• 検索結果がありません。

JSME-JT

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "JSME-JT"

Copied!
13
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

日本機械学会論文集(A 編) 原著論文 No.2011-JAR-1103

高 Cr-Ni 基合金 INCONEL625 材の壊食特性および疲労特性評価に基づく

水車ランナ溶接補修材への適用に関する検討

義一郎

*1

,曙

紘之

*2

,加藤

昌彦

*2

,菅田

*2

Evaluation of Cavitation Erosion and Fatigue Properties in High Cr – Ni Based Alloy

INCONEL625 for Welding Material of Hydraulic Turbine Runner

Yoshiichirou HAYASHI

*1

, Hiroyuki AKEBONO, Masahiko KATO and Atsushi SUGETA

*1 Technology Development Dept., Electric Power Development Co.,Ltd, 1-9-88 Chigasaki, Chigasaki-city, Kanagawa, 253-0041 Japan

In hydraulic turbine runners, accidents due to cyclic loading often occur. In this study, cyclic tension-compression loading tests and fatigue crack growth tests using compact tension specimens under the stress ratio R-constant and repeated two-step load sequences were carried out for welding material INCONEL625, in order to clarify fatigue properties, fracture mechanisms, fatigue crack growth and closure properties. The test results are summarized as follows:(1)The volume loss rate of INCONEL625 improves 30% than that of SUS309 by using a test apparatus an ultrasonic vibratory cavitation device. (2)The S-N curve of welding material INCONEL625 used in this study has narrow scatter and the tension-compression fatigue strength was higher than the test data of the stainless cast steel SCS5 used as hydraulic turbine runner material. (3)From SEM observation of the fracture surfaces, there were two types of fracture origin ,that indicate fatigue crack initiation by slip deformation at surface and from the casting defects. (4) Fatigue crack growth rates of the specimens which are the vertical and the parallel to welded direction under the stress ratio R-constant could be correlated with the effective stress intensity factor range ΔKeff. And ΔKeff under varying loading was the same as that under the stress ratio R-constant. Crack propagation rate under varying loading could be predicted by fatigue crack growth data under constant amplitude loading.

Key Words : Fatigue, Stress Intensity Factor, Crack Propagation, Crack Closure, Welded Joint, Type INCONEL625

1. 緒 言 水力発電は時代とともに期待される役割が変化してきた.これは戦後の水主火従のベース電源から火主水従へ と遷移し,石油ショック以降,エネルギーセキュリティーを確保して電力安定供給を担う電源として貢献してき たからである.我が国のエネルギー自給率は僅か4%に過ぎないとされており,そのうちの 1/3 は水力発電とも言 われている.さらに発電過程でCO2排出はゼロであることから極めてクリーンな電源であり,繰返し利用できる 純国産の再生可能エネルギーであることから,近年ではその環境適合性が注目されている. 近年,日本国内の水力発電設備は老朽化が進んでいることもあり,今まで以上に設備を適切に維持するための 保守が必要となっている.この水力発電設備の中でも水車ランナは,気泡の崩壊時に発生する圧力波が極めて短 時間作用して,これが繰返し作用することでランナベーン表面を海綿状に損傷させるようなキャビテーション壊 食が発生する.このキャビテーション壊食の発生は,水車効率の低下および振動の増大をもたらすために早期に 表面損傷部の溶接補修が必要である.従来から溶接性に優れているオーステナイト系SUS309 が溶接補修材とし て使われているが,近年ではこのキャビテーション壊食が発生した溶接補修部から疲労き裂損傷の事故が散見さ * 原稿受付 2011 年 12 月 5 日 *1 正員,電源開発(株) 技術開発部 茅ヶ崎研究所 (〒253-0041 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎 1-9-88) *2 正員,広島大学大学院工学研究科(〒739-8527 広島県東広島市鏡山 1-4-1) E-mail: [email protected] 78 巻 787 号 (2012-3)

(2)

れており,適切な溶接材料の選定が求められている.耐キャビテーション壊食性という観点では,Ni 基合金で Cr 含有量が多い合金材が SUS309 よりも体積減少量が少なくなることが知られている(1).一方で,前報(2)におい て,SUS309 は母材 SCS5 よりも疲労強度が低く,疲労き裂進展特性では結晶粒界の組織の影響が強く現れること を明らかにしている. このようなことからNi 基合金で Cr 含有量が多い INCONEL625 を適用した場合の耐キャビテーション壊食特性 や溶接による残留応力値を確認し,さらに疲労特性や疲労き裂進展特性は詳細な検討を進めることが重要である. しかしながら,溶接補修材としてINCONEL625 の疲労特性に関する報告は皆無であり,同種材の疲労特性の報告 事例(3)~(5)も僅少である.そこで,本研究では水車ランナのキャビテーション壊食の溶接補修材としてINCONEL625 に着目して,キャビテーション壊食特性や残留応力値および疲労特性を実験的に解明するとともに,溶接方向の 影響と変動荷重下での疲労き裂進展特性を調べた. 2. 供試材料 供試材料は1988 年に鋳造されたフランシス型水車ランナ材 SCS5 のランナベーン,および溶接補修材料として INCONEL625(NIC T4-IN625)および従来材の SUS309(2) (神戸製鋼所,TG-S309MoL)である.本材の化学成分および 機械的性質を表1 と表 2 に示す.図 1 に溶接金属部の組織観察結果を示す.同図 1(a)に示す INCONEL625 では粒 界が少し観察された.また,同図(b)の SUS309 ではデンドライトが散見されている.

