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さび病抵抗性を主としたネギの病害抵抗性育種の現状

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Academic year: 2021

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は じ め に 近年,ネギの生産では安価な輸入品に対抗するため, コスト低減や高品質化が重要な課題となっている。ま た,消費者の信頼を得るための安全性確保や環境保全型 農業への関心の高まりとともに,生産現場では化学合成 農薬の使用量低減に向けた取り組みが求められている。 その一方で,周年栽培や連作等により,病害の多発が深 刻化している。このような背景から病害抵抗性品種への ニーズが高まっているにもかかわらず,ネギの病害抵抗 性育種は極めて遅れている。近縁野生種などにおける抵 抗性素材の知見が少ないこと,また,他殖性作物ゆえの 育種の難しさもその一因にあげられる。筆者らは,ネギ の重要病害であるさび病について,循環選抜によって抵 抗性を向上させることが可能であることを見いだし,さ び病に強い抵抗性を示す ねぎ中間母本農 1 号 を育成し た(若生ら,2012)。本稿では,その育成経過と特性を 紹介することで,ネギの病害抵抗性育種の一例を示したい。 I ネ ギ の 病 害 栽培期間が長い根深ネギでは,多くの病害の発生が問 題となっている。ネギさび病は,比較的低温時期に多発 し,ネギの収穫量の約 8 割を占める秋冬季および春季の 収穫物に甚大な被害を与えることから,ネギの最重要病 害の一つに位置づけられる。また,高温期に発生の多い 黒斑病や比較的低温条件で発生が多いべと病も地上部病 害として大きな被害が見られる。一方,土壌病害として は高温多湿期の萎ちょう病,軟腐病,白絹病の発生が顕 著に見られ,収量,品質の低下が問題となっている。一 般に高温期に生育が停滞するネギでは,これらの土壌病 害に対する明確な抵抗性を示す品種・素材は見いだされ ておらず,その防除は極めて困難である。 II ネギのさび病抵抗性育種

ネ ギ さ び 病 は,糸 状 菌 Puccinia allii(de Candolle) Rudolphi によって発病し,ネギ葉身部の表面に楕円形 ないし紡錘形のやや盛り上がった橙黄色の小斑点が多数 形成され,ネギの商品価値を著しく低下させる重要な地 上部病害である。秋季から梅雨季の長期にわたり発生す るため,栽培期間中殺菌剤による防除が高頻度に行われ ており,延防除面積はネギの病害では最も大きく,3 万 3 千 ha にのぼる(日本植物防疫協会,2009)。殺菌剤散 布の労力・コストの低減のため抵抗性品種の育成が望ま れているが,ネギさび病に強度な抵抗性をもつ育種素材 は明らかになっていない。このためさび病はネギの重要 病害であるが,これまで抵抗性育種はほとんど行われて こなかった。また,さび病菌は絶対寄生菌のため,年次 変動の大きい自然発病に基づく検定が行われることが多 く,これまでの育種操作においては,選抜の効果は十分 得られていなかったと考えられる。筆者らは,国内外の ネギ遺伝資源 133 品種・系統についてさび病菌の接種に よる抵抗性素材の検索を行ったところ,本病に強い抵抗 性を持つ素材は認められなかったものの,発生した病斑 数に品種・系統間差が存在することを確認した(若生ら, 1999)。そこで本研究では,さび病菌の接種検定による 抵抗性評価と循環選抜法によりネギ種内のさび病抵抗性 にかかわる遺伝子頻度を高めた集団を育成し,既存品種 より抵抗性の強い中間母本の育成を試みた。循環選抜 は,集団内の無作為交配と人為選抜を繰り返し行い,組 換えを促進することにより,集団内の有用遺伝子の頻度 を向上させるのに有効であり,トウモロコシなどの主に 他殖性作物において遺伝率の低い量的形質の改良に用い られる。野菜の育種ではあまり一般的ではないが,キュ ウリの収量増加(WEHNER and CRAMER, 1996)やトウガラ

