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定期金に関する評価 1. 概要生命保険金は その支払方法が一括で支払われるものと年単位の分割払いのものがあります 税務上は前者を一時金 後者を有期定期金又は終身定期金といいます ( 相法 24) いずれにしても 相続税の課税対象となっています ( 相基通 3-6) なお 平成 22 年度税制改正前は

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 定期金に関する評価

 保険事故発生前に保険契約者が死亡  保険事故発生前に保険金受取人が死亡

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定期金に関する評価

1.概要 生命保険金は、その支払方法が一括で支払われるものと年単位の分割払いのものがあります。税務上は前者を一 時金、後者を有期定期金又は終身定期金といいます(相法 24)。いずれにしても、相続税の課税対象となっています (相基通 3-6)。なお、平成 22 年度税制改正前は、有期定期金の年払契約は下記のようにディスカウントされ大きく 有利になっていました。仮に、故人の遺産に現預金が 30 百万円ある場合に相続が発生すれば、相続税法上はその まま 30 百万円と評価されてしまいます。しかし、生命保険契約で 30 百万円を支払生命保険料として一括で支払い、 死亡保険金受取人を配偶者や子供にすること、さらに一時金ではなく年金形式で受け取ることで相続税法上は下記 のように評価を下げることが出来ました。 有期定期金 無期定期金 残存期間 評価割合 権利取得時の年齢 評価倍数 ~5 年以下 70% ~25 歳以下 11 倍 5 年超~10 年以下 60% 25 歳超~40 歳以下 8 倍 10 年超~15 年以下 50% 40 歳超~50 歳以下 6 倍 15 年超~25 年以下 40% 50 歳超~60 歳以下 4 倍 25 年超~35 年以下 30% 60 歳超~70 歳以下 2 倍 35 年超~ 20% 70 歳超~ 1 倍 ※年金額×15 と上記のいずれか低い方 2.平成 22 年度税制改正後の取扱い (1)給付事由が発生している定期金の権利の評価額 以下の①~③のうち、いずれか多い金額となります。 ①解約返戻金の額 ②年金を一時金に変更できる場合は、当該一時金の額 ③予定利率を基に算出した額 (2)給付事由が発生していない定期金の権利の評価額 上記①の解約返戻金の額とされます。 3.適用時期 上記(1)の改正は、平成 22 年 4 月 1 日以降に締結された生命保険契約は、同期間内に相続、遺贈、贈与によっ て取得した場合から適用されます。施行日(平成 22 年 4 月 1 日)以前に締結された生命保険契約は、平成 23 年 4 月1日以後の相続、遺贈、贈与から適用されます(附則 32)。上記(2)の改正は、平成 22 年 4 月 1 日以降の相続若 しくは遺贈又は贈与によって取得した場合から適用されます。

