「IME2009」中国特別プレゼンテーション “JNTOのMICEイヤーへの取り組み” “インセンティブ旅行の開催実績から見る中国からの訪日者動向の考察等” 【日時】2009年12月9日 【場所】東京国際フォーラム 【主催】日本政府観光局(JNTO)、観光庁、日本コングレス・コンベンション・ビューロー(JCCB)の 3者共催 東京国際フォーラムで12月8日と9日の2日間にわたり「第19回 国際ミーティング・エキスポ IME2009」が行われた。9日の催事では「中国特別プレゼンテーション」があり、日本政府観光局 コンベンション誘致部長・小堀守氏より“JNTOのMICEイヤーへの取り組み”に関するプレゼンテー ション。そして中国のBaidu.Incバイドゥ株式会社 駐日首席代表・陳海騰氏による“インセンティブ 旅行の開催実績から見る中国からの訪日者動向の考察等”のプレゼンテーション。陳氏は、観光 庁から12月8日に“YOKOSO! JAPAN大使”に任命されたばかりで、中国最大のシェアを誇るインタ ーネット検索エンジン運営会社、Baiduで活躍されている。 【イントロダクション】 「中国訪日旅行市場の最新動向 ~成長の鍵は中国市場と MICE」 日本政府観光局 コンベンション誘致部長・小堀守氏 ■訪日中国人旅行者数の推移 日本のインバウンドが全体で 2 割落ち込んでいる状況の 中で、中国は 10 月に 25%増を示しており 11 月、12 月も 数字は伸びると期待されています。今年の夏の新型イン フルエンザと円高で数字が伸び悩む時期もありましたが、
桜の時期や夏休み、10 月の国慶節の時期は高い成長率を誇っており、今後のインバウンドの起 爆剤としての訪日中国人旅行者の更なる増加が期待されています。 ■インセンティブ市場を取り巻く動き 市場は顕著な拡大傾向で、1,000 人以上の超大型団体が発生しており、グローバル(外資系)企 業の実施、グローバルホテルチェーンのセールス強化などが行われています。 日本政府観光局としては、北京、上海、香港の3つの事務所を拠点に、インセンティブ関係のコン ベンション、セミナーの開催や専門見本市への参加によるセールスリード獲得と情報収集。旅行 会社、インセンティブハウス、企業へのセールスとコンサルティング。中国側・日本側のニーズの マッチング、ビザ手続きの円滑化支援、観光庁と連携した事業実施などを行っています。しかし日 本の大都市以外の地名度が低いという現状を再認識し、産業観光などを世界の方々に認知して もらうための活動が必要だと感じています。訪問団への歓迎体制や日本独自のユニークなプログ ラムを地域と民間企業が協力して作って欲しいと思います。
「購買力抜群の中国人観光客の攻略方法 Baidu.com を活用したプロモーション~」 Baidu.Inc バイドゥ株式会社 駐日首席代表 陳 海騰 氏 【インセンティブ旅行の開催実績からみる訪日動向の考察】 125 名の Baidu のインセンティブ旅行を今年の秋 に日本 で行 いました 。その時 の参加者は 主に Baidu の広告主の 20~30 代の男女で 3 泊 4 日の 行程で東京、箱根などを回りました。 中国人が重視するのは、日本らしさを味わうことと プレミアム感を満喫することにあります。部屋が広 く東京タワーの見える東京プリンスタワーを宿泊 先に選び、屋形船の東京湾めぐりでは芸者の出 張サービスまでやることで中国人の抱いているイメージ通りの日本を見せました。箱根のホテルで は、中国国旗で歓迎の出迎えをし、和室で浴衣を着て日本酒を飲む 120 人の宴会を開催するなど、 超日本的なおもてなしを実効。その他、ショッピングモールなど行く先々で、「熱烈歓迎」の幟を用 意した結果、非常に喜んでいただけました。 経済効果は、ツアー代金が総額 3,000 万円、ショッピングは御殿場のアウトレットモールの 2 時間 だけでも 2,000 万円購入しており(1 人あたり 20~30 万円の計算)、合計 9,000 万円にのぼります。 インセンティブ旅行の特徴として、グループで行動するのでショッピングが盛り上がるということが 挙げられました。