シの半身萎ちょう病抵抗性向上(PALLOIX et al., 1990)に

本育種法が効果的であったとの報告がある。本研究では 2 サイクルの循環選抜を行った結果,選抜世代を経るご とに発病度(AUDPC : Area Under the Disease Progress Curve)の値が減少し,同世代(C2S2)の AUDPC は基 本集団(C0)の 38%と有意に低い値となった(図―1)。 抵抗性程度は,調査日における病斑発生程度に基づいて 設定した発病評点,もしくは調査日ごとの発病評点の累 積値として算出した発病度(AUDPC)に基づいて判定 した。本結果により,循環選抜法がネギさび病抵抗性の 改良に有効であり,たとえネギ種内に強い抵抗性素材が 存在しなくても,抵抗性系統の育成が可能であることが 実証された。循環選抜の手法に関して本研究では,トウ

さび病抵抗性を主としたネギの病害抵抗性育種の現状

若  生  忠  幸

(独)農研機構 野菜茶業研究所

Breeding of Disease Resistance in Bunching Onion with a Focus on Rust Resistance.  By Tadayuki WAKO

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モロコシの収量向上に大きな効果が実証されている S1 系統選抜法(WEYHRICH et al., 1998)を用いた。これは, 素材集団の選抜個体から自殖次代を得,それらの特性を 系統単位で選抜し,その後放任受粉して遺伝的組換えを 図る方法で,選抜効果が高く,遺伝率の低い形質にも適 する(鵜飼,2003)。一般的に,循環選抜の初期世代で は選抜効果は低いとされているが,ネギさび病抵抗性の 選抜では比較的早い世代から大きな抵抗性の向上が認め られた。循環選抜により育成した改良集団 C1および C2 の抵抗性を比較したところ,両集団間での遺伝率は 0.81 と高く(若生ら,2005),このことが高い選抜効果を得 た原因と考えられる。 このように育成した循環選抜後のさび病抵抗性改良集 団から抵抗性および一般形質を固定することにより,既 存品種よりも強い抵抗性を示す ねぎ中間母本農 1 号 を 育成した。 III さび病抵抗性 ねぎ中間母本農 1 号 の育成 1 育成経過 ねぎ中間母本農 1 号 の育成経過を図―2 に示す。ネギ 遺伝資源 133 品種・系統の中から,さび病接種検定にお いて発病程度が比較的低かった 聖冬一本 , 岩井 2 号 , 長寿 , せなみ , 冬扇一本 および 豊川太 の 6 品種を 基本集団(C0)として選定し,1998 年にこれらの自殖 次代を得た。その後,接種検定による自殖系統の選抜と それらの相互交配・母株別採種による母系系統集団の育 成および母系選抜を 1 サイクルとする選抜を 2 サイクル 行い,さび病抵抗性改良集団(C2)を育成した。C2の 選抜個体から自殖系統選抜を 3 回繰り返し,抵抗性およ び主要形質を固定させた系統を育成した。その後,集団 交配により採種し,ネギ安濃 3 号の系統名を付して特性 検定試験(2008 ∼ 10 年度)を実施した結果,本系統は 既存品種に比べて強度のさび病抵抗性を示し,また,そ の抵抗性は後代に遺伝することが確認された。そこで, 2011 年 3 月 31 日に ねぎ中間母本農 1 号 として品種登 録出願し(出願番号第 25781 号),6 月 28 日に出願公表 された。 2 ねぎ中間母本農 1 号 のさび病抵抗性 ここでは 2010 年度に実施した ねぎ中間母本農 1 号 のさび病抵抗性検定のデータを紹介する。接種検定は, YAMASHITA et al.(2005)の方法に従い,ビニルハウス内 で栽培したネギにさび病菌夏胞子懸濁液(5 × 103個胞 子/ml)を噴霧接種し,接種約 2 か月半後まで発病評点 と AUDPC を調査した。植物体の発育段階が抵抗性に及 ぼす影響を調べるため,播種時期を 2009 年 7 月 1 日か ら 8 月 31 日まで約 1 か月ずつずらし,生育が 3 段階に 異なる植物を用いて,同時に抵抗性を検定した。接種は 2010 年 2 月 8 日に行い,接種源には,青森県産業技術 センター野菜研究所で発生した罹病株から採取した夏胞 子を野菜茶業研究所でネギに接種し,継代増殖した夏胞 子を用いた。対照品種としては,さび病に中程度∼やや 強い抵抗性を示す 夏扇 3 号 ,中程度抵抗性を示す 長寿 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 各世代における選抜系統 (無選抜) C2S2 C2S1 C2 C1S1 C1 C0S1 発病程度( AUDPC ) Cont C0 図−1  循環選抜による改良集団およびそれらの自殖後代 における選抜系統の発病程度の比較(2003 年度) バーは標準誤差,n=5 Cont:罹病性対照品種 金長 . AUDPC(Area Under the Disease Progress Curve): 調査日ごとの発病評点の累積値として算出した発病度. 各世代の記号については図―2 参照. ネギ安濃 3 号 (ねぎ中間母本農 1 号) (第 2 次 改良集団) (第 1 次 改良集団) C2S3M4 C2S3M1 C2S3 C2S1 C2 C1S1 C1 S1 集団採種 自殖 相互交配 自殖 自殖 相互交配 聖冬一本 岩井 2 号 長寿 せなみ 冬扇一本 豊川太 2010 年 2005 年 2004 年 2002 年 2001 年 2000 年 1999 年 1998 年 C0(基本集団) 図−2  ねぎ中間母本農 1 号 の育成系統図