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4.参考 10 年間で 230 万円ずつ、合計で 2,300 万円の生命保険金(有期定期金、被相続人である夫が保険料を負担)を 相続人である配偶者が受け取る事例がありました(国税不服審判所 平成 17 年 2 月 22 日裁決)。この事例では年金 形式の支払にかえて、特約年金の未支払分の現価 2,059 万 8,800 円の一時金支払を選択できる生命保険契約でし た。 ウ 他方,原告は,平成15年8月27日,長崎税務署長に対し,Bを被相続人とする相続税の申告書を提出し,その申告に係る相続財 産の中には,本件年金受給権の総額2300万円に0.6を乗じた1380万円が含まれている。 旧・相法 24 条により、相続税の計算上は 2,300 万円×60%=1,380 万円と評価されています。上記の税務訴訟の 争点は、毎年の生命保険年金 230 万円に雑所得として所得税が源泉徴収課税されるのが、相続税が課税済のもの は所得税を非課税とする所法 9①十五(現十六号)に違反しているとして争うものです。この不服申立については、異 議申立→国税不服審判所の裁決後の長崎地裁で、納税者勝訴の判決が出て波紋を呼んでいます(平成 18 年 11 月 7 日判決、江崎事件)。現行の行政実務を根本的に覆すもので、課税庁サイドは当然に控訴しました。そして、控訴 審の福岡高裁 平成 19 年 10 月 25 日判決では、国税庁が逆転勝訴しました。納税者側は上告し、最高裁の平成 22 年 7 月 6 日の判断では一審の長崎地裁と同様に二重課税に該当するとされました。このため、同様の有期年金により 源泉課税されているケースでは過去 5 年分までは所得税の還付がされることになります。 なお、年金保険以外の上場株式や不動産を相続した場合も時価評価されて相続税が課税されます。そして、売却 時点では簿価を引き継いだ相続人に譲渡所得税が二重課税されます(所法 60①一)。例えば、被・相続人の取得価 額 5 億円、時価 10 億円の上場株式を相続する際に相続人が相続税 2 億円を負担して、相続後に 9 億円で市場売 却すれば、9 億円-5 億円=4 億円の譲渡所得に所得税が 7%で 2,800 万円、住民税が 3%で 1,200 万円、合計で 10%の 4,000 万円が課税されます。これらも最高裁の解釈に従い所法 9①十五(現十六号)に反して二重課税となる かを政府が検討してきました。学者を中心とする政府税制調査会の研究会報告書では、最高裁判決の趣旨と保険年 金以外の相続財産で所得税との二重課税となるかを検討しています。そしてその結果、土地や建物等の不動産・株 式や債券等の有価証券から生じる将来の地代収入やキャピタル・ゲインに二重課税の問題はないと結論づけていま す。 第 8 回 全 体 会 合 資 料 平 成 22 年 11 月 9 日 http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/22zen8kai.html

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保険事故発生前に保険契約者が死亡した場合

1.概要 父が保険契約者で保険料を負担し、孫を被保険者として、死亡保険金受取人を子供・生存保険金受取人を孫とす る養老生命保険に加入していて、父が死亡した場合の課税上の取扱いは以下の通りです(財基通 214)。 生命保険契約の権利の評価額=解約返戻金-源泉徴収所得税 死亡保険金が 2 億円(事故・災害死亡のケースでは 1 億円増し)、支払保険料が 1.6 億円、解約返戻金が 1.5 億 円の養老保険の場合を解説します。被保険者に保険事故未発生のため、死亡保険金は支払われません。この権利 は、解約返戻金 1.5 億円と評価されます。相続においてはみなし相続財産ではなく、本来の相続財産として相続人の 遺産分割協議の対象となります。満期(生存)保険金の受取人は孫ですが、遺言が無い限り孫に相続する権利はあり ません。なお、この取り扱いは解約返戻金の無い掛け捨ての定期保険には適用がありません。 2.平成 15 年度税制改正前の取り扱い 平成 18 年 3 月 31 日までに生命保険契約の権利を取得した場合は、以下の非常に有利な評価方法でした(旧・相 法 26、経過措置による)。 生命保険契約の権利の評価額=支払保険料×70%-死亡保険金額×2% つまり、解約返戻金が相続時点で 1.5 億円の保険契約でも、支払済保険料が 1.6 億円で死亡保険金が2億円なら ば生命保険契約の権利の評価額は、1億 800 万円となります。相続対策としては、本人が既に高齢で被保険者として は生命保険に加入できないケースが多くみられます。このような場合は、本人ではなくその子供を生命保険に入れま す。つまり親が保険契約者となり、子供を被保険者とします。そして数年間で支払保険料 1.6 億円を負担します。その 後に親が亡くなったとしても被保険者は子供ですから、死亡保険金はでません。相続財産は保険金ではなく、その生 命保険を解約した場合の解約返戻金 1.5 億円となります。解約返戻金が 1.5 億円でも、その権利の相続税評価額を 70%以下に圧縮できました。現預金 1.6 億円を、養老保険利用で 70%評価に出来ました。この有利なスキームが普 及したため、税制改正で法律が変更されました。平成 18 年 4 月 1 日以降に、生命保険契約の権利を取得した場合 は上記1.の通り解約返戻金の額で評価されます。

