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圧力容器用高張力鋼およびその溶接継手の高温高圧水素による脆化

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圧力容器用高張力鋼およびその溶接継手

の高温高圧水素による脆化

EmbrittlementofHighTensileSteelsand

their

WeldJointsfor

PressureVesselbyHydrogenatHighTemperatureandHighP・reSSure

正*

功**

田野崎

和夫**

TadashiNemoto Isao Masaoka KazuoTanozaki

鋼は高温高圧水素ふん開気にさらされると著しく脆化(ぜいか)するので,高沢高圧水素を使月ける化学工業

において,その機器の設計製作には注意を要する。本研究は化学機諸賢用高温高圧容器材として使用されるMn ̄ Si系およびMn-Mo系高張力鋼ならびにその溶接部を200kg/cm2水素中で300・∼550℃に加熱して良高1,000 時間まで保持し,その機楓付性質および組織の変化を調べ,脆化現象,脱化の進行過程,脆化限界などについ て考察を加えたものである。

1.緒

最近の化学工業は石油化学を先端として著しい進歩を示している が,アンモニア合成,メタノール合成,尿素合成,石炭の液化,あ

るいは石油の改質,脱硫など,高温高圧の水素を使用するものが多

い。ここでしばしば直面する問題の一つに装置構成材料の高温高圧 水素ガスの化学的侵食に原因する脆化破損がある。 この高温高圧水素による脆化は水素アタックと呼ばれてその現象 は比較的古く,Naumann(1)(2),Inglis氏(3)らの論文に発表され,わ

が国でほ大倉氏(4)の論文をみる。しかしこれらはおもに鍛造材につ

いて高温高圧水素中にほぼ100時間程度加熱して合金元素の影響を 調べたもので,長時間の試験による脆化の進行過程,あるいは鋼の 脆化限界に関して調べた報告は少なく,Nelson氏(5)(6)が過去の使 用実績などによって求めたにすぎないようである。 また最近でははとんどが溶接構造化されているにもかかわらず溶 礫 A 鋼 鋼 B 第1図 母 材 の 第1表 按部に関する脆化の詳細な研究はほとんどみられない。 本報告は化学機器用圧力容器材として使用されるMn-Si系およ びMn-Mo系高張力鋼ならびにその溶接部を高温高圧水素「Pに長時

間加熱し脆化の進行過程を機械的性質および組織の変化から調べた

ものである。

2.試料および実験方法

2.1試 料 試料は市販のMn-Si系高張力鋼AおよぴB,Mn-Mo系高張力鋼 Cならびi・こMn-Mo系高張力鋼にNiおよびCrを少量添加した Modify鋼Dの計4種で弟1表はその化学成分を示す。

母材試験片は前3老は受入のまま,後者は900℃,2時間加熱後

衝風冷却し,670℃,12時間焼戻ししたものについて実験した。第 1図は用いた試験片の組織を示す。また溶接継手は弟2表に示す施 行条件でユニオンメルト法により多層溶接された。第3表は各継手 鋼 C 糾 織(腐食5%Picral)×80×4/3 拐 分 成 学 レし ′1 の 料 試 材 母 D 凋 種 鋼 A B C D ) m m 厚 板 9 9 25462524 Si C T 9 6 ▲仇 ∩い 4 9 (仇 ∩‖ 4 1 2 3 Mn P接 溶 蓑 2 第 N u C 一2〇.16.14一 〇 ハU 爪U 件 条 行

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フラックスl

Grade♯80 開先 U l屯流(A) 300へ450 電圧(Ⅴ) 32∼35 速度(m皿/min) 300へ400 【予熱温度(℃) 150 矧川温度(℃) 150∼200 B 46 0ⅩWeld40,3.2¢ Grade‡80 U 300∼450 30∼35 300∼400 150 150∼200 C 25 US-56,3.2¢ Grade♯BO U 300へ・450 30∼35 300∼400 200 200∼250 D 124 US-56,3.2≠ Grade#80 U 420∼600l 30∼35 300へ′400 200 200∼250 * 日立製作所日立研究所 工l ̄一分 ** 日立製作所日立研究所

(2)

ー107-拐 分 成 学 レし イ の 部 接 溶 表 3 第 P n M Si C T 材 付 A B C D 0 7 {N∈j、ぜ)耳りこ撃ノ〕叫小竹机膏此空ひ (N一巨普)守ごきソ+叫叫巾杓煮詰二廿 ∩, 0 亡U 5 】.■■卜】 0 4