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および罹病性の 東国 を用いた。 7 月 1 日播種の植物では,接種約 3 週間後の 3 月 1 日 に 長寿 , 東国 に発病が見られ,3 月 10 日にはすべて の供試品種に病徴が認められた(表―1)。 ねぎ中間母本 農 1 号 では病徴の進展が遅く,4 月 7 日および 22 日の 調査では,標準・対照品種は発病評点 4 以上と高い発病 程度を示したのに対し, ねぎ中間母本農 1 号 の発病評 点は 2.4 ∼ 2.6 と比較的軽微のまま経過した。発病度 (AUDPC)については 66 と対照品種 夏扇 3 号 (142) の半分以下の数値であった。 同様に 7 月 31 日,8 月 31 日播種の播種時期の異なる 植物を用いて同一調査日に発病程度を比較したところ, いずれの播種期においても, ねぎ中間母本農 1 号 は標 準・対照品種と比べ明らかに発病度が低く,異なる発育 段階でも安定した抵抗性を発揮した。 次に,さび病の常発地域における抵抗性の発現を評価 するために,青森県産業技術センター野菜研究所で実施 した特性検定の結果を示す。本検定地では夏季にさび病 に罹病したニンニクからの伝搬により菌密度が高く,さ び病がまん延しやすい条件にある。検定植物は慣行栽培 に準じ,2009 年 3 月 29 日に播種し,5 月 19 日に圃場に 定植,発病調査を 7 月 14 日∼ 9 月 2 日に行った。自然 発病によるさび病の発生程度に基づき抵抗性を調査し た。本検定では,7 月上旬から発病が認められ,対照品 種 夏扇 3 号 では 8 月 10 日に発病評点が最も高くなっ た(表―2)。一方, ねぎ中間母本農 1 号 の発病評点は, 対照品種と比べ極めて低く推移した。このほか,千葉県 農林総合研究センター育種研究所においても ねぎ中間 母本農 1 号 は,複数年次の試験で既存品種に比べてさ び病の発生が少なく,強度の抵抗性を有すると判定された。 3 さび病抵抗性の遺伝 ねぎ中間母本農 1 号 とさび病に罹病性のネギ育成系 統,短葉 26―4s―2s―2s との交雑による F2分離集団を自 殖して得た F3 100 系統を供試し,抵抗性の分離を調査 した。 ねぎ中間母本農 1 号 と短葉 26s―4s―2s―2s との 交雑 F1の発病評点は罹病性親にやや近い値を示し,交 雑 F3系統群の発病評点は,抵抗性親に近いものから罹 病性親に近いものまで連続的な分布を示した(図―3)。 このことから, ねぎ中間母本農 1 号 のさび病抵抗性は 複数の遺伝子に支配され,部分優性に発現すると考えら れ,後代における抵抗性の発現には,交雑親の抵抗性程 度も関与することが示唆された。 4 ねぎ中間母本農 1 号 の植物体特性 ねぎ中間母本農 1 号 を慣行の 4 月播き 11 月収穫に 表−1  ねぎ中間母本農 1 号 のさび病抵抗性検定結果(2010 年度,野菜茶業研究所) 系統・品種 草丈 z (cm) 葉鞘径z (mm) 調査日および発病評点y 発病度 (AUDPC)x 3 月 10 日 3 月 24 日 4 月 7 日 4 月 22 日 第 1 回播種(2009 年 7 月 1 日) ねぎ中間母本農 1 号 夏扇 3 号 長寿 東国 第 2 回播種(2009 年 7 月 31 日) ねぎ中間母本農 1 号 夏扇 3 号 長寿 東国 第 3 回播種(2009 年 8 月 31 日) ねぎ中間母本農 1 号 夏扇 3 号 長寿 東国 73.5 78.6 86.1 85.2 67.1 73.3 81.4 83.3 38.2 46.2 54.2 54.4 16.7 19.1 21.4 18.9 11.2 14.6 14.3 15.6 5.8 7.1 7.9 7.4 0.4 a 1.6 b 2.0 b 1.8 b 0.3 a 1.3 b 1.4 b 1.7 b 0.0 a 0.5 b 0.7 b 0.8 b 0.7 a 2.6 b 3.3 b 3.3 b 0.6 a 2.1 b 2.7 b 3.0 b 0.4 a 1.3 b 1.9 bc 2.2 c 2.4 a 4.1 b 4.7 b 4.6 b 2.2 a 3.7 b 4.2 b 4.3 b 1.0 a 3.1 b 3.6 bc 4.0 c 2.6 a 4.6 b 5.0 b 5.0 b 2.1 a 4.3 b 4.7 b 4.6 b 1.3 a 3.4 b 4.3 c 4.1 c 66 a 142 b 166 c 162 c 58 a 125 b 144 bc 151 c 30 a 93 b 115 c 125 c z2010 年 2 月 5 日調査. y発病評点:0(無病徴)∼ 5(激発). x発病度(AUDPC)=Σ{(ti + 1− ti)×(DSi + 1+ DSi)/2}. (ti + 1− ti):i 回目の調査と i + 1 回目の調査の間の日数. DSi + 1:i + 1 回目の調査における平均発病評点. DSi:i 回目の調査における平均発病評点. 異なるアルファベット間には Tukey の多重比較検定により 5%水準で有意差あり.