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3.税制改正意見と支払調書 国税庁が財務省へ提出した平成 22 年度税制改正意見では、保険契約者の名義変更が行われた場合にも保険会 社へ「保険契約等の異動に関する調書」の提出義務を課すように法改正を要望しています。現行法制上では、保険 金の支払時点(被保険者の死亡、満期又は解約)でしか支払調書の提出義務が無いためです(所法 225①四)。 ① 具体的には、下記事例のように保険契約者(被相続人)が死亡しても支払調書の提出義務が無いため、解約返戻金相当額の相続 財産が補足出来ないからです。 ・資産家である父が、一時払個人年金保険に支払保険料 1 億円で加入する。 ・保険契約者=父親、被保険者=父親、死亡保険金受取人=長女、年金受取人=父親 ・上記の相続税の課税関係は、父の相続財産として生命保険契約の権利として解約返戻金額 1 億円で課税される。 ・そこで、保険契約者を長女に変更し、さらに死亡保険金受取人も長女に変更する。 ・年金開始前に長女は個人年金保険を解約し、解約返戻金を約 1 億円受けとる。 解約返戻金を支払った保険会社は、「保険契約者:長女、死亡保険金受取人:長女、支払保険料 1 億円、解約返戻金1億円」 の内容の調書を税務当局へ提出する。 ・保険契約者(長女)が 1 億円支払い、1 億円の解約返戻金を受けとったので利益はなく長女の一時所得税課税はない 上記事例は、租税回避ではなく脱税です。本来は、父が 1 億円払って長女が 1 億円受けとっていますから、1 億円に対する贈与税が 長女に課税されるべきケースです。 ② また、夫が自分を保険契約者・被保険者とする定期保険契約を締結して相続発生の直前に保険契約者を妻に名義変更しても、死 亡保険金の支払時には変更後の契約内容で支払調書が提出されます。このため、本来は相続税の課税対象となる夫が負担してい た支払済みの生命保険料が所得税とされてしまい、いくら夫が負担していたかを把握出来ないからです。 ③ 同様に、夫が自分を保険契約者・被保険者とする養老保険契約を締結して満期や解約の直前に保険契約者を妻や子供に変更して も、満期保険金の支払時には変更後の契約内容で支払調書が提出されます。このため、本来は贈与税の課税対象となる夫が負担 していた支払済みの生命保険料が一時所得や雑所得の所得税とされてしまい、いくら夫が負担していたかを把握出来ないからで す。 これらを悪用して、相続税の調査でトラブルとなる事例も報告されています。例えば、以下のような生前贈与・相続 税対策です。 ・短期払終身保険、保障額 1,000 万 ・保険料払込期間 5 年、全期前納 541 万円(年払換算 108 万円) ・保険契約者=父親、被保険者=長男、保険金受取人=父親 ・5 年経過後に保険契約者を長男に、保険金受取人を長男の妻に変更 この場合は、保険契約者=実際の保険料 541 万円の負担者は父親です。つまり、父親から長男の妻への保険料 541 万円の贈与に該当します。しかし、被保険者の長男が死亡する頃には、長男の妻が税負担の軽い一時所得を得 る結果になります。