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三忘

100 200 300 400 500 加熱温度(℃〕 第2図 200kg/cn12水素巾100時間加熱後の引張強さ および降伏点に及ぼす加熱温度の影響 の溶着部化学成分を示す。 機械的性質は幅10mm,厚さ5mIn,平行部60mm(G.L.=50) の板状引張試験片と2mmVノッチシヤルピー衝撃試験片の2種類 で調べた。試験片はいずれも圧延方向から採取され,溶接継手の場 合は溶着部を中心に標点距離内に母材と溶着部の双方が含まれるよ うに加工された。いずれの試験片も加工後ひずみを除くため650℃, 1時間真空中で焼鈍して用いられた。 2.2 験 方 さ玉 突験ほ試験片を容量2Jのオートクレーブ巾にそう入した後高圧 水素ガスを封入して加熱するという方法で行なった。オーl、クレー プは常用圧力400kg/cm2,常用温度600℃である。圧力はブルド ン管式圧力計で測定し,温度はオートクレーブ内中央に設けた保護 管に熱電対をそう入してl′l動1;己録させた。 実験方法として圧力を200kg/cm2一定(ただし鋼Dについては 330kg/cm2)にして,温度300ノ∼550℃の水素中で最高1,000時間ま で加熱し,温度および時間の影響を調べた。使用した水素ガスは了■I了 淑のボンベ詰水素で実験装置の関係上乾燥することなく直接オート クレーブに導いた。また鋼Dはおもに330kg/cm2の条件で実験さ れたので,この場合は高圧ガスコンプレッサが使用された。各条件 の加熱終了後,常温に冷却し機械的性質および組織などを観察し た。 30 20 10 〔まノン+量 0 3 ()こン+童 nU

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ハU <U 1rl 母 Fi.′1 100 溶接継手 × ′才 銅fl 鯛.A 200 300 加鮒J丘度(℃) 400 ′ lユ切断 ′--一 溶眉郎切断 その他はネオ切断 100 200 300 加掛は度(□〔二) 約 那 ㌔鍬 500 nり 鋼 リロ 500 第3図 200kg/cm2水素中100時間加熱後の伸びに 及ばす加熱温度の影響 川 野少

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ハリ O ハU O 一ハリ 7-6 5 4 3 (㌔)ニ譜 20 10 70 60 50 40 30 20 10 0 「渋)ニ譜 iく.I lOO け 禎 八+け 200 300 加熱■は咤(ロcJ 銅.・1 鯛し 鋼【ミ 400 500 ×仝 ㌔鋼1) ㌔ /一一一別縄刑川J新 /---さ戸捕淵糊糾 その他卜上†川J斬 Ii.■i l()0 加斗一-\ メ 鋼1ミ (1) 200 300 400 川偵Li法度(℃) (2 ㌔ 朋tl

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\て41 第4図 200kg/cm2水素中100時間加熱後の絞りに 及ばす加熱脱皮の影雫(周目+(1)∼(4)ほ第8図の 写頁と対応する)

3.実験結果およびその莞察

3.1常圧水素中加熱による横械的性質の変化 高温高托水素中加熱による影響を調べる予僻実験として,常圧水 素中で400∼600℃i・こ最高1,000時間まで加熱し,機械的性質およ び組織の変化を調べたが,いずれの高張力鋼も水素による脆化はみ られない。しかし鋼A,BおよびCは500℃以上に長時間加熱する

と軟化のため引張強さおよび降伏点が低下し,600℃で1,000時間

も加熱すると引張強さはいずれも50kg/mm2以下に低下した。 3.2 高温高圧水素中加熱による轢械的性質の変化 上記鋼4種の母材および溶接部について,200kg/cm2水素中で 100時間加熱後の機械的性質に及ぼす加熱温度の影響は弟2∼4図 に示すとおりである。鋼Aの母材は加熱温度350℃まで機械的性質

-108-&、

(3)

