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成島柳北『新柳情譜』二編評釈

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Academic year: 2021

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高橋昭男   成島柳北『新柳情譜』二編評釈    凡例 一、 底本には、 『花月新誌』第七十九号(明治十二年八月十三日発行) 号( たり連載された 「 新柳情譜」二編を使用した。 一、 た。 が、 名、 で、 め、 る。 し、 字体を用いた。 一、 は、 名、 が、 名、 し、 し、 読を付した。 一、 は、 名、 で、 りとし、訓読を付した。 一、 し、 付した。 一、難読漢字にはルビを付した。 一、すべての訓読文に、現代語訳を付した。 新柳情譜二編 濹上漁史戯稿 秋風道人漫評 阿山(新橋)七十九号 翁、 り、 ふ。         ふうぼう   一段の情」 。この句、 はなは 山その人に たり。阿山、 年紀、 ず。 人、 す。 し、 り。 る、 み、 じ、 む。 ず。 膓、 生、 たのしま に、 所、 ば、 り。 余、 る、 年。 ず。

成島柳北『新柳情譜』二編評釈

 

 

 

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成蹊人文研究   第二十五号(二〇一七) て、 する能はず、と云ふ。 一雨殘春啼子規    一雨   残春   子規啼く 小樓好是把吟巵    小楼   好し是れ   緑陰風露凄清地    緑陰の風露   凄清の地 却與吾人物色宜    却つて吾人と物色宜し ふ。 余、 み、 西 慶、 る。 楼、 歳。 約、 児、 り。 し、 妓、 固より軽んずべからず。 鉄膓子、 少年勇鋭、 筆力、 鼎を ぐ。 識見老成、 その阿山を愛する、果して見、有るなり。 山。 山・ た。 じ。 が、 妓・ ・ 元 ら、 た。 る。 る。 =『 者、 膓。 友。 い。 る。 =『 者。 号。 意。 す。 じ、 む。 いさま。◯物色=ありさま。景色。◯ 『金瓶梅』 =中国四大奇書の一。 説。 西 記。 西 門慶の第三夫人。 ◯風度=なりふり。 威儀態度。 ◯婉約=しとやかで、 控え目なこと。◯甁児=西門慶の第六夫人 李甁児。 『金瓶梅』の甁。 西 人・ 蓮。 金。 格。 る。 と。 記・ 紀「籍長八尺餘、力能扛鼎」 ]。 現代語訳   お山(新橋)   る。 ず、 い。 と、 」。 は、 る。 に、 る。 り、 う。 え、 や、 し、 退 ら、 だ。 は、 い。 は、 ぶ。 五、 が、 い。 も、 く、 お手上げということだ。 一雨が来て春もおわりに近づき、ほととぎすが啼いている 家でくつろいでいると、思わず盃に手が伸び詩を吟じている

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高橋昭男   成島柳北『新柳情譜』二編評釈 新緑の樹々にあたる風と露はつめたく清らかで が、 心地よい う。 し『 が、 西 り。 歳。 で、 な。 い。 い。 が、 い。 り、 る。 ら、 と、 よい。 頭評 ①不圖湖翁知此間情味老人可畏 図らずも湖翁、この間の情味を知る。老人、畏るべし。 ②鐡腸子不喜妙齢大是達見然余恐其不喜者特筵席耳 子、 たのしま ず。 れ、 り。 余、 るは ひと り筵席なるを恐るるのみ。 現代語訳 も、 る。 ただ湖山翁に感服するのみである。 は、 る。 し、 は、 を恐れるばかりだ。   甚吉(柳橋) 塁、 す。 く、 吉、 り。 堂、 藉、 ひ、 り、 章、 際、 軍、 眄。 使 し、 し、 し、 客、 いた り、 る。 ず。 ますま 者、 り。 将、 り、 は、 り。 余、 ず、 む。 噫、 兄、 り。 余、 に、 る。 に甚吉に授くるに元帥の印綬を以てせざるを得ざるな 軟紫嬌紅春作團    軟紫   嬌紅     団を すも 摧殘至竟不堪看    さいざん   至竟   看るに堪へず 遅遅澗畔喬松樹    遅遅たる かんはん の喬松樹 老幹憐他耐歳寒    老幹   憐れむ   かれ が歳寒に耐ふるを ふ。 塁、 甲、 ふ。 軍、 向かふ所、 披靡す。漁史胸中の奇、 出るとして其の妙を極めざる無し。 真に文壇の飛将なるかな。

