制御システムセキュリティ
検討タスクフォース
報告書
中間とりまとめ(案)
2012 年 4 月 24 日
経済産業省
資料4
~目次~ 第1章 タスクフォースの検討概要... 10 1. タスクフォースの趣旨・目的... 10 2. 制御システムセキュリティ対策の方向性と、タスクフォース及び各WG 間の関係... 10 第2章 各WGの検討概要... 13 1. テストベッドWG... 13 (1) テストベッドに関する要求事項 ... 13 (2) テストベッドが備えるべき機能 ... 14 (3) 海外テストベッドの動向 ... 16 2. 標準化WG... 18 (1) 標準化活動 ... 18 (2) 既存規格の翻訳 ... 20 (3) 既存規格の活用に関する検討 ... 20 3. 評価認証WG... 21 (1) ISA Secure 評価・認証スキームの調査 ... 21 (2) IEC62443 評価認証スキームの確立の検討 ... 22 4. インシデントハンドリングWG... 24 (1) 検討の背景と目的 ... 24 (2) インシデントハンドリングの対処手順ガイドライン ... 24 (3) ICS 調整機関の提供サービス ... 25 5. 人材育成WG... 26 (1) 既存のセキュリティ教育を利用できる教育プログラム ... 27 (2) 制御システム独自のセキュリティ教育プログラム ... 28 (3) 演習による訓練 ... 29 6. 普及啓発WG... 30 (1) 普及啓発対象 ... 30 (2) 組織内の責任分担 ... 31 (3) 普及啓発内容 ... 32 第3章 今後の展望... 33 1. サイバーセキュリティテストベッドの構築... 33 2. 国際標準化活動... 36 3. 評価認証制度の確立... 38 4. インシデントハンドリング体制の整備... 39
はじめに 制御システムにおけるインシデントの推移は、世界的には年々増加傾向にあ る。サイバー攻撃の影響を受けづらいとされてきた制御システムであったが、 Stuxnet の登場によって、重要インフラや工場プラントで使用される制御システ ムに対するサイバー攻撃が現実に発生し、重要なインシデントとなることが認 知された。 我が国においても、プラント設備や各種製造装置はインターネットへの接続 が進んでいる。制御システムを各種エンジニアリングツールを活用することで、 そのプログラムを簡便に変更、修正できるという利点もある。これらは Windows や Unix 系 OS といった汎用の OS 上で利用されているため、制御システムに対す るサイバー攻撃の脅威が現実化してきた。 また、欧米において、汎用製品(Windows や Linux)や標準プロトコル(TCP/IP 等)の利用によるオープン化が進んでおり、制御機器の納入に際し、セキュリ ティについて一定の証明、検査結果の提示が必要となる場合が報告されはじめ ている。同様の動きは国内でも始まっている。このように、我が国から海外へ の輸出や国内利用に関してもセキュリティが重要視されてきている。また、我 が国に制御システムに関するセキュリティ評価の仕組みが存在しない中、民間 企業が国内外市場へ出荷等する際に、セキュリティ評価が求められる事例も出 てきている。 経済産業省では、制御システムセキュリティにおけるテストベッドの構築、 国際標準化、認証評価体制の整備、インシデントハンドリング体制の整備、人 材育成・普及啓発等に関する実務検討を進めていくことを「サイバーセキュリ ティと経済研究会」において決定し、このため、「制御システムセキュリティ検 討タスクフォース」(以下、「タスクフォース」という)を 2011 年 10 月に立ち 上げた。 タスクフォースでは、それぞれのテーマごとのワーキンググループ活動を通 して、制御システムセキュリティ強化のあり方等の検討を行うとともに、国内 外の動向調査やアンケート調査を実施した。本報告書では、タスクフォース及 び各ワーキンググループにおける検討結果を報告する。 本報告書で示した制御システムセキュリティ強化促進に向けたあるべき姿や
提言、そして今後の展望等については、重要インフラ等における制御システム ユーザ、民間の制御システムベンダ等が、自らの責任として必要な対策を実施 することを期待するとともに、日本全体の制御システム環境が、内外の新しい 情報セキュリティ上のリスクに対する耐性を高め、我が国のインフラの輸出促 進のための共通基盤強化に資することを願う。 2 0 1 2 年 4 月 2 4 日 制御システムセキュリティ検討タスクフォース 座 長 新 誠 一
制御システムセキュリティ検討タスクフォース
委員名簿