圧力容器用高張力鋼およびその溶接継手の高温高圧水素による脆化

に変化がないが,400℃以上では引張強さが著しく低下し,伸びお よび絞りは完全に寄付近を示す。400℃以上では引張強さははぼ30 ∼35kg/皿m2程度におちつき,これは極軟鋼の強度むこほぼ等しい。 鋼Bではこの強度および敵性の低下は約50℃高温側に移り,鋼A よりも脆化しがたい。しかし450℃以上では同様な現象を示して脆 化する。鋼Cほこの条件で500℃まで脆化の傾向を示さず引張試験 の結果に現われるにほさらに厳しい条件が必要であろう。また脆化 した試験什では,降伏点は引張強さとほとんど等しくなるのが特徴 である。 溶接継手については,鋼Aの引張強さおよび降伏点は母材と同じ く加熱温度350℃まで変化ないが,400℃以上で著しく低下する。 しかし伸びおよび絞りはすでに350℃で脆化し,特に熱影響部の脆 化が著しい。400℃以上では熱影響部とともに母材も脆化するため 破断は母材でも起こる。鋼Bは加熱温度350℃以上の場合熱影野部 で切断するが,強度および靭性の低下は450℃以上で起こる。鋼C では母材は500℃の加熱でも脆化の散侯を示さないが,溶接継丁は 熱影響部の脱化により450∼500℃以上で機械的性質が低 ̄ ̄F■する。 一方鋼Dになると溶接継手において200kg/cm2水素中では500℃ でもさしたる物性の低下はみられず耐水素性が著しく高いことを示 す。以上のように溶接継手はいずれも熱影響部が特iこ脆化しやす い。 次に母材について,これらの脆化を衝撃偵の変化で比較した結果 を弟5図に示す。傾向は第2∼4図と同様に,ある限界温度以上に 加熱されると急激に靭性を失ない衝撃値は低下する。しかも舞3図 および舞4図に示した引張試験による仰びおよび絞りの低下に比べ て脆化は早く,いずれも低温側に移子上する。これは衝撃試験が引張 試験に比べて,組織に敏感なためであろう。この場合1,000時間の 結果も同時に示したが,鋼Aは300℃,鋼Bほ4CO℃ですでに靭性 を失う。しかし鋼C二‡ごよび銅Dほ400℃で低下の徴候は見られる が,まだ衝撃伯が高く,他の鋼に比べ脆化しがたい。また鋼Dは鋼 Cと帆句が似ているが,鋼Dの試験圧力条件が330kg/cll12ときぴ しいので,同条件でほ鋼Dのほうが脆化しがたいと思われる。

また試験後の破面について調べると,靭性破断した試験片は普通

のせん斬破面を示すが,脆性破断した試験片の破而は,低温脆性に よる脆性破面のような光沢状の矧謂面(へきかいめん)は示さず,鈍 25 20 15 0 (山戸)■∈普)空執藩

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( 300 4()0 5〔亡) 川0柑2i】伯+二‡ 1,C〕0柑≡l]保持 t5=6) (4) (2) り‖鮒ふヱ唯(DIJ) 第5図 20()kg/cn12水素巾100時間および1,000 加熱後の口材衝■1削托に及ぼす加熱温J空の影苧巨 (岡小(1)へ・(6)は打ぎ7岡の`宇土■ミと対応する) (托:ただし---■--一鋼D330】くg/cm250011川口) (N∈†∈知己望教導G東塔拙} 20 0 --・0-trバー56;お石部(け柑:納(:) -イーー(〕x\\,し-1(1芦40iぎi満郎(仲村:軌IJ 三 か /・/■A ________一一一/ナノ

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△ CH⊃ 100 200 300 加射止J空(℃) 「〕 口 () 0 400 500 第6図 200kg/cm2水素中100暗闘加熱後の 溶着部の衝撃他に及ばす加熱温度の影響 いねずみ色の特徴ある地面を示す。これは後のごプ穴でも明らかなよ うに割れが矧神西を伝播せず,おもに水素中加熱によって納品杓界 に生じた微小き裂が連なって破壊にヨミる結果である。 つぎに同条件に対する溶着部の衝撃値の変化を第る図に示す。 0ⅩWeld#40およびUS-56溶着部のいずれも衝撃値ほ低下するこ となく,かえって上界する傾向にあり,溶着部そのものは比較的耐 水素性が高いものと考えられる。 3.3 高温高圧水素中加熱による組織の変化 3.3.1母材の組織変化 舞5図で用いた衝撃試験片の一部を研摩して組織を観察し,そ のうち舞5図(1)∼(6)の特徴ある机織を舞7図にホす。 (1)二i一言よび(2)は鋼Aの糾織で,400℃に加熱した甜換什はパ ーライトが粒界什近からヱ捌愛し,粒糾こ山状出札が允(卜し,また そjtFJが連続して微小き多望をflミじ始めている。また(2)に示すよ うに500℃ではパーライトはンE仝に脱炭されてj山壊し,緋瓜柁界 は`ノ■亡仝に分離してき裂となる。これほ腐食波のにじみ折た様√か らも明らかである。 (3)および(4)は鋼Bについて示してあるが,衝撃伯が減少し はじめた400℃では結晶の粒界およびベイナイ1、にれうき要望がみ られるが,それは小さく,少ない。しかし500℃でまったく脆化 した試験什についてみるとベイナイトは肋壊し多くの内榔き要望カミ 生じていることが明らかである。 (5)は鋼Cの結果で,この鋼は比較的内部き裂を生じがたく, 500℃に至って一部脆化した試験片に内部き裂がみられる。その き裂は部分的で図に示すように圧延方向に顕常に発生するのが特 徴である。 (6)は鋼Dの結果で,この鋼には(1)∼(5)でみられるような 顕著な内部き裂はみられない。しかし明らかに結晶粒界に連続し た網臼状き裂がみられ,これが衝撃値を低■ ̄Fする原凶と考えられ る。右端は引張試験で破断した部分の組織であるが,結晶粒界か ら破断しており微小き裂に起因することが明らかである。なお衝