Table 1 Chemical compositions of test materials.

[mass%] C Si Mn P S Ni Cr Mo Fe Co Nb Ti INCONEL625 0.021 0.14 0.12 0.005 0.001 Bal. 21.71 7.47 12.53 0.04 3.02 0.15

SUS309 0.023 0.42 1.83 0.023 0.001 12.13 22.19 1.93 Bal. ― ― ―

SCS5 (Base) 0.046 0.47 0.59 0.029 0.005 4.90 12.69 0.036 Bal. ― ― ― Table 2 Mechanical properties of test materials .

σ0.2 [MPa] σB [MPa] δ[%] φ[%] Vickers hardness

INCONEL625 528 795 25 49 272 SUS309 568 724 20 72 192 SCS5 (Base) 656 846 23 55 282 50μm Weld (Vertical direction)

(a) INCONEL625 (b) SUS309

Fig.1 Microstructure of materials.

3. キャビテーションおよび腐食の評価

キャビテーション試験は,ASTM G32-06(6)に準拠した磁歪振動装置を用いた.この装置は振動子先端に鏡面状 に磨いた円盤状φ21mm の溶接金属部サンプルを取付け,対向する水面との間で共振周波数 18kHz,振幅 30μm,

(3)

イオン交換水(室温)にて 10 時間の試験を行った.図 2 にキャビテーション試験 10 時間後の試験片表面状態,図 3 に重量減少量を各材料の密度で除した体積減少量を示す.図 2 から各試験片は一様に壊食されており,SUS309 よりもINCONEL625 の方がその壊食が少ないことが目視でわかる.また,図3から水車ランナ母材SCS5とSUS309 の体積減少量に大きな差異は認められないが,INCONEL625 はこれらよりも 30%程度も壊食量が小さくなる. 電気化学腐食試験は,JIS G 0579 に準拠して 20wt%硫酸溶液中に溶接試験体 1cm2を電解槽に内封してAr ガス で脱気しながら飽和カロメル電極を用いて実施した.電流-電位曲線は,10min の浸漬後にポテンショスタット を用いて20 mV/min の電位掃引速度で電圧を印加して,アノード方向に 5×104μA/cm2まで行った.図4 に供試 材のアノード分極曲線を示す.不動態化電位(図中矢印)は INCONEL625 よりも SUS309 の方が 0.07V vs SCE 高い ものの,不動態維持電流密度は溶接材料で大きな違いがない.特にINCONEL625 と SCS5 の電位差 ΔE は 0.07V であり,一般的な異種金属の腐食電位差ΔE≧0.10V を僅かに下回っている.また,溶接接合面は後述するように 熱影響部が約 3mm あり,これら両者の組織が溶け合っている領域があるために緩やかな電位変化が生じている と仮定できるため,局部腐食の影響は小さいと考えられる. 0.000 0.001 0.002 0.003 0.004 0.005 0.006 0.007 0.008 SCS5 SUS309 INCONEL625 V ol um e l oss [ cm 3]

Exposure time: 10 hours 30% reduction

Fig.2 Eroded test specimens after long exposure. Fig.3 Volume loss for cavitation tests.

-1.00 -0.50 0.00 0.50 1.00 Potential [V vs SCE] Curre nt de ns ity [μ A/ cm 2 ] INCONEL625 SUS309 SCS5 10-2 10-1 100 101 102 103 104 105 106 Arrow:

passive state voltage

Fig.4 Anodic polarization curves of materials.

4. 残留応力評価

フランシス型水車ランナ材SCS5 の複数のランナベーンにおいて,図5 に示すバンド出口側反作用面(負圧面)に発生した キャビテーション壊食部を同一の開先形状(楕円 170×80×t3mm)に加工した後に表 3 の条件にて INCONEL625 および SUS309(2)を用いてTIG 溶接を施した.流水方向とその直角方向を計測できるように3 軸1mm ゲージを溶接金属中心の2 個 所に貼付け,ひずみ解放法にて残留応力を計測した.ここで,ヤング率はINCONEL625 で 210GPa,SUS309 で 190.5GPa

3mm 3mm

(4)

を適用した.図6 はゲージ 2 個所の残留応力の平均値を示しており,SUS309 が流水方向によらず引張 400MPa に対して, INCONEL625 は流水方向で165MPa および流水直角方向で275MPa であり,SUS309 よりも小さくなっている.

