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会社 ) を子会社とすることができるようになった 3 銀行が 5%( 子会社保有分含む ) 銀行持株会社が 15%( 子会社保有分含む ) を超えて銀行業高度化等会社の株式を保有するためには あらかじめ金融当局の認可を得る必要がある ( 他の子会社化が可能な会社を子会社ではなく子法人等や関連法人等と

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Academic year: 2021

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当事務所は、本書において法的アドバイスを提供するものではありません。具体的案件については個別の状況に応じて弁護士にご相談頂きますようお願い申し上げます。 © 2017 Mori Hamada & Matsumoto. All rights reserved.

1 森・濱田松本法律事務所 弁護士 石川 貴教 TEL. 03 5220 1855 takanori.ishikawa@mhmjapan.com 弁護士 湯川 昌紀 TEL. 03 6266 8764 masaki.yukawa@mhmjapan.com 2017 年 4 月号

2017 年 4 月施行の銀行法改正による変更点

Ⅰ.銀行全般に関する変更点 Ⅱ.銀行持株会社のみに関する変更点 Ⅲ.外国銀行代理業務等に関する変更点 Ⅳ.キャッシュアウトサービス 2017 年 4 月施行の銀行法改正(以下、改正後の銀行法を「改正銀行法」という)に ついて、銀行全般に関係する点、銀行持株会社のみに関係する点、外国銀行代理業務等 に関係する点に分けて解説する。銀行、銀行持株会社又は外国銀行支店等におかれては、 対応すべき改正点もあるため、ご参考にして頂ければ幸甚である。 また、キャッシュアウトサービスについては、金融機関に限られず、小売業、サービ ス業等においてもご関心があると思われるため、これについてはⅣ.で解説する。

Ⅰ.銀行全般に関する変更点

1.銀行業高度化等会社

近年、FinTech 企業による情報通信技術を活用した新しい金融サービスの提供が拡 大しており、日本の銀行グループでもFinTech 企業への出資を行うことで新しい金融 サービスをグループ内に取り込みたいとの要請が高まっている。平成27 年 5 月より 9 回にわたり開催された金融審議会「金融グループを巡る制度のあり方に関するワー キング・グループ」(以下「金融グループ WG」という)において、銀行が従来の銀 行法で子会社とすることが可能とされてきた「金融関連業務」「従属業務」を営む会 社ではカバーしきれないような会社を子会社化することを可能とする仕組みを設ける ことが適切であるとされた1。 金融グループWG の提言等を受けて、改正銀行法では、銀行及び銀行持株会社は、 情報通信技術その他の技術2を活用した銀行業の高度化もしくは銀行の利用者の利便 の向上に資する業務又はこれに資すると見込まれる業務を営む会社(銀行業高度化等 1 同ワーキング・グループの報告書(「金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループ 報告 ~ 金融グループを巡る制度のあり方について ~」(平成 27 年 12 月 22 日))については、 http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20151222-1.htmlを参照されたい。 2 平成 29 年 3 月 24 日付「『銀行法施行令等の一部を改正する政令等(案)』等に対するパブリックコメ ントの結果等について」(以下「パブコメ」という。)5 頁 14 番において、「情報通信技術」は「技術」 の例示として掲げられているにすぎないため、FinTech に分類されない会社についても、基準議決権数 を超える出資が許容される可能性があるとされている。