座 長 新 誠一 電気通信大学大学院情報理工学研究科 教授 委 員 尼崎 新一 三菱電機株式会社 名古屋製作所 技師長 大津 秀伸 三菱重工業株式会社 原動機事業本部 プラント事 業部 制御システム技術部 企画グループ主席技師 岡庭 文彦 株式会社東芝 社会インフラシステム社 府中事業 所 計測制御機器部 部長 斧江 章一 トレンドマイクロ株式会社 執行役員 事業開発部 部長 北浦 史郎 社団法人日本ガス協会 技術部 保安技術グループ 部長 北川 卓志 電気事業連合会 情報通信部 副部長 木元 正孝 JX 日鉱日石エネルギー株式会社 製造技術本部 製造部 プロセスシステムグループ 担当マネージ ャー 久保 智 富士電機株式会社 技術開発本部 製品技術研究所 制御技術開発センター ソリューション技術開発部 部長 小西 信彰 横河電機株式会社 システム事業部 執行役員 事 業部長 小林 偉昭 独立行政法人情報処理振興機構 セキュリティセン ター 情報セキュリティ技術ラボラトリー ラボラ トリー長 沢 俊裕 株式会社安川電機 常務取締役 技術開発本部長 庄司 慎吉 東洋エンジニアリング株式会社 エンジニアリング 統括本部 電計エンジニアリング部 部長 高宗 直人 三井化学株式会社 大牟田工場 技術部 制御グル ープ 2チーム チームリーダー 竹田 浩伸 三菱化学株式会社 黒崎事業所 設備技術部 プロ セス制御技術グループ グループマネージャー 谷岡 雄一 清水建設株式会社 エンジニアリング事業本部 情 報ソリューション事業部 上席マネージャー 土屋 徹 ハネウェルジャパン株式会社 取締役 土井 良彦 出光興産株式会社 生産技術センターエンジニアリ ング室 室長付 プロセス制御担当 中野 利彦 株式会社日立製作所 情報制御システム社 制御装 置設計部 主管技師 松井 俊浩 独立行政法人産業技術総合研究所 セキュアシステ ム研究部門長 村上 正志 VEC 事務局長吉田 雅美 アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカ ンパニー マーケティング部 副部長 ソリューシ ョン事業担当 米田 尚登 村田機械株式会社 犬山R&Dセンター 東京分室 室長 渡部 宗一 森ビル株式会社 管理運営本部 管理運営部 BA システムグループ 上席参事 オブザーバー岩本 佐利 一般社団法人日本電機工業会技術部長 越島 一郎 名古屋工業大学大学院 ながれ領域 教授 佐川 浩二 社団法人日本電気制御機器工業会 技術委員会 委員長 佐藤 吉信 東京海洋大学海洋工学部 教授 芹澤 善積 財団法人電力中央研究所 システム技術研究所 領域リーダー 上席研究員 高野 一志 一般社団法人電子情報技術産業会 高野 正利 公益社団法人計測自動制御学会 産業応用部門 ネットワーク部会 瀧田 誠治 社団法人日本電気計測器工業会 技術・標準部 部長 橋本 芳宏 名古屋工業大学大学院 ながれ領域 教授 宮地 利雄 JPCERT/CC 渡辺 研司 名古屋工業大学大学院工学研究科社会工学専攻 教授 事務局 永塚 誠一 経済産業省商務情報政策局長 中山 亨 経済産業省商務情報政策局審議官(第3回) 三又 裕生 経済産業省商務情報政策局情報政策課長 江口 純一 経済産業省商務情報政策局情報処理振興課長(第3回) 経済産業省商務情報政策局情報セキュリティ政策室 長(~第2回) 上村 昌博 経済産業省商務情報政策局情報セキュリティ政策室 長(第3回) 乃田 昌幸 経済産業省商務情報政策局情報セキュリティ政策室 課長補佐 佐藤 明男 経済産業省商務情報政策局情報セキュリティ政策室 課長補佐 野田 直史 経済産業省商務情報政策局情報処理振興課 課長補佐(第3回)
各WGメンバー ○ ステアリングコミッティー 座 長 新 誠一 電気通信大学 委 員 佐藤 吉信 東京海洋大学 渡辺 研司 名古屋工業大学 越島 一郎 名古屋工業大学 橋本 芳宏 名古屋工業大学 村上 正志 VEC 小林 偉昭 独立行政法人情報処理振興機構 古田 洋久 JPCERT/CC 遠藤 直樹 東芝ソリューション株式会社 中野 利彦 株式会社日立製作所 米田 尚登 村田機械株式会社 オブザーバー松井 俊洋 独立行政法人産業技術総合研究所 古原 和邦 独立行政法人産業技術総合研究所 ○ テストベッドWG 座 長 越島 一郎 名古屋工業大学 委 員 遠藤 直樹 東芝ソリューション株式会社 伊藤 博樹 横河電機株式会社 木元 正孝 JX 日鉱日石エネルギー株式会社 古原 和邦 独立行政法人産業技術総合研究所 佐内 大司 セキュリティフライデー株式会社 土岐 明史 千代田アドバンスト・ソリューションズ株式会社 オブザーバー鵜飼 裕司 株式会社フォティーンフォティ株式会社 大西 作幸 三菱電機株式会社 斧江 章一 トレンドマイクロ株式会社 中野 利彦 株式会社日立製作所 ○ 標準化WG 座 長 佐藤 吉信 東京海洋大学 委 員 内山 宏樹 株式会社日立製作所 小田原 育也 東芝ソリューション 小松 透 ハネウェルジャパン株式会社 鈴木 和也 横河電機株式会社 高柳 洋一 株式会社東芝 武部 達明 横河電機株式会社 松本 巌 有限会社ジール 山田 勉 株式会社日立製作所 オブザーバー村上 正志 VEC 渡辺 創 独立行政法人産業技術総合研究所 宮地 利雄 JPCERT/CC
