IT業界の構造改革まであと3年、
中小IT企業の選択肢は?
~OSSで「脱下請け」のススメ~
オープンソース活用研究所
代表取締役所長
寺田雄一
tera@osslabo.com
自己紹介
野村総合研究所にて、多くの大規模Webシステム構築プロジェクトに、
ITアーキテクト(基盤リーダー)として従事、方式設計、基盤構築を行う。
2003年に、オープンソースソリューションセンター(OSSC)を企画、設立。
2004年にMySQL社と、2005年に旧JBoss社とパートナー契約。
2006年、社内ベンチャーにてOSSサポート事業を外販を開始。
サービス名称を、“OpenStandia”に。
オープンソース・ワンストップサービスを展開。事業責任者として活動。
2008年、オープンソースビジネス推進協議会(OBCI)を企画、設立。
事務局担当理事に就任。
2008年、ミック経済研究所による調査にて、野村総合研究所の
OpenStandiaがOSSミドルウェアのサポートサービス分野でシェアNo.1。
OpenSSO/OpenAMを活用したサービス提供を開始。
2010年、Jaspersoft社とパートナー契約。
OpenAMコンソーシアムを企画、設立。会長就任。
2012年、ADempiere/iDempiereを活用したサービス提供を開始。
日本Adempiereの会、理事就任。
2013年、MongoDB社、Alfresco社とパートナー契約。
NRIを退社し、株式会社オープンソース活用研究所を設立。
サービス産業白書2012年版~2013年版「オープンソースソフトウェア
の動向」の執筆を担当。情報サービス産業協会「OSS研究会」主査。
IT業界の現状
(出所)http://www.atmarkit.co.jp/news/200710/31/ipa.html
(出所)http://black-kigyo.doorblog.jp/archives/32474052.html
何がいけないのか?
~下請け構造の弊害~
下請け(大規模)
直契約(小規模)
・仕様書の通りに開発する。
・良いアイデアでも取り入れられ
ない。
・お客様のやりたいことを理解し
て、いろいろと工夫できる。
・全体感が見えない。
・自分が開発しているものが、お
客様企業や社会にどう役に立つ
のか、イメージしにくい。
・お客様のやりたいことがわかる。
・うまくいっても感謝されない。
・むしろ、効率よく品質の高いコー
ドを書くと、仕事が増える。
・逆に、トラブルがあって、それを
・お客様の事業に貢献できると、
お客様から直接感謝される。
本日お話ししたいこと
IT業界を変えたい!
「3K」と言われて久しい我々の業界を、
エンジニアが楽しく仕事ができて、
若手が「エンジニアになりたい!」と思えるような
業界にしたい!
ユーザ企業のビジネスに不可欠な存在となり、
本当に感謝されるような業界にしたい!
だから、「脱下請け」
「OSSで脱下請け」ができれば・・・
OSSを貴社の
強み
に!
お客様企業からの直接指名で
利益率向上
!
ストックビジネスで、
安定した収益
を確保!
※条件
導入支援単価:1000万円
サポート単価:300万円
導入支援件数=サポート件数
サポート解約率:15%
0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 800,000 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度OSS事業
数値目標
売上計(千円) ストックの割合 年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 導入支援 件数 20 25 31 39 売上(千円) 200,000 250,000 312,500 390,625 サポート・サブスク リプション 件数 20 42 67 96 売上(千円) 60,000 126,000 200,850 287,910 売上計(千円) 260,000 376,000 513,350 678,535 ストックの割合 23% 34% 39% 42%●受注目標設定の例
イメージしてみてください!
プライマリ契約で
利益率アップ!
お客様企業との直接契約で、従来の
階層構造によるコストを削減。
お客様企業にとってはコストダウン、
貴社にとっては売上アップ!
ストックビジネスで
収益安定!
毎年更新が見込める、保守サポート
サービス、運用サービスを増やすこと
で、安定的な収入を確保。
利益率も向上!
イメージしてみてください!
社員の
労務環境改善!
顧客常駐から自社オフィス勤務へ
のシフト、利益率の向上などで、社
員の労務環境を改善!
貴社のブランド化で
優秀なエンジニアを採用!
徹底的に貴社をブランディング。
特定分野で有名企業となることで、
優秀なエンジニアの入社希望が増
える!
が、しかし・・・
IT業界は、今好景気。
目の前の仕事をさばくだけで、精一杯。
売上も上がっている。
新しいことに挑戦する余裕はない。
新しいことに挑戦する必要もないのでは?