上述までの検討において,疲労強度に平均応力として作用する残留応力の低減およびキャビテーション壊食特性向上の 観点からSUS309 よりもINCONEL625 は優位性を有していると考えられる. Outlet Crown Inlet Reaction side Eroded area Band

Fig.5 Schematic drawing of cavitation part in hydraulic turbine runner Table 3 Welding condition.

Welding current [A] 180~200 Welding voltage [V] 12~14 Welding rate [cm/min] 5~15 Shielding gas [ l /min] Ar / 15 Interpass temperature [℃] RT~150 Number of pass 27 0 100 200 300 400 500 R esi du al st re ss[ M Pa ]

Water flow direction

Water flow perpendicular direction

SUS309 INCONEL625 Fig. 6 Residual stress at center of welded vane.

5. 疲労特性評価 5・1 供試材料 疲労試験の供試材はランナクラウンSCS5 から取り出した開先試験体に表 3 と同じ条件で TIG 溶接を行い,こ の溶接試験体の開先底部に対し平行の位置となるように,図7 に示す 2 種類の試験片形状[(a)引張圧縮疲労試験 用,(b)疲労き裂進展試験用]に機械加工した.疲労試験片は研磨材(#1000~#2000)およびアルミナ粉末で鏡面状 にして供試状態とした.ここで,溶接金属と母材の疲労強度の違いを調べるために,図7(a)に示すように 3 種類 の試験片を用いた.試験片平行部15mm の全てを溶接金属にした試験片を作成し,Type A と称す.次に試験片の 平行部中心にボンド部が位置するようにした試験片を作成し,Type B と称す.図 8 に溶接試験体の溶接部中心部 の表面下1mm の硬さ分布を示す.この図から溶接部が母材よりも 20HV 小さく,HAZ 部で最大 375HV であり, HAZ 部の領域は約 3mm 程度であった.このことからボンド部と HAZ 部の狭い領域の疲労強度を調べるために平

(5)

行部を4mm にした Type B も作成した.さらに,ランナベーン母材部から試験片を作成し,Type C と称す. 図 7(b)の供試材は ASTM E647(8)に準拠したCT 試験片形状の切欠き部について,先端曲率半径 ρ=0.1mm の放電加工 を施して供試状態とした.溶接方向による疲労き裂進展挙動の違いを調べるために,CT 試験片は溶接方向と溶 接直角方向の2 種類とした. 図 7(a)に示した引張圧縮疲労試験片の平行部,および同図(b)の疲労き裂進展試験片の切欠き部から 5 ~10mm 離れた個所について,ひずみ解放法にて残留応力を計測した.その結果,いずれも溶接方向および溶接直角方向 で±20MPa 以下であった. 30 20 3 0 6 0 B a s e c r ow n E d ge p r e p a r a t i o n 30 1 7 0 20 1 5 3 0 B a s e c r ow n T y pe A T y pe B φ1 3 R2 0 M1 6×1 .0 18 φ8 10 5 15 W e l d m e t a l W e l d m e t a l L e n g t h = 2 70 m m T y pe C B a s e v a n e 30 1 7 0 20 B a s e ( SC S 5 ) E d ge p r e p a r a t i o n 2 0 2 7 0 3 6 W e l d p a r t 12 .5 60 6 2 . 5 Parallel specimen Vertical specimen We ld in g dir ec ti on (a)Fatigue test specimen (b)CT test specimen

Fig.7 Configurations of weld test piece.

Fig.8 Vickers hardness profile of INCONEL625 5・2 実験方法 引張圧縮疲労試験および疲労き裂進展試験には電気油圧式サーボパルサを用いた.引張圧縮疲労試験において, 荷重は正弦波,試験周波数は25Hz,応力比は R=-1,試験打切り繰返し数は 1×107cycles とした.なお,室温, 大気雰囲気中とした.疲労試験後に破断した全ての試験片について光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡(SEM)を 用いて破面観察を行い,疲労破壊起点を特定するとともに破壊メカニズムを検討した. 一定振幅疲労き裂進展試験において,荷重波形は正弦波,応力比R=0.05 一定とし,漸増率 C=0.1(C=(dK/da)/K) の漸増試験,漸減率C=-0.08(C=(dK/da)/K)の漸減試験を行った.試験周波数は漸増試験を 5Hz,漸減試験を 10Hz で実施し,室温,大気雰囲気中とした.き裂長さは背面ひずみ徐荷弾性コンプライアンス法(9)で計測した.き裂 進展速度da/dN の算出には ASTM E647(8)で定める2 点平均法を用いた.応力拡大係数範囲ΔK の算出は ASTM E647 に準拠した式より算出した.下限界応力拡大係数範囲ΔKthはda/dN =10-10~10-9m/cycle の範囲データを両対 数直線回帰してda/dN=1×10-10m/cycle となった ΔK と定義した.き裂開閉口挙動の測定は背面ひずみ徐荷弾性コン プライアンス法に準じた.試験周波数を1Hz に低下させ,開口変位と試験力の関係から除荷弾性線が試験力と平 行となるように変位から荷重信号に比例する弾性成分をコンピュータで引算してき裂の開口点を決定した.図 9 100 150 200 250 300 350 400 450 500 0 5 10 15 20 25 30