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成蹊人文研究   第二十五号(二〇一七) 粉。 で。 る。 者。 軾・ 賦「   」。 る。 す。 ま。 眄。 る。 く。 る。 る。 ど、 る。 る。 地。 る。 と。 郎。 う。 道。 ま。 ち。 き、 る。 る。 局。 り。 ま。 り。 =[ 語・ 九「 曰、 寒、 也( く、 て、 しぼ おく )」 ]。 界。 壇。 る。 士。 が、 際、 事。 花街の女性たち。 ◯披靡=兵士が敵に圧倒され、 道を開きなびくさま。 将。 で、 匈奴が「飛将」と呼んだことによる。 現代語訳   甚吉(柳橋)   で、 使 といえば、 甚吉をおいて他にはいないであろう。 宴会場は客があふれ、 ぎ。 客、 客、 で、 い。 や、 し、 使 し、 て、 せ、 ば、 る。 だ。 だ。 は、 り、 い。 え、 ば、 う。 は、 の「 た。 が、 で、 だ。 そ、 の「 だ。 て、 は、 将軍の称号よりも元帥の地位を与えるべきなのかもしれない。 春の花盛りのような若い芸者たちが群をなしているが やがては色はあせ老いさらばえて看るに堪えなくなる そこへいくと川のほとりの大きな松の樹は悠然として じっと寒さに耐えているので、その姿に感じ入る 評に云う。 文壇の形勢を見るに、 大方は柳北君の筆に勝るものはない。 も、 で、 る。

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高橋昭男   成島柳北『新柳情譜』二編評釈 は、 いる。まさに柳北君は文壇の名将といっても差し支えない。   頭評 ①筆如風雨何等捷疾所謂如脱兎者 筆は風雨の如く、何等の捷疾。所謂脱兎の如き者。 ②以不説説之風致閒遠再讀益覺妙 く。 致、 妙を覚ゆ。 ③好結局 好い結局。 い。 す。 き。 み。 ◯間遠=時間を経ること。 現代語訳 は、 う。 く言う、脱兎の如しだ。 で、 る。 おいて再読すると、面白味が倍加する。 ③好い結末だ。   小園(新橋)第八十号 ふ、 金、 ふ。 と。 ひ、 り。 園、 ず。 姿 粛、 り。 ず。 て、 幹、 り。 し、 く。 ただ り。 団、 く、 姐、 て、 す。 と。 し一笑の博する所なり。唖唖の声、 いやしく もすべけんや。 香山涼枕夢難醒    の涼枕     醒め難し 墨水春觴手不停    墨水の春觴     とど めず   知擲千金沽一笑    知んぬ   千金を擲げうちて一笑を かひ しを 嬌眸偏為阿郎青    嬌眸   偏に阿郎の為に青し ふ。 篇、 段、 り。 史、 意の筆。一篇、一篇の格法有り。愈々出て、愈々変ず。筆力自在。 =[ 照・ 曲「 」] か。 客。 尽。 る。 る。 す。 る。 声。 か。 減。 易が隠棲していた山。 白居易は香山居士と名乗っていた。 ここでは 「い かほ」 とルビがふってあり、 伊香保温泉を意味する。◯墨水=隅田川。 沿 す。 き。

