報
告
腰 部 椎
間板
ヘ ル ニ アに
対
す
る
DSSEP
の臨 床応
用
*松
永
義
博
**峰
久
京
子
木
村
啓
介
安
藤
美
紀
要 旨今 回
,Dermatomal
Somato
Sensory
Evoked
Potentials
(DSSEPs
)を腰 部椎間板ヘ ル ニ ア と診 断さ れ当1
筅に入院し た症 例 (16例)につ い て検討し た。 患 者の年 齢は29歳か ら60歳であ り,
その平均年齢は 40.
3歳であっ た。 全 例に対 し て 術 前知 覚 障害お よ び Mye !ography と対 応した。 乎 術 施行例は15
例であ り,
その内14例につ い て.
神 経 根の浮 腫,
癒 着,
可 動 性 な どの 手 術 所 見と術 前DSSEP
と対応 した。
術 後経 時 的にDSSEP
を検討出来た症 例は10例であっ た。 以上の結 果, 術 前 DSSEP は知覚障害と高 い相関が 認め ら れ た もの の,Myelography
, 手 術 所 見とは相 関が低か っ た。 ま た術 後 経 時 的 検 査におい て は手 術前より正 常 例2例を省く7例に対し回 復が認め られ,
その平 均 回 復 期 間は2.
78ヵ月であっ た。 DSSEP が知 覚障害と相関性 が 高 く,
Myelography
お よび手 術 所 見と は低い 理由につ い て は,
圧 迫の速 度,
神 経 根と脊椎管お よ び椎聞孔の相 対 的 空 間,
神 経 根 内で の正 常な神 経線維が障害さ れ た神 経線維 を 代償す る な ど が考え ら れ た。
キー
ワー
ド DSSEP,
腰 部椎間板ヘ ル ニ ア,
術 前 術 後 検 討 は じ め に腰 仙 部 椎 間 板ヘ ル ニ ア
,
腰 部 脊 椎管狭窄 症な
どに お い て は根 障 害,
馬 尾 障 害 な どで下 肢 神 経 症 状を 呈 して来る。
これ ら神 経 根,
馬 尾 障 害に対 する機 能 評 価と して,
筋 力,
知覚,
反 射 的 評 価が行 なわれて い るが,
主 観 的要素を否 定しきれ ない。
そこで よ り客観的評価となりうる もの と し て電 気 生 理 学 的評 価がある。
その方 法と して純 知 覚 領 野である (L5
;足指第1
指,
S
1 ;第5指 ) を 電気刺 激し,
中心後回における下肢の感覚野 (頭頂より 2cm 後 方,
2cm 外 側) か らその活 動 電位を導 出す る方 法である
Dermatomal
Somato
Sensory
Evoked
Potentials
(以 下 DSSEP と略 す )がある
。
前回 正常人に お けるD
SSEP につ い て 3個の陰性 成 分N 1, N 2, N 3が出 現
し
,
特にN1,
N 2 成分頂点 潜 時は刺 激 導 出間 距 離つ ま* The clinical study of
dermatomal
somato sensory evokedpotentials for lumbosacra 正disc herniation ** 公 立 三豊
総合病 院
,
理学 診 療科Yoshihiro Matunaga
,
Kyoko Mlnehisa,
Keisuke Ki−
mura , Miki Ande :Dept Qf Rehabilttation, Mitoyo
General Hospital (受付日 :1987年8月3日) り身 長 と高い相関性が得ら れ
,
こ の成分は感 覚 求 心 性 伝 導 路を経 由して い る こ と を確 認し,
理 学 療 法 学第14
巻 1 号に て報告し た。
そこ で今回ぱ推間板ヘ
ル ニ ア の診 断に て当院 に入院 し た 患者16
例につ い て DSSEP を施行し,
その有用性につ い て検 討し た の で報 告 する。
対 象 お よび 方 法 対象は当院にて椎間 板ヘ ルニ ア の診 断にて入 院し た患 者16
例で あ り,
その内 訳は表 1の ご と くであ り,
男 性11
例 女 性5例 平 均 年 齢40.
3歳であっ た、DSSEP
の 導 出手 技につ い て は理 学療 法 学第14巻 1号 を参照 されたい。
DSSEP
の異 常 基 準と し て は,
潜時の左 右 差 が 3msec 以 上,
N1,
N 2の不明瞭 化 もし くは消 失とし た。一
方,
知 覚障害な どの他 覚 的 所 見Myelogram
な どの形態 的 所 見と対 応し てみた。
ま た手 術 施 行 例については,
神経 根の障 害 内 容と術 前 DSSEP とを対比 し.