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より栽培したところ,栽培中の草姿,葉色およびろう質 については 吉蔵 と同程度であった。収穫物特性につい ては,襟部の締まりや収穫物の揃いは 吉蔵 と同程度で あったが,草勢は劣り,収穫物の葉鞘長,葉鞘径,地上 部生重については, 吉蔵 および 夏扇 3 号 より小さか った(表―3,図―4)。分げつの発生はなく,葉身および 葉鞘部は比較的硬かった。 以上の結果, ねぎ中間母本農 1 号 は,既存の根深ネ 表−2  自然発病による ねぎ中間母本農 1 号 のさび病抵抗性検定結果(2009 年度,青森県産業技術センター野菜研究所) 系統・品種 調査日および発病評点z 発病度 (AUDPC) 7 月 14 日 7 月 28 日 8 月 10 日 9 月 2 日 ねぎ中間母本農 1 号 夏扇 3 号 長寿 東国 0.4 a 1.0 b 1.5 c 1.6 c 0.3 a 1.2 b 2.7 c 3.1 c 0.5 a 2.5 b 4.0 c 4.6 c 0.1 a 0.2 a 1.8 c 1.5 c 17 a 70 b 139 c 154 c z発病評点:0(無病徴)∼ 5(激発). 異なるアルファベット間には Tukey の多重比較検定により 5%水準で有意差 あり. 発病度は表―1 参照. 短葉 26―4s―2s―2s (P2) F1(P1×P2) ねぎ中間母本農 1 号 (P1) ∼ 4.4 ∼ 4 ∼ 3.6 ∼ 3.2 ∼ 2.8 ∼ 2.4 ∼ 2 ∼ 1.6 ∼ 1.2 0 5 10 15 20 25 30 35 発病評点 系統数 図−3  ねぎ中間母本農 1 号 と短葉 26―4s―2s―2s との交雑 F3系統群におけるさび病の発病評点の分布 2008 年 7 月 5 日 播 種,9 月 3 日 定 植,2009 年 3 月 6 日接種,4 月 17 日発病調査.発病評点:0(無病徴) ∼ 5(激発). 表−3  ねぎ中間母本農 1 号 の春まき秋どり栽培における収穫物特性 系統・品種名 襟部の 締まりz 収穫物 の揃いy 最大葉身長 (cm) 葉身折径 (mm) 葉鞘長 (cm) 葉鞘径 (mm) 地上部生重 (g) 分げつ 発生率 (%) 欠株率 (%) 葉身の 硬さx 葉鞘の 硬さx ねぎ中間母本農 1 号 吉蔵 夏扇 3 号 5 5 7 5 5 7 50.2 51.7 49.8 30.8 33.5 34.3 29.0 36.0 34.3 18.5 21.4 20.0 127.2 205.9 194.5 0.0 2.8 0.0 2.6 5.3 0.0 7 7 9 8 8 9 z襟部の締まり:1(劣)∼ 9(優),y収穫物の揃い:1(劣)∼ 9(優),x葉身・葉鞘の硬さ:1(軟)∼ 9(硬). 図−4  ねぎ中間母本農 1 号 の収穫物 バーは 20 cm.

