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高設栽培イチゴの生産性向上に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

高設栽培イチゴの生産性向上に関する研究( 内容の要旨 )

Author(s)

遠藤, 昌伸

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(農学) 甲第413号

Issue Date

2006-03-13

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/3110

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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名(本(国)籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学位授与年月 日 学位授与の要件 研究科及び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 員 会 遠 藤 昌 伸 (新潟県) 博士(農学) 農博甲第413号 平成18年3月13日 学位規則第3条第1項該当 連合農学研究科 生物生産科学専攻 静岡大学 高設栽培イチゴの生産性向上に関する研究 主査 静岡大学 教 授 糠 谷 明 副査 静岡大学 教 授 高 木 副査 岐阜大学 教 授 福 井 博 一 副査 信州大学 教 授 大 井 美知男 副査 静岡大学 助教授 切 岩 秤 和 論 文 の 内 容 の 要 旨 近年,栽培管理や収穫などの作業姿勢改善を主目的として,各地でヤシ殻,ピート,バーク等の有機培地を 利用した固形培地耕による高設式のイチゴ養液栽培システムの開発と普及が進められている・このような有機 培地は保水性・排水性といった物理的特性が大きく異なるが,培地の物理的特性とイチゴの生育との関係に っいての検討は十分に行われていないのが現状である.本研究では,高設栽培イチゴの生産性向上の一助と して,培地の物理的特性について注目し,イチゴの生理,生育,収量に及ぼす影響について検討した・また, 給液管理方法の違いが培地内水分変動,イチゴの生育,収量に及ぼす影響についても検討した・ 1)ヤシ殻とピートの混合比率を3:7,5:5,7:3,10:0とした培地を用いてイチゴを養液栽培し,生育,収量, 水分生理特性について調査した.培地の水分保持曲線は,ヤシ殻混合比率が高いほど含水率が低く推移す ることを示した.培地内の日平均含水率はヤシ殻混合比率と高い負の相関があり,ヤシ穀混合比率が高い培 地ほど含水率は減少し,逆に気相率は増加する候向が認められた.実験期間を通じたイチゴの収量は,ヤシ 殻混合比率が高くなるにつれ減少する候向が認められたが,この減少は特に2∼3月における収量差によるも のであった.イチゴの収量と培地の含水率との間には,2∼3月でFO.74,全期間でFO.69と高い正の相関が 認められた.また,1月期の収量,根重,根活性,吸水量,葉の水ポテンシャルは,ヤシ殻混合比率による差は なかったが,他の時期に比べ減少した.一方,収量差が生じた2∼3月において,白色根重,吸永量および気 孔コンダクタンス吼ヤシ殻混合比率が高い培地ほど低下した.以上のことから,イチゴの収量は,ヤシ殻混合 比率の高い水分保持力の低い培地で着果負担によって根の生育が抑制され吸水能力が低下した場合に,吸 水・蒸散が抑制され低下したと考えられた. 2)ヤシ穀とピートの混合比率を3:7,5:5,7:3,10:0とした培地を用いて,使用年数の増加に伴う物理的 特性の変化を,またその特性とイチゴの生育,収量との関係について調査した・ヤシ殻混合比率が高い培地