Distance from center of weld line [mm]

V ic ke rs h ar dn ess HV Base Weld HAZ Bo nd

(6)

に試験で得られた引算変位と荷重の関係の代表例を示す.図中のA がき裂開口点であり,き裂開口点が明瞭に観 測されていることがわかる.さらに,実際の水車ランナの運転形態は,高い応力比の小荷重振幅と起動停止時の 低応力比大振幅との組合せであることからKmaxを一定にした2 段繰返し変動荷重試験を実施し,その荷重波形を 図10 に示す.ここで,応力比 RH=0.05 一定,高レベル荷重 ΔKH=35 MPa・m1/2とし低レベル荷重ΔKLを変化させた. なお,同一のΔKLに対して,複数のき裂長さで試験を行っており,再現性を確認している. Differential displacement Fo rc e A

Fig.9 Force-differential displacement hysteresis.

Fig.10 Repeated two-step loading pattern. 5・3 疲労試験結果 図11 に引張圧縮疲労試験から得られた疲労寿命曲線を示す.図 11 中の各印は,試験片 Type A と Type B の試 験結果における破壊起点の位置であり,溶接金属(△▽印),母材(□印)および HAZ(○印)を示す.黒塗り印は試験 片Type B の平行部長さを 4mm にした結果を示す.さらに同じ水車ランナベーン入口部から試験片を切出して疲 労試験を実施した結果(◇印)を合わせて示す.また,先に報告した SUS309 の疲労寿命曲線(2)を図11 に実線で示 す.図11 より溶接金属が破壊起点となる疲労寿命曲線はばらつきが小さく,母材部(□印,◇印)の疲労強度よりも 高い.ランナベーンから採取した疲労寿命曲線(◇印)はクラウンから採取した疲労寿命曲線(□印)よりもばらつき が小さい.また,後述するようにランナベーンやクラウンの母材部では大きなデンドライトが破壊起点となって いるため,溶接金属部の疲労寿命曲線よりも低くなっている.SUS309 の疲労限度 σw=275MPa(2)よりも INCONEL625 の方が大きいことから,溶接金属部の疲労強度の観点では,SUS309 よりも INCONEL625 の方が優 位性を有していると考えられる. 疲労試験後のSEM 観察で得られた破面の代表例を図 12~14 に示す.溶接金属の破壊起点は図 12(a)のような表 面からの繰返しすべり変形,また図12(b)のような内部からも疲労き裂が発生して破断したと考えられる.また, 試験片Type B ではボンド部より溶接金属側の HAZ 部起点で図 13 のような大きな融合不良の欠陥が認められた. この融合不良の破面について,エネルギー分散型X 線分析装置を用いて化学組成を分析し,その結果を表 4 に示 す.O の割合が高く,Cr と Ni が低下していることがわかる.一方,ランナベーンやクラウン Type B の母材で破 壊起点となった結果は図14 に示すように全て鋳造欠陥のデンドライトが観察された.これらの疲労寿命曲線でば らつき差が生じるのは,鋳造欠陥寸法が疲労強度に影響を与えていると考えられる.欠陥が大きく形状が複雑で あることから鋳造欠陥と母材の境界を曲線で平滑化したものを用いて欠陥の投影面積を算出し,この値の平方根 ( area)を極値統計で整理し,図15 に示す.それぞれの試験片から得られた areaは極値統計確率紙で直線関係

(7)

が得られており,極値統計分布にしたがっていることがわかる.図15 よりボンド部と接合された母材よりもラン ナベーン内部から採取した疲労試験片の方が areaは大きく, areaの大小の大きさにより疲労寿命にばらつき が生じていると考えられる.そこで,破壊起点となった鋳造欠陥寸法からのき裂進展寿命を評価するために疲労 寿命曲線を整理した.初期欠陥寸法が

a

0,応力拡大係数幅がΔKiであるとき,Paris 則を仮定してき裂進展寿命を 求めると近似的に式(1)で与えられる(10)(11)(12)

