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審査項目 回答数 構成比 ( 丸数字は順位 ) 性別 % 具体的な内容 ( 複数回答 ) 借入時年齢 % 歳未満 (8)270 歳未満 (131)365 歳未満 (274)4 60 歳未満 (57)555 歳未満 (4)6その他(772) 完済時年齢 1

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今月の話題

民間住宅ローン実態調査にみる

住宅ローン審査基準とアドバイス

のポイント

「平成 25 年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」(平成 26 年 3 月、国 土交通省住宅局)によると、住宅ローンを融資する際に金融機関が審査する項目の上位 は、①完済時年齢(99.1%)、②借入時年齢(97.5%)、③返済負担率(97.2%)、④勤続年 数(96.5%)、⑤担保評価(96.5%)、⑤年収(96.2%)、⑦健康状態(94.8%)、⑧融資可 能額(92.2%)、という結果になった。 一般社団法人 金融検定協会試験部 藤井耕一

■住宅ローン審査項目を実態調査

銀行など金融機関の住宅ローン審査を受けて、借りられる人もいれば、借りられなかった り、借入額や適用金利などに制約が出ている場合もあるが、一体その差は何か、どこを審 査されているのだろうか。金融機関が明示・公表しないこともあって、意外に知られてい ないのが住宅ローン審査の実態である。 国土交通省住宅局では、住宅金融政策の検討および立案を行っていくための統計データ を収集することを目的として、毎年住宅ローンを供給している民間金融機関を対象に、住 宅ローンの実態調査を実施している。 今回は、この 3 月に公表された「平成 25 年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報 告書」(調査期間:平成 25 年 10 月~12 月)の中から、住宅ローンの審査項目に関する調査 結果を明らかにするとともに、住宅ローンアドバイザーとして、アドバイスを行うに当た り留意しておきたいポイントを解説した。 次ページ図表のとおり、調査では、「完済時年齢(99.1%)」、「借入時年齢(97.5%)」、「返 済負担率(97.2%)」、「勤続年数(96.5%)」、「担保評価(96.5%)」、「年収(96.2%)」、「健 康状態(94.8%)」、「融資可能額(92.2%)」が住宅ローン審査の上位項目になった。 図表 融資審査を行う際に考慮する項目 ○回答機関数 合計 都 銀 ・ 信 託銀行他 地銀 第 二 地 銀 信金 信組 労金 農協 生保 損保 モ ゲ ー ジ バンク等 1277 13 61 39 252 136 13 736 5 5 17

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審査項目 回答数 構成比 ( 丸 数 字 は 順位) 具体的な内容(複数回答) 性別 255 20.0% 借入時年齢 1241 97.5% ② ①75 歳未満(8)②70 歳未満(131)③65 歳未満(274)④ 60 歳未満(57)⑤55 歳未満(4)⑥その他(772) 完済時年齢 1262 99.1% ① ①85 歳未満(8)②80 歳未満(969)③75 歳未満(102)④ 70 歳未満(17)⑤なし(3)⑥その他(147) 家族構成 362 28.4% 年収 1225 96.2% ⑤ ①100 万以上(279)②150 万以上(571)③200 万円以上 (228)④250 万以上(14)⑤その他(227) 所有資産 321 25.2% 返済負担率 1237 97.2% ③ ①50%以内(1)②45%以内(97)③40%以内(21)④35% 以内(38)⑤30%以内(19)⑥20%以内(6)⑦その他(23) 業種 527 41.4% 雇用形態 966 75.9% ①派遣社員は対象外(501)②契約社員は対象外(460) ③自営業者は対象外(25)④その他(343) 雇用先の規模 429 33.7% 勤続年数 1229 96.5% ④ ①3 年以上(427)②2 年以上(162)③1 年以上(594)④そ の他(156) 融資可能額(融資率) ①購入の場合 1174 92.2% ⑧ ①80%以内(291)②90%以内(29)③100%以内(673)④ 110%以内(35)⑤120%以内(15)⑥150%以内(9)⑦そ の他(152) 融資可能額(融資率) ②借換えの場合 1166 91.6% ①100%以内(159)②150%以内(61)③200%以内(398) ④300%以内(17)⑤その他(537) 担保評価 1225 96.2% ⑤ ①融資判断に影響(840)②融資判断に影響せず(10) ③融資判断の参考にする(343)④その他(4) 申込人との取引状況 790 62.1% カ ー ドロ ー ン等 の他 の 債 務の 状 況や 返済 履歴 1112 87.4% 金 融 機関 の 営業 エリ ア 1155 90.7% ①エリア内に居住(982)②エリア内に勤務(697) 健康状態 1177 94.8% ⑦ ①団信加入が必要(1063)②団信加入は不要(3)③団 信加入は選択可能(90) 連帯保証 1155 90.7% ①系列保証会社の保証が必要(787)②連帯保証不要 (43) ③ 外部 保 証 会 社 の 保 証が 必 要 (441) ④ そ の 他 (162) その他 134 10.5% 出所:「平成 25 年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」