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-121-ほど,使用年数の増加に伴って,水分保持曲線が高く維持される僚向が認められた・一九ヤシ穀混合比率 が低い,すなわちピートの混合比率が高い培地では水分保持力は使用年数の増加によってほとんど変化しな かった.ヤシ殻混合比率が高い培地では,使用年数の増加に伴うC/N比の低下が認められ,培地の分解が 水分保持力増加の一因と考えられた.イチゴの収量は,使用年数に関わらず・ヤシ殻混合比率が高くなるに っれ減少する候向が認められた.しかし,ヤシ殻混合比率が低い培地では使用年数による収量差はなかった が,ヤシ殻混合比率が高い培地では使用年数が多い培地ほど収量が多かった・使用年数やヤシ殻混合比率 に関わらず,2∼3月の収量と培地の含水率との間には高い正の相関(r=0・74)が認められた・ 3)培地による収量差を減少させるためには培地中の水分状態を考慮した給液管理がより有効と考えられ るため,水分保持力が異なる2種類の培地(ヤシ殻‥ピート=3‥7,10・0)を用いて・培地中のマトリックポテンシャ ルを指標とする2種類の給液管理(マトリックポテンシャルが-1.4,-1・7kPaを下回った時に給液)によってイチ ゴを毒液栽培し,生乳収量への影響について調査した.収量や吸水量は,2∼3月でのみ差が生じており, 給液管理に関わらず,水分保持力の高い培地で多かった.しかし,給液管理による差は,水分保持力の高い 培地では認められなかったが,水分保持力の低い培地では∴設定値が高い区で収量が多かった・培地中の 日平均マトリックポテンシャルは培地間の差が小さく,両培地ともに設定値が高い区で高かった・日平均含水 率は,両培地ともに給液管理による差は小さく,培地による差が大きかった・給液回数は両培地ともに給液管 理の設定値が高い区で多く,水分保持力が高い培地では1.1回程度,水分保持力が低い培地では2・4回程 度の差が認められた.イチゴの収量は,培地の水分保持力に大きく影響されるが,水分保持力が低い培地で も多頻度給液など給液管理の改善により増加する可能性が示唆された・ 審 査 結 果 の 要 旨 高設式のイチゴ養液栽培は、作業性の改善等を目的として、ここ数年現場に急速に普及している が、イチゴ栽培及び毒液栽培に関する研究とが相対的に少ないこととあいまって、栽培現場からの 生産性向上に関する要望が極めて多い分野である○本研究では,高設栽培イチゴの生産性向上の 一助として,培地の物理的特性について注目し,培地栽培における給液管理方法の違いと培地内 水分変動との関係を中心に,イチゴの生育,収量に及ぼす影響を明らかにし、高設栽培における生 産性向上の基礎的知見を明らかにしたものである。 実験1では、ヤシ殻とピートの混合比率を3:7,5:5,7‥3,10:0とした培地を用いてイチゴを養液栽 培し,生育,収量,水分生理特性について調査した・これまで養液栽培における培地の水分動態を 明らかにしたデータは報告されていないが、ここでは培地の水分保持曲線を作成し・ヤシ殻混合比 率が高いほど含水率が低く推移することを示した・また、イチゴの収量と培地の含水率との間には・2 ∼3月でド0.74,全期間でド0.69と高い正の相関が認められた・以上のことから・イチゴの収量は, ヤシ殻混合比率の高い水分保持力の低い培地で着果負担によって根の生育が抑制され吸水能力 が低下した場合に,吸水・蒸散が抑制され低下したと考察した・ 実験2では、ヤシ殻とピートの混合比率を3:7,5:5,7:3,10:0とした培地を用いて,使用年数の 増加に伴う物理的特性の変化を,またその特性とイチゴの生育,収量との関係について調査した・ヤ シ殻混合比率が高い培地ほど,使用年数の増加に伴って,水分保持曲線が高く維持,一方,ヤシ 殻混合比率が低い,すなわちピートの混合比率が高い培地では水分保持力は使用年数の増加によ ってほとんど変化しないことを明らかにした.また,イチゴの収量は,使用年数に関わらず,ヤシ殻混 合比率が高くなる.につれ減少する傾向があるが,ヤシ殻混合比率が高い培地では使用年数が多い 培地ほど収量が多かったこと認め、培地の連年使用に関する基礎的、実用的知見を明らかにした・

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-122-実験3では,水分保持力が異なる2種類の培地(ヤシ殻:ピート=3:7,10.0)を用いて,培地中のマ トリックポテンシャルを指標とする'2種類の給液管理(マトリックポテンシャルが-1ヰー1・7kPaを下回 った時に給液)によってイチゴを養液栽培しこ生育,収量への影響について調査した・その結果,イ チゴの収量は,培地の水分保持力に大きく影響されるが,水分保持力が低い培地でも多頻度給液 など給液管理の改善により増加する可能性を明らかにし,培地栽培における給液管理方法について の基礎的、応用的知見を明らかにした. 以上について,審査委貞全員一致で本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の 学位論文として十分価値あるものと静めた。 学位論文の基礎となる学術論文 1.遠藤昌伸・切岩群和・糠谷明.イチゴ`章姫'の養液栽培におけるヤシ殻とピー トの混合比率が生育,収量,水分生理特性に及ぼす影響.園芸学会雑誌.2006・ (印刷中). 2.遠藤昌伸・渡遠洋平・切岩群和・糠谷明.養液栽培における有機培地の連用が培 地の理化学的特性とイチゴの生育・収量に及ぼす影響.農業生産技術管理学会誌. 2006.(印刷中). 既発表および関連する学術論文 1.遠藤昌伸・切岩群和・糠谷明.牛ふん尿処理液を用いたトマトの培地栽培.園芸 学研究.3(3):267-271.2004.

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