中野 利彦 株式会社日立製作所 ○ 評価・認証制度WG 座 長 新 誠一 電気通信大学 委 員 伊藤 聡 株式会社東芝 鵜飼 裕司 株式会社フォティーンフォティ技術研究所 河野 克己 株式会社日立製作所 澤田 賢治 電気通信大学 鈴木 剛 東洋エンジニアリング株式会社 高宗 直人 三井化学株式会社 野口 大輔 NRI セキュアテクノロジー株式会社 松尾 耕三 出光興産株式会社 松林 龍彦 清水建設株式会社 オブザーバー渡辺 創 独立行政法人産業技術総合研究所 宮地 利雄 JPCERT/CC ○ インシデントハンドリングWG 座 長 渡辺 研司 名古屋工業大学 委 員 村上 正志 VEC 寺田 真敏 株式会社日立製作所 桑村 竜太郎 株式会社安川電機 大津 秀伸 三菱重工業株式会社 梅田 裕二 株式会社東芝 新井 貴之 横河電機株式会社 木内 舞 財団法人電力中央研究所 佐内 大司 セキュリティフライデー株式会社 佐藤 健 トレンドマイクロ株式会社 塩月 誠人 合同会社セキュリティ・プロフェッショナルズ・ネ ットワーク 横内 豊樹 株式会社 Ji2 杉谷 洋幸 三菱化学エンジニアリング株式会社 オブザーバー高木 浩光 独立行政法人産業技術総合研究所 小林 偉昭 独立行政法人情報処理推進機構 渡辺 貴仁 独立行政法人情報処理推進機構 高野 正利 公益社団法人計測自動制御学会 渡部 宗一 森ビル株式会社 土井 良彦 出光興産株式会社 竹田 浩伸 三菱化学株式会社 高宗 直人 三井化学株式会社 松林 龍彦 清水建設株式会社
○ 人材育成WG 座 長 橋本 芳宏 名古屋工業大学 委 員 中野 利彦 株式会社日立製作所 山田 勉 株式会社日立製作所 上石 紀彦 ハネウェルジャパン株式会社 北内 義弘 財団法人電力中央研究所 平林 純一 独立行政法人情報処理推進機構 鈴木 伸 NRI セキュアテクノロジーズ株式会社 高橋 孝一 独立行政法人産業技術総合研究所 オブザーバー山田 秀和 JPCERT/CC 功力 ゆみ JPCERT/CC 村上 正志 VEC ○ 普及啓発WG 座 長 村上 正志 VEC 委 員 米田 尚登 村田機械株式会社 大西 康教 株式会社東芝 佐藤 尚史 日揮株式会社 高橋 孝一 独立行政法人産業技術総合研究所 渡部 宗一 森ビル株式会社 オブザーバー阿部 倫也 一般社団法人日本電機工業会 新井 貴之 社団法人日本電気計測器工業会 菊嶋 隆史 一般社団法人電子情報技術産業協会 北浦 史郎 一般社団法人日本ガス協会 北川 卓志 電気事業連合会 木元 正孝 公益社団法人石油学会 鈴木 剛 公益社団法人計測自動制御学会 宮坂 好治 公益社団法人化学工業会 山田 秀和 JPCERT/CC 山本 博 社団法人日本電気制御機器工業会
制御システムセキュリティ検討タスクフォース検討経緯
第1回 日時:2011 年 10 月 28 日(金) 場所:経済産業省 共用会議室(本館 2 階 東 6) 議題:(1)制御システムセキュリティ検討タスクフォースにおける検討課題 (2)評価認証ツールの脆弱性検証について (3)海外プラント市場における制御システムセキュリティに関する要求 の動向変化について (4)その他 第2回 日時:2012 年 1 月 27 日(金) 場所:経済産業省 共用会議室(本館 2 階 東 6) 議題:(1)サイバーセキュリティテストベッド構想 (2)各WGの進捗報告 (3)その他 第3回 日時:2012 年 4 月 24 日(火) 場所:経済産業省 共用会議室(本館 2 階 西 8) 議題:(1)中間とりまとめ(案)について第1章 タスクフォースの検討概要 1.タスクフォースの趣旨・目的 2010 年 12 月に立ち上げた「サイバーセキュリティと経済研究会」において 制御システムセキュリティ対策に関する実務検討を進めていくことを決定し、 そのための「制御システムセキュリティ検討タスクフォース」(以下、「タスク フォース」という)を 2011 年 10 月に発足した。 本タスクフォースでは、国内の重要なインフラに対する情報セキュリティ対 策の強化及び海外の貿易障壁となり得る制御システムセキュリティ認証への 対応、スマートコミュニティの導入促進を含めたインフラ輸出促進のための共 通基盤の強化策について検討する。 2.制御システムセキュリティ対策の方向性と、タスクフォース及び各WG間 の関係 制御システムセキュリティ対策の方向性は、大きく分けて 3 つの対策がある。 1 点目は、国際標準化の推進、実証実験の実施及び評価・認証スキームの構 築など未然防止に向けた取組である。次は、インシデント等への対応としての 事後対策であり、また、これを支える共通基盤として、人材育成や普及啓発が 考えられる。 まず未然防止対策として、北米、欧州において制御システムセキュリティ基 準が業界主導で策定され、国が支援するという連携した形で推進されている。 また、共通の検証設備(テストベッド)については、業界と国の共同という形 で認証スキームを含め実施されている。そこで、日本において、欧米の体制、 動向を注視しつつ、戦略的な標準づくりをする必要がある。さらには、諸外国 との相互承認を視野に、日本においても評価・認証スキームを立ち上げること が重要である。 また、インシデント対応体制においては、実際にインシデントがあったとき に、米国では、産業用の制御システム向けのインシデント対応チーム(ICS-CERT) が稼働しており、インシデント対応のための技術者の派遣等を実施している 日本国内においては、一般の情報システムに対する CERT は既に運用されて いるが、産業用の制御システムについては今後の検討課題である。また、脆弱 性が判明した場合のパッチ適用の動作検証試験の実施、脆弱性情報の注意喚起、 情報発信のための仕組みや体制について改めて検討すべきである。 さらに、制御システムセキュリティについては高度な知識が要求され、制御 システムと情報セキュリティの両方を理解する人材を育成する必要がある。ま