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保険事故発生前に保険金受取人が死亡した場合

1.概要 父親が保険契約者(=保険料負担者)かつ被保険者で、母親が保険金受取人、その母親が先に死亡し父親がそ の保険金受取人を再指定しないまま死亡した場合は、その死亡保険金は誰が受取人になるのでしょうか。つまり、被 保険者よりも先に保険金受取人が死亡した場合です。 子供が 2 人、被保険者(父親)の兄弟が 2 人、保険金受取人(母親)の姉妹が 2 人で保険金が 4,000 万円と仮定し ます。そして、父親と母親の両親は既に死去しているものと仮定します。通常は、被保険者(父親)の子供が法定相続 人なので子供 2 人が 2,000 万円ずつ死亡保険金を受け取ると解釈しそうです。そして、父親と母親の兄弟姉妹は、第 3 順位の法定相続人なので保険金をもらえないと誤解しそうです。 この場合は、保険金受取人(母親)の相続人が受取人になります(商法 676②)。つまり、母親の法定相続人(子供 2 人)と順次の法定相続人である姉妹 2 人、また父親の法定相続人と順次の法定相続人である兄弟 2 人も含まれま す(最高裁 平成 5 年 9 月 7 日判決)。そして、その死亡保険金の受取割合は、法定相続分ではなく均等分つまり平 等とされます(民法427)。よって、上記の事例の場合は、子供 2 人と父親の兄弟 2 人、母親の姉妹 2 人で 4,000 万 円÷6 人=667 万円ずつ分割支給されることになります。安易な解釈で保険金受取人を被保険者の相続人と誤解し たり、法定相続分で保険金受取割合を期待して保険会社とトラブルにならないように注意が必要です。 2.商法改正と新会社法 新・会社法が平成 18 年 5 月から施行されたので商法は廃止された、と誤解される場合があります。確かに、新会社 法の施行により有限会社法や商法特例法(監査特例法)は廃止されました。しかし、商法自体は現在も存在していま す。会社法の一部となったのは、改正前の商法の一部だけであり、それ以外の部分は現在も商法のまま存在してい ます。保険や匿名組合等に関する規定は、現在も商法の中に含まれて生きています。そして現代化の検討が法務省 法制審議会・保険法部会で行われ、商法から独立して平成 20 年 5 月 30 日に保険法が成立し 6 月 6 日に公布され ました。この法律は、平成 22 年 4 月 1 日から施行されています。 保険法 第 46 条(保険金受取人の死亡) 保険金受取人が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となる。 ※この条文は、任意規定とされます。したがって、保険金受取人が先に死亡した場合に誰が保険金受取人に変更されるかについて、約 款等であらかじめ定めている場合は、この条文は適用されません。

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3.実務上の留意点 まずは、保険証券と約款のチェックが必要です。上記の平成 5 年の判決を受けて各保険会社は約款を見直し、あ る会社は相続割合、ある会社は平等と分かれています。下記は、法定相続割合の約款例です。 第○条(保険契約者および保険金受取人の変更) 「保険金受取人の死亡時以後、保険金受取人の変更が行われていない間に保険金の支払事由が発生したときは、保険金受取人の死 亡時の法定相続人(法定相続人のうち死亡している者があるときは、その者については、その順次の法定相続人)で保険金の支払事由の 発生時に生存している者を保険金受取人とします。」 4.保険金受取人が特定個人ではなく「法定相続人」と指定されている場合 保険契約者が保険金受取人を指定する場合、通常は例えば「日本花子」というように特定個人の氏名をもって指定 します。受取人が特定個人ではなく「法定相続人」と指定されている場合は、「被保険者」の相続人ではなく「保険契 約者」の相続人が受取人となります。その死亡保険金の受取割合は、法定相続分の割合になります(最高裁 平成 6 年 7 月 18 日判決)。上記1.のケースと相違して、均等割りにはなりません。この場合は、相続放棄しても生命保険金 を受け取ることができます。

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本レターに掲載している情報は、一般的なガイダンスに限定されています。この文書は、個別具体的ケースに対する会計・税務のア ドバイスをするものではありません。会計上の判断や税法の適用結果は、事実認定や個別事情によって大幅に異なることがありえます。 また、解説の前提となる会計規則や税制が変更されている可能性もあります。実際に企画・実行される場合は、当事務所の担当者にご 確認ください。

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