(出所)http://ceron.jp/url/www.nikkei.com/article/DGKDZO62545410T11C13A1TJ1000/「空前の大規模プロジェクト、その宴の後に来るものは」
そこに巨大プロジェクトが舞い降りる。人月商売の需給が少し
でも引き締まれば、プロジェクトに関わるかどうかは別にして、
とりあえず皆が食える。そうすると、ビジネスモデル変革や新規
ビジネス育成の機運は薄れてしまう。そんな中でプロジェクトが
終了し、
大量の技術者がリリースされたら・・・。
これまでも大規模プロジェクトが終了したときに、一時的に需
給バランスが崩れたことがあった。ただ、今回は従来とは違
う。2015年にはおそらく、企業などの情報システムのSI案件、
受託ソフト開発案件は
かなりジリ貧状態になっているだろう。
改革を怠ったツケは、確実にITサービス会社や技術者に回っ
てくる。久しぶりのビッグイベントに浮かれていないで、ITサービ
ス会社も技術者も
次の道を探したほうがよいと思う。
(出所)ITPro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20120731/412922/
SIは「オワコン」か?
10年後の情報サービス業界(IT業界)は
どうなっているのか?
ユーザ企業にとって、ITは今よりも重要になる
2017年
約36億人(48%)
(出所) http://www.itmedia.co.jp/enterprise/ articles/1306/07/news110.html2013年
約27.4億人(39%)
(出所) http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/ki ds/internet/statistics/internet_01.html2013年
約70億
(出所)www.geocities.jpユーザ企業にとって、ITは今よりも重要になる
世界人口の50%以上がインターネットに接続
企業ビジネスをする際のターゲット(お客様)は、
ほぼ全員がインターネットに接続されている状態
ユーザ企業にとって、ITは今よりも重要になる
アウターネット
「ネットにアクセスできない50億人を、
ネットにつなげる」
Internet.org(Facebookなど)プロジェクト:低スペック端末でも
快適なアクセスを実現し、通信コストと端末コストを削減。
(出典)http://gigazine.net/news/20130823-facebook-make-internet-org/Loonプロジェクト(Google)プロジェクト:成層圏に打ち上げた
気球を使って途上国に無線LANを提供。
(出典)http://gigazine.net/news/20130823-facebook-make-internet-org/プロジェクトは小規模化
2013年
2015年
2020年
2023年
件数
情報シス
テム部門
IT予算
情報システム
部門
IT予算
情報シス テム部門 IT予算情報シス
テム部門
IT予算
事業 部門 IT予算事業
部門
IT予算
事業
部門
IT予算
「2017年にはマーケティング部門が行使
できるIT予算が情報システム部門を上回
るようになる。」ガートナー
事業部門主導の予算、売上増に直結するテーマ、
即効性のある案件が中心、効果を確認しながら継
続的に投資
→プロジェクトは、小規模×多数×継続
件が増える
2016年以降、従来の体制では多様
化する顧客ニーズや事業環境への対
応が困難となり、事業部門主導の案
件が増える
金融機関の基幹システムや、中
央官庁のシステムなど、大規模
開發はなくならない(が減る)
10年後の情報サービス業界(IT業界)は
どうなっているのか?
求められる、多能工エンジニア
情報システム
部門担当者
PM
PMO
Aサブシ
ステム・
リーダ
Bサブシ
ステム・
リーダ
開発標
準化
リーダ
サーバイ
ンフラ・
リーダ
ネット
ワーク
リーダ
開発
チーム
業務設
計・リー
ダ
運用
リーダ
開発
チーム
開発標
準化
チーム
サーバイ
ンフラ
チーム
ネット
ワーク
チーム
運用
チーム
10億円プロジェクトの体制(例)
求められる、多能工エンジニア
我々はこれまでスキルを高度に専門化して、複
雑なシステム開発プロジェクトに対応してきた。
求められる、多能工エンジニア
事業部門
担当者
PM
Bサブシ
ステム・
リーダ
開発標
準化
リーダ
サーバイ
ンフラ・
リーダ
ネット
ワーク
リーダ
業務設
計・リー
ダ
運用
リーダ
専門家で300万円(3MM)のプロジェクトをやると・・・
この例だと、最低7名の「専門家」が必要!!