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2 会社)を子会社とすることができるようになった3。銀行が5%(子会社保有分含む)、 銀行持株会社が 15%(子会社保有分含む)を超えて銀行業高度化等会社の株式を保 有するためには、あらかじめ金融当局の認可を得る必要がある(他の子会社化が可能 な会社を子会社ではなく子法人等や関連法人等とする場合には認可が不要である一方、 銀行業高度化等会社については子会社としない場合でも5%ルールを超える場合には 認可が必要となっていることに注意が必要である)4。 当該認可をする審査基準は以下のとおりとされているものの5、一律・機械的な基 準は設けられていないと言える。 ① 資本金の額が出資をするに十分な額であること ② 出資が全額毀損しても財産及び損益が良好であると見込まれること ③ 申請時の業務、財産及び損益の状況が良好であること ④ 申請時の収支が良好であること ⑤ 銀行業高度化等会社が業務を的確かつ公正に遂行できること ⑥ 銀行業の高度化又は利用者の利便の向上に資すると見込まれること ⑦ 銀行の業務の健全かつ適切な運営に支障を来す著しいおそれがないこと ⑧ 優越的地位を不当に利用して不利益を与える著しいおそれがないこと ⑨ 銀行業高度化等会社が行う取引に伴い、顧客の利益が不当に害される著しい おそれがないこと 認可審査基準の1 つとして「銀行業の高度化又は利用者の利便の向上に資すると見 込まれること」が必要であるとされているものの、「銀行業務との親和性」等は認可 の審査基準とされていないため、条文の文言上は、かなり広範な業務も銀行業高度化 等会社としての認可対象となりうる。また、「見込まれること」とされているが、ど の程度見込まれれば良いか、どのように金融当局に対して見込みがあることを説明す るか等がポイントとなり得るが、銀行のイノベーション、金融サービスの革新的進歩 を期待する立場からは、柔軟な認可実務がなされることを期待したい。 銀行法16 条の 2 第 1 項 12 号の 3、52 条の 23 第 1 項 11 号の 3 では、銀行業高度 化等会社の業務範囲を「専ら」としていないことから、情報通信技術その他の技術を 活用した銀行業の高度化もしくは銀行の利用者の利便の向上に資する業務又はこれに 資すると見込まれる業務以外の業務を営んでいる場合でも銀行業高度化等会社として 認可を受けられる余地があるものと考えられる6。

2.従属業務子会社の収入依存度規制の緩和

従来、従属業務子会社は、本来銀行業から見れば他業を営むものであるから銀行業 務遂行の範囲内で認められるものという考え方から、その売上の 50%以上を銀行グ 3 銀行法 16 条の 2 第 1 項 12 号の 3、52 条の 23 第 1 項 11 号の 3 4 銀行法 16 条の 2 第 7 項、52 条の 23 第 6 項 5 銀行法施行規則 17 条の 5 の 2 第 2 項 6 パブコメ 5 頁 15 番乃至 17 番

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3 ループ内からのものとする必要があったが(収入依存度規制)、業務のIT 化の進展に 伴って他の銀行グループ等との連携・協働が必要になっている中で、グループ外から の受託できる範囲を広げるべきとの意見があり、今回の改正銀行法により、従属業務 のうち以下の業務7についてはこの基準が40%に引き下げられた。 ① 現金自動支払機等の保守、点検その他の管理 ② 事務に係る計算 ③ 電子計算機に関する事務(システムの設計もしくは保守又はプログラムの設 計、作成、販売(プログラムの販売に伴い必要となる附属機器の販売を含む。) もしくは保守を含む。)

3.グループ経営管理の義務化

金融グループWG では、銀行グループにおける経営管理の「形態」については区々 であり、金融グループの実情に応じて相応しい経営管理を模索すべきであるとの考え 方が示されたと言える。他方で、経営管理の「機能」については、金融グループの経 営管理体制を実効的なものとするために、各金融グループにおいて、グループ全体の 経営管理方針が明確に策定され、それがグループ内に浸透する必要があり、経営方針 の実行に伴う各種リスクの管理も適切に運用される必要があるとされた。 すなわち、金融グループWG では、上記の銀行グループにおける経営管理の「機能」 の強化の観点から、金融グループの頂点に位置付けられる銀行持株会社や銀行の経営 管理機能の内容について具体化する必要があるとされた。 金融グループWG の議論を受けて、今回の改正銀行法により、銀行持株会社(銀行 持株会社がある場合)又は銀行(銀行持株会社の子会社ではない場合)は、そのグル ープの経営管理を行わなければならないとされ、銀行持株会社及び銀行においては、 経営管理義務があることが明文化された8。また、各銀行持株会社や銀行においては 既に対応が行われているものと思われるが、今回の改正銀行法により、これまで必ず しも明確ではなかった経営管理の中身が具体化されており、必要な事項が行われてい るか見直すことも考えられる。 ① グループの経営の基本方針の策定及び実施 ② 資本の分配及び自己資本の充実その他のリスク管理に係る指針の策定及び実施 ③ 災害その他の事象が発生した場合における危機管理に係る指針の策定及び実施 ④ 利益相反の調整 ⑤ コンプライアンス体制の整備 ⑥ 再建計画(金融当局が指定したグループに限る9 7 これらの業務に併せて行われる一定の業務も含まれることになっている(平成 14 年金融庁告示 34 号 2 条 1 項 1 号) 8 銀行法 16 条の 3、52 条の 21 第 1 項及び第 4 項 9 G-SIB 及び D-SIB の 4 社が指定されている(平成 29 年金融庁告示 10 号)