た、安全性確保に対するリスクとコストの意識醸成を含めたユーザ企業等への 普及啓発が必要である。 図1-1 制御システムセキュリティ対策の方向性 出典:経済産業省「サイバーセキュリティと経済研究会報告書」(2011 年 8 月) そこで、我が国の制御システムセキュリティ対策の実現に向け、以下の WG を編成し、具体的課題について検討した。 テストベッド検討 WG テストベッドの構築準備 標準化 WG IEC62443 等の国際規格への対応検討 評価・認証制度 WG 評価ツールの検討、国際相互承認 インシデントハンドリング体制 WG 脆弱性・インシデントハンドリング体制、国際連携 普及啓発 WG 普及啓発方法の検討 日本 北米 欧州 セキュリ ティ基準 欧米の体制 、 動向をにら みながら、戦 略的な標準 作成、及び、 評価・認証ス キームの立 ち上げを推 進。 業界主導、国支援 共通の 検証設備 (テストベッ ド) 業界と国の共同 (一部重要インフラは国主導、政 府機関におけるテストベッドにお いて蓄積された検証データ、知 見、 ノウハウ等が民間機関によ る評価認証と連携) 評価 認証 欧米の制御システムの評価・認証 は、民間単独事業だったものが、 公的評価・認証や標準適合のため のテスト結果提供という形を取りな がら公的性格を強めつつある。 ハイエンド人材等の育成、安全性確保に対するリスクとコスト意識醸成を含めた ユーザ企業等への普及啓発
未然防止対策
事後対策
•米国の工業用制御シ ステムのレスポンス チーム(ICS-CERT)に おいては、インシデント 現場への技術派遣を 実施。我が国も要検討。 •また、パッチ適用の動 作試験や、注意喚起 情報の公開可否の判 断ルールを検討。 ⑤人材育成、ユーザ企業への普及啓発の推進 ①国際 標準化 の推進 ③評価・ 認証ス キーム の構築共通対策
④インシデント 対応体制の構築 ②テスト ベッドの 構築人材育成方法の検討 タスクフォースが親会合となり、検討課題について認識を共有しながら、全 体の方針、戦略の方向性を決定し、タスクフォースの下に「テストベッド WG、 標準化 WG、評価・認証制度 WG、インシデントハンドリング WG、人材育成 WG、 普及啓発 WG」という 6 つの WG を設け、各検討課題について具体的に検討を実 施した。 各検討 WG から上がってくる検討内容については、複数の WG の連携が必要と なる内容もあり、ステアリングコミッティが適宜、各 WG 間の調整を行うとと もに、進捗管理を行った。 図1-2 体制図(タスクフォース、ステアリングコミッティとの関係図) 出典:第1回制御システムセキュリティタスクフォース 資料 ステアリングコミッティー タスクフォース 標準化WG 評価・認証制度 WG インシデントハ ンドリングWG テストベッドWG 人材育成WG タスクフォースが円滑に進むための調整機能 タスクフォースのための戦略立案 各WGの調整 1. IEC62443を選定 2. セキュリティマ ネージメント対応 と活用 3. IEC62443-3-3 (システム要件) 改訂提案 4. 日本要求の提言、 基準反映の継続 5. New Work Item
の提案推進 1.運用・管理に対 する評価・認証 のアプローチ 2.製品に対する評 価・認証のアプ ローチ 1. インシデントハ ンドリングの手 順の骨格ガイド ライン 2. 脆弱性対策に 係る環境整備 等について検討 を継続 3. JPCERT/CCの サービス拡充に よりICS-CERT 機能の整備 1. テストベッドに 関する要求事 項の整理 2. テストベッドが 備えるべき機 能 3. 海外テストベッ ドの動向 1. 既存のセキュ リティ教育プロ グラムの活用 2. 制御システム 独自のセキュ リティ教育プロ グラム 3. 演習による訓 練 普及啓発WG 1. 普及啓発対象の検討 2. 組織内の役割明確化 3. 普及啓発内容の検討 全体方針・戦略の決定
第2章 各WGの検討概要 1.テストベッドWG (1)テストベッドに関する要求事項 テストベッド検討にあたり、タスクフォースメンバー及び他WGメンバーに 対しヒアリング調査を実施したところ、制御システムのセキュリティを高める ための研究開発、国際標準化及び評価認証への対応、インシデントへの対応、 人材育成・普及啓発の必要性に関する要求が多かった。 ①研究開発の必要性 制御システムセキュリティの適合性確認や妥当性確認を実施していくにあ たり、その確認手法そのものを確立していく必要がある。そのためには、実際 に使用している制御システムやコンポーネントを対象に評価実験を重ねてい く必要があるため、制御システム全体のセキュリティを検証する共通基盤技術 を開発していく必要がある。 汎用 OS におけるセキュリティ品質向上の取組は、制御システムにも適用で きるケースが少なくない。具体的には、脆弱性の確認技術や脆弱性を突いた攻 撃を緩和する技術開発などが挙げられる。制御システム特有の高セキュア化技 術としては、コントローラの振る舞いを監視し、攻撃検知後の安全なシステム 停止機能、安全制御モードへの移行、インターロックによる安全制御領域への 強制移行の実現といった技術が想定される。更に、攻撃者の視点で制御システ ムを分析し、新たな攻撃手法や技術を予測し、プロアクティブな高セキュア技 術を継続的に研究する必要がある。 ②国際標準化及び評価認証への対応 制御システムセキュリティに関する国際標準化 IEC62443 の策定が検討され ているとともに、その国際規格に準拠した制御システムセキュリティ対応の認 証整備が全世界で進められている。また、実務面でも海外においては、制御シ ステムセキュリティ認証を受けた制御システム・コンポーネントや制御システ ムであることが入札条件に含められているプラント建設プロジェクトが出始 めている。 ③インシデントサポート インシデント発生時の制御システムの被害状況と影響範囲について実際の