さ らに は術後 経 時 的に検 査し,
神経機 能回復 程 度を 調 査 して み た,
結 果 術前DSSEP
の 内 客 術 前 DSSEP の内 容は表2のごと くであり, 単 根 性 障246
理 学 療 法 学 第16巻第4
号 表 1 対 象 形 態 的病 巣 高 位 男 女L4
/5L5
/SlL4
/5十 L5/Sl L4/5十L .
c.
s 7QJ − 22 1 表 2 術 蔚 DSSEP 内 容 障 害 内 容 人 数 正 常 単 根 障 害 片 側 両根 障害 n δ 0 り 0 1 表 3 知 覚 障 害 とDSSEP 内 容\
DSSEP 知覚障害\
正 常 L5 領 域 S1 領域 L5+S1 領域 L5十S1
正常L5
障害S1
障害 障害 3 244
12
合致 率 (81.
2%) 表 4 Myelogram 形 態とDSSEP纛
面
拶
讐
・ 常罐 鵬
常 損 損 ク 欠 欠 s 恥 像お ブ 嚢 膜
鬘
正 根 硬 H 不 31 72* * * * 111 * 合 致 と思われるもの 例,
正常に分類し DSSEP と対 応し た結 果,
知 覚 障 害が ないにも拘らず,
DSSEP に お い て異 常 を 示し た3例 を 省い て は対 応 が 認め られ,
その合致率は81.
2%であっ た (表3>。
Myelogram
形態と DSSEPMyelogram 形態を前 後 像よ り単 根 性 根 嚢像の 欠 損,
’
硬 膜の圧排
,
H・urg !ass stenosis , 不 完 全ブ冐 ッ ク に分類し
,DESSP
と対 応し てみた。
その結 果は表4 の ごと くであり,
単根性の根 嚢像の欠損と単 根 性のDSSEP
の 対応 が7
例 (44
% )と最 も多かっ た もの の,
異 常 造 影で も 正常 DSSEP を 呈 す る ものがみ られた。
手 術所見とDSSEP
手 術を受け た 症 例15
例に対して手 術 記 録か ら神 経 根の 障 害 内 容を分 析出来得た14例に対し,DSSEP
と対応 し てみ た結果は表5
の ごと くであ り,
手術所見 と対応し た ものは10
例 (58% )と低い結 果 となった。
ま た障害 内容 を癒 着,
可 動 性の低 下 もし くは浮 腫と分類して対 応して み た が,
両 者の差は認め られ なかっ た。
術 後 経 時 的DSSEP
術 後 経 時 的に調 査し得た症 例は10例であり, その内術 前よb
正 常 例を省い た8例に つ いて 検討した。
DSSEP の 回復基準に関し て は,
N1,
N2 の ど ち ら かでも出現 傾 向のあっ た もの,
片 側両根性障害例で は ど ち らかの神 経 根の回復が 認 め られた もの とし た。
その結果 7例 (88% ) に 回復が 認 め られ その平 均回復 期 間は2.
78カ月であっ た (表6
)。 合致率 (56%) 症 例 く症 例1> 37歳 女性。
昭 和60年 1月 頃 会社に て重い物を 持っ た 時 腰 椎捻挫 を 生 じ,
某医院に て注射お よ び電気治 療 を 受 け 腰 痛 消失して いた が,
同年5月頃より再 度 腰 椎 表 5 手術所 見と DSSEP 症Gilj14ff
[」:神 経 根 (工7根 ) 裹 6 術 後DSSEP
推 移 症 例 DSSEP 推 移、
丶
\−
DSSEP、.
x−.
丶
障害 根\ き
L5
根正常L5
根障害S1
根 障 害 術 後期間 (M ) 正常L5
障害 S1 障 害42
− ∩ 0 2 合致率 (58% ) 害10例と多 数を占め て い たが,
片側 両根性障害もしくは 正 常 例 も認め られた。
知 覚 障 害とDSSEP
知覚障 害をL5
,
S
1
な どの単根性お よ び両 根の合併 S.
IK.
NN
.
SR
.
KS.
IT
.
SM.
AT
.
YI.
IM.
FN2
出現傾向 術 前より正常 N1,
N2 出現 傾 向 不変 術前よ り正常 N1 出現 傾 向N1 ,
N2
明瞭 化 N1.