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Ⅱ.銀行持株会社に関する変更点

1.銀行持株会社の定義の変更

銀行を子会社にする場合は、銀行持株会社による場合と銀行主要株主による場合が ある。いずれも銀行を子会社にする点で共通しているが、銀行持株会社の方が相対的 に厳しい規制を受ける(例えば、銀行持株会社及びその子会社が営むことのできる業 務に制約があるが、銀行主要株主及びその子会社が営むことのできる業務には制約が ない)。 今回の改正銀行法で銀行持株会社の定義が変更されている。具体的には、単体の総 資産(分母)における国内の子会社の株式の取得価額(分子)が 50%を超える場合 に銀行持株会社に該当するという基本的な考え方に変更はないが、銀行持株会社(金 融当局が指定するものに限る)の子会社(金融当局が指定するものに限る)に対する 貸付金その他金融当局が定める資産を分母から控除することが定められている10。 パブリックコメント回答によれば、内部TLAC のあり方に関する国際的な議論も踏 まえ、今後制定する告示において銀行持株会社を指定することを予定するとのことで あるが11、銀行持株会社がTLAC 債を発行し、内部 TLAC により子銀行に対する貸付 金を多く有することになると、銀行持株会社の資産に子会社株式ではなく貸付金が多 く含まれることで子会社株式の割合が 50%以下に下がることが懸念されたことによ るものと考えられる。独占禁止法上の持株会社の定義は変更がなく、銀行を子会社と する会社においては、独占禁止法上の持株会社に該当しない場合であっても銀行法上 の持株会社に該当し得ることに留意する必要があるものと考えられる。

2.銀行持株会社によるグループ内の共通業務の実施

近年、共同銀行持株会社方式による県域を超えた地域銀行の統合が行われており、 複数の地域銀行の共通業務を銀行持株会社に集約することでシナジー効果やコスト削 減効果を得たいとの要請もある。金融グループWG でも、金融グループの業務運営の 効率化の観点から、銀行持株会社に金融グループの資産運用や共通システムの管理な ど、グループ内の各エンティティにおいて共通・重複する一定の業務について銀行持 株会社が実施できることを認めることについて肯定的な見解が示されたことを踏まえ、 改正銀行法では、銀行持株会社が、以下の①~⑰のグループ内の共通業務を行うこと ができるようになった12。これらの共通業務を行うにはあらかじめ金融当局の認可を 得る必要があるものとされている。 なお、銀行持株会社の業務のうち、金融当局の認可が不要な経営管理業務(上記Ⅰ. 3.参照)と金融当局の認可が必要な共通業務(下記①~⑰)の内容が明確化されたこ 10 銀行法 2 条 12 項、銀行法施行規則 1 条の 3 の 2。 11 パブコメ 1 頁 2 番 12 銀行法 52 条の 21 の 2、銀行法施行規則 34 の 14 の 3。

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5 とを受けて、これから銀行持株会社で行おうとする業務だけではなく、これまで銀行 持株会社で行っていた業務についても、いずれの業務に区分されるか、認可の取得の 要否等について、検討する必要があると思われる。 ① 資産の運用13 ② M&A に関する交渉14 ③ 信用供与の判断の前提となる審査15 ④ システムの設計、運用もしくは保守又はプログラムの設計、作成、販売(プ ログラムの販売に伴い必要となる附属機器の販売を含む。)もしくは保守16 ⑤ 不動産(原則として、事業用不動産に限る。)の賃貸又は当該会社が所有する 不動産もしくはそれに付随する設備の保守、点検その他の管理 ⑥ 福利厚生に関する事務17 ⑦ 事務の用に供する物品の購入又は管理18 ⑧ 文書、証票その他の書類の印刷又は製本 ⑨ 機械類その他の物件を使用させる業務 ⑩ 広告又は宣伝 ⑪ 調査又は情報の提供 ⑫ 銀行業に関する商品の開発 ⑬ 事務に係る計算 ⑭ 事務に係る文書、証票その他の書類の作成、整理、保管、発送又は配送を行 う業務 ⑮ 事務の取次ぎを行う業務 ⑯ 役員もしくは職員に対する教育又は研修19 ⑰ 前各号に掲げる業務に附帯する業務 13 投資運用業又は投資助言代理業の登録が必要になる可能性がある(パブコメ 11 頁 44 番及び 45 番)。 14 自社内で M&A の検討を行うことは経営管理に附帯する業務(認可不要)である(パブコメ 12 頁 53 番)。 15 社債の取得に関する場合は投資助言代理業の登録が必要になる可能性がある(パブコメ 14 番 60 番)。 16 銀行持株会社が経営管理に関連する業務で利用するシステムを子会社でも利用できるようにすること は、経営管理に附帯する業務(認可不要)である(パブコメ14 頁 61 番)。 17 保育所の運営の委託契約の締結は認可が必要である一方(パブコメ 15 頁 66 番)、ダイバーシティの 意識啓発施策は経営管理又はこれに附帯する業務であって認可不要である(パブコメ16 頁 67 番)。 18 購買等とりまとめは、経営管理ではなく認可必要である(パブコメ 16 頁 69 番)。 19 銀行持株会社としてのコンプライアンスやリスク管理等の研修は経営管理であって認可不要であるが、 営業に関するノウハウの研修は認可必要である(パブコメ19 頁 87 番)。