求められる、多能工エンジニア
事業部門
担当者
ITA
エンジニ
ア
エンジニ
ア
だから、多能工エンジニアが必要。
ひとりで何でもできるエンジニア。
アプリ開発からインフラまで。
業務も知っている。
インフラ周りはクラウドの普及によって、
扱いが簡単になっている。
顧客対応、PM、ITアーキテクトなどの役
割をひとりでこなす。
お客様の考えを理解し、数名のエンジニ
アを指導しながらプロジェクトを推進す
る。
場合によっては自らコードを書く。
このようなエンジニア(ITA)は多能工エン
ジニアよりも不足すると考えられる。
組織に縛られないエンジニア
エンジニアの仕事に対するモチベーションとして、(従
来言われていた)報酬や新技術の習得よりも、仕事
を通じて社会に貢献したいという欲求が強くなる。
このような欲求が満たされるかどうかで、仕事を選ぶ
ようになる。
業務時間以外で自らの専門性を活かしたボランティ
ア活動(プロボノ)や、オープンソース・コミュニティの
活動を行うエンジニアも増える。
また、このような活動を行い易い雇用形態(例えばフ
リー)を選択することが増える。
10年後の情報サービス業界(IT業界)は
どうなっているのか?
階層構造の崩壊
受託中心の
中小IT企業
中国・ベトナム
のオフショア
2015年特需終了
クラウド、SaaS
ユーザ企業の内製化
コスト削減圧力
金融機関の基幹システムや、中央官
庁、超大企業のシステムなどを手がけ
る、大手ベンダーや大手システムインテ
グレーターは、一定規模存続。
大手ベンダーや大手システム
インテグレーターの内製化シ
フトにより、2次請け、3次請
けの存在意義が低下。
受託中心の中小IT企業は、
中国・ベトナムなどとのオフ
ショアと競合に。
だから、「OSSで脱下請け」
だから、「OSSで脱下請け」
だから、「OSSで脱下請け」
事業
部門
IT予算
技術力のある
中小IT企業
プロジェクトが小型化し、事業
部門から「技術力のある中小IT
企業」へ、直接発注!
お客様企業に、直接指名されるポジションに!
大手グローバル企業の事例
グローバルで共有する、受発注、顧客管理、情報分析等の業務シ
ステム。
利用者が多いため、ソフトウェアコスト削減のため、OSSを積極的
に採用する方針を、お客様が決定。
それぞれのOSSに強い中小IT企業に直接支援を要請。
複数の中小IT企業で、プロジェクトを結成。
SFA、CRM
(Salesforce.com) 担当者 入力 入力入力 入力 •案件 •顧客 •売上、コスト •顧客データ分析
(Pentaho)
ファイル共有 (Alfresco) SSO、ID管理 (OpenAM、 OpenIDM) 管理者業務システム
(iDempiere) 国内系連携基盤(ETL)
(Pentaho ETL) 担当者 ETL以外での連携 •受発注 •売上実績 •顧客 管理者Pentaho
Alfresco
なぜ、OSSなのか?
オープンソース・ビジネス
ソフトウェアビジネス(サブスクリプションビジネス)
•
従来のライセンスビジネスと同じ。
SaaS
•
OSSを活用して、サービスを開発、提供。
•
ユーザ企業から見たら、中がOSSかどうかは関係ない。
OSS導入支援+保守サポート・運用
•
売上の50%程度を「根雪」で。
•
低リスク。オススメ。
なぜ、OSSなのか?
OSS導入支援+保守サポート・運用
「すぐに動く」OSSをベースに開発することで、短期間
で開発することができる。
保守・運用で「根雪」を積み上げることができる。
保守・運用は、高い利益率(50%~80%程度)を確
保できる。
OSS
OSS
OSS
OSS導入支援
導入支援
導入支援
導入支援
保守・運用
保守・運用
保守・運用
保守・運用
OSS
OSS
OSS
OSS導入支援
導入支援
導入支援
導入支援
2014年度
2015年度
2016年度
保守・運用
保守・運用
保守・運用
保守・運用
OSS
OSS
OSS
OSS導入支援
導入支援
導入支援
導入支援
保守・運用
保守・運用
保守・運用
保守・運用
スクラッチ開発偏重による弊害
日本では、スクラッチ開発が主流
「システムが安定稼働するかどうか」が最重要課題
以下の優先度が低下
•
企業の事業推進のために、どのような機能が本当に必要なの
か
•
利用部門が十分にシステムを活用できるように、使い勝手をど
うするか
•
そもそも何のためのシステムなのか
逆に「いかに機能を削って、安全にシステムをリリース
するか」という発想
開発までに時間がかかるし、変化への対応も難しい
スクラッチではなく、OSS+アドオン&カスタマイズ
(事例)大手通信業
法人営業部門
当初はスクラッチ開発を予定
要件は不明確
既存の
パッケージで
できるとは
思えない
(出所)Construction site by Dano, on Flickr http://www.flickr.com/photos/mukluk/182107977/