撃値の低下しない条件では,いずれも組織に変化はないが,脆化

の始め,すなわちいくぷん衝撃傾が低下した試験什の組織にも変 化は認められない。これは生成しはじめの非常に小さいき裂に対 しても衝撃値が敏感なためと考えられる。 3.3.2 溶接部の組織変化 第4図で用いた引張試験片の一部を研摩して組織を観察し,特 徴ある組織を第8図に示す。 (1)∼(3)ほ鋼Aおよび鋼Bの約織で,いずれも継手の拉界お よび熱買手習邦結晶粒界に微小き裂を生じやすく,溶前部にはき妾!圭 ほみられない。(1)でほ母材i・こき裂の与l三泌二1まだみられないれ

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×320×4/3 100ll水素巾加熱後(第5図(1)の組織) ?1 ×320×4/3 100h水卦如順子ミ後(第5図(2)の組織) ×80×4/3 ×80×4/3 (3)網B:400℃,200kg/cm2,100h(4) 水素中加熱後(第5図(3)の組織) ×80×4/3 鋼B:500℃,200kg/cm2,100b 水素中加熱後(第5囲(4)の組織) ×80×4/3 (5)鋼C:500℃,200kg/cm2,100h 水素中加熱後(第5因(5)の組織) (6)鋼D‥ 500℃,330kg/cm2,5001171く素中加熱後(第5団(6)の組織) 第7図 田村 の 高温高圧水素中加熱後の組織 妻容前部←∼-)熱影響部 溶着部-∼→熱影響部 350℃,200kg/cm2,100h 水素中加熱後の組織(節4図(1)の組織) (l)(2〕鋼A:溶 接 部 溶着部-!一難影響部 粗 粒 熱 影 響 部 (4)鋼C 溶接部 500℃, 清市部-∼一発如ジ禦哨; 料1陀 熱 影 響 部 (5)鋼D 400℃,200kg/cm2,100h 水素中加熱後の組織(細粒熱影弼部) (第4回(2)の組織) 溶着部-?一難影響郡 ×80×4/3 溶着部-?一熱影野部 450℃,200kg/cm2,100b 水素中加熱後の組織(第4図(3)の組織) (3)鋼B:溶 接 部 溶 着 部 細 粒 熱 影 哲 郎 200kg/cm2,100h水素中加熱後の組織(第4図(4)の組織,切断,粗粒熱影野部) 義盛 溶宕部←‡一類景子抑箔; 溶着部-ピー熱尻手背部 紺粒 (×320×4/3) 机粒熱影野糀破断の部分 溶接部 500℃,330kg/cm2,500h水素巾加熱後の組織 第8図 溶接部の高温高圧水素中加熱による組織の変化(倍率×80×4/3)

…110-+k

(5)