N2 明瞭 化 Nl,
N2
明瞭 化 N1,
N2 明瞭化 32.
01
.
5 4.
05.
02.
01.
52.
0 平均回復期 間2.
78カ月 回 復 率 (88%)口
N2r
“一“
sc
/x
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一・
L5
1
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25μv 董Onユs巳c 図 1Pre
ope 5Ms after opeN
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Nl
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区 2 術前と比 較しJN1 成分が明瞭1,
c認め られる よ うに なる 捻 挫を生じ安静 臥床にて様 子 を みるも,
腰痛軽減せず左 殿部よ り大 腿後面に痛みが出現し,
歩行 時 同部位に シビ レが出現する ようになり, 当院検査目的にて入 院と な る。 他 覚的所見と して は,
左L5 領 域の知 覚 障 害お よび筋力 低 下が認め られ, Lasegue sign 40度と強 陽 性であっ た。
Myelogram
は左L5
根の根 嚢 豫の欠損を 認め,DSSEP
に お い て も左L5 に お い てN1 成 分の消 失を認め た (図 1)。 手 術所 見はL5 根の可 動 性 低 下 お よ び 軽 度 な 浮 腫 を認め, ヘ ル ニ ア の タイ プ はProlaps
で あ り2.
89
の髄 核が摘出さ れ た。
術後経 時 的DSSEP
に お い て は,
5カ 月 後よりN1
成 分は明 瞭に認め られる ようにな り,
知覚 障 害 もほ ぼ正 常 となっ た (図2)。 <症例2
>36
歳男性。 昭 和61
年 4月仕事で重い物を持 ち,
その後右腰 部か ら足 先に痛み とし び れ があり立つ こ と も 困 難であっ た。
某 医 院に て注射,
牽 弓L
温 熟 治 療に て症 状 軽減し, 仕事を し ていた が, 5.
月ご ろ より右腰 部か ら 足先にかけて痛み,
し びれ 増 強し検 査 目的に て当院 入 院 と なる。
他覚 的所見とし て は右L5 領域の 知覚障害お よ び筋力低下 が 認められ,
Lasegue も70度 陽性であっ た。 Myelogram に お し〕て は L5 椎 体 中 央 部に て右側よ りの 硬 膜の圧 排が認め られ, Myelo C−
T で は硬 膜 前 外 側の 欠損,
ま たDisc・
c−T
で は,
右 側に向かうほぼ 申 心性ヘ
ル ニ アの脱 出 像が認め られ た。
DSSEP では右L5 刺 激に お い てNLN2
成 分不 明瞭であっ た (図3
)。 手 術 所 見で は右L5 根におい て 強い癒 着が 認め ら れ た が,
左L5 根に おい て も 癒着 が 認め ら れ た。
し か し臨 床 症 状 は右片側性でありDSSEP
でも右L
5
障害であっ た 。 術 後 2カ月後における DSSEP で は 回復傾向に あ り,
知 覚 障 害も軽 減さ れて いた (図4)。
<症 例 3> 60歳男性。
昭和61
年4月頃20分 程 度の立位で 左 大 腿,.
下腿外側の し びれ が出現 するよ うにな り, 同年 12月 頃よ り歩 行 時に お い て左同部位に おいて し びれ,
痛248 理 学療法 学 第16巻第 4号
L5
L
↑ N3 N2 N1萋
k
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冠 丶 冠 、
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DISC
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イ___」
1.
25μv 10msec 図 3Pre
ope 2Ms after opeし
!
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」
1’
25 ’LVN2N3
図 4 術 前と比較し.
N1,
N2 成 分が明 瞭 二認め られる ようにな る。 み出現 する とい うこと で当院検 査目的にて入院 と な る。
他 覚的所見 としでは,
左L5 領域の筋力低 下,
軽度知覚 障害を 認 め た。Lasegue
は7G度と陽 性であっ』
た。
歩 行は 50m 程度で左 大 腿,
下 腿 外側の しびれ,
厂
痛み出現し,
休 息 にて消失す るいわ ゆる 問欠 性 破 行であっ た。
Myelo・
gram1
で はむ
4/5椎 間 板 レ ベ ルに お い て左 側 硬 膜の欠 損お よ びS1 根の欠 損を認めた。
MyeIo C−T
ではL41
5椎 間抜L/ベ ル に お い て椎 間 板の膨 隆およびL5 /S 1 椎間板レ ベ ル に おい て は左 硬 膜の前 外 側か らの圧 排を思 わせ る偏 位が認め られた。
DSSEP
におい て は左L5 刺 激においてNl
,N2
成分不 明瞭であっ た (図5
)。 術 前 障 害 根 判 定の 目的にて左L5
根の根ブロ ッ クが施行さ れ歩 行 時の しびれ,
痛みは軽 減さ れていた。
手 術所 見と し て は L5 根はL5
椎体後上縁の 骨 提に よ り圧 排されて お り, 周囲 組織との癒 着を 認 め,S1
根は椎間板 膨 隆に よ り圧 排さ れ,
周囲組 織 との癒着が認め ら れ た。
本瘟例N]7N2 ?