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3.銀行持株会社グループ内の外部委託管理

従前の銀行法の枠組みでは、銀行持株会社グループ内に銀行を含む子会社が2 社存 在していて、各社がグループ内の同じシステム管理会社に業務委託をしている場合で あっても、各銀行がシステム管理会社から報告を受ける等の外部委託管理を行う必要 があった。 しかしながら、外部委託先の管理として同様のことを各銀行で行うのは非効率であ ることから外部委託管理を集約して行いたいとの要請があったことを受けて、今回の 改正銀行法において、銀行持株会社グループ内で共通する業務を委託する場合には、 銀行持株会社において外部委託管理を集約して行うことにより、子会社の銀行におい て外部委託管理を行うことは不要とされた20。

4.銀行持株会社グループ内の銀行間のアームズレングスルールの緩和

銀行グループWG では、銀行持株会社グループ内に複数の銀行が存在している場合 で、資金余剰の銀行A から資金不足の銀行 B に資金融通を行う場合、アームズレン グスルールの観点からは、当該資金融通の金利はグループ外との取引と同水準とする のが原則的な対応であるが、グループ全体の収益のために銀行B の信用度に見合った レートよりも低い合理的なレートで融通することにしたいとの要望がなされた。 今回の改正銀行法で、銀行持株会社グループ内の銀行間での取引については、①銀 行の経営の健全性を損なうおそれがなく、②取引条件を明確に定めている場合には、 金融当局の承認を得ることにより、アームズレングスルールの適用対象外とされた21。 グループ内での資金融通のほか、グループ内での再編等に活用する余地があると思わ れる22。

Ⅲ.外国銀行代理業務等に関する変更点

1.外国銀行代理業務に関する規制緩和

外国銀行代理業務は、外国銀行が日本の顧客を相手にサービスを提供するための制 度であるが、その場合には日本に所在する当該外国銀行の支店や子会社が当該外国銀 行を代理・媒介することについて金融当局より認可を受けることとされていた。 当該認可については、従来は同じグループ内であったとしても所属外国銀行(取引 を行う法人)ごとに認可を受ける必要があったが、今回の改正銀行法により、グルー プごとに認可を受けて外国銀行代理業務を営むことができるようになった23。 20 銀行法 12 条の 2 第 3 項、銀行法施行規則 13 条の 6 の 8 第 2 項。 21 銀行法 13 条の 2、銀行法施行規則 14 条の 8 第 2 項。 22 パブコメ 3 頁 8 番において、資金融通以外も含むとされている。 23 銀行法 52 条の 2 第 2 項

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2.外国において銀行の業務を委託する場合の規制緩和

日本の銀行グループが外国に現地法人を有する場合で、日本の銀行の預金・貸出・ 為替業務を外国の現地法人が代理・媒介をしているケースがあり、その場合には銀行 代理業の許可ではなく、銀行法8 条 3 項に基づく認可を取得する扱いとされている。 この場合、従来は金融当局の認可が必要とされていたが、日本の銀行グループが外国 に子銀行を有している場合に当該子銀行に代理・媒介を委託する場合は金融当局の認 可ではなく金融当局への届出で済むようになった24。