m

C

a

N

K

im f

2

2

0

(1) 図 16 に破壊起点の鋳造欠陥寸法 areaを用いて,先に報告(13)した別の水車ランナでの初期応力拡大係数 K max とNf / areaの関係にランナベーンでの破壊起点,およびボンド部と母材で接合されたType B でのクラウン母材 側での破壊起点部の結果を重ね合わせた.この鋳造欠陥を最大主応力方向に投影した平板状欠陥に置き換えて, Kmaxは破壊起点が表面である場合には式(2),内部である場合には式(3)から算出した(14)(15).鋳造欠陥寸法は SEM 観察結果から画像解析にて求めた.式(2)(3)を用いて破壊起点部である鋳造欠陥寸法で整理することで試験片寸法 の変化にかかわる危険層体積に左右されず疲労寿命曲線を定義することができ,先の報告(13)の疲労寿命曲線と合 致していた.つまり,水車ランナ個体差や試験片採取位置および材質差にかかわらず,この疲労寿命曲線で説明 できることが示唆される.よって,母材SCS5 と溶接金属を接合した HAZ 部領域においても溶接起点部の疲労強 度と同等であり,より母材側でのデンドライトのような破壊起点は図 16 のように説明できることから, INCONEL625 の接合領域で疲労強度の観点から劣っているとは言い難い.

area

K

max

 65

0

.

a

(2)

area

K

max

 5

0

.

a

(3) 250 300 350 400 450 500 104 105 106 107 108 St re ss a m pl itud e, σ a [M Pa ]

Number of cycles to failure, N

f Solid mark:parallel 4mm

Soid line:SUS309 weld metal(2)

Specimen Fatigue origin Mark

Type A Weld metal △

Type B Weld metal ▽

HAZ ○

Base crown □

Type C Base vane ◇

200μm 200μm (a)σa=350MPa, Nf =3.57×106 Specimen : type A (b)σa=350MPa, Nf =7.52×106 Specimen : type A Fig.11 S-N curves.

(8)

200μm

σa=310MPa, Nf=5.55×106 Specimen : type B

Table 4 Chemical composition of inclusion. [mass%]

C O S Cr Fe Ni

2.35 24.28 0.83 14.61 23.1 34.84

Fig.13 Fracture surfaces of HAZ which observed

at crack initiation site for tension-compression fatigue tests.

200μm m area816μ 200μm m area198μ (a)σa=360MPa, Nf=4.11×105 Specimen : base metal vane

(b)σa=360MPa, Nf =8.41×105 Specimen : type B crown

Fig.14 Fracture surface of defect which observed at crack initiation for tension-compression fatigue tests.

0 500 1000 1500 2000 Defect size, [μm] Cum ul at iv e f re que nc y, F [%] Runner vane Runner crown(TypeB) 98 95 90 80 50 10 0.1 99.099.5 99.8 99.9 99.95 area Fig.15 The extreme value distribution of the size of defect at fatigue fracture origin .

(9)

1 10 100

107 108 109 1010 1011 1012

Base metal vane

Base metal crown (Type B)

K ma x [M Pa ・m 1/ 2 ] N f /(area) 1/2 [1/m] 37 . 4 max 5 . 940          area K Nf

Fig.16 Relationship Kmax -Nf / (area)1/2 for tension-compression tests.

5・4 一定荷重下の疲労き裂進展試験結果

17 に応力比 R(=0.05)一定試験により得られた応力拡大係数範囲 ΔK とき裂進展速度 da/dN の関係を示す.さ らにき裂開閉口挙動を考慮したΔKeffで整理した結果をあわせて図17 に示す.溶接方向が ΔK=71.4MPa・m1/2,溶 接直角方向がΔK=72.4MPa・m1/2から小規模降伏条件(式(4))を満たさなくなっている.da/dN =1×10-810-6m/cycle の範囲では,Paris 則(式(5))が成り立つことがわかる.式(5)を満足する範囲および小規模降伏条件を逸脱する範 囲において,ΔK=40MPa・m1/2のき裂進展速度は,溶接方向でda/dN =5.31×10-8 m/cycle,溶接直角方向で da/dN =1.15 ×10-7 m/cycle となっており,2 倍程度の速度差が生じている. K 漸減法で求めた下限界近傍の低 ΔK 領域におい て,溶接方向および溶接直角方向はともに K 値の低下に伴って急速に速度の低下が認められそれぞれ, ΔKth=25MPa・m1/2とΔKth=22MPa・m1/2であり,ΔK 下限界値の大きな差異は認められなかった.

2 2 . 0 max 4         K a W (4) C

 

K m dN da (5) ここで,W は試験片幅,a はき裂長さ,σ0.2は0.2%耐力である. 10-11 10-10 10-9 10-8 10-7 10-6 10-5 1 10 100 Parallel specimen Vertical specimen Repeated two-step C rac k gr ow th r at e, da/ dN [ m/cyc le ]

Stress intensity range, ΔK,ΔKLKeff Keff,L[MPa・m1/2]

R=0.05

Open symbol: ΔK

Solid symbol: ΔKeff

NH : NL = 1:1000

Solid line:SUS309 parallel ΔKeff

Broken line:SUS309 vertical ΔKeff

(10)

図18 にKmaxとKopの関係を,図19 に ΔK と開口比 U の関係を示す.図 18 の矢印は式(4)の小規模降伏条件を 逸脱するKmaxを示し,図19 はこのKmaxに対するΔK 値を示している.