インシデントサポートをするために実機やシミュレーションを用いて脆弱性 の検証を行うための環境や制御システム・コンポーネントの脆弱性を発見する ツールが必要である。特に、脆弱性による影響や脆弱性に対するパッチ適用に よる影響に関しては稼働中の制御システムにて検証することは困難なため、テ ストベッドにて検証できることが望ましい。 ④人材育成・普及啓発の必要性 制御システムセキュリティ対策を行い、安定した操業ができる制御システム 管理下の現場を維持していくには、人材を育てていくことが必要である。また、 これらの人材を育てていくための環境とトレーナーも必要となる。特にウイル スやサイバー攻撃に関しては、攻撃側が日々レベルアップしてくることから、 研究を継続し、その対応ができる人材を育成していく必要がある。 制御システムセキュリティ対策は、社会インフラやライフライン、そして基 幹産業の安全を確保する上で、近年、重要な経営課題になってきた。特にユー ザ企業経営者がサイバー攻撃による被害や国際規格レベルでのセキュリティ 技術の向上を強く認識し、それに対して投資を中心にした経営資源の配分を必 要な規模で行うことを広く経済界に対して促していくことが重要な課題とな る。 (2)テストベッドが備えるべき機能 テストベッドに関する上記要求事項からテストベッドが備えるべき機能は、 以下の 8 機能に分類される。 ①システムセキュリティ検証 制御システムを構成するソフトやバルブなどを駆動するアクチュエータ1な どのセキュリティを評価検証する。 相応の設備、機器、ソフト及びエリアが必要とされる。開発には時間と費用 が膨大に必要とされるため、機器製造者や利用者は、このテストベッドを共有 利用することにより、自社製品や他社製品と組み合わせた環境をテストベッド 内に擬似的に設置し、最新のセキュリティ評価ツールを利用してサイバー攻撃 に対する妥当性や有効性を検証することができる。 また、評価された情報を蓄積することで、より高度な手法の開発や、相互接 続の際の早期確認が実現する。 1 入力されたデータを元に物理的な運動に変換する装置であり、電気的な信号を運動量へ変 換することによってモータやバルブ等の駆動を制御する。
②高セキュア化構成・技術の確立 オフィスでの利用とは異なり、工場や社会インフラの制御システムでは、リ アルタイム(即時)での情報処理が必要とされる。このため、高セキュア化に とって必然的にともなう暗号化が、その処理速度を落とし機能不全に陥る可能 性が高くなる。反面、暗号やチェックプログラムが防御のために肥大化するの は避けられない。 工場での操業や社会インフラのサービスの安全を維持するためにも、高速に 安定作動し、制御システムを長期にわたり保守できるセキュリティ技術の開発 が必至である。 ③広域連携システムにおけるセキュリティ検証 制御システムは携帯電話や可搬型のスマートフォンなどを通じて外部にも 大きく開放されつつあり、外部ネットワーク経由で利用できるセキュリティ技 術の開発や評価ツール、認証サポートツールの開発などが求められている。な お、スマートコミュニティにおいては、一般消費者、その他需要家、電力供給 事業者、送電事業者、監視制御事業者等がオープンなネットワークで結ばれ、 そうしたネットワーク上で電力の監視制御データが飛び交うことを念頭に置 く必要がある。 ④セキュリティ国際規格の提案 高度な制御システム・コンポーネントの輸出の観点から考えると、今後は海 外のセキュリティ国際規格を遵守した製品を作る必要がある。 我が国が国際的な主導権をもつ規格を提案・普及させて、海外のプラントや 社会インフラでの調達を排他的に獲得できるよう、さまざまな規格やセキュリ ティ対策を他国に先行して提案し、技術的な先行性を維持することで、制御シ ステム・コンポーネントの輸出やそれらを用いたインフラ輸出を促進する。 ⑤国際規格準拠認証の実現 現在、国際規格への適合性確認は海外企業へ申請しなければならず、時間と 費用の面で制御システム・コンポーネント供給者にとっては不利である。今後、 工場や社会インフラにおける制御システム・コンポーネント調達にあたって、 サイバー攻撃への防御性能が求められることは明白である。そのため、評価ツ ールや認証サポートツールの開発など、短期・低価格で認証を取得できる国内 での第三者による国際規格認証の実現に向けた環境作りが求められている。