L5
骨 N工N2S1
レ
{咽
M
.
C
凵T
M
.
(〉−
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《 Lもs\
丶丶》
DISC
,
C
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T
wr ノ丶丶
”
丶 i、t L___
」1.
25F・V 10rnsεc 図 5 Pre opeL
」
1・
25・V N3 10 msec一
N3
N
ユN2
2Ms
after ope…
註
聴
窟
』
犠
窟鼬
晒 図 6 術前と 比較
L ,
N1,
N2 成分が 比 較 的明瞭と な る の場 合, 形 態的ヘ
ル ニ ア部位は L5 /S 1でありなが ら 臨床 症 状はL5
根 障 害であり,
またDSSEP
は臨 床 症 状 と一
致して いた。
手 術後 2 ヵ月後のDSSEP
に おい て はN1
,N2
成 分は出現傾 向に あり, 知 覚障 害も改善傾 向 であっ た (図6)。
考 察 腰 部 神 経 根の障害に対 する 電気 生理学的検査法と し て は,
髄節性 筋電 図,H
波,
F 波, などがある。
髄節性 筋 電図は各髄 節支配の筋肉か ら筋電 図を導 出し,
その異常 パ ター
ン よ り障 害 根を判 定 するもの である。
代表的な筋 肉と し て はL4
(大 腿内側広筋 ),
L』
5 (前脛骨筋 ),
S 1 (Gastrocnemius
内側頭).
な どが 用い られて いる。
Bonner ら1)は L5 /$ 1椎 間板ヘ ル ニ ア症 例iこおい て は長 母 指 伸 筋,
長 指伸筋, Gastro叩emius 内外側 頭, 殿 筋,
ハ ム ス ト リ、
ン グスな ど に高 率i
こ Fibrillationなど の 異常放電をみ とめ,
ヘ ル ニ ァ高 位の診 断率は80
% であっ たと述べ て い る。
松田 ら6〕は 椎閤板ヘ ル ニ ア!2例におい て L4 / 5レ ベ ルで は,
前 脛 骨筋よ り全 例異常放電 が出 現し, その 内容は多相性電位,
お よび 高振幅電位が高 率250 理学 療法学 第16巻 第4号 に認め られた と し てい る。
一
方 Hoffmannr が 最 初ヰ
謁 1 載し たH
波は, 刺 激 点か らのイン パ ルスが知 覚 性の鰍
創、
線 維を上 行し て脊髄に い た り,Monosynaptic
refrexi をヒ
介し てMoter
neuroh を興 奮 させ,
遠 心 性 線 維を経で筋 を 収 縮し約 30msec の潜時で 出現 する波 形である。
Sc
」’
・
,hunchmann
はこの波 形は成人 で は脛 骨 神経刺激にお い て 出現し易 く, 主に S1 根の障 害に有 用であると述 べて .
い る12)。
今 回のDSSEP ・
は足 肢の固有感 覚領 野であるL
5 (第 1指 ),S1
(第 5指 )を経皮的に電気 刺 激し,
t
頭 皮上か らの 電 位 を そ れ ぞ れ 導 出する方法である。
Sc 帯一
.