図18 の溶接方向のKmaxとKopの関係において,KopはKmaxが最大55 MPa・m1/2まで単調に増加し,小規模降伏 点条件を逸脱するΔK=67.8MPa・m1/2に対応するK

max =71.4MPa・m1/2より前に下降して95 MPa・m1/2以上ではKmin の値で開口しているのがわかる.一方で,図18 の溶接直角方向のKmaxとKopの関係において,Kopは溶接方向よ りも3~5MPa・m1/2程度小さいものの,K

maxが同程度の最大55 MPa・m1/2まで単調に増加し,ΔK=68.8MPa・m1/2に 対応するKmax =72.4MPa・m1/2から下降してKminの値で開口しているのがわかる.

このようなKopの変化に対応して図19 の溶接方向および溶接直角方向のき裂開口比U は,下限界応力拡大係数 範囲ΔKthのU=0.14 程度から全開口まで単調に増加している.図 19 の結果から U が非常に小さく,高 ΔK の領域 までき裂開閉口の影響を受けていることがわかる.da/dN と ΔKeffの関係において,き裂進展速度は溶接方向に関 係なくほぼ同じである.このようなΔKeffのき裂進展速度の挙動から下限界有効応力拡大係数ΔKeff・thは溶接方向 で3.10 MPa・m1/2,溶接直角方向で3.14 MPa・m1/2が得られ,ほぼ同じであることがわかった.

先の報告のSUS309(2)において,溶接方向試験片はda/dN =1.0×10-9 m/cycle で折れ曲がり,速度の低下傾向が緩 やかに変化した後にΔKeff・thが2.29 MPa・m1/2,溶接直角方向のΔKeff・thは3.20MPa・m1/2となる.INCONEL625 は溶 接方向によりΔKeff・thがほとんど同じであり,その値もSUS309 と同等以上であることからき裂進展特性も優れて いると考えられる. 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 Kmax [MPa・m1/2] K op[M Pa ・m 1/2 ] Parallel specimen Vertical specimen R=0.05 symbol : boundary of large scale yielding Kmin for R =0.05 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110

Stress intensity range, ΔK [MPa・m1/2]

U (= Δ Keff /Δ K ) Parallel specimen Vertical specimen R =0.05 symbol : boundary of large scale yielding Fig.18 Relationship between Kop and Kmax . Fig.19 Relationship between U and ΔK .

き 裂 進 展 機 構 に つ い て 検 討 す る た め ,SEM に よ り 疲 労 き 裂 破 面 の 詳 細 観 察 を 行 っ た . 図 20 に da/dN=1×10-6m/cycle 付近の破面を示す。溶接方向にかかわらずき裂進展方向にほぼ垂直にストライエーションが 破面全般に認められ,さらに図20(a)では粒界の 45°にすべり帯が形成されたストライエーションが観察された.

図21 に da/dN=1.1×10-7m/cycle 付近の破面を示す。溶接方向にかかわらず,き裂進展方向に沿って大きな筋模様 が観察され,その筋模様と直角に小さいストライエーションが観察された.一方で,ΔK=40MPa・m1/2でき裂進展 速度が2 倍の差異が生じている.このことから,図 22 に溶接方向の ΔK=40MPa・m1/2,da/dN=3×10-8m/cycle に対 して,溶接直角方向で同じき裂進展速度での破面との比較を示す.図22(a)の溶接方向では縞模様,同図(b)では筋 模様であり,両者で破面様相の違いが現われている.さらに,図23 に溶接金属の溶接方向ならびに溶接直角方向 の微視組織の観察結果を示す.この微視組織は凝固時に成長したデンドライトであり異方性が認められる.柱状 晶方向と平行にき裂が進展する図23(b)の溶接直角方向では,組織に対応したと考えられるき裂進展方向に長いプ ラトー領域が認められる.一方,図23(a)溶接方向ではこの柱状晶方向のデンドライト組織を横切る形でき裂が進 展するために微細な縞模様になったと考えられる. 5・5 二段繰返し変動荷重下の疲労き裂進展試験結果 図17 に溶接直角方向の CT 試験片を用いた 2 段繰返し変動荷重下の低レベル荷重負荷時における(da/dN)Lと ΔKL(Δ印)の関係を示す. (da/dN)Lは,式(6)から求めた.ここで,da/dN は 2 段繰返し変動荷重試験で実測され

(11)