⑥インシデントハンドリング支援 工場などで制御を担当する現場においてインシデントが発生した場合、OS やアプリケーション、デバイス等のログ分析を行い、攻撃のバックトレースや、 ネットワークの被害状況と影響範囲を分析するための支援ツール技術を開発 する。これにより、インシデント発生時の適切な現状把握と対策、及び被害の 最小化を実施する可能性がある。 ⑦人材育成環境整備 制御システム・コンポーネントを担当する計装制御システムエンジニアに対 して、即時処理などの制御性能を損なわずに実現できる設計手法の教育や訓練 が必要とされている。 従来の要求機能を満足する制御を中心とした設計手法に加えて、サイバー攻 撃を念頭に置いたセキュリティ教育が急務であり、その教育方法の開発が求め られている。 制御システムセキュリティの強化促進の要となる人材を育成するため、制御 システムセキュリティ対策に関する固有技術・管理手法の研究開発、及び効果 的な普及啓発方法に関する研究を行う。具体的には、人材育成のための習得課 題や普及啓発方法に関する研究を行うとともに、適格なプログラムやカリキュ ラムの提供とその実践(研修、トレーニングなど)を行う。 ⑧普及啓発支援 経営者層や現場層への制御システムにおけるサイバー攻撃被害やインシデ ントへの対応などといった基本的な教育や訓練も必要であり、制御システムセ キュリティ対策の強化のために一層の普及啓発が必要である。 制御システムセキュリティ対策の必要性を示すためのデモンストレーショ ンを実施することで、それぞれの人材がそれぞれの役割を担うことの重要性と モチベーションの向上による継続的な活動の推進を促していく機能となる。 この機能を活用することで、インシデントサポート、人材育成、普及啓発とい った利用目的が同時に実現できる。 (3)海外テストベッドの動向 ①米国テストベッド 米国ではエネルギー省(DOE)の国立研究所施設において、国土安全保障省 (DHS)と共同で制御システムセキュリティに関するテストベッドが構築・運営
されている。例えば、アイダホ国立研究所(INL)では、2004 年 3 月に SCADA2
テストベッドを構築し、SCADA システムの脆弱性検証を行っている。検証結果 を基にした制御システムセキュリティ標準化活動の支援、開発したサイバーセ キュリティ解析ツールによるセキュリティリスク軽減のための普及啓発活動 などを実施している。制御システムに関する推奨セキュリティの要件集の規格 ( Catalog of Control System Security : Recommendations for Standards Developers)を発行しており、スマートグリッド向けセキュリティを記述した NIST IR 7628 に盛り込まれている。 ②欧州テストベッド 欧州でのテストベットは未だ構築途上の段階であり、現段階ではノウハウの 共有や国際規格の共同提案を行う段階ではない。しかしながら、Emulab3等の 研究プラットフォームの共通化は、今後ノウハウの蓄積、国際連携を加速する ものと予想される。 制御システムのセキュリティについては、今後急速に国際基準の確立が見込 まれるため、密に情報交換を行い、定期的な連絡体制を確立すべきであると考 える。特に、安全を足掛かりとして認証実績によるプライベート基準のデファ クト化を進めたい TUV/SUD4の動きを把握することは重要である。ただ、この 動きに対抗するのではなく、当初より関係を持ち、更に事業継続の視点を加え ることで独自性を主張しつつ連携することが重要である。この事業継続の視点 は、IPSC(Institute of the Protection and Security of the Citizen)5が
重要視していた自然災害を産業用の制御システムに対する脅威とみなすこと にも繋がるものと考える。
また、日本でのテストベット構築では、国内でのノウハウの蓄積のみならず、 欧州でのテストベットでの活動内容も取り込むことで、国際連携を視野に入れ た活動を推進していくべきである。
2 SCADA とは Supervisory Control And Data Acquisition の略称で、遠隔地にある設備を
操作し、状態を監視することを目的とした「監視制御システム」である。
3米国 Utah 大学が開発したオープンソースのクラスタによるテストベッドプラットフォー
ムである。Emulab.net(http://www.emulab.net/)に Multi インフラシュミレーター等の 情報がある。
4国際的な第三者認証機関であり、製品安全性試験・認証サービスを提供する企業である。
近年、同社では Embedded Systems Innovation Team を創設し、産業システムセキュリティ (IT security in industry)を担当し、セキュリティ認証及びスマートグリッド関連のテ ストベッドを構築している。
2.標準化WG (1)標準化活動 制御システムに係るセキュリティの標準・基準については、組織やシステム のレイヤに対応したもの並びに業種及び業界に対応したものなど、様々な標 準・基準が国際標準の世界で提案されている。こうした中で、汎用的な標準・ 基準として、IEC62443(産業用制御システムセキュリティ)が近年注目されて おり、一部事業者の調達要件に挙がってきている。また、業界で評価・認証が 先 行 し て い る ISCI(ISA Security Compliance Institute) 及 び WIB(Working-party on Instrument Behaviour、1982 以降は International Instrument Users’ Association)の基準については、IEC62443 に統合される 方向で議論が進められている。