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■上位項目とアドバイスの留意点

個々の審査項目について、上位から順に調査結果の具体的内容を見ていきたい。 ① 完済時年齢 99.1%の金融機関で審査項目とされている。具体的な内容としては、完済時年齢を 80 歳 未満(969)とするのが最多となっている。 ② 借入時年齢 上記①の完済時年齢とともに、借入時年齢も 97.5%と高率である。65 歳未満(274)、70 歳未満(131)が多いが、最も多いのはその他(772)である。その内容は不明だが、71 歳 や 72 歳など、あるいはもっと若い年齢などを基準にしているのかもしれない。 借入期間は、多くの金融機関で 1 年以上 35 年以内の 1 年単位としているが、借入可能期 間には、年齢(上記①の完済時年齢および借入時年齢)を考慮する必要がある。20 歳以上 65 歳以下あるいは 70 歳未満までの人が申込可能で、80 歳までに完済することを条件とし ている金融機関が多く、これは団体信用生命保険(下記⑦参照)に加入するための条件を 基にしてものだが(生命保険会社によっても違いがある)、例えば、70 歳に人が住宅ローン を利用した場合には、期間は 10 年しかとれない。45 歳だと 35 年間のギリギリ 80 歳で完済 できるが、46 歳では 80 歳を超えてしまうので、実際は 34 年間となる。 しかし、実際 80 歳まで返済を続けることは現実的ではないだろう。通常は、給与所得者 であれば定年まで完済できる計画が必要である。ただし、ボーナス返済時の一時繰上返済 や、定年時の退職金で繰上完済を見込んで、できるだけ期間を長くとって毎月の返済額を 抑えるという場合に、長い返済期間は有効といえる。 ③ 返済負担率 返済負担率とは、収入に対するローン返済の割合のことをいう。年収と 1 年間の元利金 の返済額の比率で表わす。この場合の返済額には、借入予定の当該住宅ローンの金利だけ でなく、自動車ローン、カードローン、ノンバンクなど既に他のローンを借り入れている 場合には、その返済額も合計して計算することになる点は要注意である。 回答では、45%以内(97)が最も多く、続いて 35%以内(38)40%以内(21)となって いる。いずれも回答数(1237)に比して少ない数字であるが、これは、調査票の回答欄に よると、「年収にかかわらず一律に決めている場合」の数字であり、例えば、フラット 35 での返済負担率は、年収が 400 万円未満なら 30%まで、400 万円以上なら 35%までとなっ ているように、「年収に応じて(返済負担率が)異なる場合」に該当する金融機関が多かっ たものと思われる。年収に応じる基準は金融機関によってそれぞれ異なり、また明示され ていないが、一般に、年収が多くなるほど、許容できる返済負担率も段階的に大きくなる 構造となっている。 ところで、金融機関で定めている返済負担率は、これ以上の比率であった場合には、金 融機関として絶対に融資しないという限界的な水準で設定しているものであり、この比率

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以下なら余裕のある返済ができることを金融機関サイドで保証した水準では勿論ない。ま た、仮に同じ年収であっても、まだ子供の年齢が低く、今後の生活費や教育費の負担が重 いなど、家族数や子供の年齢などによって必要生計費は異なってくる。したがって、将来 の返済の見通しを検討する際には、単純に返済負担率で考えるのではなく、実際の手取年 収から生計費を控除して無理なくローン返済ができるかを点検するなどにより、具体的に 返済可能性を検討してみることが、住宅ローン審査以前の問題として重要であろう。 ④ 勤続年数 1 年以上(594)、3 年以上(417)が最も多く、3 年以上勤続していれば大半の金融機関で 問題ないものと思われる。 もっとも、勤続年数自体が問題ではなく、安定した収入があるかどうかがポイントとな る。転職がそれほど珍しくなくなった昨今では、金融機関によっては住宅ローンの申し込 み要件として勤続年数を掲げていないところもある。 原則としてケースバイケースでそのつど金融機関と相談することが必要となるが、例え ば、技術職や専門職に従事し、能力が認められて別の会社にヘッドバンティングされて場 合のような前向きの転職の場合には、顧客の職歴書とともに、仕事の内容や転職の経緯な どを間単に書類にして申込書に添付すれば、勤続年数不足でも取扱が可能となることもあ ろう。 <雇用形態> また、勤続年数に関連する項目として、雇用形態についても調査されている。 これによると、派遣社員(501)や契約社員(460)は融資対象外とする回答が多いとい う結果になっている。これは安定した収入があることを申込要件と見ているためであるが、 派遣社員・契約社員だから一律に不可としない金融機関も少なからずあり、安定した収入 があれば問題ないとするところも多いといえる。 例えば、契約社員であっても通訳等専門的な技能があってスキルが高いと判断された場 合は、職歴や収入によっては大丈夫と判断される場合もあるし、派遣社員であっても、常 用型派遣という、派遣先との派遣契約が切れて次の派遣先が見つからない間も派遣元企業 から雇用が保証されて賃金が支払われるような形態であれば、安定した収入が確保できて おり、申込は可能である。いずれにせよ、ローンを組んだ後に顧客が困るような事態にな る可能性がないと考えられる場合には、まず金融機関に相談してみることであろう。 ⑤ 年収 年収を審査基準としている比率は 96.2%。その年収の審査基準は、150 万円以上(571)、 100 万円以上(279)、200 万円以上(228)、250 万円以上(14)となっている。全体の半数 近くが 150 万円以上となっており、意外に低いようにも思えるが、そうした金融機関は、 上記③返済負担率でローン支払能力の 2 次的にチェックができるので、年収自体での足き りは低めでもかまわないと考えているのではないだろうか。 ⑥ 担保評価