圧力容器用高張力鋼およびその溶接継手の高温高圧水素による脆化

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0 50 0 0 4 第9図 200kg/cm2水素中100時間加熱後の母材硬さに 及ぼす加熱温度の影響および1kg/cm2水素[l】加熱結果 との比較(ただし,鋼Dについては3301(g/cm2,500時 間加熱) 熱影響部に著しくき裂を発生して脆化している。(2)は比較的細1 粒の熱影響部で,この場合には400℃以上ではじめて発生してく る。(3)は鋼Bについて同様の結果を示す。 (4)は鋼Cの組織変化であるが,母材に比べて継手ほ500〔Cで 著しく脆化している。この原田は熱影響部におけるき製の生成 で,特に粗粒熱影響部における結晶粒界のき裂の発生は著しいり しかしそれは多層溶接による焼成しの影響を受けて微細化された 組織には生じがたい。また右端は溶着部に生じたき要望を示すが部 分的に小さなき裂がみられるにすぎない。 (5)は鋼Dの組織変化を示す。同様に熱影響部へき裂が発生し やすい。熱影響部の大部分は左端に示すように多層溶接のため焼 戻しされた組織を示すが,単一溶接熱影響部として残存するよう な部分では結晶粒が大きく発達し,その粒界が著しく侵されて脆 化し破断は熱影響部結晶粒卿こ沿って起こる。 3.4 かたさ,炭素含有量および重量減少率の変化 弟5図に示す衝撃試験片について,かたさ,炭素含有量および重 量減少率の変化を調べた結果を舞9図および弟10国に示す。衝撃 値の低下とほぼ一致してかたさも急激に減少L,圧力1kg/cm2で 実験したときの軟化による減少よりはるかに著しい。また脱炭によ る炭素含有量の減少およびそれに伴う重量減少率の低 ̄Fが同時に起 こっていることが明らかである。しかし鋼Dのようにごく微細なき 裂が無数に生成する場合は生成ガスが外部に放出されがたいので, 衝撃値の低下に比べ炭素含有量および旦量減少率の変化は著しく少 ない。溶着部は,かたさおよび炭素含有量の変化がほとんどなく, これは溶着部の炭素含有量が少ないことにより脆化しがたいためで あろう。 3.5 高温高圧水素中加熱後の機械的性質に及ぼす加熱時間の影 響および脆化限界直線 高圧水素中に一定時間加熱した場合,その条件で脆化する限界温 度が存在するが,一定温度で加熱した場合,-・定時開陳托した後に 急激に脆化を開始することがわかった。舞l=図ほ鋼Aについて 200kg/cm2水素中で300∼500℃の一一握恥蛙に快打し,峠「閂を変え て長時間加熱した際の脆化の進行過群を′.剛l如こ二糾-j ̄る機械州寸卜耽で 比較したものである。すなわち300℃ではり旧跡さ,伸び心.1二び絞 りともに100時間の保持でほ脱化せず1,000崎剛こ乍っで一部脆化 しはじめる。しかし400℃でほ約10時間付近より物性を失い, 100時間も加熱するとまったく靭性がなくなる。450℃ではさらに 短時間で脆化を開始し,温度の上昇につれて脆化を開始する時間が ㌃三U\≡切王室虻忘" iこ∴'.1〔)()

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800700600 501 ∠`こ「+〔パ脱化しか■▲ものし絞りの変化よ ▲=◆鵬化Lたもの い)求める /i′ ′/】叩山 鋼.1 竹畠絞りの結果かノブノJiの た溶接緋一戸脱化l数界 掛ノの結果から求め た母柑脆化限界 箭13L周 400 300 200加熱温度(℃) 一十一--+--¶⊥一丁- + -⊥十⊥+-⊥-⊥⊥一-+ 十一-+--¶⊥-r l・0 1.5 2.0 ト′1、′ヾ103(OK ̄リ 第14図 200kg/cm2水素中加熱による各鋼種溶接継手 の脆化限界と加熱温度との関係 ためその差が明らかである。 さらに弟12図に示した衝撃値の結果も同様で,低温では脆化す るのに長時間を要し,高温では短時間で靭性を失う。この場合引張 強さに比べて脆化時間が多少早くなっているのが特長で,これは組 織内に牛じた徴′トき裂に対する感受性の芹からくるものと思われ る〔、 以上は鋼Aについての結果であるが,鋼B,CおよびD,さらに i剰妾継手についても同様に脆化の進行過程を考えることができる。 すなわちいずれも一定温度で保持した場合,脆化までにある洛伏時 間が存在し,それぞれの鋼について加熱温度と脆化に要する時間と の関係から各鋼の脆化限界を知ることができる。脆化を開始するに

要する時間ほ絞りならびに衝撃値の低下から求め,伸びおよび絞り

の場合は90%以下に減少したものをすべて脆化した試験片として 表わし(50%を採用しても変わりはない),衝撃値の場合はばらつ きが多いので50%以下に減少したものについてのみ脆化試験片と して表わした。 弟13図は母材について,策14図は溶接継手について,200kg/ Cm2水素中加熱の結果を,縦軸に保持時間の対数,析軸に加熱絶対 温度の逆数をとって整理し脆化開始の限界を示したものである。こ の結果から各鋼種とも脆化開始に要する時間の対数と加熱絶対温度 の逆数とほ直線関係を示すことが明らかにされた。また4老では鋼 Aが最も脆化限界が低く,鋼B,Cの順に耐水素性を増し,鋼Dが 最も耐水素性に富んで脆化限界が高い。さらにこの関係は絞りから 求められたものより衝撃値から求められたもののほうがいくぶん脆 化限界が低く,また溶接継手は熱影響部の脆化が著しいため,一般 に母材に比べその脆化限界は低くなっている。