Ⅳ.キャッシュアウトサービス

従来、銀行の預金又は資金の貸付けのため金銭の受払いについて、銀行代理業者に 委託する場合、証券会社、クレジットカード会社もしくは保険会社等のATM での受 払いを委託する場合が認められていたが、これらに加えて、電気通信回線で接続され た端末装置にカード等25を利用し、又は顧客の使用に係る電子機器から電気通信回線 を通じて銀行に情報を送信し、及び識別符号26を入力することにより、預金又は資金 の貸付けの業務に係る金銭の払出しを行うこと(キャッシュアウトサービス)が認め られた27。 キャッシュアウトサービスの実施にあたっては、銀行代理業者の許可が不要であ り28、上記の証券会社等である必要がなく、スーパー等で、クレジットカードの端末 等を使用して買い物の代金に上乗せした金額を銀行口座から引き落として上乗せ分を 現金で交付するといったサービスを行うことが可能となった。 24 銀行法 8 条 4 項 25 それを提示しもしくは通知して、又はそれと引換えに、商品もしくは権利を購入し、又は有償で役務 の提供を受けることができるカードその他の物又は番号、記号その他の符号をいう。 26 不正アクセス行為の禁止等に関する法律第 2 条第 2 項に定められた識別符号をいうが、暗証番号等が 含まれる(パブコメ27 頁 20 番)。 27 銀行法施行規則 13 条の 6 の 4 第 2 号 28 パブコメ 27 頁 17 番

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セミナー情報

 セミナー 『徹底解説 大量保有報告制度の法務と実務』 開催日時 2017 年 5 月 17 日(水)13:30~16:30 講師 根本 敏光 主催 宝印刷グループ/株式会社ディスクロージャー&IR 総合研究所

文献情報

 論文 「InsurTech(インシュアテック)の本質と法的諸問題についての 試論-保険版FinTech の可能性-」 掲載誌 金融法務事情 No.2061 著者 吉田 和央  論文 「実務相談 銀行法[第 51 回]大口信用供与等規制(2) 大口与信 への行政対応、受信合算対象者の範囲と概念」 掲載誌 金融法務事情 No.2061 著者 小田 大輔  本 『FinTech 世界年鑑 2017-2018』(2017 年 3 月刊) 出版社 日経BP 社 著者 増島 雅和、堀 天子、石川 貴教、白根 央、飯島 隆博(共著)  本 『JA バンク法務対策 200 講』(2017 年 3 月刊) 出版社 株式会社きんざい 著者 早川 学、下瀬 伸彦、江平 享、堀 天子、石川 貴教、加賀美 有人、 湯川 昌紀、篠原 孝典、白根 央、矢田 悠、尾登 亮介  論文 「世界で戦えるスタートアップをつくるために」 掲載誌 時事通信社 2017 年 3 月 30 日 著者 増島 雅和  本 『Q&A 金融行政方針がよくわかる講座』(2017 年 4 月刊) 出版社 株式会社きんざい 著者 江平 享(編著)、石川 貴教、冨永 喜太郎(著)  論文 「仮想通貨を巡る法的課題」 掲載誌 ジュリスト No.1504 著者 増島 雅和

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当事務所は、本書において法的アドバイスを提供するものではありません。具体的案件については個別の状況に応じて弁護士にご相談頂きますようお願い申し上げます。 © 2017 Mori Hamada & Matsumoto. All rights reserved.

9  論文 「【連載】これからのインセンティブプランの形 第2 回 有償スト ック・オプションにおけるインセンティブについて」 掲載誌 BUSINESS LAWYERS 2017 年 4 月 7 日 著者 峯岸 健太郎  論文 「インサイダー取引規制における「知る前契約・計画」の要件と活 用方法」 掲載誌 BUSINESS LAWYERS 2017 年 4 月 14 日 著者 峯岸 健太郎  論文 「ブロックチェーンの仕組みと知財管理への応用」 掲載誌 知財管理 Vol.67 No.4 著者 増島 雅和、岡田 淳

NEWS

 The Eighth Edition of Best Lawyers in Japan にて高い評価を得ました

Best Lawyers(ベスト・ロイヤー)による、The Eighth Edition of Best Lawyers in Japan に、Financial Institution Regulatory Law の分野で松井 秀樹、小田 大輔及 び江平 享が選ばれました。

 Chambers Global 2017 にて高い評価を得ました

Chambers Global 2017 で、当事務所は 7 つの分野で上位グループにランキング され、Banking & Finance: Financial Services Regulation の分野で石黒 徹が日本 を代表する弁護士に選ばれました。 (当事務所に関するお問い合せ) 森・濱田松本法律事務所 広報担当 mhm_info@mhmjapan.com 03-6212-8330 www.mhmjapan.com

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