る平均き裂進展速度であり,(da/dN)Hは高レベル荷重時における(ΔKeff)Hと等しいΔKeffをもつ一定振幅荷重下のき 裂進展速度である.ΔKLを小さくすると応力比R は大きくなり,ΔKL=12MPa・m1/2程度までき裂開口点が計測され たが,それ以降は全てき裂開口している.き裂開閉口挙動を考慮した ΔKeff,Lで評価(▲印)すると,一定振幅での ΔKeffとほぼ同じき裂進展速度であり,ΔKeff・thとΔKeff,L・th,が同じ有効下限界応力拡大数範囲となることからも変動 振幅での影響は認められない.図24 に da/dN=3.4~5.9×10-10m/cycle 付近の破面を示す.低い ΔK effの領域では一定 振幅荷重下と2 段繰返し変動荷重下で規則性のない破面であり,破面の様相の違いが認められない.つまり,き 裂進展寿命を予測検討する際には一定振幅荷重下で得られた疲労き裂進展速度曲線を用いればよい.

                    H H L H L L N dN da N N dN da N dN da 1 (6) 5μm Crack growth di rection 5μm C rack gro w th di recti on (a)Parallel specimen for ΔK=81MPa・m1/2 (b)Vertical specimen for ΔK=69MPa・m1/2

Fig.20 Observation of fracture surface at da/dN=1×10-6m/cycle under constant amplitude loading.

5μm C rack g r ow th di re cti on 3μm (magnification) Cra ck growt h direction 5μm Crack growth di r ec ti o n (a)Parallel specimen for ΔK=48.2MPa・m1/2 (b)Vertical specimen for ΔK=39.8MPa・m1/2 Fig.21 Observation of fracture surface at da/dN=1.1×10-7m/cycle under constant amplitude loading.

5μm C rack gro w th di recti on 5μm C rack growth di rection (a)Parallel specimen for ΔK=40MPa・m1/2 (b)Vertical specimen for ΔK=30MPa・m1/2

(12)

(a)Parallel direction (b)Vertical direction Fig.23 Microstructure of INCONEL625

5μm Crack g rowth di r ecti o n 5μm Crack growth d ir ecti on 5μm C r ack grow th directi on (a)Parallel specimen for ΔKeff=3.98 MPa・m1/2

(b)Vertical specimen for ΔKeff =4.04 MPa・m1/2

(c)Vertical specimen for ΔKeff =3.97 MPa・m1/2 Under constant amplitude loading Under repeated two-step loading Fig.24 Observation of fracture surface at da/dN=3.4~5.9×10-10m/cycle under repeated two-step loading.

6. 結言 本研究では水車ランナのキャビテーション壊食部補修材として,INCONEL625 を適用した場合の耐キャビテー ション壊食特性や残留応力を調べ,さらにクラウン部から切り出してこれら溶接補修材を用いた溶接試験体およ びランナベーンから切り出した試験片について,引張圧縮疲労試験および疲労き裂進展試験を実施して疲労強度 特性を評価した.以下に得られた結論を示す. (1) 本供試材 INCONEL625 の溶接金属部は,疲労寿命曲線のばらつきが小さく,母材 SCS5 より疲労強度が 大きい傾向を示した. (2) 高 ΔK において溶接方向と溶接直角方向ともにき裂進展方向には縞模様のようなストライエーションが 認められた.Paris 則が成り立つき裂進展速度域では,溶接方向よりも溶接直角方向の方が速い傾向をし めした.さらに低いΔK の領域での 2 段繰返し変動荷重下における疲労き裂進展挙動では,(da/dN)LをΔ Keff・thで評価すると,一定振幅荷重下とほぼ同じ結果となった. (3) き裂開口応力拡大係数 Kopは Kmaxが増加するとともに増加し,小規模降伏点を逸脱するよりも小さい Kmaxで溶接方向のKopは低下,溶接直角方向ではこの逸脱する付近からKopが低下してKminでき裂が開口 してき裂開口比U=1 となる.このようなき裂開閉口挙動を考慮した下限界有効応力拡大係数 ΔKth・effは, 溶接方向および溶接直角方向でほぼ同じ3.1MPa・m1/2が得られた. (4) INCONEL625 は従来の溶接補修材 SUS309 よりも耐キャビテーション壊食特性が 30%向上するととも に残留応力の発生が低減し,疲労強度特性および疲労き裂進展特性から従来補修材よりも優れているこ とがわかった.