4.高温高圧水素中加熱による脆化についての検討

4.1高温高圧水素中加熱による脆化に及ぼす因子 いずれの鋼も高温高圧水素中で加熱すると脆化を示すが,高温ほ ど短時間で脆化し,その傾向は鋼Aで最も早く,鋼B,Cの順に脆 化しがたくなF),鋼Dは最も脆化しがたい。.この傾向はNaumann(2) および大倉氏(4)の結果にもみられるように,鋼中の炭化物の種類お よび形状に左右されると考えられ,鋼CはMo,鋼DはMoおよびCr の炭化物生成元素が添加してあるためと考えられる〔また鋼Dには Niが添加してあるが,Nau血ann(2)ぉよび大倉氏(4)はその効果がな く,Jacqlie(7)およびBosch氏(8)ほむしろ有害であると報告しており, いずれにしても脆化限界の上昇には効果がないっ また同じMn-Si 系でも鋼AおよびBの結果に見られるように熱処三野による影響も大 きく,鋼Bが比較的脆化しがたいのは焼準焼戻しによる組織の微細 化によるものであろう。 このよう己・こ脆化の難易は鋼中の炭化物に大きく左右される。脆化 の原因は今のところ鋼中への水素の侵入によりこれが炭化物と反応 して生ずるCH4によりき裂を生ずると考えられるので,水素によ って分解されがたい炭化物はど脆化しがたいと一応推察される。そ こで反応平衡論的に炭化物の安定を考えてみるが,これは一応の目 安で実際に必要な反応速度論的な考察ではない。第4表はRichard-son氏(9)が報告した炭化物生成の標準自由エネルギーから計算した 炭化物と水素の反応標準自由エネルギーを示す。この結果から各温 度および圧力における平衡ガス組成は容易に計算できるが,Fe3Cほ 比較的不安定だがMoおよびCrの炭化物はより安定となり,Cr23C6 あるいはTiCなどになるとはとんど水素により■還元されずに安定と なることがわかる。本実験のように同じFe3Cでも1部がCr,Mo で置換されればより安定になるものと考えられる。また酸化物およ び硫化物などの不純物についても同様に考えられ,弟5表にこれら の水素との反応の標準日由エネルギー(10)(11)を示したが,FeOおよ 第4表 炭化物と水素との反応の標準自由エネルギー 反 応 式 Fe3C+2H2ご3Fe+CH4 適用温蝶範囲 ((】K〕 463・∼1,115 標準自由エネルギー 』Fロ(cal) -27,930+32.08T Mo2C+-2H2ご2Mo+CH4 500∼1,273 -14,850+26.16T 7/5Cr3C2+2H2ご3/5Cr7C3・十CH4 500∼1,673 -18,350+26.36T 23/27Cr7C3十2H2ご7/27Cr23C6十CH4 500∼1,673 -11,500十29.01T 1/6Cr23C6十2‡丁2ご23/6Cr十CH4 500へ′1,673 -5,170+27.70T VC十2H2こⅤ十CH4 500∼2,000 ⊥9,050十24.56T TiC+2H22Ti+CIi4 500-∼1,160 22,200+23.75T WC+2H2ごW+CH4 500-\2,000 -12,450+25.74T

-112一

ヽL ふ

(7)

圧力容器用高張力鋼およびその溶接継手の高温高圧水素による脆化

第5表 酸化物および硫化物と水素との反応の 標準自由エネルギー 反 応 式 FeOイーH2ごFe+口20 MnO十H2ごMn+H20 A1203十3Ii2ご2Al+3H20 SiO2+2H2ごSi+2H20 FeS+H2ごFe+H2S MnS+H2ごMn+H2S 適用温度範囲 (UK) 373∼1,642 373∼1,500 373∼ 930 373∼1,700 412∼1,179 298∼1,000 控才申自由エネルギー +FJ(cal) 3,050-1.575T 32,950-3.94T 207,900-24.825T 90,300-16.55T 14,330-0.755T 42,420-3.515T 第6蓑 200kg/cm2水素中加熱による各鋼柾母材 および溶接継手の脆化限界温度(℃) 104時間における限界温度(℃)(外挿)=06時間における限界温度(℃)(外挿) 山鋼稚 A B C D 母 材 衝撃値より 求めた値 255 260 315 360∼310 絞 り よ り 諌めた伯 265 270 320 370∼310

還還岳懲新語雷-1

材l

絞り溶接継手よ り 求めた値 230 240 240 290∼250 265 280 290 360∼310 230 220 260 300∼250 225 215 260 290∼250 注 鋼Diこついてのみ330kg/cm2のデータ ぴFeSは比較的不安定なのに対しMnO,MnS,SiO2およびA1203 はきわめて安定であることがわかる。 次に溶接継手についてみると原向は母材と同様で,鋼A,B,C,D の順に脆化しがたくなるが,鋼Aを除いていずカ1も母材よ㌢)脆化限 外が低い。これほ溶接熱影響部が特に水素によって脱化しやすいた めで,この理由としては付材に比べかなり結晶粒が粗大で,かつ組 織が不均一なためと思われる。しかし熱影響部内でも単愉容接でみ られるような粗大熱影響部と多層溶接により焼準焼戻効果を受けた 熱影響部とではかなり差があり,前者が脆化しやすいのほ粗大結鮨