図2-1 制御システムに係るセキュリティ標準・基準の全体像
IEC62443 シリーズの中でも、IEC62443-3-3 については2011 年 10 月時点で は「CDV:2011.10」(Committee Draft for Vote)のステータスであったことか ら、本 WG では次の「Voting:2012.03.16」に向けて日本国内の意見を提出する ことを目標とし、本 WG の活動を推進した。 標準化 対象 汎用制御 システム 電力 システム スマート グリッド 鉄道 システム 石油・化学 プラント 組 織 システム コンポーネ ント 暗号 技術(暗号プ ロトコル、他) IEC 62443 ISO/IEC 29192 ISO/IEC 62278 NERC CIP NIST IR7628 WIB IEEE 1686 IEC 62351 IEC61850 IEEE2030 国際標準 業界標準 凡 例 ISCI
図2-2 IEC62443 シリーズの概要 本 WG では、原文案や事務局で用意したチェックリスト、IEC62443 で規定さ れている要件の根拠等をまとめた資料を基に、以下のようなコメントや IEC への質問事項をまとめた。 表 2-1 標準化 WG IEC62443 案への意見集約表(一部) 分類 コメント内容 提案する 変更内容 委員会意見・議論 提案結論 全体 ネットワークにPLC が 一つだけしか存在しな いようなシステムも本 規格の対象となるか。 恐らくコンポーネントの範 囲になると思われるが、質問 事項とするのが良いのでは ないか。 IEC に対する質 問事項とする。 SR1.1 定置型のデバイス等に ついては位置情報によ る認証の要件を含むべ き。 SAL62 以上を 対象とする。 認証手段の一つとして位 置情報を使うものも合って も良いのではないか。SAL2 と提案したが、SAL3 が妥当で はないか。 SAL3 としてコメ ント採用。 SR1.9 システムの利用通知メ ッセージの変更は「特 権」を有することを明 示するべき。 「特権」のみ によって変更 可能とするこ とを補足す る。 システム利用通知がセキ ュリティ機能であることを 認識する人は少ない。そのた め、変更時には特権が必要で あることを明示すべき。 コメント採用
SR1.10 悪意のある攻撃に対抗 する必要のない SAL1 で は不要ではないか。 SAL1 は対象か ら除く。 悪意がないため、セッショ ンロックの必要性はないの ではないか。 コメント採用 SR3.6 RE7として、ホワイトリ ストによる妥当性検査 を含めてはどうか。 SAL2 以上を対 象とする。 ・SAL2 では厳しすぎるように 考えられる。 コメント56と の整合性を考 え、SAL4 とし てRE を追加す る。 上記議論に基づき、IEC62443-3-3 について寄書案を検討し、50 項目の改訂 要求を策定した。その後 IEC/TC65/WG10 国内委員会にて検討され、国内委員か らのコメントと整合性を確保した上で、最終的に 52 項目の改訂案を WG10 本委 員会へ提出した。 (2)既存規格の翻訳 今後の標準化活動の支援、一般への本規格の普及及び評価・認証に関する検 討等を円滑に実施するため、発行済みの以下 3 規格についての翻訳を IPA で 実施しているところ(公開は2012 年 7 月以降に日本規格協会から発行予定)。
・IEC/TS 62443-1-1 Ed. 1.0:2009 (en) ・IEC 62443-2-1 Ed. 1.0:2010 (en) ・IEC/TR 62443-3-1 Ed. 1.0:2009 (en)
特に IEC62443-2-1 は、後半の Annex 部分に詳細ガイドも含まれており、国 内制御システムのセキュリティ強化の基準として、有効に活用できる。普及啓 発 WG での活用を期待するとともに、これに基づいた評価認証スキームの確立 を検討する素材としての利用が期待できる。
(3)既存規格の活用に関する検討
IEC62443 に お い て 、 IEC62443-2-1 は CSMS(Cyber Security Management System)というセキュリティマネジメントシステムの規格であり、CSMS を構築 するための要件が規定されている。この規格は、情報分野で広く普及している 情報セキュリティマネジメントシステム規格 ISO/IEC27001(ISMS)をベースと して、制御システムに特化した内容となっている。また、この規格の特徴とし て、要件を規定するだけでなく、それら要件をどのように達成するかについて、 7 RE とはシステム要件を構成する基本的な要件(System Requirement; SR)と強化策