Hm ,Toleikis
ら1s〕は DSSEP・
を腰 部 椎間 板ヘ ル 三アに 臨 床 応 用し,
その結 果 陽 性 所 見が93% で あり筋 電 図や
Myelography に比し診断 的価値が高い と結 論して い る。 町田ら「
i)は 腰 部 椎 間 板ヘ
ル S ア と診 断さ熟,
手術 治療
を 受 けた40名に対し て DSSEP を導 出し,
術前のそ れ らの 電 位をMyelography
および手 術 所 見な ど と検 討し た絡 果・
L5 /S1 の申心性一 ルニ ア の 1例葷
除い苛
術 所 見とDSSEP
の異常とはすべて対応し てい た と述べ てい る。一
方 R。driquez
ら9)はL5 ,
S l神 経 根障害判定 に対し DSSEP を導 出し,Myelogram ,
C−
T な どの形 態学的 所 見と対 比し た結 果,
合 致 率は68%であっ たと述 べ て いる。
今回の術 前 DSSEP に おい て は,
他 覚 的 所 見 で あ る知 覚 障害部 位との対 応で8L2 %と高率に対応 し て いた ものの, 手 術 所 見お よ びMyelogram
所見 との対応 で は各々 58%,
56%とRodoriquez
らの報 告とほぼ同値 で あっ た。
これ らの 内容を検討し て み る と, 手 術 所 見と 対 応し てい なかっ た9
根に おい て は その知 覚 障 害の 内容 とは全て一
致し てい た。 つ まり手 術 所 見で は癒 着 などの 変 化があっ て も臨床 的に知覚障 害がない症 例 はDSSEP
が正 常であ り,
手 術 所 見に て障 害が軽度であっ て も臨床 的に知 覚 障 害 を認め る もの で はDSSEP
は異常を示し て い る とい うことで ある。
症 例2お よび 3の場合がそ うで ある。
し か し知 覚 障 害が ない に も拘 らず,DSSEP
にお い て異常を示し た3
例におい て下 肢 末 稍 神 経伝導 速度を 検査し た ところ特に異常を認めなか っ た ことよ り, これ らは末 梢 神 経に おけるEntrapment
neuropathy な どに みられる臨 床 症 状がない にも拘らず知覚神経 伝導速度に 於い て 異常を 呈する,
いわゆる潜 在 的 障害 (Subclini−
cal )で は ない か と思われる。
また MyelQgram1
所 見と の対応
で もその合 致 率は62% と低値であり, 合致を み な かっ た症 例6例の検 討で も全て知 覚障害とは合 致し て い た。
これ らの意味する ことは, 神経 根内の各 神 経 線 維に おける伝 導 障 害を 生 じせ し め る組 織学 的変 化は圧迫の程 度お よび癒若,
浮 腫 など の神経 根の表 面の みの 変 化とは 必 ずし も相関しない とい うこと である。 事実,Myelo一
’
gram 所 見に て異 常を呈し ていても臨 床 症 状 を 呈し てい,
ない症 例聖
絳
験 する。
特に高 齢 者に お い て は無 症 候 性の・
異常 造 影所見が多い よ うに思わ れる
。
高橋らla)ex 腰 仙 部脊 髄造影にで多椎間欠損 鱇を有し た症 例47例につ い て造 影 所見の程 度と症状の 内 容 とは全 く関 係 なか っ た として
・
い る8
ではこれ らの現 象を ど う考え た ら良い のだ ろうかQ まず個々の神 経根の太さ と周 囲 骨性お よ び軟部に囲ま れ た空間的 余 裕の関係 が ある。
蓮 江らは屍体の観察結 果に お い て神羅根は下 位になる につ れ 太 くな り逆に椎 間 孔は 細 く な る と して い る。 これ ら空間的 余 裕に関し て個 人 差 が ある の で はない か。
’
また圧 迫の速 度につ い ても急激な圧迫は早 期に神 経 症 状
を
生じ るが,
緩 徐 な圧迫はその機能を同
一
根 内の生
き残っ た神経線維 が 代 償 する か,
体 節匸
レベ ル の 神経根で補 う よ う な変 化 が 脊 髄内で起こ っ てく’
る よう な メ カニ ズム の存在が示唆さ れ る。
Goldberger1
は脊髄を半切 断し.
た り.
後 根を数本切 断し た猫での観察’
で,
.
切 断 直 後のマ ヒが時 間と共に回復し歩行 可 能になるヒとから
,
神 経機能が回復する の は脊髄内でニ ュー
ロ ン の連絡が,
残存す るニ ュー
ロ ン間に新たに確立する よう な機 序が存 在 するので は な か ろ うか と し てい る。 い ず れ にせ よ形 態 的 変 化は症 状と は必 ずし も相 関せず, ま た手 術 下に見た神 経 根の変化は即 神 経 根 内 各 神 経線維の変化 を意味し て い るとは限らない ように思わ れ る。
これ に対 し,
DSSEP は神経 伝 導 機 能を み てい ること で, 伝導機 能 障 害を反映し てい ると思わ れ,
そ れ故知覚障 害な どの他 覚的 症 状と は合致 率が高か っ た もの と思われる
。
術後 経時的検 査において は, 術 前より正 常2例 を 省い て は 8例中 7例
88
%になん らか の回復傾向が 認め られた。
藤田 ら2D に よれ ば手術下に て末梢神経を電気刺激し, 神経根の圧 迫 部より尾 側 部での神 経 根 電 位が正 常で頭側 部での
電位 が 異常な ものを 伝 導 障 害 局 在 性とし
,
これ らの群に おける知覚および 筋力改 善 率は,
術後3
ヵ月の時点で, そ れ ぞ れ75%,66.