粒界が侵食されやすいためであろう。なお溶着部は炭素含有量が低

いうえにMoの添加がより耐水素性を高めているものと思われる。 4.2 高温高圧水素中加熱による脆化の長時間における限界温度 の推定 弟13図および第14図より各鋼の母材および溶接部とも,同一圧 力のもとで脆化しはじめるまでの時間の対数と加熱絶対温度の逆数 とはほぼ直線的な関係をもつことがわかったが,この由線関係がそ のまま低温の200℃付近まで成り立つとすれば,この直線関係を延 長して考え,長時間の脆化限界を知ることができる。弟る表はこの ようにして求めた200kg/cm2水素中における各鋼の104時間およ び105時間の脆化限界温度を示す。この結果から105時間の限界温 度は鋼AおよびBがそれぞれ225,215℃で母材で切断すると予想さ れ,銅CおよびDの限界温度はそれぞれ240℃,290∼250℃となり 溶接継手熱影響部で切断すると予想される。Nelson氏(5)〔爪)は欧米 各会社における使用実績から炭素鋼で220℃,1Cr-0.5Moまたほ 0.5Mo鋼で320℃を限界温度に定めているが,鋼AおよぴBについ

てはほぼ一致した値を示す。鋼CおよびDについてはNelson上毛ら

の結果の使用時間が明確でないが,これに比べ本実験から求められ た限界温度ほ105時間になると多少低くなる。 4.3 高温高圧水素中加熱脆化の轢構につし、て 脆化の機梢については詳細は明らかでないが,鋼l-i--への水素の侵 入によって炭化物が水素と反応な起こし(たとえばFe3C十2H2三=±

3Fe+CH4)鋼中にCH4を発生し,これが結晶粒界等の欠陥部分に

集抗して1勺部き裂となるために脆化すると解釈してよいと思う。定

性的にはこの反応は高圧ほど進行しやすく,高温はど反応速度が増

すので,400′∼600℃付近では平衡論的にも速度論的にも反応が容易 になると考えられている。 さて本実験の結果,高温高圧水素中に鋼を保持すると脆化を開始 するまでに一定の潜伏期間を持ち,脆化を開始すると短時間に脱炭 を伴う†勺部き裂を生じて靭性を失い,その温度依榊生は弟13図お よび第14図に示したように脆化開始時間の対数と加熱絶対温度の 逆数とは両線関係を示すことがわかった。この脆化現象は原子の拡 散などの,ある活性化をもつ過程とも考えられるので,この直線関 係から活性化エネルギーを計許してみた。その結果,鋼Aについ ては約36,000cal/mol,鋼BおよびCについては24,000cal/molを /示した。これらは鋼中の水素および炭素の拡散による活性化エネル ギーに比べればかなり大きく,このような拡散過掛こよって律速さ れるものではないものと考えられる。水素アタックの活性化を取り 扱ったWeiner氏(12)によるとキルド鋼について圧力約501唱/cm2水 素中の脆化の活性化エネルギーは14,600cal/molで本実験の結果と 一致せず,この間題についてはさらに検討を要する。 このように脆化の温度依存性は水素および炭素の拡散による温度 依存性よi)かなり大きく,これは高温高圧の下で吸収された水素が 鋼中の炭化物と接触し,生成したCH4の成長過掛こ何か関係するも

のと思われる。すなわち生成したCH4は初期には空孔,転位などの

欠陥むこ存在するが,侵入型同溶原子として存在していた水素および 炭素に比較してCH4はこのような位置に存在するにはひずみが多 くなって,これを緩和するような安定な格子の位置を占めねばなら ない。そのためCH4は欠陥部で気泡となり,さらに内部ひずみを緩 和するように原子空孔のCH4気泡への吸収,転位の移動などによ り,欠陥の多い結晶粒界などで気泡の成長が始まり,また個々の気 泡の合体も起こるのであろう。このようにここで求めた律速段階は 転位の移動などのCH4気泡の成長(き裂の成長を意味する)に何か 関係するのではなかろうかと推察されるが,詳細は不明であるっ こ れらを究明するためさらに検討したい。

5.結

口 4種の高張力鋼およびその溶接継手を高温高圧水素中で加熱して これらの機械的性質および組織の変化を調べた。その結果を要約す ると次のとおりである。 (1)高温高圧水素中に鋼を保持すると脆化し,脆化した試料は 機械的強度および靭性を著しく減ずる。またかたさも低下 し炭素含有量も減少して重量減少を招き,結晶粒界には多 くの内部き裂が生ずる。また破壊は結晶粒界から起こり, 破面はねずみ色を塁する。 (2)脆化に及ばす合金元素および熱処理の影響として,Moお よびCrの添加ならびに焼準焼戻を行なうと脆化限界は上 昇する。したがって4種の鋼ではA,B,C,Dの順に漸次脆 化しがたくなる。 (3)溶接継手は一般に熱影響部が最も脆化しやすいため母材に 比べ脆化は早い。また熱影響部のうちでも多層溶接の影響 で組織が焼準焼戻しされた部分は比較的脆化しがたいが, 単一溶接熱影響部として残った部分ほ粗大結晶粒のため,