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成蹊人文研究   第二十五号(二〇一七) と。 う。 る。 =[ 易・ 歌「 」] りする語。◯青=青眼。親しい人に対するまなざし。 現代語訳   小園(新橋)   た。 も、 だ。 」。 は、 で、 る。 い。 く、 だ。 て、 く、 う。 だ。 ば、 て、 る。 れ、 い。 使 だ。 えて言っているそうな。 「小園さんはその内きっと大きな蔵を建てて、 ヨ。 ェ」 と。 う。 は、 ないということか。 り、 めぬ 大川の春景色を眺めながら飲んでいると、つい酒がすすむ 昔は大金をはたいて美女の笑顔を楽しんだこともあった は、 いた う。 だ。 り、 い、 ば、 る。 力は思いのままだ。 頭評 有所戒歟 笑、 け、 す。 べきこと此の如し。小園の濫りに笑はざるは、豈に戒むる所有るか。 妃。 で、 と、 た。 後、 き、 ず、 た。 国。 妃。 =唐の国。 現代語訳 き、 だ。 は、 る。

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高橋昭男   成島柳北『新柳情譜』二編評釈 は、 もしれない。   房八(柳橋) 者、 り。 り。 八、 す。 流、 し。 郎、 り、 は、 あずか ず、 侯と伍を為すの 。儕 せいはい 皆な書画会委員と呼び做す。 その宴に侍する、 脂粉を けず。 鬢野服 、見る者、 往往、 その歌妓たるを知らざるなり。 たけなわ にして、 燭跋し、 酔客、 喧呼す。或は双拳相搏ち、 ばんせつ 迸り砕く。 房八、 恬然として、 動かず。左に諭し、 右に慰し、 巧みに風波を斂めて、 ば、 し、 る。 姫、 とりこ 余、 に、 て文士の筆鋒を畏れずして、特に房八の腕力を畏 展箋捧硯可憐生    箋を展し   硯を捧ぐ   可憐生 徒解詞章不解情    だ詞章を解して   情を解せず 烏兎匇匇翠蛾老      そうそう   翠蛾老い 廿年贏得雅流名    二十年   ち得たり   雅流の名 ふ。 西 流、 し、 に、 り。 間、 し。 も、 り、 ひさ ず。 解せしめば、必ず一段の佳話を添へん。是れ惜しむべきなり。 が、 て、 き、 の。 =『 に「 日、 会、 ……」 に、 亭( )」 り、 た。 る。 別。 代、 き、 事。 と。 け、 「 毛 り、 で、 れ、 る。 と。 「 即 る。 間。 服。 る。 く。 皿。 前。 姿 人。 称。 月。 怱。 い。 ま。 眉。 と。 眉。 廿 牧・ 懐「   」。 西 都。 意。 柳橋をさす。◯藉=借りる。貸す。◯冶=なまめかしい。 現代語訳   房八(柳橋)

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成蹊人文研究   第二十五号(二〇一七)   に、 は、 り、 る。 た。 で、 た。 り、 も、 い。 だ。 は、 だ。 も、 く、 ま、 と、 い。 り、 と、 る。 い、 い、 る。 か、 として動こうともしない。 「駄目じゃないの」 とか 「堪忍してあげて」 る。 ば、 う。 る。 けるたびに、 文人仲間の批評はさておき、 房八の腕力に閉口するのだ。 詩箋をひろげ硯をさし出すのは可憐な美女 ただ文字の字面は解っているが、そこにある思いには無頓着 時はあわただしく過ぎ去り、女は老いを迎える 二十年がもたらしたものは風雅の道に名をあげたこと 評に云う。 昔の京都の妓女の中には、 画技に長じているものもあれば、 て、 が、 い。 も、 ば、 だ。 ば、 を、 残念なことではある。 頭評 ①恠石幽蘭相配成趣 怪石、幽蘭、相配して趣を成す。 ②亦奇 亦た奇なり。 ③以文不聴以武繼之大有豪傑気象 文を以て聴かざれば、 武をもってこれを継ぐ。 大いに豪傑の気象有り。 ④是亦奇 是れも亦奇。 石。 石。 蘭。 文人趣味に欠かせない石と東洋蘭への愛着。 ◯聴=ゆるす。 おさめる。 ◯継=受け継ぐ。 現代語訳 ①( いる。 ②また珍奇である。

参照

関連したドキュメント

87)がある。二〇〇三年判決については、その評釈を行う Schneider, Zur Annahme einer konkludenten Täuschung bei Abgabe einer gegenteiligen ausdrücklichen Erklärung, StV 2004,

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