7%であっ た と して い る。
ま たGon −
zalez ら4) に よれ ば腰部脊 椎管狭窄例に おける術 後 下 肢末梢 神経刺 激に よ る体 性 感 覚 電 位に お い て術前のそれ と 比 較し, 5%の危 険 率に お い て有位差を認めた と して い る
。
こ の よ う に 電気生 理学 的 検 査 法は神 経伝導機 能を客 観 的に評 価で きる方法であ ることがわ かっ た。
し か し一
方 DSSEP の経路は長い ものであ り
,
神 経 根に対する障 害 範 囲が局 所 的 な ものであれば 非障害範囲 が そ れに対して長 く
,
障 害 部 位の 影 響を Mask して しま う 可能性も あ り, また 頸 髄にもなん ら かの障害が あ れぼ腰 部 神 経 根 の み の検 査で はな くなっ て し ま う可能 性もある。
こ の点で 導 出部位を 下部胸髄レ ペ ルで行な え ばこれ らの不都 合 を補え る と思 わ れ るが
,
部 位 的に心 電図, 筋電 図の混 入が多い場 所であり
,
手 技 的に困難性があり今後の課題 と し たい。
ま と め今回腰 部 椎 間板
ヘ
ル ニ ア症 例16例に対して術 前の DSSEP
を検 査し,
臨床 症 状とし ての 知 覚 障害,
形態学的 所 見とし てMyelogram
と,
ま た手術施行例15例の 内, 手 術 所 見と対 比 出 来 得た14例に対し,
術前 DSSEP と さ らに術 後 調 査 可 能であっ た症 例10例に対し術後経 時的に 検査し各々検討し て み た。 その結 果は次の ごとくで あっ た。 1.
術前の DSSEP と知 覚 障 害とは81.
2%と合 致 率が高 かっ た。
2 .
Myelogram お よ び手 術 所 見と は各々 56%,
58%と 合 致率は低かっ た。
3.
術 後 経 時 的に検 査し た結 果 術 前よ り正 常 例2例を省 き88
%の回復 率とな り,
その平均 回復 期 間は2.
78カ 月であっ た。
本 論 文 内 容の一
部は第22回 日本 理 学 療 法士学 会に て報 告し た。
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252
M\esza*
eg16igas4・ny
<Abstract>
The
Clinical
Study
ef Dermatomal Somato Sensory Evoked Potentials for
Lumbosacral
Disc
Herniation
Yoshihiro MATSUNAGA,
RPT,
Kyoko MINEHISA,RPT,
Keisuke
KIMURA, RPTand Miki ANDO, RPT
Dopartment
of
Rehabilitation,
Mitoyo
.General
Hospital
Dermatomal Somato Sensory Evoked Potentials
(DSSEPs)
were recordedin
sixteen patientswho were diagnosed as'lurnbosacral
disc herniatlonand admittecl toourhospital.
The age of patients rangedfrom
29 to60
year-old(mean
age was 40.3 ys), Before theoperation, DSSEPs wereinves-tigatedinall of them, and cernpared with sensory
disturbanee
and myelegraphy.Fifteen
patientsunderwent an operation, and DSSEPs investigatedbeforethe operation were eompared with findl・ngs at the operation such as root swelling, adhensien, mobility
in
fourteen
patients,After
theoperaiien,continuous examination of DSSEPs were
done
in
ten patients.Inthese investigaticns,following
results were obtained,
1.
There
was a high ¢orrelaticnbetween
DSSEPs and sensory disturba-nce,but
a littlecorrela-tien
between
myelography and operated findings.2,
Continuous
examination of DSSEPs after the operation revealed a recovery of seven patients, and the mean recovery periodwas2.78
mcnths.In
this series, DSSEPs showed a high correlation with s6nsorydisturbance,
but'a
little
correla-tlen with myelography and
findings
at theoperation. This may resultfrom
following
factors
;speedof nerve root compression, relative space