(13)

文 献 (1) 服部修次,森啓之,堀友和,岡田庸敬,“肉盛り材料のキャビテーション壊食特性”,ターボ機械,第 24 巻第 12 号(1996),pp713-718. (2) 林義一郎,曙紘之,加藤昌彦,菅田淳, “水車ランナ溶接補修材 SUS309 の疲労特性評価および疲労き裂進展挙動の 解明”, 日本機械学会論文集 A 編,Vol. 77, No.784(2011), pp. 2087-2097. (3) 陳強,皮籠石紀雄,西谷弘信,大坪謙一,王清遠,近藤英二,“Ni 基超合金の超音波疲労特性”,日本機械学会論 文集A 編,Vol. 69, No.679(2003), pp. 626-632. (4) 竹内悦男,松岡三郎,沖田耕一,堀秀輔,“Alloy 718 Ni 基超合金の疲労特性におけるショットピーニング効果”, 日本機械学会論文集A 編,Vol. 71, No.707(2005), pp. 1051-1057. (5) 皮籠石紀雄,吉見祥吾,後藤真宏,中村祐三,大園義久,“Ni 基超合金インコネル 718 の室温における疲労特性に 及ぼす時効条件の影響”,日本機械学会論文集A 編,Vol. 74, No.743(2008), pp. 994-999.

(6) American Society for Testing and Materials, ed., ASTM G32-06 Standard Test Method for Cavitation Erosion Using Vibratory Apparatus.

(7) Japanese Industrial Standards Committee., JIS G 0579 Method of anodic polarization curves measurement for stainless steels. (8) American Society for Testing and Materials, ed., ASTM E647-08 Standard Test Method for Measurement of Fatigue

Crack Growth Rates.

(9) 菊川真,城野政弘,田中健一,高谷勝,”徐荷弾性コンプライアンス法による低進展速度領域における疲労き裂進 展速度とき裂開閉口挙動の測定” ,材料,Vol. 25, No. 276 (1976), pp. 899-903. (10) 曙絋之,松崎俊二,Mohd SOFIAN,林義一郎,加藤昌彦,菅田淳,”発電水車用ステンレス鋳鋼 SCS1 の疲労強度 に及ぼす鋳造欠陥の影響,および欠陥寸法に基づく疲労寿命評価”,日本機械学会論文集A編,Vol. 75, No. 759 (2009), pp. 1585-1590. (11) 林義一郎,曙紘之,加藤昌彦,菅田淳, “普通鋳鋼 SC49 水車ランナの疲労強度に及ぼす鋳造欠陥の影響評価”, 日本 機械学会論文集A 編,Vol. 76, No. 768 (2010), pp. 1090-1095. (12) 日本材料学会, “改訂 材料強度学”, 2005, pp. 123. (13) 林義一郎,曙紘之,加藤昌彦,菅田淳, “ステンレス鋳鋼 SCS6 水車ランナの疲労強度に及ぼす鋳造欠陥の影響評価”, 日本機械学会論文集A 編,Vol. 77, No.778(2011), pp. 947-955. (14) 村上敬宜,遠藤正浩,”微小き裂の下限界応力拡大係数幅 ΔKthに及ぼす硬さとき裂形状の影響”, 日本材料学会, Vol. 35, No. 395 (1986), pp. 911-917. (15) 村上敬宜,児玉昭太郎,小沼静代,”高強度鋼の疲労強度に及ぼす介在物の影響の定量的評価法”,日本機械学会 論文集A編,Vol. 54, No. 500 (1988), pp. 688-696.

Table 2    Mechanical properties of test materials  .
Fig. 6 Residual stress at center of welded vane.
Table 4    Chemical composition of inclusion.                      [mass%]
図 17 に応力比 R(=0.05)一定試験により得られた応力拡大係数範囲 ΔK とき裂進展速度 da/dN の関係を示す.さ らにき裂開閉口挙動を考慮した ΔK eff で整理した結果をあわせて図 17 に示す.溶接方向が ΔK=71.4MPa・m 1/2 ,溶 接直角方向が ΔK=72.4MPa・m 1/2 から小規模降伏条件(式( 4))を満たさなくなっている.da/dN =1×10 -8 ~ 10 -6 m/cycle の範囲では, Paris 則(式(5))が成り立つことがわかる.式(5)を満足す
+2

参照

関連したドキュメント

However, many researchers also have reported the risk of weight bearing in the early phase after surgery 22,23,39,40). In a previous study, we reported on the risk of weight bear-

Using the yarn model, the tension relaxation simulations of the yarn package structures were performed, and it was found that our yarn model has a suffcient ability to express

In the experimental part, the path shape of a yarn contacting with the toric surface of twisting disk was photographed and simultaneously the yarn tension was measured under

Moreover, as applications of some results of this paper on generalized bi-quasi-variational inequalities, we shall obtain existence of solutions for some kind of minimization

As the variance ratio tests developed by Lo and MacKinlay [39] have been found to be more powerful than unit root tests, they are more often used by both academics and practitioners

The performance measures- the throughput, the type A and type B message loss probabilities, the idle probability of the server, the fraction of time the server is busy with type r,

Therefore, with the weak form of the positive mass theorem, the strict inequality of Theorem 2 is satisfied by locally conformally flat manifolds and by manifolds of dimensions 3, 4

The case n = 3, where we considered Cayley’s hyperdeterminant and the Lagrangian Grass- mannian LG(3, 6), and the case n = 6, where we considered the spinor variety S 6 ⊂ P