【現場での実践②】 良質な飼料や水の給与

○ 清潔で新鮮な水の給与と適切な栄養管理は、家畜を飼育する上で不可欠。

○ 適切な栄養状態を維持するためには、家畜の毎日の観察が重要。

具体例

反芻家畜である牛には、 良質な牧草の給与が不可欠 群内の争いを極力減らすため、 一度に多くの個体が食べたり 飲んだりできる給餌器や飲水 器を使用 健康状態を保つため、飼槽や水槽 のチェックと清掃が重要

(13)

【現場での実践③】 飼養スペースの適切な管理・設定

○ 畜舎の設計に際しては、家畜の行動様式に配慮するとともに、 換気量の

十分な確保や清潔さを保てる材質の選択が大切。

○ 家畜の行動を日々観察することによって施設の問題を把握し、対策を講じ

ていくことが重要。

具体例

カウブラシを用いた 身繕い おがくずを床に敷いて、 清潔さが保たれている畜舎 天井からの採光や 換気扇の設置 12

参照

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