その結晶粒界にき裂を生じやすい。また溶着部は本実験内

では何材に比べ炭素含有量が低く,さらにMoを含むので 脆化しがたい。 (4)一定温度および一定圧力の下では脆化開始までにある潜伏

期間があり,一度脆化しはじめると比較的短時間で著しく

脆化し,脆化開始時間の対数と加熱絶対温度の逆数とはほ

ぼ直線的な関係をもつ。

(5)上記の直線関係から各鋼について長時間の脆化限界温度を 外そうすることが可能である。 (6)水素アタックの脆化開始時間の温度依存性から,脆化の括

-113∬

(8)

性化エネルギーが計算されたが,水素および炭素の拡散の 活性化エネルギーよりはるかに大きく,脆化の機構として は炭化物と水素との反応によってできるCH4などが気泡 となって析出あるいは成長する過程における転位,原子空 孔などの格子欠陥の移動の温度依存性が関係していると推 察される。しかし詳細についてはさらに検討を要する∩ 終わりに木研究遂行に当たり,種々のご指導,ご援助を賜わった 日立製作所「Ⅰ立研究所副所長小野健二博士,日立ボイラー株式会社 野村社長,林課長の各位に深く感謝の意を讃する。また熱心に実験 に従事された当研究生高瀬磐維君にお礼申しあげる。 参 芳 文 献 (1)F.K.Naumann:Stablu.Eisen,57,889∼899(1937) (2)F.K.Naumann:Stahlu.Eisen,58,1239∼1250(1938)

(3)N.P.Inglis and W.Andrews:J.Iron&SteelInst.,128,

45678910 り1) 383∼408(1933) 大倉:鉄と鋼28,30∼47(1942) G.A.Nelson:Trans.ASME,73,205∼213(1951) G.A.Nelson:Trans.ASME,81,92∼93(1959) L.Jacqtie:J.Tlて1n&Stee】lnst.,135,141A(1937) じIi()SCll:Stalllしl.Eisen.,53,1187-∼1189(1933) F.1).Ricllards()n:J.Ir()n&SteelInst.,175,33∼51(1953)

F.D.Richal・dson and J.H,E.Jaffes:J.Iron & Steel

lnst.,1る0,261∼270(1948) F.D.Ricllal-ds()nandJ.tl.E.Ja斤es:J.Iron&SteelInst., 171,165′∼175(1952) (12)L.C.Weiner:Acta Metallurgica,8,52∼53(1960)

言午

特許舞303734号

一般に噴流型洗濯機ほ洗濯布にからまりを生じさせ,したがって, 洗濯布のもつれが撹拝回転体に衝突し,洗濯布に損傷を乍一えるとト可 時に電動楼に過負荷がかかる欠点を有していた。 この発明は,その欠点を除去するためにたされたものであるっ す なわち,回転軸に対し回転自在に撹拝回転体を枢着L,かつ,その回 ・甲 恨 /′前

′†////

犠 .h〃 如 W畝 図 l 第

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、\\ 大 島 亮一郎 虹榊にさらにポンプ司]般車を固定し,そのポンプによって生じる圧 力l・ ̄【1転水流により悦拝回転体を駆動させると同時に,その圧力水流 を擬梓回転体によって生じる洗濯水流のi叫転方向に対して逆方向に 噴射させたものであるっ Lたがって,洗濯布のもつれが生じた場合,すなわち,洗濯布が 撹拝巨・1転体に衝突したときには,その悦拝回転体の回転速度が自動 的に減少するので洗濯布に損傷を与えない。また同時にポンプ羽根 車によって生じた圧力水が回転軸の回転方向に噴射して洗濯布のか らまりを解きほく・、す作用もするものである。さらにこのとき,すな わち,洗擢布が撹枠回転体にからまりつくるときに生じる過負荷は, その過負荷に応勤して撹拝回転体の回転速度が減少するので,電動 機にかかる過負荷も避けうるものである。 (野中) 甘汁1しり村本 ナン ̄7ノJ+仕壬車

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唄1柑11 寸ごン7洲艮車 \ \ \ゝ \ \ 川転軸 丁 .・1-.Ll斬耐ズ】 第3図 Jtユ

参照

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