制御システムの観点から詳細なガイダンスが Annex に記載されている。このよ うな特徴を持つ IEC62443-2-1 は、制御分野の国内事業者が、セキュリティマ ネジメントシステムを構築しセキュリティを向上する上での有益な規格であ ると考えられるため、以下の3つの取組を実施することが重要である。 ①自組織の簡易診断のためのセルフアセスメントテンプレートの策定 ②CSMS及びISMSとの比較分析 ③日本版の規格書の整備(2012年7月に公開予定) 3.評価認証WG (1)ISA Secure 評価・認証スキームの調査 欧米では、一部の事業者(石油業界、化学業界)で制御システムベンダに対 し制御システムに係るセキュリティの認証取得を要請する動きが出始めてい る。その中でも、ISA(International Society of Automation)及び ISCI(ISA Security Compliance Institute)が推進する ISA Secure 認証というスキーム が、将来的には IEC62443 に組み込まれるといわれており、認証スキームも綿 密に組み立てられているため、今後、市場に受け入れられる可能性が大きい。 また、制御システムのベンダにとっては、多数の規格に対応する負担感があ り、類似規格の共通化や国際相互承認が必要と考えられる。 そこで、我が国においても、海外との相互承認を可能とする評価・認証スキ ームの在り方について検討を行うこととし、その参考事例として ISA Secure 認証のスキームについて調査を実施した。ISA Secure 認証の概要は以下のと おりである。
図 2-3 ISA Secure 概要 (2)IEC62443 評価認証スキームの確立の検討 国内制御システム及び重要インフラシステムのセキュリティレベルを向上 させるためには、現状のシステムの把握(システムの資産と脅威に基くリスク 分析)及びセキュリティマネジメントを確立することが重要である。制御シス テムに対するマネジメント標準として、IEC62443-2-1(CSMS:Cyber Security Management System)が既に策定されており、IT システムの分野における ISO/IEC27001 に基づく ISMS(Information System Management System)と同等 の位置づけにある。 2002 年 4 月に ISMS 認証基準(Ver.1.0)が公表され、これに基づいて本格 運用が開始されており、日本国内では認証取得事業者 4,014 組織、認証機関 26 組織(2012 年 3 月 2 日現在)となっている。これにより、事業者の情報シス テムにおけるセキュリティの管理レベルはかなり向上しているものと考えら れ、ISMS 認証は、世界でも日本が突出して普及している状況にある。 CSMS 認証は現在存在しないが、以下に示すように ISMS と同等のスキームで 確立することが可能であると考えられる。特に、セキュリティが重要視される 制御システムベンダ ①製品 ②ISASecure 認証 プログラム推進母体 ISCI 認定機関 ANSI/ACLASS 認定 テストツールベンダ Wurldtech 評価項目 テストツール提供 (Achilles Satelite) テストツール 承認 評価・認証機関の 審査、認定
ANSI : 米国規格協会(American National Standards Institute) ACLASS : 米国認定機関(ANSI-ASQ National Accreditation Board)
ISASecure 認証プログラム ▇▇評価・認証機関:製品を評価し,ISASecure認証を発行する機関 ■認定機関:評価・認証機関を審査し,認定する機関 ■テストツールベンダ:評価・認証機関で使用されるツールを提供する企業 評価・認証機関で 使用されるツール を提供 テストツールと評価項目を 用いて製品の評価・認証 を実施 評価・認証機関 exida
出典:ICSJWG 2010 Fall Conference
<CSMS127要件> 101 (ISMSに一致もしくは 関連要件有) 26 (CSMS での 追加要件) 主に、 ・リスク評価、管理(4) ・セキュリティ組織、訓練(3) ・物理セキュリティ(2) ・権限分離(2) ・アクセス制御(7) ・インシデント対応(2) 他 Accreditation Bodies Certifiers
*1 JIPDEC : Japan Electronic Data Interchange Council *2 JAB : Japan Accreditation Board
JQA, JACO,
・・・
JAB*2
JIPDEC*1
Accreditation認証受査組織
ISO9000,14000 CertificationISO27000
Assessment ApplicationRegistration AssessmentReport
レベルの制御システム分野で、認証取得を実施することで、制御システム分野 のセキュリティレベルの向上につながると考えられる。 図2-4. CSMS と ISMS の関係について 図 2-5.ISMS の認証スキーム また、IEC62443-4-1 は、制御システム・コンポーネントのセキュリティ要 件を規定している ISA Secure の認証評価項目を要件のベースとして策定が進 んでいる。組込み機器のソフトウェア開発プロセスのセキュリティアセスメン ト手法を制御システム・コンポーネントに対応させようとしているため、齟齬 が生じる可能性がある。IEC62433-4-1 も認証が準拠する規格となる可能性が 高いため、日本として規格策定に注力していく必要がある。