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ギ品種に比べ収量性は劣るものの,根深ネギとして必要 な形質はおおむね備わっており,さび病抵抗性の育種素 材として有望とみなされた。 お わ り に ねぎ中間母本農 1 号 は,さび病による病斑の発生が 既存の品種にくらべて明らかに少なく,強い抵抗性を有 すると判断される。また,植物体の発育段階が変わって もその抵抗性は安定して発揮されることが確認された。 ネギさび病菌のレース分化は明らかになっていないが, これまでの接種検定および自然発病による検定の結果よ り,本品種は国内に広く分布するネギさび病菌に対して 効果を発揮すると考えられる。本品種の抵抗性は量的に 発現することから,ポリジーンに支配される圃場抵抗性 であると推定される。 ねぎ中間母本農 1 号 は,根深ネ ギの主力である千住群品種の形態的特性を示し,一般形 質の揃いについては市販の自然受粉(OP)品種と同程 度である。しかしながら本品種は生育がやや遅く,収量 性は市販品種より低い。実用品種の育成のためにはこれ らの点についての改良がなお必要である。また, ねぎ 中間母本農 1 号 の抵抗性は部分優性に遺伝すると推定 されるため,さび病抵抗性 F1品種を育成する場合には, 両親に抵抗性を持たせることが望ましい。 循環選抜法によって育成した ねぎ中間母本農 1 号 を 素材として,本研究で行った接種検定に基づく選抜によ り,今後より効率的にさび病抵抗性育種が行われること を期待する。 引 用 文 献 1) 日本植物防疫協会編集(2009): 農薬要覧 2009,日植防,東京, p. 621.

2) PALLOIX, A. et al.(1990): Euphytica 47 : 79 ∼ 89.

3) 鵜飼保雄(2003): S1系統選抜法,植物育種学 交雑から遺伝

子組換えまで,東京大学出版会,東京,p. 185 ∼ 186. 4) 若生忠幸ら(1999): 園学雑 68(別 1): 80.

5) ら(2005): 同上 74(別 2): 455.

6) ら(2012): 野菜茶業研究所研究報告 11 : 55 ∼ 62.

7) WEHNER, T. C. and C. S. CRAMER(1996): J. Amer. Soc. Hort. Sci. 

121 : 362 ∼ 366.

8) WEYHRICH, R. A. et al.(1998): Crop Sci. 38 : 308 ∼ 321.

9) YAMASHITA, K. et al.(2005): J. Japan Soc. Hor t. Sci. 74 : 444 ∼

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登録が失効した農薬

(24.6.1 ∼ 6.30)

掲載は,種類名,登録番号:商品名(製造者又は輸入者)登録失効年月日。 「殺虫剤」 ミヤコカブリダニ剤 21082:スパイカル(アリスタ ライフサイエンス)12/06/03 クロルフェナピル・フルアクリピリム水和剤 20866:オオナタフロアブル(日本曹達)12/06/12 「殺菌剤」 イプロジオン・有機銅水和剤 15112:ロ ブ ド ー 水 和 剤(バ イ エ ル ク ロ ッ プ サ イ エ ン ス) 12/06/24 ジラム・チウラム水和剤 20399:ダイボルトフロアブル(協友アグリ)12/06/29 「除草剤」 ピリブチカルブ水和剤 17862:[DIC]エイゲン水和剤(日本曹達)12/06/20 テブチウロン・DCMU・DPA 粒剤 17875:ハービアウト粒剤(住友化学)12/06/26 イマゾスルフロン・プロジアミン水和剤 19659:イーグルランナーフロアブル(住友化学)12/06/24 19660:SDS イーグルランナーフロアブル(シンジェンタ  ジャパン)12/06/24 エトキシスルフロン水和剤 20394:[DIC]グラッチェ顆粒水和剤(日本曹達)12/06/29 テブチウロン水和剤 21080:ST ハービック SC(住友化学)12/06/03

参照

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