時間制限があり、ゆっくり考える余裕がない中、仲間同士競い合い自慢しあいな がら高いものを買うという買い物のプロセスを楽しみ、結果として沢山の買い物をしていただけま した。 アンケート結果を見ると、食事は細やかな和食が人気で、部屋の大きさやプレミアム感、箱根の温 泉での日本的な滞在に感激をしていて、もう一回日本に来たいという感想が多く寄せられました。 ここで重要なことは、インセンティブ旅行の参加者は、有名企業のハイクラスな人ばかりなので、 旅行に満足してもらえると、帰国後の口コミ効果が期待できるということです。 単にハードウェア的なアピールではなく、細かい日本的なサービスで差別化を図り、プレミアム感 を提案することが高評価を得るポイント。もし Baidu としてインセンティブ旅行を企画するなら、外資 系の高級チェーンホテルより帝国ホテルや 2 万坪の庭園を持つ椿山荘フォーシーズンズホテルな ど、日系ホテルのスイートルームを提案したいと考えます。
蛇足ではありますが、文化の違いから思わぬクレームにつながることがあるということも忘れては なりません。例えば、せっかく温泉に来たのに畳の上にベッドがあったのでキャンセルになったケ ース、女性用トイレに男性清掃員が入って来て不快感を覚えるなど、意識無意識の言動に対して トラブルが発生しました。そこでガイドなどが、いかに迅速に誤解を解くかなど、適切な対処が出 来るかということも重要でしょう。 【プロモーションと差別化戦略で、中国からのインバウンド集客】 訪日中国人の行動パターンを見ると、情報収集はインターネットでの検索が主流です。出発前に 下調べをして、日本で観光をして、帰国後に買い損ねたものやもう一度買いたいものを探すという パターンが多くあります。 そんな彼らに効率的に食い込むためには、出発前の中国人に日本企業やホテル、お店情報を見 せてクーポンなどを発行して誘導したり、また帰国後の中国人の購買も逃がさないために日本商 品を買えるサイトを用意してアピールする必要があります。 現状は、中国語の日本のコンテンツが少なく、中国語のサイトがあったとしても翻訳が直訳になっ ているため、中国人に十分にアピール出来ていないことが問題でしょう。インターネットを通じて、 地域の名産や温泉など、他との差別化を明確に打ち出したプロモーションを行うことが肝要です。 今までゴールドコースと言われてきた成田から関空に抜けるコースから、既に経験した中国人の2 回目、3回目のリピーターは、訪日のスタイルが滞在型に移行してきました。温泉やゴルフ、グル メなどの目的がある旅行が多いと理解し、地元に中国人を呼び込むための対策を地方自治体と 民間企業が連携をとって取り組む必要があります。 例えば「沖縄は海が綺麗」だけでは、ハワイや他のリゾートとの差別化が全くされません。日本の 観光シーズンに来日すると、ホテルの予約がとれないなどのデメリットもありますが、一方、「中国 ではピーク時の旧正月の時でも、日本ならばオフピーク時期なので中国の国内旅行の半額で5つ 星ホテルに泊まれる」など、こういうアピールも非常に効果的です。 【Baidu(Baidu.com)の活用事例】 Baidu は 3 億 3800 人の中国ユーザーに配信可能で、中国のターゲットユーザーを誘導することが 可能です。更にどの地域からのアクセスが多いかなどの解析も出来るので、安いコストでテストマ ーケティングも出来、ユーザーの反応をみながらプロモーションをかけるという使い方もできます。 掲載の実績としては、国土交通省 観光庁 VJC のブランドリンク広告やリスティング広告などに は沖縄キャンペーンやホテル グレイスリー銀座(東京)などがあります。最近では、ネットでの広 告と連動して中国本土でのセミナーを開くなどのキャンペーンを行い、更なる訴求効果を追求する 取り組みも行っています。
【編集後記】
個人向け観光ビザ解禁というポジティブな要因やインフルエンザや円高などのマイナス要因が複 雑に混在する 2009 年、それらを全て吹き飛ばす程の中国の右肩上がりのパワーを改めて感じさ せられました。日本にしかないもの、地方でしか味わうことの出来ない魅力を官民が協力して掘り 起こし、中国人の心を揺さぶるメッセージを発信していく必要を感じました。