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担保を審査基準としている比率は上記の「年収」と同じく 96.2%。担保評価が融資審査 に「影響」するという回答が 840、「参考にする」という回答が 343、「影響せず」という回 答は 10 に過ぎず、ほとんどの金融機関で担保評価は考慮されている。 担保評価とは、金融機関がローンの貸出を行う際に、担保となる土地や建物が処分価格 としていくらになるかを計算することをいう。金融機関は基本的にはこの担保評価を元に 融資可能額を判断する。 住宅ローンでは、ローン返済が困難になった際、担保物件を処分して債権を回収するた め、担保となる土地建物が時価でいくらになるかを把握しておくことが融資をする上で重 要となる。不動産価格の指標としては、公示地価や基準地価、固定資産税評価や路線価な ど公的なものでの複数あり、不動産の評価方法も原価法、取引事例比較法、収益還元法と いろいろな手法がある。 住宅ローンの担保評価については、あくまでも目安ではあるが、土地には公示価格を元 に近隣の取引事例を参考にして、建物については業者の売出価格をもとに近隣の取引事例 を参考にすれば、金融機関の審査とそれほど大きく食い違うことはない。もっと簡単にい えば、建築確認が取れていてその地域の相場から大きく離れていなければ、多くの場合業 者の売出価格、あるいは契約した価格を担保評価額として採用していると見ることができ る。 これは、不動産、特に住宅価格については、金融機関よりも住宅メーカーや不動産業者 が熟知していることからであり、注文住宅や高品質住宅で価格が高い住宅の場合は、価格 だけで見ると近隣の相場に比べて割高となるが、住宅事業者のアドバイザーは、金融機関 に対して価値が高くなる理由を記した資料を提出して住宅の価値が高いことを納得しても らう必要があろう。 ⑦ 健康状態 健康状態が審査で問題となるのは、住宅ローン借入れにあたって団体信用保険への加入 が条件となることが多いからである。団体信用保険(団信)とは、生命保険で、ローン返 済中、ローン借入者が死亡・高度障害になった際に、残された家族や本人に代わって生命 保険会社が金融機関に住宅ローン残高を一括で返済してくれる制度である。団信への加入 を必要としている金融機関が 1063 となっており、健康状態が悪い場合は大半の金融機関で 住宅ローンを組むことができない可能性がある。(なお、フラット 35 を利用する場合、団 信に加入できる人には、団信への加入をすすめているが、団信に加入できない人であって も、融資を受けることはできる。) 加入にあたっては、原則として、告知書に基づいて健康状態を審査されるが、ローン金 額や告知内容によっては、医師の健康診断等が必要となることもあり、場合によっては加 入できないこともある。なお、虚偽の告知をすると保険金が支払われず、万一の場合でも ローン債務が残ることになるので留意しておきたい。 ⑧ 融資可能額(融資率)……購入の場合

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融資可能額(融資率)とは、住宅建築もしくは購入に必要な金額のうち、どの程度まで 融資対象となるかという比率を指す。100%以内が 673 と最も多いが、80%以内が 291、90% 以内が 29 と全額融資しない金融機関もあるので注意が必要である。(なお、フラット 35(買 取型)について、これまで住宅の建設費または購入価額の 90%を上限としていた融資率を 平成 26 年 2 月 24 日以後の資金受取分から 100%まで引き上げている。) ところで、融資比率が 100%ということは自己資金なしで住宅という大きな買い物をする ことで、こうした購入計画には慎重でなければならないだろう。顧客には 100%「借りられ る」ではなく、「無理なく返済できる」ことを基準にアドバイスをしたい。一般的には自己 資金は所要資金の 20%は必要だといわれ、これに諸費用を含めて住宅価格の 90%程度を上 限と考えることが妥当であろう。 * * * いずれにせよ、調査結果の数字はあくまでも統計的な傾向であり、金融機関は上記の中 で個々が設定した基準を元に審査を行っている。形式的に見ると審査基準を満たしていな い場合でも、金融機関によっては審査にパスするケースが以前よりも増えてきている可能 性もあり、複数の金融機関に審査を出しておくことも大切となっている。 また、顧客が無理な借入を希望している場合は、住宅ローンアドバイザーとしては、金 融機関の審査の可否にかかわらず、ライフプラン等を考慮し、借入内容の見直しを勧める など、無理のない借入をアドバイスしたいものである。 ・「平成25 年度 民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」⇒ http://www.mlit.go.jp/common/001030377.pdf ・参考図書:「住宅ローンアドバイザー養成講座」テキスト2

参照

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